【解決手段】システムは、インタフェイスデバイスを含む。ユーザインタフェイスは、ユーザからの入力を受けてコントローラ信号を出力する仮想又は拡張現実コントローラと、仮想又は拡張現実コントローラに及び機械的グラウンドに結合された触覚出力デバイスとを含む。触覚出力デバイスは、触覚効果を出力する。システムは、仮想又は拡張現実コントローラ及び触覚出力デバイスに結合されたプロセッサを含み、コントローラ信号を受信することと、コントローラ信号に部分的に基づいて触覚効果を決定することと、触覚効果に関連付けられた触覚信号を触覚出力デバイスに送信することとを行う。
前記触覚出力デバイスはさらに、前記仮想又は拡張現実コントローラと前記機械的グラウンドとの相対位置を検出するセンサを含んで前記相対位置を反映したセンサ信号を生成し、
前記プロセッサは、前記センサ信号を受信して前記センサ信号に少なくとも部分的に基づいて前記触覚効果を決定する請求項5のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、様々なかつ代替の例示的実施形態を及び添付の図面を詳細に参照する。説明を介するが、制限としてではなく、各例が与えられる。当業者にわかることだが、修正及び変形を行うことができる。例えば、一実施形態の一部として示され又は記載される特徴が、他実施形態において、なおもさらなる実施形態を得るべく使用することができる。すなわち、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入る修正及び変形が本開示に含まれることが意図される。
【0010】
VRコントローラへの運動感覚触覚フィードバックのためのデバイスの説明例
【0011】
一つの例示の実施形態は、一対のVRコントローラを含むゲーミングシステムであり、当該一対のVRコントローラは当該ゲーミングシステムと通信する。VRコントローラにより、ユーザは、仮想環境と及び当該環境内のオブジェクトと相互作用をすることができる。使用時、ユーザは、自分の手を自然位置に保持する。こうして、これらのコントローラは多くの場合、近似的に10センチメートルから100センチメートル以上の距離だけ離れる。そして、従来型コントローラは振動触覚を与えることができるが、そのようなコントローラは、ここに記載されるような運動感覚触覚フィードバックを与えることはできない。
【0012】
例示の実施形態において、これらのVRコントローラは、テレスコーピングロッドアセンブリを介して互いに物理的に接続される。例示のアセンブリは、2つのコントローラ間の相対的に大きな変位を介して運動感覚触覚フィードバックを与えるように構成される。運動感覚触覚フィードバックは、強制的なユーザ相互作用を伝えるのに有用である。例えば、仮想、拡張又は混合現実システムにおいて、ユーザは、オブジェクトを直接操作することができる。このような特徴が、益々顕著になりつつある。
【0013】
例示のシステムはまた、ロッドの、完全に伸びた状態及び完全に縮んだ状態に対する伸びを示す信号を与えるべく構成されたセンサを含む。センサ信号は、これらのVRコントローラ間の距離を決定するべく使用することができる。
【0014】
例示のシステムはまた、テレスコーピングロッドの収縮及び伸展に抵抗する触覚出力デバイスを含む。これを、運動感覚触覚効果を与えるべく使用することができる。システムは、センサ信号を受信し、触覚効果を決定し、その後、適切な触覚効果信号を生成して触覚出力デバイスに送信するべく、ゲーミングシステムのプロセッサ、又は別個のプロセッサを利用することができる。
【0015】
例えば、ユーザは、VRバスケットボールゲームを実行し、その後、バスケットボールを保持しようとすることができる。ユーザが、VRコントローラ間の距離を減少させることによってボールをつかもうとするとき、センサは、その動きを示す一つ又は複数の信号をゲーミングシステムに送信する。ゲーミングシステムは、信号を受信し、その後、当該信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに出力すべき触覚効果を決定する。例えば、双方のVRコントローラがボールの直径に等しい距離に配置される場合、ゲーミングシステムは、当該コントローラが互いに向かうさらなるいずれの動きにも抵抗し、これにより、ユーザはまるで自分がそのボールを強くつかんでいるかのように感じる。この効果は、仮想オブジェクトの特徴に基づいて変化し得る。例えば、ボールが柔らかい場合、この効果は、わずかな抵抗から始まって急に増加し、最後にはユーザは、当該コントローラを互いに向かって動かすことができなくなる。ゲーミングシステムは次に、触覚効果を生成する触覚出力デバイスに触覚信号を出力する。一実施形態の例において、仮想オブジェクトはボールを含み、かかる実施形態において触覚出力デバイスは、当該コントローラが互いに向かういずれの動きにも抵抗する。
【0016】
触覚による伸展性錯覚のための例示のシステム
【0017】
図1は、仮想現実コントローラに運動感覚フィードバックを与える例示のシステムを示す。例示の実施形態において、システムは、第1VRコントローラ102及び第2VRコントローラ104を含み、双方はケーブル106によって接続される。ケーブル106は、ポイント108においてコントローラ102に固定される。
【0018】
コントローラ104に固定されるのは、スプール110である。スプール110は、センサと、スプール110にケーブルを巻取らせるためのばね又はモータのような機構とを含む。スプール110はまた、スプール110の動きに抵抗し、ひいては触覚効果を与える機構も含む。例えば、スプールは、以下に詳細に記載されるブレーキを含み得る。ケーブル106及びスプール110は、まとめてケーブルアセンブリと称してよい。
【0019】
図1に示される実施形態は、ケーブル108が伸びるときに(すなわち一方向のみに)抵抗触覚効果を与える単数自由度の実装例である。デフォルトの非作動相互作用の間、ユーザが2つのコントローラ102、104間の距離を増やしたり減らしたりすると、ケーブル108は、スプール110から自由に繰り出されたり巻き戻されたりする。
【0020】
このような実施形態は、様々なユーザ相互作用において使用することができる。例えば、このようなハンドヘルドコントローラによる両手相互作用の多くには、利き手及び非利き手が関与する。例えば、ユーザがその利き手(例えば右手)によりオブジェクトにタッチし又は弓の弦を引く場合、ユーザはその非利き手(例えば左手)を相対的に静止したまま保持する。2つの手を外に向けて伸ばすことでさえ、静止した非利き手と動く利き手とが2つのコントローラ102、104間の距離を2倍の速度で増やすこととして(運動感覚触覚フィードバックの観点から)概念化できる場合が多い。
図1に示されるアセンブリは、相対的に長い範囲の伸展の動きの間に運動感覚触覚フィードバックを与えることができる。例えば、ケーブル108は、2つのコントローラ102、104間に所望される最大距離に基づくサイズにすることができる。
【0021】
かかるシステムがどのように使用され得るのかの一例が、ユーザが矢を射ることを許容するVRゲームを目的とする。ユーザが仮想弓を引き戻してコントローラ102、104間の距離を増やすとき、スプール110の触覚出力デバイスは、抵抗性の触覚フィードバックを与えることができる。かかる実施形態において、触覚出力デバイスは、ケーブル106の放出を遅くするブレーキ機構、ケーブル106を放出する機構、又はケーブル106を引き込む機構を含み得る。一実施形態が使用され得る他例は、ユーザが仮想オブジェクトにタッチすることができるVR環境である。かかる環境において、ユーザは、オブジェクトにタッチしようとするときに左手及び右手間の相対距離を広げるのが典型的である。したがって、スプール110における触覚出力デバイスをアクティブにすることによる多くのタッチ相互作用を目的として、ユーザがオブジェクトにタッチしようと手を伸ばすときに運動感覚フィードバックを与えることができる。例えば、ユーザがオブジェクトの縁に「タッチ」するとき、ブレーキ機構を含む触覚出力デバイスは、両コントローラ間の相対的な動きを停止させることができる。触覚出力デバイスはまた、運動感覚効果に加えて振動触覚効果も与えることができる。振動触覚効果は、ブレーキ機構の力を変化させることによって与えることができる。これらの例は、抵抗性の触覚により強制的触覚フィードバックを与えるべく使用することができる設計タイプを、伸展(例えばケーブル108の繰り出し)中に生じる設計タイプに限定することを意図しない。
【0022】
図2は、仮想現実コントローラに運動感覚フィードバックを与える他の例示のシステムを示す。
図1に示される実施形態と同様に、
図2の実施形態も、2つのVRコントローラ102、104を含む。
図2はまた、ケーブルアセンブリも含むが、
図2のケーブルアセンブリは、一経路沿いの2つの方向に沿って(すなわち伸展及び収縮双方に)触覚フィードバックを与えることができる。示される実施形態において、多数の実施形態が実現可能であるが、ケーブル機構は、2つのケーブルセグメント206a、206bを含む。ケーブルセグメント206a、206bは、ポイント214においてコントローラ102に固定される。ケーブルセグメントの一方206aは、一端がプーリ208まわりに巻き付けられ、スプール210まわりに巻き付けられる。第2のケーブルセグメント206bは、スプール210まわりに巻き付けられる。スプール210は、時計回りにスピンすると、ケーブルセグメント206aに張力を与える一方、同時にケーブルセグメント206bの張力を解放する。反対に、スプール210は、反時計回りにスピンすると、ケーブルセグメント206bに張力を与える一方、同時にケーブルセグメント206aの張力を解放する。スプールにブレーキ力を適用することにより、コントローラ102、104の互いに対する動きが抵抗を受ける。
【0023】
プーリ208及びスプール210は、ビーム212のいずれかの端に接続される。ビーム212は、プーリ208及びスプール210が互いに向かって動くことを防止するが、コントローラ102がビームに固定されることにより、触覚フィードバックアセンブリが、互いに向かって及び互いから離れるように動くコントローラ102、104に極わずかな抵抗を与える。好ましくは、触覚フィードバックアセンブリは、コントローラ102、104に加わる重量を低減し、ひいてはユーザにもたらされる潜在的な疲労を低減するべく、軽量材料によって構築される。
【0024】
図2に示されるように、左側のコントローラ102上のアンカーポイント214が、当該コントローラをケーブルセグメント206a、206bに、その長さに沿って接続する。
図2に示されるケーブルは、2つのセグメントを含むが、他実施形態において、ケーブルは、一つのみの又は2つを超えるセグメントを含んでよい。
【0025】
ユーザが2つのコントローラ102、104間の距離を伸ばすと、ケーブルセグメント206bが張力を受け、ブレーキが触覚フィードバックを与える。ユーザが当該2つのコントローラ間の距離を縮めると、ケーブルセグメント206aが張力を受け、ブレーキが触覚フィードバックを与える。この設計により、大きな範囲の運動感覚触覚効果を、2つのハンドヘルドコントローラ102、104間の距離の任意の伸展又は収縮に対して与えることが可能となる。好ましくは、望ましくないトルク又は慣性力を最小限にするべく、アセンブリの質量を相対的に低くする必要がある。
【0026】
図3は、仮想現実コントローラに運動感覚フィードバックを与えるさらに他の例示のシステムを示す。
図3に示される実施形態において、VRコントローラ102、104は、ポイント308及び310それぞれにおいて、テレスコーピングロッドアセンブリ306によって接続される。
図2の実施形態と同様に、
図3に示される実施形態も、非常に硬いが滑らかな触覚効果を与えることができる。しかしながら、
図3に示される実施形態は、それを、使用中にコントローラ102、104の縁を超えて突出するいずれのアセンブリを有することなく行うことができる。かかる実施形態は、両手の大きな動きが関与するユーザ相互作用に(例えば両手の間の距離を完全に伸ばす必要がある2メートル/6フィートのアームスパンのある人に)特に適している。
【0027】
いくつかの実施形態において、触覚ロッドはケーブルの利点又は使用を与えることができる。例えば、触覚ロッドのケーブルに対する利点は、ユーザの作業空間内にケーブルのスパイダーウェブが低減されることである。単数のロッドアセンブリは、多くの場合、3つ以上のケーブルの集合を必要とするものに等しい運動感覚フィードバックを与えることができ、多くの相互作用にとって実用的となり得る。他実施形態において、ケーブル及び触覚ロッドを一緒に実装して触覚フィードバックを与えることができる。
【0028】
図3に示される実施形態は、ロッドが伸展及び収縮するときに運動感覚触覚フィードバックをもたらすブレーキ機構(図示せず)を含む。すなわち、ブレーキ機構が、テレスコーピングロッド触覚フィードバックアセンブリ306の進展又は収縮に抵抗する。
図3に示されるテレスコーピング触覚ロッドアセンブリが5つのセグメントを有するが、様々な代替実施形態が、コントローラ102、104間に維持されるのが望ましい最大距離及び最小距離に応じて、これよりも少ない又は多いセグメントを含み得る。すなわち、ユーザが、2つのコントローラ102、104を非常に密接に一緒に(例えば10センチメートル/4インチ未満)動かすためには、小さなセグメントが多数必要となる。コントローラ102、104を非常に遠くに離れるように(例えば1メートル/3フィート超過)動かすためには、可能な限り長いセグメントが多数必要となる。コントローラ間のかなり大きな距離を必要とする実施形態(例えば部屋スケールのVR環境)においては、テレスコープのセグメントの代わりに又はそれと組み合わせて、長いケーブル又はビームが使用され得る。
図3に示されるもののような実施形態において、付加的なテレスコーピングセグメントのそれぞれが、全体的な硬さを低減して、全体的な最小摺動摩擦(すなわち「触覚なし」の進展又は収縮相互作用中のベース抵抗)をわずかに増加させる。
【0029】
いくつかの実施形態において、テレスコープ状のテレスコーピング触覚ロッドアセンブリ306はその代わり、硬度が変化し得るスマート材料のような可撓性材料を含み得る。かかる実施形態において、ロッドアセンブリ306は、2つのコントローラ102、104間の触覚フィードバックを与える単数のセグメントを含むかもしれない。
【0030】
図4は、運動感覚フィードバックを与えるべく構成された仮想現実コントローラに機械的グラウンドを与える一実施形態の例を示す。
図4に示される実施形態においては、2つのハンドヘルドコントローラを一緒に機械的グラウンドにするよりもむしろ、各ハンドヘルドコントローラ、又は手首のような他の接触ポイントを、装着可能なウェストベルト又はベストに付着することができる。図示の実施形態は、ユーザの左手首及び右手首それぞれのための2つのリストバンド402a、402bを含む。リストバンド402a、402bはそれぞれが、ウェストバンド又はベルト404に付着される。ウェストベルト404は、運動感覚をリストバンド402a、402bに適用するための機械的グラウンドを与える。いくつかの実施形態において、ウェストバンド404は、ユーザのウェストまわりに回転することがないように構成される。
【0031】
図示の実施形態はまた、2つの運動感覚触覚ロッド406a、406bを含む。これらのロッド406a、406bはそれぞれが、第1端においてリストバンド402a、402bに接続され、他端すなわち遠位端においてウェストバンド404に接続される。運動感覚触覚ロッド406a、406bはそれぞれが、伸展又は収縮時に抵抗を与えることができるブレーキ機構を有する。
【0032】
図4に示される実施形態において触覚ロッド406a、406bがユーザのウェストに付着されるが、他実施形態において、触覚ロッド406a、406bは、当該効果に対して想定される特定の使用事例に応じて、ユーザのウェストの正面の中心に付着されてよい。加えて、様々な実施形態が、例えば腕又はユーザ胴体上の他のポイントのような、ユーザ身体上の異なるポイントを使用してよい。さらに、ユーザの手首402a、402bにおける接合部が、自由に動いてよく、又は何らかのタイプの付加的触覚出力デバイスを含んでよい。
【0033】
図4に示されるもののような実施形態により、ユーザは広範な動きを得ることができる。さらに、典型的なVRセッションが、少なくとも15〜20分続き、その結果、ユーザに疲労を与えるようにしてよい。
図4に示されるもののような実施形態は、ユーザの疲労を軽減するのに役立ち得る。両腕のサポート及び運動感覚フィードバックを与えるべくロッド406a、406bの硬さを連続的に調整することができるからである。ユーザは典型的に、力の絶対的なレベルよりも相対的な変化の方に敏感である。このように、テレスコーピングロッドの硬度の相対的な増加又は減少により、ベースレベルの疲労サポートに加えて強制的な触覚効果が得られる。かかる実施形態はまた、2つのモードすなわち(i)疲労サポートと(ii)自由形式の運動感覚触覚とを交互に切り替えることができる。疲労サポートモードは、例えば、高いベース硬度を有し得る。この場合、調整の焦点は、空中のジェスチャ及び他の相互作用を行いながらユーザの腕への重力の疲労効果を低減することに当てられる。これとは対照的に、自由形式の運動感覚状態は、非常に低いベース硬度を有し得る。この場合、調整の焦点は、ユーザがいずれかの腕を動かすときに強制的な運動感覚触覚を生成することに当てられる。他実施形態において、触覚ロッド406a、406bの代わりにケーブルを使用することができる。かかる実施形態は疲労サポートに寄与しないかもしれないが、自由形式の運動感覚触覚を与えることができる。実施形態はまた、システムの安全性を高めるのに役立ち得る。例えば、かかるデバイスは、ユーザの動きを、捻挫、繰り返しの挫傷等の機会を減らす生体力学的に安全な動きに規制するように設計することができる。
【0034】
図5は、運動感覚フィードバックを与えるべく構成された仮想現実コントローラに機械的グラウンドを与える他実施形態の例を示す。
図5に示される実施形態において、コントローラ502に、触覚ロッドアセンブリ504の一端が付着される。触覚ロッドアセンブリ504の他端は、ベース506に付着される。機械的グラウンド508は、当該アセンブリが(電気的グラウンドとは対照的に)付着される固体表面であり、環境中の、(
図4においてのような)ユーザ身体以外の任意のオブジェクトとしてよい。例えば、いくつかの実施形態において、機械的グラウンド508は、部屋の壁、天井又は床としてよい。他実施形態において、機械的グラウンドは、ビデオゲームコンソールとしてよい。
【0035】
ベース506は、様々な方法を使用して機械的グラウンド508に付着させることができる。例えば、触覚ケーブル又はロッドアセンブリをユーザの環境に付着させるべく、超高接合(VHB)ストリップのような取り外し可能接着剤を使用してよい。例えば、ゲームプレイヤーが、ゲームプレイセッションの前に、一つ以上のケーブル及び/又はロッドを自身の環境にあるテーブル又は壁に付着させることができる。多数のケーブルアセンブリが、使用されない場合に完全に巻き取ることができるので、いくつかの消費者(又は可能であればアーケード)VR環境にとって実用的となり得る。
【0036】
図5に示される実施形態が、コントローラ502からベース506まで伸びる一つの触覚ロッド504を含むが、他実施形態において、多数の触覚ロッドを利用してよい。例えば、第1触覚ロッドが一方向に伸びる一方、第2触覚ロッドが第1触覚ロッドから90度の角度で伸びる。かかる実施形態は、さらに効率的に多方向触覚フィードバックを与えることができる。例えば、2つのロッドを含む実施形態が、2次元フィードバックを効率的に与えることができる一方、3つのロッドを含む実施形態は、3次元フィードバックを与えることができる。かかる実施形態は、様々な組み合わせの触覚効果をユーザに与えることができる。そして、ここに記載される他実施形態と同様に、かかる実施形態も使用中のユーザ疲労を軽減するのに役立ち得る。
【0037】
図6A及び6Bは、仮想現実コントローラに運動感覚フィードバックを与えるトランスデューサの例を示す。
図6aに示される実施形態において、触覚ロッドアセンブリは、内側ロッド602及び外側ロッド604を有する。内側ロッド602は、外側ロッド604内に嵌り得るように小さな直径を有する。触覚ロッドアセンブリはまた、ホイール606も含む。ホイール606は、内側ロッド602にブレーキ力を適用することができるように構成される。例えば、一実施形態において、ホイールは、ホイール606に力を及ぼすモータのシャフトに固定される。ホイール606はまた、内側ロッド602に接触する外表面を有する。これにより、ホイール606は、触覚効果を与えるべく内側ロッド602にブレーキ力又は抵抗力を与えることができる。
【0038】
図6Bに示される他実施形態において、触覚フィードバックアセンブリはまた、内側ロッド602及び外側ロッド604を有する。しかしながら、
図6Bに示される実施形態において、内側ロッド602は、内側ロッド602に付着されたブレーキ608を有する。ブレーキ608は、力を外側ロッド604に及ぼすように構成されるので、2つのロッド602、604の互いに対する動きが抵抗を受ける。触覚出力デバイス608は、アクティブにされ及び解放されると、内側ロッド602と外側ロッド604との間の摺動摩擦を増加又は減少させる。触覚出力デバイス608は、例えば、電気粘性流体、水理学的流体、空気圧アセンブリ又は形状曲げ材料を含む様々な材料を含んでよい。触覚出力デバイス608は、電磁ブレーキ、空気袋、油圧ブレーキ、ラックアンドピニオンブレーキのようなブレーキとして構成することができる。他実施形態において、触覚出力デバイス608は、電気インパルスのような入力に応答して伸展又は収縮する電気活性高分子のようなスマート材料を含んでよい。
【0039】
図7は、運動感覚フィードバックを与えるべく構成された通常緩みアセンブリを有する仮想現実コントローラのための他実施形態の例を示す。
図7に示される実施形態はコントローラ702を含む。通常緩みアセンブリは、触覚効果をコントローラに出力するべく構成される。図示の実施形態において、コントローラは、ケーブル704の第1端に付着される。ケーブルは通常緩んでいるが、コントローラから離れる方向に力を及ぼすことによりピンと張ることができる。
【0040】
ケーブル704の第2端は、アクチュエータ706に付着される。例えば、アクチュエータは、小さなモータと、ケーブルをアクチュエータ706のハウジング内に引き込むスプールとを含み得る。ケーブルを引き込むことにより、アクチュエータ706は、制御器702に触覚効果を出力することができる。例えば、ケーブル704を迅速に引き込んだ後に解放することにより、アクチュエータ706は、コントローラ702に、グイっと引っ張る効果を引き起こすことができる。
【0041】
アクチュエータ706は、ストラップ708の第1端に付着される。ストラップ708の第2端は、ループ710に付着される。ストラップ708及びループ710は、アクチュエータ706をアンカー留めするグラウンドとして機能する。例えば、ループ710は、ユーザが、当該ユーザの手首まわりに装着することができるので、それに対するアンカーとなって、アクチュエータ706がケーブル704に力を及ぼすことが許容される。ケーブル704及びアクチュエータ706は一緒になって、ストラップ708とコントローラ702との結合部を形成する。
【0042】
かかる実施形態において、触覚フィードバックは、その他の点では可撓性のかつ緩んだアセンブリに対するグイっと引っ張る感覚も含み得る。通常緩みアセンブリを含む他実施形態は、可撓(すなわち「緩み」)状態を有するケーブル又はビームを含み得る。かかる実施形態のいくつかにおいて、緩みビームは、硬度が変化可能なスマート材料を含み得る。
【0043】
図1〜7に示される実施形態は、単数のアンカーポイントを有するコントローラを示すが、いくつかの実施形態において、コントローラは、付加的なアンカーポイントを含んでよく、又は付加的な身体箇所にアンカー留めされてよい。例えば、触覚対応のケーブル、ストラップ又はビームを、ユーザの腰に加えてユーザの前腕と手との間に、又はユーザの指の複数とユーザの手との間にアンカー留めしてよい。さらに、多数の触覚ケーブル、ストラップ又はビームを、同時に多方向に力を与えるべく様々な態様で組み合わせてもよい。触覚出力デバイスの異なる方向又はタイプの数は、空間又はコストの制約によって限られ得る。例えば、好ましい実施形態は、一つから3つの触覚出力デバイスを含み得る。なおもさらなる実施形態において、様々な触覚効果を有効にするべく、例えば、混合タイプ(例えば一つのロッドと一つのスプール)を含む複数のアンカー留めされた連結部を実装することができる。例えば、阻止力として作用する第1タイプのアクチュエータが利用される一方、せん断、ねじり、又は振動触覚の効果のために第2タイプのアクチュエータが使用される。
【0044】
図8は、仮想現実コントローラに運動感覚フィードバックを与える一実施形態の例のための方法ステップのフローチャートである。方法は、プロセッサが、
図1〜4に示されるコントローラのようなコントローラから信号を受信するステップ802から始まる。プロセッサは、例えば、ゲーミングコンソールの中にあるプロセッサとしてよい。プロセッサは、有線又は無線の接続を介してコントローラと通信し、ゲームにおける動作を制御するべくセンサ信号を受信することができる。
【0045】
プロセッサはまた、コントローラに付着された触覚ロッド又はケーブルアセンブリの相対位置を示すセンサ信号をセンサから受信する804。例えば、センサ信号は、触覚ロッドに付着されて当該触覚ロッドが進展又は収縮している程度を報告するべく構成されたセンサから受信することができる。
【0046】
プロセッサは、コントローラ信号及びセンサ信号を使用して触覚効果を決定する806。例えば、一つのシナリオにおいて、ユーザはゲームをプレイしており、そのゲームにおいてオブジェクトの縁を「タッチ」する。触覚ロッドが完全に進展されると、ユーザはその後、コントローラをベースに向けて下げようと、すなわちロッドを圧縮しようと試みる。プロセッサは、オブジェクトの縁を反映するように触覚ロッドがユーザの動作に対して抵抗するべきことを決定して、そうするべく触覚効果を生成する。
【0047】
プロセッサはその後、触覚出力デバイスに当該効果を出力させるべく触覚信号を出力する808。触覚ロッドにおける触覚出力デバイスが、ユーザによる圧縮に抵抗力を及ぼす。このようにして、ゲームにおいてユーザは、オブジェクトの縁を感じることができる。
【0048】
本発明の実施形態は、様々な異なるアプリケーションにおいて利用することができる。例えば、実施形態は、上述した弓矢の例、カーレーシングシミュレータ、又はバスケットボールゲームのような様々なゲーミングアプリケーションにおいて使用することができる。
【0049】
例えば、一実施形態において、ユーザはバスケットをプレイしている。ユーザがボールを拾い上げようとして下方に手を伸ばして当該ボールと仮想的に接触すると、ユーザの手が集まり又はグラウンドに近づく。そして、実施形態は、バスケットボールの縁を模擬するべく、触覚ロッドの圧縮に対して抵抗力を与えることができる。その後、ユーザがバスケットボールをグラウンドから持ち上げると、触覚ロッドは、ユーザの手の中のバスケットボールの重力を模擬するべく他の小さな抵抗力を与える。ユーザはその後、ボールをドリブルしたいと思うかもしれない。ユーザがボールを解放するときに、抵抗力が変化する。その後、ボールが手に接触すると、異なる効果が出力される。典型的に、ユーザに対して効果が出力される角度は重要ではない。というのは、ユーザは、ゲームにおいて当該相互作用を見ることができるからである。また、ユーザの頭の中では、触覚効果の角度が、ユーザが見ているもの、又はユーザが音響信号により予測するもの、とはある程度は異なるという事実が補償されるからである。
【0050】
実施形態は、手術又は無重力環境での作業のような商業的シミュレーションにおいても有用かもしれない。他例は、フルーツを取り上げること、又はブレンダーのようなデバイスと相互作用をすることのような動作をシミュレーションし得る料理環境を模擬することかもしれない。他例は、自動車若しくは航空機の修理工としての、又は小売店レジ係としての作業を含むかもしれない。
【0051】
本発明の実施形態はまた、ユーザの動きを、生体力学的に安全な動きにまで規制するのに役立ち、ひいては捻挫、繰り返しの挫傷等の機会を減らすのに役立ち得る。例えば、
図7に示されるもののような環境を、安全ストラップ及びバンドに一体化することができる。
【0053】
上述した方法、システム及びデバイスは例である。様々な構成は、適切な場合には、様々な手順又は部品を省略し、置換し、又は追加することができる。例えば、代替構成において、方法は、上述されたものとは異なる順序で行うことができ、並びに/又は、様々なステージを追加、省略、及び/若しくは結合することができる。また、所定の構成に関して記載された特徴は、様々な他構成に結合される。当該構成のための異なる側面及び要素を、同様の態様で結合することができる。また、技術は進化するので、要素の多くは例であって本開示又は特許請求の範囲を制限することはない。
【0054】
構成例(実装形態を含む)の完全な理解を与えるべく、本記載において特定の詳細が与えられる。しかしながら、構成は、これら特定の詳細なしに実施することができる。例えば、当該構成が曖昧になるのを避けるべく、不要な詳細なしに周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造及び技法が示されてきた。本記載は、構成例のみを与え、請求項の範囲、適用性又は構成を制限することがない。むしろ、当該構成の先の記載は、当業者に対し、記載の技法を実装する実施可能な説明を与える。本開示の要旨又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配列において様々な変更がなし得る。
【0055】
また、構成は、フロー図又はブロック図として描かれるプロセスとして記載することができる。それぞれが順次プロセスとして動作を記載し得るにもかかわらず、当該動作の多くは平行して又は同時に行うこともできる。加えて、当該動作の順序は再配列してよい。プロセスは、図面に含まれない付加的なステップを有してよい。さらに、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組み合わせにより実装してよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコードで実施されるとき、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体のような非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができる。プロセッサが、上記タスクを行い得る。
【0056】
いくつかの構成例が記載されてきたが、本開示の要旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造及び均等物を使用することができる。例えば、上記要素は、大きなシステムの部品としてよく、ここで、他のルールが本発明の適用よりも優先され、そうでなければ本発明の適用を修正してよい。また、上記要素が考慮される前に、間に、又は上記要素が考慮された後に、一定数のステップを行うことができる。したがって、上記記載は、特許請求の範囲を拘束しない。
【0057】
ここでの「〜するべく適合され」又は「〜するべく構成され」との使用は、付加的なタスク又はステップを行うべく適合され又は構成されたデバイスを排除しないオープンかつ包括的な言語を意味する。加えて、「〜に基づいて」の使用も、一つ以上の記載条件「に基づいて」のプロセス、ステップ、計算又は他の動作が、実際のところ、記載されたものを超える付加的な条件又は値に基づき得る点で、オープンかつ包括的な意味である。ここに含まれる見出し、リスト及び番号付けは、説明の容易のみを目的とし、制限を意味しない。
【0058】
本主題の側面に係る実施形態は、デジタル電子回路に、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアに、又は前述の組み合わせに実装することができる。一実施形態において、コンピュータは、一つのプロセッサ又は複数のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、当該プロセッサに結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ可読媒体を含み、又はこれへのアクセスを有する。プロセッサは、上述の方法を行うためのセンササンプリングルーチン、選択ルーチン、及び他のルーチンを含む一つ以上のコンピュータプログラムの実行のような、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能プログラム命令を実行する。
【0059】
かかるプロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び状態機械を含み得る。かかるプロセッサはさらに、例えばPLC、プログラマブル割り込みコントローラ(PIC)、プログラマブルロジック装置(PLD)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電子的プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM又はEEPROM)又は他の同様の装置のようなプログラマブル電子装置を含み得る。
【0060】
かかるプロセッサは、例えば有体コンピュータ可読媒体のような媒体を含み又はこれと通信する。媒体は、プロセッサにより実行されると、プロセッサにより実行され又は補助されるここに記載のステップを、当該プロセッサに行わせることができる命令を記憶する。コンピュータ可読媒体の実施形態は、ウェブサーバにおけるプロセッサのようなプロセッサにコンピュータ可読命令を与えることができるすべての電子、光、磁気又は他の記憶装置を含むがこれらに限られない。他の例の媒体は、フロッピーディスク(登録商標)、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成プロセッサ、すべての光媒体、すべての磁気テープ若しくは他の磁気媒体、又はコンピュータプロセッサが読み取り可能な任意の他の媒体を含むがこれらに限られない。また、ルータ、プライベート若しくはパブリックネットワーク、又は他の送信デバイスのような様々な他のデバイスは、コンピュータ可読媒体を含み得る。記載されたプロセッサ及び処理は一以上の構造にあり、及び一つ以上の構造に分散させることもできる。プロセッサは、ここに記載された方法(又は方法の複数部分)の一つ以上を実行するコードを含み得る。
【0061】
本主題を特定の実施形態について詳細に述べたが、前述したことを理解すれば、当業者が、かかる実施形態の改変、変形及び均等物を容易にもたらし得ることは明かである。したがって、理解すべきことだが、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されたおり、当業者にとって容易に明らかとなる本主題のそのような修正、変形及び/又は付加を含むことを排除しない。