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特開2019-197450操作判定装置、操作判定学習システム及び操作判定学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-197450(P2019-197450A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】操作判定装置、操作判定学習システム及び操作判定学習方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20191018BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   G06F3/01 570
   B60R16/02 630Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-91926(P2018-91926)
(22)【出願日】2018年5月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 大輔
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA15
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC04
5E555CB10
5E555CB66
5E555CC02
5E555EA19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】学習効果を高めることができる操作判定装置、操作判定学習システム及び操作判定学習方法を提供する。
【解決手段】操作判定装置1は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データ(間接的操作データS)を用いて判定の基準となる教師データ140の最適化を行う制御部14を備えて概略構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、前記直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、前記間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う判定部を備えた操作判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記教師データと、操作者が携帯する携帯機の移動に関する前記操作データと、が許容範囲内で一致する場合、前記間接的操作がなされたと判定する、
請求項1に記載の操作判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記教師データと、操作者が行ったジェスチャの前記操作データと、が許容範囲内で一致する場合、前記間接的操作がなされたと判定する、
請求項1又は2に記載の操作判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記教師データを操作者ごとに有し、前記操作者ごとに最適化を行う、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の操作判定装置。
【請求項5】
操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、前記直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、前記間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う判定部、及び通信を行う通信部を備えた複数の操作判定装置と、
前記複数の操作判定装置と前記通信部を介して接続され、前記複数の操作判定装置から取得した複数の最適化された前記教師データに基づいて最適化データを生成し、前記通信部を介して前記複数の操作判定装置に出力して前記最適化データに基づく前記教師データの最適化を実行させるクラウドと、
を備えた操作判定学習システム。
【請求項6】
操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、前記直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、前記間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う、
操作判定学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作判定装置、操作判定学習システム及び操作判定学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、複数のジェスチャの基準となる基準ジェスチャデータと入力された入力ジェスチャデータとを比較することでジェスチャ認識を行って、入力されたジェスチャを特定する操作入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この操作入力装置は、ジェスチャ入力が終わってから一定時間以内に新たなジェスチャ入力がなかったときは、意図した制御が行われたと推定し、このときの入力ジェスチャと基準ジェスチャとに基づいて基準ジェスチャの更新を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−76061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の操作入力装置は、ジェスチャ入力が終わってから一定時間が経過する前に、再度ジェスチャ入力があったときは、操作者の意図とは異なる制御が行われたと推定する。そしてその場合の入力ジェスチャは、基準ジェスチャデータの更新に利用されない。しかし一定時間が経過する前に行われたジェスチャ入力は、ジェスチャとして認識されなかった意図したジェスチャ入力である可能性があり、このようなジェスチャが学習の対象となれば、さらに学習効果を高めることができる。
【0006】
従って本発明の目的は、学習効果を高めることができる操作判定装置、操作判定学習システム及び操作判定学習方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う判定部を備えた操作判定装置を提供する。
【0008】
本発明の他の態様は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う判定部、及び通信を行う通信部を備えた複数の操作判定装置と、複数の操作判定装置と通信部を介して接続され、複数の操作判定装置から取得した複数の最適化された教師データに基づいて最適化データを生成し、通信部を介して複数の操作判定装置に出力して最適化データに基づく教師データの最適化を実行させるクラウドと、を備えた操作判定学習システムを提供する。
【0009】
本発明の他の態様は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う、操作判定学習方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、学習効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作判定装置が判定する間接的操作の一例を説明するための概略図であり、図1(b)は、操作判定装置のブロック図の一例であり、図1(c)は、操作判定装置が含まれる車両通信システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施の形態に係る電子キーの軌跡の一例を示すグラフである。
図3図3は、第1の実施の形態に係る操作判定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2の実施の形態に係る操作判定装置が判定するジェスチャの一例を示す概略図である。
図5図5は、第3の実施の形態に係る操作判定学習システムの一例を示す概略図である。
図6図6は、第3の実施の形態に係る操作判定学習システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作判定装置は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データを用いて判定の基準となる教師データの最適化を行う判定部を備えて概略構成されている。
【0013】
この操作判定装置は、間接的操作の判定が否定された後に直接的操作がなされた場合、操作者が間接的操作が認識されなかったので直接操作を行った可能性が高く、この間接的操作の操作データを用いて教師データを最適化して学習することで、この構成を採用しない場合と比べて、学習効果を高めることができる。
【0014】
[第1の実施の形態]
(操作判定装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作判定装置が判定する間接的操作の一例を説明するための概略図であり、図1(b)は、操作判定装置のブロック図の一例であり、図1(c)は、操作判定装置が含まれる車両通信システムの一例を示すブロック図である。図2は、第1の実施の形態に係る電子キーの軌跡の一例を示すグラフである。図2は、横軸が時間tであり、縦軸が電子キー100の位置Yである。図2の縦軸(Y軸)は、地面を基準として上を正としている。
【0015】
なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)、図1(c)、では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
【0016】
この操作判定装置1は、例えば、図1(a)〜図1(c)に示すように、車両7に搭載されている。本実施の形態では、例えば、車両7のスライドドア71を開ける直接的操作及び間接的操作の一例について説明する。
【0017】
操作判定装置1は、例えば、図1(a)〜図1(c)に示すように、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データ(間接的操作データS)を用いて判定の基準となる教師データ140の最適化を行う判定部としての制御部14を備えて概略構成されている。
【0018】
この操作判定装置1は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データ(間接的操作データS)を用いて判定の基準となる教師データ140の最適化を行うことを含む操作判定学習方法を実施するものである。なおこの操作判定学習方法は、本実施の形態の操作判定装置1とは異なる電子機器によって実施されても良い。
【0019】
直接的操作とは、例えば、図1(a)に示すドアハンドル72a又はタッチスイッチ72bに対する直接的な操作を示している。操作者9は、例えば、スライドドア71を開閉する際、ドアハンドル72aを引いてスライドドア71を引いたり押したりする操作、又はタッチスイッチ72bに対してタッチ操作を行う。車両7は、例えば、操作者9が携帯する電子キー100との認証が成立していた場合、スライドドア71の開閉を許可する。
【0020】
間接的操作とは、一例として、図1(a)に示すように、操作者9が膝を曲げて屈伸することである。操作者9が屈伸を行うことにより、操作者9が携帯する電子キー100が上下に移動する。制御部14は、この電子キー100の軌跡101に基づいて間接的操作が行われたと判定した場合、スライドドア71を開閉させる指示信号Sを出力する。なお間接的操作は、上述の例に限定されない。
【0021】
操作者9は、例えば、荷物などのため、ドアハンドル72a及びタッチスイッチ72bに対する操作ができない、つまり直接的操作ができない場合、屈伸などの予め定められた間接的操作を行うことにより、スライドドア71に直接触ることなく開閉することができる。
【0022】
操作判定装置1は、主に、この間接的操作を判定すると共に、学習によって間接的操作の判定精度を向上させるように概略構成されている。この操作判定装置1は、例えば、図1(b)に示すように、間接的操作部10と、通信部12と、をさらに備えている。
【0023】
(間接的操作部10の構成)
間接的操作部10は、間接的操作に伴う操作データを取得するように概略構成されている。本実施の形態の間接的操作部10は、電子キー100によって測定された縦軸(Y軸)方向の軌跡101に基づく間接的操作データSを生成するように構成されている。
【0024】
図2は、電子キー100が測定した軌跡101の一例である。Yは、屈伸前の電子キー100のY軸方向の位置である。Yは、屈伸した際の電子キー100のY軸方向の位置である。
【0025】
本実施の形態では、一例として、図2に示す電子キー100の軌跡101を間接的操作データSとする。この軌跡101は、例えば、電子キー100に搭載された加速度センサから得られる。間接的操作部10は、間接的操作データSを生成して制御部14に出力するように構成されている。
【0026】
(通信部12の構成)
通信部12は、例えば、外部と相互に信号やデータなどの交換を可能とするものである。操作判定装置1は、一例として、図1(c)に示すように、直接的操作部72、車両制御部77及び被制御装置78と共に車両LAN(Local Area Network)76を介して通信を行う車両通信システム75を構成している。
【0027】
車両LAN76は、例えば、有線や無線によって相互に信号やデータなどの交換を可能とするCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)といった車両用ネットワークである。
【0028】
車両制御部77は、例えば、車両7の電子機器を制御するマイクロコンピュータである。車両制御部77は、例えば、指示信号S又は後述する直接的操作信号Sが入力した場合、被制御装置78を制御する制御信号Sを生成して出力する。
【0029】
被制御装置78は、直接的操作及び間接的操作によって操作可能な電子機器である。本実施の形態では、直接的操作及び間接的操作によってスライドドア71を開閉することができる。従って被制御装置78は、例えば、制御信号Sに基づいてスライドドア71を開閉する駆動装置である。
【0030】
直接的操作部72は、上述したドアハンドル72a及びタッチスイッチ72bである。直接的操作部72は、例えば、ドアハンドル72a又はタッチスイッチ72bが操作されると、操作がなされたことを示す直接的操作信号Sを生成して出力する。
【0031】
(制御部14の構成)
制御部14は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部14が動作するためのプログラムと、教師データ140と、が格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部14は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0032】
制御部14は、教師データ140と、操作者が携帯する携帯機(電子キー100)の移動に関する操作データ(間接的操作データS)と、が許容範囲内で一致する場合、間接的操作がなされたと判定する。
【0033】
教師データ140は、例えば、屈伸に伴う電子キー100の軌跡101のグラフをテンプレート化したものである。制御部14は、教師データ140と間接的操作データSの形状を比較し、その形状のずれが予め定められた許容範囲内である場合、屈伸、つまり間接的操作がなされたと判定する。
【0034】
教師データ140の最適化とは、この形状のずれを最適なものとして操作者が行った間接的操作の判定精度を向上させる処理である。制御部14は、間接的操作データSが教師データ140の許容範囲からずれており、間接的操作が行われたと判定しなかったにも関わらず、予め定められた期間内に、間接的操作と同じ指示を行うことができる直接的操作が行われた場合、操作をやり直したと判定して当該間接的操作データSによって間接的操作が判定できるように学習する。そして制御部14は、この最適化による学習によって教師データ140を更新する。なお予め定められた期間とは、一例として、2〜20秒である。
【0035】
ここで変形例として制御部14は、教師データ140を操作者ごとに有し、操作者ごとに最適化を行っても良い。つまり制御部14は、操作者ごとに最適化された教師データ140を有する。この操作者の識別は、例えば、電子キー100の認証時に行われる。
【0036】
以下に本実施の形態の操作判定装置1の動作の一例について図3のフローチャートに従って説明する。
【0037】
(動作)
操作判定装置1の制御部14は、ドアハンドル72a又はタッチスイッチ72b(直接的操作部72)に対する直接的操作がなされるか監視する。制御部14は、ステップ1の「Yes」が成立する、つまり通信部12を介して直接的操作信号Sが入力すると、予め定められた期間内に間接的操作の判定が行われたか確認する。
【0038】
制御部14は、間接的操作の判定が否定された、つまり間接的操作データSと教師データ140を比較して間接的操作がなされていないとしていた場合(Step2:Yes)、当該間接的操作データSを用いて教師データ140を最適化し(Step3)、教師データ140を更新する。
【0039】
ここでステップ2において制御部14は、間接的操作の判定自体がなされていない場合(Step2:No)、ステップ1に処理を進める。
【0040】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作判定装置1は、学習効果を高めることができる。具体的には、操作者が直接的操作を行い、その前に間接的操作が判定されなかった、つまり判定の結果、間接的操作が否定されていた場合は、間接的操作が認識されなかったので直接的操作を行ったと考えられる。そこで操作判定装置1は、この間接的操作時に得られた間接的操作データSを正解データとして教師データ140の最適化を行う。従って操作判定装置1は、判定されなかった間接的操作の操作データを用いて教師データを更新しない場合と比べて、学習効果を高めることができる。
【0041】
操作判定装置1は、間接的操作が認識されなかった後に直接的操作を行って操作をやり直す度に教師データ140の最適化が行われるので、この構成を採用しない場合と比べて、実験やシミュレーションなどを行って教師データ140を開発する手間やコストが低減される。
【0042】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、間接的操作がジェスチャである点で第1の実施の形態と異なっている。
【0043】
図4は、第2の実施の形態に係る操作判定装置が判定するジェスチャの一例を示す概略図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0044】
本実施の形態の制御部14は、教師データ140と、操作者が行ったジェスチャの操作データ(間接的操作データS)と、が許容範囲内で一致する場合、間接的操作がなされたと判定する。
【0045】
図4は、例えば、操作者の手90によって円を描くジェスチャを示している。このジェスチャは、例えば、回転方向に応じて被制御装置78である空調装置の設定温度を上げたり下げたりすることができる。図4の紙面において時計回りに円を描くジェスチャは、設定温度を上げるジェスチャである。そして反時計回りに円を描くジェスチャは、設定温度を下げるジェスチャである。
【0046】
またジェスチャと同じ指示を可能とする直接的操作を受け付ける直接的操作部72は、例えば、図4に示すように、被制御装置78である空調装置のダイヤルを含んで概略構成されている。このダイヤルは、ジェスチャの方向と同様に、時計回りに回転させると設定温度が上がり、反時計回りに回転させると設定温度が下がる。なおジェスチャによって操作される被制御装置78や機能は、上述の例に限定されず、空調装置の風量、音声再生装置の音量などであっても良い。
【0047】
本実施の形態の間接的操作を受け付ける間接的操作部10は、例えば、図4に示すカメラ102を含んで概略構成されている。このカメラ102は、被制御装置78の近傍に設けられている。またカメラ102は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子を有して構成されている。
【0048】
間接的操作部10は、例えば、カメラ102で周期的に撮像した画像に対して画像処理を行ってジェスチャの軌跡103を抽出し、抽出した軌跡103を間接的操作データSとして制御部14に出力する。なお変形例として間接的操作部10は、周期的に撮像した画像のデータ、二値化処理を行った画像のデータなどを間接的操作データSとして出力するように構成されても良い。この場合は、例えば、制御部14が軌跡103の抽出を行う。
【0049】
以下に本実施の形態の操作判定装置1の動作の一例について第1の実施の形態において用いた図3のフローチャートに従って説明する。
【0050】
(動作)
操作判定装置1の制御部14は、ダイヤル(直接的操作部72)に対する直接的操作がなされるか監視する。制御部14は、ステップ1の「Yes」が成立する、つまり通信部12を介してダイヤルが操作されたことを示す直接的操作信号Sが入力すると、予め定められた期間内にジェスチャによる間接的操作の判定が行われたか確認する。
【0051】
制御部14は、ジェスチャによる間接的操作の判定が否定された、つまり間接的操作データSと教師データ140を比較して軌跡103がジェスチャと判定されなかった場合(Step2:Yes)、当該間接的操作データSを用いて教師データ140を最適化し(Step3)、教師データ140を更新する。
【0052】
ここでステップ2において制御部14は、間接的操作の判定自体がなされていない場合(Step2:No)、ステップ1に処理を進める。
【0053】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作判定装置1は、操作者が直接的操作(ダイヤルに対する操作)を行い、その前に間接的操作(ジェスチャによる操作)が判定されなかった場合、ジェスチャの間接的操作データSを正解データとして教師データ140を最適化するので、この構成を採用しない場合と比べて、ジェスチャの判定精度が向上する。
【0054】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、複数の操作判定装置において最適化された教師データを収集して、さらに最適化された教師データを複数の操作判定装置に送信する点で他の実施の形態と異なっている。
【0055】
図5は、第3の実施の形態に係る操作判定学習システムの一例を示す概略図である。操作判定学習システム8は、例えば、図5に示すように、車両7に搭載された複数の操作判定装置1がクラウド80と無線で接続されている。
【0056】
操作判定装置1は、間接的操作部10と、通信部12と、制御部14と、を備えて概略構成されている。
【0057】
またクラウド80は、複数の操作判定装置1と通信部12を介して接続され、複数の操作判定装置1から取得した複数の最適化された教師データ140に基づいて最適化データSを生成し、通信部12を介して複数の操作判定装置1に出力して最適化データSに基づく教師データ140の最適化を実行させるように概略構成されている。
【0058】
このクラウド80は、例えば、クラウドサーバなどの最適化処理を実行する少なくとも1つのコンピュータとネットワークにより接続されたクラウドコンピューティングシステムである。クラウド80は、複数の車両7に搭載された操作判定装置1によって最適化された教師データ140を収集し、収集した教師データ140に基づいて最適化した最適化データSを生成する。
【0059】
この最適化データSの生成と送信は、例えば、最適化された教師データ140が予め定められた数に到達した場合、予め定められた期間が到来した場合、又は最適化データSの作成が指示された場合などによって実施される。本実施の形態では、一例として、予め定められた期間ごとに最適化データSが生成され、送信される。
【0060】
この最適化データSは、各操作判定装置1に出力される。操作判定装置1は、取得した最適化データSを新たな教師データ140として間接的操作の判定を行う。
【0061】
以下に本実施の形態の操作判定学習システム8の動作の一例について図6のフローチャートに従って説明する。
【0062】
(動作)
まず操作判定装置1は、操作対象を触って操作する直接的操作の受け付けより前に、直接的操作と同じ機能の実行を指示可能な間接的操作の判定が否定されていた場合、間接的操作の操作データ(間接的操作データS)を用いて判定の基準となる教師データ140の最適化を行う。そして操作判定装置1は、接続されたクラウド80に最適化された教師データ140を出力する。
【0063】
操作判定学習システム8のクラウド80は、複数の操作判定装置1から取得した最適化された教師データ140を蓄積する(Step10)。
【0064】
次にクラウド80は、予め定められた期間が到来すると、蓄積されていた、最適化された教師データ140に基づいて最適化データSを生成する(Step11)。
【0065】
次にクラウド80は、接続された複数の操作判定装置1に最適化データSを出力する(Step12)。操作判定装置1は、受信した最適化データSに基づいて自身の教師データ140を更新する。
【0066】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作判定学習システム8は、操作判定装置1によって最適化された教師データ140を蓄積し、この蓄積された最適化された教師データ140からさらに最適化された最適化データSを生成し、各操作判定装置1に送信する。操作判定装置1は、自身のみならず他の操作判定装置1の最適化された教師データ140も用いて生成された最適化データSによって教師データ140を更新することで、間接的操作の判定精度をさらに向上させることができる。
【0067】
従って操作判定学習システム8は、実験やシミュレーションなどを行って人や時間をかけて最適化データを開発する場合と比べて、操作判定装置1ごとに学習して判定精度の向上した教師データ140を用いて最適化データSを生成するので、開発コストを削減することができる。また操作判定学習システム8は、販売後に実際に使用する操作者の正解データを用いて最適化された教師データ140を取得するので、学習精度が向上する。
【0068】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の操作判定装置1及び操作判定学習システム8によれば、学習効果を高めることが可能となる。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…操作判定装置、7…車両、8…操作判定学習システム、9…操作者、10…間接的操作部、12…通信部、14…制御部、71…スライドドア、72…直接的操作部、72a…ドアハンドル、72b…タッチスイッチ、75…車両通信システム、76…車両LAN、77…車両制御部、78…被制御装置、80…クラウド、90…手、100…電子キー、101…軌跡、102…カメラ、103…軌跡、140…教師データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6