特開2019-198512(P2019-198512A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-198512ゲームプログラム、およびゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198512(P2019-198512A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20191025BHJP
   A63F 13/57 20140101ALI20191025BHJP
【FI】
   A63F13/53
   A63F13/57
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-95123(P2018-95123)
(22)【出願日】2018年5月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渥美 格之進
(72)【発明者】
【氏名】永木 佑命
(72)【発明者】
【氏名】阿蘇 司
(72)【発明者】
【氏名】土井 洋平
(57)【要約】
【課題】ゲームプログラムによる映像表現の多様化を図る。
【解決手段】ゲームプログラムは、コンピュータを、ゲーム空間上で動作可能なオブジェクトである可動オブジェクトを表示装置に表示する際に、ゲーム音声のボリューム値を示す音量パラメータに応じた大きさで、前記可動オブジェクトを前記ゲーム空間上で動作させる表示処理手段として機能させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲーム空間上で動作可能なオブジェクトである可動オブジェクトを表示装置に表示する際に、ゲーム音声のボリューム値を示す音量パラメータに応じた大きさで、前記可動オブジェクトを前記ゲーム空間上で動作させる表示処理手段と、
して機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示処理手段は、前記可動オブジェクトと、音源とのゲーム空間上の距離に応じて、前記可動オブジェクトの変位量を可変することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記表示処理手段は、音源からの音の周波数に応じて、前記可動オブジェクトの変位量を可変することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかにおいて、
前記可動オブジェクトは、水面を表すオブジェクトであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかのゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想ゲーム空間においては、映像や効果を組み合わせて多種多様な表現が使用されている。例えば、ゲームプログラムでは、ゲームの場面(状態)に応じて、BGMや効果音などが流される(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5250237号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の特許文献の例では、ゲームのおもしろさを向上させることに成功しているが、更に改良の余地はある。ゲームプログラムの実行中に使える表現(映像表現や音響表現)が多様であるほど、ユーザの満足度の向上を期待できる。
【0005】
そこで、本発明は、ゲームプログラムによる映像表現の多様化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、ゲーム空間上で動作可能なオブジェクトである可動オブジェクトを表示装置に表示する際に、ゲーム音声のボリューム値を示す音量パラメータに応じた大きさで、前記可動オブジェクトを前記ゲーム空間上で動作させる表示処理手段と、して機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0007】
第1の発明において、前記表示処理手段は、前記可動オブジェクトと、音源とのゲーム空間上の距離に応じて、前記可動オブジェクトの変位量を可変してもよい。
【0008】
第1の発明において、前記表示処理手段は、音源からの音の周波数に応じて、前記可動オブジェクトの変位量を可変してもよい。
【0009】
第1の発明において、前記可動オブジェクトは、水面を表すオブジェクトとしてもよい。
【0010】
また、第2の発明は、前記発明の何れかのゲームプログラムを記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えたことを特徴とするゲーム装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ゲームプログラムによる映像表現の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図2】音量が比較的小さい場合における水面(可動オブジェクト)の動きを例示する。
図3】音量が中程度の場合における水面(可動オブジェクト)の動きを例示する。
図4】音量が比較的大きい場合における水面(可動オブジェクト)の動きを例示する。
図5】実施形態2の映像表現を適用した水面(可動オブジェクト)の動きを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態にかかるゲーム装置、およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
【0014】
[実施形態1]
本実施形態で説明するゲームプログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置において実行される。
【0015】
このゲームプログラムによるゲームでは、各ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタ同士でグループを編成して様々なアクションを行わせたりする。そのプレイヤキャラクタの移動過程やアクション等において、所定のトリガ条件を満たすとBGM等のゲーム音声が流れる。所定のトリガ条件とは、例えば、プレイヤキャラクタの所定場所への移動、敵キャラクタの出現、敵キャラクタを倒したあと、などである。
【0016】
〈ゲーム装置の構成〉
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。図1は、本実施形態のゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、例えば、記憶部55にインストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。なお、ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク(図示を省略)または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
【0017】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0018】
ネットワークインターフェース51は、例えばゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0019】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。グラフィック処理部52の詳細については、のちに詳述する。
【0020】
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。オーディオ処理部53の詳細についても、のちに詳述する。
【0021】
操作部54は、コントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、コントローラ63に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0022】
記憶部55は、HDD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。また、記憶部55には、他のゲーム装置5から受信した他アカウント情報なども記憶される。
【0023】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。例えば、制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、グラフィック処理部52およびオーディオ処理部53を動作させる。とりわけ、本実施形態の制御部56は、後述の映像表現を、ゲームプログラムの実行中の何れのタイミングで、画面上の何れの場所に適用するかを、ゲームプログラムの下で制御する。
【0024】
〈オーディオ処理部の機能の詳細〉
オーディオ処理部53は、ゲーム音声の再生や合成の機能を発揮する、いわゆるミドルウエアを含んでいる。ここで、ゲーム音声とは、ゲームプログラムの実行中にスピーカ62から流れる音声であり、例えば、BGM(Back Ground Music)や、ユーザの操作に応じて流れる効果音などの種々の音声を含む。
【0025】
このオーディオ処理部53は、BGM等のゲーム音声(デジタルデータ)を生成する。その際、オーディオ処理部53は、予め制御部56から指示されたボリューム値(以下、マスターボリューム値という)に合わせてゲーム音声のデータを生成する。オーディオ処理部53は、生成した音声データをアナログ信号に変換し、それをスピーカ62に出力する。これにより、スピーカ62からは、ゲーム音声が出力(再生)される。
【0026】
また、オーディオ処理部53は、ゲーム音声の生成の過程において、ゲーム音声に関する情報をグラフィック処理部52に出力する。具体的にオーディオ処理部53は、マスターボリューム値(すなわちゲーム音声の音量)を示す情報(以下、音量パラメータという)をグラフィック処理部52に出力する。グラフィック処理部52における音量パラメータの利用については後述する。
【0027】
〈グラフィック処理部の詳細〉
このゲームプログラムの下でグラフィック処理部52が生成する表示データは、3Dの動画像データである。この3D画像のデータを生成するために、グラフィック処理部52は、オブジェクト(画面に立体として表示されるもの)を構成する頂点の位置の計算や面の陰影処理などを行う、いわゆるミドルウエアを含んでいる。
【0028】
このミドルウエアの機能によって、例えば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃して倒していく対戦型のアクションゲームの場合には、ゲームプログラムの実行中には、プレイヤキャラクタの攻撃動作や防御動作等が動的且つ立体的に実現される。
【0029】
このような動的且つ立体的な映像表示を実現するために、ミドルウエアは、シェーダを含んでいる。例えば、ゲームプログラムの実行中に水面で波が立っている動画像の作成が必要となったとする。この場合、グラフィック処理部52は、このシェーダによって、「波立つ水面」として表示されるオブジェクトを構成するポリゴンの頂点位置などを計算する。更に、グラフィック処理部52は、このシェーダによって、オブジェクトの明暗のコントラストを調整して、オブジェクトに立体感を与える処理等も行う。
【0030】
このようなゲームプログラムの実行中のオブジェクトの動きは、制御部56が、ユーザの指示(操作部54の操作)に基づいて決定したり、ユーザの操作の結果として導き出したりするのが一般的である。また、ゲームプログラムの実行中には、必要に応じて、ゲーム音声(BGMや効果音)がオーディオ処理部53から出力される。つまり、一般的には、オブジェクトの動きは、制御部56からのゲーム画像情報に基づいており、ゲーム音声は、それに付け加えられる形で再生される。
【0031】
本実施形態のグラフィック処理部52は、このような一般的な動作の一方で、ゲーム音声に基づくオブジェクトの「動き」(すなわち映像表現)も実現している。このゲームプログラムの下では、ゲーム空間上には、音(音波)を受けて動くものとして設定されているオブジェクト(可動オブジェクトMと命名する)がある。ゲーム空間上の何れのオブジェクトを可動オブジェクトMとするかは、ゲームプログラム開発者の任意である。
【0032】
そして、このゲームプログラムの下では、グラフィック処理部52が、以下のようにして可動オブジェクトMをディスプレイ61の画面上で動かすことで、効果的な映像表現を実現している。
【0033】
グラフィック処理部52は、可動オブジェクトMの「動き」を決定する材料として、音量パラメータを用いている。音量パラメータは、オーディオ処理部53から与えられたものである。グラフィック処理部52は、音量パラメータが与えられると、可動オブジェクトM上の各点が動く量(変位量)を求める。この例では、グラフィック処理部52は、可動オブジェクトMを構成するポリゴンの各頂点の変位量を、音量パラメータの大きさに比例させている。
【0034】
例えば、ゲーム空間上の水面(ゲーム空間上の海や湖等)が可動オブジェクトMとして設定されている場合には、グラフィック処理部52は、ゲーム音声(例えば、キャラクタの声や爆発音など効果音)の音量に応じた(この例では比例した)波高の波が水面上に立つようにポリゴンの各頂点の変位量を求める。
【0035】
次に、グラフィック処理部52は、求めた変位量に応じた表示データを生成する。これにより、このゲームプログラムの下では、音の変化に合わせて、水面(可動オブジェクトM)が波立つ映像表現が行われる。
【0036】
図2図4に、本実施形態の映像表現を適用した水面(可動オブジェクトM)の動きを例示する。図2図4は、何れも動画像の1フレーム分を示している。詳しくは、図2は、ゲーム音声の音量が比較的小さい場合、図3は、前記音量が中程度の場合、図4は、前記音量が比較的大きい場合を示している。
【0037】
図2図4に示すように、ゲーム音声の音量が大きいほど、ディスプレイ61上には、より大きく波立つ水面が表示されている。このように、本実施形態は、水面(ゲーム空間上の海や湖など)のような背景の映像表現に有用である。
【0038】
以上をまとめると、本件発明は、コンピュータ(ゲーム装置5)を、ゲーム空間上で動作可能なオブジェクトである可動オブジェクトMを表示装置(ディスプレイ61)に表示する際に、ゲーム音声のボリューム値を示す音量パラメータに応じた大きさで、前記可動オブジェクトを前記ゲーム空間上で動作させる表示処理手段(グラフィック処理部52)と、して機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
【0039】
〈本実施形態の効果〉
以上のように、このゲームプログラムの下では、ゲーム音声からオブジェクトの「動き」を作り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、ゲーム装置5において多様な表現(映像表現)が可能になる。
【0040】
[実施形態2]
実施形態2では、音に基づくオブジェクトの動き(映像表現)に、指向性を付加できるゲームプログラムの例を説明する。本実施形態のハードウエアの構成は実施形態1と同じであるが、本実施形態のゲームプログラムの下では、制御部56、およびグラフィック処理部52が発揮する機能に実施形態1とは異なる部分がある。以下では、実施形態1との相異点を中心に説明する。
【0041】
〈制御部の機能の詳細〉
本実施形態のゲームプログラムでは、ゲーム空間上の音源(すなわち、仮想の音源)として取り扱われるオブジェクト(以下、音源オブジェクトSという)が存在する。音源オブジェクトSとしては、プレイヤキャラクタ自体、プレイヤキャラクタが持っているアイテム(例えば武器など)、ゲーム空間上に配置されている機器などを例示できる。ゲーム空間上の何れのオブジェクトを音源オブジェクトSとするかは、ゲームプログラム開発者の任意である。
【0042】
制御部56は、ゲーム空間における、音源オブジェクトSと可動オブジェクトMの間の距離(ゲーム空間上の距離)の情報(以下、距離パラメータという)をグラフィック処理部52に出力している。
【0043】
更に、制御部56は、音源オブジェクトSから出た音が、音源オブジェクトSと可動オブジェクトMとの距離に応じてどれくらい減衰(音量が低下)するかを示す指標(減衰パラメータ)もグラフィック処理部52に出力している。
【0044】
〈グラフィック処理部の詳細〉
このグラフィック処理部52は、可動オブジェクトMを構成するポリゴンの頂点のうちで、音源オブジェクトSに最も近い頂点の変位量を大きく、且つ、音源オブジェクトSから最も遠い頂点の変位量を最も小さくなるように各点の変位量を定める。図5に、本実施形態の映像表現を適用した水面(可動オブジェクトM)の動き(すなわち波)を例示する。図5は、動画像の1フレーム分を示している。
【0045】
図5に示す動きを実現するため、グラフィック処理部52は、可動オブジェクトMの「動き」を決定する材料として、音量パラメータに加えて、距離パラメータ、および減衰パラメータを用いている。音量パラメータは、オーディオ処理部53から得たものである。ここでは、音量パラメータは、音源オブジェクトSから出たと想定される音の音量を示すものとして用いられる。
【0046】
これらのパラメータを受け取ったグラフィック処理部52は、可動オブジェクトM上の各点の変位量を求める。グラフィック処理部52は、距離パラメータと減衰パラメータとを用いて、可動オブジェクトM上の各点(例えばポリゴンの頂点)における音量(距離に応じて減衰した音量)を算出し、その音量に応じた各点の変位量を算出する。詳しくは、グラフィック処理部52は、算出された音量が大きいほど、その音量に対応する点の変位量を大きくする。
【0047】
例えば、図5の例において、可動オブジェクトM上の点P0,P1,P2,P3について、音源オブジェクトSからの距離を比較した場合に、(点P0までの距離d0)<(点P1までの距離d1)<(点P2までの距離d2)<(点P3までの距離d3)であるとする。そうすると、これらの点P0,P1,P2,P3の変位量は、(点P0の変位量)>(点P1の変位量)>(点P2の変位量)>(点P3の変位量)の関係となる。
【0048】
なお、図5の例では、点P3およびその周辺では、音源オブジェクトSからの音が減衰した結果、変位量はゼロである。つまり、音量パラメータ、減衰パラメータ、および距離パラメータの関係によっては、可動オブジェクトM上には、全く動かない部分も存在する場合がある。
【0049】
〈本実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態のゲームプログラムの下でも、ゲーム音声からオブジェクトの「動き」を作り出すことができる。しかも、本実施形態では、音量パラメータに加えて、減衰パラメータ、および距離パラメータを考慮しているので、その分、映像表現がより多彩になる。すなわち、本実施形態でも、ゲーム装置5において多様な表現が可能になる。
【0050】
[その他の実施形態]
なお、変位量の算出には、ゲーム音声の周波数を考慮してもよい。例えば、オーディオ処理部53においてゲーム音声から所定の周波数域を抽出し、各周波数域の音量に基づいて変位量を求めることが考えられる。
【0051】
また、変位量の算出には、ゲーム内で発生する全てのゲーム音声を用いてもよいし、ある特定のゲーム音声のみを用いてもよい。例えば、特定のキャラクタが発する声のみを変位量の算出に用いることで、そのキャラクタの発言にプレイヤの注意を引くことができる。
【0052】
また、ゲーム音声に応じて、可動オブジェクトを構成する頂点の色情報を変化させてもよい。これにより、音量によってオブジェクトの色が変化するような表現ができる。
【0053】
また、可動オブジェクトとして挙げた水面は例示である。その他の可動オブジェクトにも本発明を適用できる。例えば、草むら、髪の毛、雨粒や雪などを表すオブジェクトに対して、本発明を適用してもよい。
【0054】
また、実施形態2では、距離パラメータの代わりに、音源オブジェクトSの位置情報と、可動オブジェクトMの位置情報とをグラフィック処理部52に与えて、これらの位置情報を用いて、減衰後の音量(すなわちオブジェクトの変位量)を求めてもよい。
【0055】
また、ゲームプログラムは、ゲームの状況に応じて、前記実施形態に係る映像表現を休止させるように構成してもよい。
【0056】
また、ゲームプログラムは、いわゆるオンラインゲーム用のゲームプログラムとして実装してもよい。ゲームプログラムがオンラインゲーム用である場合には、グラフィック処理部52や制御部56における処理は、サーバ側で行ってもよいし、サーバ側とクライアント(ゲーム装置5)側とで分担してもよい。
【0057】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
5 ゲーム装置(コンピュータ)
52 グラフィック処理部(表示処理手段)
55 記憶部
61 ディスプレイ(表示装置)
M 可動オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5