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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198214(P2019-198214A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】インバータの出力欠相検出装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20191018BHJP
【FI】
   H02M7/48 M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-43021(P2019-43021)
(22)【出願日】2019年3月8日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0052890
(32)【優先日】2018年5月9日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】シュ、チェンデ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チュン−ソク
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA01
5H770CA02
5H770DA03
5H770DA41
5H770EA01
5H770HA02X
5H770HA16X
5H770LA07Y
5H770LB05
5H770LB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】正確度を向上させるインバータの出力欠相検出装置を提供する。
【解決手段】インバータシステムは、直流リンク電圧を交流電圧に変換して、3相レッグにそれぞれ直列に連結される2つのスイッチング素子が配置されるインバータ部13と、インバータ部13の下部レッグのスイッチング素子とそれぞれ直列に連結されるシャント抵抗4と、を含むインバータ1と、出力欠相検出装置5と、を備える。出力欠相検出装置5は、インバータ部13の下部レッグに配置されるシャント抵抗4から出力される信号から2相出力電流(検出出力電流)を検出して、検出出力電流から1相出力電流(演算出力電流)を演算し、演算出力電流が出力欠相バンド以内である場合、または、演算出力電流が検出出力電流のうちいずれかと大きさが同じであり、符号が反対である場合、出力欠相を検出する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流リンク電圧を交流電圧に変換して、3相レッグにそれぞれ直列に連結される2つのスイッチング素子が配置されるインバータ部と、前記インバータ部の下部レッグのスイッチング素子とそれぞれ直列に連結されるシャント抵抗を含むインバータの出力欠相を検出する装置において、
前記シャント抵抗から出力される信号から2相出力電流(検出出力電流)を検出する出力電流検出部;
前記検出出力電流から前記検出出力電流と異なる1相出力電流(演算出力電流)を演算する出力電流演算部;及び、
前記演算出力電流が出力欠相バンド以内である場合、または、前記演算出力電流が前記検出出力電流のうちいずれかと大きさが同じであり、符号が反対である場合、出力欠相を検出する出力欠相検出部を含むインバータの出力欠相検出装置。
【請求項2】
前記出力電流検出部は、
前記インバータ部の前記スイッチング素子にPWM信号を提供するPWM制御部から前記検出出力電流に対応するセクター情報を受信する、請求項1に記載のインバータの出力欠相検出装置。
【請求項3】
前記出力欠相検出部は、
前記演算出力電流が前記出力欠相バンド以内である場合、または、前記演算出力電流が前記検出出力電流のうちいずれかと大きさが同じであり、符号が反対である場合、カウントを増加させる、請求項1に記載のインバータの出力欠相検出装置。
【請求項4】
前記出力欠相検出部は、
前記演算出力電流が前記出力欠相バンドより大きいか小さいし、前記演算出力電流が前記検出出力電流の和と同様である場合、前記カウントを減少させる、請求項3に記載のインバータの出力欠相検出装置。
【請求項5】
前記出力欠相検出部は、
前記カウントが所定の出力欠相レベルに到逹すると、前記出力欠相であると決定して、インバータ保護動作を行う、請求項4に記載のインバータの出力欠相検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータの出力欠相検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、インバータは、電気的に直流(DC)を交流(AC)に変換する逆変換装置であって、産業界で使用されるインバータは、商用電源から供給された電力を入力されて、自ら電圧と周波数を可変して電動機に供給することによって、電動機の速度を高効率に利用するように制御する一連の装置と定義される。このようなインバータは、可変電圧可変周波数(variable voltage variable frequency,VVVF)方式によって制御され、パルス幅変調(pulse width modulation,PWM)の出力に応じて電動機に入力される電圧と周波数を可変することができる。
【0003】
図1は、通常のインバータの構成図である。
【0004】
通常、インバータ1は、電源部2から3相交流電源を印加されて、整流部11がこれを整流し、平滑部12は、整流部11が整流した直流電圧を平滑して貯蔵する。インバータ部13は、平滑部12である直流リンクキャパシタに貯蔵された直流電圧をPWM制御信号に応じて所定の電圧及び周波数を有する交流電圧を出力して、これを電動機3に提供する。インバータ部13は、3相レッグで構成されており、各レッグには、2つのスイッチング素子が直列に連結されて構成される。
【0005】
インバータの出力欠相は、インバータ1が出力する1相以上がオープン(open)であることを意味し、インバータ1の出力端と電動機3を連結していないか、または、インバータ1の出力端と電動機3の間の開閉装置の誤動作によって発生する。
【0006】
出力欠相が発生する場合、電動機3は、定格電流以上の過電流によって焼損が発生し得る。従って、出力欠相が発生する場合、インバータ1は、ユーザに出力欠相が発生したことを知らせ、インバータ1の運転を停止して電動機3を安全に保護する必要がある。このため、インバータ1の出力欠相を検出する装置が求められる。
【0007】
また、出力欠相によってインバータの運転が停止されるため、出力欠相の誤検出によるインバータ駆動効率が低下し得る。このため、出力欠相の検出に対する正確度を向上させるための方案を設ける必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、インバータの出力欠相を検出する装置において、正確度を向上させるインバータの出力欠相検出装置を提供することである。
【課題を解決しようとする手段】
【0009】
上記のような技術的課題を解決するため、本発明の一実施形態のインバータの出力欠相検出装置は、直流リンク電圧を交流電圧に変換して、3相レッグにそれぞれ直列に連結される2つのスイッチング素子が配置されるインバータ部を含むインバータと、前記インバータ部の下部レッグのスイッチング素子とそれぞれ直列に連結されるシャント抵抗を含むインバータシステムで前記インバータの出力欠相を検出する装置であって、前記シャント抵抗から出力される信号から2相出力電流(検出出力電流)を検出する出力電流検出部;前記検出出力電流から前記検出出力電流と異なる1相出力電流(演算出力電流)を演算する出力電流演算部;及び前記演算出力電流が出力欠相バンド以内である場合、または、前記演算出力電流が検出出力電流のうちいずれかと大きさが同じであり、符号が反対である場合、出力欠相を検出する出力欠相検出部を含んでいてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記出力電流検出部は、前記インバータ部の前記スイッチング素子にPWM信号を提供するPWM制御部から前記検出出力電流に対応するセクター情報を受信することができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記出力欠相検出部は、前記演算出力電流が前記出力欠相バンド以内である場合、または、前記演算出力電流が検出出力電流のうちいずれかと大きさが同じであり、符号が反対である場合、カウントを増加させることができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記出力欠相検出部は、前記演算出力電流が前記出力欠相バンドより大きいか小さいし、前記演算出力電流が前記検出出力電流の和と同様である場合、前記カウントを減少させることができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記出力欠相検出部は、前記カウントが所定の出力欠相レベルに到逹すると、前記出力欠相であると決定して、インバータ保護動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
上記のようなインバータの出力欠相検出装置は、各セクター毎に1つの相電流を演算して、演算された電流が出力欠相バンド以内であるかを判断すると同時に、演算された出力電流が出力欠相バンドより大きいか小さい場合にも、他の検出出力電流と符号が異なるか否かを確認して、出力欠相に該当するかを決定する。これによって、出力欠相の検出に対する正確度が向上する。それによって、インバータ保護動作の品質を向上させて、インバータと負荷を保護することができるため、システムの信頼性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】通常のインバータの構成図である。
図2a】変流器(CT)を用いたインバータの出力電流検出回路を示したものである。
図2b】シャント抵抗を用いたインバータの出力電流検出回路を示したものである。
図3】インバータのパルス幅変調(PWM)状態による出力電流制限領域を説明するためのダイヤグラムである。
図4】従来のインバータの出力欠相検出装置の構成図である。
図5】従来のインバータの出力電流の出力欠相検出方法を説明するためのものである。
図6a】CTを用いた出力電流検出方式で出力欠相を検出することを示したものである。
図6b】CTを用いた出力電流検出方式で出力欠相を検出することを示したものである。
図7a】シャント抵抗を用いた出力電流検出方式の場合を示したものである。
図7b】シャント抵抗を用いた出力電流検出方式の場合を示したものである。
図8】シャント抵抗を用いた出力電流検出方式でU相電流が欠相した場合にも、出力欠相を検出できないことを示したものである。
図9】本発明の一実施形態のインバータの出力欠相検出装置を説明するためのインバータシステムの構成図である。
図10】PWMセクター別のスイッチング素子の動作を示したものである。
図11】本発明の一実施形態によってインバータの出力電流の出力欠相を検出する方法を説明するためのフロー図である。
図12】本発明の一実施形態によって出力欠相を検出することを説明するための一例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の構成及び効果を十分に理解するため、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に具現することができ、種々の変更を加えることができる。但し、本実施形態に対する説明は、本発明の開示を完全にして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。添付の図面における構成要素は、説明の便宜のためその大きさを実際より拡大して示したものであり、各構成要素の割合は、誇張するか縮小してもよい。
【0017】
「第1」、「第2」等の用語は、多様な構成要素を説明するために使われるが、前記構成要素は、上記用語によって限定されてはならない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を脱することなく、「第1の構成要素」は「第2の構成要素」に命名されてもよいし、同様、「第2の構成要素」も「第1の構成要素」に命名されてもよい。また、単数の表現は、文脈上明白に別に表現しない限り、複数の表現を含む。本発明の実施形態において使われる用語は、別に定義されない限り、該技術分野で通常の知識を有する者に通常知られた意味に解釈されてもよい。
【0018】
以下では、図2a〜図5を参照して、本発明の一実施形態によるインバータ制御装置及び方法を説明する。
【0019】
図2aは、変流器(current transducer,CT)を用いたインバータの出力電流検出回路を示したものであり、図2bは、シャント抵抗を用いたインバータの出力電流検出回路を示したものである。
【0020】
図2aを参照すれば、CT4は、インバータ1の出力相に配置されて、インバータ1の3相出力電流を検出する。CTを用いる電流検出方式は、インバータ1の制御部(未図示)とインバータ部13を絶縁して電流検出が可能であり、別途絶縁回路を要しない。しかし、非線形領域が存在して、シャント抵抗を介する電流検出方式に比べて比較的に高価であるため、スタンダード(standard)級インバータ以上に主に用いられている。
【0021】
図2bを参照すれば、シャント抵抗5がインバータ部13の各レッグの下部スイッチング素子のエミッタ端に連結されて、インバータ部13のスイッチング素子の動作状態によって下部スイッチング素子へ電流が流れるとき、インバータ1の出力電流を検出する。
【0022】
図3は、インバータのパルス幅変調(pulse width modulation,PWM)状態による出力電流制限領域を説明するためのダイヤグラムである。
【0023】
図3のように、シャント抵抗を用いてインバータの出力電流を検出する方式は、スイッチング素子の動作状態及び電流導通時間によって電流検出が不可能な領域が発生するため、電流検出領域を拡張するために、3相出力電流のうち有効な2相電流を検出して、残りの1相電流を演算する方式を採用する。下表は、シャント抵抗を用いてインバータの出力電流を検出する方式において、セクター別の電流検出を演算する方式を示したものである。
【0024】
【表1】
【0025】
かかるシャント抵抗を用いてインバータの出力電流を検出する方式は、CTを用いる方式に比べて比較的に安価に具現可能であるため、安価型小型インバータに主に用いられている。
【0026】
図4は、従来のインバータの出力欠相検出装置の構成図である。
【0027】
シャント抵抗から入力される電流信号は、シャント抵抗4から入力される出力電流が電流検出部110によって検出されて、前処理部120が低帯域信号をフィルタリングしてスケールを調整する。その後、AD変換部130がこのアナログ信号をデジタルデータに変換すると、表1のように出力電流を演算し、演算された出力電流を用いて出力欠相を決定する。
【0028】
このように、インバータの出力電流の出力欠相は、インバータの3相出力電流をそれぞれ入力されて、各相の出力欠相有無を判断する。このとき、インバータの各相出力電流が出力欠相バンド以内に一定時間維持される場合、出力欠相と判断する。出力欠相の際、欠相した相電流を流れないため、設定された出力欠相バンド以内に出力電流が維持される。
【0029】
図5は、従来のインバータの出力電流の出力欠相検出方法を説明するためのものである。
【0030】
図4のような従来の出力欠相検出装置は、インバータの出力電流の検出周期毎に出力電流が出力欠相バンド以内に出力されるかを判断する(S51、S52)。インバータの出力電流が出力欠相バンド以内に出力されると、欠相変数OPO_Cntのカウントを増加させて、これを出力電流検出周期毎に繰り返すことになる(S54)。仮に、インバータの出力電流が出力欠相バンド以上に出力されると、欠相変数OPO_Cntのカウントを減少させて(S53)、正常なインバータ動作での出力欠相検出を防止するようになる。
【0031】
累積した欠相変数OPO_Cntが出力欠相レベル以上になると、出力欠相決定部150は、出力欠相と判断して、設定された保護動作(例えば、トリップ等)を行う。
【0032】
図6a及び図6bは、CTを用いた出力電流検出方式において、インバータの出力電流のうち1つの相が1周期の間に出力欠相した場合、出力欠相を検出することを示したものである。インバータの出力電流(6A)が出力欠相バンド(6B)以内になると、欠相変数カウントが増加し、欠相変数カウントが欠相検出レベルに到逹すると(6C)、出力欠相を検出することになる。
【0033】
しかし、シャント抵抗を用いる電流検出方式では、PWM区間によってインバータの3相出力電流のうち有効な2相出力電流を検出して、1相出力電流を演算する方式を採用する。これによって、正確な出力欠相を検出することができない問題点がある。
【0034】
図7a及び図7bは、シャント抵抗を用いた出力電流検出方式の場合を示したものであって、U相出力電流が1周期の間に欠相した時に欠相を検出する方式を示すものである。
【0035】
図7aにおいて、U相の自己相電流を検出するセクター2〜セクター5の区間では、出力電流が出力欠相バンドにある場合、欠相変数のカウントを増加させることになるが、他の相電流へU相電流を演算するセクター1及びセクター6の区間では、欠相変数が減少することになるため、欠相区間内で出力欠相を検出することができなくなる問題が発生する。図8は、シャント抵抗を用いた出力電流検出方式において、U相電流が欠相した場合にも出力欠相を検出することができないことを示したものである。
【0036】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであって、シャント抵抗を用いたインバータの出力電流検出方式において、インバータの出力欠相を正確に検出するためのものである。
【0037】
図9は、本発明の一実施形態のインバータの出力欠相検出装置を説明するためのインバータシステムの構成図である。
【0038】
図面に示したように、本発明の一実施形態のインバータシステムは、電源部2から商用電源を入力されて、電動機3に好適な大きさと周波数の電圧に変換してインバータ1が出力することができる。
【0039】
インバータ1は、交流電圧を直流電圧に変換する整流部11、直流電圧を平滑して貯蔵する平滑部(直流リンクキャパシタ)12、及び直流リンク電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に出力するインバータ部13を含んでいてもよい。
【0040】
インバータ部13は、3相レッグで構成されており、各レッグには、2つのスイッチング素子が連結されて構成されてもよい。各レッグにおいて、下部のスイッチング素子にはシャント抵抗4が連結されてもよいし、本発明の一実施形態の出力欠相検出装置5は、シャント抵抗4から各セクター別の出力電流に係る情報(出力電流情報)を受信して、PWM制御部6からセクター情報を受信し、これから2相電流を検出した後、残りの1相出力電流を演算して、これから出力欠相を検出できるようになる。
【0041】
このため、本発明の一実施形態の出力欠相検出装置5は、出力電流検出部51、出力電流演算部52、及び出力欠相検出部53を含んでいてもよい。
【0042】
出力電流検出部51は、シャント抵抗4から出力電流情報を受信して、PWM制御部6から当該出力電流に対応するセクター情報を受信し、2相出力電流を検出することができる。出力電流演算部52は、2相出力電流から1相出力電流を演算することができる。出力欠相検出部53は、出力電流検出部51と出力電流演算部52からそれぞれ検出出力電流及び演算出力電流を受信して、これから出力欠相を検出することができる。出力欠相検出部53の動作を図面を参照して説明する。
【0043】
PWM制御部6は、インバータ部13の複数のスイッチング素子にPWM信号を提供するものであって、PWMセクター別のスイッチング素子の動作を示すと、図10のとおりである。すなわち、PWM制御におけるスイッチング素子の動作は、T0区間で構成されたゼロベクトル(zero vector)区間と、T1及びT2で構成されたアクティブベクトル(active vector)区間に区分され、このような制御によってインバータ部13のスイッチング素子が動作するようになる。すなわち、PWM制御部6は、各セクター別にインバータ部13のスイッチング素子にPWM信号を提供して、これによって、インバータ部13は、電動機3に提供する所定の大きさ及び周波数の交流電圧を出力することができる。本発明の一実施形態において、PWM制御部6は、本発明の出力欠相検出装置5にPWMセクター情報を提供することができる。
【0044】
図11は、本発明の一実施形態によってインバータの出力電流の出力欠相を検出する方法を説明するためのフロー図である。
【0045】
図面に示したように、本発明の一実施形態において、本発明の出力欠相検出装置5は、シャント抵抗4からインバータ1の出力電流情報を受信して、PWM制御部6から出力電流に対応するセクター情報を受信することができる(S10)。但し、本発明の一実施形態では、PWM制御部6からセクター情報を受信すると説明しているが、これに限定されるものではなく、インバータ部13の状態から出力欠相検出装置5がセクター情報を検出することもできる。
【0046】
その後、出力電流検出部51は、出力電流情報から2相出力電流を検出して(S11)、出力電流演算部52は、2相出力電流から残りの1相出力電流を演算することができる(S12)。
【0047】
その後、出力欠相検出部53は、検出した2相出力電流(検出出力電流)と演算した1相出力電流(演算出力電流)を用いて出力欠相を判断することができる(S13)。
【0048】
出力欠相が発生した場合、演算出力電流は、0辺くであるか、または、他の2相の検出出力電流と符号が反対であり、同じ大きさを有することになる。これを具体的に示すと、次のとおりである。すなわち、本発明の一実施形態では、出力欠相が発生すると、演算出力電流が表1のように演算されずに、他の2つの相の検出出力電流のうち1つと同様になる特性を利用することである。
【0049】
【表2】
【0050】
すなわち、出力欠相検出部53は、当該セクターでの演算出力電流が出力欠相バンド以内であるか、または、演算出力電流が検出出力電流のうち1つと符号は反対であり、同じ大きさを有する場合、出力欠相と判断して、カウントを増加させることができる(S15)。しかし、演算出力電流が出力欠相バンド以上(または、以下)であり、演算出力電流が表1のように、2つの検出出力電流の和で決定される場合には、カウントを減少させることができる(S14)。
【0051】
例えば、セクター3において、任意の1相が出力欠相した場合を仮定する。セクター3では、演算出力電流は、Ivであるため、出力欠相検出部53は、Ivを確認することができる。このとき、演算出力電流が−Iwと同様である場合、U相欠相と決定して、カウントを累積することができる。セクターが変更されるまで演算出力電流が−Iwと同様である場合、カウントは累積する。
【0052】
セクターが4に変更された場合、演算出力電流は、Iwであり、出力欠相検出部53は、Iwをモニタリングすることになる。セクター4において、Iwが−Ivと同様である場合、U相欠相であることを確認することができ、カウントは、累積し続ける。
【0053】
このように累積したカウントが出力欠相レベルに到逹すると(S16)、出力欠相検出部53は、出力欠相であると決定して、インバータ1の保護動作を行うることができる(S17)。インバータ1の保護動作は、出力欠相トリップであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明の一実施形態では、各セクター毎に1つの相電流を演算して、演算された電流が出力欠相バンド以内であるかを判断すると同時に、演算された出力電流が出力欠相バンドより大きいか小さい場合にも、他の検出出力電流と符号が異なるか否かを確認して、出力欠相に相当するかを決定することによって、インバータ保護動作の品質を向上させて、インバータと負荷を保護することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。
【0055】
図12は、本発明の一実施形態によって出力欠相を検出することを説明するための一例示図であって、U相が欠相した例を示したものである。
【0056】
図面に示したように、12A地点で欠相が発生すると、図8とは違って、欠相を検出してトリップ(12B)を発生するようになるため、インバータシステムの信頼性を向上させることができる。
【0057】
以上では、本発明による実施形態を説明したが、これは、例示的なものに過ぎないし、当該分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な範囲の実施形態が可能である点を理解することができる。従って、本発明の真の技術的保護の範囲は、次の請求範囲によって定めるべきである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12