ユーザ支援装置1は、ユーザの操作に応じた情報を画面に表示する表示部15と、ユーザによる画面の操作履歴を記憶する画面操作履歴記憶部116と、施設監視システムの監視対象に関する情報を記憶するデータベース11と、画面操作履歴記憶部116およびデータベース11にそれぞれ記憶されている操作履歴および監視対象に関する情報を学習して、ユーザが次の操作対象とする情報を予測するNN部12と、NN部12による予測結果に基づいて、ユーザの次の操作対象として推薦する情報をデータベース11から取得して、表示部15に出力する情報推薦部14とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について、
図1から
図15を参照して詳細に説明する。各図について共通する構成要素には、同一の符号が付されている。また、以下の実施の形態では、ユーザ支援装置を施設監視システムに適用した場合について説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
まず、
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るユーザ支援装置1について説明する。
本実施の形態に係るユーザ支援装置1は、施設監視システムの端末画面によるユーザの操作履歴、および施設に設置された設備などの監視対象に関する情報などを学習し、表示する情報に対するユーザの評価を予測して、ユーザが次の操作対象とする情報を提供する。
【0021】
[ユーザ支援装置の機能ブロック]
ユーザ支援装置1は、
図1に示すように、情報収集部10、データベース11、ニューラルネットワーク(NN)部(学習器)12、予測結果記憶部13、情報推薦部14、および表示部15を備える。ユーザ支援装置1は、施設監視システムに設けられ、施設内に設置されている空調設備、熱源設備などのサブシステムと図示しない伝送線路を介して接続されている。また、ユーザはユーザ支援装置1が備える表示部15の画面に表示された情報を操作して、施設管理を行う。
【0022】
情報収集部10は、ユーザによる表示部15の画面の操作履歴、およびユーザが画面上で選択したポイントの操作履歴を収集する。また、情報収集部10は、施設に設置されている空調設備や熱源設備、照明設備などの稼働状況、施設の利用状況などに関する情報を各設備から取得する。情報収集部10は、一定の時間の周期で、これらの情報を収集する。情報収集部10によって収集された情報は、データベース11に格納および蓄積される。なお、ポイントとは、施設内の設備などにおける監視対象およびデータ収集対象であり、例えば、空調機や温度センサなどが含まれ、ポイントIDによって特定される。
【0023】
データベース11は、施設監視システムの監視対象に関する情報を記憶する。データベース11は、空調設備情報記憶部110、熱源設備情報記憶部111、照明設備情報記憶部112、建物構造情報記憶部113、テナント情報記憶部114、ポイント情報記憶部115、画面操作履歴記憶部116、およびポイント操作履歴記憶部117を備える。
【0024】
空調設備情報記憶部110は、施設に設置されている空調設備に関する情報を記憶する。具体的には、系統を示す情報、各系統に属する設備に関する情報、および各設備のポイントにおいて収集されたデータなどが互いに関連付けて記憶されている。
なお、系統とは、設備においてデータ収集対象のポイントを、例えば空調や照明といったサービス設備ごと、またはフロアなどの物理的空間的条件により分類したものを意味する。また、設備には、空調機やダンパなどが含まれる。
【0025】
熱源設備情報記憶部111は、施設に設置されている熱源設備に関する情報を記憶する。具体的には、系統を示す情報、各系統に属する設備に関する情報、および各設備のポイントにおいて収集されたデータなどが互いに関連付けて記憶されている。設備の例としては、ボイラやポンプなどが挙げられる。
【0026】
照明設備情報記憶部112は、施設に設置されている照明設備に関する情報を記憶する。具体的には、系統を示す情報、各系統に属する設備に関する情報、および各設備のポイントにおいて収集されたデータなどが互いに関連付けて記憶されている。設備の例としては、照明機器などが挙げられる。
【0027】
建物構造情報記憶部113は、施設のフロアと各フロアのエリアに関する情報を記憶する。
テナント情報記憶部114は、施設におけるフロアまたはエリアごとのテナント入居情報を記憶する。具体的には、テナント情報記憶部114には、フロアID、テナントの有無、およびテナントの属性(例えば、オフィス、レストラン、店舗など)が互いに関連付けて記憶されている。
【0028】
ポイント情報記憶部115は、ポイントに関する情報を記憶する。具体的には、ポイント情報記憶部115には、ポイントが設けられている設備やデバイスのID、ポイントタイプ、ポイントID、ポイント名称、および各ポイントのユーザによる操作回数が互いに関連付けて記憶されている。ポイント名称の例としては、給気温度、室内温度、フィルタ警告、バルブ開度、インバータ出力などが挙げられる。
【0029】
画面操作履歴記憶部116は、ユーザによる画面の操作履歴を記憶する。具体的には、画面操作履歴記憶部116には、画面ID、画面の表示項目、画面の表示内容、および操作時刻などが互いに関連付けて記憶されている。画面の表示項目の例としては、バルブ開度状況、外気温度、空調機の給気温度などが挙げられる。画面の表示内容の例としては、温度、流量、および圧力などのトレンドグラフ、条件演算表示、スケジュール制御情報などが挙げられる。
【0030】
ポイント操作履歴記憶部117は、ユーザによって表示部15の画面を介して操作されたポイントの操作履歴を記憶する。具体的には、ポイント操作履歴記憶部117は、ユーザによって操作されたポイントIDと操作をした時刻とを関連付けて記憶している。
【0031】
なお、データベース11に格納されている情報は例示であり、施設の監視対象の種類に応じた情報が記憶されている。
【0032】
NN部12は、教師データ取得部120、学習部121、パラメータ記憶部122、および予測部123を備える。NN部12は、ニューラルネットワークを用いて、ユーザによる画面やポイントの操作履歴、および監視対象に関する情報を学習して特徴量を抽出する。また、NN部12は、抽出された特徴量に基づき構築されたニューラルネットワークを用いて、ユーザが次の操作対象とする情報に対するユーザの評価を予測する。
【0033】
教師データ取得部120は、データベース11に格納されている情報に基づいて予め生成されている教師データを外部の計算機(図示しない)などから取得する。教師データは、例えば、画面操作履歴記憶部116およびポイント操作履歴記憶部117に記憶されているユーザによる画面およびポイント操作履歴を入力教師信号としてもよい。また、データベース11に格納されている空調設備情報、熱源設備情報、照明設備情報、建物構造情報、テナント情報、およびポイントに関する情報に対するユーザの評価を出力教師信号、すなわちラベルとして用いてもよい。
【0034】
なお、教師データ取得部120は、ユーザ支援装置1内でデータベース11に格納されている情報を読み出して上記の教師データを生成する構成を採用してもよい。
【0035】
学習部121および予測部123は、予め設定されている同じ構造のニューラルネットワークによって構成される。ニューラルネットワークの例としては、よく知られている再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワークなどの多層ニューラルネットワークが挙げられる。
【0036】
学習部121は、ニューラルネットワークを用いて、データベース11に記憶されている情報の圧縮を行い情報の特徴量を抽出する。すなわち、学習部121は、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価を学習する。
【0037】
より詳細には、学習部121は教師データ取得部120によって取得された教師データを用いて教師あり学習を行う。学習部121は、教師データを与えたときに理想的な信号が出力されるようにニューラルネットワークの重みやバイアスなどのパラメータの値を決定する。
【0038】
なお、学習部121が行う学習は、教師あり学習に基づくものだけでなく、教師なし学習や半教師あり学習を採用してもよい。
【0039】
パラメータ記憶部122は、学習部121によって抽出された特徴量、すなわちニューラルネットワークのパラメータの値を記憶する。
【0040】
予測部123は、パラメータ記憶部122に記憶されているニューラルネットワークのパラメータ値を読み込んで、ユーザが次の操作対象とする情報に対するユーザの評価を予測するニューラルネットワークを構築する。また、予測部123は、構築されたニューラルネットワークを用いて、ユーザが実際に表示している画面やポイントの情報を未知の入力信号として、ニューラルネットワークの演算を行い、ユーザの評価が高い情報を予測して出力する。予測部123は、予測値(確率値)の異なる複数の情報を出力してもよい。
【0041】
予測結果記憶部13は、NN部12の予測部123によって出力された予測結果を記憶する。例えば、空調設備における特定のポイントのトレンドグラフ、具体的には、空調機の給気温度のトレンドグラフが予測結果として得られた場合を考える。この場合、対応するポイントID、画面の表示項目、および表示内容が互いに関連付けられた情報が予測結果記憶部13に記憶される。なお、予測結果を示す情報が複数ある場合には、さらに予測値を関連付けて予測結果記憶部13に記憶される。
【0042】
情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されている予測結果に基づいて、表示部15の画面に表示する情報を推薦して、推薦する情報を表示部15に出力する。具体的には、情報推薦部14は、予測結果記憶部13から予測結果を示す情報を読み出し、データベース11に格納されている情報から該当する情報を抽出する。また、情報推薦部14は、予測結果記憶部13から複数の予測結果を示す情報を読み出す場合には、予測値が高い予測結果が優先的に表示されるようにスタイルシート(CSS)において優先順位を指定してもよい。
【0043】
表示部15は、監視対象に関する情報を表示する。表示部15は、例えば、複数の画面を表示して、それぞれの画面に異なる監視対象に関する情報を表示する。画面に表示される情報としては、トレンドグラフ、スケジュール制御情報、および条件演算制御情報などが挙げられる。
【0044】
また、表示部15は、ユーザによる各画面に対する操作を検出する。例えば、表示部15は、ポイントの情報を示すアイコンが画面上でユーザにクリックされると、ポイント選択の操作が行われたことを検出する。ユーザによる画面操作を示す情報は情報収集部10によって収集され、各操作時刻と共に画面操作履歴記憶部116やポイント操作履歴記憶部117に記憶される。
【0045】
[ユーザ支援装置のハードウェア構成]
次に、上述した機能を有するユーザ支援装置1のハードウェア構成について
図2を用いて説明する。
【0046】
ユーザ支援装置1は、バス101を介して接続されるCPU103と主記憶装置104とを有する演算装置102、通信制御装置105、外部記憶装置106、入力装置107、表示装置108等を備えるコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0047】
CPU103と主記憶装置104とは、演算装置102を構成する。主記憶装置104には、CPU103が各種制御や演算を行うためのプログラムが予め格納されている。なお、演算装置102は、CPU103の他、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)を用いてもよい。
【0048】
通信制御装置105は、ユーザ支援装置1と各種外部電子機器との間を通信ネットワークNWを介して接続するための制御装置である。通信制御装置105および通信ネットワークNWを介して、施設内のポイントにおけるデータが収集される。
【0049】
外部記憶装置106は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータなどの各種情報を読み書きするための駆動装置とで構成されている。外部記憶装置106には、記憶媒体としてハードディスクやフラッシュメモリなどの半導体メモリを使用することができる。外部記憶装置106は、
図1で示したデータベース11および予測結果記憶部13を実現し、また、図示しないその他の格納装置で、例えば、この外部記憶装置106内に格納されているプログラムやデータなどをバックアップするための格納装置などを有することができる。
【0050】
入力装置107は、キーボード、マウス、タッチパネルなどによって構成される。入力装置107は、表示装置108に表示された情報がユーザによる入力、クリックやタッチ操作などの画面操作により選択されることで対応する機能が実行され、画面が切り替わり、次の操作対象が表示される。
【0051】
表示装置108は、液晶ディスプレイなどによって実現される。表示装置108には、入力装置107による入力結果が表示されたり、外部記憶装置106に格納されている施設管理に関する情報が加工されて画面に表示される。表示装置108は、
図1で説明した表示部15を構成する。
【0052】
[ユーザ支援装置の動作]
次に、上述した構成を有するユーザ支援装置1の動作について、
図3から
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
図3は、ユーザ支援装置1の全体的な動作を説明するフローチャートである。まず、NN部12の学習部121は、データベース11に格納されている情報の特徴量を抽出して、次の操作対象として表示される情報に対するユーザの評価を学習する(ステップS1)。
【0054】
次に、予測部123は、学習部121によって抽出された情報の特徴量に基づいて、ユーザによる評価が高い情報を予測する(ステップS2)。その後、情報推薦部14は、予測結果に基づいて推薦する情報を表示部15に出力する(ステップS3)。その後、さらにユーザによる画面操作が表示部15において検出された場合には(ステップS4:YES)、画面操作によって表示されている画面情報に基づいて再び学習処理(ステップS1)および予測処理(ステップS2)が行われ、推薦する情報が表示部15に表示される(ステップS4)。表示部15は、例えば、表示部15の画面の右下に推薦する情報を表示する。
【0055】
[学習処理]
次に、ユーザ支援装置1による学習処理(ステップS1)について
図4のフローチャートを用いてより詳細に説明する。まず、情報収集部10は、表示部15の画面に情報の表示がある場合には(ステップS10:YES)、表示されている画面の情報を取得する(ステップS11)。より詳細には、情報収集部10が一定間隔で収集するユーザの画面操作やポイント操作状態を示す情報より、画面に関する情報を取得する。画面に関する情報には、画面IDや表示項目、ポイントID、ポイント名称、系統情報、フロア情報などが含まれる。
【0056】
次に、情報収集部10は、取得した画面に関する情報をデータベース11における対応する記憶領域に記憶する(ステップS12)。
【0057】
次に、教師データ取得部120は、外部の計算機からデータベース11に格納されている情報を用いて事前に生成されている教師データを取得する(ステップS13)。なお、ステップS10で表示部15の画面に何も情報が表示されていない場合にも同様に(ステップS10:NO)、ステップS13が実行される。
【0058】
次に、学習部121は、予め設定されているニューラルネットワークを用いて、教師データを入力し、学習用の入力教師信号の特徴量を抽出する(ステップS14)。より詳細には、学習部121は、ユーザによる画面およびポイント操作履歴を入力教師信号として、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価が高い情報を出力するようなニューラルネットワークの重みやバイアスなどのパラメータを調整する。より具体的には、学習部121は、ユーザによる画面およびポイント操作履歴の入力信号とラベルとの誤差、すなわち損失関数が最小化するように、誤差逆伝搬法や勾配法などの手法によりパラメータ値を更新する。
【0059】
次に、パラメータ記憶部122は、学習部121によって決定されたパラメータの更新値を記憶する(ステップS15)。
【0060】
[予測処理]
次に、
図5に示す予測処理について説明する。
まず、予測部123は、パラメータ記憶部122に記憶されている情報の特徴量である、パラメータ値を読み込んで、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価を予測するニューラルネットワークを構築する(ステップS20)。
【0061】
次に、予測部123は、学習済みのニューラルネットワークを用いて、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価を予測する(ステップS21)。より詳細には、予測部123は、表示部15の画面の状態を検出し、画面に何も表示されていない場合および表示されている場合それぞれに応じた入力信号に基づいて、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価の予測を行う。
【0062】
その後、予測結果記憶部13は、予測部123による予測結果を記憶する(ステップS22)。予測結果に基づいてユーザに推薦する情報は表示部15に表示される。
【0063】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るユーザ支援装置1によれば、NN部12によって、データベース11に蓄積されている多様な情報の特徴量を抽出し、表示する情報に対するユーザの評価を予測する。そのため、ユーザ支援装置1は、単にポイントと紐づけられた画面にユーザをナビゲーションする場合には対応できないようなユーザの要求が反映された情報を、より的確に予測して提供することができる。
【0064】
その結果として、ユーザが端末を介して施設監視システムを使用する場合の画面操作の利便性を向上させることができる。また、ユーザ支援装置1は、ユーザによる画面操作状況や設備に関する情報を逐次更新して再学習するため、ユーザの要求をより的確に予測して、次の操作対象とされる情報を提供することができる。
【0065】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
第1の実施の形態では、NN部12が、ユーザによる画面やポイント操作の履歴や監視対象に関する情報を学習し、次の操作対象として表示する情報に対するユーザの評価を予測する場合について説明した。これに対し、第2の実施の形態では、ユーザ支援装置1Aは、ルールベース予測部16をさらに備え、予め定義されている予測ルールに基づいて、ユーザのタイプに応じた、次の操作対象となる情報を予測する。
【0067】
図6は第2の実施の形態に係るユーザ支援装置1Aの機能構成を示すブロック図である。以下、第1の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
ルールベース予測部16は、ルール定義部160とルール実行部161とを備える。ルールベース予測部16は、予め定義されている予測ルールに従って、ユーザが次の操作対象とする情報を予測する。
【0068】
ルール定義部160は、情報を推薦するためのルールを予め定義する。具体的には、ユーザが施設管理者である場合と、施設に入居するテナントである場合とで、それぞれのユーザの性質に基づいた予測ルールを定義する。
【0069】
ユーザが施設管理者である場合には、データベース11に格納されている情報のうち、施設の管理に必要とされる情報から、ユーザによる画面操作の情報に基づいて予測を行う。
一方、ユーザがテナントである場合には、データベース11に格納されている情報のうち、テナントが入居するフロアやエリアの管理に必要とされる情報から、ユーザによる画面操作の情報に基づいて予測を行う。
【0070】
ルール実行部161は、ルール定義部160に定義されている予測ルールを参照してルールベースによる予測を実行する。より詳細には、ルール実行部161は、予め取得可能なログイン情報からユーザが施設管理者であるかテナントであるかを識別する。ルール実行部161は、識別されたユーザ情報に基づいて、ルール定義部160に定義されている予測ルールを適用し、次の操作対象とされる情報を予測する。
【0071】
予測結果記憶部13は、ルールベース予測部16およびNN部12による予測結果を記憶する。
【0072】
情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されている予測結果に基づいて、表示部15の画面に表示する情報を推薦して、表示部15に出力する。例えば、情報推薦部14は、NN部12による予測結果とルールベース予測部16による予測結果との両方を推薦する情報として表示部15に出力してもよい。また、情報推薦部14は、予測結果記憶部13から複数の予測結果を示す情報を読み出す場合には、予測値が高い予測結果が優先的に表示されるようにスタイルシート(CSS)において優先順位を指定してもよい。
【0073】
また、情報推薦部14は、NN部12による予測結果とルールベース予測部16による予測結果とに重み付けをもたせて推薦する情報を選択してもよい。
【0074】
[ユーザ支援装置の動作]
次に、上述した構成を有するユーザ支援装置1Aの全体的な動作について
図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、NN部12は、ニューラルネットワークを用いて、ユーザの画面やポイント操作履歴およびデータベース11に格納されている監視対象に関する情報を学習して、これらの情報の特徴量を抽出する(ステップS1)。
【0075】
次に、NN部12は、ステップS1での学習処理によって抽出された特徴量に基づいてニューラルネットワークを構築し、次の操作対象の情報に対するユーザの評価を予測する(ステップS2)。
【0076】
次に、ルールベース予測部16は、ユーザを識別し、ユーザのタイプごとに定義されている予測ルールを、その識別したユーザに適用して、ルールベースによる予測処理を実行する(ステップS3A)。その後、情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されているNN部12およびルールベース予測部16による予測結果に基づいて、推薦する情報を表示部15に出力する。表示部15は、情報推薦部14から取得した情報をユーザに推薦する情報として画面に表示する(ステップS4A)。表示部15は、例えば、画面の右下に推薦する情報を表示する。
【0077】
その後、ユーザによって画面操作が行われた場合には(ステップS5A)、再びステップS1からステップS4Aまでの予測処理が実行される。
【0078】
[ルールベース予測処理]
次に、ルールベース予測部16によって実行されるルールベース予測処理(ステップS3A)について
図8のフローチャートを用いて説明する。なお、NN部12によって行われる学習処理および予測処理は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0079】
まず、ルールベース予測部16は、施設監視システムにおいて保持されているユーザのログイン情報を取得してユーザのタイプを識別する(ステップS30)。ルールベース予測部16は、ログイン情報がテナントIDを含む場合には(ステップS31:YES)、ルール実行部161は、ルール定義部160に予め定義されているテナント用の予測ルールに従って、ユーザによる選択ポイントに対応するフロアおよびエリア情報を取得する(ステップS32)。
【0080】
具体的には、ルール実行部161は、テナントであるユーザによって表示部15の画面上で選択されているポイントが位置するフロア情報およびエリア情報を建物構造情報記憶部113から読み出す。なお、ポイントIDとフロア情報およびエリア情報は、互いに関連付けて建物構造情報記憶部113に記憶されている。
【0081】
次に、ルール実行部161は、ステップS32で取得されたフロアおよびエリアに入居するテナント情報をテナント情報記憶部114から読み出す(ステップS33)。より詳細には、ルール実行部161は、テナント情報記憶部114から、ステップS33で取得されたフロア情報およびエリア情報に対応するテナントIDを取得する。なお、このテナントIDは、通常であれば、ログイン中のユーザを示すIDである。
【0082】
次に、ルール実行部161は、取得されたテナントIDで識別されるテナントが入居する他のフロア情報またはエリア情報をテナント情報記憶部114から読み出す(ステップS34)。次に、ルール実行部161は、ステップS34で取得されたフロア情報とエリア情報とに属する複数のポイントの情報を、空調設備情報記憶部110および照明設備情報記憶部112から読み出す(ステップS35)。
【0083】
次に、ルール実行部161は、建物構造情報記憶部113を参照し、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントが位置するエリアに近い順に、ステップS35で読み出した複数のポイントの情報を並べる(ステップS36)。その後、ステップS36で出力された予測結果である、複数のポイントの情報を予測結果記憶部13に記憶する(ステップS37)。
【0084】
一方、ステップS31において、識別されたユーザのタイプがテナントでないと判定された場合(ステップS31:NO)、ログイン中のユーザは施設管理者であるとして、ルール実行部161は、画面上の選択ポイントにおける空調系統情報または熱源系統情報を空調設備情報記憶部110または熱源設備情報記憶部111から読み出す(ステップS38)。
【0085】
次に、ルール実行部161は、ステップS38で読み出した系統に属する他の設備のポイントに関する情報を空調設備情報記憶部110または熱源設備情報記憶部111から読み出す(ステップS39)。ルール実行部161は、例えば、選択ポイントが示す1系統目の空調機とは異なる、同一系統に属する他の空調機における給気温度などのポイントの収集データを示す情報を空調設備情報記憶部110から読み出す。
【0086】
次に、ルール実行部161は、ステップS39で取得したポイントに関する情報に対するユーザによる操作回数が多い順にポイントに関する情報の優先順位を指定して出力する(ステップS40)。その後、ルール実行部161は、ステップS40で出力されたポイントに関する情報を予測結果記憶部13に記憶する(ステップS37)。その後、予測結果に基づきユーザに推薦する情報は表示部15に表示される。
【0087】
以上説明したように、第2の実施の形態にかかるユーザ支援装置1Aによれば、NN部12に加えて、ルールベースによりユーザが次の操作対象とする情報を予測するルールベース予測部16をさらに備えるので、ユーザのタイプに応じて必要とされる情報をより的確に予測して提供することが可能となる。
【0088】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
第2の実施の形態では、NN部12に加えて、ルールベースでユーザが必要とする情報を予測して推薦するルールベース予測部16を備える場合について説明した。これに対し、第3の実施の形態では、ユーザ支援装置1Bは、ルールベース予測部16の代わりにアイテムベースでユーザが必要とする情報を予測するアイテムベース予測部17を備える。
【0090】
図9は、第3の実施の形態に係るユーザ支援装置1Bの機能構成を示すブロック図である。以下、第1および第2の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0091】
アイテムベース予測部17は、ポイント名称解析部170および単語検索部171を備える。
アイテムベース予測部17は、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントに関連する名称を単語単位に分解し、それらの単語がポイントの名称として含まれている他のポイントを次の操作対象として予測する。
【0092】
ポイント名称解析部170は、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントの名称をポイント情報記憶部115から取得して単語に分解する。例えば、ポイント名称解析部170は、選択ポイントのポイントIDと関連付けられているポイントの名称「給気温度」をポイント情報記憶部115から読み出す。ポイント名称解析部170は、ポイント名称「給気温度」を「給気」と「温度」とに分解して一時的に記憶する。
【0093】
単語検索部171は、ポイント名称解析部170によって分解されたポイントの名称を構成する単語と一致する単語を含む他のポイント名称をポイント情報記憶部115から検索する。例えば、単語検索部171は、ポイント名称「給気温度」以外に、単語「給気」が含まれるポイント名称をポイント情報記憶部115において検索する。
【0094】
また、単語検索部171は、検索結果として得られた複数のポイント名称に対応するポイントについて、ユーザによる操作回数が多いポイントから順に優先順位を指定する。単語検索部171によって取得されたポイントに関する情報をデータベース11から抽出する。単語検索部171によって取得され優先順位が指定されたポイントに関する情報は、ユーザが次の操作対象とする情報の予測結果として予測結果記憶部13に記憶される。
【0095】
情報推薦部14は、NN部12およびアイテムベース予測部17による予測結果に基づいて、画面に表示する次の操作対象を示す情報を推薦して出力する。情報推薦部14は、例えば、アイテムベース予測部17によって予測されたポイントに関する情報に基づいて、データベース11に格納されている監視対象に関する情報を読み出して表示部15に出力する。情報推薦部14は、NN部12とアイテムベース予測部17との予測結果に重み付けを設定して推薦する情報を選択してもよい。
【0096】
[ユーザ支援装置の動作]
次に、上述した構成を有するユーザ支援装置1Bの全体的な動作について
図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、NN部12は、ニューラルネットワークを用いて、ユーザの画面やポイント操作履歴およびデータベース11に格納されている監視対象に関する情報を学習して、これらの情報の特徴量を抽出する(ステップS1)。
【0097】
次に、NN部12は、ステップS1での学習処理によって抽出された特徴量に基づいてニューラルネットワークを構築し、次の操作対象とする情報に対するユーザの評価を予測する(ステップS2)。
【0098】
次に、アイテムベース予測部17は、ユーザによって選択されているポイントの名称を単語に分解し、同じ単語が含まれている他のポイントの名称に基づいて、ユーザが次の操作対象とする情報を予測する(ステップS3B)。その後、情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されているNN部12およびアイテムベース予測部17による予測結果に基づいて、推薦する情報を表示部15に出力する。表示部15は、情報推薦部14から取得した情報をユーザに推薦する情報として画面に表示する(ステップS4B)。表示部15は、例えば、画面の右下に推薦する情報を表示する。
【0099】
その後、ユーザによって画面操作が行われた場合には(ステップS5B)、再びステップS1からステップS4Bまでの予測処理が実行される。
【0100】
[アイテムベース予測処理]
次に、アイテムベース予測部17によって実行されるアイテムベース予測処理(ステップS3B)を
図11のフローチャートを用いて説明する。なお、
図10に示すNN部12による学習処理(ステップS1)および予測処理(ステップS2)は第1および第2の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0101】
ポイント名称解析部170は、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイント名称を単語に分解する(ステップS300)。より詳細には、ポイント名称解析部170は、表示部15の画面において選択されているポイントを示す情報についてポイント情報記憶部115を参照し、対応するポイント名称を読み出す。ポイント名称解析部170は良く知られている形態素解析などを用いてポイント名称を単語に分解する。
【0102】
次に、単語検索部171は、ポイント情報記憶部115を検索し、ステップS300で分解された単語と同一の単語が含まれるポイント名称を取得する(ステップS301)。単語検索部171は、ステップS300で分解された単語ごとに、該当するポイント名称を取得する。
【0103】
次に、単語検索部171は、ステップS301で取得された複数のポイント名称に基づいて、ユーザによる操作回数が多いポイントのポイント情報から順に優先順位を指定して、ユーザによる次の操作対象を示す予測結果として出力する(ステップS302)。予測結果記憶部13は、ステップS302で出力された予測結果を記憶する(ステップS303)。その後、予測結果に基づきユーザに推薦する情報は表示部15に表示される。
【0104】
以上説明したように、第3の実施の形態に係るユーザ支援装置1Bによれば、NN部12に加えて、アイテムベースにより、ユーザが次の操作対象とする情報を予測するアイテムベース予測部17をさらに備えるので、ユーザに選択されているポイントと関連性の高い情報をより的確に提供することが可能となる。
【0105】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1から第3の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
第1の実施の形態では、NN部12が、データベース11に格納されているユーザによる画面やポイント操作の履歴や監視対象に関する情報を学習し、次の操作対象とされる情報に対するユーザの評価を予測する場合について説明した。これに対し、第4の実施の形態では、アイテムベース協調フィルタリング部(学習器、第1協調フィルタリング部)18を備え、全ユーザの画面やポイントの操作履歴から画面間の類似度およびポイント間の類似度を学習し、類似する画面やポイントを次の操作対象として推薦する。
【0107】
図13は、第4の実施の形態に係るユーザ支援装置1Cの機能構成を示すブロック図である。以下、第1および第2の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0108】
画面操作履歴記憶部116Cは、施設監視システムを使用した全ユーザの画面操作履歴を記憶する。
ポイント操作履歴記憶部117Cは、施設監視システムを使用した全ユーザのポイント操作履歴を記憶する。
【0109】
アイテムベース協調フィルタリング部18は、類似度学習部180、画面類似度記憶部181、ポイント類似度記憶部182、および予測部183を備える。
【0110】
類似度学習部180は、画面操作履歴記憶部116Cに記憶されている全ユーザの操作履歴より、これまでに操作された画面間の類似度をよく知られている協調フィルタリングアルゴリズムにより学習する。また、類似度学習部180は、ポイント操作履歴記憶部117Cに記憶されている全ユーザのポイント操作履歴より、これまでに操作されたポイント間の類似度を同様に学習する。類似度学習部180は、例えば、ユークリッド距離、加重平均、またはピアソン係数などを用いて類似度を算出してもよい。
【0111】
画面類似度記憶部181は、類似度学習部180によって学習されたユーザの画面操作履歴に基づく画面間の類似度を記憶する。
ポイント類似度記憶部182は、類似度学習部180によって学習されたユーザのポイント操作履歴に基づくポイント間の類似度を記憶する。
【0112】
予測部183は、画面類似度記憶部181に記憶されている画面間の類似度に基づいて、ユーザが表示部15に表示している画面と類似度が高い画面の情報を画面操作履歴記憶部116Cから取得する。また、予測部183は、同様に、ポイント類似度記憶部182に記憶されているポイント間の類似度に基づいて、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントと類似度が高いポイントを示す情報をポイント操作履歴記憶部117Cから取得する。
【0113】
予測結果記憶部13は、予測部183によって取得された画面およびポイントを示す情報を予測結果として記憶する。
【0114】
情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されている予測結果に基づいて、ユーザによる次の操作対象を推薦して表示部15に出力する。情報推薦部14は、例えば、類似度の高い順に上位5位までの画面の情報を出力してもよい。また、情報推薦部14は、類似度の高い順に、例えば、上位10位までのポイントを示す情報を出力してもよい。
【0115】
[ユーザ支援装置の動作]
次に、上述した構成を有するユーザ支援装置1Cの動作について
図13のフローチャートを用いて説明する。
前提として、画面操作履歴記憶部116Cおよびポイント操作履歴記憶部117Cには、予め全ユーザによる操作履歴が記憶されている。
【0116】
まず、類似度学習部180は、全ユーザの画面操作履歴に基づいて画面間の類似度を学習する(ステップS100)。次に、類似度学習部180は、全ユーザのポイント操作履歴に基づいて、ポイント間の類似度を学習する(ステップS101)。類似度学習部180によって学習された画面間およびポイント間の類似度は、それぞれ画面類似度記憶部181およびポイント類似度記憶部182に記憶される。
【0117】
次に、予測部183は、画面間の類似度に基づいてユーザが表示部15に表示している画面と類似する(関連性のある)画面に関する情報を画面操作履歴記憶部116Cから抽出する(ステップS102)。次に、予測部183は、ポイント間の類似度に基づいてユーザによって画面上で選択されているポイントと類似する(関連性のある)ポイントを示す情報をポイント操作履歴記憶部117Cから抽出する(ステップS103)。予測部183によって抽出された画面に関する情報およびポイントを示す情報は予測結果として予測結果記憶部13に記憶される。
【0118】
次に情報推薦部14は、予測結果に基づいて、次の操作対象となる情報を推薦し、表示部15を介してその情報を表示する(ステップS104)。より詳細には、表示部15は、類似する画面に関する情報については、類似度が高い順に画面右下に表示する。また、表示部15は、類似するポイントについても、同様に類似度が高い順に画面右下に表示する。
【0119】
その後、ユーザによる画面操作があった場合には(ステップS105:YES)、再びステップS100からステップS104を繰り返して実行し、画面類似度記憶部181およびポイント類似度記憶部182の情報を更新する。なお、類似度学習部180は、ユーザによる画面操作に基づいて受信した指令により、画面類似度記憶部181およびポイント類似度記憶部182に記憶されている学習結果をクリアすることができる。
【0120】
以上説明したように、第4の実施の形態に係るユーザ支援装置1Cによれば、アイテムベースの協調フィルタリングによって、全ユーザの画面操作およびポイント操作の履歴に基づき、画面間の類似度およびポイント間の類似度を学習する。また、学習した類似度に基づいて、ユーザによって表示されている画面や選択されているポイントと類似する画面やポイントを次の操作対象として推薦する。そのため、単なる情報の紐づけ関係では対応できないようなユーザの要求が反映された情報を、より的確に予測して提供することができる。
【0121】
なお、第4の実施の形態に係るユーザ支援装置1Cは、アイテムベース協調フィルタリング部18と第2および第3の実施の形態で説明したルールベース予測部16、およびアイテムベース予測部17と組み合わせた構成を採用してもよい。
【0122】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1から第4の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0123】
第4の実施の形態では、アイテムベース協調フィルタリング部18が、ユーザの画面操作およびポイント操作履歴に基づいて画面間およびポイント間の類似度を学習し、ユーザの次の操作対象を予測する場合について説明した。これに対し、第5の実施の形態に係るユーザ支援装置1Dは、ユーザベース協調フィルタリング部(学習器、第2協調フィルタリング部)19を備え、ユーザごとの画面操作履歴からユーザ間の類似度を学習し、次の操作対象として画面に表示する情報を予測し推薦する。
【0124】
図14は、第5の実施の形態に係るユーザ支援装置1Dの機能構成を示すブロック図である。以下、第1から第4の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0125】
画面操作履歴記憶部116Dは、施設監視システムを過去に使用したユーザごとの画面操作履歴を記憶する。より詳細には、画面操作履歴記憶部116Dは、ユーザを識別するIDと関連付けて画面操作履歴を記憶する。
【0126】
ポイント操作履歴記憶部117Dは、施設監視システムを過去に使用したユーザごとのポイント操作履歴を記憶する。より詳細には、ポイント操作履歴記憶部117Dは、ユーザIDと関連付けてポイント操作履歴を記憶する。
【0127】
ユーザベース協調フィルタリング部19は、類似度学習部190、画面類似度記憶部191、ポイント類似度記憶部192、画面−ポイント類似度記憶部193、および予測部194を備える。
【0128】
類似度学習部190は、画面操作履歴記憶部116Dに記憶されているユーザごとの画面操作履歴より、ユーザ間の類似度をよく知られている協調フィルタリングアルゴリズムにより学習する。より詳細には、類似度学習部190は、現在画面を操作しているユーザに類似する他のユーザの画面操作履歴から、次の操作対象として表示する画面に関する情報を予測する。類似度学習部180は、例えば、ユークリッド距離、加重平均、またはピアソン係数などを用いて類似度を算出してもよい。
【0129】
類似度学習部190は、ポイント操作履歴記憶部117Dに記憶されているユーザごとのポイント操作履歴より、ユーザ間の類似度を同様に学習する。より詳細には、類似度学習部190は、現在画面上でポイントを選択しているユーザに類似する他のユーザのポイント操作履歴から、次の操作対象として表示するポイントに関する情報を予測する。
【0130】
また、類似度学習部190は、画面操作履歴記憶部116Dに記憶されているユーザごとの画面操作履歴、およびポイント操作履歴記憶部117Dに記憶されているユーザごとのポイント操作履歴より、ユーザ間の類似度を学習する。より詳細には、類似度学習部190は、現在画面を操作しているユーザに類似する他のユーザのポイント操作履歴から、次の操作対象として表示するポイントに関する情報を予測する。
【0131】
画面類似度記憶部191は、類似度学習部190によって学習されたユーザごとの画面操作履歴に基づくユーザ間の類似度を記憶する。
ポイント類似度記憶部192は、類似度学習部190によって学習されたユーザごとのポイント操作履歴に基づくユーザ間の類似度を記憶する。
画面−ポイント類似度記憶部193は、類似度学習部190によって学習されたユーザごとの画面操作履歴およびポイント操作履歴に基づくユーザ間の類似度を記憶する。
【0132】
予測部194は、画面類似度記憶部191に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、現在ユーザが表示部15に表示している画面と関連性のある画面に関する情報を画面操作履歴記憶部116Dから取得する。予測部194は、同様に、ポイント類似度記憶部192に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントと関連するポイントに関する情報をポイント操作履歴記憶部117Dから取得する。
【0133】
また、予測部194は、画面−ポイント類似度記憶部193に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、現在ユーザが表示部15に表示している画面と関連のあるポイントに関する情報をポイント操作履歴記憶部117Dから取得する。
【0134】
予測結果記憶部13は、予測部194によって取得された画面およびポイントに関する情報を予測結果として記憶する。
【0135】
情報推薦部14は、予測結果記憶部13に記憶されている予測結果に基づいて、ユーザによる次の操作対象となる情報を推薦して表示部15に出力する。情報推薦部14は、例えば、類似度の高い順に上位5位までの画面の情報を推薦する情報として優先順位を指定して出力してもよい。また、情報推薦部14は、類似度の高い順に、例えば、上位10位までのポイントを示す情報を推薦する情報として優先順位を指定して出力してもよい。
【0136】
[ユーザ支援装置の動作]
次に、上述した構成を有するユーザ支援装置1Dの動作について
図15のフローチャートを用いて説明する。
前提として、画面操作履歴記憶部116Dおよびポイント操作履歴記憶部117Dには、予めユーザごとの操作履歴が記憶されている。
【0137】
まず、類似度学習部190は、ユーザごとの画面操作履歴に基づいてユーザ間の類似度を学習する(ステップS1000)。次に、類似度学習部190は、ユーザごとのポイント操作履歴に基づいて、ユーザ間の類似度を学習する(ステップS1001)。次に、類似度学習部190は、ユーザごとの画面操作履歴およびポイント操作履歴に基づいて、ユーザ間の類似度を学習する(ステップS1002)。
【0138】
類似度学習部190によって学習されたユーザ間の類似度は、それぞれ画面類似度記憶部191、ポイント類似度記憶部192、および画面−ポイント類似度記憶部193に記憶される。
【0139】
次に、予測部194は、画面類似度記憶部191に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、類似するユーザの画面操作履歴から現在ユーザが表示部15に表示している画面と関連する画面に関する情報を取得する(ステップS1003)。次に、予測部194は、ポイント類似度記憶部192に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、類似するユーザのポイント操作履歴から現在ユーザが表示部15の画面上で選択しているポイントと関連するポイントに関する情報を取得する(ステップS1004)。
【0140】
次に、予測部194は、画面−ポイント類似度記憶部193に記憶されているユーザ間の類似度に基づいて、類似するユーザのポイント操作履歴から現在ユーザが表示部15に表示している画面と関連するポイントに関する情報を取得する(ステップS1005)。予測部194によって取得された画面に関する情報およびポイントに関する情報は予測結果として予測結果記憶部13に記憶される。
【0141】
次に情報推薦部14は、予測結果に基づいて、ユーザの次の操作対象となる情報を推薦し、表示部15を介して表示する(ステップS1006)。表示部15は、例えば、推薦する画面情報およびポイントを画面右下に表示する。また、表示部15は、複数の推薦する画面に関する情報およびポイントについて、関連性が高い順に画面右下に表示してもよい。
【0142】
その後、ユーザによる画面操作があった場合には(ステップS1007:YES)、再びステップS1000からステップS1006が繰り返して実行され、画面類似度記憶部191、ポイント類似度記憶部192、および画面−ポイント類似度記憶部193の情報が更新される。なお、類似度学習部190は、ユーザによる画面操作を介して受信した指令により、画面類似度記憶部191、ポイント類似度記憶部192、および画面−ポイント類似度記憶部193に記憶されている学習結果をクリアすることができる。
【0143】
以上説明したように、第5の実施の形態に係るユーザ支援装置1Dによれば、ユーザベースの協調フィルタリングによってユーザごとの画面操作およびポイント操作の履歴に基づいて、ユーザ間の類似度を学習する。また、学習した類似度に基づいて、類似するユーザの画面操作履歴およびポイント操作履歴から現在のユーザによって表示されている画面や選択ポイントに関連する画面情報やポイントを次の操作対象として推薦する。そのため、単なるポイントと画面との紐づけ関係では対応できないようなユーザの要求が反映された情報を、より的確に予測して提供することができる。
【0144】
なお、第5の実施の形態に係るユーザ支援装置1Dは、ユーザベース協調フィルタリング部19と、第2および第3の実施の形態で説明したルールベース予測部16、およびアイテムベース予測部17とを組み合わせた構成を採用してもよい。
【0145】
以上、本発明のユーザ支援装置およびユーザ支援方法における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。