郵便受け1の投入口2の開閉蓋3における内面に装着された配達物検知装置であって、ケース11内に回動自在に設けている軸体13内に、内部に鋼球23を転動可能に設け、且つこの鋼球23が一端側にある時にはオフ状態を維持し、他端側に転動した時にオン状態となるスイッチ本体20を、その鋼球23の転動方向を上記軸体13の軸心に交差する方向に向けた状態にして取り付けてあり、この配達物検知装置を上記開閉蓋3の内面に、開閉蓋3の開放によってスイッチ本体20の上記鋼球23が一端側から他端側に転動するように装着している。
郵便物等の配達物の投入口と、この投入口を開閉する開閉蓋と、上記投入口の開閉蓋に装着された配達物検知装置とを備えてなる郵便受けにおいて、上記配達物検知装置は内部に軸体を回動自在に設けているケースと、内部に鋼球を転動可能に設け、且つこの鋼球の転動によってオン状態とオフ状態とが切り換えられるスイッチ本体とを備えていてこのスイッチ本体を上記軸体内にその鋼球の転動方向をこの軸体の軸心に交差する方向に向けた状態にして取り付けてあり、このスイッチ本体を備えた上記ケースを投入口の開閉蓋に、この開閉蓋の開放によって上記スイッチ本体の鋼球が転動し、上記スイッチ本体がオン状態となるように装着していることを特徴とする郵便受けにおける配達物検知装置。
スイッチ本体は、内部に鋼球を転動可能に設け、且つこの鋼球が一端側にある時にはオフ状態を維持し、他端側に転動した時にオン状態となるように構成され、上記スイッチ本体を備えた上記ケースを投入口の開閉蓋に、この開閉蓋の開放によって上記スイッチ本体の上記鋼球が一端側から他端側に転動するように装着していることを特徴とする請求項1に記載の郵便受けにおける配達物検知装置。
スイッチ本体を取り付けている軸体に回動操作片を突設してあり、この回動操作片をケースに貫設している通孔を通じてケース外に突出させていて、外部操作により軸体の回動度を調整可能に構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の郵便受けにおける配達物検知装置。
スイッチ本体の両端に端子をその内端部がスイッチ本体内に突出させた状態に取り付けていると共に一端側の端子の内端をスイッチ本体の他端側に延長させて他端側の端子の内端に近接させてあり、鋼球が一端側から他端側に転動した時に、両端子に接触してオン状態となるように構成していることを特徴とする請求項2に記載の郵便受けにおける配達物検知装置。
両端子はそれぞれリード線を介して表示回路に接続してあり、スイッチがオン状態になった時に表示回路中に設けている検知ランプを点灯するように構成していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の郵便受けにおける配達物検知装置。
【背景技術】
【0002】
住宅の玄関扉等に設けられている郵便受けに郵便物等の配達物が投入されているかどうかを知るには、通常、郵便受けにまで足を運んで確認する必要があり、また、配達物が投入されているにもかかわらず、長時間に亘って確認をせずに放置しておく事態が生じることもある。
【0003】
このため、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているように、郵便受けに配達物が投入された際に、その投入を検知して知らせる検知手段を備えた郵便受けが開発されている。
【0004】
上記特許文献1に記載された郵便受けにおける配達物検知手段は、郵便受けの内底部に、郵便受けの投入口から投入された配達物の重量を検知する重量センサを設け、この重量センサから出力する検知信号によって表示パネルに取り付けたランプを点灯させるように構成している。
【0005】
一方、上記特許文献2に記載された郵便受けに設けている配達物検知手段は、配達物の投入口に開閉自在に設けている開閉蓋に対向させて、郵便受け内にリミットスイッチを配設し、上記開閉蓋を内方に回動させながら配達物を投入した際に、この開閉蓋を上記リミットスイッチに当接させて配達物の投入を検知すると共に、この検知信号によって配達物の受け取りを知らせる音声やランプの点灯を行うように構成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、郵便受けの内底部に設けている重量センサからなる検知手段によれば、配達物が非常に軽いハガキの場合には検知することができなくなる虞れがあり、また,配達物が投入口の開閉蓋によって挟まれて郵便受け内に落下しない状態となっている場合にも検知することができないといった問題点がある。
【0008】
さらに、配達物が郵便受けの内底面のどの部分に落下しても検知できるように、重量センサの配達物検知面を郵便受けの内底部の大きさ、形状に合わせて内底面全面に設けておく必要がある。
【0009】
一方、上記特許文献2に記載されているように、郵便受けの配達物投入口に開閉自在に設けている開閉蓋を郵便受け内に向かって回動させてリミットスイッチに当接させることにより、配達物の投入を検知する検知手段によれば,配達物の形状や重さ等に関係なく配達物が郵便受け内に投入されたことを検知することができるが、開閉蓋の開放角度が大小に変化しても確実に検知できるように開閉蓋に対向させて郵便受け内にリミットスイッチを装着した構造としなければならず、その作業に手間を要するばかりでなく、玄関扉等に設けている既存の郵便受けにこの検知手段を取り付けて配達物の投入を検知することができる郵便受けに構成することが極めて困難であるいった問題点がある。
【0010】
また、このような検知手段は、上記のように投入口が前面に設けられていてその開閉蓋が郵便受け内に向かって回動させることにより開蓋を行うように構成した郵便受けに採用することができても、投入口が郵便受けの上端開口部によって形成されていてその投入口に、上方に向かって回動させることにより投入口を開放するように構成した蓋を設けている郵便受けに採用し難いといった問題点がある。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、配達物の投入口が前方、或いは、上方等、いずれの方向に向いていてもその投入口の開閉蓋に装着して投入口から投入される配達物を確実に検知することができ、また、既存の郵便受けに対しても簡単に装着することができる郵便受けにおける配達物検知装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の郵便受けにおける配達物検知装置は、郵便物等の配達物の投入口と、この投入口を開閉する開閉蓋と、上記投入口の開閉蓋に装着された配達物検知装置とを備えてなる郵便受けにおいて、上記配達物検知装置は内部に軸体を回動自在に設けているケースと、内部に鋼球を転動可能に設け、且つこの鋼球の転動によってオン状態とオフ状態とが切り換えられるスイッチ本体とを備えていてこのスイッチ本体を上記軸体内にその鋼球の転動方向をこの軸体の軸心に交差する方向に向けた状態にして取り付けてあり、このスイッチ本体を備えた上記ケースを投入口の開閉蓋に、この開閉蓋の開放によって上記スイッチ本体の鋼球が転動し、上記スイッチ本体がオン状態となるように装着していることを特徴とする。
【0013】
上記郵便受けにおける配達物検知装置において、スイッチ本体は、内部に鋼球を転動可能に設け、且つこの鋼球が一端側にある時にはオフ状態を維持し、他端側に転動した時にオン状態となるように構成され、上記スイッチ本体を備えた上記ケースを投入口の開閉蓋に、この開閉蓋の開放によって上記スイッチ本体の上記鋼球が一端側から他端側に転動するように装着していることを特徴とする。
【0014】
上記郵便受けにおける配達物検知装置において、上記スイッチ本体を取り付けている軸体に回動操作片を突設してあり、この回動操作片をケースに貫設している通孔を通じてケース外に突出させていて、外部操作により軸体の回動度を調整可能に構成していることを特徴とする。
【0015】
上記郵便受けにおける配達物検知装置において、スイッチ本体の両端に端子をその内端部がスイッチ本体内に突出させた状態に取り付けていると共に一端側の端子の内端をスイッチ本体の他端側に延長させて他端側の端子の内端に近接させてあり、鋼球が一端側から他端側に転動した時に、両端子に接触してオン状態となるように構成していることを特徴とする。
【0016】
上記郵便受けにおける配達物検知装置において、上記両端子はそれぞれリード線を介して表示回路に接続してあり、スイッチがオン状態になった時に表示回路中に設けている検知ランプを点灯するように構成していることを特徴とする。
【0017】
上記郵便受けにおける配達物検知装置において、上記スイッチ本体に代えて水銀スイッチを軸体内に取り付けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の配達物検知装置は、内部に軸体回動自在に設けているケースと、内部に鋼球を転動可能に設け、且つこの鋼球の転動によってオン状態とオフ状態とが切り換えられるスイッチ本体とを備えていてこのスイッチ本体を上記軸体内にその鋼球の転動方向をこの軸体の軸心に交差する方向に向けた状態にして取り付けているので、配達物の投入口が前方、或いは、上方等、いずれの方向に向いていても、開閉蓋を開放して配達物を投入口から郵便受け内に投入する際に、開閉蓋の開放によってスイッチ本体の上記鋼球を確実に転動させてスイッチオン状態となるように、開閉蓋に装着しておくことができ、その装着も簡単に行える。
【0019】
このように、配達物検知装置のケースを郵便受けの開閉蓋に装着することによって配達物が郵便受け内に投入されたことを検知可能に構成することができるので、配達物検知装置が設けられていない既存の郵便受けにおける投入口の開閉蓋に本発明の配達物検知装置を装着して配達物の投入が確実に行えるように構成することができる。
【0020】
さらに、上記スイッチ本体を設けているケース内の軸体は、回動自在に設けられているので、投入口に開閉自在に取り付けられている上記開閉蓋の垂直面に対する取付角度に応じて上記軸体を回動操作することにより,この軸体に設けている上記スイッチ本体の鋼球が確実に転動してスイッチ本体が作動するように調整することができる。
【0021】
また、上記配達物検知装置において、上記スイッチ本体を取り付けている軸体に回動操作片を突設してあり、この回動操作片をケースに貫設している通孔を通じてケース外に突出させているので、配達物検知装置を投入口の開閉蓋の内面に装着されている状態において、外部操作により軸体を回動させてスイッチ本体が円滑且つ確実に作動するように正確に調整することができる。
【0022】
上記配達物検知装置において、上記スイッチ本体の両端に端子をその内端部がスイッチ本体内に突出させた状態に取り付けていると共に一端側の端子の内端をスイッチ本体の他端側に延在させて他端側の端子の内端に近接させているので、鋼球が一端側から他端側に転動した時に、この鋼球を両端子に接触させてスイッチ本体をオン状態にすることができ、さらに、上記両端子はそれぞれリード線を介して表示回路に接続してあり、スイッチがオン状態になった時に表示回路中に設けている検知ランプを点灯するように構成しているので、この検知ランプの表示パネルを屋内に設けておくことによって、屋内から郵便受け内に配達物が投入されたことを認識することができる。
【0023】
なお、本発明においては、上記スイッチ本体として傾斜スイッチ形式のものを採用しているが、このスイッチ本体に代えて従来から広く知られている水銀スイッチを上記軸体内に設けた構造としておいてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に本発明の具体的な実施例を図面について説明すると、郵便受け1は
図4に示すように、箱型形状に形成されていて、その前面上部に郵便物や新聞等の配達物を受け入れる横長矩形状の投入口2を設けてあり、この投入口2の背面側に投入口2を開閉する開閉蓋3が配設されている。この開閉蓋3はその上端部を郵便受け1の天板部の前端部下面に前後方向に回動自在に枢着して、常態においては投入口2をその背面側から閉止してあり、前面を押して郵便受け1内に向かって後方に回動させることにより、投入口2を開放するように構成していると共に、投入口2の上記開閉蓋3の後面には配達物検知装置10が装着されている。
【0026】
さらに、郵便受け1の背面には、郵便受け1内に投入された配達物の取出口4が設けられていると共にこの取出口4を開閉する開閉蓋5が設けられてあり、その投入口2を屋外に向け、取出口4を屋内側に向けた状態にして住宅の玄関扉6に設けられている。なお、玄関扉6に限らず、外壁等に郵便受け1を設けておいてもよい。
【0027】
上記配達物検知装置10は、
図1〜
図3に示すように、背面が全面的に開口している横長長方形状のケース11と、このケース11の両端内部に設けられているU字形状の軸受片12、12に両端部を嵌め込んで回動自在に支持されている軸体13と、この軸体13の長さ方向に中央部内に取付けられたスイッチ本体20とを備えていると共に上記ケース11の背面開口部は背面板14により閉止されていて、この背面板14を郵便受け1の上記投入口2の開閉蓋3の後面に接着剤又はビス等の公知の手段によって取り付けている。上記背面板14はその両端部をケース11の両端部にビス15によって取付けられている。なお、上記ケース11と軸体13は合成樹脂からなる成形品である。
【0028】
また、ケース11の一端部にはその内外面間に貫通してケース11の周方向に長い通孔16が設けられている一方、上記軸体13の一端部外周面には回動操作片17が突設されてあり、この回動操作片17を上記通孔16に挿通してその先端部を外部に突出させていると共にこの通孔16の長さ方向、即ち、ケース11の周方向に移動可能にしている。
【0029】
さらに、ケース11の両端部に設けている軸受片12、12に嵌め込んでいる上記軸体13の少なくとも他端部13a は径方向に弾性的に拡縮自在に形成されていて、軸受片12の内周面にその外周面を圧接させてあり、常態においては軸体13はその圧接力によって不測に回動するのを阻止されている一方、軸体13を外部操作によって上記圧接力に抗して回動させて軸体13の回動度を調整可能に構成している。
【0030】
上記スイッチ本体20は、ガラス等の非導電性材からなり、その長さが上記軸体13の太さ(径)に略等しい小径円筒形状に形成されていると共に、長さ方向の両端部は閉止されて中空に形成されている。
【0031】
このスイッチ本体20の長さ方向の両端部には、端子21、22がその内端部をスイッチ本体20内に突出させた状態にして取り付けられていると共に、一端側の端子21の内端21' をスイッチ本体20の内面に沿って他端側に延長させて他端側の上記端子22に近接した位置に配設してあり、スイッチ本体20内に転動自在に収納している鋼球23が一端側から他端側に転動してこれらの両端子21、22に接触した時に、両端子21、22が鋼球23を介して電気的に接続した状態となってスイッチがオン状態となるように構成している。
【0032】
なお、スイッチ本体20の内周面は平滑な面に形成されていると共に両端から長さ方向の中央部に向かって僅かに小径となるように緩傾斜した傾斜面24、25に形成されてあり、鋼球23はこれらの傾斜面24、25の上傾端の頂部26を通じてスイッチ本体20の一端側から他端側に、他端側から一端側に転動するように構成している。
【0033】
このように構成したスイッチ本体20は、その長さ方向を上記軸体13の軸心に対して交差する方向、好ましくは直交する方向に向けた状態にして軸体13の中央部に径方向に貫設した取付孔18内に挿嵌してあり、スイッチ本体20の両端に設けている端子21、22の外端部を軸体13の両側面から外部に突出させている。なお、以下においては、スイッチ本体20は、その長さ方向を上記軸体13の軸心に対して直交する方向に向けた状態にして軸体13の取付孔18内に挿嵌されている場合を例として説明する。
【0034】
さらに、軸体13の両側面には上記端子21、22に接触している金属細線片27、28が取り付けられてあり、これらの金属細線片27、28の端部にそれぞれリード線29、30を接続している。なお、上記金属細線片27、28を設けることなく、リード線29、30を直接、上記端子21、22に接続しておいてもよい。
【0035】
上記のように構成した配達物検知装置10は、投入口2の上記開閉蓋3の後面に、この開閉蓋3が開いた時にスイッチ本体20がオン状態になるように装着されている。詳しくは、ケース11内に設けている軸体13の長さ方向を開閉蓋3の横幅方向、即ち、水平方向に向けると共に、軸体13の中央部内にこの軸体13に対してその長さ方向を直交する方向に向けている上記スイッチ本体20の他端側の端子22を開閉扉3の後面側に向けた状態にしてケース11に装着している。なお,スイッチ本体20の向きは、ケース11の装着後に回動操作片17によって行ってもよい。
【0036】
さらに、スイッチ本体20における両端子21、22の内端が配設されている他端部と一端部とを結ぶ仮想線、即ち、スイッチ本体20の中心線が開閉蓋3の後面に対して直交する方向に向いている場合、或いは、一端部側に対して他端部側が下方に位置している場合には、スイッチ本体20内の鋼球が一端側から他端側に上記頂部26を乗り越えながら転動してスイッチ本体20をオンの状態にする虞れがあるので、上記回動操作片17を指先で操作して、スイッチ本体20を設けている軸体13を回動させ、
図5に示すように、スイッチ本体20の内周面が他端側から一端側に向かって下方に緩傾斜した状態となるように調整し、開閉蓋3が垂直状に垂下して投入口2を閉止している状態においては、鋼球2を一端側に位置させてスイッチオフ状態を保持するように構成している。
【0037】
図10は上記のように構成した配達物検知装置10を接続している表示回路図であって、スイッチ本体20は通知確認用ボタン33と並列状に配列された上でランプ31を有する通知部34(
図11参照)に接続されてあり、ランプ31を設けている回路中に上記スイッチ本体20がオン状態となった時に作動する自己保持型のリレー32が設けられている。なお、通知確認用ボタン33及びランプ31は、通知部34に配設されている。通知確認用ボタン33は、点灯しているランプ31(通知状態の通知部)を消灯状態(非通知状態)とし、ランプ31(通知部)を待機状態に戻すためのボタンである。
図11の通知部34においては、通知部34のランプ31に通知確認用ボタン33としての機能を付与しているが、通知確認用ボタン33をランプ31とは別に設けてもよい。
図10に示された表示回路図内には電池などの公知の電源装置(図示せず)が配設されている。
【0038】
上記のように、郵便受け1における前面側の投入口2の開閉蓋3に配達物検知装置10を取付けているので、開閉蓋3を内方に押しながら投入口2を開いて郵便物等の配達物を郵便受け1内に投入すると、開閉蓋3が
図5に示す垂下した状態から
図6、
図7に示すように斜め後方に回動してケース11内の軸体13に設けているスイッチ本体20の内周面が一端側の端子21から他端側の端子22に向かって斜め下方に傾斜した状態となり、一端部内で待機していた鋼球3がこの傾斜面上を転動しながら他端部内に達して両端子21、22の内端に接触し、スイッチオン状態となる。
【0039】
スイッチがオン状態になると、リレー32が作動して通知部34のランプ31が点灯すると共に開閉蓋3が閉蓋しても保持回路によってその点灯状態を保持し、郵便受け1に配達物が投入されたことを屋内の家人等に知らせる。なお、ランプ31に代えて、或いは、ランプ31と共に、ブザーやディスプレイなどの公知の通知手段(図示せず)を回路中に設けておいてもよい。次いで、通知確認用ボタン33を押すと、リレー32側への通電が解除されてランプ31が消灯し、ランプ31は待機状態に戻る。
【0040】
上記実施例においては、前面に向かって開口している投入口2を有する郵便受け1の投入口2の開閉蓋3に配達物検知装置10を装着しているが、
図8に示すように、投入口2'が郵便受けの上端開口部によって形成されていてその投入口2'に、上方に向かって回動させることにより投入口2'を開放するように構成した開閉蓋3'を設けている郵便受け1'においても、その開閉蓋3'の下面に上記配達物検知装置10を装着すれば、配達物が投入口2'から郵便受け1内に投入されたことを検知することができる。
【0041】
この場合、ケース11内に設けている軸体13の長さ方向を開閉蓋3の横幅方向、即ち、水平方向に向けると共に、軸体13の中央部内にこの軸体13に対してその長さ方向を直交する方向に向けている上記スイッチ本体20を、
図9に示すように、開閉蓋3'が閉止した状態において、スイッチ本体20の内周面が他端側の端子22から一端側の端子21に向かって開閉蓋3'の下面に対して離れるように傾斜させて、鋼球23をスイッチがオフ状態となる一端部内に位置させ、開閉蓋3'を上方に回動させて投入口2'を開いた時に、鋼球23がスイッチ本体20の内周面上を他端側に向かって転動して両端子21、22の内端に接触させてスイッチをオンするように構成している。
【0042】
上記スイッチ本体20の向きは、上述したように、上記回動操作片17を指先で操作して、スイッチ本体20を設けている軸体13を回動させることにより、調整することができる。その他の構成等は上記開閉蓋3が前面側に設けている郵便受け1と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0043】
なお、以上の実施例においては、配達物検知装置10に使用しているスイッチ本体20として傾斜スイッチ形式のものを採用しているが、この傾斜スイッチに代えて、従来から広く知られている水銀スイッチを採用して軸体内に装着した構造としても本発明を満足させることができる。
【0044】
また、以上の実施例においては、内部の鋼球が一端側から他端側に転動することによってオン状態を維持し、他端側から一端側に転動することによってオフ状態を維持するスイッチ本体を説明したが、スイッチ本体は、鋼球がスイッチ本体内において転動することによって、鋼球を介して両端子21、22同士が電気的に接続したオン状態と、両端子21、22間から鋼球23が移動することによって両端子21、22間の電気的な接続が解除されたオフ状態とを切り換えることができれば、他の構造であっても本発明を満足させることができる。
【0045】
具体的には、
図13〜
図16に示すスイッチ本体であってもよい。なお、
図1〜
図3に示すスイッチ本体と同様の構造については同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
スイッチ本体20内には断面矩形状の中空部20aが形成されている。スイッチ本体20の長さ方向の両端部には、端子21、22がその内端部をスイッチ本体20の中空部20a内に突出させた状態にして取り付けられている。そして、一端側の端子21の内端部を二つに分岐させ、一端側の端子21の内端21’、21’をそれぞれ、スイッチ本体20の内面に沿って延長させて、スイッチ本体20の長さ方向の中央部に配設させている。同様に、他端側の端子22の内端部を二つに分岐させ、他端側の端子22の内端22’、22’をそれぞれ、スイッチ本体20の内面に沿って延長させて、スイッチ本体20の長さ方向の中央部に配設させている。一端側の端子21の内端21’と、他端側の端子22の内端22’とは所定の距離を存して離間した状態に配設されており、スイッチ本体20内に転動自在に収納している鋼球23が一端側又は他端側から中央部に転動してこれらの両端子21、22の内端21’、22’に接触した時に、両端子21、22が鋼球23を介して電気的に接続した状態となってスイッチがオン状態となるように構成されている。一方、鋼球23が一端側又は他端側に位置している状態においては、両端子21、22の電気的な接続は解除されてスイッチがオフ状態となるように構成されている。
【0047】
上記のように構成した配達物検知装置10は、投入口2の上記開閉蓋3の後面に、この開閉蓋3が開いた時にスイッチ本体20がオン状態になるように装着されている。詳しくは、ケース11内に設けている軸体13の長さ方向を開閉蓋3の横幅方向、即ち、水平方向に向けると共に、軸体13の中央部内にこの軸体13に対してその長さ方向を直交する方向に向けている上記スイッチ本体20の他端側の端子22を開閉扉3の後面側に向け且つ一端側の端子21又は他端側の端子22をスイッチ本体20の中空部20aの中央部よりも下方に位置した状態にしてケース11に装着している。なお,スイッチ本体20の向きは、ケース11の装着後に回動操作片17によって行ってもよい。
【0048】
上記郵便受けにおける配達物検知装置では、スイッチ本体20を有線によってランプ31に電気的に接続させている場合を説明したが、配達物検知装置10と通知部34とを無線によって接続してもよい。
【0049】
具体的には、
図12に示したように、配達物検知装置10に、駆動回路部71を介してCPU72(Central Processing Unit)を接続させている。CPU72には、ROM(Read Only Memory)73及びRAM(Random Access Memory)74を接続させている。CPU72に汎用の無線モジュール75を付帯又は実装させている。無線モジュール75とは、通信端末と無線データ通信を行なうモジュールであって、ワイファイ(Wi−Fi)(登録商標)及びBluetooth(登録商標)などの通常の無線通信方式を実現するためのモジュールである。CPU72やRAM74上に所定のプログラムを読み込ませることにより、CPU72の制御のもとで無線モジュール75を作動させると共に、RAM74におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで所定の動作が実現される。駆動回路部71、CPU72、ROM73及びRAM74は、常態において、不動作状態に保持されている。
【0050】
また、通知部34は、CPU(Central Processing Unit)76と、ROM(Read Only Memory)77と、RAM(Random Access Memory)78とを更に有し、CPU76にランプ31(通知手段)及び通知確認用ボタン33を電気的に接続させていると共に、CPU76に上述の汎用の無線モジュール79を付帯又は実装させている。通知部34は、配達物検知装置10に接続させたCPU72と無線を介して通信可能に構成されている。なお、通知部34内の回路には自己保持型のリレーは配設されていない。CPU76やRAM78上に所定のプログラムを読み込ませることにより、CPU76の制御のもとで無線モジュール79、ランプ31(通知手段)及び通知確認用ボタン33を作動させると共に、RAM78におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで通知部34は所定の動作を実現する。なお、通知部34に接続させているCPU76、ROM77、RAM78、無線モジュール79、ランプ31及び通知確認用ボタン33を配設している回路には公知の電源装置が接続されている。CPU76、ROM77、RAM78、無線モジュール79及び通知確認用ボタン33は、常時、作動状態とされている。
【0051】
そして、スイッチ本体20がオン状態になると、スイッチ本体20が通電状態となる。スイッチ本体20が通電状態となると、駆動回路部71が通電状態となって駆動回路部71が作動し、駆動回路部71は、配達物検知装置10側に接続させているCPU72を起動させる。起動されたCPU72は直ちに無線モジュール75を作動させて、通知部34側のCPU76との間で通信を開始する。配達物検知装置10側のCPU72と、通知部34側のCPU76と間の通信が確立されると、配達物検知装置10側のCPU72からの指令によって駆動回路部71が作動し、配達物検知装置10側のCPU72、ROM73、RAM74及び無線モジュール75への通電が停止されて、CPU72、ROM73、RAM74及び無線モジュール75が不作動状態となると共に、駆動回路部71も不作動状態となる。
【0052】
通知部34側に接続されたCPU76は、配達物検知装置10側のCPU72との通信が確立すると、ランプ31を点灯させて(通知手段を作動させて)、郵便受け1に配達物が投入されたことを屋内の家人などに知らせる。なお、ランプ31に代えて、或いは、ランプ31と共に、ブザーやディスプレイなどの公知の通知手段(図示せず)を回路中に設けておいてもよい。
【0053】
そして、通知部34による通知を確認した者が通知確認用ボタン33を押下すると、通知部34からの通知を確認した旨の信号が通知部34側のCPU76に送信され、CPU76によってランプ31の点灯、即ち、通知部による通知が停止される。なお、通知部34による通知は、通知確認用ボタン33の押下によることなく、所定時間経過後に自動的に停止されてもよい。
【0054】
また、上記では、配達物検知装置10と通知部34とを無線を介して直接、接続させた場合を説明したが、配達物検知装置10と通知部34とをインターネットなどのネットワークを介して接続してもよい。配達物検知装置10及び通知部34と、ネットワークとの接続は、上述した無線モジュールを利用した無線接続であってもよいし、LANケーブルなどを用いた有線接続であってもよい。また、ネットワーク上に設置されたサーバー装置を介してもよい。