【解決手段】血圧測定装置1は、手首100の一方の動脈が存する領域と対向する位置に設けられた開口部41bを有し、手首100の周方向の一部の形状に倣って湾曲する端面を有するアタッチ部41と、アタッチ部41に設けられた固定具43と、開口部41bに対向して配置され、手首100の動脈が存する領域に接触するセンサモジュール63及び手首100に装着時に膨張することでセンサモジュール63を手首100に向かって押圧する空気袋62を有するセンサユニット52、開口部41bに対してセンサユニット52を一方向に移動可能にセンサモジュール63を収容するケース61、並びに、センサモジュール63を手首100から離間する方向に沿って付勢する付勢部材65を含むセンシング本体42と、を備える。
前記付勢部材は、前記センサモジュールの先端が前記開口部に対して所定の位置にある中立点から前記手首側にあるときに前記センサモジュールを前記手首に向かう方向に付勢し、前記センサモジュールの先端が前記中立点よりも前記手首から離れた位置にあるときに、前記センサモジュールを前記手首から離間する方向に付勢する、請求項1に記載の血圧測定装置。
前記ねじりばねは、一端が前記センサモジュールに、他端が前記ケースに固定され、前記手首に装着した状態における前記手首の周方向に対して直交する方向で前記センサモジュールを挟んで2つ設けられる、請求項5に記載の血圧測定装置。
前記付勢部材は、樹脂材料で構成され、一方向に沿った外力により変形するとともに、前記外力が印加された方向とは相反する方向に復元する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の血圧測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、
図1乃至
図18を用いて以下例示する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の構成を、本体固定具16を閉じた状態で示す斜視図である。
図2は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。
図3は、血圧測定装置1のセンサ装置5の構成をセンシング本体42を開いた状態で示す斜視図である。
図4は、血圧測定装置1のセンサ装置5からセンサユニット52を除いた構成を示す斜視図である。
図5は、血圧測定装置1のセンサユニット52の構成を示す斜視図である。
図6は、センサユニット52の構成の側壁を省略して示す斜視図である。
図7は、センサユニット52の構成の側壁を省略して示す斜視図である。
図8は、センサユニット52の構成を示す平面図である。
【0027】
図9は、
図8中IX−IX線断面でセンサユニット52のセンサモジュール63及び空気袋62の構成を示す断面図である。
図10は、
図8中X−X線断面でセンサモジュール63及び空気袋62の構成を示す断面図である。
図11は、
図8中XI−XI線断面でセンサモジュール63及び空気袋62の構成を示す断面図である。
図12は、センサユニット52の動作を示す説明図である。
図13は、
図9中XIII−XIII線断面でセンサユニット52のセンサモジュール63及び空気袋62の構成を示す断面図である。
図14乃至
図16は、血圧測定装置1の構成を手首100に装着した状態示す断面図である。
図17は、センサユニット52のセンサモジュール63の構成を示す断面図である。
図18は、センサユニット52のセンサモジュール63の構成を示す平面図である。
【0028】
なお、各図面において、手首100の橈骨動脈を110、橈骨を111、尺骨動脈を112、尺骨を113、腱を114で示す。
【0029】
血圧測定装置1は、生体の手首100に装着し、橈骨動脈110の圧力から血圧値を算出する電子血圧測定装置である。
図1乃至
図18に示すように、血圧測定装置1は、装置本体4と、センサ装置5と、を備えている。例えば、血圧測定装置1は、手首100の橈骨動脈110が存する領域にセンサ装置5が装着され、そして、センサ装置5の肘側に隣接して装置本体4が手首100に装着される。
【0030】
このような血圧測定装置1は、センサ装置5で橈骨動脈110を圧扁することにより、橈骨動脈110の心拍に連動して変化する一心拍ごとの圧脈波の圧力を測定し、測定した圧力を装置本体4によってトノメトリ法に基づいて処理を行い、血圧を求める。
【0031】
図1及び
図2に示すように、装置本体4は、本体ケース11と、操作部12と、表示部13と、ポンプ14と、制御基板15と、本体固定具16と、を備えている。また、例えば、装置本体4は、本体固定具16にカフを備え、血圧測定時に手首100を圧迫する構成であってもよい。
【0032】
本体ケース11は、操作部12の一部、表示部13の一部、制御基板15を収容するとともに、操作部12の一部及び表示部13の一部を外面から露出させる。また、本体ケース11は、本体固定具16が取り付けられる。
【0033】
操作部12は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部12は、本体ケース11に設けられた複数の釦21と、釦21の操作を検出するセンサと、を備えている。なお、操作部12は、タッチパネルとし、表示部13に設けてもよい。操作部12は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。釦21の操作を検出するセンサは、電気的に制御基板15に接続され、電気信号を制御基板15へ出力する。
【0034】
表示部13は、本体ケース11に、本体ケース11の外面から露出して配置される。表示部13は、電気的に制御基板15に接続される。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部13は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
【0035】
ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、センサ装置5に接続されるチューブ14aを有し、空気を圧縮し、チューブ14aを介して圧縮空気をセンサ装置5に供給する。ポンプ14は、電気的に制御基板15に接続される。
【0036】
図2に示すように、制御基板15は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備えている。制御基板15は、通信部31、記憶部32及び制御部33が基板に実装されることで構成される。また、制御基板15は、センサ装置5とケーブル15aを介して接続される。ケーブル15aは、本体ケース11内から本体ケース11の外面の一部を介して外部に配される。例えば、ケーブル15aは、本体ケース11内から本体ケース11の側面に設けられた開口を介してセンサ装置5に配される。
【0037】
通信部31は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部31は、例えば、制御部33によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、ネットワークを介して外部の装置へ送信し、また、外部の装置からネットワークを介してソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。
【0038】
本実施形態において、ネットワークは、例えばインターネットであるが、これに限定されず、病院内に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよく、また、USB等の所定の規格の端子を有するケーブル等を用いた外部の装置と直接的な有線通信であってもよい。このため、通信部31は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数を含む構成であってもよい。
【0039】
記憶部32は、血圧測定装置1全体を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、感圧素子71cで測定された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を予め記憶する。また、記憶部32は、算出された血圧値、脈拍及びこれら算出されたデータと時間とを関連付けた時系列データ等の情報を記憶する。
【0040】
制御部33は、例えば、単数又は複数のCPU(Central Processing Unit)により構成され、血圧測定装置1全体の動作を制御するとともに、プログラムデータに基づいて各処理を行う。制御部33は、操作部12、表示部13、ポンプ14及びセンサ装置5に電気的に接続されるとともに、各構成の動作の制御、信号の送受信又は電力の供給を行う。
【0041】
本体固定具16は、例えば、一つ又は複数の帯状のバンドと、バンドを手首100に巻き付けて固定する面ファスナー等の固定部材と、を含み、本体ケース11を手首100に固定する。
【0042】
このような装置本体4は、記憶部32に記憶されたプログラムデータを用いて制御部33が処理を行うことで、センサ装置5で検出した橈骨動脈110の脈波から血圧データを連続的に生成する。血圧データは、測定した脈波の波形に対応する血圧波形のデータを含む。血圧データは、血圧特徴量(血圧値)の時系列データをさらに含んでもよい。血圧特徴量は、例えば、収縮期血圧(SBP;Systolic Blood Pressure)および拡張期血圧(DBP;Diastolic Blood Pressure)を含むが、これに限定されない。一心拍分の脈波波形における最大値は収縮期血圧に対応し、一心拍分の脈波波形における最小値は拡張期血圧に対応する。
【0043】
本実施形態では、装置本体4は、トノメトリ法により脈波としての圧脈波を測定する。ここで、トノメトリ法とは、皮膚の上から橈骨動脈110を適切な圧力で押圧して動脈に扁平部を形成し、橈骨動脈110の内部及び外部のバランスがとれた状態でセンサ装置5により圧脈波を計測する方法をいう。トノメトリ法によれば、一心拍ごとの血圧値を得ることができる。
【0044】
図1、
図3及び
図4に示すように、センサ装置5は、アタッチ部41と、センシング本体42と、固定具43と、を備えている。
【0045】
アタッチ部41は、一方の主面が左手の手首100の橈骨動脈110が存する領域の手首100の周方向に倣った形状を有する。具体例として、アタッチ部41は、手首100と接する領域が手首100の周方向の形状に倣って湾曲する基部41aと、基部41aに形成された開口部41bと、基部41aに設けられ、センシング本体42を取り付ける取付部41cと、基部41aの手首100と当接する主面に設けられたクッション41dと、を含む。
【0046】
基部41aは、一方向に長く構成される。基部41aは、手首100の手の平側、及び、手首100の橈骨111側の側部側に配置され、手首100の手の平側、及び、手首100の橈骨111側の側部側の周方向の形状に倣って手首100側に配置される主面が湾曲する。また、基部41aは、少なくとも外周縁側の主面がセンシング本体42と当接する。
【0047】
開口部41bは、基部41aの中央側に設けられ、指を単数又は複数本配置できる大きさに形成される。即ち、開口部41bは、センサ装置5が手首100に装着されたときに、指により開口部41bから露出する手首100の橈骨動脈110が存する領域を触診可能、且つ、センシング本体42の一部が手首100に接触できる大きさに形成される。
【0048】
取付部41cは、基部41aの手首100と対向する面と反対の主面であって、且つ、基部41aの長手方向で一端側に設けられる。取付部41cは、センシング本体42を保持するとともに、基部41aから離間する方向及び基部41aへ近接する方向に、センシング本体42を移動可能に構成される。具体例として、取付部41cは、センシング本体42を一軸周りで回転可能に軸支する軸支部である。例えば、取付部41cは、基部41aに一体に形成される。
【0049】
クッション41dは、例えば、基部41aの手首100と当接する主面に設けられた発泡性樹脂材料によりシート状に構成された弾性体である。クッション41dは、例えば、血圧測定装置1を手首100に装着したときに、弾性変形することで、手首100を保護する。
【0050】
図2乃至
図16に示すように、センシング本体42は、ケース51と、センサユニット52と、センサユニット52の位置を調整する調整手段53と、を備えている。
【0051】
ケース51は、例えば、アタッチ部41に対向する面が開口する矩形箱状に構成される。ケース51は、センサユニット52及び調整手段53を保持する。また、ケース51は、基部41aから離間する方向に往復動可能に、取付部41cに取り付けられる。具体例として、ケース51は、取付部41cに回転可能に設けられる回転軸51aを有する。また、ケース51は、基部41aに当接したときに、ケース51を基部41aに固定する係合部51bを有する。係合部51bは、例えば、基部41aに設けられた開口と係合する突起であり、操作されることで、基部41aの開口と係合が解除可能に構成される。
【0052】
また、ケース51は、チューブ14aを配置する第1孔部51cと、ケーブル15aを配置する第2孔部51dと、調整手段53の一部を移動可能に支持する第3孔部51eと、センサユニット52の移動を案内する案内溝51fと、を備えている。
【0053】
第1孔部51c及び第2孔部51dは、手首100に装着したときに装置本体4と隣接するケース51の同じ側壁に設けられる。
【0054】
第3孔部51eは、第1孔部51c及び第2孔部51dが設けられるケース51の側壁と対向する側壁に設けられる。第3孔部51eは、ケース51の長手方向、換言すると、手首100にセンサ装置5が装着されたときに手首100の周方向に直線状に延びる矩形状の開口である。
【0055】
案内溝51fは、第3孔部51eが設けられるケース51の側壁の内面側に設けられる。案内溝51fは、ケース51の開口する端部から当該開口と対向する天壁に向かって中途部まで延設された第1溝51f1と、第1溝51f1と直交する方向に延設された第2溝51f2と、を含む。第2溝51f2は、一端が第1溝51f1と連続し、この一端から他端までがケース51の長手方向一方側へ向かって延びる。
【0056】
センサユニット52は、可動ケース61と、空気袋62と、センサモジュール63と、センサモジュール63を可動ケース61に対して一方向に沿って移動可能に保持する可動ベース64と、センサモジュール63を可動ケース61に対して一方向に沿って付勢する付勢部材65と、を備えている。センサユニット52は、調整手段53によってケース51の長手方向に沿って所定の範囲で移動可能にケース51に保持される。
【0057】
可動ケース61は、センサモジュール63及び可動ベース64を収容し、且つ、センサモジュール63が保持された可動ベース64をアタッチ部41の開口部41bに向かって移動可能に保持する。可動ケース61は、ケース51内に、ケース51の長手方向に沿って移動可能に保持される。また、可動ケース61は、付勢部材65の一部が固定される。
【0058】
具体例として、可動ケース61は、空気袋62及びセンサモジュール63を収容するアタッチ部41に対向する面が開口する矩形箱状に構成される。可動ケース61は、空気袋62、センサモジュール63及び可動ベース64を収容する。可動ケース61は、天壁及び可動ベース64の間に空気袋62を配置する。可動ケース61は、センサモジュール63が可動ケース61の開口から出没可能に、可動ベース64を一方向に移動可能に保持する。
【0059】
可動ケース61は、ケース51の案内溝51fが設けられる側壁と対向する側壁の外面に、案内溝51fを移動可能に配置される案内突起61aと、調整手段53の一部が固定される固定部61bと、付勢部材65の一部を保持する第1保持部61cと、を含む。案内突起61aが第2溝51f2に沿って移動することで、可動ケース61がケース51の長手方向に沿って移動する。
【0060】
第1保持部61cは、付勢部材65の一部を保持する。例えば、第1保持部61cは、例えば、円柱状の突起である。第1保持部61cは、付勢部材65と同数設けられる。具体例として、第1保持部61cは、2つ設けられ、センサ装置5を手首100に装着した状態において、手首100の周方向に直交する方向の可動ケース61の対向する側壁の内面にそれぞれ設けられる。第1保持部61cは、可動ケース61の手首100側に配される開口端から一定の距離Lだけ離間した位置に配置されるため、
図12に示すように、付勢部材65の一部を、可動ケース61の開口端から距離Lだけ離れた位置に保持する。換言すると、
図12に示すように、付勢部材65は、第1保持部61cを中心として回転可能に、第1保持部61cに保持される。
【0061】
空気袋62は、蛇腹構造を有する。空気袋62は、チューブ14aを介してポンプ14に流体的に接続される。空気袋62は、
図9乃至
図16に示すように、可動ケース61の天壁から開口へ向かう方向へ膨張する。空気袋62は、膨張することで、センサモジュール63が可動ケース61内に収容された位置から、センサモジュール63が可動ケース61の開口から突出してアタッチ部41の開口部41bから手首100に触れる位置まで、センサモジュール63を移動させる。空気袋62は、例えば、ポリウレタンにより成形される。このような空気袋62は、ポンプ14及び付勢部材65とともに、センサモジュール63を手首100に向かって押圧する押圧機構を構成する。
【0062】
センサモジュール63は、
図17及び
図18に示すように、圧力センサ部71と、圧力センサ部71を保持するセンサベース72と、センサベース72を覆い、圧力センサ部71と対向する領域に開口73aを有するセンサヘッドカバー73と、センサヘッドカバー73の開口73aに設けられる軟質部74と、を備えている。
【0063】
センサモジュール63は、可動ケース61内に配置され、可動ケース61の天壁及び開口の対向方向に沿って所定の移動範囲内で移動可能に可動ケース61に保持される。即ち、センサモジュール63は、可動ケース61内で移動可能に保持されるとともに、可動ケース61の開口から一定以上突出する位置まで移動したときにストッパー等の規制手段によってその移動が規制される。
【0064】
圧力センサ部71は、フレキシブル基板71aと、フレキシブル基板71aに搭載された基板71bと、基板71b上に搭載された複数の感圧素子71cと、を備える。フレキシブル基板71aは、ケーブル15aに接続され、ケーブル15aを介して制御基板15に電気的に接続される。
【0065】
基板71b及び複数の感圧素子71cは、センサチップを構成する。複数の感圧素子71cは、一方向に配置されることで感圧素子列71dを構成する。感圧素子列71dは、単数又は複数設けられる。感圧素子列71dが複数設けられる場合には、複数の感圧素子列71dは、複数の感圧素子71cの並び方向に直交する方向に所定の間隔を開けて配置される。
【0066】
また、圧力センサ部71は、複数の感圧素子71cが配置される一方向が手首100の幅方向なるように、センサベース72に配置される。圧力センサ部71は、ケーブル15aを介して、複数の感圧素子71cで測定した圧力値を制御基板15に送信する。
【0067】
センサベース72は、圧力センサ部71及び圧力センサ部71に接続されるケーブル15aを保持する。センサベース72は、一方の主面にセンサヘッドカバー73が嵌合されるとともに、センサヘッドカバー73の開口73aと対向する領域に圧力センサ部71を保持する。センサベース72は、他方の主面に、可動ベース64が固定される。
【0068】
センサヘッドカバー73は、端面が手首100に接触する。軟質部74は、センサヘッドカバー73の開口73aに設けられ、感圧素子71cを保護する。開口73aは、例えば、矩形状に構成される。
【0069】
軟質部74は、例えば、開口73a内にシリコーン樹脂等の比較的軟質な樹脂材料が注入されることで成形される。軟質部74の端面は、センサヘッドカバー73の端面と面一に構成される。なお、軟質部74は、手首100と接触し、感圧素子71cで橈骨動脈110の圧力を検出可能な材料で形成されていればよく、軟質部74の厚さや手首100に接触する形状や材料は適宜設定可能である。
【0070】
可動ベース64は、可動ケース61内に、血圧測定装置1が手首100に装着された状態で、手首100に対して近接及び離間する一方向に沿って移動可能に保持される。例えば、可動ベース64は、可動ケース61内に設けられた複数の円柱状の部材に沿って移動可能に構成される。可動ベース64は、手首100側の端部がセンサベース72と固定されることで、可動ケース61に対してセンサベース72を一方向に沿って移動可能に、センサベース72を保持する。また、可動ベース64は、外面に設けられ、付勢部材65の一部を保持する第2保持部64aを含む。
【0071】
第2保持部64aは、付勢部材65の一部を保持する。例えば、第2保持部64aは、例えば、円柱状の突起である。第2保持部64aは、付勢部材65と同数設けられる。具体例として、第2保持部64aは、可動ベース64の異なる外面にそれぞれ設けられ、センサ装置5を手首100に装着した状態において、手首100の周方向に直交する方向の側壁の外面、具体的には、第1保持部61cが設けられた可動ケース61の対向する側壁の内面と対向する外面にそれぞれ設けられる。なお、第1保持部61c及び第2保持部64aの位置関係は、付勢部材65の形状等により適宜設定される。
【0072】
付勢部材65は、中立状態を有し、中立状態から外力が印加されたときに、復元力を生じさせる。具体例として、付勢部材65は、ねじりばねである。付勢部材65は、単数又は複数設けられる。例えば、付勢部材65は、センサモジュール63の移動方向に沿ったセンサユニット52の中心周りで点対称位置に2つ設けられる。
【0073】
付勢部材65は、両端が第1保持部61c及び第2保持部64aに保持される。例えば、付勢部材65の両端は、円環状又はフック状に構成され、第1保持部61c及び第2保持部64aに係合される。
【0074】
付勢部材65は、
図10及び
図15に示すように、センサモジュール63のセンサヘッドカバー73の先端がアタッチ部41の開口部41bに対して所定の位置にある中立点にあるときに付勢力が生じない中立状態となる。ここで、所定の位置とは、例えば、センサモジュール63の先端が開口部41bから突出する位置である。付勢部材65は、
図11及び
図16に示すように、センサモジュール63が中立点から手首100側にあるときにセンサモジュール63を手首100に向かう方向に付勢する。また、付勢部材65は、
図9及び
図14に示すように、センサモジュール63の先端が中立点よりも手首100から離れた位置にあるときに、センサモジュール63を手首100から離れる方向に付勢する。
【0075】
調整手段53は、
図19に示すように、ケース51に対してセンサユニット52の位置を、手首100の周方向で調整可能に構成される。調整手段53は、ケース51の外面に位置するとともに、一部が第3孔部51eを介して可動ケース61の固定部61bに固定される調整用摘まみ53aを有する。また、調整手段53は、ケース51の第3孔部51eに隣接して設けられた目盛53bと、調整用摘まみ53aに設けられ、目盛53bを指し示す指示部53cと、を有する。
【0076】
調整用摘まみ53aは、可動ケース61に固定されることで、センサユニット52に接続される。調整用摘まみ53aは、センサユニット52を移動可能に構成される。即ち、調整手段53は、調整用摘まみ53aを第3孔部51eの長手方向に移動させることで、センサユニット52を、第2溝51f2に沿って移動させて、ケース51に対する位置を調整する調整機構である。
【0077】
目盛53b及び指示部53cは、調整用摘まみ53aの位置、即ち、調整用摘まみ53aに接続されたセンサユニット52の位置を視認可能に表示する表示部である。
【0078】
固定具43は、例えば、一つ又は複数の帯状のバンドと、バンドを手首100に巻き付けて固定する面ファスナー等の固定部材と、を含み、アタッチ部41及びセンシング本体42を手首100に固定する。なお、固定具43は、尾錠を有する親と呼ばれる第1ベルト、及び、尾錠に固定される剣先と呼ばれる第2ベルトにより構成されていてもよい。また、固定具43は、ケース51に巻き付けられることで、ケース51をアタッチ部41に固定する構成をさらに有していても良い。
【0079】
即ち、固定具43は、空気袋62の膨張によってセンサモジュール63が手首100を押圧したときの反発力が可動ケース61に加わり、可動ケース61により直接的に又は可動ケース61から調整用摘まみ53aを介して間接的にケース51が押圧されて、ケース51がアタッチ部41から離間する方向に移動することを防止可能であってもよい。
【0080】
次に、血圧測定装置1を使用した血圧値の測定の一例について、
図20乃至
図23を用いて説明する。
図20は、血圧測定装置1を用いた血圧測定の一例を示す流れ図であり、ユーザの動作、制御部33の動作の双方を示す。
図21乃至
図23は、血圧測定装置1を使用した血圧測定の一例を示す説明図である。
【0081】
先ず、ユーザは、手首100に橈骨動脈110の位置を触診で探す(ステップST1)。例えば、このとき、橈骨動脈110上の皮膚にペンで線を引くことで目印を付けてもよい。
【0082】
次に、ユーザは、センサ装置5のセンシング本体42をアタッチ部41から離間させる。本実施形態においては、ユーザは、係合部51bを操作してケース51及び基部41aの固定を解除し、回転軸51aを中心に、アタッチ部41から離間する方向にセンシング本体42を回転させる。
【0083】
次にユーザは、
図21に示すように、装置本体4及びセンサ装置5を装着する(ステップST2)。具体例として、先ず、ユーザは、装置本体4の本体固定具16及びセンサ装置5の固定具43に手首100を通し、装置本体4及びセンサ装置5を手首100の所定の位置に配置する。次いで、装置本体4の本体固定具16を締め付けて、手首100に装置本体4を固定する。このとき、装置本体4の本体固定具16にカフを設ける構成である場合には、手首100の皮膚が本体固定具16(カフ)に挟まっていないか、及び、本体固定具16(カフ)が緩まっていないかを確認する。次いで、センサ装置5のアタッチ部41の開口部41bが手首100の橈骨動脈110に位置するように、センサ装置5の位置を調整する。さらに、ユーザは、開口部41bに橈骨動脈110が位置した状態を維持しながら、センサ装置5の固定具43を締め付けて、手首100にセンサ装置5を固定する。
【0084】
次いで、ユーザは、
図22に示すように、アタッチ部41の開口部41bから手首100の触診を行い(ステップST3)、橈骨動脈110が開口部41bに位置することを再度確認する。次いで、ユーザは、
図23に示すように、センシング本体42をアタッチ部41に近接する方向に回転させて、係合部51bによりセンシング本体42をアタッチ部41に固定する。なお、センシング本体42の位置が橈骨動脈110からずれている場合には、調整用摘まみ53aを操作して、センシング本体42の位置を調整する。
【0085】
なお、このとき、付勢部材65は、センサモジュール63を手首100から離間する方向に付勢しており、
図14に示すように、センサモジュール63は、中立点よりも手首100から離間する位置として、開口部41bよりもケース51側に位置する。このため、
図14に示すように、センサモジュール63のセンサヘッドカバー73は、手首100から離間した状態となる。
【0086】
次いで、ユーザは、操作部12を操作して、血圧測定の指令を行う。制御部33は、血圧測定の指令に基づいて、血圧を測定する(ステップST4)。このとき、制御部33は、ポンプ14を駆動制御し、空気袋62を膨張させることで、
図9及び
図14に示すように、センサモジュール63が可動ケース61内に収容された状態から、
図10及び
図15に示すように漸次手首100に向かって移動し、
図11及び
図16に示すようにセンサモジュール63のセンサヘッドカバー73及び軟質部74が手首100の橈骨動脈110が存する領域を押圧する。
【0087】
このとき、センサモジュール63は
図15に示す中立点を超えて、
図16に示すように手首100に向かって移動する。付勢部材65の一端は、第1保持部61cに回転可能に保持されるとともに、可動ケース61は、手首100に対して固定されている。このため、付勢部材65は、
図12の上段図(
図9)の姿勢から
図12の中段図(
図10)の姿勢を経て、
図12の下段図(
図11)のように、センサモジュール63の移動に伴って、第1保持部61c周りに回転する。これにより、付勢部材65は、センサモジュール63が中立点を超えたときに中立状態を経て、付勢する方向が変わり、センサモジュール63を手首100に向かう方向に付勢する。結果、センサモジュール63は、空気袋62及び付勢部材65により印加される力により、手首100を押圧する。
【0088】
これにより、センサヘッドカバー73及び軟質部74が手首100の当該領域を押圧することで、
図16に示すように、橈骨動脈110が適切な圧力で押圧されることから橈骨動脈110に扁平部が形成される。この状態で、圧力センサ部71の各感圧素子71cが圧脈波を測定する。
【0089】
なお、制御部33は、圧力センサ部71で検出された橈骨動脈110の圧脈波からトノメトリ法によって血圧を求める。なお、血圧測定前に、制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムデータに基づいて、校正用の血圧測定を行ってもよく、また、装置本体4やセンサ装置5の装着状態及び圧力センサ部71の位置が正しいか否かの判定を行ってもよい。
【0090】
このように構成された血圧測定装置1によれば、中立点よりも手首100から離れた側にセンサヘッドカバー73が位置するときに、付勢部材65により、一方向に沿った力で手首100から離間する方向にセンサモジュール63を付勢する構成とした。
【0091】
この構成により、血圧測定装置1は、血圧測定後に、手首100からの反発力によって中立点までセンサモジュール63が移動するとともに、その後、中立点から可動ケース61に収容されるまでセンサモジュール63が付勢部材65によって付勢されて移動する。これにより、センサモジュール63は開口部41bよりも可動ケース61内に位置することとなり、装着した血圧測定装置1を取り外すとき、センサ装置5のセンサモジュール63は外部に突出することがない。
【0092】
結果、センサモジュール63が手首100や他の構成と干渉することがないことから、手首100に負担を掛けることがなく、また、他の構成と干渉することにより損傷することが防止できる。加えて、可動ケース61内に収納する方向に付勢部材65により付勢することで、センサモジュール63は、空気袋62及び付勢部材65によって可動ケース61に対して一方向に往復動することが可能となる。
【0093】
また、血圧測定装置1によれば、中立点は、センサモジュール63の先端が開口部41bから突出する位置となるように構成されている。この構成により、血圧測定装置1は、血圧測定終了後、手首100からの反発力を用いて、センサモジュール63を中立点よりも手首100から離れた位置まで移動させることができる。このため、付勢部材65の付勢方向を手首に向かってセンサモジュール63を押圧する方向から、手首100から離れる方向にセンサモジュール63を付勢する方向に容易に切り替えることができる。
【0094】
また、血圧測定装置1によれば、中立点よりも手首100側に近い側にセンサヘッドカバー73が位置するときに、付勢部材65により、センサモジュール63の中立点を境に一方向に沿った力で手首100に近接する方向にセンサモジュール63を付勢する構成とした。この構成により、血圧測定装置1は、血圧測定時においては、空気袋62とともに付勢部材65がセンサモジュール63を手首100に向かって押圧することから、センサヘッドカバー73が手首100を好適に押圧することができる。
【0095】
具体例として、空気袋62を有し、付勢部材65を有さない比較例と、空気袋62及び付勢部材65を有する実施例とのストローク(mm)と押圧力(N)との関係を、
図24を用いて説明する。なお、付勢部材65の有無以外の構成については、実施例と比較例とは、同一の構成とし、各血圧測定装置1は、空気袋62内の圧力が250mmHgとなるようにポンプ14を制御した。また、ストロークが0mmの位置とは、空気袋62が膨張しておらず、センサモジュール63が中立点よりも手首100から離間した位置にあるときであり、ストロークとは、当該位置からのセンサモジュール63の移動量である。
【0096】
図24に示すように、比較例の血圧測定装置は、付勢部材65を有さないことから、ストロークが増加するにつれて漸次押圧力が低下する結果となる。これは、空気袋62が膨張すると、空気袋62の膨張方向に対して直交する方向の側面も膨張するためである。これに対し、
図24に示すように、実施例である血圧測定装置1は、ストロークが増加すると付勢部材65による付勢力も増加することから、付勢部材65が空気袋62の膨張による押圧力の低下を補い、押圧力を略一定とすることが可能となる。結果、血圧測定装置1は、ストロークが増加したときに押圧力が低下することを防止できる。
【0097】
また、
図25に空気袋62の内圧の目標値がそれぞれ250mmHg、200mmHg、150mmHgに設定された各実施例1、実施例2、実施例3のストロークと押圧力の関係を示す。この
図25からも明らかなように、付勢部材65を設ける構成とすることで、血圧測定装置1は、空気袋62の内圧の目標値に係わらず同様の効果を奏する。即ち、実施例1乃至実施例3のように、血圧測定装置1は、空気袋62の内圧の目標値の違いによる押圧力の違いはあるものの、付勢部材65を設けることでストロークに対して押圧力を略一定とすることができる。
【0098】
また、血圧測定装置1は、付勢部材65を設定することで、ストロークが増加したときに押圧機構である空気袋62及び付勢部材65による押圧力を増加させて、手首100を押圧するときに押圧力を最大と設定することもできる。
【0099】
また、血圧測定装置1は、付勢部材65を設ける簡単な構成で手首100を押圧する力を好ましい力に設定できることから、ポンプ14の能力を増加させたり、ポンプ14の制御を複雑としたりする必要がない。また、血圧測定装置1は、適切な押圧力でセンサモジュール63が手首100を押圧することができることから、橈骨動脈110に扁平部を好適に作ることが可能となり、血圧測定の精度を向上することもできる。
【0100】
また、血圧測定装置1は、付勢部材65をねじりばねとすることで、簡単な構成でセンサモジュール63を付勢することができることから、製造コストが増加することを防止できる。また、付勢部材65を複数設ける構成とすることで、所望の付勢力を生じさせるために複数設ける場合の一つあたりの付勢部材65の大きさを、単数設ける場合の付勢部材に比べて小型のものを用いることができることから、センサ装置5は、付勢部材65を設置や保持するためのスペースや構成を小型とすることができる。
【0101】
加えて、センサ装置5は、付勢部材65をセンサモジュール63を挟んで点対称となるように一対設ける構成とすることで、付勢力をセンサモジュール63に均一に印加することが可能となる。これにより、センサ装置5は、付勢部材65により印加される付勢力は一方向に沿った移動になることから、安定してセンサモジュール63を移動させることが可能となる。即ち、センサモジュール63の一部に付勢力を印加すると、センサモジュール63の移動方向に沿った方向の力以外にもセンサモジュール63に加わる虞があるが、本構成とすることで、センサモジュール63の移動方向に沿った付勢力をセンサモジュール63に印加可能となる。
【0102】
また、血圧測定装置1は、付勢部材65によってセンサモジュール63を付勢する構成とすることで、簡単な構成でセンサモジュール63を一方向に往復移動させることが可能なる。即ち、開口部41bから手首100の触診をすることが可能となり、血圧測定装置1のセンサ装置5を手首100に装着するときに、センサ装置5を手首100に仮装着した状態で橈骨動脈110を触診で探して、センサ装置5を位置調整し、その後、本装着することが可能となる。結果、適切な位置に血圧測定装置1を装着することが容易となる。また、センサ装置5は、調整手段53を備える構成であることから、手首100にセンサ装置5を本装着した後であっても、さらに、調整用摘まみ53aを操作することで、橈骨動脈110に対してセンサユニット52の位置を調整することが可能となることから、好適な位置で橈骨動脈110の圧力を測定することができる。
【0103】
また、センサ装置5は、センシング本体42がアタッチ部41に対して離間する方向に移動可能な構成として、一軸周りにセンシング本体42がアタッチ部41に対して回転する構成である。このため、センシング本体42を移動させるときに、センシング本体42に設けられたセンサモジュール63は、アタッチ部41の開口部41bから離間する方向に移動する。
【0104】
これにより、センシング本体42をアタッチ部41に対して移動させるときに、センサモジュール63が手首100やアタッチ部41に接触した状態で移動することを防止できる。具体的に説明すると、センサユニット52は、空気袋62によってセンサモジュール63のセンサヘッドカバー73及び軟質部74が手首100を適切に押圧可能な位置に可動ケース61の開口から突出する状態で血圧が測定される。
【0105】
このような状態でセンシング本体42がアタッチ部41に対して移動しても、センシング本体42は、センサモジュール63が手首100から離間する方向に移動するため、センサヘッドカバー73の端面及び軟質部74が手首100又はアタッチ部41に接触した状態でセンシング本体42が移動することない。このため、センシング本体42を移動させるときに、センサモジュール63が他の構成や手首100と干渉して損傷することや、手首100に負担を掛けることを防止できる。
【0106】
このように、センサ装置5は、アタッチ部41に触診可能な形状の開口部41bを設けるとともに、アタッチ部41及び手首100から離間する方向にセンシング本体42を移動可能とすることで、センサモジュール63が破損することを防止するとともに、安全性を向上することができる。
【0107】
また、センサ装置5は、アタッチ部41の長手方向の一端側において、センシング本体42がアタッチ部41に対して回転する構成であることから、アタッチ部41の上面の略全領域を外部に露出させることができる。このため、アタッチ部41の開口部41bが全て露出することから、触診を行うために必要な開口部41bの形状を極力小さくすることができる。また、センサ装置5は、アタッチ部41に対してセンシング本体42をスライドさせるためのレール構造やスライド移動後にアタッチ部41にセンシング本体42を保持するための構造を要しない。このため、センサ装置5は、手首100の幅方向の形状を極力小さくすることができることから、小型化とすることができる。
【0108】
上述したように本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1によれば、アタッチ部41に触診可能な形状の開口部41bを設けるとともに、アタッチ部41に対して一軸周りに回転するセンシング本体42を設けることで、装着時に手首の触診ができるとともに、センサモジュール63が損傷することを防止できる。
【0109】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。付勢部材65は、上述のねじりばねに限らず他の弾性体で構成されていてもよい。このような付勢部材65は、一方向に沿った外力により弾性変形するとともに、この外力が印加された方向とは相反する方向に復元する構成を有していればよい。例えば、
図26に示すように、付勢部材65は、樹脂材料で形成された、いわゆるラバースイッチ状の弾性体を用いてセンサモジュール63を付勢する構成としてもよい。このように付勢部材65を樹脂材料で構成する場合には、樹脂材料は成形型によって種々の形状とすることが可能となる。このため、可動ケース61及びセンサモジュール63間に配置が可能な位置や形状の選択肢が増えることから、設計において高い自由度を有するとともに、成形は金型を用いれば良く、製造も容易となる。
【0110】
また、上述した例では、付勢部材65は、センサモジュール63の中立点を境に、異なる付勢力をセンサモジュール63に印加する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、付勢部材65は、センサモジュール63が手首100から離間し、可動ケース61内に収容される方向にのみセンサモジュール63を付勢する構成としてもよい。この構成により、手首100をセンサヘッドカバー73が押圧するときは空気袋62によりセンサモジュール63を押圧し、そして、収容するときに付勢部材65によりセンサモジュール63を付勢する構成とすればよい。同様に、付勢部材65は、センサモジュール63が手首100を押圧するときに付勢する構成として、空気袋62とともに押圧機構を構成する構成であってもよい。
【0111】
また、上述した例では、血圧測定装置1は、装置本体4及びセンサ装置5を別体に備える構成を説明したがこれに限定されない。例えば、
図27及び
図28に示すように、血圧測定装置1は、装置本体4及びセンサ装置5が一体に構成されていてもよい。例えば、このような構成の血圧測定装置1は、センシング本体42のケース51に、装置本体4に用いられる操作部12、表示部13、ポンプ14及び制御基板15を設ける構成とすればよい。
【0112】
また、上述した例では、血圧測定装置1は、アタッチ部41に対してセンシング本体42が離間する方向及び近接する方向に移動する構成として、一軸周りにセンシング本体42がアタッチ部41に対して回転する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、
図29に示すように、血圧測定装置1は、アタッチ部41に対してセンシング本体42が離間する方向及び近接する方向に移動する構成として、アタッチ部41及びセンシング本体42が分離する構成としてもよい。このような構成の血圧測定装置1とする場合には、例えば、センシング本体42のケース51の複数箇所に係合部51bを設け、複数位置でセンシング本体42をアタッチ部41に係合させる構成とすればよい。
【0113】
また、上述した例では、血圧測定装置1は、橈骨動脈110の圧力を測定し、トノメトリ法によって血圧を求める構成を説明したがこれに限定されず、例えば、尺骨動脈112の圧力を測定する構成であってもよい。また、血圧測定装置1は、トノメトリ法以外の方法により血圧を求める構成であってもよい。即ち、血圧測定装置1は、手首100と接触するセンサモジュール63をアタッチ部41の開口部41b及び手首100に対して移動する構成であればよい。同様に、血圧を測定する装置に限らず、脈波を測定する装置等の他の測定法を用いる装置に用いることもできる。
【0114】
さらに、上述した例では、アタッチ部41の開口部41bが手首100を触診可能な形状である構成を説明したがこれに限定されない。即ち、アタッチ部41の開口部41bは、調整手段53によって位置が調整される範囲においてセンサユニット52が開口部41bを超えて手首100に接触することができる形状であれば、手首100を触診できない形状であってもよい。
【0115】
また、上述した例では、センサユニット52は、センサモジュール63のセンサベース72が可動ケース61内を移動可能な可動ベース64により保持される構成を説明したがこれに限定されない。例えば、可動ベース64は、センサモジュール63のセンサベース72と一体に構成されていてもよい。
【0116】
即ち、上述した各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。