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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201788(P2019-201788A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】ジェルネイルオフ具
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/00 20060101AFI20191101BHJP
【FI】
   A45D29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-97904(P2018-97904)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】508142826
【氏名又は名称】藤ノ木 君依
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(72)【発明者】
【氏名】藤ノ木君依
(57)【要約】
【課題】 自然な姿勢で簡単にジェルネイルを除去すること。
【解決手段】 このジェルオフスティック100では、本体3を手に持ち前記湾曲部1eを爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、当該爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。この状態で爪Nの先端方向に第一刃1を移動させると、湾曲部1e及び突起1dの刃1fがジェルネイルに喰い込み、移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。このジェルオフスティック100によれば、全体がスティック状であり且つその先端で引っ掻くようにしてジェルネイルをこそぎ落とすことになるため、自然な姿勢で簡単に作業が行える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の本体と、
前記本体の端にループ状に設けると共に、当該本体の軸方向に対してループ両側かつ下向きに設けた突起及びこれら突起と突起との間に当該突起の形成方向に対して略直交方向に形成され且つ爪の曲率に合わせて湾曲した端縁に刃が形成された湾曲部を有する第一刃と、
を備えたことを特徴とするジェルネイルオフ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェルネイルを除去する際に用いるジェルネイルオフ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から爪の上に形成したジェルネイルを除去する方法として、メタルプッシャーと呼ばれる道具が用いられることが多かった。このメタルプッシャーは、先端がスプーン形状になっており、本来は甘皮のケアに使用するものであり、甘皮を押し上げるためのものである。このメタルプッシャーを用いてジェルネイルを除去するには、スプーンのエッジ部分を爪の甘皮の位置から先端に向けて当該爪に押し付けながら動かし、ジェルネイルをこそぎ取る。
【0003】
なお、上記メタルプッシャーとしては、特許文献1に記載されているような人口爪湾曲具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−167332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のメタルプッシャーを用いたジェルネイルの除去方法では、無理な姿勢で作業を行わなければならないという問題点があった。図42は、そのような作業の様子を示す説明図である。同図に示すように、除去する指Fを手前に折り曲げ、もう一方の手でメタルプッシャーPをしっかり把持し、スプーン形状の先端Paを爪Nに力を入れて甘皮付近に押し当て、手首をひねる動作により当該爪Nに沿って指先端方向に移動させる。このため、爪Nに対する先端Paの角度がつかみ難く、作業が行い難いという問題点があった。また、従来のメタルプッシャーでは、上記のような使用方法を余儀なくされるため、先端が鋭利な真新しいメタルプッシャーの場合には、爪Nや甘皮に刺さってしまうこともあった。本発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るジェルネイルオフ具は、長尺の本体と、前記本体の端にループ状に設けると共に、当該本体の軸方向に対してループ両側かつ下向きに設けた突起及びこれら突起と突起との間に当該突起の形成方向に対して略直交方向に形成され且つ爪の曲率に合わせて湾曲した端縁に刃が形成された湾曲部を有する第一刃と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態1に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図2】先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。
図3】先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。
図4】本発明の実施の形態2に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図5】先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。
図6】先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。
図7】実施の形態2に係るジェルオフスティックの変形例を示す説明図である。
図8】実施の形態2に係るジェルオフスティックの変形例を示す説明図である。
図9】本発明の実施の形態3に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図10】先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。
図11】先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。
図12】本発明の実施の形態4に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図13】実施の形態4に係るジェルオフスティックの先端の一部拡大図である。
図14】実施の形態4に係るジェルオフスティックの使用状態を示す説明図である。
図15】本発明の実施の形態5に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図16】実施の形態5に係るジェルオフスティックの先端の一部拡大図である。
図17】実施の形態5に係るジェルオフスティックの使用方法を示す説明図である。
図18】本発明の実施の形態6に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図19】実施の形態6に係るジェルオフスティックの先端の一部拡大図である。
図20】このジェルオフスティックの使用方法を示す説明図である。
図21】実施の形態6に係るジェルオフスティックの変形例を示す説明図である。
図22】実施の形態6に係るジェルオフスティックの変形例を示す説明図である。
図23】本発明の実施の形態7に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図24】実施の形態7に係るジェルオフスティックの先端の一部拡大図である。
図25】実施の形態7に係るジェルオフスティックの使用方法を示す説明図である。
図26】本発明の実施の形態8に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。
図27】実施の形態8に係るジェルオフスティックの先端の一部拡大図である。
図28】実施の形態8に係るジェルオフスティックを示す斜視図である。
図29】実施の形態8に係るジェルオフスティックの使用状態を示す説明図である。
図30】本発明の実施の形態9に係るネイルオフ具を示す平面図、組立図である。
図31】実施の形態9に係るネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。
図32】実施の形態9に係るネイルオフ具変形例を示す説明図である。
図33】実施の形態9に係るネイルオフ具の変形例を示す説明図である。
図34図33に示したネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。
図35】刃部を装着した本体の使用方法を示す説明図である。
図36】本発明の実施の形態10に係るネイルオフ具を示す平面図、上面図、断面図である。
図37】実施の形態10に係るネイルオフ具の斜視図である。
図38】実施の形態10に係るネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。
図39】実施の形態10に係るネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。
図40】実施の形態10に係るネイルオフ具の変形例を示す平面図、側面図、裏面図である。
図41】実施の形態10に係るネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。
図42】従来のジェルネイルのオフ方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図2は、先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。図3は、先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。このジェルオフスティック100は、全体が金属製であり、棒状の本体3と、本体3の一端に設けた刃1とから構成される。この本体3の表面には滑り止めのローレット加工が必要により施される。刃1は、先端頂部1aの形状が略半円形状となる。略半円形状とすることで、爪の甘皮に合わせて当該先端を爪に押し付けることができ、換言すれば、甘皮の際で緻密な作業がしやすくなる。また、刃1では、先端頂部1aの湾曲の曲率は緩くして甘皮のラインに合わせられるようにし、先端頂部1aの両側1bの湾曲の曲率は大きくして甘皮の両側のカーブに合わせられるようにしてある。これにより、カーブがきつい爪の部分や甘皮の部分に対する作業が行いやすくなる。
【0009】
刃1は、板状金属を洋梨形状又は滴形状をしたループ状に構成し、一面側の端縁1cの軸方向に対して両側の部分に円弧状の山形の突起1dが設けられ、軸方向先端の前記突起1dの間に湾曲部1e(後述の第二突起のため上下方向では仮想線として存在するものである)を設けた構成である。当該湾曲部1eの形状は、爪の表面のカーブに沿った湾曲形状とする。刃1の先端は略半円形状となるため、湾曲部1eは上下方向及び水平方向において湾曲した形状となる。湾曲部1eの左右両側の突起1dは、一般的な形状かつ大きさの爪のサイドラインの多少内側に当たるようにその寸法を設ける。また、突起1dは、先端とは反対側は緩やかに傾斜した形状であり、頂点から先端側は外側に湾曲した形状であり、全体として略波形状となっている。頂部には、刃1fが形成されている。なお、同図に示すように、突起1dは、先端とは反対側は内側に湾曲した形状としても良い。
【0010】
更に、この湾曲部1eには、円弧状の山形の第二突起1gが2つ設けられる。このため、湾曲部1eは、全体的には湾曲しているがその中に円弧状の第二突起1gが設けられた形状となる。各山形の第二突起1gの角には鋭く形成された刃1fが設けられる。即ち、湾曲部1eの端縁角には、ジェルネイルに喰い込ませるための刃1fが形成されることになる。第二突起1gは、全体が板状金属片のループ形状であることから、前記突起1dと突起1dとの間に連続的に且つ突起1dの形成方向とは略直交方向に平面的に設けられる。また、刃1は、全体がループ形状となるので、内側に開放された空間5が形成される。この空間5から削りカスが排出されるので、刃1の内側に溜まることがない。
【0011】
更に、刃1の他面側の先端頂部には、ジェルネイルに喰い込ませるための第二刃2が形成される。刃1の他面側は平面視で湾曲しているが、軸方向視では略直線状である。なお、同図に示すように、第二刃2を省略することもできる。
【0012】
次に、このジェルオフスティック100の使用方法を説明する。本体3を持ち前記突起1d、1gが爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。これにより刃1fがジェルネイルに喰い込み、この状態で爪Nの先端方向に刃1を移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、突起1d、1gによりジェルネイルの表面に筋が入り、こそぎ落としやすくなる。削りカスは、刃1の内側の空間5に入り込んで排出される。
【0013】
次に、ジェルオフスティック100を軸方向に回転させるように持ち替えて、第二刃2を用いてジェルネイルを削り取る。また、甘皮Sを押し上げることもできる。
【0014】
このジェルオフスティック100によれば、全体がスティック状であり且つその先端で引っ掻くようにしてジェルネイルをこそぎ落とすことになるため、自然な姿勢で楽に作業が行える。また、刃1の先端頂部1aが湾曲していることから、ジェルネイルを甘皮の際から綺麗にこそぎ落とすことができる。また、刃1でジェルネイルに筋を付け、ジェルネイルをこそぎ落とすようにすれば、簡単にジェルネイルを除去できる。また、第一刃1及び第二刃2の形成は、本体3と一体で成形しても良いし、別部品として製作して取り付けるようにしても良い。
【0015】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図5は、先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。図6は、先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。このジェルオフスティック110は、実施の形態1に示したジェルオフスティック100の第二突起1gを省略した構造である。また、空間5の形状を小さくして、刃1の強度を向上させた点に特徴がある。
【0016】
以下に相違点のみ説明する。前記湾曲部1eは刃1の一面側に設けられ、その形状は、爪Nの表面のカーブに沿った湾曲形状とする。刃1の先端(1a,1b)は略半円形状となるため、湾曲部1eは上下方向及び水平方向において湾曲した形状となる。この湾曲部1eの端縁角および突起1dの頂部角には、爪脇溝に入り込ませるための刃1fが形成される。湾曲部1eは、全体が板状金属片のループ形状であることから、前記突起1dと突起1dとの間に連続的に且つ突起1dの形成方向とは略直交方向に平面的に設けられる。
【0017】
また、刃1の軸方向中央付近に両側に渡す梁111が設けられ、この梁111と軸方向後端に向けて板面112が設けられて塞がれている。これにより、刃1の強度が向上するため、強い力を加えても変形等を起こし難い。
【0018】
このジェルオフスティック110の使用方法を説明すると、刃1は、本体3を手に持ち前記湾曲部1eを爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、当該爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。ここで両側の突起1dを爪Nの表面に先に押し当て、ここを支点として角度調整すると適切な角度を決めやすく、角度を保持しやすい。
【0019】
この状態で爪Nの先端方向に刃1を移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、湾曲部1e及び突起1dの刃1fがジェルネイルに喰い込み、移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。削りカスは、刃1の内側の空間5に入り込んで排出される。前記突起1dは、爪のサイドウォールないしサイドラインから少し内側を爪Nの先端方向に移動して当該部分においてもジェルネイルをこそぎ落す。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0020】
次に、ジェルオフスティックを軸方向に回転させるように持ち替えて、第二刃2を用いてジェルネイルを削り取る。
【0021】
なお、図7に示すように、第二刃2を省略することもできる。また、図8に示すように、刃1の先端から長手方向中央付近まで(金属部分A)のみを金属製とし、それより後端側の部分(樹脂部分B)を樹脂製にしても良い。この分割構造にした場合は、先端の金属部分Aと樹脂部分Bとの接合は、公知の差し込み構造にして強度を確保するものとする(図示省略)。なお、後端側の部分を先端とは異なる金属にしても良い。
【0022】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図10は、先端の一部拡大図及び変形例を示す説明図である。図11は、先端の斜視図及び使用状態を示す説明図である。このジェルオフスティック120は、実施の形態1にかかるジェルオフスティック100の刃1の先端を斜めに曲げて角度を設けた点に特徴がある。その他の構成は、実施の形態1と同様であるのでその説明を省略し、同一構成要素には同一の符号を付する。
【0023】
先端の一面側の端縁1cの軸方向に対して両側の部分に円弧状の山形の突起1dが設けられているところ、当該突起1dより若干後端側で刃1の先端までを15度ほど曲げ形成する。一般的に、鉛筆を持つような姿勢ではジェルオフスティック120のワーク面に対する角度が45度前後となるところ、刃1の先端を予め曲げておくと、そのまま鉛筆をもって作業するような姿勢でうまくジェルオフできるようになる。
【0024】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図13は、先端の一部拡大図、図14は使用状態を示す説明図である。このジェルオフスティック130では、先端の刃1は、板状金属片を洋梨形状又は滴形状をしたループ状に形成し、一面側の端縁1cの軸方向に対してループ両側の部分に山形の突起1dが設けられ、軸方向先端の前記突起1dの間には湾曲部1eが設けられている。当該湾曲部1eの形状は、爪Nの表面のカーブに沿った湾曲形状とする。上述のように、刃1の先端(1a,1b)は略半円形状となるため、湾曲部1eは上下方向及び水平方向において湾曲した形状となる。この湾曲部1eの端縁角および突起1dの頂部角には、爪脇溝に入り込ませるための刃1fが形成される。
【0025】
湾曲部1eの左右両側の突起1dは、一般的な形状かつ大きさの爪のサイドラインの多少内側に当たるようにその寸法を設ける。突起1dは、先端とは反対側は内側に湾曲した形状であり、頂点から先端側は外側に湾曲した形状であり、全体として波形状となっている。頂部には、刃1fが形成されている。湾曲部1eは、全体が板状金属片のループ形状であることから、前記突起1dと突起1dとの間に連続的に且つ突起1dの形成方向とは略直交方向に平面的に設けられる。また、刃1は、全体が板状金属片のループ形状となるので、内側に開放された空間5が形成される。この空間5から削りカスが排出されるので、刃1の内側に溜まることがない。
【0026】
更に、刃の他面側の先端頂部には、ジェルネイルに喰い込ませるための第二刃2が形成される。刃の他面側は平面視で湾曲しているが、軸方向視では略直線状である。
【0027】
刃1は、本体3を手に持ち前記湾曲部1eを爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、当該爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。ここで両側の突起1dを爪Nの表面に先に押し当て、ここを支点として角度調整すると適切な角度を決めやすく、角度を保持しやすい。
【0028】
この状態で爪Nの先端方向に刃1を移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、湾曲部1e及び突起1dの刃1fがジェルネイルに喰い込み、移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。削りカスは、刃1の内側の空間5に入り込んで排出される。前記突起1dは、爪のサイドウォールないしサイドラインから少し内側を爪Nの先端方向に移動して当該部分においてもジェルネイルをこそぎ落す。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0029】
次に、ジェルオフスティック130を軸方向に回転させるように持ち替えて、第二刃2を用いてジェルネイルを削り取る。また、甘皮を押し上げることもできる。
【0030】
(実施の形態5)
図15は、本発明の実施の形態5に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図16は、先端の一部拡大図である。図17は、使用方法を示す説明図である。このジェルオフスティック140は、実施の形態1に係るジェルオフスティック100の刃1を簡略に構成したものであり、その他の構成は実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。刃141は、板状金属を洋梨形状又は滴形状をしたループ状に構成し、その角部分を刃部142として用いるものである。刃の他面側の先端頂部にも前記同様の角部分を刃部とする第二刃143を構成する。第二刃143の他面側は平面視で湾曲しているが、軸方向視では略直線状である。
【0031】
角部分を刃部142,143として用いることから、角の面取りは行わないか又は研磨を施し、断面視で約90度の角度を有するようにする。これにより、刃こぼれが少ない強い構造にできる。使用方法については、実施の形態1と同様に、一面側でジェルネイルに筋を付けてこそぎ落とすようにすれば、簡単にジェルネイルを除去できる。また、ジェルオフスティック140を軸方向に回転させるように持ち替えて、第二刃143を用いてジェルネイルを削り取る。また、甘皮を押し上げることもできる。
【0032】
(実施の形態6)
図18は、本発明の実施の形態6に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図19は、先端の一部拡大図である。図20は、このジェルオフスティックの使用方法を示す説明図である。このジェルオフスティック150は、全体が金属製である棒状の本体3と、本体3の一端に設けた刃151とから構成される。この本体3の表面には滑り止めのローレット加工が必要により施される。
【0033】
刃151は、全体がループ形状に構成される。具体的には、二本の軸部152が20度前後の角度をもって軸方向先端に向かって左右に開いて設けられ、その先端どうしが湾曲した刃部153で接続されている。また、軸部152は軸方向に対して径方向に若干傾いており、前記刃部152が略軸方向線上または径方向中心に位置するようにする(図中、軸方向線上及び径方向中心位置を点線で示す)。このようにすれば、力の作用する部分が軸方向中心に位置することになるから、安定して操作しやすいものとなる。刃部153は、略半円形状の梁状であり且つ断面形状は矩形である。このため、矩形の角部が刃として機能する。角部分を刃として用いることから、角の面取りは行わない又は研磨を施し、断面視で約90度の角度を有するようにする。これにより、刃こぼれが少ない強い構造にできる。
【0034】
また、刃部153を略半円形状とすることで、爪の甘皮に合わせて当該先端を爪に押し付けることができ、換言すれば、甘皮の際で緻密な作業がしやすくなる。刃151は、全体がループ形状となるので、内側に開放された空間154が形成される。この空間154から削りカスが排出されるので、刃151の内側に溜まることがない。
【0035】
次に、このジェルオフスティック150の使用方法を説明する。本体3を持ち、前記刃部153が爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。これにより刃部153がジェルネイルに喰い込み、この状態で爪Nの先端方向に刃151を手前に移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、刃部153によりジェルネイルがこそぎ落とされる。削りカスは、刃151の内側の空間154に入り込んで排出される。また、前記姿勢から上に押し上げることで甘皮をケアできる。
【0036】
このジェルオフスティック150によれば、全体がスティック状であり且つその先端で引っ掻くようにしてジェルネイルをこそぎ落とすことになるため、自然な姿勢で楽に作業が行える。また、刃部153が湾曲していることから、ジェルネイルを甘皮の際から綺麗にこそぎ落とすことができる。更に、全体の構造が簡単であるので安価に製造しやすい。
【0037】
また、刃部153の他面側に角部を形成して第二刃としても良い。この場合、ジェルオフスティックを軸方向に回転させるように持ち替えて、第二刃を用いてジェルネイルを削り取る。また、甘皮を押し上げることもできる。
【0038】
また、上記実施の形態において、図21及び図22に示すように、軸部152を軸方向中心に沿って延出させ、その先端に略半円形状の刃部153を設けても良い。
【0039】
(実施の形態7)
図23は、本発明の実施の形態7に係るジェルオフスティックを示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図24は、先端の一部拡大図である。図25は、使用方法を示す説明図である。このジェルオフスティック160は、全体が樹脂製であり、棒状の本体3と、本体3の一端に設けた刃161とから構成される。この本体3の表面には滑り止めのローレット加工が必要により施される。
【0040】
刃161は、先端が二本のつの状になっており、つの部162の先端どうしが湾曲した刃部163で接続されている。また、つの部162は軸方向に対して径方向に若干傾いている。このようにすれば、爪161に力を加える部分が軸方向中心に位置することから、安定して操作しやすいものとなる。刃部163は、略半円形状の梁状であり且つ断面形状は矩形である。このため、矩形の角部が刃となる。角部分を刃として用いることから、角の面取りは行わない又は研磨を施し、断面視で約90度の角度を有するようにする。これにより、刃こぼれが少ない強い構造にできる。
【0041】
刃部163の湾曲は、軸方向先端側に外側が向いた略半円形状であり、これにより、爪Nの甘皮Sに合わせて当該先端を爪Nに押し付けることができ、換言すれば、甘皮Sの際で緻密な作業がしやすくなる。また、刃部163は、湾曲の曲率を緩くして甘皮Sのラインに合わせられるようにしてある。これにより、甘皮Sの部分に対する作業が行いやすくなる。
【0042】
また、刃部163がつの部162の先端に渡って設けられるので、刃161の全体がループ形状となり、内側に開放された空間164が形成される。この空間164から削りカスが排出されるので、刃161の内側に溜まることがない。また、刃161のうち、角部は樹脂製であるが、刃部163は金属製である。このようにすれば、安価に製造できる。
【0043】
このジェルオフスティック160は、本体3を持ち刃部163が爪Nの表面に当たるように、当該本体3の爪Nに対する角度を調整しながら、爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。これにより刃がジェルネイルに喰い込み、この状態で爪Nの先端方向に刃161を移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、ジェルネイルの表面に筋が入り、こそぎ落としやすくなる。削りカスは、刃161の内側の空間164に入り込んで排出される。
【0044】
このジェルオフスティック160によれば、全体がスティック状であり且つその先端で引っ掻くようにしてジェルネイルをこそぎ落とすことになるため、自然な姿勢で楽に作業が行える。また、刃161が湾曲していることから、ジェルネイルを甘皮Sの際から綺麗にこそぎ落とすことができる。また、刃161でジェルネイルに筋を付け、ジェルネイルをこそぎ落とすようにすれば、簡単にジェルネイルを除去できる。
【0045】
(実施の形態8)
図26は、本発明の実施の形態8に係るジェルネイルオフ具を示す平面図、右側面図、左側面図、背面図からなる四面図である。図27は、先端の一部拡大図である。図28は、斜視図である。図29は、使用状態を示す説明図である。このジェルネイルオフ具170は、実施の形態1に係るジェルオフスティック100の本体3をコイン形状にした点に特徴がある(なお、図中の刃1は実施の形態1と多少異なるが本発明の要旨は、本体3の形状にある)。その他の構成は実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
【0046】
本体171は持ちやすいように一定の厚さを有するものとし、その表裏面には滑り止めのための溝172が設けられる。この本体171は、金属製でも樹脂製でもよい。刃1は、当該本体171と一体で構成しても良いし、別体として結合する構成にしても良い。
【0047】
このジェルネイルオフ具170では、本体171を指挟んで持ち、前記突起1d、1gが爪Nの表面に均一に当たるように、当該本体171の爪Nに対する角度を調整しながら、爪Nの表面であって甘皮S付近に押し付ける。これにより刃1fがジェルネイルに喰い込み、この状態で爪Nの先端方向に刃1を移動させると(移動方向を図中矢印で示す)、突起1d、1gによりジェルネイルの表面に筋が入り、こそぎ落としやすくなる。削りカスは、刃1の内側の空間5に入り込んで排出される。
【0048】
このジェルネイルオフ具170によれば、指で摘まむように持つことができ且つその先端で引っ掻くようにしてジェルネイルをこそぎ落とすことになるため、自然な姿勢で楽に作業が行える。また、刃1の先端頂部1aが湾曲していることから、ジェルネイルを甘皮Sの際から綺麗にこそぎ落とすことができる。また、刃1でジェルネイルに筋を付け、ジェルネイルをこそぎ落とすようにすれば、簡単にジェルネイルを除去できる。
【0049】
また、図示しないが、上記実施の形態2〜7に示した刃を、前記コイン形状の本体171に設けることもできる。
【0050】
(実施の形態9)
図30は、本発明の実施の形態9に係るジェルネイルオフ具を示す平面図、組立図である。図31は、このジェルネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。このジェルネイルオフ具180の本体181は、樹脂製の帯状体であり、両端近傍には相互に連結可能なホックが設けられている。この連結部182の形態は当該ホックに限定されず、公知の構造を適宜採用できる。樹脂材料は、弾性を有するものであり且つ所定の強度を備えたものとする。
【0051】
長手方向の一辺には、湾曲した部分の凹部183が設けられている。この凹部183は、爪Nの表面のカーブに沿った湾曲形状とする。この湾曲端縁は、刃部として機能することから、好ましくは断面視で鋭角になるようにする。
【0052】
次に、本体181を同図に示すようにおにぎり形状に巻いて前記連結部182にて固定する。この状態で、本体の端部が正面側で交差して固定され、且つ、裏面側で前記凹部183が下方に向かって位置することになる。
【0053】
次に、このジェルネイルオフ具180の使用方法について説明する。交差した本体181の端部を折り曲げるようにして指で摘まむと、前記凹部183がより小さい半径の湾曲先端を形成する。この湾曲先端は、小さい半径で湾曲していることから本体181に力が加わっても変形し難く、これにより凹部183を爪Nに押圧した状態で図中の矢印方向に引くことで、ジェルネイルに喰い込み、その移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。削りカスは、本体181が全体としてループ形状となることから、その内部の空間184に入り込んで排出される。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0054】
使用後は、前記連結部182による連結を外して平面状にすることで、持ち運びやすく、収納に便利になる。係る構成のジェルネイルオフ具180によれば、きわめて簡単な構造によりジェルオフが可能になる。
【0055】
また、図32に示すように、前記凹部183を省略して、当該凹部183に相当する位置にある、本体の長辺端縁を刃部として用いても良い。
【0056】
図33は、ジェルネイルオフ具の変形例を示す説明図である。図34は、その使用方法を示す説明図である。同図に示すように、刃部を別の部品で構成して、これを前記本体に差し込んで使用するようにしても良い。同図に示す刃部186は、全体が略三角形であり表面187aと裏面187bとが一部で重畳しており且つ表面187aが表面積が大きく、裏面187bは端部に突起部188が設けられる。この突起部188は反っている。表面187aと裏面187bとは湾曲部189をもって繋がっており、この繋がっている折り線部分(端縁)には、同図に示す断面図に示すように、刃部189aが形成される。
【0057】
裏面187bの三角形状は表面187aの三角形状よりも小さいものとなる。湾曲部189は、略半円形状とすることで、爪Nの甘皮Sに合わせて当該先端を爪Nに押し付けることができ、換言すれば、甘皮Sの際で緻密な作業がしやすくなる。この刃部189aは、図32に示した本体181の長辺端縁から短手方向に差し込んで固定する。即ち、表面187aと裏面187bとの間に前記本体181が差し込まれて、固定される。その状態を図34に示す。前記突起部188は反っているため、前記本体181に差し込むときにガイドとなる。これにより、本体181の長辺端縁に刃部189aが設けられる。この刃部189aは樹脂製であり弾性であるが、刃部189aを有効に作用させるためには一定の強度が必要である。
【0058】
図35は、この刃部を装着した本体の使用方法を示す説明図である。この場合も、交差した本体181の端部を折り曲げるようにして指で摘まむと、前記刃部189aがより小さい半径になるような湾曲先端を形成する。この湾曲先端は、小さい半径で湾曲していることから本体に力が加わっても変形し難く、これにより刃部189aを爪Nに押圧した状態で図中の矢印方向に引くことで、ジェルネイルに喰い込み、この移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。削りカスは、本体181が全体としてループ形状となることから、その内部の空間184に入り込んで排出される。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0059】
次に、刃部の切れ味が悪くなってきた場合、刃部189aを本体181から抜き取って、新しいものに交換できる。
【0060】
(実施の形態10)
図36は、本発明の実施の形態10に係るジェルネイルオフ具を示す平面図、上面図、断面図である。図37は、その斜視図である。このジェルネイルオフ具190は、全体がタマゴ形状の本体191からなり、当該本体191の中央より上部には、同様にタマゴ形状の穴192が設けられる。本体191の穴192の内側端縁には、刃部193が穴の中央に向かって突出形成されている。刃部193は、同図の断面図に示すように、先端が尖るように成形されている。穴192の一面側の内側端縁には刃部193aが、他面側の内側端縁には刃部193bが設けられる。
【0061】
更に、前記刃部193aには、複数の山部194が設けられる。刃部193bは、山部194は形成されないスムーズな刃となる。また、本体191の前記穴192が設けられていない部分が把持部195となる。把持部195には、滑り止め用の長尺の突起196が複数形成されている。
【0062】
図38及び図39は、このジェルネイルオフ具の使用方法を示す説明図である。前記把持部195を指で摘まんで本体191を持つ。この状態で前記穴192の所望の位置を爪Nのジェルネイルに押し当てて手前に引く(図中矢印で移動方向を示す)。なお、同図では、他面側の刃部193bを用いてジェルネイルを落とす場合を示す。これにより、前記刃部193bがジェルネイルに喰い込み、この移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。また、刃部193aを用いる場合、図39に示すように、本体191を反対側にひっくり返して把持部195を指で摘まんで持つ。この場合も、刃部193aの山部194がジェルネイルに喰い込んで表面に筋を付けることができ、こそぎ落しやすくできる。その後、刃部194bを用いて前記同様にジェルネイルをこそぎ落とす。削りカスは、本体191の穴192に入り込んで排出される。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0063】
また、ユーザは、穴192がタマゴ形状であって曲率が場所によって異なることから、所望の場所を用いてジェルネイルを落とすことができる。即ち、爪Nの形状や甘皮Sの形状により場所を変えてジェルネイルを落とすことが可能となる。
【0064】
このジェルネイルオフ具190によれば、コンパクトな構成でジェルネイルをこそぎ落とすことができる。また、曲率が異なる刃部193を用いることができるので、爪Nの状況等に応じて適切に使用できる。また、図38に示すように、刃部194bのみを本体191の穴192の一面側の内側端縁に形成しても良い。係る構成によれば、製造しやすいものとなる。
【0065】
図40は、当該ジェルネイルオフ具の変形例を示す平面図、側面図、裏面図である。図41は、使用方法を示す説明図である。このジェルネイルオフ具200は、タマゴ形状をした平面板の本体201からなる。本体201の内側には、同様にタマゴ形状の穴202が設けられる。穴202の端縁は、刃部203となる。この刃部203は、板状体であることから、そのままでも使用可能であるが、わずかに端縁を断面視で尖らせることで刃としての作用効果を高めることができる。本体201のうち、前記穴202が形成されていない部分を把持部204とする。把持部204には滑り止めの凹部205又は凸部205が設けられる。
【0066】
このジェルネイルオフ具200は、前記把持部204を指で摘まんで本体201を持つ。この状態で前記穴202の所望の位置を爪Nのジェルネイルに押し当てて手前に引く(図中矢印で移動方向を示す)。これにより、前記刃部203がジェルネイルに喰い込み、その移動に伴いジェルネイルがこそぎ落される。削りカスは、本体の穴202に入り込んで排出される。この動作を繰り返してジェルネイルを全てこそぎ落とす。
【0067】
また、ユーザは、穴202の曲率が場所によって異なることから、所望の場所を用いてジェルネイルを落とすことができる。即ち、爪Nの形状や甘皮Sの形状により場所を変えてジェルネイルを落とすことが可能となる。このジェルネイルオフ具200は、薄型かつコンパクトであり、簡単に成形できる。例えば、薄い金属板を型抜きして製造することもできる。
【符号の説明】
【0068】
100 ジェルオフスティック
1 刃
2 第二刃
3 本体
1a 先端頂部
1b 先端頂部両側
1d 突起
1e 湾曲部
1f 刃部
5 空間
図1
図2
図3
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