特開2019-202148(P2019-202148A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リムサイエンス カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2019-202148電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-202148(P2019-202148A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20191101BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20191101BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   A61B17/16
   A61B17/88
   G05B19/18 X
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-104527(P2019-104527)
(22)【出願日】2019年6月4日
(62)【分割の表示】特願2016-510625(P2016-510625)の分割
【原出願日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0046015
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0013819
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515295913
【氏名又は名称】リムサイエンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン,サン ジン
【テーマコード(参考)】
3C269
4C160
【Fターム(参考)】
3C269AB03
3C269AB25
3C269BB12
3C269MN23
3C269MN29
3C269PP03
3C269QE37
4C160FF41
4C160FF60
4C160LL09
4C160LL21
4C160LL31
4C160MM32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療事故を未然に防止することができる一方で、他の様々な産業分野においても有用であり、追加の機能も有する電気的に制御可能な回転加圧装置と、これらの回転加圧装置を制御するための方法を提供する。
【解決手段】電気制御可能な回転加圧装置であって、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、モータに電力を供給する電力制御部と、電力制御部を制御するための中央処理装置と、モータや回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含み、中央処理装置は、回転速度センサから回転速度を受け取る異常検出部を含み、異常検出部は、回転速度の異常が検出されると、中央処理装置に制御信号を送信し、中央処理装置が電力制御部の電力供給を停止させるようにする電気制御可能な回転加圧装置が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気制御可能な回転加圧装置であって、
人体構造物の穿孔または前記人体構造物への結合のために、前記人体構造物に挿入され
る回転加圧手段と、
前記回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、
前記モータに電力を供給する電力制御部と、
前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、
前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサと、
前記モータに流れ込む電流を測定する電流センサと、
測定された前記電流に基づいて前記中央処理装置から前記電力制御部への制御信号を調
整することによって前記トルクを調整するトルク補正部と、を有し、
前記中央処理装置は、前記回転速度センサから前記回転速度を受け取る異常検出部を含
み、
前記異常検出部によって前記回転速度の異常が検出された場合、前記中央処理装置は、
前記回転加圧手段の前進が停止するように前記電力制御部を制御し、
前記異常検出部によって前記回転速度の異常が検出されない場合、前記中央処理装置は
、測定される前記電流が一定値となるように前記トルク補正部を制御する電気制御可能な
回転加圧装置。
【請求項2】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の減少傾向から増加傾向への変化である請求
項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項3】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の減少傾向から増加傾向への2回目の変化で
ある請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項4】
前記回転加圧手段は、末端開口部を含む請求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置
【請求項5】
前記回転加圧手段は、前記末端開口部に挿入されることができる末端開閉部をさらに含
む請求項4に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項6】
前記末端開閉部は、前記回転加圧手段が構造物に対して圧力を加える場合には前記末端
開口部を開放する請求項5に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項7】
前記末端開閉部は、弾性体によって前記末端開口部を閉鎖する請求項5に記載の電気制
御可能な回転加圧装置。
【請求項8】
前記回転加圧手段は、前記末端開口部を介して流れ込む物質に関する情報を収集するセ
ンサを含む、請求項4に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項9】
前記中央処理装置は、前記物質の情報に基づいて、前記回転加圧手段の前進が停止する
ように前記電力制御部を制御するか否かを決定する、請求項8に記載の電気制御可能な回
転加圧装置。
【請求項10】
前記回転加圧手段は、ドリル、ドリルビット、穿孔具、または、スクリューである、請
求項1に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項11】
電気制御可能な回転加圧装置であって、
構造物の穿孔または前記構造物への結合のために、前記構造物に挿入される回転加圧手
段と、
前記回転加圧手段に対してトルクを提供するモータと、
前記モータに電力を供給する電力制御部と、
前記電力制御部を制御するための中央処理装置と、
前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサと、
前記モータに流れ込む電流を測定する電流センサと、
測定された前記電流に基づいて前記中央処理装置から前記電力制御部への制御信号を調
整することによって前記トルクを調整するトルク補正部と、を有し、
前記中央処理装置は、前記回転速度センサから前記回転速度を受け取る異常検出部を含
み、
前記異常検出部によって前記回転速度の異常が検出された場合、前記中央処理装置は、
前記回転加圧手段の前進が停止するように前記電力制御部を制御し、
前記異常検出部によって前記回転速度の異常が検出されない場合、前記中央処理装置は
、測定される前記電流が一定値となるように前記トルク補正部を制御する電気制御可能な
回転加圧装置。
【請求項12】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の減少傾向から増加傾向への変化である請求
項11に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項13】
前記回転速度の前記異常は、前記回転速度の減少傾向から増加傾向への2回目の変化で
ある請求項11に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項14】
前記回転加圧手段は、末端開口部を含む請求項11に記載の電気制御可能な回転加圧装
置。
【請求項15】
前記回転加圧手段は、前記末端開口部に挿入されることができる末端開閉部をさらに含
む請求項14に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項16】
前記末端開閉部は、前記回転加圧手段が構造物に対して圧力を加える場合には前記末端
開口部を開放する請求項15に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項17】
前記末端開閉部は、弾性体によって前記末端開口部を閉鎖する請求項15に記載の電気
制御可能な回転加圧装置。
【請求項18】
前記回転加圧手段は、前記末端開口部を介して流れ込む物質に関する情報を収集するセ
ンサを含む、請求項14に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【請求項19】
前記中央処理装置は、前記物質の情報に基づいて、前記回転加圧手段の前進が停止する
ように前記電力制御部を制御するか否かを決定する、請求項18に記載の電気制御可能な
回転加圧装置。
【請求項20】
前記回転加圧手段は、ドリル、ドリルビット、穿孔具、または、スクリューである、請
求項11に記載の電気制御可能な回転加圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気制御可能な回転加圧装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドリル(または、ドリルビット(drill bit))、穿孔具、スクリューなどと
して直接作用するか、または上記のような構成要素を保持した状態で回転しながら前進加
圧することができる回転加圧装置は、様々な産業分野で使用されている(これらの回転加
圧装置に採用されるドリル、穿孔具などは図5のAに示すような尖端を有するので、構造
物を用意に貫通するとともにその過程で構造物から吐出される構造物の破片などがよく抜
けるようにすることができ、同様に回転加圧装置に採用されるスクリューなどは、図6
示すように様々な大きさと長さを持ち、適切に選択されて構造物に結合することができる
)。
【0003】
特に、医療分野では、回転加圧装置が人体内の構造物(例えば、骨)に穴を開けたり医
療用スクリューを結合したりするための目的で広く使用されている。例えば、人体内構造
物の内側に所定の薬物注入装置(図示せず)や所定の検査装置(図示せず)を浸透させる
ために構造物に穴を開ける目的や、骨折を治療するための接合手術で折れた骨を医療用ス
クリューによって固定したり補強したりする目的や、または口腔内に校正用スクリューを
結合する目的で回転加圧装置が活用されている。これらの回転加圧装置は、その末端自体
がドリル、穿孔具、スクリューなどとして機能するか、またはその末端にドリル、穿孔具
、スクリューなどが取り付けられることができる。しかし、このような回転加圧装置は、
従来には操作者の手の感覚や経験に応じた数値によってのみ制御されてきたので、操作者
がミスをしたり経験が少なかったりする場合には時々大きな事故(例えば、患者の脳が損
傷を受ける大規模な医療事故)の原因になることがあった。また、これを恐れて医師が過
度に慎重に手術を行うため、手術時間が非常に長くなる傾向もあった。
【0004】
一方、医療以外の分野でも、回転加圧装置が幅広く使用されているが、これも誤操作に
より深刻な問題を発生させる恐れがある。例えば、圧力容器部品の結合に回転加圧装置と
スクリューが使用される場合、スクリューが回転加圧装置によって達してはならない深さ
まで到達して圧力容器の内部構造に損傷を与えると、圧力容器にクラックが発生してしま
い、圧力容器が爆発する可能性を高めるなどの問題を招く恐れがある。
【0005】
したがって、本発明者は、医療事故を未然に防止することができる一方で、他の様々な
産業分野においても有用であり、追加の機能も有する電気的に制御可能な回転加圧装置と
これらの回転加圧装置を制御するための方法を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点をすべて解決することを目的とする。
【0007】
本発明は、異常が検出される場合には動作を止めて安全性を確保することができる回転
加圧装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
本発明は、有益な付加機能を有する回転加圧装置を提供することをさらに他の目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0010】
本発明の一態様によれば、電気制御可能な回転加圧装置であって、所定の回転加圧手段
に対してトルクを提供するモータと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電
力制御部を制御するための中央処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を
測定する回転速度センサとを含み、前記中央処理装置は、前記回転速度センサから前記回
転速度を受け取る異常検出部を含み、前記異常検出部は、前記回転速度の異常が検出され
ると、前記中央処理装置に制御信号を送信して、前記中央処理装置が前記電力制御部の前
記電力供給を停止させるようにする電気制御可能な回転加圧装置が提供される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、所定の回転加圧手段に対してトルクを提供するモー
タと、前記モータに電力を供給する電力制御部と、前記電力制御部を制御するための中央
処理装置と、前記モータや前記回転加圧手段の回転速度を測定する回転速度センサとを含
む回転加圧装置を制御する方法であって、前記回転速度の異常を検出するステップと、前
記電力制御部の前記電力供給を停止させるステップとを含む回転加圧装置の制御方法が提
供される。
【0012】
この他にも、本発明の技術的思想に基づいて他の構成がさらに提供されることができる
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異常が検出された場合には動作を止めて安全性を確保することができ
る回転加圧装置を提供できる効果が達成される。
【0014】
本発明によれば、有益な付加機能を有する回転加圧装置を提供できる効果が達成される
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】スクリューが意図した深さで結合された状態を示す図である。
図1b】スクリューが意図した深さを超えて深く結合された状態を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る回転加装置の制御構成要素を概念的に示す図である。
図3a】ドリルなどが挿入される深さに応じてモータ300の回転速度が減少できることを示す図である。
図3b】モータの回転速度が突然増加することができるポイントを示す図である。
図4a】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的に示す図である。
図4b】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4c】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4d】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4e】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
符号の説明
100 中央処理装置、
200 電力制御部、
300 モータ。
【0017】
以下の本発明の詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施例を例示として示す添付
図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施するのに十分詳細に説明され
る。本発明の種々の実施例は互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことが理解
されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造、および特性は
、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、一実施例から他の実施例に変更されて実
装することができる。また、それぞれの実施例内の個々の構成要素の位置または配置も本
発明の精神および範囲を逸脱することなく変更できることが理解されるべきである。した
がって、後述する詳細な説明は限定的な意味を有するものではなく、本発明の範囲は請求
の範囲の請求項が主張する範囲と均等な全範囲を包括するとみなすべきである。図面にお
いて類似の参照符号は、あらゆる側面において同一または類似する構成要素を示す。
【0018】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施で
きるように、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明の好ましい実施例
図1は、本発明の必要性について説明するための図である。図1aは、スクリューが意
図した深さで結合された状態を示す図である。図1aの場合、スクリューは結合された板
を突き抜けることなく、よく結合されている。一方、図1bは、スクリューが意図した深
さを超えた深さで結合された状態を示す図である。図1bの場合、スクリューが過度に結
合され、結合された板を突き抜けてしまう。
【0020】
回転加圧装置により回転加圧されて結合されるスクリューが意図した深さを超えて結合
されることには様々な場合があり得る。例えば、スクリューの挿入角度が間違っているか
、スクリューの長さが間違って選択された場合があり得る。さらに、図1bのように、ス
クリューが結合される位置の構造物の厚さが予想よりも薄く、好適ではないスクリューが
構造物を貫通する問題が生じる場合もある。通常の場合、医療用スクリューの種類や挿入
の深さは、事前のMRI検査やCT検査などによって、それが結合される構造物(例えば
、骨)の状態に合わせて選択されるのが一般的であるが、撮影された画像にエラーがあっ
たり医師が撮影された画像の読み取りにミスを犯したりする場合には、図1bに示すよう
なスクリュー結合状態がたまに発生し、小さくは人体構造物の損傷から大きくは人体構造
物の内部の軟質組織(例えば、大脳)の損傷まで起こす可能性がある。もちろん、他の産
業分野においても、同様に人体の組織ではなく密閉容器の損傷などを起こす可能性がある
【0021】
一方、これらの損傷が好ましくないことは、回転加圧装置が、主に穿孔を目的とするド
リルやドリルを駆動する装置である場合にも同様である。
【0022】
図2は、本発明の一実施例に係る回転加圧装置の制御構成要素を概念的に示す図である
図2に示すように、本発明に係る回転加圧装置は、中央処理装置100と電力制御部2
00とモータ300とを含むことができる。また、回転加圧装置は、ねじ山を持って回転
トルクを受けると、回転しながら前進加圧することができるドリル、穿孔装置やスクリュ
ー(「回転加圧手段」と称することができる。図示せず)をその末端に含むか、少なくと
も上記のような構成要素と接続または連動することができる。
【0023】
まず、中央処理装置100は、電気的な制御のための公知のマイクロプロセッサである
ことができる。中央処理装置100は、所定のユーザープログラムによって制御すること
ができる。中央処理装置100は、所定のトルク補正を行うことができるトルク補正部1
10と回転加圧装置の異常動作を検出することができる異常検出部120とを含むことが
できる。中央処理装置100、トルク補正部110、および異常検出部120の機能につ
いては後述する。
【0024】
次に、電力制御部200は、モータ300による回転加圧装置の駆動のために公知のP
WM(パルス幅変調)技術により(ただし、これらに限定される理由はない)、モータ3
00に電力を供給し、これを制御することができる電力制御手段であることができる。こ
れは後述するような電流センサ210を含むことができる。
【0025】
最後に、モータ300は、公知の電気機械的な動力手段であることができる。つまり、
モータ300は、電力制御部200から電力の供給を受けると、所定のトルクを発生させ
て提供し、回転加圧装置が回転しながら圧力を加えられるようにすることができる。これ
らのモータ300の回転速度は、モータ300に含まれるか、またはそれと連動すること
ができる回転速度センサ310によって測定されることができる。
【0026】
以下、上記のような構成の回転加圧装置の制御について詳細に説明する。
【0027】
まず、電力制御部200がモータ300に所定の電力を供給することができる。これに
より、モータ300は回転することができ、回転速度センサ310はモータ300の回転
速度を測定することができる。測定された回転速度は異常検出部120に伝達されること
ができる。
【0028】
一方、電力制御部200の電力供給に応じてモータ300に流れ込む電流は、電流セン
サ210によって測定することができる。測定された電流は、トルク補正部110に伝達
されることができる。
【0029】
次に、中央処理装置100は、異常検出部120が特に異常信号を送信しない場合、ト
ルク補正部110により、電流センサ210で測定される電流が所定の一定値を示すよう
にするためのフィードバック制御を実行することができる。上記のような電流の所定値は
、使用者が望んで予め設定できる回転加圧装置の出力トルク値に基づいて決定することが
できる。したがって、トルク補正部110は、電流センサ210で過多電流が測定される
場合には、中央処理装置100から電力制御部200への制御信号を調整して、電力制御
部200が供給する電力信号のパルス幅が減少するようにすることができ、電流センサ2
10で過少電流が測定される場合には、中央処理装置100から電力制御部200への制
御信号を調整して、電力制御部200が供給する電力信号のパルス幅が増加するようにす
ることができる。したがって、本発明のこれらの構成によれば、モータ300の出力トル
クが実質的に一定に維持される状態で回転加圧装置が駆動されるようにすることができる
【0030】
但し、回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどが前進しながら構造物に対して
挿入されるにつれて、次第にインピーダンスが大きくなるので、モータ300の回転速度
、すなわち、ドリルなどが挿入される速度などが徐々に減少する。図3aは、ドリルなど
が挿入される深さに応じて、モータ300の回転速度が減少できることを示す図である。
【0031】
しかし、前記モータ300の回転速度は、所定のポイントで突然増加することができる
図3bは、これらのポイントを示す図である(但し、これらの回転速度の増加ポイント
は、図7に示すように骨構造物の場合にはその内部の弱い部分(例えば、cancell
ous portion)の作用を考慮して、二番目の増加ポイントに決定されることも
ある)。つまり、ドリルなどの挿入深さが大きくなるにつれて、モータ300の回転速度
は徐々に減少してから突然増加することができる。本発明によれば、回転速度センサ31
0によって測定されたモータ300の回転速度が異常検出部120に伝達されるので、異
常検出部120は、上記のような好ましくない突然の現象を直ちに検出してから、中央処
理装置100に当該制御信号を送信することができ、これにより、中央処理装置100は
、電力制御部200に電力供給の中断に関する制御信号を送信することができる。したが
って、結果的にモータ300の出力トルクは直ちに0になり、好ましくない状態でのドリ
ルなどの前進が直ちに中断されることができる。
【0032】
上記実施例では、基本的には、モータ300の回転速度が回転速度センサ310によっ
て測定されると想定したが、モータ300の回転速度ではなく、モータ300に接続され
てモータ300と一緒に駆動されるドリル、穿孔具、スクリューなどの回転速度が直接測
定されるようにすることも可能である。例えば、ドリル、穿孔具、スクリューなどの構造
物の反対側の部分に所定の磁気的マークや光学的マークを配置させた後、これらのマーク
がドリル、穿孔具、スクリューなどの回転に応じて磁気的または光学的に認識される周期
を測定することにより、ドリル、穿孔具、スクリューなどの回転速度を測定できることは
当業者に自明であろう。このような測定を行うセンサも回転速度センサと命名し、回転速
度センサ310と同様の機能を実行できることは言うまでも無い。
【0033】
また、上記実施例では、基本的にはモータ300の回転速度が直接測定されると想定し
たが、モータ300やドリル、穿孔具、スクリューなどが発生させる音波(acoust
ic wave)を測定することにより、回転速度が推定によって測定されるようにする
ことも可能である。この場合、音波の様々な属性情報、例えば、音波の最大振幅、平均振
幅、ピーク周波数、平均周波数、平均値、標準偏差、実効値(Root Mean Sq
uare;RMS)などのようなもののうち1つ以上を参照することができる。
【0034】
一方、前記回転速度や音波の特性データを所定の表示手段(図示せず)でユーザーに表
すこともできる。このため、公知の表示手段が制限なしに採用され、前記物理量を表示す
るのに用いられることができる。
【0035】
また一方で、上記のような物理量を独自的に、または物理量が表われた場合に適用され
たトルクなどのような入力値とマッピングされた状態でデータベース化することも可能で
ある。この場合、データベース(図示せず)が物理量の測定または受信や入力値の測定ま
たは受信が可能な任意のコンピュータ装置(図示せず)に含まれることや、これらのコン
ピュータ装置と通信することができることは当業者に自明である。
【0036】
本発明の一実施例によれば、構造物上や構造物内の物質の収集と検出が可能である。図
4aを参照して説明する。図4aは、本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿
孔具、スクリューなどの内部構造を例示的に示す図である。
【0037】
図示したように、回転加圧装置に含まれるかまたは付着されることができるドリルなど
400は、末端開口部410と末端開閉部420と弾性体430とセンサ440とを含ん
で構成することができる。
【0038】
まず、末端開口部410は、ドリルなど400の末端に配置され、末端の少なくとも一
部を開放させることができる口部であることができる。回転加圧装置が構造物に対して前
進加圧する場合、末端開口部410を介して構造物上や構造物内の所定の物質が流れ込む
ことができる。
【0039】
次に、末端開閉部420は、末端開口部410に挿入/把持され、いくつかの場合にの
み末端開口部410を開放させることができる構成要素であることができる。末端開閉部
420は、普段は図示されたように末端開口部410を閉鎖させているが、回転加圧装置
が前進加圧する間には当該圧力によって表示aだけ後進し、末端開口部410を少なくと
も部分的に開放させることができる。これらの末端開閉部420は、その後尾または他所
に配置されることができる図示したような弾性体430によって、圧力が加わった場合に
は末端開口部410を開放し、加圧が解除された場合には末端の開口部410を閉鎖する
ことができる。この場合、弾性体430の弾性係数は意図した構造物の強度を考慮して決
定することができる。例えば、意図した構造物の強度が大きい場合には弾性係数が大きく
、逆の場合には小さくなることができる。
【0040】
最後に、センサ440は、任意の物質の存否や濃度、成分などに関する任意のセンサで
あることができる。つまり、センサ440は、化学的成分や生物学的成分が構造物上また
は構造物内に存在するか否かを識別し、存在する場合にはその濃度やサンプルを測定した
り収集したりする機能を実行することができる。センサ440によって収集された情報は
、データ発信部(図示せず)によって中央処理装置100に伝達されるが、これは回転加
圧装置を使用する使用者に中央処理装置100と連動することができるモニターなどの表
示手段(図示せず)を介して伝達することができる。前記センサ440やデータ発信部に
ついては、本発明者の他の出願である国際出願PCT/KR2012/007774の内
容をさらに参照することができる。
【0041】
図4b〜図4eは、本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリュ
ーなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。これらを参照して、ドリル400など
の改善された構造についてさらに説明する。
【0042】
まず、図4bは、本実施例に係るドリルなど400がそれに加えられる直進方向の力を
測定するのに用いられる他の弾性体500と外装600とをさらに含む状態を示す図であ
る。図示したように、ドリル400などが回転加圧装置によって受ける直進方向の力は弾
性体500の長さを測定することにより簡単に測定することができるので、弾性体500
の長さが好ましくなく突然伸びる場合(つまり、ドリルなど400が回転加圧装置によっ
て受けた直進方向の力が大幅に減少するか0になる場合)、このような現象に関する情報
を必要に応じて上記の実施例で説明したように取得された情報(つまり、回転速度の突然
の増加に関する情報)と一緒に考慮することにより、ドリルなど400の前進を停止させ
ることもできる。
【0043】
次に、図4c〜図4eは、本実施例に係るドリルなど400の末端開口部410の配列
と、これらの末端開口部410のそれぞれから伸びているチャンネル450について例示
的に示す図面である。図示したように、末端開口部410は、それを介して構造物上また
は構造物内の所定の物質が流れ込むようにすることができるが、これは効率的な物質収得
と検出のために多数個配置することができる。そして、前記センサ440は、その物理的
な特性の保護のためにチャンネル450の内側に配置することができる。この場合に、チ
ャンネル450は、内側のセンサ440で物質を伝達する通路の役割をすることもできる
。一方、これらのチャンネル450について、所定の吸引システム(図示せず)をさらに
含めて物質収得と検出がより容易になるように支援することもできる。
【0044】
以上の実施例において、検出されて識別された物質に関する情報は必要に応じてドリル
など400の前進を停止させる基礎情報として活用することもできる。このような場合の
例として識別される物質が人体内の特定臓器の臓器液や閉鎖が必要な構造物内の特定物質
である場合を挙げることができる。
【0045】
以上、本発明は具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面
によって説明されたが、これは本発明の全般的な理解のために提供されたものであって、
本発明が上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術の分野における通
常の知識を有する者であればこのような記載から様々な変更や修正を加えることができる
【0046】
従って、本発明の思想は、前記説明した実施例に限定して定められてはならず、後述す
る特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変形されたす
べてのものは、本発明の思想の範囲に属するものである。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2019年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図1a】スクリューが意図した深さで結合された状態を示す図である。
図1b】スクリューが意図した深さを超えて深く結合された状態を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る回転加装置の制御構成要素を概念的に示す図である。
図3a】ドリルなどが挿入される深さに応じてモータ300の回転速度が減少できることを示す図である。
図3b】モータの回転速度が突然増加することができるポイントを示す図である。
図4a】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的に示す図である。
図4b】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4c】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4d】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図4e】本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具、スクリューなどの内部構造を例示的にさらに示す図である。
図5本発明の一実施例に係る回転加圧装置のドリル、穿孔具などの尖端を示す図である。
図6本発明の一実施例に係る回転加圧装置のスクリューなどの大きさや長さを示す図である。
図7モータの回転速度が突然増加することができる二番目のポイントを示す図である。