【課題】熱回収運転モードにして熱回収を行った後は風呂熱回収用熱交換器23内に水が留まった状態になる。風呂熱回収用熱交換器23内に水が留まった状態で貯湯タンク1内の水を加熱する沸き上げ運転を行うと、給湯や追い焚き運転に使用できない風呂熱回収用熱交換器23内の水まで沸き上げて無駄な沸き上げをしてしまい、無駄なエネルギーを消費しているという問題があった。
【解決手段】浴槽4に浴槽水がないことを判定する残水判定手段38と、風呂循環ポンプ16を駆動して、風呂熱回収用熱交換器22内の残水を排水し、風呂熱回収用熱交換器22内の残水を押し出して空気に置換する排水運転を制御する排水運転制御手段36とを設けた制御装置31を設け、残水判定手段38が浴槽4に浴槽水がないことを判定すると、排水運転制御手段36は排水運転を行うようにした。
前記残水判定手段は、前記風呂往き管途中に設けられた浴槽水の水位を検出する水位センサの検出値が所定水位以下となった場合、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯器。
前記残水判定手段は、前記風呂往き管途中に設けられた浴槽水の水位を検出する水位センサの検出値が所定時間下降し続けた場合、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯器。
電動で開閉して浴槽水を排水する電動排水栓を浴槽に有し、前記残水判定手段は、前記電動排水栓が開栓したあと、開栓状態が一定時間経過した場合、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、熱回収運転をして熱回収を行った後も風呂熱回収用熱交換器内に水が留まった状態になる。風呂熱回収用熱交換器内に水が留まった状態で貯湯タンク内の水を加熱する沸き上げ運転を行うと、給湯や追い焚き運転に使用できない風呂熱回収用熱交換器内の水まで沸き上げて無駄な沸き上げをしており、無駄なエネルギーを消費しているという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、加熱手段で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の下部の湯水と浴槽の残湯熱を熱交換する風呂熱回収用熱交換器と、前記風呂熱回収用熱交換器と前記浴槽とを連通し、浴槽水を前記浴槽から前記風呂熱回収用熱交換器へ送る風呂往き管と前記風呂熱回収用熱交換器から前記浴槽へと送る風呂戻り管とから成る風呂循環回路と、前記風呂循環回路に備えられ前記浴槽の浴槽水を前記風呂熱回収用熱交換器に循環させる風呂循環ポンプと、前記風呂熱回収用熱交換器をバイパスする回収バイパス路と、前記風呂循環回路で前記回収バイパス路を循環させるか前記風呂熱回収用熱交換器を循環させるかを切替る回収三方弁と、を備えた貯湯式給湯機に於いて、前記浴槽に浴槽水がないことを判定する残水判定手段と、前記風呂循環ポンプを駆動して、前記風呂熱回収用熱交換器内の残水を排水し、前記風呂熱回収用熱交換器内の残水を押し出して空気に置換する排水運転を制御する排水運転制御手段とを設けた制御装置を設け、
前記残水判定手段が前記浴槽に浴槽水がないことを判定すると、前記排水運転制御手段は前記排水運転を行うようにした。
【0006】
また、前記残水判定手段は、前記風呂往き管途中に設けられた浴槽水の水位を検出する水位センサの検出値が所定水位以下となった場合、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにした。
【0007】
また、前記残水判定手段は、前記風呂往き管途中に設けられた浴槽水の水位を検出する水位センサの検出値が所定時間下降し続けた場合、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにした。
【0008】
また、電動で開閉して浴槽水を排水する電動排水栓を浴槽に有し、前記残水判定手段は、前記電動排水栓が開栓されたあとの前記電動排水栓の状態に応じて、前記浴槽に浴槽水がないと判定するようにした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、浴槽に水がないタイミングを適切に判定して排水運転を行うことができると共に、風呂熱回収用熱交換器内を空気に置換することで、沸き上げ運転時には、給湯や追い焚き運転に使用できない風呂熱回収用熱交換器内の水を沸き上げなくても良く、省エネルギー性に優れ、沸き上げる量も減るので沸き上げ効率にも優れた貯湯式給湯機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次にこの発明の第1の実施形態を付した残湯熱回収機能付き貯湯式給湯機について図面に基づいて説明する。
この給湯機は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、3はこの給湯装置を遠隔操作するように台所に設置されたリモコン、4は浴槽、5は浴槽4設けられた排水口を開閉する電動排水栓である。
【0012】
6はヒートポンプユニット2にヒーポン循環ポンプ(図示せず)の駆動で貯湯タンク1下部の給水を供給するヒーポン往き管で、ヒートポンプユニット2で加熱されて温度上昇した湯水はヒーポン戻し管7により貯湯タンク1の上部に供給され、順次これを繰り返して貯湯タンク1内の上部から高温水を貯湯して行くものである。
【0013】
8は貯湯タンク1底部に接続された給水管で、貯湯タンク1上部には出湯管9が接続され、出湯管9の高温水と給水とを混合して、給湯温度センサ10で検出する温度が給湯設定温度になるように混合する給湯混合弁11を備え、混合された温水を給湯管12から給湯栓13へ供給し給湯を行う。
【0014】
14は浴槽4の湯水を加熱するためのステンレス製の蛇管よりなる風呂用熱交換器で、貯湯タンク1内の上部に配置されていると共に、この風呂用熱交換器14には風呂往き管15および自吸式の風呂循環ポンプ16を備えた風呂戻り管17よりなる風呂循環回路18が接続されて、浴槽4の湯水が循環可能にされ、浴槽4内の湯水を風呂用熱交換器14に循環させて貯湯タンク1内の高温水と熱交換により加熱し、風呂往き管15に備えた風呂温度センサ19が風呂設定温度を検知して循環を停止することで、追い焚きが終了するものである。
【0015】
この前記追い焚き運転時の浴槽水の順路は、浴槽4から風呂往き管15を通り、風呂用熱交換器14で浴槽水を貯湯タンク1の熱で加熱し、風呂戻り管17を通って浴槽4に戻るというものである。
【0016】
20は風呂循環回路18中で風呂用熱交換器14をバイパスする風呂バイパス路、21は風呂用熱交換器14を連通して風呂バイパス路20を閉止するか、風呂用熱交換器14を閉止して風呂バイパス路20側を連通するかを切り替える風呂三方弁で、風呂の追い焚き開始直後に風呂用熱交換器14から供給される高温水に、風呂三方弁21の切り替えにより風呂バスパス路20を介して風呂の循環水を混合して温度を低下させるものである。
【0017】
22は浴槽4の湯水を回収するためのステンレス製の蛇管よりなる風呂熱回収用熱交換器で、貯湯タンク1内の下部に配置されていると共に、この風呂熱回収用熱交換器22は風呂循環回路18に接続され浴槽4の湯水が循環可能になっている。浴槽4内の湯水を風呂熱回収用熱交換器22に循環させて貯湯タンク1下部内の水と浴槽4の残水を熱交換して浴槽4の残湯熱を回収するものである。
【0018】
23は風呂循環回路18中で風呂熱回収用熱交換器22をバイパスする回収バイパス路、24は風呂熱回収用熱交換器22を連通して回収バイパス路23を閉止するか、風呂熱回収用熱交換器22を閉止して回収バイパス路23側を連通するかを切り替える回収三方弁である。
【0019】
また、25は風呂用熱交換器14の出口と風呂熱回収用熱交換器23の入り口とを連結している熱交換器連結管である。
【0020】
残湯熱回収時には風呂循環ポンプ16を駆動し、風呂三方弁21を風呂バイパス路23側に切り替えると共に、回収三方弁24を風呂熱回収用熱交換器22側とすることで、浴槽水が風呂熱回収用熱交換器22を循環して残熱を貯湯タンク1内の低温水と熱交換して、貯湯させるようにするものである。
【0021】
このように、風呂用熱交換器15内及び風呂熱回収用熱交換器22内の残水を汲みあげて浴槽4に押し出すので、風呂循環ポンプ16は風呂戻り管17側に配置されている。
【0022】
また、出湯管9の高温水と給水とを混合し、湯張り温度センサ26で検出した湯張り温度が風呂設定温度と等しくなるように混ぜ合わせる湯張り混合弁27を備え、混合された温水を湯張り管26から湯張りする。
【0023】
湯張り混合弁27後の湯張り管28から分岐され風呂循環回路18に連通する湯張り回路で、電動弁29の開成で風呂設定温度の給湯を浴槽4に湯張りし、風呂往き管15に備えた水位センサ30で所定水位を検知することで、電動弁29を閉止して湯張りを終了するものである。
【0024】
また、電動排水栓5は、リモコン3及び後述する制御装置31と通信可能に接続されており、電動排水栓5の開閉はリモコン3の操作及び制御装置31の指示で行え、電動排水栓5の開閉状態は制御装置31で検知することができる。
【0025】
31はマイコンから成り、リモコン3と通信可能に接続された制御装置で、貯湯タンク1内の湯水の加熱制御や、貯湯タンク1内の湯水の給湯制御、風呂の湯張りや追い焚き、風呂配管洗浄運転、残湯熱回収運転の制御も行うものであり、又この制御装置31は、リモコン3に設けられた湯張りスイッチ32や追い焚きスイッチ33、風呂配管洗浄スイッチ34、残湯熱回収スイッチ35の操作に応じて各運転の動作を開始する。
【0026】
また、36は制御装置31に設けられた排水運転制御手段であり、この排水運転制御手段36はリモコン3に設けられた排水運転スイッチ37の操作に応じて排水運転の動作を開始し、風呂熱回収用熱交換器22内の残水を排水して空気に置換する排水運転を実行する。
【0027】
また、38は制御装置31に設けられた残水判定手段であり、所定の条件を満たすと浴槽の浴槽水が無いと判定するものである。この残水判定手段38の所定の条件は、水位センサ30の検出値が所定水位以下(ここでは風呂循環回路18と浴槽4とが接続される循環口よりも下の水位)になった場合、または、水位センサ30の検出値が所定時間下降し続けた場合、または、制御装置31が電動排水栓5を開栓したあと、開栓状態が一定時間(浴槽水が十分に排水され少なくとも水位センサ30で浴槽水がないと判定される水位になるまでの時間)経過した場合、浴槽に残水は無いと判定するものである。
【0028】
39は貯湯タンク1下部で風呂熱回収用熱交換器22と対向する位置に設けられた貯湯温度センサで、残湯熱回収運転前と残湯熱回収運転中に、浴槽4内の残湯を循環させて風呂温度センサ19で残湯温度を検知し、この温度と貯湯温度センサ39の検知温度との間に、所定の熱交換可能な温度差があるかを判断し、温度差がない時には残湯熱回収運転を行わず、又途中でなくなった時には、残湯熱回収運転を終了するようにしたものである。
【0029】
次にこの貯湯式給湯機の動作について説明する。
<沸き上げ運転>
電力料金単価の安価な所定時間帯(深夜時間帯)の開始時刻になると、制御装置31はそれまでの給湯負荷量に見合う湯量を沸き上げ開始するべく、ヒートポンプユニット2に対し、給湯負荷量に見合った沸き上げ目標温度と沸き上げ開始の指示を送信し、ヒートポンプユニット2は循環ポンプを駆動開始して、貯湯タンク1下部から取り出した湯水を沸き上げ目標温度まで加熱して貯湯タンク1上部へ戻し、貯湯タンク1上部から沸き上げ設定温度の湯を積層状に貯湯し、制御装置31は貯湯タンク1の最下部まで沸き上げるか、所定時間帯の終了時刻に到達するとヒートポンプユニット2に沸き上げの停止を指示し、ヒートポンプユニット2は循環ポンプを駆動停止して沸き上げ運転を終了する。
【0030】
<給湯>
給湯栓13が開かれると、貯湯タンク1の底部に給水管7から水が流入すると共に貯湯タンク1の頂部から出湯管9を介して高温の湯が出湯し、給湯混合弁11で給水管8からの水と混合されて給湯管11を通過する。そして、制御装置31は、給湯温度センサ10が検出する温度がリモコン3で予め設定された給湯設定温度と一致するように給湯混合弁11の弁開度をフィードバック制御して、給湯設定温度の給湯を行う。そして、給湯栓13が閉じられる等によって、制御装置31は、給湯混合弁11の弁開度のフィードバック制御を停止して給湯停止するようにしている。
【0031】
<湯張り運転>
リモコン3の湯張りスイッチ32が操作されて湯張り運転の開始が指示されると、制御装置31は、電動弁29を開弁し、湯張り温度センサ26が検出する温度が、リモコン3で設定された湯張り温度と一致するように湯張り混合弁27の弁開度をフィードバック制御して、設定された湯張り温度の湯張りを開始し、浴槽4に供給する。
【0032】
そして、制御装置31は、水位センサ30が風呂設定水位を検出すると、電動弁29を閉弁して湯張り運転を終了する
【0033】
<追い焚き運転>
リモコン3の追い焚きスイッチ33が操作されて追い焚き運転の開始が指示されると、制御装置31は、水位センサ30で水位を検出して浴槽4内に残湯があることを検知すると、風呂循環ポンプ16を駆動して、風呂循環回路18と風呂用熱交換器14に浴槽水を循環させ、浴槽水を風呂用熱交換器14で加熱する。そして、風呂温度センサ19で浴槽水の温度が風呂設定温度まで上昇したことを確認すると、風呂循環ポンプ16の駆動を停止する。
【0034】
<風呂配管洗浄運転>
リモコン3の風呂配管洗浄スイッチ34が操作されて風呂配管洗浄運転の開始が指示されると、風呂三方弁21を風呂バイパス路20側に切り替え、電動弁29を開放して新しい湯水を湯張り管26から給湯し、風呂循環回路18内の残水を排水させた後、風呂三方弁21を風呂用熱交換器14側に切り替えて風呂用熱交換器14内の残水を排水させ、一定量の給湯を湯張り管26から行うと、風呂循環回路18内の残水は前記新しい湯水に入れ替わる。そして、風呂三方弁21を風呂バイパス路20側に戻し、電動弁27を閉じることで風呂配管洗浄運転を終了する。また、必要が有る場合は回収三方弁24も同様に切り替えて風呂熱回収用熱交換器22内の洗浄を行うこともできる
【0035】
<残湯熱回収運転>
次に残湯熱回収運転について説明する。
リモコン3の残湯熱回収スイッチ35が操作されて残湯熱回収運転の開始が指示されると、制御装置31は、風呂循環ポンプ16を駆動せると共に、風呂三方弁21を風呂バイパス路20側の連通状態に切り替え、回収三方弁24を風呂熱回収用熱交換器22側の連通状態とすることで、浴槽水が風呂熱回収用熱交換器22を循環して浴槽水の残熱を貯湯タンク1内の低温水と熱交換して、貯湯タンクに貯湯するものである。
【0036】
更に残湯熱回収運転中に、所定間隔で貯湯温度センサ39による貯湯温度と、風呂温度センサ19による残湯温度との温度差が、熱交換可能な所定温度差があるかを制御装置31が判断し、所定の温度差がなくなった時に残湯熱回収運転を終了させるものであり、又貯湯温度センサ39が所定温度を検知した時に残湯熱回収運転を終了させるようにしても良いものである。
【0037】
<排水運転>
排水運転の作動を
図2のフローチャートに基づいて説明する。
リモコン3の排水運転スイッチ37が操作されると(S1がYes)、排水運転制御手段36は、浴槽4に残水が有るか無いかを水位センサ30で確認し(S2)、浴槽4に水が有る場合は(S2がNo)、浴槽4に残水があると排水運転を行えないという旨と、浴槽4の残水がなくなり次第排水運転を開始するという旨をリモコン3から報知する(S3)。そして、残水判定手段38は浴槽4の監視を開始し(S4)、残水判定手段38は、前記所定の条件を満たし、残水判定無しになるかを監視する(S5)。残水判定手段38が残水判定無しと判定すると(S5がYes)、配管洗浄運転を開始する(S6)。
【0038】
また、浴槽4に残水が無い場合は(S2がYes)、残水判定手段38の監視を行わず、配管洗浄運転を開始する(S6)。
【0039】
そして、制御装置31は、風呂三方弁21を風呂バイパス路20側に切り替え、電動弁29を開放して新しい湯水を湯張り管26から給湯し、風呂循環回路18内の残水を排水させた後、風呂三方弁21を風呂用熱交換器14側に切り替えて風呂用熱交換器14内の残水を排水させ、一定量の給湯を湯張り管26から行うと(S7がYes)、風呂循環回路18内の残水は前記新しい湯水に入れ替わる。そして、風呂三方弁21を風呂バイパス路20側に戻し、電動弁27を閉じることで風呂配管洗浄運転を終了する(S8)。
【0040】
次に、風呂配管洗浄運転を終了したあと、排水運転制御手段36は排水運転を開始し(S9)、排水運転制御手段36は、回収三方弁24を熱交換器側に開、回収バイパス路23側を閉とし(S10)、さらに、風呂三方弁21を風呂用熱交換器14側に閉、風呂バイパス路20側を開にし(S11)、風呂循環ポンプ16を駆動することで(S12)、風呂熱回収用熱交換器22内の水を浴槽4に排水する。
【0041】
そして、排水運転制御手段36は、風呂循環ポンプ16を駆動してから所定駆動時間(ここでは10分)が経過したら(S13がYes)、風呂循環ポンプ16の駆動を停止し(S14)、回収三方弁24を熱交換器側に閉、回収バイパス路23側を開に戻し(S15)、風呂熱回収用熱交換器22の排水運転を終了する(S16)。
【0042】
このように、排水運転時、風呂三方弁21は風呂熱用熱交換器14側を閉止しているため、風呂循環ポンプ16を駆動させて循環させても風呂熱用熱交換器14内の水は動かず排水もされず、風呂熱回収用熱交換器22のみの排水をすることで、前記排水運転により風呂循環ポンプ16の駆動で風呂熱回収用熱交換器22内の水を浴槽4から吸気した空気に置換することができる。
【0043】
また、風呂熱回収用熱交換器22内を空気に置換することで、貯湯タンク1を沸き上げるときに、給湯や追い焚き運転に使用できない風呂熱回収用熱交換器22内の水を沸き上げなくても良く、省エネルギー性に優れ、沸き上げる量も減るので沸き上げ効率にも優れた貯湯式給湯機を提供することができる。
【0044】
また、風呂循環ポンプ16は風呂戻り管17に設けられており、風呂熱回収用熱交換器22は風呂循環ポンプ16よりも上流側にあるため、容易に風呂熱回収用熱交換器22内の水を汲み上げて浴槽4に押し出すことができる。
【0045】
また、風呂用熱交換器14も排水運転をすることが可能ではあるが、風呂用熱交換器14内に高い温度の湯を残しておくことで、追い焚き運転を行うときに高温に加熱されたまま風呂用熱交換器14内に溜まった湯を使用することができるので追い焚き運転の時間を短くすることができ、効率の良い追い焚き運転をすることができる。
【0046】
.
さらに、排水運転スイッチ37が押されたときに浴槽4に残水が有る場合、残水判定手段38が浴槽4の監視を開始し、浴槽に残水が無いと判定することで、自動で風呂配管洗浄運転及び排水運転を行うので、浴槽に水が無い適切なタイミングで風呂配管洗浄運転及び排水運転を行うことができる。ここでは、排水運転より前に浴槽に残水がないタイミングで行う風呂配管洗浄運転も行うことで、風呂循環回路18及び風呂用熱交換器14内を清潔に保つことができる。
【0047】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、
図2のフローチャートでは風呂配管洗浄運転を行ってから、排水運転を開始しているが、残水判定手段38が浴槽に水が無いと判定した場合、または、排水運転スイッチ37が押されたときに浴槽4に残水が無い場合は、風呂配管洗浄運転を行わず、そのまま排水運転を行うようにしたものでも良い。
【0048】
また、この電動排水栓5の開閉は、ユーザーがリモコン3の操作により行うものでも、制御装置31が風呂配管洗浄運転や排水運転の指示に応じて行うものでも、風呂の湯張りが完了してからの時刻を計測する手段を設けて、所定の時間が経過してユーザーが入浴を完了したと判断してから開栓するような自動排水栓でも良い。