特開2019-200010(P2019-200010A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2019200010-発電設備 図000003
  • 特開2019200010-発電設備 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-200010(P2019-200010A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】発電設備
(51)【国際特許分類】
   F23M 9/06 20060101AFI20191025BHJP
   F22B 37/02 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   F23M9/06
   F22B37/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-95827(P2018-95827)
(22)【出願日】2018年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖男
(57)【要約】      (修正有)
【課題】火力発電所にボイラを設置する場合、ボイラの大きさは、蒸気タービンに供給するべき蒸気量に応じて定まる。つまり、ボイラは、蒸気タービンに供給するべき蒸気量が多くなるにつれて大きく設計される。しかし、ボイラが大きくなると、ボイラ内部の空洞領域が大きくなるため、ボイラを起動した際にボイラ内部を温めるために多くの時間と多くの燃料を要する虞があった。そこで、本発明は、ボイラを起動した際に、少ない時間と少ない燃料でボイラ内部を効率的に加熱することが可能な発電設備を提供する。
【解決手段】バーナー106が燃料を燃焼させて発生する燃焼熱から蒸気タービン206、207、208を回転させるための蒸気を発生するボイラ101を含んで構成される発電設備において、前記ボイラの内部における前記バーナーと対向する空洞領域に配置され、前記バーナーからの燃焼炎を反射する反射部材111、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナーが燃料を燃焼させて発生する燃焼熱から蒸気タービンを回転させるための蒸気を発生するボイラを含んで構成される発電設備において、
前記ボイラの内部における前記バーナーと対向する空洞領域に配置され、前記バーナーからの燃焼炎を反射する反射部材
を備えたことを特徴とする発電設備。
【請求項2】
前記反射部材は、耐熱鋼を用いて形成され、鉛直方向に延びる柱体形状を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載の発電設備。
【請求項3】
前記反射部材は、耐熱鋼を用いて形成される外壁に対してセラミック又は耐熱煉瓦を張り付けて形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の発電設備。
【請求項4】
前記反射部材は、円柱又は四角柱の形状を呈する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の発電設備。
【請求項5】
前記反射部材は、中空形状を呈し、前記ボイラの水管に供給される水の一部が流入する流入口と、中空内部を通過した後の水を節炭器に向けて流出する流出口と、を有する
ことを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の発電設備。
【請求項6】
前記ボイラの水管に供給される水の一部が前記反射部材の下部に設けられる前記流入口に流入するように前記流入口と結合され、前記反射部材を支える耐熱配管
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の発電設備。
【請求項7】
耐熱鋼を用いて形成され、前記ボイラの天井から前記反射部材を吊り下げるための吊下部材
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の発電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所に設置されるボイラでは、蒸気タービンを回転させるために、バーナーが燃料を燃焼させたときに発生する燃焼熱から高圧の蒸気を発生させている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−54802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火力発電所にボイラを設置する場合、ボイラの大きさは、蒸気タービンに供給するべき蒸気量に応じて定まる。つまり、ボイラは、蒸気タービンに供給するべき蒸気量が多くなるにつれて大きく設計される。しかし、ボイラが大きくなると、ボイラ内部の空洞領域が大きくなるため、ボイラを起動した際にボイラ内部を温めるために多くの時間と多くの燃料を要する虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、ボイラを起動した際に、少ない時間と少ない燃料でボイラ内部を効率的に加熱することが可能な発電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、バーナーが燃料を燃焼させて発生する燃焼熱から蒸気タービンを回転させるための蒸気を発生するボイラを含んで構成される発電設備において、前記ボイラの内部における前記バーナーと対向する空洞領域に配置され、前記バーナーからの燃焼炎を反射する反射部材、を備える。
【0007】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ボイラを起動した際に、少ない時間と少ない燃料でボイラ内部を効率的に加熱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る発電設備の燃焼ガス系統を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る発電設備の蒸気系統を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
===発電設備===
図1は、本実施形態に係る発電設備の燃焼ガス系統を示すブロック図である。以下、図1を参照しつつ、発電設備における燃焼ガス系統について説明する。尚、発電設備は、例えば、石炭を燃料とする火力発電設備であることとする。
【0012】
ボイラ101は、石炭を燃焼させたときの燃焼熱を用いて、蒸気タービンを回転させるための蒸気を発生する熱交換装置である。ホッパ102は、貯炭場から搬送された石炭が収容される収容器である。粉砕機103は、ホッパ102から供給された石炭を粉砕して微粉炭とする装置である。空気ブロア104は、燃焼用空気を生成する装置である。空気予熱器105は、空気ブロア104から供給された燃焼用空気を暖める装置である。バーナー106は、粉砕機103から供給された微粉炭を空気予熱器105から供給された燃焼用空気(例えば300℃)と混合することによって安定的に燃焼させる装置である。バーナー106は、微粉炭を燃焼させたときの燃焼炎がボイラ101の内部に形成された空洞領域に放出されるように、ボイラ101の側壁を貫通して設置されている。そして、ボイラ101を形成する水冷壁やボイラ101の内部に設置される水管等の熱交換器は、バーナー106の燃焼炎から生成される燃焼ガスによって、蒸気タービンを回転させるための蒸気が得られるように加熱される。脱硝装置107は、燃焼ガスに含まれるNOが規制値以下となるように除去する装置である。空気予熱器105は、脱硝装置107の下流側に設置され、バーナー106の燃焼効率が向上するように、脱硝装置107を通過した後の排気ガスの余熱と熱交換を行うことによって燃焼用空気を予熱する。集塵器108は、燃焼用空気と熱交換された後の排気ガスに対して、排気ガス中に含まれる大粒径や小粒径のフライアッシュを除塵する装置である。脱硫装置109は、集塵器108を通過した後の排気ガスに対して、排気ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する装置である。脱硫装置109を通過した後のクリーンな排気ガスは、煙突110から排出される。
【0013】
尚、ボイラ101の底部に落下したボトムアッシュや、節炭器の底部から回収されたシンダーアッシュは、ボイラ101のための燃料として再利用されてもよいし、集塵器108から除塵されたフライアッシュは、セメント材料に利用されてもよい。
【0014】
反射部材111は、ボイラ101が蒸気タービンを回転させるための蒸気を効率的に発生するように、バーナー106と対向するボイラ101の内部の空洞領域112に配置され、バーナー106が燃料を燃焼させたときの燃焼炎を反射する部材である。
【0015】
反射部材111は、鉛直方向に延びる柱体形状を呈し、耐熱鋼(例えばオーステナイト系耐熱鋼)を用いて形成されている。更に、反射部材111は、燃焼炎の熱影響を受けにくくなるように、耐熱鋼を用いて形成された外壁に対してセラミック又は耐熱煉瓦等の外壁材を張り付けて形成されている。例えば、バーナー106がボイラ101の四隅に設置される場合、四隅のバーナー106の燃焼炎が一定方向に旋回することから、燃焼炎を効率的に反射するために、反射部材111は円柱形状を呈することとする。又、例えば、バーナー106がボイラ101の対向側面に配置される場合、燃焼炎を効率的に反射するために、反射部材111は四角柱形状を呈することとする。
【0016】
反射部材111は、耐熱鋼の温度が必要以上に上昇することを抑制するための冷却機能を備えている。反射部材111は、中空形状を呈し、ボイラ101の水管に供給される水の一部が流入する下部流入口113と、中空内部を通過した後の水を節炭器に向けて流出する上部流出口114と、を有している。下部流入口113から流入した水は、反射部材111の中空内部を満水とした後に上部流出口114から流出する。耐熱配管115は、下部流入口113に水を供給する配管であって、例えば汽水分離器の分離水や復水器の復水等が冷却水として供給される。耐熱配管115は、ボイラ101の底部に接するように折り曲げられて配置され、反射部材111を支える役割を果たす。耐熱配管116は、上部流出口114から流出する熱交換後の水を節炭器に供給する配管である。このようにして、節炭器は、復水器から供給される水を効率的に予熱することが可能となる。
【0017】
吊下部材117は、ボイラ101の天井から反射部材111を吊り下げるための紐形状を呈する部材であって、耐熱鋼を用いて形成されている。
【0018】
図2は、本実施形態に係る発電設備の蒸気系統を示すブロック図である。以下、図2を参照しつつ、発電設備の蒸気系統について説明する。
【0019】
ボイラ101は、粉砕機103から供給された微粉炭を空気予熱器105から供給された燃焼用空気と混合して燃焼ガスを生成し、燃焼ガスの燃焼熱を用いてボイラ101内部の水管を通る水を高圧の蒸気に変える熱変換装置である。ボイラ101には、バーナー106、反射部材111、水冷壁201、節炭器202、過熱器203、再熱器204が設けられている。
【0020】
水冷壁201は、ボイラ101のハウジングを形成し、例えば給水源から供給された水を飽和蒸気にして過熱器203に供給する。又、ボイラ101によって生成される燃焼ガスは、水冷壁201を含むボイラ101内部の水管を加熱した後に排気ガスとなって煙突110から放出される。節炭器202は、煙突110から放出される前の排気ガスの余熱によって、例えば復水器から供給された水を予熱して水冷壁201に供給する。過熱器203は、水冷壁201から供給された飽和蒸気を更に加熱して過熱蒸気にする。蒸気弁205は、過熱器203で生成される過熱蒸気の流量を調整する調整弁である。
【0021】
高圧タービン206、中圧タービン207、低圧タービン208の回転軸209は同一であって、発電機210の回転軸211と結合されている。高圧タービン206には、過熱器203で生成される過熱蒸気(第1蒸気)が蒸気弁205を介して供給される。高圧タービン206は、第1蒸気を膨張させ、膨張後の蒸気(第2蒸気)をボイラ101内の再熱器204に供給する。再熱器204は、第2蒸気を再熱し、再熱蒸気(第3蒸気)として中圧タービン207に供給する。中圧タービン207は、第3蒸気を膨張させ、膨張後の蒸気(第4蒸気)を低圧タービン208に供給する。低圧タービン208は、第4蒸気を膨張させる。
【0022】
復水器212は、低圧タービン208が第4蒸気を膨張させた後の排気を凝縮して腹水に変える。給水ポンプ213は、復水器212で生成される腹水を昇圧して給水としてボイラ101内の節炭器202や反射部材111に供給する。
【0023】
そして、発電機210は、電力が発電されるように、第4蒸気が膨張した際に発生する動力で駆動される。
【0024】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る発電設備は、バーナー106が燃料を燃焼させて発生する燃焼熱から蒸気タービン206〜208を回転させるための蒸気を発生するボイラ101を含んで構成され、ボイラ101の内部におけるバーナー106と対向する空洞領域112に、バーナー106からの燃焼炎を反射する反射部材111を配置して構成されている。そして、本実施形態によれば、バーナー106の燃焼炎から生成される燃焼ガスと熱交換を行うためのボイラ101の内部容積が反射部材111の分だけ減少し、更に、反射部材111がバーナー106の燃焼炎を反射するため、水冷壁201、過熱器203、再熱器204等の熱交換効率を向上させることが可能となる。従って、ボイラ101を起動した際に、少ない時間と少ない燃料でボイラ101の内部を効率的に加熱することが可能となる。
【0025】
又、本実施形態に係る発電設備において、反射部材111は、耐熱鋼(例えばオーステナイト系耐熱鋼)を用いて形成され、鉛直方向に延びる柱体(円柱又は四角柱)の形状を呈している。
【0026】
又、本実施形態に係る発電設備において、反射部材111は、耐熱鋼を用いて形成される外壁に対してセラミック又は耐熱煉瓦を張り付けて形成されている。
【0027】
又、本実施形態に係る発電設備において、反射部材111は、中空形状を呈し、ボイラ101の水管に供給される水の一部が流入する下部流入口113と、中空内部を通過した後の水を節炭器202に向けて流出する上部流出口114と、を有している。そして、本実施形態によれば、反射部材111の中空内部を満水として冷却することによって燃焼炎から保護することが可能となる。
【0028】
又、本実施形態に係る発電設備において、ボイラ101の水管に供給される水の一部が反射部材111の下部に設けられる下部流入口113に流入するように下部流入口113と結合され、反射部材111を支える耐熱配管115を備え、更に、耐熱鋼を用いて形成され、ボイラ101の天井から反射部材111を吊り下げるための吊下部材117を備えている。そして、本実施形態によれば、ボイラ101の内部に反射部材111を安定的に設置することが可能となる。
【0029】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0030】
101 ボイラ
106 バーナー
111 反射部材
112 空洞領域
113 下部流入口
114 上部流出口
115,116 耐熱配管
117 吊下部材
201 水冷壁
202 節炭器
203 過熱器
204 再熱器
206 高圧タービン
207 中圧タービン
208 低圧タービン
210 発電機
212 復水器
図1
図2