【0022】
本発明は、基本的には、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号をHDTV信号に変換して出力する映像信号入力部61と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号をハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62と、
前記映像信号入力部61と音声信号入力部62に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳するエンベッター63と、
このエンベッター63に接続されロスレス圧縮して符号化するエンコーダー64と、
このエンコーダー64のデータをストリーミングデータに変換するパッケージャー30と、
このパッケージャー30から各配信サーバー65とインターネット67を介して接続される記録不可能な再生装置52とからなり、
前記再生装置は、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合可能であることを特徴とする。
【0027】
本発明のストリーミングデータの配信方法は、
ライブ会場などの映像・音声出力部60で撮像した映像信号を映像信号入力部61でHDTV信号に変換して出力する工程と、
前記映像・音声出力部60で収録した音声信号を音声信号入力部62でハイレゾ音声信号に変換する工程と、
前記工程で変換したハイレゾの音声信号を前記工程でHDTV信号に変換した映像信号にエンベッター63で重畳する工程と、
前記工程で重畳されたハイレゾの音声信号と映像信号をMPEG−4ALSからなるエンコーダー64でロスレス圧縮して符号化する工程と、
前記工程で圧縮されたデータをMPEG−DASHからなるパッケージャー30でストリーミングデータに変換する工程と、
前記工程で前記パッケージャー30から各配信サーバー65に送られ、インターネット67を介してエンドユーザーの再生装置52にて受信したストリーミングデータを、可逆圧縮化ツールであるMPEG−4ALSからなるデコーダーで歪なく復号化する工程と、
前記再生装置を、課金によって視聴可能なシステムとするため、インターネットに接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバーに結合する工程と
からなる。
【実施例1】
【0028】
本発明によるストリーミングデータの配信装置及びその方法の実施例1を図面に基づき説明する。
図1において、60は、映像・音声出力部で、この映像・音声出力部60は、演奏会場、ライブ会場、スポーツ実況会場、鉄道の音、野鳥の音などの自然界など、映像と音声を、臨場感をもってライブで出力するあらゆる場所を含む。この映像・音声出力部60には、撮像した映像信号を例えば、2K(1920×1080画素)などのHDTV信号(静止画又は動画)に変換して出力する映像信号入力部61と、前記ライブ会場などの映像・音声出力部60で収録した音声信号を、例えば、24bit/96kHzのハイレゾ音声信号に変換する音声信号入力部62が設置されている。ハイレゾ音声信号は、サンプリング周波数及び量子化ビット数がCD−DAスペック(44.1kHz/16bit)又はDATスペック(48.0kHz/16bit)を超えているものをいう。
また,映像信号は、2K以外に、4K,8Kなどであってもよい。
【0029】
前記映像信号入力部61と音声信号入力部62は、合成回路としてのエンベッター63に接続され、ハイレゾの音声信号を映像信号に重畳する。このエンベッター63は、エンコーダー64に接続される。このエンコーダー64は、国際標準のロスレス符号化方式MPEG−4ALS(Audio Lossless Coding)からなり、ハイレゾ音声に対応しており、ハイレゾの音声信号と映像信号にメタデータ、同期時刻情報等を加えてコンテナというフォーマットで包みこみ、ロスレス圧縮して符号化する。このエンコーダー64は、ストリーミングサーバーとしてのパッケージャー30に接続される。このパッケージャー30は、国際標準のMPEG−DASHからなり、前記エンコーダー64で圧縮されたデータがストリーミングデータに変換される。
このパッケージャー30から各配信サーバー65に送られ、インターネット67を介してエンドユーザーの再生装置52にて受信される。
【0030】
前記再生装置52には、
図2に示すように、映像表示部35とタッチパネル操作部36が切り替え表示されるように設けられ、また、イヤホンなどの音声出力部34が接続されている。前記映像表示部35には、音源データ表示部49と音声再生データ表示部50と映像データ表示部51が設けられている。
【0031】
また、前記再生装置52には、コントローラー31が設けられている。このコントローラー31は、可逆圧縮化ツールである前記MPEG−4ALSからなるデコーダーとして機能し、前記エンコーダー64で圧縮されたハイレゾの音声信号と映像信号のサンプリングされたストリーミングデータを歪なく復号化する。
コントローラー31には、
図4に示すように、イヤホン、スピーカーなどからなる音声出力部34と,映像(動画又は静止画)を表示する映像表示部35と、映像のフォーマットを抽出する映像フォーマット抽出部32と、前記再生装置52の持つ機種データを記憶している音声機器データメモリ33と、タッチパネル、スイッチなどのタッチパネル操作部36が接続されている。
【0032】
前記コントローラー31には、また、パッケージヤー30から入力した音声ファイル形式名を出力する音声ファイル形式出力部37と、パッケージヤー30から入力した音声ファイルのサンプリングレートを解析し出力するサンプリングレート出力部38が接続され、これらの音声ファイル形式出力部37とサンプリングレート出力部38は、前記音源データ表示部49のファイル名表示部41と第1の数値表示部42と第1の棒グラフ表示部43に接続されている。
【0033】
前記コントローラー31の前記音声出力部34への出力側には、音声機器データメモリ33から取り込んだ機種データを出力する機器データ出力部39と、現在使用している再生装置52の再生サンプリングを解析して出力する再生サンプリング出力部40が接続され、これらは、前記音声再生データ表示部50の音声再生機種名表示部44と第2の数値表示部45と第2の棒グラフ表示部46に接続されている。
【0034】
前記再生装置52には、タッチパネル操作部36を備えており、このタッチパネル操作部36の操作により、前記インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66に接続する。
【0035】
以上のような構成による再生装置52の作用を
図5に基づき説明する。
(a)再生装置52のスイッチを入れてスタートし、タッチパネル操作部36により、コントローラー31へ取り込もうとするデータの該当するアドレスを指定する。パッケージヤー30には、2K、4K、8Kなどの高画素数の映像とハイレゾ化された音声が多重化されてMPEG−DASHで変換されてファイルアップされている。
(b)前記アドレスの設定により、再生装置52の内部で音声出力フォーマットの設定を処理する。
(c)映像ファイルをパッケージヤー30からリアルタイムでダウンロードする。再生装置52のメモリに記憶することはなく、閲覧だけ行い、ファイル自体は残さない。
(d)MPEG−DASHで変換されているデータをコントローラー31の可逆圧縮化ツールである前記MPEG−4ALSでデコードし、このコントローラー31で画面出力の指示と、音声出力の指示を行う。
(e)非同期で音声解析処理を行う。
(f)音声出力部34で音声を出力し、かつ、映像表示部35で動画または静止画が表示される。
(g)曲が再生中の場合は、(b)に戻って繰り返す。
【0036】
同時に、コントローラー31に取り込まれた音声データから音声ファイル形式出力部37では、ファイル名が出力し、音源データ表示部49のファイル名表示部41に表示される。サンプリングレート出力部38では、音声データの周波数を解析し、サンプリングレートに変換し、数値データとして例えば「192kHz」とディジタル表示されるとともに、一見して確認できるように0〜192kHzまでの細かな間隔の棒グラフで第1の棒グラフ表示部43にアナログ表示される。
【0037】
コントローラー31から音声出力部34側に出力されている再生データは、機器データ出力部39で再生装置52の機種名が出力されて音声再生データ表示部50の音声再生機種名表示部44に表示される。同時に、第2の数値表示部45では、再生装置52の持つ周波数データに基づき再生時のサンプリングレートが出力され、数値データとして例えば「96kHz」とディジタル表示されるとともに、一見して確認できるように0〜96kHzまでの細かな間隔の棒グラフで第2の棒グラフ表示部46にアナログ表示される。
さらに、コントローラー31から映像表示部35側に出力されている映像データから映像フォーマット抽出部32で映像フォーマットが抽出され、映像データ表示部51の映像ファイル名表示部47に映像ファイル名が表示され、かつ、総画素数表示部48に総画素数が表示される。
【0038】
このような表示とすることで、パッケージヤー30から取り込まれている音声データが192kHzであるにもかかわらず、再生は、96kHzで再生されていることが一見して区別できる。このことは、取り込まれた音声データを使用中の再生装置52では十分に再生されていないことが一見して理解できる。
また、音源データ表示部49と音声再生データ表示部50の表示が一致していれば、この再生装置52は、音声データを十分生かして再生していることが理解できる。
また、映像データ表示部51の総画素数表示部48で総画素数が表示され、高画質の映像であることを確認できる。
【0039】
本発明の再生装置は、ハイレゾに対応しているので、ハイレゾ音源を、しかもライブストリーミングが可能となり、これまでにない全く新しい音楽の聴き方を体験することが可能となる。ライブ会場などの映像・音声出力部で演奏される迫力ある音楽を動画とともにリアルタイムでライブストリーミング配信することにより、会場に行くことがかなわない場合でも臨場感ある高音質のライブ演奏を別の場所で原音のまま楽しむことができる。
本発明における再生装置は、タブレット端末、スマートホンなどの携帯用音声・映像機器を対象としているが、必ずしも携帯用に限られるものではない。なお、前記再生装置52は、ストリーミングデータを再生するが、取得した映像データと音声データは、記録できないものとなっている。
【0040】
課金によって視聴する方法を
図3に基づき説明する。
(a)エンドユーザーは、課金によって視聴可能なシステムとするため、再生装置52のタッチパネル操作部36の操作により、インターネット67に接続されたチケット発行と認証のためのチケット発行・認証サーバー66にログインして会員登録をする。より詳しくは、
図3の購入フローチャートにおいて、ユーザーは、会員登録すると、EC(electronic commerce)の会員データベース(DM)に登録されるとともに、仮登録し、ECから仮登録メールが送信され、本登録されて会員DBに登録されて本登録メールが送信される。
本登録され、ログインすると、ユーザ情報が確認され、イベント選択、リスト追加し、カート確認してユーザーカート情報を更新する。
ユーザーがカード情報を入力すると、支払いが実行され、カード情報が確認され、決済が完了し、ユーザー購入更新、イベント購入が記録される。
(b)次に
図3の再生フローチャートにおいて、エンドユーザーがポータルサイトに作品一覧をリクエストし、API(Application Programing Interface)から作品一覧が送られてくると、ログインしてログイン認証が得られると、課金済イベントが送られてくる。
エンドユーザーが認証サーバーにURLリクエストし、URLが生成され、配信サーバーからワンタイムURLが送られる。
エンドユーザーが配信サーバーに再生リクエストすると、作品一覧レスポンスが認証サーバーに送られ、トークン認証され、認証OKレスポンスが配信サーバーに送られると、配信サーバーからエンドユーザーにストリーミング配信される。