【課題】情報コードを表示可能な携帯型情報コード表示装置において、情報コードを読取装置に読み取らせるための翳し操作を行った時に、より迅速且つ確実に情報コードを読み取らせやすい構成を提供する。
【解決手段】携帯型情報コード表示装置10は、画像を表示可能な表示部12と、表示部12でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、表示部12が向く方向を検出可能な方向検出部とを備えている。そして、表示制御部は、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合に、表示部12において、少なくとも情報コードCを「所定の読取可能状態」で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能な状態での表示を維持する構成となっている。
前記表示制御部は、前記情報コードの表示を許可する所定の許可条件が成立している場合において前記方向検出部により前記表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部において、前記情報コードを前記読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの前記読取可能状態での表示を維持することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の携帯型情報コード表示装置。
前記表示制御部は、前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部での表示状態を、前記情報コードが連続的に表示された状態で一定期間固定することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の携帯型情報コード表示装置。
前記表示制御部は、前記情報コードを前記読取可能状態で表示する場合に、前記所定の向きの基準となる基準方向と前記表示部の向く方向とのなす角度に基づいて補正した画像を表示することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の携帯型情報コード表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報コードを表示する機能を備えた携帯型の表示装置では、情報コードを読み取らせようとしたタイミングで、表示画面が読み取りに適した状態となっていないことがありうる。
【0005】
例えば、近年では、ボタン操作やタッチパネル操作などが一定期間なされないときにバックライトの消灯や表示器の電源をオフにするような携帯端末が提案されている。このような携帯端末で情報コードを表示し、外部の読取装置に読み取らせる場合、情報コードを表示器に表示させるための表示操作を行った後、実際に読取装置に翳して読み取らせるまでの間に時間がかかってしまうと、読取装置による情報コードの読み取りが完了する前にバックライトが消えてしまったり、表示器の電源がオフになってしまったりするため、読取装置では情報コードを読み取ることができなくなる。特に、読み取りの際には、読取装置側に表示画面を向けなければならず、このように向けている最中には操作者が表示画面の表示状態を確認しにくいため、バックライトの消灯や表示器の電源オフ状態に気付かずに翳し続けてしまうことがありうる。
【0006】
また、この種の問題は、特許文献1の表示装置のように、情報コードと他の画像とを切り替えて表示するような構成や、情報コードを動画の一部として表示するような構成でも懸念される。例えば、情報コードが読取可能な構成で表示されている状態と、その他の画像(特許文献1の例では、ロゴマークの画像など)が表示されている状態とに切り替わるような構成では、表示装置を読取装置に翳して読み取らせようとしたタイミングで、情報コードではない他の画像が表示されていたり、情報コードが変形して読取困難な構成で表示されていたりすることがありうる。このように、ユーザが翳したタイミングで読み取り可能に表示されることが保証されない構成では、翳してから読み取りが成功するまでに時間がかかったり、読み取りが失敗しやすくなるという問題がある。
【0007】
なお、これらの事例はあくまで一例にすぎず、携帯型の表示装置では、これらの事例以外でも、読み取らせようとしたタイミングで表示画面が読取困難な状態になりうるケースが様々に想定され、いずれの場合でも、読み取りの遅延や失敗などの不具合を招きやすくなる。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コードを表示可能な携帯型情報コード表示装置において、情報コードを読取装置に読み取らせるための翳し操作を行った時に、読み取りの遅延や失敗などの不具合を招きにくい構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の携帯型情報コード表示装置は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、
少なくとも前記表示部が向く方向が所定の向きであることを検出可能な方向検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、
少なくとも前記表示部において情報コードが所定の読取可能状態で表示されていない所定のデフォルト画面又は前記情報コードの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されているときに前記方向検出部によって前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部の表示状態を、前記情報コードが前記読取可能状態で表示された状態に切り替えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の携帯型情報コード表示装置は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、
少なくとも前記表示部が向く方向が所定の向きであることを検出可能な方向検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの前記読取可能状態での表示を所定のコード表示解除条件が成立するまで維持し、
更に、前記所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行う動作制御部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の携帯型情報コード表示装置は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、
少なくとも前記表示部が向く方向が所定の向きであることを検出可能な方向検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの前記読取可能状態での表示を維持し、
前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合であっても、当該携帯型情報コード表示装置が所定の移動状態であるときには、前記情報コードを前記読取可能状態で表示する制御を行わないことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の携帯型情報コード表示装置は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、
少なくとも前記表示部が向く方向が所定の向きであることを検出可能な方向検出部と、
前記表示部に表示可能な複数種類の情報コードが記憶される記憶部と、
外部装置と通信可能な通信部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの前記読取可能状態での表示を維持し、前記情報コードを前記読取可能状態で表示する場合に、前記通信部を介した前記外部装置との通信に応じて前記記憶部に記憶される前記複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の携帯型情報コード表示装置は、
画像を表示可能な表示部と、
前記表示部でなされる表示を制御可能に構成された表示制御部と、
少なくとも前記表示部が向く方向が所定の向きであることを検出可能な方向検出部と、
前記情報コードの表示を許可する際に許可操作される操作部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記操作部に対して前記許可操作されており且つ前記方向検出部により前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合に、前記表示部において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの前記読取可能状態での表示を維持し、
前記操作部に対して前記許可操作されていない場合には、前記表示部の向きが前記所定の向きであることが検出された場合であっても、前記情報コードの表示を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、表示制御部は、少なくとも表示部において所定のデフォルト画面又は情報コードの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されているときに方向検出部によって表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部の表示状態を、情報コードが読取可能状態で表示された状態に切り替える。
この発明によれば、仮に、読み取りの直前で、表示部においてデフォルト画面や情報コードの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されている場合であっても、表示部を所定の向きに変化させるという操作によって情報コードを読み取らせるための画面(情報コードが読取可能状態で表示された画面)に簡単に且つ速やかに切り替えることができる。例えば、情報コードを表示する時間よりも、デフォルト画面や情報コードの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示される時間のほうが長くなるような使われ方がなされる場合には、上記構成を用いると特に有利になる。
【0015】
請求項2の発明では、表示制御部は、方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、情報コードが読取可能状態で表示された状態となるように表示部を制御し且つ情報コードが読取可能状態で表示された状態を所定のコード表示解除条件が成立するまで維持する構成となっている。そして、所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行う動作制御部が設けられている。
この構成によれば、表示部を所定の向きにして読み取らせる際には、コード表示解除条件が成立するまでの間、情報コードの表示を安定化させて読み取り易くすることができ、コード表示解除条件の成立後には、スムーズに復帰動作又は省電力動作を行うことができるため、読み取りが完了した後に不要なコード表示が無制限に継続しすぎるといった問題が生じにくくなる。例えば、コード表示解除条件の成立後に復帰動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して所定の復帰画面に戻しやすくなる。また、コード表示解除条件の成立後に省電力動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して電力消費の抑制を図ることができる。
【0016】
請求項3の発明では、表示制御部は、方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合であっても、当該携帯型情報コード表示装置が所定の移動状態であるときには、情報コードを読取可能状態で表示する制御を行わない構成となっている。
表示部に表示される情報コードを読み取らせる場合、装置を静止状態或いはそれに近い状態にする可能性が高く、逆に、装置が移動状態のときには、表示部が「所定の向き」であっても、読み取りを行おうとしていない可能性が高い。従って、携帯型情報コード表示装置が「所定の移動状態」であるときに情報コードを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにすれば、不要な時期に情報コードが読取可能な状態で表示されるといった無駄を抑えやすくなる。
【0017】
請求項4の発明では、表示部に表示可能な複数種類の情報コードが記憶される記憶部と、外部装置と通信可能な通信部とを備えるように構成されている。そして、表示制御部は、情報コードを読取可能状態で表示する場合に、通信部を介した外部装置との通信に応じて記憶部に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示する構成となっている。
この構成では、通信部を介した外部装置との通信に応じて複数種類の情報コードのうちから1つが選択して表示されるので、表示可能な情報コードが複数種類あっても、表示すべき情報コードを自動的に選択することができる。従って、携帯型情報コード表示装置が外部装置から受信する情報を、読取装置が配置される環境等に応じて変更することで、複数種類の情報コードのうちから適切な情報コードを自動的に選択して表示することができる。
【0018】
請求項5の発明では、情報コードの表示を許可する際に許可操作される操作部を備えるように構成されている。そして、表示制御部は、操作部に対して許可操作されていない場合には、表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合であっても、情報コードの表示を禁止し、操作部に対して許可操作されており且つ方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
この構成では、方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合であっても、ユーザが意図して操作部に対して許可操作しない限り情報コードが読取可能状態で表示されることもない。これにより、意図しない情報コードの表示が防止されて、情報コードの表示に関するセキュリティ性を向上させることができる。
【0019】
請求項6の発明では、表示制御部は、所定の抑制条件が成立した場合に表示部での表示を所定の抑制状態に切り替える制御を行う構成であり、所定の抑制状態のときに方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合、所定の抑制状態を中止し、表示部において情報コードを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
この発明によれば、所定の抑制条件が成立した場合に表示部の表示を抑制状態に切り替えることができ、省電力化を図り易くなる。一方、このような省電力構造では、抑制状態のまま読み取り操作が行われてしまうと読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、請求項6の発明では、抑制状態のときに表示部を所定の向きに翳す操作がなされた場合には、抑制状態を中止して、情報コードを読取可能状態で表示することができるため、抑制状態のまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
【0020】
請求項7の発明では、読取可能状態は、少なくとも表示部のバックライトから所定照射状態で光を照射する状態である。そして、表示制御部は、所定の抑制条件が成立した場合に表示部のバックライトの消灯制御又は表示部のバックライトからの光の照射を所定照射状態のときよりも抑える抑制制御を行う構成であり、所定の抑制状態のときに方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合、所定の抑制状態を中止し、表示部のバックライトから所定照射状態で光を照射しつつ情報コードが表示された状態を維持する構成となっている。
この発明によれば、所定の抑制条件が成立した場合に、バックライトの消灯制御又はバックライトからの光の照射を抑える抑制制御を行うことができ、電力消費が懸念されるバックライトでの電力消費を効果的に低減することができる。一方、このような省電力構造では、バックライトが消灯した状態又はバックライトでの照射が抑制された状態で読み取り操作が行われると、読取装置側で情報コードの認識がし難くなり、読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、請求項7の発明では、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま表示部を所定の向きに翳す操作がなされた場合には、バックライトを所定照射状態に復帰させ、情報コードを明瞭な読取可能状態で表示することができるため、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
【0021】
請求項8の発明では、表示制御部は、情報コードの表示を許可する所定の許可条件が成立している場合において方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部において、情報コードを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
この発明によれば、「表示部の向きが所定の向きである場合に読取可能状態で情報コードを表示する」という特徴的な動作を、所定の許可条件が成立している場合に限定して行うことができ、上記特徴的動作を一律に行うべきでない用途において特に有利になる。
【0022】
請求項9の発明では、方向検出部は、表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態を検出可能とされており、表示制御部は、方向検出部によって表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合に、表示部において情報コードを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する。
この構成では、表示部を下方又は斜め下方に向けて翳すように用いたい場合(例えば、表示部が下方又は斜め下方に向けられたときに当該表示部の表示を認識し得る配置で読取装置が配置されている場合など)に有利になる。特に、このように表示部を下方又は斜め下方に翳す用い方をする場合、読み取らせる際に使用者が表示部を目視し難いため、読み取りの遅延や失敗が生じたとき、表示タイミングが合わずに遅延や失敗が生じたのか、それとも他の要因によるものかを特定し難いという問題があるが、本構成によれば、少なくとも表示タイミングが合わないことによる遅延や失敗を格段に低減できるため、上記問題に対処しやすくなる。
【0023】
請求項10の発明では、表示制御部は、方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部での表示状態を、情報コードが連続的に表示された状態で一定期間固定(維持)する構成となっている。
この構成では、表示部を所定の向きに向けているときに情報コードの表示を一定期間固定(維持)できるため、より一層安定したコード表示が可能となり、読み取りの遅延や失敗をより一層抑えることができる。例えば、この種の携帯型情報コード表示装置では、翳している最中に、意図せずに表示部を触ってしまうようなことがあり得るが、このような場合に情報コードの表示態様が変わりうる構成のものについては、上記発明を適用すれば特に有効である。
【0024】
請求項11の発明では、表示制御部は、表示部での表示状態を、情報コードが読取可能状態となった表示状態と、情報コードの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態とに変化可能に構成されている。そして、方向検出部により表示部の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部において情報コードを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
このように、表示部での表示を、情報コードが読取可能な状態となった表示状態と、情報コードの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態とに変化させ得る構成とすれば、情報コードのみを連続的に表示する構成では実現し得ない複数種類の表示態様を実現できる。但し、単に情報コードの表示と他の図又は他の情報の表示とを切り替えるだけでは、情報コードを読み取らせようとした時点で、情報コードではなく他の図や他の情報が表示されている可能性があり、この場合、再び情報コードが読取可能に表示されるまで読み取りが遅延してしまう。これに対し、本発明は、情報コードを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部を「所定の向き」にする操作を行った際)に、情報コードが読取可能な状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードを読み取らせることが可能となる。従って、表示部を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0025】
請求項12の発明では、表示制御部は、表示部での表示状態を、情報コードが読取可能状態となった表示状態と、情報コードのコード領域内が読取不能な構成となった表示状態と、に変化可能に構成されており、少なくとも方向検出部によって検出される表示部の向きが所定の向きとなった場合に、表示部において情報コードを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
このように、表示部を、情報コードが読取可能な状態となった表示状態と、情報コードのコード領域内が読取不能な構成となった表示状態と、に変化させ得る構成とすれば、情報コードのみを連続的に表示する構成では実現し得ない変化に富んだ動的表示が可能となる。但し、単に動的表示を行うだけでは、情報コードを読み取らせようとした時点で、コード領域内が読取不能な構成となった状態で表示されている可能性があり、この場合、再び読取可能な状態で表示されるまで読み取りが遅延してしまう。これに対し、本発明は、情報コードを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部を「所定の向き」にする操作を行った際)に、情報コードが読取可能な状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードを読み取らせることが可能となる。従って、表示部を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0026】
請求項13の発明では、表示制御部は、情報コードを読取可能状態で表示する場合に、所定の向きの基準となる基準方向と表示部の向く方向とのなす角度に基づいて補正した画像を表示する構成となっている。
このように、情報コードを読取可能な状態で表示する際に、基準方向と表示部の向く方向とのなす角度に基づいて補正した状態で表示すれば、情報コードを、基準方向に対する傾きに合わせた画像状態で読み取らせ易くなる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯型情報コード表示装置の概要)
まず、携帯型情報コード表示装置10の概要について説明する。
図1、
図2等で示す携帯型情報コード表示装置(以下、単に表示装置ともいう)10は、ユーザによって把持されつつ使用される構成をなしている。この表示装置10は、例えば、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードCを生成して表示する機能を有している。なお、表示装置10は、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル端末などの表示器を有する携帯型の情報機器であればよく、表示機能以外の他の機能は特に限定されない。
【0029】
表示装置10は、例えば、樹脂材料や金属材料などからなる筐体によって外郭が形成されている。また、筐体には、画像を表示可能な表示部12や、外部からの情報入力操作を行うための操作部13(タッチパネル等)などが組み付けられており、これらが一体化した機器構造となっている。
【0030】
図2に示すように、表示装置10は、主に、制御回路11、表示部12、操作部13、メモリ14、三軸センサ15、通信部16、時計部17等から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいは筐体内に内装されている。
【0031】
メモリ14は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ14のうちのRAMには、制御回路11が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域等が確保可能に構成されている。またROMには、後述する情報コードCの生成処理等を実行可能な所定プログラムやその他、表示部12、三軸センサ15等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0032】
制御回路11は、表示装置10を全体的に制御可能なマイコンなどによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路11には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、表示部12、操作部13、メモリ14、三軸センサ15、通信部16、時計部17等が接続されている。なお、制御回路11は、表示制御部の一例に相当し、表示部12でなされる表示を制御可能に構成されている。
【0033】
操作部13は、ファンクションキー、テンキーなどの操作スイッチ、或いはタッチパネル等により構成され、例えば、表示装置10のユーザが操作部13を操作したときに、制御回路11に対して操作内容に応じた操作信号を与える構成となっている。通信部16は、例えば公知の通信方式(無線LAN通信、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)通信など)によって外部装置と通信を行うように構成されている。時計部17は、公知の時計回路などによって構成され、制御回路11と通信可能に接続されている。そして、時計部17は、時刻や、所定の時点(例えば、操作部13を操作した時点)からの経過時間を計測するように機能する。
【0034】
三軸センサ15及び制御回路11は、「方向検出部」の一例に相当し、表示部12が向く方向が所定の向きであることを検出可能に構成されている。この三軸センサ15は、公知の加速度センサなどによって構成され、本構成では表示装置10において互いに直交する所定の三方向のそれぞれの加速度を測定する構成をなしている。具体的には、
図4、
図7等で示すように、表示装置10の所定の長手方向をY軸方向とし、表示装置10の厚さ方向(長手方向と直交する方向であり、表示部12側の表面とその反対の裏面とが対向する方向)をZ軸方向(図示略)とし、これらY軸方向及びZ軸方向と直交する幅方向をX軸方向としている。また、Z軸方向の一方側(表示部12によって表示する側)がZ軸正側であり、これと反対の他方側がZ軸負側である。具体的には、例えば表示部12を構成する各表示素子を覆う構成で透明板が配置され、その透明板の外面(表面)と直交する方向がZ軸方向となっている。そして、Z軸正側の方向が、「表示部12が向く方向」となっている。なお、三軸の加速度センサによって所定方向の加速度や鉛直方向を特定する技術は公知であるので詳細な省略するが、例えば、特開2003−302419号公報、特開2007−325722号公報などに示される方法のほか、公知の様々な方法を用いることができる。このような構成により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度がそれぞれどの程度であるかを測定することができ、例えば、表示装置10においてどの向きが鉛直方向であるかを特定できるようになっている。
【0035】
表示部12は、画像を表示する表示部の一例に相当し、液晶表示器や有機ELディスプレイなどの公知の表示装置によって構成され、制御回路11による情報処理結果や表示装置10の動作状態などの各種情報を表示し得る構成となっている。なお、以下の説明では、表示部12が、バックライトを備えた公知の液晶表示器として構成される例を代表例として説明する。
【0036】
表示部12は、制御回路11によって生成された情報コードCを動画として、又は切り替わる静止画の一部として表示するように機能する。なお、表示部12に表示される情報コードCは、QRコード(登録商標)、データマトリックコード、マキシコード、その他の二次元コードなどであってもよく、バーコード等の一次元コードであってもよい。
【0037】
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置20について説明する。
図1、
図3等に示す情報コード読取装置(以下、単に読取装置ともいう)20は、ハードウェア的には情報コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、ケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。そして、この読取装置20は、表示装置10に表示されるバーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る機能を有している。なお、
図1等では、机などに載置して使用可能な据置型の情報コード読取装置20を例示しているが、携帯型の構成であってもよい。また、他の構造物(机、柱、壁など)に組み付けられて用いられる装置であってもよい。
【0038】
図3に示すように、読取装置20は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
【0039】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物R(例えば上述した表示装置10)に向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。
【0040】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードCからの光(例えば照明光Lfがこれらに照射されて反射した反射光Lr)を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光するように図略のプリント配線板に実装されている。
【0041】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードCのコード画像を結像するように機能する。
【0042】
なお、ここでは、光学系の一例を示したが、液晶表示器などからなる表示部12で表示された情報コードCを撮像し得る公知の構成であれば、その他の様々な構成を採用してもよい。
【0043】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0044】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力され、所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0045】
メモリ35は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0046】
制御回路40は、例えば、読取装置20を全体的に制御可能なマイコンによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、読取装置20の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
【0047】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。なお、
図3では、電池49からの電力供給を受ける構成を例示したが、据置型の構成であれば、外部の商用電源から電力供給を受ける構成となっていてもよい。
【0048】
(表示制御)
次に、表示装置10で行われる表示制御について説明する。
表示装置10では、例えば、電源投入後に
図4のようなデフォルト画面が表示されるようになっており、このデフォルト画面では、様々なアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示されるようになっている。表示装置10では、例えば、
図4のようなデフォルト画面に表示されたいずれかのアイコンを選択する操作(例えば、当該アイコンにタッチする操作)を行ったときにこのアイコンに対応するアプリケーションプログラムが起動され、実行されるようになっている。アプリケーションプログラムとしては、電話、音楽再生、動画再生、電子メール、時計表示、写真撮影、ブラウザ、電子マネー決済などの機能を実現する各プログラムが存在し、
図4で示すデフォルト画面ではそれぞれのプログラムに対応するアイコンが表示されている。
【0049】
例えば、
図4で示すデフォルト画面に表示されたアイコンのうち、ブラウザに対応するアイコンを選択すると、ブラウザのプログラムが起動し、
図5のようにインターネット上のサイトを表示することができるようになっている。なお、表示の例はこの例に限られず、例えば、時計のプログラムに対応するアイコンを選択すれば、時計のプログラムが起動し、時計の画面が表示される。或いは、電話のプログラムに対応するアイコンを選択すれば、電話のプログラムが起動し、電話をかけるための画面などが表示されるようになっている。
【0050】
一方、表示装置10の起動中には、
図4で示すデフォルト画面の表示制御や、
図5のようなアプリケーションプログラムによる表示制御などと並行して、
図9のような処理を行うプログラムが実行されるようになっている。
図9の処理は、例えば電源投入後、或いは、S4の処理完了後に実行されるようになっており、処理開始に伴い、表示装置10の向きの検出を行い、表示部12の向く方向が「所定の向き」であるか否かを判断する(S1)。このS1の処理では、三軸センサ15によって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されたか否か判断している。
【0051】
本構成では、
図6のように、三軸センサ15により、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、所定の短時間毎に行われるS1の処理では、S1の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(上述した他の画像P2、P3の表示継続時間よりも短い時間であり、例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα(例えば20°)以下となったか否かを判断している。つまり、合成加速度αsの方向と、Z軸正方向とのなす角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合、重力加速度の向きとZ軸正方向の向きとが近い関係にあると推定され、表示部12が下向き又は斜め下向きになっている可能性が高いため、S2ではこのような状態を検出しているのである。なお、本構成では、合成加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θが「表示部12(表示部)が向く方向を示す値」であり、「角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合」が、「方向検出部によって検出される表示部12(表示部)の方向が「所定の向き」となった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となるときに表示部12が向く方向」が「所定の向き」である。
【0052】
そして、S1において表示部12の向く方向が「所定の向き」であることが検出された場合(即ち、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合)、表示部12での表示を、予定された情報コードCの画像(
図7、
図8等)に切り替え、情報コードC(
図7、
図8の例ではQRコード(登録商標))の画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する(S2)。
【0053】
なお、上述した「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合」が、「表示部12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合」に相当する。
【0054】
このように、本構成では、
図7のように、ユーザが表示装置10を読取装置20に翳すことによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態となった場合には、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となるため、S1でYesに進み、
図4のようなデフォルト画面の表示や
図5のようなアプリケーションプログラムの表示に割り込んで、
図8のような情報コードCの画像を連続的に表示するのである。一方、
図9の処理開始後、表示部12の向きが「所定の向き」ではない間(即ち、「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となる」といった条件が成立しない間)は、所定の短時間毎に行われるS1の処理においてNoに進み続けることになり、その間は、
図4で示すデフォルト画面の表示や、
図5のようなアプリケーションプログラムによる表示などが継続することになる。
【0055】
S2の処理で表示する情報コードCは、例えば、S2の処理の時点から遡って最も近い時期に表示された情報コードを表示してもよく、S2の処理の時点から遡って最も近い時期に生成された情報コードを表示してもよい。或いは、S2の処理で表示するために予め登録されている情報コードを表示するようにしてもよい。なお、このような情報コードが存在しない場合には、
図9の処理を行わないようにしてもよい。
【0056】
そして、S2の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示される状態」とした後、所定時間(例えば、5秒)が継続するまでは、その表示制御を継続する。一方、S2の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示される状態」とした後、その表示状態で所定時間(例えば、5秒)が経過した場合には、S3にてYesに進み、S4の画面制御処理を行う。このような構成であるため、S1でYesで進んでからS3でYesに進むまでの間に表示部12を読取装置20に翳せば、表示部12に表示された情報コードCを読取装置20によってより確実に読み取ることができる。
【0057】
なお、本構成では、制御回路11が表示制御部の一例に相当し、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合(S1でYesに進む場合)に、情報コードCが読取可能な状態で表示された状態となるように表示部12を制御し、且つその状態(情報コードCが読取可能の状態で表示された状態)を所定のコード表示解除条件が成立するまで(即ち、S3にてYesに進むまで)の一定時間の間維持する構成となっている。また、本構成では、例えば、S2でYesに進んだ後、一定時間が経過したこと(即ち、表示部12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されてから所定時間が経過したこと)が「所定の解除条件の成立」に相当する。なお、
図9の例では、S2でYesに進んだ後、所定時間が経過した場合にS3でYesに進み、S4で画面制御を行っているが、S1でYesに進んだ後、操作部13に対して所定の解除操作が行われた場合にS3にてYesに進んでもよい。この場合、その解除操作が行われたことが「所定の解除条件の成立」に相当する。
【0058】
そして、
図9の処理では、S3でYesに進む場合に、所定の画面制御処理を行う(S4)。このS4の制御としては、バックライトの消灯処理、S2のときよりもバックライトを抑制する処理、S2の画面とは異なる他の画面を表示する処理、画面表示のオフ、表示部の電源オフ、表示装置10の電源オフ、S2の処理前の表示画面に復帰する処理など、様々な処理が挙げられる。具体的には、S2の表示状態のときより消費電力を抑える制御を好適に用いることができ、例えば、表示部12での表示を完全に中止する動作であってもよく、表示部12での表示は維持しつつ、電力を抑える制御(例えば、バックライトを消灯する制御、バックライトの光量を抑える制御、黒色画面として表示する制御など)であってもよい。或いは、表示装置10に搭載されたCPUを間欠駆動したり、駆動クロックを抑えるようなスリープ制御などであってもよい。或いは、S4の制御として、S2の処理前の表示画面に復帰する処理を行ってもよく、例えば、S2の処理前において、ブラウザが起動されており、インターネット上の所定サイトの画面が表示部12に表示されていた場合、S2において、情報コードの表示を行った後、S3にてYesに進んだ場合に、S2の処理前の画面(すなわち、インターネット上の上記所定サイトの画面)を表示させるように復帰処理をおこなってもよい。なお、本構成では、S4の処理を行う制御回路11が「動作制御部」の一例に相当し、所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行うように機能する。
【0059】
本構成では、表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていないとき(例えば、
図4、
図5のように、表示部12において所定のデフォルト画面又は情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されているとき)でも、並行して
図9の処理が行われる。このため、
図4、
図5のように、表示部12において情報コードCが表示されていないときでも、方向検出部によって表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合には、
図9のS1にてYesに進むことになり、
図8のように、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能に表示された状態に切り替えることになる。
【0060】
また、本構成では、表示制御部として機能する制御回路11は、所定の抑制条件が成立した場合に表示部12での表示を所定の抑制状態に切り替える制御を行う構成となっている。具体的には、所定の抑制条件が成立した場合(例えば、操作部13に対する操作がなされていない期間が一定時間以上経過した場合)に、表示部12のバックライトの消灯制御又は表示部12のバックライトからの光の照射をS2のとき(所定照射状態のとき)よりも抑える抑制制御を行う構成となっており、S2の処理が行われていない期間では、所定の抑制条件が成立した場合に省電力化を図ることができるようになっている。一方、このような「所定の抑制状態」のときでも、
図9の処理は並行して行われるため、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出され、S1にてYesに進むと、S2では、このような「所定の抑制状態」を中止し、表示部12において情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、その表示を維持する。具体的には、表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射することで、情報コードCが明瞭に表示された状態を維持する。
【0061】
なお、本構成では、S1でYesに進んでからS3でYesに進むまでの間に、上述した「所定の抑制条件」が成立した場合(例えば、操作部13に対する操作がなされていない期間が一定時間以上経過した場合)には、表示部12での表示を上述した「所定の抑制状態」に切り替えずに、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。即ち、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、バックライトの消灯制御や抑制制御よりも情報コードCを読取可能に表示すること優先し、バックライトから所定照射状態で光を照射しつつ情報コードCの表示を維持するようになっている。
【0062】
(本構成の効果の例)
本構成では、所定の配置(所定の向きとなっている表示部12内の画像を認識し得る配置)となっている読取装置20に向けて表示部12を翳している最中に読取不可能な画像や読取困難な画像のみが継続的に表示されるといった事態が生じにくくなる。従って、このような事態に起因する読み取りの遅延や失敗などの不具合を生じにくくすることができる。例えば、ユーザが、上述した「所定の配置」の読取装置20に対し、表示部12を「所定の向き」にするような翳し操作を行ったときには、読取装置20に翳された表示部12では、情報コードCが所定の読取可能状態で表示され且つその状態が維持されるため、読取装置20では、翳された表示部12に表わされる情報コードCの構成をより正確に且つより迅速に認識しやすくなる。
【0063】
また、表示制御部に相当する制御回路11は、少なくとも表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていないとき(例えば、情報コードが全く表示されていないとき、暗すぎたり、小さすぎたり、一部が欠けたりして読めないときなど)に方向検出部によって表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能に表示された状態に切り替える構成となっている。この構成によれば表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていない場合でも、表示部12を「所定の向き」に変化させることによって強制的に「情報コードCが読取可能状態で表示された状態」に切り替えることができる。このため、仮に、読み取りの直前で表示部12が非読取状態(情報コードCが存在しない画面や情報コードCが読取不能な状態となっている画面など)になっていても、画面を切り替えるためにユーザに複雑な操作を強いる必要が無く、複雑な操作に起因するユーザの負担や読み取るまでの遅延をより効果的に低減することができる。
【0064】
また、表示制御部に相当する制御回路11は、表示部12において所定のデフォルト画面(
図4)や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面(
図5)が表示されているときに方向検出部によって表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能状態で表示された状態に切り替える。この発明によれば、仮に、読み取りの直前で、表示部12においてデフォルト画面や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されている場合であっても、表示部12を「所定の向き」に変化させるという操作によって情報コードCを読み取らせるための画面(情報コードCが読取可能な状態で表示された画面)に簡単に且つ速やかに切り替えることができる。例えば、情報コードCを表示する時間よりも、デフォルト画面や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示される時間のほうが長くなるような使われ方がなされる場合には、上記構成を用いると特に有利になる。
【0065】
また、表示制御部に相当する制御回路11は、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12での表示を「所定の抑制状態」に切り替える制御を行う構成であり、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合には、「所定の抑制状態」を中止し、表示部12において情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、その表示を維持する構成となっている。この構成によれば、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12の表示を抑制状態に切り替えることができ、省電力化を図り易くなる。一方、このような省電力構造では、抑制状態のまま読み取り操作が行われてしまうと読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、本構成では、抑制状態のときに表示部12を「所定の向き」に翳す操作がなされた場合には、抑制状態を中止して、情報コードCを読取可能な状態で表示することができるため、抑制状態のまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
【0066】
具体的には、「読取可能状態」は、少なくとも表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射する状態となっている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12のバックライトの消灯制御又は表示部12のバックライトからの光の照射を所定照射状態のときよりも抑える抑制制御を行う構成となっており、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合には、「所定の抑制状態」を中止し、表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射しつつ情報コードCが表示された状態を維持する構成となっている。この構成によれば、「所定の抑制条件」が成立した場合に、バックライトの消灯制御又はバックライトからの光の照射を抑える抑制制御を行うことができ、電力消費が懸念されるバックライトでの電力消費を効果的に低減することができる。一方、このような省電力構造では、バックライトが消灯した状態又はバックライトでの照射が抑制された状態で読み取り操作が行われることがあり、読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、本構成では、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま表示部12を「所定の向き」に翳す操作がなされた場合には、バックライトを所定照射状態に復帰させ、情報コードCを明瞭な読取可能状態で表示することができるため、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
【0067】
また、方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出されているときに所定の抑制条件が成立した場合には、表示部12での表示を所定の抑制状態に切り替えずに、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
本構成のような省電力構造では、表示部12を「所定の向き」にするような翳し操作がなされ、情報コードCが読取可能な状態で表示された後に「所定の抑制条件」が成立してしまうことがありうる。この場合、読取装置20による読み取りが完了する前に表示が抑制されてしまうこともあり、読み取りの失敗を招き易くなる。これに対し、本構成では、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、表示部12での表示を「所定の抑制状態」に切り替えずに、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつその状態を維持することができる。つまり、上述した翳し操作(表示部12を所定の向きにする操作)の期間中に表示部12が強制的に「所定の抑制状態」に切り替えられることを防ぎやすくなり、読み取りが完了する前に表示が抑制されてしまうことに起因する読み取りの失敗などの不具合を防ぎやすくなる。
【0068】
より具体的には、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、バックライトの消灯制御や抑制制御を行わずに、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつその状態を維持することができる。つまり、上述した翳し操作(表示部12を所定の向きにする操作)の期間中にバックライトが強制的に消灯状態や抑制状態に切り替えられることを防ぎやすくなり、読み取りが完了する前にバックライトが抑制されてしまうことに起因する読み取りの失敗を防ぎやすくなる。
【0069】
また、本構成では、三軸センサ15及び制御回路11(方向検出部)は、表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態を検出可能とされている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合に、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。この構成では、表示部12を下方又は斜め下方に向けて翳すように用いたい場合(例えば、表示部12が下方又は斜め下方に向けられたときに当該表示部12の表示を認識し得る配置で読取装置20が配置されている場合など)に有利になる。特に、このように表示部12を下方又は斜め下方に翳す用い方をする場合、読み取らせる際に使用者が表示部12を目視し難いため、読み取りの遅延や失敗が生じたとき、表示タイミングが合わずに遅延や失敗が生じたのか、それとも他の要因によるものかを特定し難いという問題があるが、本構成によれば、少なくとも表示タイミングが合わないことによる遅延や失敗を格段に低減できるため、上記問題に対処しやすくなる。
【0070】
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部12での表示状態を、情報コードCが連続的に表示された状態で一定期間固定(維持)する構成となっている。この構成では、表示部12を「所定の向き」に向けているときに情報コードCの表示を一定期間固定(維持)できるため、より一層安定したコード表示が可能となり、読み取りの遅延や失敗をより一層抑えることができる。
【0071】
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合に、情報コードCが読取可能状態で表示された状態となるように表示部12を制御し且つ情報コードCが読取可能状態で表示された状態を所定のコード表示解除条件が成立するまで維持する構成となっている。そして、所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行う動作制御部が設けられている。この構成によれば、表示部12を「所定の向き」にして読み取らせる際には、コード表示解除条件が成立するまでの間、情報コードCの表示を安定化させて読み取り易くすることができ、コード表示解除条件の成立後には、スムーズに復帰動作又は省電力動作を行うことができるため、読み取りが完了した後に不要なコード表示が無制限に継続しすぎるといった問題が生じにくくなる。例えば、コード表示解除条件の成立後に復帰動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して所定の復帰画面に戻しやすくなる。また、コード表示解除条件の成立後に省電力動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して電力消費の抑制を図ることができる。
【0072】
また、本構成では、表示部12が下向き又は斜め下向き等の「所定の向き」になっていない場合には情報コードが表示部12に読取可能状態で表示されない。このため、読取装置20と異なる装置を用いて情報コードを不正に撮像するために表示部12を例えば上向きにしても、その表示部12に情報コードが表示されないので、不正目的での情報コードの撮像を防止することができる。
【0073】
[第2実施形態]
第2実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図10のように変更した点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。
図10の処理において、S21〜S23の処理は、
図9のS1〜S3の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0074】
図10の処理では、
図9のS4の処理に代えて、S24の処理を行っている。即ち、S23で所定時間が経過したと判断された後(即ち、情報コードCを
図8のように読取可能な状態で所定時間表示した後)、S24の処理では、アプリケーションプログラムの表示画面に切り替える処理を行っている。このS24の処理で表示される表示画面は、例えば、S22の処理(即ち、情報コードCの表示処理)を行う直前に表示されていたアプリケーションプログラムの表示画面である。アプリケーションプログラムとしては、スマートフォンやタブレット端末などで用いられる公知のアプリケーションプログラムを様々に用いることでき、例えば、S22の処理前において、アプリケーションプログラムとしてブラウザが起動されており、インターネット上の所定サイトの画面が表示部12に表示されていた場合、S22において、情報コードの表示を行った後、S23にてYesに進んだ場合に、S24では、S22の処理前の画面(すなわち、インターネット上の上記所定サイトの画面)を表示させるように復帰処理を行ってもよい。或いは、S22の処理前において、アプリケーションプログラムとして、音楽再生のアプリケーションプログラム、動画再生のアプリケーションプログラム、決済用のアプリケーションプログラム、その他のアプリケーションプログラムなどが、1又は複数起動され、これらのいずれかのアプリケーションプログラムの表示画面が表示されていた場合、S22において、情報コードの表示を行った後、S23にてYesに進んだ場合に、S24では、そのアプリケーションプログラムの表示画面(S22の処理直前に表示されていたアプリケーションプログラムの画面)を再び表示させるように復帰処理を行ってもよい。なお、S22の処理を行う直前にアプリケーションプログラムの表示画面が表示されておらず、
図4のようなデフォルト画面が表示されていた場合には、S24では、
図4のようなデフォルト画面に戻してもよい。
【0075】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態に係る表示装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一である。よって、ハードウェア構成の詳細な説明は省略する。第3実施形態では、表示装置10に存在するいずれかのアプリケーションプログラムにより、例えば、
図11のような表示を行うことができるようになっている。
【0076】
この構成では、ユーザが操作部13に対して所定操作を行い、所定のアプリケーションプログラムを起動することで、
図11のような画像表示が開始する。この画像表示が開始すると、表示部12には、
図11の左図のように、複数の画像が順番に表示される。例えば、
図11の例では、情報コードCの画像P1と、航空会社名の文字を含んだ画像P2と、航空機の便名の文字を含んだ画像P3とが、表示部12に交互に切り替わって表示されるようになっている。具体的には、表示装置10の向きが「所定の向き」でない状態では、画像P1、画像P3、画像P2の順に、一定の時間間隔(例えば0.2秒間隔等)で切り替わるように設定されている。例えば、情報コードCの画像P1が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、情報コードCの画像P1が消え、航空会社名の文字を含んだ画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P2が消え、航空機の便名の文字を含んだ画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P3が消え、再び、画像P1が表示される。
【0077】
このように、画像表示が開始した後には、上述の切り替え表示(画像P1、P2、P3の各表示)が継続する。一方、表示装置10では、このような切替表示と並行して、切替表示の継続中に、継続的に表示装置10の向きの検出を行い、表示部12の向く方向が「所定の向き」であるか否かを判断している。なお、この判断処理は、第1実施形態での「表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理」(即ち、S1での判断処理)と同様である。つまり、この構成でも、表示装置10は、三軸センサ15によって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されたか否か判断しているのである。
【0078】
そして、上述の切り替え表示(画像P1、P2、P3の各表示)が継続している最中に、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合(即ち、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合)、
図11右図のように、表示部12での表示を上述の情報コードCの画像P1(
図11等)に切り替え、情報コードC(
図11の例ではQRコード(登録商標))の画像P1を表示した状態で表示を一定時間固定(維持)する。このように、本構成では、アプリケーションプログラム(切替表示を行うアプリケーションプログラム)の起動後に、ユーザが表示装置10を読取装置20に翳すことによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態となった場合、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となるため、上述した切替表示を中断して情報コードCの画像P1のみを連続的に表示するのである。一方、切替表示を行うアプリケーションプログラムの起動後、表示部12の向きが「所定の向き」とならない間(即ち、「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となる」といった条件が成立しない間)は、画像P1、P2、P3の各表示の切替動作が継続することになる。
【0079】
以上のように、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11が、表示部12での表示状態を、情報コードCが読取可能状態となった表示状態と、情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態とに変化可能に構成されており、具体的には、画像P1、P2、P3の表示を順次切り替える表示切替動作を行うようになっている。このように、表示部12での表示を、「情報コードCが読取可能な状態となった表示状態」と、「情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態」とに変化させ得る構成とすれば、情報コードCのみを連続的に表示する構成では実現し得ない複数種類の表示態様を実現できる。
【0080】
但し、単に情報コードCの表示と他の図又は他の情報の表示とを切り替えるだけでは、情報コードCを読み取らせようとした時点で、情報コードCではなく他の図や他の情報(例えば、画像P2や画像P3)が表示されている可能性があり、この場合、再び情報コードCが読取可能に表示されるまで読み取りが遅延してしまうという問題がある。これに対し、本構成では、情報コードCを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部12を「所定の向き」にする操作を行った際)に、画像P1の表示が読取可能状態に維持(固定)され、情報コードCが読取可能な状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードCを読み取らせることが可能となる。従って、表示部12を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部12を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0081】
なお、
図11の例では、情報コードCの画像P1として、搭乗券と紐付けされたQRコード(登録商標)の画像を例示し、このQRコードに記録される情報(搭乗券に関する情報)に関連する画像として、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の航空会社を特定する画像P2と、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の便名を特定する画像P3とを切り替えて表示するようになっている。このようにすることで、通常時(表示部12が基準方向を向いていないとき)には、情報コードCがどのような種類のものであるかを他の画像P2,P3を目視することで把握することができ、情報コードCを適正に読み取らせることができるようになる。
【0082】
[第3実施形態の変更例]
次に、第3実施形態の変更例について説明する。第3実施形態の変更例は、表示処理の具体例のみが上述した第3実施形態の代表例と異なり、それ以外は第3実施形態の代表例と同一である。具体的には、代表例での切替表示処理では、
図11のように画像P1,P2、P3を順番に切り替えて表示していたが、変更例では、切替表示処理のときに画像P2、又は画像P3、若しくはこれらの両方を表示しており、画像P1を表示しないように制御を行う。このときの画像P2,P3の表示方法は様々であり、例えば、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P2のみを連続的に表示してもよく、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P3のみを連続的に表示してもよい(
図12下図右側はこの例を示す)。或いは、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P2と画像P3を、一定時間毎に切り替えて表示してもよい。このようにすることで、表示部12の向きが「所定の向き」となっていない間は、情報コードCの画像以外を表示することができ、「所定の向き」以外のとき(例えば表示部12が上向きで目視容易なとき)に、情報コード以外の図形や情報をより使用者に認識させやすくすることができる。
【0083】
そして、この構成では、情報コードCの画像以外を表示している最中に、第1実施形態のS1(
図9)と同様の方法で、表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理が行われ、表示部12の向きが「所定の向き」である場合には、
図12下図左側のように、表示部12にて情報コードCが読取可能な状態で表示されることになり、読取装置20などで読み取りやすくなる。
【0084】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係る表示装置10のハードウェア構成は第1実施形態と同一である。よって、ハードウェア構成の詳細な説明は省略する。
【0085】
第3実施形態では、携帯型情報コード表示装置10の構成において、表示部12に情報コードCを切り替わる静止画の一部として表示する構成を例示したが、本構成では、情報コードCを動画の一部として表示しており、この動画の流れを
図13の(A)〜(F)で例示している。この例では、
図13(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)の順に画面が変化するようになっており、情報コードCのコード領域内の図柄が次第に変化するように表示がなされる。具体的には、
図13(A)の画像P21ようにコード領域の左側から入り込んだボールが
図13(B)、(C)の画像P22,P23のように移動するように動画表示がなされ、
図13(D)〜(F)の画像P24,P25,P26のように、縦長に立った状態で止まるように動画表示がなされている。また、コード領域内の明色セル及び暗色セルは、3つの位置検出パターンの付近を除き、明色セルの濃度が次第に変化するようになっており、
図13(A)の画像P21では、明色セルの位置が黒色で表され、その位置の濃度が次第に減少して
図13(B)の画像P22のように明色セルが現れるようになっている。更に、
図13(C)の画像P23のように、次第に明色セルの濃度が増大し、その後
図13(D)の画像P24のように明色セルの位置が黒色で表されるように動画表示がなされる。その後、次第に明色セルの濃度が低下して、
図13(E)の画像P25のように明色セルが浮かび上がり、その後、更に明色セルの濃度が次第に低下して、
図13(F)の画像P26のように、明色セルが白色で表わされるように変化する。
【0086】
このように動画表示がなされるため、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されていない間は、情報コードCが読取可能な状態(
図13(B)(C)(E)(F)の状態)と、読取不能な状態(
図13(A)(D)の状態)とに変化するように表示がなされる。なお、
図13(B)(C)(E)(F)の状態では、ラグビーボールの位置については、公知の誤り訂正方法で誤り訂正が可能となっており、明色セル及び暗色セルによってコード領域内に記録されたデータを支障なく解読することができるようになっている。
【0087】
そして、このような動画表示が行われている最中に、第1実施形態のS2と同様の方法で、表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理が行われ、表示部12が「所定の向き」であると判断される場合には、表示部12において情報コードCを読取装置20によって読み取り可能となるように表示する。このときの表示は、例えば、
図13(B)(C)(E)(F)のようにボールと重ねられて表示される情報コードCのみを抽出した、情報コードCのみの画像を連続的な静止画像として固定(維持)表示してもよく、
図13(B)(C)(E)(F)のいずれかの画像(ボールの部分を誤り訂正によって訂正してデータを解読できる画像)を静止画像として連続的に固定(維持)表示してもよい。このように、情報コードCのみの画像、或いはコード領域内の一部が絵柄や記号などによって誤り訂正可能な形で表された情報コードCの画像を一定時間表示すれば、その一定時間の間に、このような表示画面の表示部12が読取装置20に向かって翳されている場合、読取装置20が情報コードCを確実に読み取ることができる。
【0088】
以上のように本構成では、表示制御部に相当する制御回路11が、表示部12での表示状態を、「情報コードCが読取可能状態となった表示状態」と、「情報コードCのコード領域内が読取不能な構成となった表示状態」とに変化させ得る構成となっている。このように変化させ得る構成とすれば、情報コードCのみを連続的に表示する構成では実現し得ない変化に富んだ意匠性の高い動的表示が可能となる。
【0089】
但し、単に動的表示を行うだけでは、情報コードCを読み取らせようとした時点で、コード領域内が読取不能な構成となった状態(例えば、
図13(A)(D)のような状態)で表示されている可能性があり、この場合、再び読取可能な状態で表示されるまで読み取りが遅延してしまう。これに対し、本構成では、情報コードCを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部12を「所定の向き」にする操作を行った際)に、動画表示から静止画像(情報コードCが読取可能な状態で表示された静止画像)に切り替えられ、情報コードCが読取可能な状態で表示された静止画像が維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードCを読み取らせることが可能となる。ゆえに、表示部12を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部12を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
【0090】
[第5実施形態]
第5実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図14のように変更した点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。
図14の処理において、S52〜S54の処理は、
図9のS2〜S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0091】
この構成でも、
図14の処理開始後、
図6のように、三軸センサ15により、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、この構成でも、所定の短時間毎に行われるS51の処理では、S51の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα以下となったか否かを判断している。但し、このθαを例えば90°としており、角度θが一定時間の間90°以下になった場合にS51にてYesに進むようにしている。つまり、この構成では、例えば、鉛直下方向又は鉛直下方向とのなす角度が一定角度以内となる表示部12の向き(例えば、10°以内の方向)が「所定の向き」であり、上記角度θが90°以下となる状態が一定時間継続した状態が「方向検出部によって検出される表示部12(表示部)の向きの変化が、「所定の向き」に近づく所定の変化状態」に相当する。
【0092】
このように、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示部12の向きの変化が、「所定の向き」に近づく「所定の変化状態」となったことを認識した場合に、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能な状態での表示を維持している。この構成では、表示部12が完全に「所定の方向」に向く前に、「所定の向き」に近づく変化を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な状態に移行させて安定化させることができる。つまり、表示部12が完全に「所定の向き」に向く前に情報コードCを読み取らせるための準備に移ることができ、より早期に情報コードCの読み取りを完了させやすくなる。
【0093】
[第5実施形態の変更例]
例えば、第5実施形態の代表例の構成を全て含み、更に、
図14におけるS51の判断処理において、Yesに進みうる条件を付加してもよい。具体的には、例えば第5実施形態のS51でのYesに進む条件に加え、「所定の短時間における角度θの減少量Δθが一定値以上の場合」に、S51にてYesに進むようにしてもよい。
【0094】
表示部12が完全に鉛直下向きの状態で静止している場合、上記角度θ(加速度αsとZ軸正方向とのなす角度)は0となるため、角度θが急激に減少して0に近づいている場合、表示部12を下向きにする操作が行われている可能性が高い。そこで、
図14の処理開始後、所定の短時間毎(例えば、数ms毎、数十ms毎)に、角度θの減少量Δθを求め、減少量Δθが一定値以上(例えば40°以上)の場合に、S51にてYesに進むようにする。このような構成でも、表示部12(表示部)が完全に「所定の向き」に向く前に、「所定の向き」へと変化する状態を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な表示状態に移行させて安定化させることができる。従って、表示部12(表示部)が完全に「所定の向き」に向く前に情報コードCを読み取らせる準備を整え、より早期に情報コードの読み取りを完了させることができる。なお、この構成でも、第1実施形態と同様「角度θが0°以上閾値θα以下となるときの表示部12の向き」が「所定の向き」である。
【0095】
なお、ここでは
図14におけるS51の判断処理において、Yesに進みうる条件を付加したが、第5実施形態の代表例でのS51の判断処理に代えて、上述の判断処理(所定の短時間における角度θの減少量Δθが一定値以上の場合にS51にてYesに進み、そうでない場合にNoに進む判断処理)を行うようにしてもよい。
【0096】
[第6実施形態]
第6実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図15のように変更した点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。
図15の処理において、S60、62〜S64の処理は、
図9のS1〜S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0097】
この例では、
図15のS60において
図9のS1と同様の判断処理を行った後、Yesに進む場合(即ち、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)に、S61の判断処理を行っている。このS61の処理では、表示装置10が「所定の移動状態」であるか否か(具体的には、例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかの加速度変化が一定値を超えているか否か)を判断している。そして、S61において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかの加速度変化が一定値を超えていると判断される場合には、S61にてYesに進み、この期間は、情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにしている。一方、S60においてYesに進む場合(表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)において、表示装置10が「所定の移動状態」ではない場合(例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれの加速度変化も一定値を超えていない場合)には、S61にてNoに進み、S62以降の処理を行うようになっている。
【0098】
本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、「情報コードCの表示を許可する所定の許可条件が成立している場合」において、「方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合」に、表示部12において、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能な状態での表示を維持している。具体的には、「方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合」であっても、表示装置10が「所定の移動状態」であるときには、情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにしており、表示装置10が「所定の移動状態」ではない場合に限定して、情報コードCを読取可能な状態で表示している。
【0099】
表示部12に表示される情報コードCを読み取らせる場合、表示装置10を静止状態或いはそれに近い状態にする可能性が高く、逆に、表示装置10が移動状態のときには、表示部12が「所定の向き」であっても、読み取りを行おうとしていない可能性が高い。従って、表示装置10が「所定の移動状態」であるときに情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにすれば、不要な時期に情報コードCが読取可能な状態で表示されるといった無駄を抑えやすくなる。
【0100】
なお、ここでは、「所定の許可条件」の例として、「表示装置10が所定の移動状態となっていないこと」を例示したが、この例に限られない。例えば、表示装置10において、情報コードCの自動表示を許可する設定がなされていることを「所定の許可条件」としてもよい。或いは、表示装置10において表示すべき情報コードが存在することを「所定の許可条件」としてもよい。
【0101】
[第7実施形態]
第7実施形態は、第1実施形態の特徴を全て含み、情報コードCの表示のやり方のみを異ならせている。よって、以下では、第1実施形態と同一内容の詳細説明は省略し、第1実施形態の構成に付加された点について重点的に説明する。なお、第7実施形態の考えは、他のいずれの実施形態にも適用できるものである。
【0102】
第7実施形態では、表示制御部に相当する制御回路11は、
図9のS2の処理において情報コードCを読取可能な状態で表示する場合に、「所定の向き」の基準となる基準方向と表示部12の向く方向(
図6で示すZ軸方向)とのなす角度γに基づいて補正した画像を表示する構成となっている。なお、ここでは、「所定の向き」の基準となる基準方向を「鉛直方向」としており、基準方向と表示部12の向く方向(
図6で示すZ軸方向)とのなす角度γは、
図16で示す水平面Fと表示部12の表示面12’とのなす角度γ1と絶対値が同一である。
【0103】
図16のように、表示部12の表示面12’が水平面Fに対して傾くと、
図17(A)のように読取装置20での撮像画像では、情報コードCのコード画像の外形C’が台形状になり、角度γ1が大きいほど、下辺の長さに対する上辺の長さが小さくなる。なお、表示部12の下部が上部よりも読取装置20に近い傾斜状態では、角度γ1は負の値であり、この場合も、角度γ1が大きいほど(即ち角度γ1が0に近いほど)、下辺の長さに対する上辺の長さが小さくなる。
【0104】
傾きを伴う場合、このようにコード画像C’が台形状になるため、本構成では、予め補正した形で情報コードCを表示する。具体的には、角度γ1に応じて、
図17(B)で示す上辺の拡大量Eが定まるようになっており、角度γ1が負の場合には拡大量Eは負の値(即ち、縮小量を示す値)となっている。なお、角度γ1が大きくなるほど拡大量Eを定める方法としては、予め角度γ1の値に応じた拡大量Eの値を定めておき、テーブルデータとして装置内に記憶しておいてもよい。或いは、角度γ1が大きくなるほど拡大量Eを大きくする演算式を用いてもよい。
【0105】
このように、角度γ1が判明すると、上辺での拡大量Eが定まるようになっており、この拡大量Eに基づいて、下辺からの距離ごとの拡大量を定めることができるようになっている。例えば、位置dの拡大量をeとした場合、e=(E×d)/Dの式で拡大量が定まるようになっており、角度γ1が正であれば、下辺からの距離が大きくなる位置ほど(上辺に近づく程)、拡大量eが大きくなるように上側を拡大した台形状のコード画像を生成し、このコード画像を
図9のS2の処理で表示することになる。なお、角度γ1が負であれば、下辺からの距離が大きくなる位置ほど(上辺に近づく程)、縮小量eが大きくなるように上側を縮小した台形状のコード画像を生成し、このコード画像を
図9のS2の処理で表示することになる。
【0106】
本構成のように、情報コードCを読取可能な状態で表示する際に、基準方向と表示部12の向く方向とのなす角度に基づいて補正した状態で表示すれば(具体的には、傾きγ1に合わせて台形状に補正したコード画像を表示装置10で表示すれば)、読取装置20においてコード画像がより正方形又は長方形に近い形で認識されることになり、情報コードCを基準方向に対する傾きに合わせた画像状態で読み取らせ易くなる。
【0107】
[第8実施形態]
第8実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図18のように変更した点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。特に、本実施形態では、複数種類の情報コードのいずれか1つを選択された情報コードCとして表示部12に読取可能状態で表示するように構成されており、上記複数種類の情報コードは記憶部として機能するメモリ14に予め記憶されている。そして、通信部16を介した外部装置50(
図19参照)との通信に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示する。すなわち、本実施形態では、表示装置10が外部装置50から受信する情報に応じて適切な情報コードを自動的に選択して表示部12に表示する。
【0108】
外部装置50は、読取装置20が配置される店舗などの環境等に関連する情報を無線送信するように構成されている。このため、表示装置10は、例えば、店舗Aに配置される外部装置50からその店舗Aに関連する情報を受信している場合には、複数種類の情報コードのうち店舗Aにて表示すべき情報コードを選択する。また、表示装置10は、例えば、店舗Bに配置される外部装置50からその店舗Bに関連する情報を受信している場合には、複数種類の情報コードのうち店舗Bにて表示すべき情報コードを選択する。なお、外部装置50から受信する情報と表示すべき情報コードとの関係を示す情報は、予めメモリ14に記憶されているものとする。また、表示装置10は、直接外部装置50と無線通信可能に構成されてもよいし、アクセスポイント等を介して外部装置50と無線通信可能に構成されてもよい。
【0109】
以下、本実施形態に係るコード表示処理を
図18のフローチャートを参照して説明する。なお、
図18の処理において、S70,S74,S75の処理は、
図9のS1,S3,S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0110】
図18のS70において
図9のS1と同様の判断処理を行った後、Yesに進む場合(即ち、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)に、外部装置50からの情報を通信部16を介して受信しているか否かを判断する(S71)。
【0111】
そして、外部装置50からの情報を通信部16を介して受信している場合には、S71にてYesに進み、S71にて受信された情報に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択する(S72)。このように表示すべき情報コードを選択すると、S73では、表示部12での表示を、選択された情報コードCの画像に切り替え、その情報コードCの画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する。
【0112】
例えば、店舗Aに配置される読取装置20に情報コードを翳す場合であり、その店舗Aに配置される外部装置50から情報を受信すると、その情報に応じて店舗Aにて表示すべき情報コードの画像に切り替え、その情報コードの画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する。
【0113】
一方、S70にてYesに進んだ後、外部装置50から情報を受信していない場合には、S71にてNoに進み、デフォルトの情報コードの表示が設定されているか否かを判断する(S76)。予めデフォルトの情報コードの表示が設定されている場合には、S76でYesに進み、表示部12での表示を、予め設定されたデフォルトの情報コードの画像に切り替え、その情報コードの画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する(S77)。なお、上記デフォルトの情報コードは、上述した複数種類の情報コードとともにメモリ14に予め記憶されている。一方、デフォルトの情報コードの表示が設定されていない場合には、S76でNoに進み、情報コードを表示部12に読取可能状態で表示することなく本コード表示処理を終了する。
【0114】
以上のように本構成では、表示部12に表示可能な複数種類の情報コードが記憶されるメモリ(記憶部)14と、外部装置50と通信可能な通信部16とを備えるように構成されている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、情報コードを読取可能状態で表示する場合に、通信部16を介した外部装置50との通信に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示する構成となっている。
【0115】
この構成では、通信部16を介した外部装置50との通信に応じて複数種類の情報コードのうちから1つが選択して表示されるので、表示可能な情報コードが複数種類あっても、表示すべき情報コードを自動的に選択することができる。従って、表示装置10が外部装置50から受信する情報を、読取装置20が配置される環境等に応じて変更することで、複数種類の情報コードのうちから適切な情報コードを自動的に選択して表示することができる。
【0116】
[第9実施形態]
第9実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図20のように変更した点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。特に、本実施形態では、第8実施形態と同様に、複数種類の情報コードが記憶部として機能するメモリ14に予め記憶されている。そして、検出される表示部12が向く方向に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示する。すなわち、本実施形態では、翳し操作した読取装置10の位置変化(傾き変化)に応じて適切な情報コードを自動的に選択して表示部12に表示する。
【0117】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θが「表示部12が向く方向を示す値」であり、「角度θが0°以上閾値θα以下となるときに表示部12が向く方向」が「所定の向き」である。特に、本実施形態では、0°より大きく閾値θα未満の閾値θmを予め設定し、「角度θが0°以上閾値θm未満となるときに表示部12が向く方向」を「第1の向きD1」とし、この第1の向きD1を検出すると上記複数種類の情報コードのうちからこの第1の向きD1に応じた情報コードC1を選択して表示する。また、「角度θがθm以上閾値θα以下となるときに表示部12が向く方向」を「第2の向きD2」とし、この第2の向きD2を検出すると上記複数種類の情報コードのうちからこの第2の向きD2に応じた情報コードC2を選択して表示する。このため、本実施形態では、情報コードC1および情報コードC2の2つの情報コードが複数種類の情報コードとしてメモリ14に予め記憶されており、第1の向きD1を検出すると
図21(A)に例示するように情報コードC1を表示部12に表示し、第2の向きD2を検出すると
図21(B)に例示するように情報コードC2を表示部12に表示する。なお、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを、水平面に対する読取装置10の傾斜角度とすることで、
図22に例示するように、角度θと第1の向きD1および第2の向きD2との関係を図示することができる。なお、
図22では、第1の向きD1が検出される読取装置10の位置変化(傾き変化)を実線にて例示し、第2の向きD2が検出される読取装置10の位置変化(傾き変化)を二点鎖線にて例示する。
【0118】
以下、本実施形態に係るコード表示処理を
図20のフローチャートを参照して説明する。なお、
図20の処理において、S80,S83,S84の処理は、
図9のS1,S3,S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0119】
図20のS80において
図9のS1と同様の判断処理を行った後、Yesに進む場合(即ち、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)に、この検出された表示部12が向く方向に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択する(S81)。このように表示すべき情報コードを選択すると、S82では、表示部12での表示を、選択された情報コードCの画像に切り替え、その情報コードCの画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する。例えば、第1の向きD1を検出すると、その向きに応じた情報コードC1の画像に切り替え、その情報コードC1の画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)する(
図21(A)参照)。
【0120】
以上のように本構成では、表示部12に表示可能な複数種類の情報コードが記憶されるメモリ(記憶部)14を備えるように構成されている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、情報コードを読取可能状態で表示する場合に、方向検出部により検出される表示部12が向く方向に応じてメモリ14に記憶される複数種類の情報コードのうちから1つを選択して表示する構成となっている。
【0121】
この構成では、方向検出部により検出される表示部12が向く方向に応じて複数種類の情報コードのうちから1つが選択して表示されるので、表示可能な情報コードが複数種類あっても、表示すべき情報コードを自動的に選択することができる。従って、ユーザは、表示させたい情報コードに対応する表示部12が向く方向となるように表示装置10を読取装置20に対して翳し操作することで、複数種類の情報コードのうちから所望の情報コードを自動的に選択して表示することができる。
【0122】
なお、本実施形態では、所定の向きを第1の向きD1および第2の向きD2の2つに区分することに限らず、メモリ14に記憶される情報コードの種類数に応じて区分してもよい。例えば、メモリ14に記憶される情報コードの種類数が3つである場合には、所定の向きを3つの向きに区分することで、3種類の情報コードのうちから所望の情報コードを自動的に選択して表示することができる。
【0123】
[第10実施形態]
第10実施形態は、
図9のコード表示処理を、
図23のように変更した点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様となっている。特に、本実施形態では、情報コードが読取可能状態で表示部12に表示されることを許可する際に操作部13に対して行う操作(以下、許可操作ともいう)が設定されている。このため、表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合であっても、ユーザが意図して操作部13に対して上記許可操作しない限り情報コードが読取可能状態で表示されることもない。ここで、上記許可操作は、例えば、操作部13を構成する複数のスイッチのうち、既定のスイッチを操作することとして設定されてもよいし、既定の複数のスイッチを同時に操作することとして設定されてもよい。また、上記許可操作は、操作部13の一部がタッチパネルにより構成される場合には、タッチパネル画面の所定の位置をタッチ操作することとして設定されてもよい。
【0124】
以下、本実施形態に係るコード表示処理を
図23のフローチャートを参照して説明する。なお、
図23の処理において、S90、92〜S94の処理は、
図9のS1〜S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
【0125】
図23のS90において
図9のS1と同様の判断処理を行った後、Yesに進む場合(即ち、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)に、S91の判断処理を行っている。このS91の処理では、操作部13に対して上記許可操作がなされているか否かを判断している。そして、S91において、操作部13に対して上記許可操作がなされていると判断されない場合には、S91にてNoに進み、この期間は、情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにしている。すなわち、この期間は、情報コードが読取可能状態で表示部12に表示されることを禁止する。一方、S90においてYesに進む場合(表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)において、操作部13に対して上記許可操作がなされていると判断される場合には、S91にてYesに進み、S92以降の処理を行うようになっている。特に、本実施形態では、S92での処理は、許可操作により選択された情報コードの画像を表示した状態で表示を読取可能状態にして維持(固定)し、表示すべき情報コードが1つしかない場合には、その情報コードが許可操作により選択された情報コードとされる。
【0126】
以上のように本構成では、情報コードの表示を許可する際に許可操作される操作部13を備えるように構成されている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、操作部13に対して許可操作されていない場合に情報コードの表示を禁止し、操作部13に対して許可操作されており且つ方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部12において、少なくとも情報コードを所定の読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
【0127】
この構成では、方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合であっても、ユーザが意図して操作部13に対して許可操作しない限り情報コードが読取可能状態で表示されることもない。これにより、意図しない情報コードの表示が防止されて、情報コードの表示に関するセキュリティ性を向上させることができる。
【0128】
なお、S90でYesに進むことを前提に、許可操作に応じて1種類の情報コードが表示されることに限らず、複数種類の許可操作を設定してその許可操作に応じて複数種類の情報コードのうちから1つが選択されて表示されてもよい。例えば、S90でYesに進むことを前提に、操作部13のボタンAを操作する許可操作では情報コードC1を読取可能状態で表示し、操作部13のボタンBを操作する許可操作では情報コードC2を読取可能状態で表示することもできる。さらに、S90でYesに進むことを前提に、ボタンAおよびボタンBを同時に操作する許可操作では情報コードC1,C2と異なる他の情報コードを読取可能状態で表示することもできる。
【0129】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0130】
第3実施形態では、情報コードCの画像P1と、情報コードCに関連する他の図又は他の情報の画像(画像P2,P3)を切り替えて表示する一例を示したが、この例に限定されるものではない。例えば、情報コードCに、商品名や、商品提供主体(商品提供企業など)の名称、或いは商品提供主体が運営するサイトのアドレスなどが記録されている場合、情報コードCの画像と、情報コードCに記録されたデータによって特定される商品の情報や図形(その商品そのものの画像や、その商品の商品名情報、その商品の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。或いは、情報コードCに記録されたデータによって特定される主体(会社や個人など)と、その主体を特定する情報や図形(その主体そのものの画像や、その主体の主体名情報(会社名や個人名など)、その主体の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。
【0131】
上記実施形態では、S2、S22、S52、S62、S73、S82、S92などの表示処理において、表示部12での表示状態を、一定のサイズの情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示された状態で読取可能状態にして維持(固定)する処理を行う構成を例示した。しかしS2、S22、S52、S62、S73、S82、S92などの表示処理では、表示部12での表示状態を、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とする構成であれば、その他の表示処理を行ってもよい。例えば、S2、S22、S52、S62、S73、S82、S92で表示が開始した後、S3、S23、S53、S63、S74、S83、S93でYesに進むまでの間、読取装置20によって読取可能となる状態で、暗色セルの濃度が濃い表示状態の情報コードと暗色セルの濃度がそれより薄い状態の情報コードとで一定時間毎に切り替わるように表示されてもよい。或いは、情報コードCが点滅するように断続的に表示される構成であってもよい。この場合、点滅表示中、情報コードCが消える期間は非常に短い時間とすることが望ましい。或いは、読取装置20によって読取可能となる状態で、情報コードCが複数のサイズに変化しながら連続的又は断続的に表示される構成であってもよい。
【0132】
第1実施形態では、
図9に示すフローチャートにおいて、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で表示されてから(即ち、S2の表示がなされてから)、S3において、所定の時間が経過したか否かを判断していたが、このS3の判断処理に代えて、他の判断処理を行ってもよい。例えば、S1において表示部12が所定の向き(例えば、鉛直下方又は鉛直斜め下方)を向いた状態が検出され、S1でYesに進んだ場合、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いたことが検出された場合に、S3にてYesに進むようにしてもよい。この場合、S1でYesに進んだ後、S3の処理を所定の短時間毎に定期的に行い、表示部12が「所定の向き」を向いた状態のままであればNoに進み、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いた状態となれば(例えば、上記角度θが、所定時間(例えば、1秒)以上、閾値θαを超えたことが検出された場合)、S3でYesに進むことになる。この例では、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いた状態が検出されることが「所定のコード表示解除条件の成立」に相当する。また、「所定のコード表示解除条件の成立」は、これらの例に限られるものではなく、例えば、「操作部13に対して所定操作が行われたこと」などであってもよい。この場合、S3の判断処理に代えて、「操作部13に対して所定操作が行われたか否かを判断する処理」を行えばよく、操作部13に対して所定操作が行われた場合にはS3にてYesに進み、そうでない場合にはNoに進むようにすればよい。また、この考えは、他の実施形態にも同様に適用できる。
【0133】
上記実施形態では、単に、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となった場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出していたが、この例に限られない。例えば、いずれの実施形態でも、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となっている状態で、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間(例えば1秒、或いは0.1秒)の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出してもよい。この場合、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合」が、「方向検出部によって検出される表示部12の向きが所定の向きとなった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合のときに、表示部12が向く方向」が「所定の向き」である。
【0134】
上記実施形態では、三軸センサ15によって表示部12(表示部)の向きを検出する例を示したが、この例に限られない。例えば、
図1のように、上向きに照明光を発するような読取装置20に対し、下向きに表示部12を翳して表示部12に表示された情報コードCを読み取らせる場合、表示部12付近に光量センサを配置しておき、光量センサによって検出される光量が一定値以上となった場合に、S1、S21、S60、S70、S80、S90にてYesに進むようにしてもよい。この場合、光量センサによって検出される光量が一定値未満の間はS1、S21、S51、S60、S70、S80、S90などにおいてNoに進み続けることになる。この場合、「光量センサによって検出される光量が一定値以上となる向き」が「所定の向き」に相当する。
【0135】
上記実施形態では、表示装置10を基準とした鉛直方向の向きを加速度センサによって検出する方法を例示したが、いずれの実施形態でも、鉛直方向が検出できる方法であれば、公知の様々な方法を用いることができる。例えば、加速度センサと地磁気センサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよく、加速度センサとジャイロセンサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよい。いずれの方法でも、鉛直方向が特定できれば、その鉛直方向とZ軸正方向とのなす角度θが特定できる。
【0136】
上記実施形態では、使用者による操作位置よりも下位置に読取装置20が配置され、読取装置20が上方に翳された情報コードを読み取る構成を例示したが、この例に限られない。例えば、読取装置20が壁などに取り付けられ、横向き(水平向き)に受光センサ23の視野範囲が設定されるような場合、S1、S21、S51、S60、S70、S80、S90等では、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下の状態となったか否かを判断し、該当する場合にはS1、S21、S51、S60、S70、S80、S90などにおいてYesに進み、該当しない場合にはNoに進むようにしてもよい。この場合、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下となるときの表示部12の向きが「所定の向き」に相当する。