特開2019-201302(P2019-201302A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラディウス株式会社の特許一覧

特開2019-201302ストリーミングデータの配信装置及びその方法
<>
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000003
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000004
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000005
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000006
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000007
  • 特開2019201302-ストリーミングデータの配信装置及びその方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201302(P2019-201302A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】ストリーミングデータの配信装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/236 20110101AFI20191025BHJP
   H04N 21/233 20110101ALI20191025BHJP
   H04N 21/2543 20110101ALI20191025BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   H04N21/236
   H04N21/233
   H04N21/2543
   G10K15/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-94256(P2018-94256)
(22)【出願日】2018年5月16日
(71)【出願人】
【識別番号】500198966
【氏名又は名称】ラディウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】香田 進
【テーマコード(参考)】
5C164
5D208
【Fターム(参考)】
5C164PA41
5C164SB04P
5C164SB11P
5C164SC32P
5C164UC23S
5D208BA03
5D208BA08
5D208BA10
5D208BB07
(57)【要約】
【課題】ライブ会場などの映像・音声出力部で収録した音質の優れたハイレゾ音声信号を映像信号に合成して配信し、ユーザーがリアルタイムで再生することのできるストリーミングデータの配信装置とその方法を提供すること。
【解決手段】ライブ会場60などで撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部61と、前記ライブ会場60で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62と、入力したハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッター63と、このエンベッター63に接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダー64と、このエンコーダー64のデータをストリーミングデータに変換するパッケージャー30と、このパッケージャー30から各配信サーバー65とインターネット67を介して接続される再生装置52とからなり、前記再生装置は、課金によって視聴可能なシステムとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像・音声出力部で撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部と、
前記映像・音声出力部で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部と、
前記映像信号入力部と音声信号入力部に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッターと、
このエンベッターに接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダーと、
このエンコーダーのデータをストリーミングデータに変換するパッケージャーと、
このパッケージャーから各配信サーバーとインターネットを介して接続される記録不可能な再生装置とからなり、
前記再生装置は、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合可能であることを特徴とするストリーミングデータの配信装置。
【請求項2】
エンコーダーは、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化するMPEG−4ALSからなり、
パッケージャーは、エンコーダーで圧縮されたデータをストリーミングデータに変換するMPEG−DASHからなる
ことを特徴とする請求項1記載のストリーミングデータの配信装置。
【請求項3】
再生装置は、パッケージャーから映像データとハイレゾ化した音声データを多重化したストリーミングデータを取り込み復号化するコントローラーと、このコントローラーから出力されたハイレゾ化した音声を再生可能な音声出力部と、前記コントローラーから出力された映像を表示する映像表示部と、前記パッケージャーから取り込まれた音源データのフォーマットを表示する音源データ表示部と、前記再生装置の持つフォーマットを表示する音声再生データ表示部と、前記コントローラーから出力された映像のフォーマットを表示する映像データ表示部とを具備していることを特徴とする請求項1又は2記載のストリーミングデータの配信装置。
【請求項4】
音源データ表示部は、ファイル名表示部と第1の数値表示部と第1の棒グラフ表示部とを具備し、音声再生データ表示部は、音声再生機種名表示部と第2の数値表示部と第2の棒グラフ表示部を具備し、映像データ表示部は、映像ファイル名表示部と総画素数表示部を具備していることを特徴とする請求項1又は2記載のストリーミングデータの配信装置。
【請求項5】
コントローラーは、パッケージャーからのMPEG−DASHで変換されているストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSでデコードし、復号化する機能を具備していることを特徴とする請求項1又は2記載のストリーミングデータの配信装置。
【請求項6】
映像・音声出力部で撮像した映像信号を映像信号入力部でHDTV信号に変換して出力する工程と、
前記映像・音声出力部で収録した音声信号を音声信号入力部でハイレゾ音声信号に変換する工程と、
前記工程で変換したハイレゾの音声信号を前記工程でHDTV信号に変換した映像信号にエンベッターで重畳する工程と、
前記工程で重畳されたハイレゾの音声信号と映像信号をMPEG−4ALSからなるエンコーダーでロスレス圧縮して符号化する工程と、
前記工程で圧縮されたデータをMPEG−DASHからなるパッケージャーでストリーミングデータに変換する工程と、
前記工程で前記パッケージャーから各配信サーバーに送られ、インターネットを介してエンドユーザーの記録不可能な再生装置にて受信したストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSからなるデコーダーで歪なく復号化する工程と、
前記再生装置を、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合する工程と
からなることを特徴とするストリーミングデータの配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブ会場などの映像・音声出力部から入力した映像とハイレゾの音声のテータをダウンロードすることなくリアルタイムで課金により再生するストリーミングデータの配信装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、音声携帯機器本体に外部から読み込み記憶されている音源の周波数帯域と、この音声携帯機器本体で再生する周波数帯域とを比較表示できるようにした音声携帯機器の表示装置を提供した(特許文献1)。
この特許文献1に記載の音声携帯機器の表示装置は、図6に示すように、外部の複数の音源データを読み込み記憶する音源ファイル18と、この音源ファイル18の音源データを再生する再生ユニット14と、再生機種のデータを記憶する機器データメモリ16と、前記音源データの読み込みと出力、前記機種データの読み込みと出力を制御するコントローラ15と、前記音源ファイル18の音源データのサンプリングレートを出力するサンプリングレート出力21と、前記コントローラ15から再生ユニット14への再生出力に基いて再生サンプリングレートを出力する再生サンプリングレート出力23と、前記サンプリングレート出力21のサンプリングレートを表示する音源出力表示部12と、前記再生サンプリングレート出力23のサンプリングレートを表示する再生出力表示部13とを具備し、前記音源データのサンプリングレート出力21に加え、選択された前記音源データのファイルデータを出力するファイル形式出力20を設け、前記再生サンプリングレート出力23に加え、選択された前記機種データを出力する機種データ出力22を設け、前記音源出力表示部12は、前記ファイル形式出力20から出力された音源データのファイル形式名を表示するファイル名表示部24と、前記サンプリングレート出力21から出力された音源データのサンプリングレートを、数値によりディジタル表示する数値表示部25と棒線グラフによりアナログ表示する棒グラフ表示部26を有し、前記再生出力表示部13は、前記機種データ出力22から出力された機種データ名を表示する再生機種名表示部27と、前記再生サンプリングレート出力23から出力された機種データのサンプリングレートを、数値によりディジタル表示する数値表示部28と棒線グラフによりアナログ表示する棒グラフ表示部29を有し、前記音源出力表示部12を構成する前記ファイル名表示部24、前記数値表示部25、前記棒グラフ表示部26と、前記再生出力表示部13を構成する前記再生機種名表示部27、前記数値表示部28、前記棒グラフ表示部29とを比較表示のためそれぞれ上下に対応して配置したものである。
【0003】
特許文献2には、番組データを受信部でストリーミング受信することが記載されている。
これによれば、受信部208は、サーバ100から番組データを受信すると、所定の復号単位サイズが溜まるまで第1バッファ250に格納する。復号部222は、第1バッファに格納された番組データを所定の復号単位サイズで復号し、第2バッファ252に格納する。
同期信号調整部400は、復号部222が複合したMpeg2のTSパケットを解析した後、ストリーム供給部256に出力する。ストリーム供給部256は、同期信号調整部400から取得したパケットを第3バッファ254に格納する。第3バッファ254に格納されたパケットが所定量以上になると、ストリーム供給部256は、パケット分離部224に出力する。
分離部224は、ストリーム供給部256から取得した番組データのパケットから、映像信号、音声信号、および再生タイミング信号を分離する。分離部224は、番組データのパケットから分離した映像信号と音声信号とを、それぞれ映像バッファ258と音声バッファ260とに格納する。映像デコーダ262は、映像バッファ258に格納された映像信号をデコードして第4バッファ266に格納する。同様に、音声デコーダ264は、音声バッファ260に格納された音声データをデコードして第4バッファ266に格納する。
と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3196335号公報
【特許文献2】特開2013−223091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示した装置では、音声の再生はできるが、リアルタイムで同時に映像の再生をすることはできないという問題があった。
【0006】
特許文献2記載の発明は、所定の復号単位サイズが溜まるまでダウンロードしてから見たり聴いたりすることになるので、全てのデータを溜めると、メモリの容量不足で見たり聴いたりすることができなくなる恐れがある。
また、復号処理をするために、第1バッファ250、第2バッファ252、第3バッファ254、第4バッファ266へと順次格納することが必要で、複数のメモリを必要とし、その工程も複雑になる。
という問題があった。
【0007】
これに対し、音声信号と映像信号のファイルをユーザーが受け取りながらリアルタイムで再生する技術が発表されている。
しかし、従来は、映像信号にハイレゾ(44.1kHz,16bit又は48kHz,16bit超え)の音声信号を合成して配送することができなかったため、ライブ会場の音声と同等の音質を再生することができなかった。
また、ハイレゾ音声信号と映像信号をリアルタイムで再生する場合、課金によって視聴可能なシステムが望まれていた。
【0008】
本発明の目的は、ハイレゾ音声信号と映像信号のファイルをユーザーが受け取りながらリアルタイムで再生するストリーミング方式において、音質の優れたハイレゾの音声信号を合成して配信し、かつ、課金によって視聴可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のストリーミングデータの配信装置は、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部61と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62と、
前記映像信号入力部61と音声信号入力部62に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッター63と、
このエンベッター63に接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダー64と、
このエンコーダー64のデータをストリーミングデータに変換するパッケージャー30と、
このパッケージャー30から各配信サーバー65とインターネット67を介して接続される記録不可能な再生装置52とからなり、
前記再生装置52は、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66に結合可能であることを特徴とする。
【0010】
前記エンコーダー64は、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化するMPEG−4ALSからなり、
前記パッケージャー30は、エンコーダー64で圧縮されたデータをストリーミングデータに変換するMPEG−DASHからなる
ことを特徴とする。
【0011】
前記再生装置52は、パッケージャー30から映像データとハイレゾ化した音声データを多重化したストリーミングデータを取り込み復号化するコントローラー31と、このコントローラー31から出力されたハイレゾ化した音声を再生可能な音声出力部34と、前記コントローラー31から出力された映像を表示する映像表示部35と、前記パッケージャー30から取り込まれた音源データのフォーマットを表示する音源データ表示部49と、前記再生装置52の持つフォーマットを表示する音声再生データ表示部50と、前記コントローラー31から出力された映像のフォーマットを表示する映像データ表示部51とを具備していることを特徴とする。
【0012】
前記音源データ表示部49は、ファイル名表示部41と第1の数値表示部42と第1の棒グラフ表示部43とを具備し、音声再生データ表示部50は、音声再生機種名表示部44と第2の数値表示部45と第2の棒グラフ表示部46を具備し、映像データ表示部51は、映像ファイル名表示部47と総画素数表示部48を具備していることを特徴とする。
【0013】
前記コントローラー31は、パッケージャー30からのMPEG−DASHで変換されているストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSでデコードし、復号化する機能を具備していることを特徴とする。
【0014】
本発明のストリーミングデータの配信方法は、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号を映像信号入力部61でHDTV信号に変換して出力する工程と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号を音声信号入力部62でハイレゾ音声信号に変換する工程と、
前記工程で変換したハイレゾの音声信号を前記工程でHDTV信号に変換した映像信号にエンベッター63で重畳する工程と、
前記工程で重畳されたハイレゾの音声信号と映像信号をMPEG−4ALSからなるエンコーダー64でロスレス圧縮して符号化する工程と、
前記工程で圧縮されたデータをMPEG−DASHからなるパッケージャー30でストリーミングデータに変換する工程と、
前記工程で前記パッケージャー30から各配信サーバー65に送られ、インターネット67を介してエンドユーザーの再生装置52にて受信したストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSからなるデコーダーで歪なく復号化する工程と、
前記再生装置52を、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66に結合する工程と
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、
映像・音声出力部で撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部と、
前記映像・音声出力部で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部と、
前記映像信号入力部と音声信号入力部に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッターと、
このエンベッターに接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダーと、
このエンコーダーのデータをストリーミングデータに変換するパッケージャーと、
このパッケージャーから各配信サーバーとインターネットを介して接続される記録不可能な再生装置とからなり、
前記再生装置は、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合可能であるので、ハイレゾ音声信号と映像信号のファイルをユーザーが受け取りながらリアルタイムで再生するストリーミング方式において、これまでなかった音質の優れたハイレゾの音声信号を合成して配信することができる。また、課金によって視聴可能なシステムを提供することができる。課金とすることにより、ストリーミングによりユーザーに送ったアーチストの原音、すなわち、マスターサウンドが確実に保護されるとともに、アーチストは、チケット代として報酬を確実に受けられる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、
エンコーダーは、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化するMPEG−4ALSからなり、
パッケージャーは、エンコーダーで圧縮されたデータをストリーミングデータに変換するMPEG−DASHからなるので、ハイレゾの音声信号を含むストリーミングデータをロスレス圧縮して符号化し、この圧縮されたデータをストリーミングデータに変換する再生装置を提供できる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、
再生装置は、パッケージャーから映像データとハイレゾ化した音声データを多重化したストリーミングデータを取り込み復号化するコントローラーと、このコントローラーから出力されたハイレゾ化した音声を再生可能な音声出力部と、前記コントローラーから出力された映像を表示する映像表示部と、前記パッケージャーから取り込まれた音源データのフォーマットを表示する音源データ表示部と、前記再生装置の持つフォーマットを表示する音声再生データ表示部と、前記コントローラーから出力された映像のフォーマットを表示する映像データ表示部とを具備しているので、ハイレゾ音源を、しかもライブストリーミングが可能となり、これまでにない全く新しい音楽の聴き方を体験することが可能となる。ライブ会場などの映像・音声出力部で演奏される迫力ある音楽を動画とともにリアルタイムでライブストリーミング配信することにより、会場に行くことがかなわない場合でも臨場感ある高音質のライブ演奏を別の場所で原音のまま楽しむことができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、
音源データ表示部は、ファイル名表示部と第1の数値表示部と第1の棒グラフ表示部とを具備し、音声再生データ表示部は、音声再生機種名表示部と第2の数値表示部と第2の棒グラフ表示部を具備し、映像データ表示部は、映像ファイル名表示部と総画素数表示部を具備しているので、ストリーミングサーバーから取り込まれている音声データが192kHzであるにもかかわらず、再生は、96kHzで再生されていることが一見して区別できる。このことは、取り込まれた音声データを使用中の再生装置では十分に再生されていないことが一見して理解できる。
また、音源データ表示部と音声再生データ表示部の表示が一致していれば、この再生装置は、音声データを十分生かして再生していることが理解できる。
さらに、映像データ表示部の総画素数表示部で総画素数が表示され、高画質の映像であることを確認できる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、
コントローラーは、パッケージャーからのMPEG−DASHで変換されているストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSでデコードし、復号化する機能を具備しているので、再生装置は、タブレット端末、スマートホンなどの携帯用機器のみならず、パソコンその他の携帯用以外の機器にも採用できる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、
映像・音声出力部で撮像した映像信号を映像信号入力部でHDTV信号に変換して出力する工程と、
前記映像・音声出力部で収録した音声信号を音声信号入力部でハイレゾ音声信号に変換する工程と、
前記工程で変換したハイレゾの音声信号を前記工程でHDTV信号に変換した映像信号にエンベッターで重畳する工程と、
前記工程で重畳されたハイレゾの音声信号と映像信号をMPEG−4ALSからなるエンコーダーでロスレス圧縮して符号化する工程と、
前記工程で圧縮されたデータをMPEG−DASHからなるパッケージャーでストリーミングデータに変換する工程と、
前記工程で前記パッケージャーから各配信サーバーに送られ、インターネットを介してエンドユーザーの記録不可能な再生装置にて受信したストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSからなるデコーダーで歪なく復号化する工程と、
前記再生装置を、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合する工程と
からなることを特徴とするストリーミングデータの再生方法としたので、ハイレゾ音声信号と映像信号のファイルをユーザーが受け取りながらリアルタイムで再生するストリーミングデータの配信方法を提供することができる。また、課金によって視聴可能なシステムを提供することができる。課金とすることにより、ストリーミングによりユーザーに送ったアーチストの原音、すなわち、マスターサウンドが確実に保護されるとともに、アーチストは、チケット代として報酬を確実に受けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるストリーミングデータの配信装置及びその方の実施例1を示すブロック図である。
図2】本発明による再生装置の実施例を示すブロック図である。
図3】本発明による課金による購入フローチャートと再生フローチャートである。
図4】本発明による再生装置の実施例を示す正面図である。
図5】本発明による再生装置の動作を示すフローチャートである。
図6】従来の音声携帯機器の表示装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、基本的には、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部61と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62と、
前記映像信号入力部61と音声信号入力部62に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッター63と、
このエンベッター63に接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダー64と、
このエンコーダー64のデータをストリーミングデータに変換するパッケージャー30と、
このパッケージャー30から各配信サーバー65とインターネット67を介して接続される記録不可能な再生装置52とからなり、
前記再生装置は、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合可能であることを特徴とする。
【0023】
より具体的には、エンコーダー64は、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化するMPEG−4ALSからなり、
パッケージャー30は、エンコーダー64で圧縮されたデータをストリーミングデータに変換するMPEG−DASHからなる。
【0024】
エンドユーザーがストリーミングデータを再生する再生装置52は、パッケージャー30から映像データとハイレゾ化した音声データを多重化したストリーミングデータを取り込み復号化するコントローラー31と、このコントローラー31から出力されたハイレゾ化した音声を再生可能な音声出力部34と、前記コントローラー31から出力された映像を表示する映像表示部35と、前記パッケージャー30から取り込まれた音源データのフォーマットを表示する音源データ表示部49と、前記再生装置52の持つフォーマットを表示する音声再生データ表示部50と、前記コントローラー31から出力された映像のフォーマットを表示する映像データ表示部51とを具備している。
【0025】
また、音源データ表示部49は、ファイル名表示部41と第1の数値表示部42と第1の棒グラフ表示部43とを具備し、音声再生データ表示部50は、音声再生機種名表示部44と第2の数値表示部45と第2の棒グラフ表示部46を具備し、映像データ表示部51は、映像ファイル名表示部47と総画素数表示部48を具備している。
【0026】
コントローラー31は、パッケージャー30からのMPEG−DASHで変換されているストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSでデコードし、復号化する機能を具備している。
【0027】
本発明のストリーミングデータの配信方法は、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号を映像信号入力部61でHDTV信号に変換して出力する工程と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号を音声信号入力部62でハイレゾ音声信号に変換する工程と、
前記工程で変換したハイレゾの音声信号を前記工程でHDTV信号に変換した映像信号にエンベッター63で重畳する工程と、
前記工程で重畳されたハイレゾの音声信号と映像信号をMPEG−4ALSからなるエンコーダー64でロスレス圧縮して符号化する工程と、
前記工程で圧縮されたデータをMPEG−DASHからなるパッケージャー30でストリーミングデータに変換する工程と、
前記工程で前記パッケージャー30から各配信サーバー65に送られ、インターネット67を介してエンドユーザーの再生装置52にて受信したストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSからなるデコーダーで歪なく復号化する工程と、
前記再生装置を、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合する工程と
からなる。
【実施例1】
【0028】
本発明によるストリーミングデータの配信装置及びその方法の実施例1を図面に基づき説明する。
図1において、60は、映像・音声出力部で、この映像・音声出力部60は、演奏会場、ライブ会場、スポーツ実況会場、鉄道の音、野鳥の音などの自然界など、映像と音声を、臨場感をもってライブで出力するあらゆる場所を含む。この映像・音声出力部60には、撮像した映像信号を例えば、2K(1920×1080画素)などのHDTV信号(静止画又は動画)に変換して出力する映像信号入力部61と、前記ライブ会場などの映像・音声出力部60で収録した音声信号を、例えば、24bit/96kHzのハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62が設置されている。ハイレゾ音声信号は、サンプリング周波数及び量子化ビット数がCD−DAスペック(44.1kHz/16bit)又はDATスペック(48.0kHz/16bit)を超えているものをいう。
また,映像信号は、2K以外に、4K,8Kなどであってもよい。
【0029】
前記映像信号入力部61と音声信号入力部62は、合成回路としてのエンベッター63に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳する。このエンベッター63は、エンコーダー64に接続される。このエンコーダー64は、国際標準のロスレス符号化方式MPEG−4ALS(Audio Lossless Coding)からなり、ハイレゾ音声に対応しており、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化する。このエンコーダー64は、ストリーミングサーバーとしてのパッケージャー30に接続される。このパッケージャー30は、国際標準のMPEG−DASHからなり、前記エンコーダー64で圧縮されたデータがストリーミングデータに変換される。
このパッケージャー30から各配信サーバー65に送られ、インターネット67を介してエンドユーザーの再生装置52にて受信される。
【0030】
前記再生装置52には、図2に示すように、映像表示部35とタッチパネル操作部36が切り替え表示されるように設けられ、また、イヤホンなどの音声出力部34が接続されている。前記映像表示部35には、音源データ表示部49と音声再生データ表示部50と映像データ表示部51が設けられている。
【0031】
また、前記再生装置52には、コントローラー31が設けられている。このコントローラー31は、可逆圧縮化ツールである前記MPEG−4ALSからなるデコーダーとして機能し、前記エンコーダー64で圧縮されたハイレゾの音声信号と映像信号のサンプリングされたストリーミングデータを歪なく復号化する。
コントローラー31には、図4に示すように、イヤホン、スピーカーなどからなる音声出力部34と,映像(動画又は静止画)を表示する映像表示部35と、映像のフォーマットを抽出する映像フォーマット抽出部32と、前記再生装置52の持つ機種データを記憶している音声機器データメモリ33と、タッチパネル、スイッチなどのタッチパネル操作部36が接続されている。
【0032】
前記コントローラー31には、また、パッケージヤー30から入力した音声ファイル形式名を出力する音声ファイル形式出力部37と、パッケージヤー30から入力した音声ファイルのサンプリングレートを解析し出力するサンプリングレート出力部38が接続され、これらの音声ファイル形式出力部37とサンプリングレート出力部38は、前記音源データ表示部49のファイル名表示部41と第1の数値表示部42と第1の棒グラフ表示部43に接続されている。
【0033】
前記コントローラー31の前記音声出力部34への出力側には、音声機器データメモリ33から取り込んだ機種データを出力する機器データ出力部39と、現在使用している再生装置52の再生サンプリングを解析して出力する再生サンプリング出力部40が接続され、これらは、前記音声再生データ表示部50の音声再生機種名表示部44と第2の数値表示部45と第2の棒グラフ表示部46に接続されている。
【0034】
前記再生装置52には、タッチパネル操作部36を備えており、このタッチパネル操作部36の操作により、前記インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66に接続する。
【0035】
以上のような構成による再生装置52の作用を図5に基づき説明する。
(a)再生装置52のスイッチを入れてスタートし、タッチパネル操作部36により、コントローラー31へ取り込もうとするデータの該当するアドレスを指定する。パッケージヤー30には、2K、4K、8Kなどの高画素数の映像とハイレゾ化された音声が多重化されてMPEG−DASHで変換されてファイルアップされている。
(b)前記アドレスの設定により、再生装置52の内部で音声出力フォーマットの設定を処理する。
(c)映像ファイルをパッケージヤー30からリアルタイムでダウンロードする。再生装置52のメモリに記憶することはなく、閲覧だけ行い、ファイル自体は残さない。
(d)MPEG−DASHで変換されているデータをコントローラー31の可逆圧縮化ツールである前記MPEG−4ALSでデコードし、このコントローラー31で画面出力の指示と、音声出力の指示を行う。
(e)非同期で音声解析処理を行う。
(f)音声出力部34で音声を出力し、かつ、映像表示部35で動画または静止画が表示される。
(g)曲が再生中の場合は、(b)に戻って繰り返す。
【0036】
同時に、コントローラー31に取り込まれた音声データから音声ファイル形式出力部37では、ファイル名が出力し、音源データ表示部49のファイル名表示部41に表示される。サンプリングレート出力部38では、音声データの周波数を解析し、サンプリングレートに変換し、数値データとして例えば「192kHz」とディジタル表示されるとともに、一見して確認できるように0〜192kHzまでの細かな間隔の棒グラフで第1の棒グラフ表示部43にアナログ表示される。
【0037】
コントローラー31から音声出力部34側に出力されている再生データは、機器データ出力部39で再生装置52の機種名が出力されて音声再生データ表示部50の音声再生機種名表示部44に表示される。同時に、第2の数値表示部45では、再生装置52の持つ周波数データに基づき再生時のサンプリングレートが出力され、数値データとして例えば「96kHz」とディジタル表示されるとともに、一見して確認できるように0〜96kHzまでの細かな間隔の棒グラフで第2の棒グラフ表示部46にアナログ表示される。
さらに、コントローラー31から映像表示部35側に出力されている映像データから映像フォーマット抽出部32で映像フォーマットが抽出され、映像データ表示部51の映像ファイル名表示部47に映像ファイル名が表示され、かつ、総画素数表示部48に総画素数が表示される。
【0038】
このような表示とすることで、パッケージヤー30から取り込まれている音声データが192kHzであるにもかかわらず、再生は、96kHzで再生されていることが一見して区別できる。このことは、取り込まれた音声データを使用中の再生装置52では十分に再生されていないことが一見して理解できる。
また、音源データ表示部49と音声再生データ表示部50の表示が一致していれば、この再生装置52は、音声データを十分生かして再生していることが理解できる。
また、映像データ表示部51の総画素数表示部48で総画素数が表示され、高画質の映像であることを確認できる。
【0039】
本発明の再生装置は、ハイレゾに対応しているので、ハイレゾ音源を、しかもライブストリーミングが可能となり、これまでにない全く新しい音楽の聴き方を体験することが可能となる。ライブ会場などの映像・音声出力部で演奏される迫力ある音楽を動画とともにリアルタイムでライブストリーミング配信することにより、会場に行くことがかなわない場合でも臨場感ある高音質のライブ演奏を別の場所で原音のまま楽しむことができる。
本発明における再生装置は、タブレット端末、スマートホンなどの携帯用音声・映像機器を対象としているが、必ずしも携帯用に限られるものではない。なお、前記再生装置52は、ストリーミングデータを再生するが、取得した映像データと音声データは、記録できないものとなっている。
【0040】
課金によって視聴する方法を図3に基づき説明する。
(a)エンドユーザーは、課金によって視聴可能なシステムとするため、再生装置52のタッチパネル操作部36の操作により、インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66にログインして会員登録をする。より詳しくは、図3の購入フローチャートにおいて、ユーザーは、会員登録すると、EC(electronic commerce)の会員データベース(DM)に登録されるとともに、仮登録し、ECから仮登録メールが送信され、本登録されて会員DBに登録されて本登録メールが送信される。
本登録され、ログインすると、ユーザ情報が確認され、イベント選択、リスト追加し、カート確認してユーザーカート情報を更新する。
ユーザーがカード情報を入力すると、支払いが実行され、カード情報が確認され、決済が完了し、ユーザー購入更新、イベント購入が記録される。
(b)次に図3の再生フローチャートにおいて、エンドユーザーがポータルサイトに作品一覧をリクエストし、API(Application Programing Interface)から作品一覧が送られてくると、ログインしてログイン認証が得られると、課金済イベントが送られてくる。
エンドユーザーが認証サーバーにURLリクエストし、URLが生成され、配信サーバーからワンタイムURLが送られる。
エンドユーザーが配信サーバーに再生リクエストすると、作品一覧レスポンスが認証サーバーに送られ、トークン認証され、認証OKレスポンスが配信サーバーに送られると、配信サーバーからエンドユーザーにストリーミング配信される。
【符号の説明】
【0041】
10…音声携帯機器本体、11…表示部、12…音源出力表示部、13…再生出力表示部、14…再生ユニット、15…コントローラ、16…機器データメモリ、17…入力装置、18…音源ファイル、19…外部音源データ、20…ファイル形式出力、21…サンプリングレート出力、22…機種データ出力、23…再生サンプリングレート出力、24…ファイル名表示部、25…数値表示部、26…棒グラフ表示部、27…再生機種名表示部、28…数値表示部、29…棒グラフ表示部、30…ストリーミングサーバー、31…コントローラー、32…映像フォーマット抽出部、33…音声機器データメモリ、34…音声出力部、35…映像表示部、36…タッチパネル操作部、37…音声ファイル形式出力部、38…サンプリングレート出力部、39…機器データ出力部、40…再生サンプリング出力部、41…ファイル名表示部、42…第1の数値表示部、43…第1の棒グラフ表示部、44…音声再生機種名表示部、45…第2の数値表示部、46…第2の棒グラフ表示部、47…映像ファイル名表示部、48…総画素数表示部、49…音源データ表示部、50…音声再生データ表示部、51…映像データ表示部、52…再生装置、60…ライブ会場などの映像・音声出力部、61…映像信号入力部、62…音声信号入力部、63…エンベッター、64…エンコーダー、65…パッケージャー、66…チケット発行・認証サーバー、67…インターネット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6