特開2019-198136(P2019-198136A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198136(P2019-198136A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】グロメット
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20191018BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191018BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20191018BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H02G3/22
   B60R16/02 622
   F16L5/02 A
   H01B17/58 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-89223(P2018-89223)
(22)【出願日】2018年5月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】太田 三幹
(72)【発明者】
【氏名】義村 克也
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】小池 勇貴
【テーマコード(参考)】
5G333
5G363
【Fターム(参考)】
5G333AA09
5G333AB16
5G333CB19
5G333EA02
5G333EB08
5G363AA16
5G363BA02
5G363CB08
(57)【要約】
【課題】各筒部を貫通した電線を車体パネルに沿うように容易に曲げることができるグロメットを提供する。
【解決手段】グロメット10は、車体パネル8に組み付けられる大径筒部11と、ワイヤハーネス等の電線9が貫通される小径筒部18と、可撓性を有し、大径筒部11及び小径筒部18を連設する中間筒部15と、を備え、大径筒部11の表面11a側の小径筒部18の屈曲方向Xの領域に対向する部分及び大径筒部11の裏面11b側の小径筒部18の屈曲方向Xの領域と反対側の領域に対向する部分に、抉られた逃がし部12,13をそれぞれ設けて、電線9を大径筒部11の表,裏面11a,11bの両面側に設けられた各逃がし部12,13側にそれぞれ屈曲自在にした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルに組み付けられる大径筒部と、
電線が貫通される小径筒部と、
可撓性を有し、前記大径筒部及び前記小径筒部を連設する中間筒部と、
を備え、
前記大径筒部の表面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域に対向する部分と前記大径筒部の裏面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域と反対側の領域に対向する部分のうちの少なくとも前記大径筒部の裏面側の部分に、抉られた逃がし部を設けたことを特徴とするグロメット。
【請求項2】
請求項1記載のグロメットであって、
前記小径筒部の屈曲方向の領域に対応する前記中間筒部の部分に伸縮が小さい小伸縮部を設け、かつ、前記小径筒部の屈曲方向と反対側の領域に対応する前記中間筒部の部分に伸縮が大きい大伸縮部を設けたことを特徴とするグロメット。
【請求項3】
請求項1または2記載のグロメットであって、
前記電線として複数の電線を束ねたワイヤハーネスを備え、
前記大径筒部の表面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域に対向する部分及び前記大径筒部の裏面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域と反対側の領域に対向する部分に、抉られた逃がし部をそれぞれ設けて、前記ワイヤハーネスを前記大径筒部の表裏面の両面側に設けられた各逃がし部側にそれぞれ屈曲自在にしたことを特徴とするグロメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車体パネルに取り付けられ、内部にワイヤハーネス等の電線を挿通させるグロメットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のグロメットとしては、例えば、特許文献1〜4に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載のグロメットは、ワイヤハーネスが挿通される小径筒部の屈曲方向と反対側の領域に対応する小径筒部の基部に、屈曲部分の延びを吸収可能な弛み部を設け、ワイヤハーネス(小径筒部)をエンジンルーム側において車体パネルに沿って下方へ略直角に屈曲して配索する際に、弛み部を外方に膨らませて、小径筒部を略直角に屈曲できるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載のグロメットは、円筒状のワイヤハーネス挿通部のパネル装着部連続側に蛇腹部を設けると共に、該蛇腹部と径方向で対向する部分に薄肉部を設け、車体パネルと平行状態となるようにワイヤハーネス挿通部を屈曲できるようにしている。
【0005】
また、特許文献3に記載のグロメットは、パネルの孔に嵌合する大径筒部とワイヤハーネスを貫通保持する小径筒部との間の中間部の外周面に、ワイヤハーネスをパネルに沿って屈曲させた際に屈曲ポイントとして作用するリブ状の環状厚肉部を設け、ワイヤハーネスの屈曲に伴う屈曲力を屈曲ポイントで遮断するようにしている。
【0006】
さらに、特許文献4に記載のグロメットは、電線が挿通される小径筒部の根元に折り曲げ可能な可撓部としての蛇腹部を設け、電線挿通済みの小径筒部を所望方向に傾けることができるようにしている。
【0007】
さらに、特許文献5に記載のグロメットは、電線束を挿通する筒状部とコネクタを内部に保持するコネクタ嵌合部との間の拡径筒部の側面に折りひだを設け、筒状部を曲げたときに折りひだが開くことにより引張応力を吸収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−251737号公報
【特許文献2】特開平7−21863号公報
【特許文献3】特開平7−14452号公報
【特許文献4】特開2001−160329号公報
【特許文献5】特開2006−339116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記従来のグロメットでは、車体にワイヤハーネスを貫通させる場合に、グロメットを介して車体パネルに取り付けられるが、グロメットの小径筒部に設けられた蛇腹部等の長さは、全方向一律で、ワイヤハーネスが真っ直ぐ配索されることを前提にしているため、ワイヤハーネスを小径筒部に貫通させた後で車体パネルに沿うように曲げる場合には、小径筒部に設けられた蛇腹部等の長さが不足したり、グロメットのベース部としての大径筒部と曲げたワイヤハーネスが干渉して、ワイヤハーネスを車体パネルに沿うように曲げることが困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、各筒部を貫通した電線を車体パネルに沿うように容易に曲げることができるグロメットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、グロメットであって、車体パネルに組み付けられる大径筒部と、電線が貫通される小径筒部と、可撓性を有し、前記大径筒部及び前記小径筒部を連設する中間筒部と、を備え、前記大径筒部の表面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域に対向する部分と前記大径筒部の裏面側の前記小径筒部の屈曲方向の領域と反対側の領域に対向する部分のうちの少なくとも前記大径筒部の裏面側の部分に、抉られた逃がし部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大径筒部に設けられた逃がし部により、大径筒部と中間筒部及び小径筒部を貫通した電線を車体パネルに沿うように容易に曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態のグロメットを示す平面図である。
図2】上記グロメットの底面図である。
図3】上記グロメットのワイヤハーネス生産時の断面図である。
図4】上記グロメットの車輌組み付け時の断面図である。
図5】上記車輌組み付け時の比較例のグロメットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態のグロメットを示す平面図、図2は同グロメットの底面図、図3は同グロメットのワイヤハーネス生産時の断面図、図4は同グロメットの車輌組み付け時の断面図、図5は同車輌組み付け時の比較例のグロメットの断面図である。
【0016】
図1図3に示すように、グロメット10は、車体パネル8の貫通孔8aの周りに組み付けられる大径筒部11と、複数の電線を束ねたワイヤハーネス(電線)9が貫通される小径筒部18と、可撓性を有し、大径筒部11及び小径筒部18を連設する中間筒部15と、を備えていて、ゴム材またはエラストマー樹脂材等により一体成形されている。
【0017】
図1及び図3に示すように、大径筒部11は、肉厚の円環状に形成されており、その表面11a側の小径筒部18の屈曲方向Xの領域に対向する部分には、円錐凹面状に抉られた逃がし部12を形成してある。また、図2及び図3に示すように、大径筒部11の裏面11b側の小径筒部18の屈曲方向Xの領域と反対側の領域に対向する部分には、円錐凹面状に抉られた逃がし部13を形成してある。即ち、図4に示すように、ベース部としての大径筒部11の表,裏面11a,11bの両面の180゜離れた位置には、円錐凹面状に抉られた逃がし部12,13をそれぞれ形成してあり、ワイヤハーネス9が大径筒部11の表,裏面11a,11bの各逃がし部12,13側までそれぞれ曲げることができるようにしてある。
【0018】
さらに、図1図4に示すように、大径筒部11の外周部側には、金属製で円環板状の取付板14をインサート成形してある。この取付板14の180゜離れた位置には、一対の舌片部14a,14aを形成してある。この一対の舌片部14a,14aの中央には、図示しないボルトのシャンク部が挿通される丸形孔14bと楕円形孔14cを形成してある。そして、車体パネル8の貫通孔8aの周りに大径筒部11の表面11aを当てた状態で、取付板14の一対の舌片部14a,14aの各孔14b,14cにシャンク部が挿通されるボルトと該シャンク部のねじ部に螺合される図示しないナットを介して大径筒部11を車体パネル8の貫通孔8aの周りにボルト止めして組み付けできるようになっている。
【0019】
図3及び図4に示すように、中間筒部15は、可撓性を有した拡径筒状に形成されており、小径筒部18の屈曲方向Xの領域に対応する部分に伸縮が小さい蛇腹状の小伸縮部16を形成してあると共に、小径筒部18の屈曲方向Xと反対側の領域に対応する部分に伸縮が大きい蛇腹状の大伸縮部17を形成してある。即ち、可撓性を有した中間筒部15のワイヤハーネス9を曲げたい方向と反対側の部分に位置する大伸縮部17の蛇腹部分の高さ(長さ)を、ワイヤハーネス9を曲げたい方向の部分に位置する小伸縮部16の蛇腹部分の高さより高く(長く)している。
【0020】
図3に示すように、小径筒部18は、中間筒部15を介して大径筒部11と同軸上に連設された細長い円筒状に形成されており、その内周面側にワイヤハーネス9を隙間なくシールして保持する複数のリップ部19を一体突出形成してある。
【0021】
尚、図5は車輌組み付け時の比較例のグロメット1を示す。この比較例のグロメット1では、車体パネル8に組み付けられるベース部としての大径筒部2の表裏面には逃がし部は設けられておらず、また、大径筒部2とワイヤハーネス9が貫通される小径筒部5の中間に位置する可撓性を有した中間筒部3には伸縮する蛇腹部4が全方向一律に設けられている。また、図3図5中符号Aは室内を示し、符号Bは室外を示す。
【0022】
以上実施形態のグロメット10によれば、図3に示すように、ワイヤハーネス9の生産時、室内A側からグロメット10の大径筒部11と中間筒部15及び小径筒部18の各筒部を貫通したワイヤハーネス9は車体パネル(車輌)8に対して垂直に組み付くように生産される。
【0023】
そして、図4に示すように、車輌に組み付ける際は、グロメット10の大径筒部11と中間筒部15及び小径筒部18の各筒部を貫通したワイヤハーネス9を車体パネル8に対して平行になるように車輌に組み付けるが、図5に示すように、比較例のグロメット1の場合は、中間筒部3に蛇腹部4が全方向一律に設けられていて同じ長さのため、小径筒部5を斜めに倒し難くなっている。また、無理にグロメット1の小径筒部5を引っ張って、グロメット1を貫通したワイヤハーネス9を車体パネル8に近づけようとすると、グロメット1の蛇腹部4が切れてしまうおそれがある。
【0024】
これに対し、本実施形態のグロメット10では、車輌に組み付いた後でワイヤハーネス9が引っ張られた際に、ワイヤハーネス9の配索経路に合わせて中間筒部15の小伸縮部16と大伸縮部17が伸び縮みするため、グロメット10を貫通したワイヤハーネス9を車体パネル8に対して平行にした際に、グロメット10の止水部である小径筒部18が変形することなく車輌に組み付けられる。また、中間筒部15の大伸縮部17が伸びても小径筒部18が切れてしまうことがない。
【0025】
また、ワイヤハーネス9の車輌に組み付く方向は一方向しかないため、ワイヤハーネス9の配索経路も決まっており、ワイヤハーネス9の配索経路に合わせて大径筒部11の表,裏面11a,11bに円錐凹面状に抉られた逃がし部12,13をそれぞれ形成してあるため、ベース部としての大径筒部11が邪魔することなく、ワイヤハーネス9を室内A側と室外B側の両側において車体パネル8と平行になるように車輌に容易に組み付けることができる。これにより、自動車内部の極めて小さい隙間(空間)にワイヤハーネス9を簡単かつ確実に配索することが可能となる。
【0026】
さらに、ワイヤハーネス9とグロメット10の干渉を減らすことができるため、グロメット10の摩耗を防止することができる。また、グロメット10の大径筒部11の表,裏面11a,11bに円錐凹面状に抉られた逃がし部12,13があることで、ワイヤハーネス9の配索経路が判り易くなっているため、ワイヤハーネス9を車輌に組み付け易くなる。
【0027】
尚、前記実施形態によれば、複数の電線を束ねたワイヤハーネスが貫通するグロメットについて説明したが、グロメットを貫通する電線はワイヤハーネスに限らず、1本の大径電線等の電線を貫通させても良い。また、車体パネルにグロメットの大径筒部をボルト止めして組み付けたが、大径筒部の外周側に円環凹状の係止溝を形成して、車体パネルの貫通孔に大径筒部の係止溝を嵌め込んで組み付けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0028】
8 車体パネル
9 ワイヤハーネス(電線)
10 グロメット
11 大径筒部
11a 表面
11b 裏面
12 抉られた逃がし部
13 抉られた逃がし部
15 中間筒部
16 小伸縮部
17 大伸縮部
18 小径筒部
X 小径筒部の屈曲方向
図1
図2
図3
図4
図5