特開2019-197242(P2019-197242A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-197242保守対象装置、管理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-197242(P2019-197242A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】保守対象装置、管理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20191018BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20191018BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20191018BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20191018BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   G06F3/12 329
   G03G21/00 396
   G03G21/00 510
   B41J29/38 Z
   B41J29/46 Z
   H04N1/00 127A
   H04N1/00 002A
   G06F3/12 310
   G06F3/12 373
   G06F3/12 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-89010(P2018-89010)
(22)【出願日】2018年5月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐原 しのぶ
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HN15
2C061HV02
2C061HV19
2C061HV21
2C061HV35
2H270KA59
2H270KA61
2H270ND10
2H270ND12
2H270ND13
2H270ND15
2H270ND17
2H270ND18
2H270ND23
2H270ND25
2H270NE02
2H270NE11
2H270NE12
2H270QB09
2H270RA04
2H270RA11
2H270RA13
2H270RA14
2H270RB09
2H270RB10
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC55
5C062AC58
5C062AF06
5C062AF07
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】検知した異常を管理装置に通知する場合に、保守対象装置の異常の予兆検知の精度を向上させるとともに、検知した異常の深刻度と対処時期の精度の向上及び対処時期の延長を実現する。
【解決手段】保守対象装置の複数種類の個別情報を取得する取得手段と、保守対象装置から取得した異常情報を異常情報の種類ごとに複数種類の個別情報の範囲として集計する集計手段と、複数種類の個別情報のいずれかが集計手段で集計された範囲内であるかを判別することで保守対象装置の異常予兆の有無を判別する判別手段と、異常予兆の推移から異常予兆の深刻度を算出する深刻度算出手段と、前記個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する猶予期間算出手段と、算出された猶予期間から保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定し、実行する処理手段と、を備えた。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の異常を検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により検知された異常の情報を保持する保持手段と、
前記検知された異常に関連する異常の情報を検索する検索手段と、
前記保持手段に保持された前記異常の情報と前記検索手段により検索される前記関連する異常の情報を比較して異常の発生を判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された異常の発生を出力する出力手段と、を含む、
ことを特徴とする保守対象装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記検知した異常の情報のうち、前記異常の発生タイミングが所定の時間内である場合に、検知した異常が前記関連する異常であると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の保守対象装置。
【請求項3】
前記出力手段は、検知した異常が前記関連する異常である場合、異常の発生を出力しない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の保守対象装置。
【請求項4】
保守対象装置の複数種類の個別情報を取得する取得手段と、
保守対象装置から取得した異常情報を前記異常情報の種類ごとに前記複数種類の個別情報の範囲として集計する集計手段と、
前記複数種類の個別情報のいずれかが前記集計手段で集計された範囲内であるかを判別することで前記保守対象装置の異常予兆の有無を判別する判別手段と、
前記個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する猶予期間算出手段と、
前記算出された猶予期間から前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定し、前記保守対象装置に実行させる処理手段と、を備えた、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項5】
前記処理手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施する時期に基づいて、前記延命処理の内容を決定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記処理手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施する時期に基づいて、前記延命処理の実施期間を決定する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記延命処理の内容を前記保守対象装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記異常情報に応じた対処方法を示す処置情報を蓄積する処置情報蓄積手段をさらに備え、前記異常情報に応じた対処方法を示す処置情報を前記異常予兆に対処する担当者へ通知する、
ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
前記担当者が実施した処置情報の追記を受け付けて同一の処置情報が予め定められた数を超えた場合、前記処置情報蓄積手段に前記同一の処置情報を蓄積する、
ことを特徴とする請求項8に記載の管理装置。
【請求項10】
前記異常予兆の推移から異常予兆の深刻度を算出する深刻度算出手段を更に備え、
前記猶予期間算出手段は、前記深刻度算出手段が算出した深刻度に応じて前記個別情報に含まれる稼動履歴に基づいて前記担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する、
ことを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項11】
前記深刻度が予め定められた閾値を超えた場合、前記異常予兆に対処する担当者へ通知する、
ことを特徴とする請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
前記処理手段は、前記深刻度算出手段が算出した深刻度に応じて前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の管理装置。
【請求項13】
前記猶予期間算出手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施した時期と前記猶予期間算出手段により算出した猶予期間との差分に基づいて、前記担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する、
ことを特徴とする請求項4ないし12のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項14】
前記担当者による交換処置の実施を受け付けて前記判別手段により判別された前記保守対象装置の異常予兆の対象から除外する、
ことを特徴とする請求項4ないし13のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項15】
コンピュータを、
保守対象装置の複数種類の個別情報を取得する取得手段と、
保守対象装置から取得した異常情報を前記異常情報の種類ごとに前記複数種類の個別情報の範囲として集計する集計手段と、
前記複数種類の個別情報のいずれかが前記集計手段で集計された範囲内であるかを判別することで前記保守対象装置の異常予兆の有無を判別する判別手段と、
前記異常予兆の推移から異常予兆の深刻度を算出する深刻度算出手段と、
前記個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する猶予期間算出手段と、
前記算出された猶予期間から前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定し、前記保守対象装置に実行させる処理手段と、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守対象装置、管理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の状態を示す複数種類の状態データを収集し、収集した状態データに基づいて画像形成装置の状態を判別する状態判別装置であって、画像形成装置についての複数種類の状態データを継続的に収集する状態データ収集手段と、情報収集手段が収集した複数種類の状態データを記憶する状態データ記憶手段と、所定の判別タイミングが到来するたびに、状態データ記憶手段に記憶されている複数種類の状態データに基づいて画像形成装置の異常予兆の有無を判別する異常予兆判別手段と、異常予兆判別手段の判別結果を累積的に記憶する判別結果記憶手段と、判別結果記憶手段に記憶されている2つ以上の判別結果に基づいて異常予兆深刻度を算出する深刻度算出手段と、深刻度算出手段が算出した異常予兆深刻度を報知する深刻度報知手段とを有する状態判別装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
画像形成装置と管理装置がネットワークを介して接続され、画像形成装置は、画像形成装置の状態を検知するための状態情報検知手段と、状態情報を記録するための状態情報記録手段と、状態情報記録手段に記録された状態情報を管理装置に向けて送信するための状態情報送信手段とを備え、管理装置は、画像形成装置の状態情報送信手段から送信された状態情報を受信するための状態情報受信手段と、状態情報に現れる画像形成装置の異常状態の予兆のうち、予兆期間の初期に現れる予兆を検知する前期異常予兆検知手段と、状態情報に現れる画像形成装置の異常状態の予兆のうち、予兆期間の後期に現れる予兆を検知する後期異常予兆検知手段と、前期予兆検知手段が検知した日時を機番にひもづけて記録する前期予兆日時値記録手段と、前期予兆日時と後期予兆検知手段が検知した日時から、故障緊急度を算出する故障緊急度算出手段と、故障緊急度を通知する故障緊急度通知手段とを備え、管理装置では、状態情報に基づき画像形成装置の特徴量を算出し、特徴量の傾向結果を蓄積し、傾向結果から判別して予兆結果を割り出し、以前に予兆検知が行われた前期予兆検知結果に対して後期予兆検知結果と対比し、前期予兆検知がある場合には、緊急度の算出を行った後、該当する画像形成装置での後期予兆日時データを削除して緊急度を通知する画像形成装置の管理システムも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−113229号公報
【特許文献2】特開2011−166427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、検知した異常を管理装置に通知する場合に、検知された異常群から互いに関連する異常を除外しない場合に比べて、保守対象装置の異常の予兆検知の精度を向上させるとともに、検知した異常の深刻度と対処時期の精度の向上及び対処時期の延長を実現することができる保守対象装置、管理装置、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の保守対象装置は、
自装置の異常を検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により検知された異常の情報を保持する保持手段と、
前記検知された異常に関連する異常の情報を検索する検索手段と、
前記保持手段に保持された前記異常の情報と前記検索手段により検索される前記関連する異常の情報を比較して異常の発生を判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された異常の発生を出力する出力手段と、を含む、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の保守対象装置において、
前記判断手段は、前記検知した異常の情報のうち、前記異常の発生タイミングが所定の時間内である場合に、検知した異常が前記関連する異常であると判断する、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の保守対象装置において、
前記出力手段は、検知した異常が前記関連する異常である場合、異常の発生を出力しない、
ことを特徴とする。
【0009】
前記課題を解決するために、請求項4に記載の管理装置は、
保守対象装置の複数種類の個別情報を取得する取得手段と、
保守対象装置から取得した異常情報を前記異常情報の種類ごとに前記複数種類の個別情報の範囲として集計する集計手段と、
前記複数種類の個別情報のいずれかが前記集計手段で集計された範囲内であるかを判別することで前記保守対象装置の異常予兆の有無を判別する判別手段と、
前記個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する猶予期間算出手段と、
前記算出された猶予期間から前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定し、前記保守対象装置に実行させる処理手段と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の管理装置において、
前記処理手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施する時期に基づいて、前記延命処理の内容を決定する、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項4に記載の管理装置において、
前記処理手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施する時期に基づいて、前記延命処理の実施期間を決定する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の管理装置。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の管理装置において、
前記処理手段は、前記延命処理の内容を前記保守対象装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項4ないし7のいずれか1項に記載の管理装置において、
前記異常情報に応じた対処方法を示す処置情報を蓄積する処置情報蓄積手段をさらに備え、前記異常情報に応じた対処方法を示す処置情報を前記異常予兆に対処する担当者へ通知する、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の管理装置において、
前記担当者が実施した処置情報の追記を受け付けて同一の処置情報が予め定められた数を超えた場合、前記処置情報蓄積手段に前記同一の処置情報を蓄積する、
ことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項4ないし9のいずれか1項に記載の管理装置において、
前記異常予兆の推移から異常予兆の深刻度を算出する深刻度算出手段を更に備え、
前記猶予期間算出手段は、前記深刻度算出手段が算出した深刻度に応じて前記個別情報に含まれる稼動履歴に基づいて前記担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する、
ことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の管理装置において、
前記深刻度が予め定められた閾値を超えた場合、前記異常予兆に対処する担当者へ通知する、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項10に記載の管理装置において、
前記処理手段は、前記深刻度算出手段が算出した深刻度に応じて前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定する、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項4ないし12のいずれか1項に記載の管理装置において、
前記猶予期間算出手段は、受け付けた前記担当者による処置を実施した時期と前記猶予期間算出手段により算出した猶予期間との差分に基づいて、前記担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する、
ことを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項4ないし13のいずれか1項に記載の管理装置において、
前記担当者による交換処置の実施を受け付けて前記判別手段により判別された前記保守対象装置の異常予兆の対象から除外する、
ことを特徴とする。
【0020】
前記課題を解決するために、請求項15に記載のプログラムは、
コンピュータを、
保守対象装置の複数種類の個別情報を取得する取得手段と、
保守対象装置から取得した異常情報を前記異常情報の種類ごとに前記複数種類の個別情報の範囲として集計する集計手段と、
前記複数種類の個別情報のいずれかが前記集計手段で集計された範囲内であるかを判別することで前記保守対象装置の異常予兆の有無を判別する判別手段と、
前記異常予兆の推移から異常予兆の深刻度を算出する深刻度算出手段と、
前記個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する猶予期間算出手段と、
前記算出された猶予期間から前記保守対象装置の延命に関する延命処理の内容を決定し、前記保守対象装置に実行させる処理手段と、として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、検知された異常群から互いに関連する異常を除外しない場合に比べて、異常検知の精度を向上させることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、検知した異常が関連する異常であるか否か判断することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、異常検知の精度を向上させることができる。
【0024】
請求項4、15に記載の発明によれば、保守対象装置のダウンタイムの発生を抑制することができる。
【0025】

請求項5、6、7に記載の発明によれば、保守対象装置のダウンタイムの発生を抑制するとともに、異常予兆に対処する担当者への通知の精度を向上させることができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、異常予兆に対処する担当者へ適切な処置情報を提供することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、異常予兆に対処する対処方法の正確性を向上させることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、異常予兆に対する対処時期予測の精度を向上させることができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、異常予兆に対処する担当者への通知の精度を向上させることができる。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、異常予兆に対する対処時期予測の精度を向上させることができる。
【0031】
請求項13、14に記載の発明によれば、異常予兆の判別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】保守対象装置と管理装置を含む管理システムの一例を示すブロック図である。
図2】保守対象装置の内部構成を示す断面模式図である。
図3】保守対象装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図4】関連する異常フェイルを説明する図である。
図5】異常フェイル検知の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】(a)は異常発生テーブルの一例を示す図、(b)は異常情報の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る管理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図8】(a)は異常発生リストの一例を示す図、(b)は異常発生集計の一例を示す図、(c)は保守対象装置の個別情報の一例を示す図である。
図9】異常予兆検知リストの一例を示す図である。
図10】異常フェイル発生リストの一例を示す図である。
図11】異常フェイルを取得した際に延命処理の決定を行う動作の流れを示すフローチャートである。
図12】第2実施形態に係る管理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図13】異常フェイルを取得した際に深刻度の算出を行う動作の流れを示すフローチャートである。
図14】(a)は保守対象装置の個別情報の一例を示す図、(b)は異常発生集計の一例を示す図、(c)は予兆検知リストの一例を示す図である。
図15】印刷枚数に対する異常フェイル発生の推移の一例を示す図である。
図16】保守対象装置における稼動履歴の一例を示す図である。
図17】印刷枚数を週ごとに集計した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0034】
「第1実施形態」
(1)管理システムの構成
図1は本実施形態に係る保守対象装置1と管理装置2を含む管理システムの一例を示すブロック図である。
管理システムは、保守対象装置1と、管理装置2と、端末装置3と、を含む。保守対象装置1、管理装置2及び端末装置3は、ネットワークNWを介して互いに接続されている。図1に示す例では、2つの保守対象装置1が情報処理システムに含まれている例を示しているが、通常は多数の保守対象装置1が情報処理システムに含まれて管理装置2に接続されている。また、保守対象装置1の保守を行う担当者は、端末装置3をネットワークNWに接続して管理装置2と情報の授受を行う。
【0035】
(2)保守対象装置
(2.1)保守対象装置の全体構成
図2は本実施形態に係る保守対象装置の内部構成を示す断面模式図である。
保守対象装置1は、例えば、コンピュータ、複合機、プリンタなど保守の対象となる装置であり、本実施形態においては、スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を実行する複合機を保守対象装置とする形態について説明する。
【0036】
保守対象装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の下部に装着された給紙装置20と、画像形成部10の上部に装着された読取装置30と、操作表示部40と、画像処理部50と、システム制御装置60と、記憶装置70と、を備えて構成され、プリント機能が実行されることにより、画像が用紙等の記録媒体上に印刷される。
【0037】
画像形成部10は、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16、を備えて構成され、画像処理部50から受け取った画像情報を給紙装置20から送り込まれた用紙上にトナー像として形成する。
【0038】
画像形成部10の底部には、用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、更に給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置され、用紙Pを収容する用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュールTMが接続されて画像形成部10に対する用紙供給を行う。
【0039】
画像形成部10の上方には、読取装置30が配置されている。読取装置30は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ等のイメージセンサ(不図示)を備え、原稿台上に載置された原稿の画像を読み取り、電気信号である画像データに変換する。
【0040】
読取装置30の前面側には、ユーザーインターフェイスとしての操作表示部40が配置されている。操作表示部40は、液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され、保守対象装置1の使用者は、操作表示部40を介して各種の設定や指示の入力を行う。また、液晶表示パネルを介して保守対象装置1の利用者へ各種情報を表示する。
【0041】
画像処理部50は、外部機器(デジタルカメラ、携帯端末、パーソナルコンピュータ等)から取り込まれた印刷情報から画像データを生成するとともに、読取装置30によって入力された画像データを用いて種々の画像処理を行う。
【0042】
このような構成の保守対象装置1では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置20から、印刷ジョブで指定された用紙Pが画像形成部10へ送り込まれる。
【0043】
感光体ユニット13は、給紙装置20の上方に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム31を備えている。露光装置12により静電潜像が形成されたそれぞれの感光体ドラム31上には、それぞれの現像装置14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0044】
各感光体ユニット13の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、転写装置15の中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、レジストローラ対24から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに二次転写ローラ52によって一括転写される。
【0045】
定着装置16は一対の加熱モジュール16Aと加圧モジュール16Bの圧接領域によって定着ニップ部NP(定着領域)が形成される。
転写装置15においてトナー像が一括転写された用紙は、トナー像が未定着の状態で搬送ガイドを介して定着装置16の定着ニップ部NPに搬送され、一対の加熱モジュール16Aと加圧モジュール16Bにより、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
【0046】
定着トナー像が形成された用紙は、搬送ガイドによってガイドされ、排出ローラ対69から保守対象装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。
尚、自動で両面印刷を行う場合には、用紙の表裏が反転され、再び画像形成部10へ送り込まれる。そして、トナー像の転写および転写像の定着が行われた後に、排紙トレイ部TR1に排出されることになる。
【0047】
(2.2)保守対象装置の機能構成
図3は本実施形態に係る保守対象装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
保守対象装置1は、印刷制御部61、異常検知部62、検索部63、判断部64、通信部65を含むシステム制御装置60を備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行して、保守対象装置1全体の動作制御を行う。
【0048】
印刷制御部61は、給紙装置20との間の情報授受についての制御の他に、画像形成部10が備える露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等に対して、動作制御指示を与える。
【0049】
保守対象装置1には、各種のセンサが内蔵されており、それらのセンサによって保守対象装置1のさまざまな内部状態が検知される。検知される情報は、保守対象装置1の動作に関するさまざまなパラメータ情報であり、保守対象装置1が備える露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16、給紙装置20等の異常フェイルが含まれ、異常検知部62は、これら異常フェイル情報を検知して記憶装置70に保持する。
【0050】
保守対象装置1で発生する異常フェイルは、単独で発生する異常フェイルと、その異常フェイルが発生したことにより、その影響を受けて他の異常フェイル(以降、関連する異常フェイルという)が発生する場合がある。検索部63は、記憶装置70に保持された異常フェイルから「関連する異常フェイル」を検索する。
【0051】
判断部64は、異常検知部62で検知された異常フェイルと検索部63で検索される「関連する異常フェイル」を比較して、検知された異常フェイルの発生タイミングが所定の時間内である場合には、検知された異常フェイルは予兆対象の異常とはしない。すなわち、判断部64は、検知された異常フェイルが単独で発生した異常フェイルなのか、「関連する異常フェイル」なのかを区別することで、異常検知の精度を向上させている。
【0052】
通信部65は、ネットワークNWを介して、保守対象装置1の個別情報や、「関連する異常フェイル」と区別して検知された異常フェイル情報を管理装置2に出力する。また、管理装置2から、後述する延命処理の情報を取得する。
【0053】
(2.3)保守対象装置の異常フェイル検知
図4は異常フェイルと関連する異常フェイルを説明する図、図5は異常フェイル検知の動作の流れを示すフローチャート、図6(a)は異常発生テーブルの一例を示す図、(b)は異常情報の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら保守対象装置1における異常フェイル検知について説明する。
【0054】
図4(a)はA部品に異常フェイルが発生した後、B部品についても異常フェイルが発生した状態をタイムチャートで模式的に示している。図4(b)には、図4(a)に模式的に示すA異常フェイル、B異常フェイルを、異常の種類、関連する異常、異常の発生タイミングで異常情報として整理した表を示している。
部品Aについて発生したA異常フェイルについては、単独で発生した異常フェイルであるために、関連する異常はなく、その発生タイミングもない。一方、部品Bについて発生したB異常フェイルについては、部品Aについて発生したA異常フェイルに影響を受けてA異常フェイルの二次障害として発生したことから、「関連する異常フェイル」はA異常フェイルであり、その発生タイミングは0〜200msであるために、予兆対象の異常フェイルからは除外される。
【0055】
ここでは、異常検知部62が、B異常フェイルを検知した場合の異常検知動作の流れを、図5に示すフローチャートに従って説明する。
異常検知部62は、異常フェイル(B異常フェイル)を検知した場合(S101:Yes)、異常発生テーブルに検知した異常フェイルの種類、発生日時、システム時間を保持する(S102)。図6(a)に一例として示す異常発生テーブルにおいては、A異常フェイルは、2015年4月1日10時00分00秒に、システム時間34000msで発生している。そして、今回検知したB異常フェイルは、2015年4月1日10時00分00秒に、システム時間34100msで発生したとして保持される。
【0056】
次に、検索部63は、「関連する異常フェイル」を検索する(S103)。例えば、図6(b)に一例として示す異常情報の「関連する異常フェイル」から、「関連する異常フェイル」としてB異常フェイルを検索し、該当する異常フェイルが有るか判断する(S104)。該当する異常フェイルが検索された場合(S104:Yes)、検知した時間内に異常情報の表の「異常フェイルの種類」に登録されている異常フェイル(図6(b)においては、A異常フェイル)が発生しているか異常発生テーブルから確認する(S105:図6(a)においては、A異常フェイル)。尚、該当する異常フェイルが検索されなかった場合(S105:No)、検知したB異常フェイルは「関連する異常フェイル」ではないため、検知した異常フェイル(B異常フェイル)を異常フェイルとして管理装置2に出力する(S108)。
【0057】
次に、異常情報の表の「発生タイミング」から、時間を取得する(S106)。ここでは、発生タイミングは0ms〜200msとなる。そして、異常発生テーブルに該当する異常フェイルが有るか判断する(S107)。該当する異常フェイルが有る場合(S107:Yes)は、検知したB異常フェイルは、「関連する異常フェイル」となり、異常フェイルからは除外して、管理装置2に出力しない。該当する異常フェイルがない場合(S107:No)、検知したB異常フェイルは「関連する異常フェイル」ではないため、検知した異常フェイル(B異常フェイル)を異常フェイルとして管理装置2に出力する(S108)。
【0058】
このように、保守対象装置1は、検知した異常フェイルが「関連する異常フェイル」であると判断された場合、検知した異常フェイルを管理装置2に出力しないため、検知された異常群から互いに「関連する異常フェイル」を除外しない場合に比べて、異常検知の精度を向上させることができる。
【0059】
(3)管理装置
(3.1)管理装置の構成
図7は管理装置2の機能構成を示す機能ブロック図である。
管理装置2は、例えば、サーバなどのコンピュータであり、インストールされるプログラムに従って動作するCPU、ROMやRAM等の記憶素子からなる制御部201、ハードディスクドライブなどである記憶部208、ネットワークボードなどの通信インターフェースである通信部209などを含む。
本実施形態における管理装置2は、個別情報取得部202、異常情報集計部203、異常予兆判別部204、猶予期間算出部205、延命処理部206、処理情報蓄積部207、を含んで構成され、保守対象装置1で検知される異常フェイルをネットワークNWを取得して、保守対象装置1における異常予兆検知及び異常予兆に対する延命処理の決定等を行う。
【0060】
個別情報取得部202は、保守対象装置1の複数種類の個別情報を通信部209を介して取得する。保守対象装置1の個別情報としては、装置のロット番号、累計印刷枚数、ジョブ情報(使用トレイ、使用紙種等)等が挙げられる。
図8(a)は異常発生リストの一例を示す図、(b)は異常発生集計の一例を示す図、(c)は保守対象装置1の個別情報の一例を示す図である。
異常情報集計部203は、保守対象装置1から取得した全ての異常フェイルを、同一の異常フェイルごとにそれぞれの保守対象装置1の個別情報の範囲として集計する。具体的には、図8(a)に一例として示すように、異常フェイルとして、同一のA異常フェイルが装置のロット番号000001、000200、001000で検知された場合、図8(b)に示すように、保守対象装置1の個別情報である装置のロット番号の範囲(000001〜001000)、累計印刷枚数の範囲(10000〜20000)、発生トレイの範囲(トレイ1)、使用紙種の範囲(厚紙1、厚紙2)として集計する。
【0061】
異常予兆判別部204は、保守対象装置1の個別情報のいずれかが異常情報集計部203で集計された範囲内であるかを判別することで、未だ異常フェイルが発生していない保守対象装置1の異常予兆の有無を判別する。
具体的には、図8(c)に示すように、装置のロット番号が000300である保守対象装置1において、累計印刷枚数が17000枚、使用トレイがトレイ1、使用紙種が厚紙1であった場合、装置のロット番号000300は、図8(b)に示す異常発生集計における装置のロット番号000001〜001000の範囲内であり、累計印刷枚数17000は、枚累積印刷枚数10000〜20000の範囲内、使用紙種厚紙1は使用紙種厚紙1、厚紙2の範囲内であると判別されることから、未だ異常フェイルが発生していない保守対象装置1について異常予兆が有りと判別されることになる。
【0062】
猶予期間算出部205は、保守対象装置1の個別情報に含まれる稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出する。
ここに、担当者とは、保守対象装置1の利用者とは異なる保守対象装置1の保守を行う者であり、担当者は保守対象装置1を保守するに当たって保守対象装置1の設定場所に訪問する。なお、担当者は、管理装置2に接続される端末装置としての情報処理装置を用いて管理装置2から保守に関する情報を取得したり、通信手段を介した遠隔操作により保守対象装置1を保守したり、電話による対応を行ったりもする。
【0063】
図9は異常予兆検知リストの一例を示す図である。
延命処理部206は、猶予期間算出部205によって算出された猶予期間から保守対象装置1の延命に関する延命処理の内容を決定し、また、延命処理を実行する。
具体的には、図9(a)に一例を示すように、装置のロット番号000500の保守対象装置1において、異常予兆として「定着不良」有りと判別され、猶予期間算出部205において猶予期間(交換時期)が2週間と算出された場合、延命処理部206は、定着不良の発生を延期させるために延命処置として、プロセス速度の上限値(NVM:動作プログラムにおける不揮発メモリ内の制御値)の書き換え(プロセス速度の減速)及び定着装置の制御温度の調整を決定する。この延命処置は、ネットワークNWを介して、保守対象装置1に指示して実行させる。延命処置の内容は保守対象装置1の操作表示部40に表示され、遠隔で実行することもできる。
【0064】
例えば、装置のロット番号000500の保守対象装置1の累計印刷枚数が現在値で3000000枚、週間の平均印刷枚数が10000枚、猶予期間(交換時期)が2週間後である場合、延命処置によりプロセス速度を通常の50%に減速させることで、交換時期を一時的に2週間から4週間に延命することができる。
【0065】
また、猶予期間算出部205は、算出した猶予期間内に対象の保守対象装置1において異常フェイルが発生した情報を取得した場合や、担当者による処置を実施した時期と先に算出した猶予期間とに差異がある場合には、算出した予測の猶予期間に誤りがあることになり、誤差情報として登録する。図9(b)に一例として示した予兆検知リストのように、猶予期間が2週間と算出されていた場合であって、実際には1週間で異常フェイルが発生したときには、誤差として「マイナス1週間」と登録する。このような誤差は判別される異常予兆名ごとに集計され、猶予期間算出部205による猶予期間算出に反映される。
【0066】
さらに、異常フェイルが発生した場合や異常予兆が有りと判別されて担当者により部品交換が実施された場合には、累計データから発生した回数分の値を差し引くことにより異常予兆の対象から除外する。図9(c)に一例として示した予兆検知リストのように、部品交換の日時や交換処置時の累積印刷枚数を記録して、例えば定着不良という異常予兆の対象から除外する。これにより、異常予兆の判別精度を向上させることができる。
【0067】
図10は異常フェイル発生リストの一例を示す図である。
処理情報蓄積部207は、取得した異常フェイルの情報に応じた対処方法を示す処置情報を蓄積し、異常フェイルに応じた対処方法を示す処置情報を異常予兆に対処する担当者へ通知する。また、担当者が実施した処置情報の追記を受け付けて、同一の処置情報が予め定められた数を超えた場合、その同一の処置情報を異常フェイルの情報に応じた処置方法として蓄積する。
【0068】
具体的には、図10に一例として示すように、処理情報蓄積部207は、予め異常フェイルとしてのA異常フェイルに対してベースとなる対処方法情報(この例では、トレイ1のFeedRoll交換:図2参照)を登録して蓄積し、担当者による実際の対処方法が追加の対処方法(LHカバー交換:図2参照)として蓄積され、追加の対処方法が一定数を超えた場合には、LHカバー交換という対処方法は、ベースとなる対処方法に転記される。
図10に示す例においては、トレイ1のFeedRoll交換というベースの処置方法に対して、装置のロット番号000001及び001000の保守対象装置1においては、「LHカバー交換」という対処方法が追加され、装置のロット番号000200の保守対象装置1においては、追加の対処は実施されていない。かかる場合、「LHカバー交換」という追加の対処が一定数を超えた場合には、A異常フェイルに対するベースの対処方法として「LHカバー交換」が登録されることになる。これにより、異常予兆に対処する対処方法の正確性を向上させることができる。
【0069】
(3.2)管理装置の動作
図11は管理装置2における異常フェイルを取得した際に延命処理の決定を行う動作の流れを示すフローチャートである。
管理装置2は、保守対象装置1のロット番号、累計印刷枚数、ジョブ情報(使用トレイ、使用紙種等)の個別情報及び異常フェイル情報を取得し、異常予兆の有無の判別、稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間の算出、猶予期間から保守対象装置1の延命に関する延命処理の決定を行う。
【0070】
猶予期間算出部205は、保守対象装置1の稼動履歴から担当者による処置を要するまでの猶予期間として部品交換時期の算出を行う(S201)。算出した部品交換時期は管理システムに表示する(S202)。すなわち、担当者はネットワークNWを介して接続した端末で表示される部品交換時期を確認することができる。
【0071】
管理装置2は、担当者から端末を通じて訪問時期の入力を受け付けて(S203)、訪問時期に基づいて延命方法の選択及び延命レベルの算出を行う(204)。ここに、延命処理としては、上述したように、異常予兆として「定着不良」有りと判別されている場合には、延命方法としてプロセス速度の減速及び定着装置60の制御温度の調整、延命レベルとしてプロセス速度の50%減速が挙げられる。
【0072】
延命処理の方法とレベルが決定された後、ネットワークNWを介して保守対象装置1の操作表示部40に交換時期を表示させて、延命処置実施を表示させる(S205)。
そして、担当者による端末を通じて部品交換時期の入力があった場合、その交換時期の入力を受け付けて(S206)、猶予期間算出部205で算出した部品交換時期と、実際の部品交換時期との差異を登録し(S207)、猶予期間算出部205で算出する猶予期間の算出ロジックに反映させる(S208)。
このように、異常予兆の有無を判別した保守対象装置1に対して、担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出して、担当者の訪問時期から延命処理の内容を決定して実行することで、保守対象装置1のダウンタイムの発生を抑制するとともに、異常予兆に対処する担当者への通知の精度を向上させることができる。
【0073】
「第2実施形態」
図12は本実施形態に係る管理装置2Aの機能構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態における管理装置2Aは、個別情報取得部202、異常情報集計部203、異常予兆判別部204、猶予期間算出部205、延命処理部206、処理情報蓄積部207、に加えて、深刻度算出部210を含んで構成され、保守対象装置1で検知される異常フェイルをネットワークNWを取得して、保守対象装置1における異常予兆検知、異常予兆の推移に基づく異常予兆の深刻度の算出、及び算出された深刻度に応じて異常予兆に対する延命処理の決定等を行う。
【0074】
(1)深刻度の算出
図13は管理装置2Aにおける異常フェイルを取得した際に深刻度の算出を行う動作の流れを示すフローチャート、図14(a)は保守対象装置1の個別情報の一例を示す図、(b)は異常発生集計の一例を示す図、(c)は予兆検知リストの一例を示す図、図15は印刷枚数に対する異常フェイル発生の推移の一例を示す図である。
管理装置2Aは、判別された異常予兆の推移から異常予兆の現在の深刻度及び将来の深刻度を算出し、算出された将来の深刻度が規定の確率を超えていた場合、警告を表示する。
【0075】
管理装置2Aは、保守対象装置1のロット番号、累計印刷枚数、ジョブ情報(使用トレイ、使用紙種等)の個別情報を取得する(S301)。図14(a)に一例として示すように、装置のロット番号が000300である保守対象装置1において、累計印刷枚数が17000枚、使用トレイがトレイ1、使用紙種が厚紙1である等の個別情報を取得する。
【0076】
そして、取得した保守対象装置1の個別情報のいずれかが異常情報集計部203で集計された範囲内であるかを判別することで、未だ異常フェイルが発生していない保守対象装置1の異常予兆の有無を判別する(S302)。
図14(b)の異常発生集計において一例として示すように、装置のロット番号000001〜001000の範囲内であり、累計印刷枚数17000は、枚累積印刷枚数10000〜20000枚の範囲内、使用紙種厚紙1は使用紙種厚紙1、厚紙2の範囲内であると判別されることから、未だ異常フェイルが発生していない保守対象装置1について異常予兆が有りと判別され、図14(c)に一例として示すように、予兆名「A異常フェイル」として予兆検知リストに登録される(S303)。
【0077】
次に、深刻度算出部210は、同一ステータスを持つ保守対象装置1の中から異常が発生している確率を算出する(S304)。
図15には、印刷枚数に対する異常フェイル発生の推移の一例を模式的に示している。図15によれば、異常フェイルが発生していない保守対象装置1の台数は、累積印刷枚数の増加とともに減少し、異常フェイルが発生した保守対象装置1の台数は、累積印刷枚数の増加とともに増加している。このような、装置群に対して、ロット番号000300の装置の累積印刷枚数は17000枚である(図15中 星印参照)。図15によれば、累計印刷枚数が17000枚に達した装置のうち、異常フェイルが発生した装置は500台であり、累計印刷枚数が17000に達した装置のうち、異常フェイルが発生していない装置は900台であることから、異常フェイル発生確率(深刻度)は500/900=0.556(56%)となり、管理装置2Aは、算出した現時点での深刻度(56%)を表示する(S305)。
【0078】
そして、深刻度算出部210は、予め定められた規定の間隔でサンプリングを実施して将来の異常フェイル発生確率(深刻度)を算出する(S306)。具体的には、図15に示すように、例えば累積印刷枚数が18500枚に達するポイントでサンプリングした場合、異常フェイルが発生した装置は650台であり、異常フェイルが発生していない装置は850台であることから、異常フェイル発生確率(深刻度)は650/850=0.76(76%)となり、管理装置2Aは、算出した将来の深刻度(76%)を表示する(S307)。
【0079】
そして、算出した将来の異常フェイル発生確率(深刻度)が予め定められた規定の確率を超えていた場合(S308:No)、警告を表示する(S309)。
【0080】
管理装置2Aは、このようにして算出された深刻度に応じて、猶予期間算出部205で担当者による処置を要するまでの猶予期間を算出するともに、延命処理部206で保守対象装置1の延命に関する延命処理の内容を決定する。これにより、異常予兆に対する対処時期予測の精度を向上させることができる。
【0081】
(2)猶予期間の算出
図16は対象の保守対象装置1における稼動履歴の一例を示す図、図17は印刷枚数を週ごとに集計した一例を示す図である。
管理装置2Aは、異常予兆判別部204で異常予兆の有無を判別した場合、深刻度算出部210で算出した深刻度(異常フェイル発生確率)に応じて担当者訪問を必要とするまでの猶予期間を算出するために、保守対称装置1の一定期間における稼動履歴を参照して、保守対称装置1における稼動傾向を検証する。
【0082】
管理装置2Aは、図16に示すような稼動履歴の情報をもとに、一定期間のデータを集計する。例えば、一定期間として1週間単位で集計を行った場合、図16によれば、2015/1/1〜2015/1/7までの印刷枚数は400枚であり、その後も同様に1週間単位で集計を行うと、図17に示すようになり、印刷枚数の最大値(800枚 図中星印参照)と最小値(0枚 図中星印)を除外した1週間当たりの平均の印刷枚数は333枚と求められる。
将来の深刻度として、上述したように累積印刷枚数が18500枚で予め定められた規定の発生確率を超える(警告を表示する)ことを想定した場合、現在の累積印刷枚数が17000枚である場合には、(18500−17000)/333=4.5(週)となり、部品交換時期を4.5週(又は月日)と算出する。
このように、算出した深刻度に応じて、保守対象装置1の個別情報に含まれる稼動履歴に基づいて猶予期間を算出することで、異常予兆に対する対処時期予測の精度を向上させることができる。
【0083】
本実施形態においては、保守対象装置として複合機を一例として説明したが、保守対象装置としては複合機に限定されず、通信機能を有する装置や機器であれば、家電機器、情報処理装置、昇降機、自動車等であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1・・・保守対象装置
10・・・画像形成部
20・・・給紙装置
30・・・読取装置
40・・・操作表示部
50・・・画像処理部
60・・・システム制御装置
62・・・異常検知部
63・・・検索部
64・・・判断部
70・・・記憶装置
2、2A・・・管理装置
202・・・個別情報取得部
203・・・異常情報集計部
204・・・異常予兆判別部
205・・・猶予期間算出部
206・・・延命処理部
207・・・処理情報蓄積部
210・・・深刻度算出部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17