【解決手段】インバータ制御方法は、ファン電流を受信し、ファン電流がハイトリップレベルを超えるか又はロートリップレベル未満である場合、エラーカウントを増加させ、エラーカウントがエラーカウント最大値に到達する場合、トリップカウントを増加させ、エラーカウントを初期化して、トリップカウントがトリップカウント最大値に到達する場合、ファントリップ信号を発生する。
【背景技術】
【0002】
通常、インバータは、電気的に直流(DC)を交流(AC)に変換する逆変換装置である。産業界で使用されるインバータは、商用電源から供給された電力を入力されて自ら電圧と周波数を可変して電動機に供給することで、電動機速度を高効率に利用するように制御する一連の装置と定義される。このようなインバータは、ファン、ポンプ、エレベーター、移送装置、生産ライン等、産業全般にわたって様々な形態に用いられている。
【0003】
インバータには、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar mode transistor,IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal oxide semi−conductor field effect transistor,MOSFET)のような高周波スイッチング素子、大容量キャパシタ(capacitor)等、発熱性部品が用いられる。インバータの寿命を確保して信頼性を提供するためには、発熱性部品を冷却するためのファン(fan)のような冷却装置の構成が必須である。
【0004】
このような冷却装置に問題が発生する場合、インバータ制御部では、冷却装置の故障を検出して、トリップが発生する場合、インバータのパルス幅変調(pulse width modulation,PWM)出力を遮断して、インバータ動作を停止させる。しかし、不適切な状況で冷却装置の故障検出によってインバータの動作が停止することで、インバータシステムの信頼性が低下する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、瞬間的なファンの過負荷状況で不要なファントリップの発生を防止して、インバータの信頼性を向上させるインバータ制御方法を提供することである。
【0006】
上記のような技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、ファン電流を受信するステップ;前記ファン電流がハイトリップレベルを超えるか、又はロートリップレベル未満である場合、エラーカウントを増加させるステップ;前記エラーカウントがエラーカウント最大値に到達する場合、トリップカウントを増加させてエラーカウントを初期化するステップ;及び前記トリップカウントがトリップカウント最大値に到達する場合、ファントリップ信号を発生するステップを含んでいてもよい。
【0007】
前記エラーカウントを増加させるステップにおいて、前記エラーカウントを増加させながらノンエラーカウントを維持することができる。
【0008】
本発明の一実施形態の方法は、前記ファン電流が前記ロートリップレベルと前記ハイトリップレベルの間である場合、ノンエラーカウントを増加させるステップ;及び前記ノンエラーカウントがノンエラーカウント最大値に到達する場合、前記トリップカウントを初期化するステップをさらに含んでいてもよい。
【0009】
前記ノンエラーカウントを増加させるステップにおいて、前記ノンエラーカウントを増加させながら前記エラーカウントを維持することができる。
【0010】
前記トリップカウントを初期化するステップにおいて、前記エラーカウント及び前記ノンエラーカウントを共に初期化することができる。また、上記のような技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、インバータの温度情報を受信するステップ;前記インバータの温度が第1の温度以上である場合、トリップカウントを増加させるステップ;及び前記トリップカウントが第1の最大値を超える場合、ファントリップ信号を発生するステップをさらに含んでいてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態のインバータ制御方法は、前記インバータの温度が前記第1の温度以下であり、前記第1の温度より低い第2の温度以上である場合、前記トリップカウントを増加させるステップ;及び前記トリップカウントが前記第1の最大値より大きい第2の最大値を超える場合、ファントリップ信号を発生するステップをさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上記のような本発明は、ファン電流が駆動初期に正常範囲を脱するが、一定時間後、正常範囲内で動作する場合にも、性急にファントリップ信号を発生しないため、インバータの信頼性を向上させる効果がある。
【0013】
また、ファン電流のみならず、インバータの温度情報も共に考慮してトリップ信号を発生することで、インバータの信頼性も向上させることができ、顧客満足度を向上する効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の構成及び効果を十分に理解するため、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に具現することができ、多様な変更を加えることができる。但し、本実施形態に対する説明は、本発明の開示を完全にして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。添付の図面における構成要素は、説明の便宜のためその大きさを実際より拡大して示したものであり、各構成要素の割合は、誇張するか縮小してもよい。
【0016】
本発明の実施形態において使われる用語は、別に定義されない限り、該技術分野で通常の知識を有する者に通常知られた意味に解釈されてもよい。
【0017】
以下では、
図1〜
図3を参照して、従来のインバータ制御方法を説明して、
図4〜
図8を参照して、本発明の一実施形態のインバータ制御方法を説明する。
【0018】
図1は、従来のインバータシステムの構成図である。
【0019】
電源部200を介して交流電源が投入されると、インバータ100の整流部110がこれを直流に整流して、これによって直流リンクキャパシタ120に直流リンク電圧が充電される。制御部400は、パルス幅変調(pulse width modulation,PMW)信号をインバータ部140に提供して、インバータ部140は、PWM信号によって直流リンク電圧を交流電圧に変換して電動機300に出力する。
【0020】
直流リンク電圧によってスイッチモード電源供給装置(switched mode power supply,SMPS)130が動作を開始し、SMPS130から冷却装置を動作するためのファン電圧(V_FAN)が冷却装置500に提供される。冷却装置500のファン510は、ファン電圧(V_FAN)を入力されて動作を開始し、ファン制御部520は、ファン電流(I_FAN)を検出して制御部400に伝達する。制御部400は、ファン510の故障状況が発生する場合、ファントリップ信号(FAN_Trip)を出力して、インバータ100の動作を停止することになる。
【0021】
図2は、
図1のような従来のインバータシステムにおいて制御部の動作を説明するためのフロー図であり、
図3は、ファン電流及びファントリップ信号の発生を説明するための例示図である。
【0022】
設定によって、ファン電流が一定レベル以上に持続する場合、トリップになるレベルを「ハイトリップレベル」として、ファン電流が一定レベル以下に持続する場合、トリップになるレベルを「ロートリップレベル」とする。これは、
図3に示している。
【0023】
図2を参照すれば、制御部400は、ファン制御部520によって検出されるファン電流を受信して(S21)、ファン電流がハイトリップレベルを超えるか、又はロートリップレベル未満である場合(S22)、エラーカウントを増加させる(S23)。
【0024】
その後、エラーカウントが最大値と大きいか同様となる場合(S24)、制御部400は、ファントリップ信号を発生する(S25)。ファントリップ信号が発生すると、インバータ部140に提供されるPWM信号が遮断されるため、これによってインバータ100の動作が停止する。
【0025】
このように、ファントリップ信号が発生することは、インバータ100が過熱することを防ぐためであり、インバータ100の電源が遮断されることではなく、これによって電動機300の動作が中止する。
【0026】
しかし、上記のような従来のファン制御方法は、ファン電流のみを用いてトリップを決定するため、インバータ100が低温で長期間放置された後に初期動作する場合、ファン510が正常動作しても、ファン510のブレードの摩擦力増加によって間歇的にファン電流が上昇して、ファントリップが発生し得る問題点がある。又は、瞬間的に粉塵物等がファン510に流入して、ファン電流が急激に上昇する場合、インバータ100の自体温度が上昇しなくてもファントリップが発生し得る問題点がある。
【0027】
このように、インバータ100自体の温度上昇ではない理由によってファントリップが発生すると、インバータ100の動作が停止して、電動機300の動作が中止するため、使用者が行っていた作業が強制に停止し、時間的かつ経済的打撃が生じる問題点があり、これにより製品の信頼性が低くなる問題点がある。
【0028】
従って、インバータ100に故障が発生して、インバータ100の温度が上昇し過ぎた場合に限ってトリップを発生する必要がある。
【0029】
本発明は、このような問題点を解決するためのものであって、瞬間的なファンの過負荷状況で不要なファントリップの発生を防止して、インバータの信頼性を向上させるインバータ冷却装置制御方法を提供することである。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態の方法が適用されるインバータシステムの構成図である。
【0031】
図4に示したように、本発明が適用されるシステムは、電源部2から印加された交流電圧を所定の大きさ及び周波数に変換して電動機3に提供するインバータ1と、インバータ1にパルス幅変調(PWM)信号及びトリップ信号を提供する制御部4、及びインバータ1の温度を冷却するための冷却装置5を含んでいてもよい。
【0032】
インバータ1は、電源部2から入力される交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流部11、整流部11が整流した直流電圧を貯蔵する直流リンクキャパシタ12、直流リンクキャパシタ12に貯蔵された直流電圧を冷却装置5に電源で提供する電源提供部13、絶縁ゲート両極性トランジスタ(insulated gate bipolar mode transistor,IGBT)のような半導体スイッチング素子で構成されて、制御部4のPWM信号によって直流リンク電圧を変換して交流電圧を出力するインバータ部14、インバータ部14の温度を検出する温度検出部15を含んでいてもよい。
【0033】
電源提供部13は、スイッチモード電源供給装置(SMPS)であってもよいが、これに限定されるものではなく、直流リンクキャパシタ12に充電される直流リンク電圧を他の構成要素への電源で提供する様々な形態の電源供給装置が用いられる。
【0034】
インバータ1で発熱が最も多く発生する素子がインバータ部14のスイッチング素子であるため、温度検出部15がインバータ部14の内部に配置されると示しているが、これに限定されるものではなく、インバータ1の内部温度を好適に測定できる多様な位置に温度検出部15が配置されてもよい。温度検出部15は、例えば、NCT温度センサーであってもよく、温度検出部15によって検出されたインバータ1の内部の温度情報NTCが制御部4に伝達されてもよい。
【0035】
冷却装置5は、ファン51とファン制御部52を含んでいてもよい。但し、本発明の一実施形態において、冷却装置5の一例としてファン51を用いることを説明しているが、これに限定されるものではなく、様々な形態の冷却装置が用いられることを排除することではない。
【0036】
直流リンクキャパシタ12に直流リンク電圧が充電されると、これによって電源提供部13が動作を開始することができる。電源提供部13は、冷却装置5を動作するためのファン電圧(V_FAN)を冷却装置5のファン制御部52に提供して、ファン51は、ファン制御部52からファン電圧(V_FAN)を供給されて動作を開始することができる。ファン制御部2は、ファン51のファン電流(I_FAN)を検出して、これを制御部4に提供することができる。
【0037】
制御部4は、ファン制御部52から受信したファン電流(I_FAN)及び/又は温度検出部(インバータ内部の温度情報(NCT)に基づいて、ファンがファントリップを発生させることができる。
図5は、本発明のインバータシステムにおいて制御部の一実施形態の動作を説明するためのフロー図であって、ファン電流に基づいてファントリップを決定する動作を示したものである。
図6及び
図7は、
図5による制御部の動作を説明するための一例示図であって、
図6は、トリップが発生しない場合を、
図7は、トリップが発生する場合を示した。
【0038】
また、
図8は、本発明のインバータシステムにおいて制御部の他の実施形態の動作を説明するためのフロー図であって、インバータの温度情報に基づいてファントリップを決定する動作を示したものである。
【0039】
本発明の一実施形態では、ファン電流に基づいて1次にファントリップを制御部が決定して、また、温度情報に基づいて2次にファントリップを決定することができる。又は、制御部4は、ファン電流のみを用いてファントリップを決定することもでき、又は、温度情報のみを利用してファントリップを決定することもできる。
【0040】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態において、制御部4は、ファン制御部52からファン電流を受信することができる(S51)。制御部4は、ファン電流がハイトリップレベルを超えるか、又はロートリップレベル未満である場合(S52)、エラーカウント(ERROR COUNT)を増加させて、ノンエラーカウント(NONE ERROR COUNT)は、維持してもよい(S53)。
【0041】
エラーカウントの増加は、エラーカウント最大値(MAX)に到達するまで持続して、エラーカウント最大値(MAX)に到達したた場合(S54)、トリップカウントを増加させて、エラーカウントは初期化することができる(S55)。このような動作は、トリップカウントが最大値になるまで持続するが、トリップカウントがトリップカウント最大値(MAX)に到達すると(S56)、制御部4は、ファントリップ信号を発生してインバータの動作を停止させることができる。
【0042】
一方、制御部4は、ファン電流がロートリップレベルとハイトリップレベルの間の正常範囲である場合には、ノンエラーカウントを増加させて、エラーカウントは維持してもよい(S58)。このような動作は、ノンエラーカウントが最大値(MAX)に到達するまで持続して、ノンエラーカウントが最大値(MAX)になると(S59)、トリップカウントとエラーカウント及びノンエラーカウントを初期化することができる(S60)。このように、ノンエラーカウントが最大値(MAX)である場合、トリップカウント、エラーカウント及びノンエラーカウントを初期化することは、制御部4がファンが正常であると確認し、その後、さらにファン電流によってトリップが発生しないと判断したためである。これを
図6及び
図7を用いて説明すれば、次のとおりである。
図6は、トリップが発生しない場合を、
図7は、トリップが発生する場合を例に挙げて示した。
【0043】
図6を参照すれば、ファン電流がハイトリップレベルとロートリップレベルを往復してから正常区間に突入することが分かる。このような場合、従来には、エラーカウントによってエラーカウントが最大値に到達すると、直ぐにトリップが発生した。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、ファン電流がハイトリップレベルより大きくなると、エラーカウントは、持続して増加し(6A)、ノンエラーカウントは、一定に維持される(6B)。その後、ファン電流が正常範囲(ロートリップレベルより大きくて、トリップレベルより小さい範囲)に進入すると、エラーカウントは維持されて(6C)、ノンエラーカウントが増加する(6D)。その後、さらにファン電流が正常範囲を脱する場合、エラーカウントが増加してからエラーカウント最大値(MAX)に到達すると、トリップカウントを増加させて(6E)、エラーカウントを初期化することができる。
【0045】
かかる過程を繰り返して、ファン電流が正常範囲で安定して出力されると(6F)、ノンエラーカウントが持続して増加し(6G)、ノンエラーカウントが最大値(MAX)に到達すると、トリップカウントが初期化されて、エラーカウント及びノンエラーカウントも初期化される(6H)。このように、ノンエラーカウントが最大値(MAX)に到達した場合、トリップカウント、エラーカウント及びノンエラーカウントを初期化することは、制御部4がファンが正常であると確認したためであることは、既に説明したとおりである。
【0046】
このように、本発明の一実施形態によれば、ファン電流が駆動初期に正常範囲を脱するが、一定時間後、正常範囲内で動作する場合も、性急にファントリップ信号を発生しないため、インバータの信頼性を向上させることができる。
図7を参照すれば、
図6の場合と異なって、ファン電流が持続して正常範囲と以上範囲を往復して正常区間に突入しなくなる場合を示した。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、ファン電流がハイトリップレベルより大きくなると、エラーカウントは、持続して増加して、ノンエラーカウントは、一定に維持される。その後、ファン電流が正常範囲(ロートリップレベルより大きくて、トリップレベルより小さい範囲)に進入すると、エラーカウントは維持されて、ノンエラーカウントが増加する。その後、さらにファン電流が正常範囲を脱する場合、エラーカウントが増加してからエラーカウント最大値(MAX)に到達すると、トリップカウントを増加させて、エラーカウントを初期化できることは、上記
図6を参照して説明したと同様である。
【0048】
図7では、エラーカウントが最大値(MAX)に3回到逹しながらトリップカウントが3回増加する場合、トリップカウント最大値(MAX)に到逹して、これによってトリップが発生し得る(7A)。本発明の一実施形態では、トリップが発生する場合も、エラーカウントとノンエラーカウントがファン電流によってカウントを維持又は増加することを例に挙げて説明しているが、トリップが発生する場合には、エラーカウントとノンエラーカウントがいずれも初期化されてもよい。
【0049】
本発明の一実施形態では、エラーカウントが最大値(MAX)に3回到逹する場合、トリップが発生(すなわち、トリップカウント最大値(MAX)が3)することを例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、システムの敏感度によってトリップカウントMAXが設定されてもよい。一方、本発明の一実施形態によれば、ファン電流のみならず、インバータの温度情報を利用してファントリップを決定することもできる。すなわち、1次にファン電流を用いてファントリップを決定して、2次にインバータの温度情報を利用してファントリップを決定することもできる。又は、ファン電流と温度情報のいずれかのみを用いてファントリップを決定することもできる。
図8は、インバータの温度情報を利用してファントリップを決定することを説明するためのものである。
【0050】
図8を参照すれば、制御部4は、温度検出部15からインバータ1の温度情報を受信することができる(S81)。これによって、温度が設定された第1の温度を越えない場合には(S82)、インバータ1に電源が印加されて一定時間が経過したかを確認することができる(S83)。仮にインバータ1に電源が印加されて一定時間が経過していない場合には、インバータ駆動過渡期と判断して、一定時間が経過した場合に限ってファントリップを決定するためである。このとき、一定時間は、例えば、180秒であってもよいが、これに限定されるものではなく、インバータ1が電源印加後、過渡期がどれくらい持続するかによって変更されてもよい。また、設定された第1の温度は、例えば、10℃であってもよい。但し、これは、例示的なものであって、これに限定されるものではなく、多様に設定することができる。
【0051】
仮に、S82においてインバータ1の温度が第1の温度を越えるか、又は、第1の温度を越えない場合にも、インバータ1に電源が印加された後、一定時間が経過した場合には、インバータ1の温度が第2の温度以上であるか否かを確認することができる(S84)。このとき、第2の温度は、例えば、40℃であってもよいが、本発明がこれに制限されるものではなく、インバータ1が用いられる環境によって多様に設定することができる。
【0052】
このように、インバータ1の温度が第2の温度以上である場合、制御部4は、トリップカウントを増加させることができ(S85)、トリップカウントが第1の最大値(MAX1)を超える場合(S86)、ファントリップ信号を発生し得る(S87)。
【0053】
または、インバータ1の温度が第2の温度以下である場合、制御部4は、このときもトリップカウントを増加させることができる(S88)。また、トリップカウントが第2の最大値(MAX)を超える場合(S89)、ファントリップ信号を発生し得る(S89)。
【0054】
本発明の一実施形態において、例えば、トリップカウント第1の最大値(MAX1)は3であり、トリップカウント第2の最大値(MAX2)は、10であってもよい。すなわち、インバータ1の温度が第2の温度(40℃)以上である場合には、トリップカウント最大値(MAX)を小さい数に設定するが、これは、インバータ1の温度が第2の温度以上である場合には、インバータ1製品に大きいリスクを与えられる環境であることを表すことである。一方、インバータ1の温度が第2の温度(40℃)以下である場合には、温度が第2の温度(40℃)以上である場合とは異なる最大値(MAX)が設定され、これは、インバータ1製品に大きいリスクを与える環境ではないため、この場合、不要なトリップを防止するためである。
【0055】
このように、本発明の一実施形態によれば、ファン電流のみならず、インバータの温度情報も共に考慮してトリップ信号を発生することで、インバータの信頼性を向上させることができる。
【0056】
以上では、本発明による実施形態を説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、該分野で通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形及び均等な範囲の実施形態が可能である点を理解することができる。従って、本発明の真の技術的な保護範囲は、次の請求範囲によって定めるべきである。