(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198211(P2019-198211A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】インバータ制御方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20191018BHJP
G05F 1/67 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
H02M7/48 F
G05F1/67 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-18185(P2019-18185)
(22)【出願日】2019年2月4日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0053452
(32)【優先日】2018年5月10日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ペ、チェ−ボン
【テーマコード(参考)】
5H420
5H770
【Fターム(参考)】
5H420BB03
5H420CC03
5H420DD04
5H420DD06
5H420EA11
5H420EB09
5H420FF03
5H420FF25
5H770AA15
5H770BA01
5H770CA01
5H770CA05
5H770DA03
5H770DA41
5H770EA03
5H770HA03W
(57)【要約】 (修正有)
【課題】インバータの直流リンク電圧を用いて最大電力点を追従することで、出力周波数の脈動によるストレス増加を予防するソーラーポンプシステムにおけるインバータ制御方法を提供する。
【解決手段】ソーラーポンプシステムは、太陽光モジュールと、ブーストコンバータと、直流リンクキャパシタと、インバータ部と、を含むインバータと、制御部と、を備える。制御部は、直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で負荷に印加する交流電圧の出力周波数が増加した場合、負荷に印加する交流電圧の出力周波数を第1の傾きに増加させ、直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で負荷に印加する交流電圧の出力周波数が減少した場合には、負荷に印加する交流電圧の出力周波数を第1の傾きより小さい第2の傾きに増加させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光モジュールから印加される電力を変換して負荷に印加するシステムのインバータ制御方法において、
インバータの直流リンク電圧を受信するステップ;
直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数が増加した場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を第1の傾きに増加させるステップ;及び、
直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数が減少した場合には、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を前記第1の傾きより小さい第2の傾きに増加させるステップを含むインバータ制御方法。
【請求項2】
直流リンク電圧が基準レベル未満であり、以前周期で直流リンク電圧が基準レベル未満である場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を減少させるステップをさらに含む、請求項1に記載のインバータ制御方法。
【請求項3】
直流リンク電圧が基準レベル未満であり、以前周期で直流リンク電圧が基準レベル以上である場合には、該以前周期での出力周波数を貯蔵(貯蔵出力周波数)して、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を減少させるステップをさらに含む、請求項1に記載のインバータ制御方法。
【請求項4】
前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を前記第2の傾きに増加させた後、出力周波数が前記貯蔵出力周波数より大きい場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を固定するステップをさらに含む、請求項3に記載のインバータ制御方法。
【請求項5】
出力周波数を固定した後、直流リンク電圧が所定時間の間に安定する場合、出力周波数状態をクリアして、前記貯蔵出力周波数をクリアするステップをさらに含む、請求項4に記載のインバータ制御方法。
【請求項6】
直流リンク電圧が安定的であるか否かは、
直流リンク電圧がしきい範囲以内で変化するかによって決定される、請求項5に記載のインバータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーポンプ(solar pump)は、太陽光モジュールから発生するエネルギーを活用して、インバータを介してポンプを駆動させて淡水を生産及び供給する装置である。このようなソーラーポンプシステムは、水道と電気を最も効果的に供給できる装備であって、水道網インフラが足りない地域において食み水、農業用水、海水淡水化等、様々な用途に用いられている。特に、ソーラーポンプシステムは、電力供給が困難である遠距離地域がエネルギーの追加供給なしに地下水を引き上げて供給することで、奥地の水道及び電力難を解決できる最適のシステムと評価されている。インド政府は、潅漑及び食み水の供給のために2014年50,000個のソーラーポンプの設置を許可しており、現在まで設置を拡大している。
【0003】
図1は、従来のソーラーポンプシステムの構成図である。
【0004】
図1に示した従来のソーラーポンプシステムは、太陽光モジュール100、インバータ200及び制御部300で構成される。
【0005】
このように、太陽光を利用して電力を発生するソーラーポンプシステムにおける重要な制御方法の一つが最大電力追従制御(maximum power point tracking,MPPT)である。太陽光インバータは、常に太陽電池の最大電力の発生地点を追跡するMPPT制御によって最大電力を発電する。
【0006】
従来のMPPT制御方式のうち、ヒルクライミング方式は、MPPT制御方法の中で最も基礎的な制御方法である。ヒルクライミング方式は、一定の変位だけデューティ(duty)を変化して最大電力点を探すことであって、制御機が簡単かつ単純であるが、日射量が急変するとき、最大電力点の推定が遅いという問題点がある。
【0007】
従来のMPPT制御方式のうち、撹乱及び観測方式は、MPPT制御方法の中で最も一般的なものであって、電圧の増減による電力の変化を測定して最大電力点で動作する方式である。この撹乱及び観測方式は、光量が低い場合、制御特性が悪くなる問題点がある。
【0008】
また、従来のMPPT制御方式のうち、インピーダンスマッチング方式は、負荷のインピーダンスと太陽電池のインピーダンスが同様となる地点で太陽電池の出力が最大になることを利用する方式である。インピーダンスマッチング方式は、追従性能には優れているが、多少複雑であり、複数の演算を要する問題点がある。
【0009】
このように、従来の多様なソーラーポンプスシステムのMPPT制御方法を利用する
図1のようなソーラーポンプシステムにおいて、制御部300は、水ポンプ400に印加される電圧を制御するために、インバータ200のPWM出力波形の生成及び低電圧/過電圧を検出するための情報として直流リンク電圧及びインバータ部52の出力電流を活用した。すなわち、電圧センサー210がインバータ200の直流リンク電圧を制御部300に提供し、電流センサー220がインバータ200の出力電流を制御部300に提供して、これからPWM出力波形を生成した。
【0010】
しかし、直流リンク電圧の急激な増加は、過電圧問題を引き起こし、直流リンク電圧の急激な低下は、低電圧問題を引き起こして、低電圧及び高電圧状態では、水ポンプ400を運転することができなくなる。水ポンプ400の頻繁な停止又は運転状態の変化は、周波数の急激な変化が頻繁である場合と同様、水ポンプ400の故障の原因となり、多くのエネルギー損失が発生し得る。
【0011】
また、従来の場合、インバータ200の入力電力ではなく、インバータ200のPWM方式の可変周波数の出力を検出するため、出力電力の計算に正確度が低下する問題点があり、出力周波数の脈動によって水ポンプ400のストレスが増加する問題点があった。
【0012】
このように、制御部300は、インバータ200の各ノードの電圧及び出力電流を検出してMPPT制御を行うため、電圧と電流を正確に検出しなければならず、要求される正確度が高いほどシステムに配置されるセンサー価格も高くなる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする技術的課題は、インバータの直流リンク電圧を用いて最大電力点を追従することで、出力周波数の脈動によるストレス増加を予防するインバータ制御方法を提供することである。
【0014】
上記のような技術的課題を解決するために、太陽光モジュールから印加される電力を変換して負荷に印加するシステムのインバータ制御方法において、本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、前記インバータの直流リンク電圧を受信するステップ;直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数が増加した場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を第1の傾きに増加させるステップ;及び直流リンク電圧が基準レベル以上であり、以前周期で前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数が減少した場合には、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を前記第1の傾きより小さい第2の傾きに増加させるステップを含んでいてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、直流リンク電圧が基準レベル未満であり、以前周期で直流リンク電圧が基準レベル未満である場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を減少させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、直流リンク電圧が基準レベル未満であり、以前周期で直流リンク電圧が基準レベル以上である場合には、該周期での出力周波数を貯蔵(貯蔵出力周波数)して、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を減少させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を前記第2の傾きに増加させた後、出力周波数が前記貯蔵出力周波数より大きい場合、前記負荷に印加する交流電圧の出力周波数を固定するステップをさらに含んでいてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、出力周波数を固定した後、直流リンク電圧が所定時間の間に安定する場合、出力周波数状態をクリアして、前記貯蔵出力周波数をクリアするステップをさらに含んでいてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、直流リンク電圧が安定するか否かは、直流リンク電圧がしきい範囲以内で変化するかによって決定することができる。
【発明の効果】
【0020】
上記のような本発明は、センサーの追加なしに直流リンク電圧の変化を感知して、太陽光モジュールの発電エネルギーを最大に活用するようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来のソーラーポンプシステムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態が適用されるソーラーポンプシステムを概略的に説明するための構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態のインバータ制御方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の構成及び効果を充分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に具現することができ、多様な変更を加えることができる。但し、本実施形態に対する説明は、本発明の開示を完全にして、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0023】
以下では、
図2及び
図3を参照して、本発明の一実施形態によるインバータ制御方法を説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態が適用されるソーラーポンプシステムを概略的に説明するための構成図である。
【0025】
図2に示したように、本発明の一実施形態が適用されるソーラーポンプシステムは、太陽光モジュール2、電磁両立性(Electromagnetic Compatibility,EMC)フィルター3、ヒューズ(fuse)4、インバータ5、制御部1、水ポンプ6及び水タンク7を含んでいてもよい。但し、本発明の一実施形態では、インバータ5の負荷に水ポンプ6が適用されることを例に挙げて説明しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽光モジュール2によって発電するエネルギーをインバータ5を介して伝達される様々な負荷を適用可能であると言える。
【0026】
また、インバータ5は、ブーストコンバータ50、直流リンクキャパシタ51、インバータ部52及び電圧センサー53を含んでいてもよい。
【0027】
太陽光モジュール2は、太陽電池を縦横に連結して結合した形態であり、個別太陽電池で生産された電気が同時にモジュールに集まって電力を生産することができる。
【0028】
EMCフィルター3は、太陽光モジュール2から印加される電力で発生する電磁波干渉を最小限にして、このような電磁波干渉による被害を防止することができる。EMCフィルター3は、ヒューズ40インバータ5に過度な電流が流れる場合、これを遮断することができる。但し、EMCフィルター3及びヒューズ4は、例示的なものであって、太陽光モジュール2から流入する電力に発生するノイズを除去するための多様な構成要素が本発明の一実施形態のソーラーポンプシステムに用いられてもよい。
【0029】
このように、EMCフィルター3及びヒューズ4によってノイズが除去された直流電圧は、インバータ5に印加されてもよく、インバータ5に印加された直流電圧は、ブーストコンバータ50によって昇圧して、直流リンクキャパシタ51に貯蔵されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態の制御部1は、電圧センサー53によって検出される直流リンク電圧を参照して、インバータ5のインバータ部52の複数のスイッチング素子のスイッチングを制御するスイッチング信号をインバータ部52に提供することができる。すなわち、制御部1の制御によってインバータ5のインバータ部52の出力周波数が決定されてもよいが、これについては、追って詳説する。
【0031】
インバータ5の直流リンク電圧の変化は、日射量によって変動され、直流リンク電圧が十分である場合、電圧変化量が少なくなり、直流リンク電圧が足りない場合、電圧変化量が大きくなり得る。
【0032】
インバータ5のインバータ部52から出力される交流電圧によって水ポンプ6が駆動され、水ポンプ6によって引き上げられた水は、水タンク7に貯蔵されてもよい。水タンク7に移された水は、飲み水、工業用水、農業用水、家畜用水等に用いることができる。
【0033】
従来の場合、インバータ出力電流を用いて最大電力点を追従することで、急激な出力周波数の脈動によりシステムのストレスが増加する原因となったが、本発明の一実施形態では、センサーの追加を要することなく、インバータの直流リンク電圧のみを用いて最大電力を追従することで、出力周波数の脈動によるシステムのストレスの増加を予防することができる。
【0034】
すなわち、本発明の一実施形態の制御部1は、直流リンク電圧が所定の基準レベル以上である場合、インバータ2の出力周波数を上昇させる。また、制御部1は、太陽光モジュール1の発電エネルギーに比べて出力周波数が高くて、直流リンク電圧が基準レベルより小くなる場合、さらに出力周波数を減少させて、直流リンク電圧が減少することを防止することができる。
【0035】
また、制御部1は、出力周波数を減少させた後に直流リンク電圧がさらに十分となった場合も、出力周波数を直ぐに上昇させないで、直流リンク電圧が不十分となる時点の出力周波数まで安定して上昇させた後、直流リンク電圧の安定度を判断する。そして、制御部1は、直流リンク電圧が安定していると判断された場合、正常な加速運転を実施することになる。制御部1の詳細な動作について図面をもって説明する。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態のインバータ制御方法を説明するためのフロー図である。
【0037】
図面に示したように、本発明の一実施形態のシステムにおいて、制御部1は、直流リンク電圧を電圧センサー53から周期的に受信することができ(S41)、受信された直流リンク電圧が基準レベルより大きいか同様であるが、あるいは小さいかを確認することができる(S42)。
【0038】
S42の判断結果、制御部1は、該周期での直流リンク電圧が基準レベルより小さい場合、以前周期での直流リンク電圧が基準レベルより大きいか同様であるか、あるいは小さいかを再確認することができる(S43)。
【0039】
S43の判断結果、制御部1は、以前周期での直流リンク電圧が基準レベルより大きいか同様である場合、該周期での出力周波数を第1の出力周波数として貯蔵して(S44)、出力周波数を減少させた後(S45)、リターンすることができる。すなわち、制御部1は、該周期で初めて直流リンク電圧が減少して基準レベルより小くなった場合には、該周期での出力周波数を第1の出力周波数として貯蔵して(S44)、出力周波数を減少させた後(S45)、リターンすることができる。
【0040】
出力周波数を減少させるということは、設定された減少傾きに相当する量を不連続的に(discrete)減少させることもでき、又は連続的に(countinuous)減少させることもできることを意味する。すなわち、制御部1は、設定によって、所定時間連続して設定された傾きに応じて出力周波数を減少させることもでき、又は、以前周期での出力周波数に設定された傾きに相当する不連続値を減少させて、出力周波数を減少させることもできる。
【0041】
しかし、S43の判断結果、制御部1は、以前周期での直流リンク電圧が基準レベルより小さい場合、出力周波数を減少させるS45に進んでもよい。
【0042】
すなわち、制御部1は、該周期で初めて直流リンク電圧が基準レベルより小くなった場合でなければ、出力周波数を減少させるS45に進んでもよい。
【0043】
制御部1は、インバータ5のインバータ部52の複数のスイッチング素子のゲートにPWM信号を転送して、スイッチング素子のオン/オフを制御することで、インバータ部52は、交流電力を出力することになる。すなわち、制御部1が出力周波数を減少させると、インバータ部52が合成する交流電力の出力周波数が減少し、インバータ部52から出力される交流電力の出力周波数が減少して、水ポンプ6の駆動速度が遅くなる。
【0044】
一方、S42の判断結果、該周期での直流リンク電圧が基準レベルより大きいか同様である場合、制御部1は、以前周期で出力周波数が減少したか否かを確認することができる(S46)。
【0045】
S46の判断結果、以前周期で出力周波数が減少していない場合、制御部1は、出力周波数を第1の傾きに相当する周波数だけ増加させた後(S47)、リターンすることができる。すなわち、制御部1は、直流リンク電圧が以前周期でも基準レベルより大きかった場合には、出力周波数を第1の傾きに相当する周波数だけ増加させた後(S47)、リターンすることができる。
【0046】
出力周波数を増加させるということは、インバータ部52のスイッチング素子が合成する交流電力の出力周波数が増加して、水ポンプ6の駆動速度が早くなることを意味する。
【0047】
また、出力周波数を第1の傾きに増加させるということは、第1の傾きに相当する量を不連続的に増加させることもでき、又は連続的に増加させることもできることを意味する。すなわち、設定によって、所定時間連続して第1の傾きによって出力周波数を増加させることもでき、又は、以前周期での出力周波数に第1の傾きに相当する不連続値を増加させて、出力周波数を増加させることもできる。
【0048】
しかし、S46の判断結果、以前周期で出力周波数が減少した場合、すなわち、直流リンク電圧が不十分であった後にさらに十分となった場合には、出力周波数をS47の第1の傾きより小さい第2の傾きに増加させることができる(S48)。
【0049】
その後、制御部1は、第2の傾きに増加させた出力周波数がS44で貯蔵した第1の出力周波数より大きいか同様であるかを確認して(S49)、出力周波数が第1の出力周波数より大きいか同様である場合には、出力周波数を固定する(S50)。仮に出力周波数が第1の出力周波数より小さい場合には、リターンする。
【0050】
出力周波数を固定した後、制御部1は、所定時間の間に直流リンク電圧が安定的であるか否かを判定することができる(S51)。
【0051】
直流リンク電圧が安定的であるか否かの判断は、直流リンク電圧が変化する大きさのしきい範囲を決定して、直流リンク電圧の変化が所定時間の間にしきい範囲以上に変化する場合、安定的ではないと判断してもよい。
【0052】
一方、しきい範囲以内で変化する場合には、安定的であると判断してもよい。このような直流リンク電圧の変化しきい範囲は、設定によって、制御部1が予め貯蔵していてもよい。第1の出力周波数の貯蔵及びしきい範囲の貯蔵のために、制御部1にメモリーがさらに含まれていてもよい。
【0053】
その後、S51の判断結果、直流リンク電圧が所定時間の間に安定的である場合、制御部1は、状態をクリアすることができる。すなわち、出力周波数の減少状態をクリアすることができ、貯蔵された第1の出力周波数をクリアすることができる。
【0054】
このように、本発明の一実施形態のインバータ制御方法によれば、直流リンク電圧の不足により、出力周波数を減少させた後に直流リンク電圧がさらに十分となった場合、出力周波数を直ぐに増加させないで、直流リンク電圧が足りない時点の出力周波数(第1の出力周波数)まで安定して上昇(傾きが小さい)させる。そして、直流リンク電圧の安定度を所定時間の間に判断して、この安定度を判断した後、正常な加速運転(傾きが大きい)を実施することになる。
【0055】
本発明の一実施形態において、水ポンプ6の周波数変化が頻繁である場合、故障の原因となるため、直流リンク電圧が十分状態(基準レベル以上)である場合には、出力周波数を上昇させる。一方、直流リンク電圧が不十分状態(基準レベル未満)である場合には、出力周波数を減少させて、直流リンク電圧がこれ以上減少しないようにして、低電圧問題が引き起こさない状態で、太陽光モジュール2が発電するエネルギーを最大に利用するようにすることができる。
【0056】
このとき、気象状況又は照度によって変動する直流リンク電圧によって発生し得る出力周波数の変動を防止するために、直流リンク電圧が不十分状態から十分状態に変換される場合、出力周波数を十分状態でより小さい傾きに増加させることができる。
【0057】
また、十分状態から不十分状態に変換する場合の該出力周波数を貯蔵して、小さい傾きに増加させた出力周波数が貯蔵された出力周波数より大きい場合、出力周波数を固定して、直流リンク電圧の安定度を判断し、直流リンク電圧が安定的であると判定される場合、さらに出力周波数を増加させることができる。
【0058】
直流リンク電圧の急激な増加は、過電圧を引き起こして、直流リンク電圧の急激な低下は、低電圧を引き起こし、過電圧又は低電圧状態では、水ポンプ6の運転が不可能である。また、ポンプ6の頻繁な運転/停止状態の変化は、周波数変化が頻繁である場合と同様、ポンプ6の故障の原因となり、これによってエネルギー損失が多くなる。
【0059】
従来には、水ポンプ6を制御するためのインバータPMW出力波形の生成及び低電圧/高電圧を検出するための情報として直流リンク電圧を活用したが、本発明の一実施形態では、直流リンク電圧の増加及び減少を継続して確認し、日射量によって直流リンク電圧の急激な変化を防止するために出力周波数を変化するようにした。
【0060】
このような本発明によれば、センサーの追加なしに直流リンク電圧の変化を感知して、太陽光モジュールの発電エネルギーを最大に活用することができる。
【0061】
以上では、本発明による実施形態を説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、該分野で通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形及び均等な範囲の実施形態が可能である点を理解することができる。従って、本発明の真の技術的な保護範囲は、次の請求範囲によって定めるべきである。