特開2019-200029(P2019-200029A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-200029(P2019-200029A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】固形燃料用コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24B 1/20 20060101AFI20191025BHJP
   F23B 60/00 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   F24B1/20
   F23B60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-96445(P2018-96445)
(22)【出願日】2018年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000190736
【氏名又は名称】株式会社ニイタカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 直毅
(72)【発明者】
【氏名】安齋 亮介
(72)【発明者】
【氏名】生田 直人
【テーマコード(参考)】
3K046
【Fターム(参考)】
3K046FA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固形燃料が底部に形成された空気孔から漏れ出ることを防止することができる固形燃料用コンロを提供する。
【解決手段】底部10と、底部の周囲に形成された側壁部20とからなる燃焼室30を備える固形燃料用コンロ1であって、底部には、固形燃料を配置するための固形燃料配置部と、燃焼室に空気を取り入れるための空気孔12が形成されており、固形燃料用コンロには、空気孔から固形燃料90が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構が備えられている固形燃料用コンロ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部の周囲に形成された側壁部とからなる燃焼室を備える固形燃料用コンロであって、
前記底部には、固形燃料を配置するための固形燃料配置部と、前記燃焼室に空気を取り入れるための空気孔が形成されており、
前記固形燃料用コンロには、前記空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構が備えられていることを特徴とする固形燃料用コンロ。
【請求項2】
前記固形燃料漏れ防止機構は、前記空気孔の下に形成された受け皿である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項3】
前記固形燃料漏れ防止機構は、前記固形燃料配置部の周囲に形成された固形燃料漏れ防止壁である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項4】
前記固形燃料漏れ防止機構は、前記空気孔の上に配置された網状物である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項5】
前記固形燃料漏れ防止機構は、前記空気孔の下に配置された網状物である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項6】
前記固形燃料漏れ防止機構は、前記空気孔を埋めるように配置された網状物である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項7】
前記空気孔は網目状であり、前記固形燃料漏れ防止機構は網目状の前記空気孔である請求項1に記載の固形燃料用コンロ。
【請求項8】
前記側壁部に沿って板状の突出部が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の固形燃料用コンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形燃料用コンロに関する。
【背景技術】
【0002】
料理屋、レストランなどで簡易に用いられる、調理用簡易固形燃料は一般にアルコールを主原料としており、固形燃料は固形燃料用コンロに置かれて使用される。
固形燃料用コンロは、底部と底部の周囲に形成された側壁部からなる燃焼室を備えている。
固形燃料用コンロには、通常、燃焼室に空気を供給するための空気孔も形成されている。
【0003】
特許文献1には、底部に空気孔を有する固形燃料用コンロが開示されている。
すなわち、特許文献1には、略筒型の外形を有する中空体を基体となし、当該基体の上端側を開口するとともにその上端縁部に排気間隙を設ける一方、基体下端側の中空部内に固形燃料を収容・設置すべき設置板を支持するとともに基体の下端縁部と設置板に連通する空気孔を設けてなり、前記設置板上面に固形燃料を収容・設置し基体の上端側開口に調理器具を載置して用いるよう構成した、ことを特徴とする固形燃料用コンロが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3055386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の固形燃料用コンロに汁物が入った鍋を設置し、汁物を加熱すると、汁が吹き零れることがあった。また、吹き零れた汁が、鍋や固形燃料用コンロを伝い、固形燃料の上に落ちることがあった。
さらに、この時の衝撃により、固形燃料が飛び散り、固形燃料用コンロの底部に形成された空気孔から固形燃料が燃えたまま漏れ出て、固形燃料用コンロが置かれた机等に落ちてしまうことがあった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、固形燃料が底部に形成された空気孔から漏れ出ることを防止することができる固形燃料用コンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の固形燃料用コンロは、底部と、上記底部の周囲に形成された側壁部とからなる燃焼室を備える固形燃料用コンロであって、上記底部には、固形燃料を配置するための固形燃料配置部と、上記燃焼室に空気を取り入れるための空気孔が形成されており、上記固形燃料用コンロには、上記空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構が備えられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の固形燃料用コンロは、空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構を備えている。
そのため、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
【0009】
本発明の固形燃料用コンロにおいて、上記固形燃料漏れ防止機構は、上記空気孔の下に形成された受け皿であってもよい。
このような受け皿が形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料が飛び散ったとしても、受け皿により固形燃料を受け止めることにより、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
【0010】
本発明の固形燃料用コンロにおいて、上記固形燃料漏れ防止機構は、上記固形燃料配置部の周囲に形成された固形燃料漏れ防止壁であってもよい。
このような固形燃料漏れ防止壁が形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料が飛び散ったとしても、固形燃料は、固形燃料漏れ防止壁にぶつかる。
その結果として、固形燃料が空気孔から漏れ出ることも防止することができる。
【0011】
本発明の固形燃料用コンロにおいて、上記固形燃料漏れ防止機構は、上記空気孔の上に配置された網状物であってもよく、上記空気孔の下に配置された網状物であってもよく、上記空気孔を埋めるように配置された網状物であってもよい。
このような網状物が形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料が飛び散ったとしても、網状物により固形燃料を受け止めることにより、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
さらに、網状物は通気性を大きく阻害しないので、このような固形燃料用コンロでは、空気孔を通じ、充分な量の空気を燃焼室に供給することができる。
【0012】
本発明の固形燃料用コンロにおいて、上記空気孔は網目状であり、上記固形燃料漏れ防止機構は網目状の上記空気孔であってもよい。
空気孔自体を網目状にすることにより、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料が飛び散ったとしても、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
【0013】
本発明の固形燃料用コンロでは、上記側壁部に沿って板状の突出部が形成されていることが望ましい。
このような突出部が形成されていると、吹き零れた汁が、固形燃料の上に落ちることを防止しやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の固形燃料用コンロは、空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構を備えている。
そのため、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
図2図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)のB−B線断面図である。
図3図3(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のC−C線断面図である。
図4図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの別の一例を模式的に示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)のD−D線断面図である。
図5図5(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの別の一例を模式的に示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)のE−E線断面図である。
図6図6(a)は、本発明の第4実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)のF−F線断面図である。
図7図7(a)は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロの変形例の一例を模式的に示す斜視図である。図7(b)は、図7(a)のG−G線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の固形燃料用コンロについて、具体的な実施形態を示しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態だけに限定されるものではない。
【0017】
本発明の固形燃料用コンロは、底部と、上記底部の周囲に形成された側壁部とからなる燃焼室を備える固形燃料用コンロであって、上記底部には、固形燃料を配置するための固形燃料配置部と、上記燃焼室に空気を取り入れるための空気孔が形成されており、上記固形燃料用コンロには、上記空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構が備えられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の固形燃料用コンロは、空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構を備えている。
そのため、固形燃料が空気孔から漏れ出ることを防止することができる。
【0019】
本発明の固形燃料用コンロにおいて、固形燃料漏れ防止機構は、空気孔から固形燃料が漏れ出ることを防止することができればどのような態様であってもよい。
本発明の固形燃料用コンロは、例えば、以下に示す実施形態であってもよい。
【0020】
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
【0021】
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロ1は、底部10と、底部10の周囲に形成された側壁部20とからなる燃焼室30を備える。
底部10には、固形燃料90を配置するための固形燃料配置部11と、燃焼室30に空気を取り入れるための空気孔12が形成されている。
【0022】
固形燃料用コンロ1では、空気孔12の下に受け皿40が形成されている。
受け皿40は、空気孔12から固形燃料90が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構である。
このような受け皿40が形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても、受け皿40により固形燃料90を受け止めることにより、固形燃料90が空気孔12から漏れ出ることを防止することができる。
【0023】
固形燃料用コンロ1では、受け皿40は、着脱可能であっても固定されていてもよい。
【0024】
固形燃料用コンロ1では、側壁部20に、固形燃料90の着火のために用いる着火孔21が形成されている。また、側壁部20には、燃焼室30に空気を供給する空気孔が形成されていない。
側壁部に空気孔が形成されていると、空気孔から供給される空気の流れにより、固形燃料からの炎が揺らぐことがある。固形燃料からの炎が揺らぐと、鍋の中の汁物を充分に加熱できなくなることがある。
しかし、固形燃料用コンロ1では、側壁部20に空気孔が形成されていないので、固形燃料からの炎が揺らぐことを防止することができる。
なお、燃焼室30へは空気孔12を通じて空気を供給可能なので、燃焼室30には充分な空気が供給される。
【0025】
また、側壁部に空気孔が形成されていると、固形燃料から火飛びが生じた場合、空気孔から火が飛び出ることがある。
しかし、固形燃料用コンロ1では、側壁部20に空気孔が形成されていないので、火飛びが生じたとしても、側壁部20により火が外部に飛び出ることを防ぐことができる。
【0026】
固形燃料用コンロ1は、例えば、セラミックス製であってもよく、金属製であってもよい。これらの中では、金属製であることが望ましい。
固形燃料用コンロ1が金属製である場合の金属としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム等が挙げられる。これらの中では、アルミニウムであることが望ましい。
アルミニウムは加工しやすく、軽量であるので、固形燃料用コンロ1の材料として適している。
【0027】
また、受け皿40は、例えば、セラミックス製であってもよく、金属製であってもよく、耐熱性樹脂製であってもよい。これらの中では、金属製であることが望ましい。
受け皿40が金属製である場合の金属としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム等が挙げられる。これらの中では、アルミニウムであることが望ましい。
【0028】
固形燃料用コンロ1は、従来公知の鋳造法等により製造することができる。
【0029】
(第2実施形態)
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)のB−B線断面図である。
【0030】
図2(a)及び図2(b)に示すように、本発明の第2実施形態に係る固形燃料用コンロ101は、底部110と、底部110の周囲に形成された側壁部120とからなる燃焼室130を備える。
底部110には、固形燃料90を配置するための固形燃料配置部111と、燃焼室130に空気を取り入れるための空気孔112が形成されている。
【0031】
固形燃料用コンロ101では、固形燃料配置部111の周囲に固形燃料漏れ防止壁150が形成されている。
固形燃料漏れ防止壁150は、空気孔112から固形燃料90が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構である。
このような固形燃料漏れ防止壁150が形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても固形燃料90は、固形燃料漏れ防止壁150にぶつかる。
その結果として、固形燃料90が空気孔112から漏れ出ることも防止することができる。
【0032】
固形燃料漏れ防止壁150の高さは、特に限定されず、固形燃料90の大きさに合わせ適宜設定することが望ましい。なお、固形燃料漏れ防止壁150の高さは、固形燃料90の高さよりも高いことがより望ましい。
【0033】
固形燃料用コンロ101では、側壁部120に、固形燃料90の着火のために用いる着火孔121が形成されている。また、側壁部120には、燃焼室130に空気を供給する空気孔が形成されていない。
側壁部に空気孔が形成されていると、空気孔から供給される空気の流れにより、固形燃料からの炎が揺らぐことがある。固形燃料からの炎が揺らぐと、鍋の中の汁物を充分に加熱できなくなることがある。
しかし、固形燃料用コンロ101では、側壁部120に空気孔が形成されていないので、固形燃料からの炎が揺らぐことを防止することができる。
なお、燃焼室130へは空気孔112を通じて空気を供給可能なので、燃焼室130には充分な空気が供給される。
【0034】
また、側壁部に空気孔が形成されていると、固形燃料から火飛びが生じた場合、空気孔から火が飛び出ることがある。
しかし、固形燃料用コンロ101では、側壁部120に空気孔が形成されていないので、火飛びが生じたとしても、側壁部120により火が外部に飛び出ることを防ぐことができる。
【0035】
固形燃料用コンロ101の望ましい材料及び製造方法は、上記固形燃料用コンロ1の望ましい材料及び製造方法と同じである。
【0036】
固形燃料漏れ防止壁150の望ましい材料は、固形燃料用コンロ101の望ましい材料と同じである。
【0037】
また、固形燃料用コンロ101では、固形燃料漏れ防止壁150が一体形成されていてもよく、固形燃料漏れ防止壁150が溶接により固定されていてもよい。
【0038】
(第3実施形態)
図3(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のC−C線断面図である。
【0039】
図3(a)及び(b)に示すように、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロ201aは、底部210と、底部210の周囲に形成された側壁部220とからなる燃焼室230を備える。
底部210には、固形燃料90を配置するための固形燃料配置部211と、燃焼室230に空気を取り入れるための空気孔212が形成されている。
【0040】
固形燃料用コンロ201aでは、空気孔212の上に、網状物260aが配置されている。
網状物260aは、空気孔212から固形燃料90が漏れ出ることを防止するための固形燃料漏れ防止機構である。
このような網状物260aが形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても、網状物260aにより固形燃料90を受け止めることができる。
飛び散る際の固形燃料90は液状であるが、粘性が高い状態であり、さらに、温度が低下すると速やかに固化する。そのため、網状物260aにより受け止められた固形燃料90は、速やかに固化する。従って、固形燃料90が空気孔212から漏れ出ることを防止することができる。
なお、網状物260aは通気性を大きく阻害しないので、このような固形燃料用コンロ201aでは、空気孔212を通じ、充分な量の空気を燃焼室230に供給することができる。
【0041】
網状物260aの目開き率は、特に限定されないが、25〜75%であることが望ましく、30〜60%であることがより望ましい。
また、網状物260aの目開きは0.1〜7.0mmであることが望ましく、0.3〜4.0mmであることがより望ましい。
網状物260aの目開き率及び目開きが上記範囲であると、固形燃料90が空気孔212から漏れ出ることを好適に防止することができる。
【0042】
また、固形燃料用コンロ201aでは、網状物260aは、着脱可能であっても固定されていてもよい。
【0043】
固形燃料用コンロ201aでは、側壁部220に、固形燃料90の着火のために用いる着火孔221が形成されている。また、側壁部220には、燃焼室230に空気を供給する空気孔が形成されていない。
側壁部に空気孔が形成されていると、空気孔から供給される空気の流れにより、固形燃料からの炎が揺らぐことがある。固形燃料からの炎が揺らぐと、鍋の中の汁物を充分に加熱できなくなることがある。
しかし、固形燃料用コンロ201aでは、側壁部220に空気孔が形成されていないので、固形燃料からの炎が揺らぐことを防止することができる。
なお、燃焼室230へは空気孔212を通じて空気を供給可能なので、燃焼室230には充分な空気が供給される。
【0044】
また、側壁部に空気孔が形成されていると、固形燃料から火飛びが生じた場合、空気孔から火が飛び出ることがある。
しかし、固形燃料用コンロ201aでは、側壁部220に空気孔が形成されていないので、火飛びが生じたとしても、側壁部220により火が外部に飛び出ることを防ぐことができる。
【0045】
固形燃料用コンロ201aの望ましい材料及び製造方法は、上記固形燃料用コンロ1の望ましい材料及び製造方法と同じである。
【0046】
網状物260aは、例えば、セラミックス製であってもよく、金属製であってもよく、耐熱性樹脂であってもよい。これらの中では、金属製であることが望ましい。
網状物260aが金属製である場合の金属としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム等が挙げられる。これらの中では、アルミニウムであることが望ましい。
【0047】
次に、本発明の第3実施形態の別の一例を説明する。
図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの別の一例を模式的に示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)のD−D線断面図である。
【0048】
図4(a)及び(b)に示す固形燃料用コンロ201bは、空気孔212の上に配置された網状物260aの代わりに、空気孔212の下に網状物260bが配置されている以外は、図3(a)及び(b)に示した固形燃料用コンロ201aと同じ構成である。
すなわち、固形燃料用コンロ201bでは、網状物260bが固形燃料漏れ防止機構である。
【0049】
このような網状物260bが形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても、網状物260bにより固形燃料90を受け止めることができる。
飛び散る際の固形燃料90は液状であるが、粘性が高い状態であり、さらに、温度が低下すると速やかに固化する。そのため、網状物260bにより受け止められた固形燃料90は、速やかに固化する。従って、固形燃料90が空気孔212から漏れ出ることを防止することができる。
さらに、網状物260bは通気性を大きく阻害しないので、このような固形燃料用コンロ201bでは、空気孔212を通じ、充分な量の空気を燃焼室230に供給することができる。
【0050】
網状物260bの望ましい目開き率、目開き、材料等は、上記網状物260aの目開き率、目開き、材料等と同じである。
【0051】
次に、本発明の第3実施形態の別の一例を説明する。
図5(a)は、本発明の第3実施形態に係る固形燃料用コンロの別の一例を模式的に示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)のE−E線断面図である。
【0052】
図5(a)及び(b)に示す固形燃料用コンロ201cは、空気孔212の上に配置された網状物260aの代わりに、空気孔212を埋めるように網状物260cが配置されている以外は、図3(a)及び(b)に示した固形燃料用コンロ201aと同じ構成である。
すなわち、固形燃料用コンロ201cでは、網状物260cが固形燃料漏れ防止機構である。
【0053】
このような網状物260cが形成されていると、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても、網状物260cにより固形燃料90を受け止めることができる。
飛び散る際の固形燃料90は液状であるが、粘性が高い状態であり、さらに、温度が低下すると速やかに固化する。そのため、網状物260cにより受け止められた固形燃料90は、速やかに固化する。従って、固形燃料90が空気孔212から漏れ出ることを防止することができる。
なお、網状物260cは通気性を大きく阻害しないので、このような固形燃料用コンロ201cでは、空気孔212を通じ、充分な量の空気を燃焼室230に供給することができる。
【0054】
網状物260cの望ましい目開き率、目開き、材料等は、上記網状物260aの目開き率、目開き、材料等と同じである。
【0055】
(第4実施形態)
図6(a)は、本発明の第4実施形態に係る固形燃料用コンロの一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)のF−F線断面図である。
【0056】
図6(a)及び図6(b)に示すように、本発明の第4実施形態に係る固形燃料用コンロ301は、底部310と、底部310の周囲に形成された側壁部320とからなる燃焼室330を備える。
底部310には、固形燃料90を配置するための固形燃料配置部311と、燃焼室330に空気を取り入れるための空気孔312が形成されている。
そして、空気孔312は網目状である。
【0057】
空気孔312自体を網目状にすることにより、汁が落ちた時の衝撃で固形燃料90が飛び散ったとしても、空気孔312により固形燃料90を受け止めることができる。
飛び散る際の固形燃料90は液状であるが、粘性が高い状態であり、さらに、温度が低下すると速やかに固化する。そのため、空気孔312により受け止められた固形燃料90は、速やかに固化する。従って、固形燃料90が空気孔312から漏れ出ることを防止することができる。
すなわち、固形燃料用コンロ301では、空気孔312が固形燃料漏れ防止機構である。
【0058】
固形燃料用コンロ301では、側壁部320に、固形燃料90の着火のために用いる着火孔321が形成されている。また、側壁部320には、燃焼室330に空気を供給する空気孔が形成されていない。
側壁部に空気孔が形成されていると、空気孔から供給される空気の流れにより、固形燃料からの炎が揺らぐことがある。固形燃料からの炎が揺らぐと、鍋の中の汁物を充分に加熱できなくなることがある。
しかし、固形燃料用コンロ301では、側壁部320に空気孔が形成されていないので、固形燃料からの炎が揺らぐことを防止することができる。
なお、燃焼室330へは空気孔312を通じて空気を供給可能なので、燃焼室330には充分な空気が供給される。
【0059】
また、側壁部に空気孔が形成されていると、固形燃料から火飛びが生じた場合、空気孔から火が飛び出ることがある。
しかし、固形燃料用コンロ301では、側壁部320に空気孔が形成されていないので、火飛びが生じたとしても、側壁部320により火が外部に飛び出ることを防ぐことができる。
【0060】
固形燃料用コンロ301の望ましい材料及び製造方法は、上記固形燃料用コンロ1の望ましい材料及び製造方法と同じである。
【0061】
(その他の実施形態)
本発明の固形燃料用コンロでは、側壁部に沿って板状の突出部が形成されていることが望ましい。
このような突出部が形成されていると、吹き零れた汁が、固形燃料の上に落ちることを防止しやすくなる。
【0062】
このような突出部が形成された固形燃料用コンロの代表例として、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロの側壁部に突出部が形成された例を、以下に図面を用いて説明する。
【0063】
図7(a)は、本発明の第1実施形態に係る固形燃料用コンロの変形例の一例を模式的に示す斜視図である。図7(b)は、図7(a)のG−G線断面図である。
【0064】
図7(a)及び(b)に示すように、固形燃料用コンロ1´は、底部10と、底部10の周囲に形成された側壁部20とからなる燃焼室30を備える。
底部10には、固形燃料90を配置するための固形燃料配置部11と、燃焼室30に空気を取り入れるための空気孔12が形成されている。
固形燃料用コンロ1´では、空気孔12の下に受け皿40が形成されている。
【0065】
また、固形燃料用コンロ1´では、側壁部20に沿って板状の突出部70が形成されている。
【0066】
固形燃料用コンロ1´及び突出部70が金属からなる場合、このような突出部70を側壁部20に形成する方法としては、板状の部材を溶接により接合したり、割り型を用いて鋳造する方法が挙げられる。
また、固形燃料用コンロ1´及び突出部70がセラミックスからなる場合、セラミックス原料を塑性加工し焼成する方法が挙げられる。
【0067】
また、本発明の第2実施形態〜第4実施形態に係る固形燃料用コンロでも、同様に、側壁部に沿って板状の突出部が形成されていることが望ましい。
【0068】
第1実施形態〜第4実施形態に係る固形燃料用コンロでは、側壁部には空気孔が形成されていなかったが、本発明の固形燃料用コンロでは、側壁部に空気孔が形成されていてもよい。
側壁部に空気孔を形成することにより、滞りなく燃焼室に空気を供給することができる。
【符号の説明】
【0069】
1、1´、101、201a、201b、201c、301 固形燃料用コンロ
10、110、210、310 底部
11、111、211、311 固形燃料配置部
12、112、212、312 空気孔
20、120、220、320 側壁部
21、121、221、321 着火孔
30、130、230、330 燃焼室
40 受け皿
70 突出部
90 固形燃料
150 固形燃料漏れ防止壁
260a、260b、260c 網状物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7