【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、概して、医療システム、デバイス、および方法に関し、より具体的には、外科手術部位感染症を低減させるための外科手術デバイス、システム、および使用方法に関する。
【0019】
好ましい実施形態は、創傷保護のための障壁を提供し、直接、流体送達および除去を単一アセンブリ内に組み込み得る、統合された柔軟性膜設計を利用する。
【0020】
本発明の第1の側面では、患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するための外科手術用アクセスデバイスは、柔軟性膜を備える。柔軟性膜は、上側端および下側端と、ベース層と、ベース層に取着された浸透性膜と、流体チャネルとを有する。柔軟性膜は、切開に係合し、それを拡張させるように構成される。流体チャネルは、ベース層と浸透性膜との間に配置され、流体チャネルは、流体源に流動的に結合される。流体源からの流体は、浸透性膜を介して、外科手術部位に送達される。
【0021】
デバイスはさらに、ベース層と浸透性膜との間に配置される、材料の中間層を備えてもよい。材料の中間層は、発泡体であってもよい。デバイスはさらに、ベース層と浸透性膜との間に配置される、材料のマニホールドシール層を備えてもよい。材料のマニホールドシール層は、材料の中間層をマニホールドシール層とベース層との間に捕捉してもよい。
【0022】
ベース層は、不浸透性であってもよく、浸透性膜は、それを通して配置される複数の孔を備えてもよい。本デバイスはさらに、柔軟性膜の上側端に結合される、上側保定部材を備えてもよい。上側保定部材は、半径方向に拡張可能かつ半径方向に圧潰可能であってもよい。上側保定部材は、閉鎖リングを形成してもよい。本デバイスはさらに、柔軟性膜の下側端に結合される、下側保定部材を備えてもよい。下側保定部材は、弾性であってもよく、閉鎖リングを形成してもよい。柔軟性膜の上側端は、それぞれ、それを通して配置される孔を有する、複数のタブを備えてもよく、孔は、上側保定部材上の係合要素と結合されるように構成されてもよい。柔軟性膜は、略円錐台状形状を形成してもよい。柔軟性膜は、固定長を有してもよい。
【0023】
本デバイスはさらに、ベース層と浸透性膜との間に配置される、吸引チャネルを備えてもよく、吸引チャネルは、真空源に結合されるように構成されてもよい。真空源からの真空は、浸透性膜を介して、外科手術部位から吸引チャネルの中に流体を引き込んでもよい。吸引チャネルおよび流体チャネルは、複数のチャネルを備えてもよく、チャネルは、実質的に、個別の出口点における流体抵抗を最小限にするように、柔軟性膜に沿って位置付けられてもよい。複数のチャネルは、複数の内側吸引チャネルおよび複数の外側吸引チャネルを備えてもよい。
【0024】
浸透性膜は、それを通して配置される複数の孔を備えてもよく、複数の孔は、第1の複数の孔および第2の複数の孔を備えてもよい。第1の複数の孔は、それを通して真空が印加される孔であってもよく、第2の複数の孔は、それを通して流体が通過する孔であってもよい。第2の複数の孔は、第1の複数の孔より小さくてもよい。
【0025】
本発明の別の側面では、患者の身体内の切開を通して外科手術部位にアクセスするための方法は、上側端と、下側端と、ベース層と、ベース層に結合された浸透性膜とを有する、柔軟性膜を提供することと、柔軟性膜を切開を通して外科手術部位の中に挿入することとを含む。本方法はまた、柔軟性膜を半径方向に拡張させ、それによって、切開を拡張させることと、ベース層と浸透性膜との間に配置される、流体チャネルから送達される流体を用いて、外科手術部位を灌注することとを含んでもよい。流体は、浸透性膜内に配置される、複数の孔から流出してもよい。
【0026】
弾性下側保定部材は、柔軟性部材の下側端に結合されてもよく、柔軟性膜を挿入することは、弾性下側保定部材を切開を通して外科手術部位の中に挿入することを含んでもよい。柔軟性膜を半径方向に拡張させることは、柔軟性膜を略円錐台状形状に形成することを含んでもよい。柔軟性膜を半径方向に拡張させることは、柔軟性膜の上側端に結合される、上側保定部材を半径方向に拡張させることを含んでもよい。本方法はさらに、柔軟性膜の固定長を維持することを含んでもよい。本方法はまた、流体を外科手術部位から吸引することを含んでもよい。吸引された流体は、浸透性膜内に配置され、ベース層と浸透性膜との間に配置される、吸引チャネルを通して通過する、複数の孔に流入してもよい。
【0027】
本発明の別の側面では、患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するように構成される、外科手術用アクセスデバイスのための柔軟性膜を加工するための方法は、ベース層と、浸透性膜と、随意に、材料の中間層とを提供することを含む。材料の中間層は、随意に、ベース層と浸透性膜との間に配置されてもよい。本方法はまた、ベース層を浸透性膜にシールすることと、第1の複数の孔を浸透性膜内に形成することと、ベース層と浸透性膜との間に配置される、流体チャネルを形成することとを含んでもよい。流体チャネルは、流体源から流体チャネルを通して、第1の複数の孔を介して、外科手術部位に流体を送達するように構成されてもよい。
【0028】
ベース層を浸透性膜にシールすることは、ベース層を浸透性膜に熱的に溶接することを含んでもよい。第1の複数の孔を形成することは、第1の複数の孔を浸透性膜の中にレーザ穿孔することを含んでもよい。本方法はさらに、拡張可能上側保定部材を柔軟性膜の上側端に結合することを含んでもよい。柔軟性膜の上側端は、複数のタブを備えてもよく、拡張可能上側保定部材を結合することは、上側保定部材上に配置されるピンを用いて複数のタブを結合することを含んでもよい。
【0029】
本方法はさらに、係止機構を上側保定部材に結合することを含んでもよい。係止機構は、係止構成および係止解除構成を有する、ラチェットおよび爪を備えてもよい。係止構成は、上側保定部材を所望のサイズに保持するように適合されてもよく、係止解除構成は、上側保定部材の拡張または圧潰を可能にするように適合されてもよい。本方法はさらに、弾性下側保定部材を柔軟性膜の下側端に結合することを含んでもよい。第2の複数の孔は、浸透性膜内に配置されてもよく、本方法はさらに、ベース層と浸透性膜との間に配置される、吸引チャネルを形成することを含んでもよい。吸引チャネルは、真空源から吸引チャネルを通して、第2の複数の孔を介して、外科手術部位に真空を伝送するように構成されてもよい。
【0030】
本方法はさらに、材料のマニホールドシール層を提供することと、材料のマニホールドシール層を材料の中間層にわたって配置することとを含んでもよい。マニホールドシール層は、ベース層にシールされてもよく、浸透性膜は、材料のマニホールドシール層にシールされてもよい。
【0031】
本発明のさらに別の側面では、患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するための外科手術用アクセスデバイスは、圧潰構成、拡張構成、およびその間の複数の構成を有する、半径方向に拡張可能かつ圧潰可能保定リングを備える。保定リングは、相互に枢動可能に結合される、複数の連結部と、係止位置および係止解除位置を有する、係止機構とを備える。係止位置は、保定リングを所望の構成に保持するように構成され、係止解除位置は、保定リングの半径方向拡張または半径方向圧潰を可能にするように構成される。係止機構は、ラチェットおよび爪を備える。ラチェットおよび爪の係合は、相互に対する複数の連結部間の隣接する連結部の枢動を防止する。爪からのラチェットの係脱は、相互に対する隣接する連結部の枢動を可能にする。係止機構は、係止機構が係止位置にあるとき、複数の連結部内の任意の2つの連結部上の任意の2つの点間の距離を維持する。または、係止機構は、係止機構が係止位置にあるとき、複数の連結部内の任意の2つの連結部間の角度を維持する。
【0032】
保定リングは、圧潰構成と拡張構成との間に所望のサイズを有する、閉鎖リングを形成してもよい。係止機構は、閉鎖リングを所望のサイズに保持してもよい。複数の構成は、2〜20の構成を備えてもよく、または複数の構成は、無限数の構成を備えてもよい。
【0033】
複数の連結部内の隣接する連結部は、ピンを用いてともに枢動可能に結合されてもよい。2つの隣接するピン間の距離は、圧潰構成において最小限にされてもよく、距離は、拡張構成において最大限にされてもよい。隣接する連結部間の角度は、圧潰構成において最小限にされてもよく、角度は、拡張構成において最大限にされてもよい。
【0034】
ラチェットは、1つ以上の歯を備えてもよく、爪は、1つ以上の歯を備えてもよい。ラチェットの1つ以上の歯は、係止構成において、爪の1つ以上の歯に係合してもよい。ラチェットの1つ以上の歯または爪の1つ以上の歯は、圧潰力が調節可能リングに印加されると、その間に係合をもたらすよう付勢するように、相互に対して角度付けられてもよい。
【0035】
本デバイスはさらに、爪に結合され、爪がラチェットに係合するよう付勢する方向にトルクを提供するように構成される、ねじりばねを備えてもよい。本デバイスはまた、爪に結合される界面表面を備えてもよい。界面表面は、ユーザが、トルクをそこに印加し、それによって、爪をラチェットから係脱し、保定部材を拡張または圧潰させることを可能にするように構成されてもよい。
【0036】
ラチェットは、爪と摩擦係合される、連続湾曲要素を備えてもよい。連続湾曲要素および爪の摩擦係合は、相互に対する隣接する連結部の枢動を防止してもよい。爪からの連続湾曲要素の係脱は、相互に対する隣接する連結部の枢動を可能にし、拡張と圧潰構成との間に定寸される無限数の構成を形成してもよい。本デバイスはさらに、爪に結合され、爪が連続湾曲要素に摩擦係合するよう付勢する方向にトルクを提供するように構成される、ねじりばねを備えてもよい。本デバイスはさらに、調節可能リングの一部との係合によって、爪の回転を制御するように構成される、カム表面を備えてもよい。柔軟性膜は、保定リングに結合されてもよい。下側弾性保定リングは、保定リングの反対の柔軟性膜に結合されてもよい。
【0037】
本発明のさらに別の側面では、患者の身体内の切開を通して外科手術部位にアクセスするための方法は、調節可能上側保定部材、下側弾性保定部材、およびその間に結合された柔軟性膜を有する、アクセスデバイスを提供することと、弾性保定部材を切開を通して外科手術部位の中に挿入することとを含む。本方法はまた、柔軟性膜を切開を通して外科手術部位の中に挿入することと、身体外の調節可能上側保定部材を所望のサイズに拡張または収縮させること、ラチェットおよび爪係止機構を用いて、調節可能上側保定部材を所望のサイズに係止することとを含む。
【0038】
本方法はさらに、爪をラチェットから係脱し、調節可能上側保定部材を所望のサイズより小さい圧潰サイズに圧潰することによって、調節可能上側保定部材を係止解除することを含んでもよい。本方法は、柔軟性膜から送達される流体を用いて、外科手術部位を灌注することを含んでもよい。本方法はさらに、柔軟性膜によって提供される真空を用いて、流体を外科手術部位から吸引することを含んでもよい。
【0039】
これらおよび他の実施形態は、添付の図面に関する以下の説明にさらに詳細に説明される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するための外科手術用アクセスデバイスであって、
前記デバイスは、上側端および下側端を有する柔軟性膜を備え、前記柔軟性膜は、前記切開に係合し、前記切開を拡張させるように構成され、前記柔軟性膜は、
ベース層と、
前記ベース層に取着された浸透性膜と、
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている流体チャネルと
を備え、
前記流体チャネルは、流体源に流動的に結合され、前記流体源からの流体は、前記浸透性膜を介して、前記外科手術部位に送達される、デバイス。
(項目2)
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている、材料の中間層をさらに備える、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている、材料のマニホールドシール層をさらに備え、前記材料のマニホールドシール層は、前記マニホールドシール層と前記ベース層との間に前記材料の中間層を捕捉する、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記材料の中間層は、発泡体を備える、項目2に記載のデバイス。
(項目5)
前記ベース層は、不浸透性である、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記浸透性膜は、それを通して配置されている複数の孔を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記柔軟性膜の上側端に結合されている上側保定部材をさらに備える、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記上側保定部材は、半径方向に拡張可能かつ半径方向に圧潰可能である、項目7に記載のデバイス。
(項目9)
前記上側保定部材は、閉鎖リングを形成する、項目7に記載のデバイス。
(項目10)
前記柔軟性膜の下側端に結合されている下側保定部材をさらに備え、前記下側保定部材は、弾性である、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
前記下側保定部材は、閉鎖リングを形成する、項目10に記載のデバイス。
(項目12)
前記柔軟性膜の上側端は、複数のタブを備え、各タブは、それを通して配置されている孔を有し、前記孔は、前記上側保定部材上の係合要素と結合されるように構成されている、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
前記柔軟性膜は、略円錐台状形状を形成する、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記柔軟性膜は、固定長を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている吸引チャネルをさらに備え、前記吸引チャネルは、真空源に結合されるように構成され、前記真空源からの真空は、前記浸透性膜を介して、流体を前記外科手術部位から前記吸引チャネルの中に引き込む、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
前記浸透性膜は、それを通して配置されている複数の孔を備え、前記複数の孔は、第1の複数の孔および第2の複数の孔を備え、前記真空は、前記第1の複数の孔を通して印加され、前記流体は、前記第2の複数の孔を通して通過する、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記第2の複数の孔は、前記第1の複数の孔より小さい、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記吸引チャネルおよび前記流体チャネルは、複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルは、実質的に、個別の出口点における流体抵抗を最小限にするように、前記柔軟性膜に沿って位置付けられている、項目15に記載のデバイス。
(項目19)
前記複数のチャネルは、複数の内側吸引チャネルおよび複数の外側吸引チャネルを備える、項目18に記載のデバイス。
(項目20)
患者の身体内の切開を通して外科手術部位にアクセスするための方法であって、前記方法は、
上側端と、下側端と、ベース層と、前記ベース層に結合された浸透性膜とを有する、柔軟性膜を提供することと、
前記柔軟性膜を前記切開を通して前記外科手術部位の中に挿入することと、
前記柔軟性膜を半径方向に拡張させ、それによって、前記切開を拡張させることと、
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている流体チャネルから送達される流体を用いて、前記外科手術部位を灌注することであって、前記流体は、前記浸透性膜内に配置されている第1の複数の孔から流出する、ことと
を含む、方法。
(項目21)
弾性下側保定部材は、前記柔軟性部材の下側端に結合され、前記柔軟性膜を挿入することは、前記弾性下側保定部材を前記切開を通して前記外科手術部位の中に挿入することを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記柔軟性膜を半径方向に拡張させることは、前記柔軟性膜を略円錐台状形状に形成することを含む、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記柔軟性膜を半径方向に拡張させることは、前記柔軟性膜の上側端に結合されている上側保定部材を半径方向に拡張させることを含む、項目20に記載の方法。
(項目24)
前記柔軟性膜の固定長を維持することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目25)
流体を前記外科手術部位から吸引することをさらに含み、前記吸引された流体は、前記浸透性膜内に配置されている第2の複数の孔に流入し、前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置されている吸引チャネルを通して通過する、項目20に記載の方法。
(項目26)
患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するように構成されている外科手術用アクセスデバイスのための柔軟性膜を加工するための方法であって、前記方法は、
ベース層および浸透性膜を提供することと、
前記ベース層を前記浸透性膜にシールすることと、
第1の複数の孔を前記浸透性膜内に形成することと、
前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置される、流体チャネルを形成することであって、前記流体チャネルは、流体源から前記流体チャネルを通して、前記第1の複数の孔を介して、前記外科手術部位に流体を送達するように構成される、ことと
を含む、方法。
(項目27)
前記ベース層を前記浸透性膜にシールすることは、前記ベース層を前記浸透性膜に熱的に溶接することを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記第1の複数の孔を形成することは、前記第1の複数の孔を前記浸透性膜の中にレーザ穿孔することを含む、項目26に記載の方法。
(項目29)
拡張可能上側保定部材を前記柔軟性膜の上側端に結合することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目30)
前記柔軟性膜の上側端は、複数のタブを備え、前記拡張可能上側保定部材を結合することは、前記上側保定部材上に配置されているピンを用いて前記複数のタブを結合することを含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
係止機構を前記上側保定部材に結合することをさらに含み、前記係止機構は、係止構成および係止解除構成を有する、ラチェットおよび爪を備え、前記係止構成は、前記上側保定部材を所望のサイズに保持するように適合され、前記係止解除構成は、前記上側保定部材の拡張または圧潰を可能にするように適合される、項目29に記載の方法。
(項目32)
弾性下側保定部材を前記柔軟性膜の下側端に結合することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目33)
第2の複数の孔は、前記浸透性膜内に配置され、前記方法はさらに、前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置される吸引チャネルを形成することを含み、前記吸引チャネルは、真空源から前記吸引チャネルを通して、前記第2の複数の孔を介して、前記外科手術部位に真空を伝送するように構成される、項目26に記載の方法。
(項目34)
材料の中間層を提供することと、前記材料の中間層を前記ベース層と前記浸透性膜との間に配置することとをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目35)
材料のマニホールドシール層を提供することと、
前記材料のマニホールドシール層を前記材料の中間層にわたって配置することと、
前記材料のマニホールドシール層を前記ベース層にシールすることと、
前記浸透性膜を前記材料のマニホールドシール層にシールすることと
をさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
患者の身体内の外科手術部位への切開を通したアクセスを促進するための外科手術用アクセスデバイスであって、
前記デバイスは、圧潰構成、拡張構成、およびその間の複数の構成を有する、半径方向に拡張可能かつ圧潰可能保定リングを備え、前記保定リングは、
相互に枢動可能に結合されている複数の連結部と、
係止位置および係止解除位置を有する係止機構であって、前記係止位置は、前記保定リングを所望の構成に保持するように構成され、前記係止解除位置は、前記保定リングの半径方向拡張または半径方向圧潰を可能にするように構成されている、係止機構と
を備え、
前記係止機構は、ラチェットおよび爪を備え、前記ラチェットおよび爪の係合は、相互に対する前記複数の連結部間の隣接する連結部の枢動を防止し、前記爪からの前記ラチェットの係脱は、相互に対する前記隣接する連結部の枢動を可能にし、
前記係止機構は、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、前記複数の連結部内の任意の2つの連結部上の任意の2つの点間の距離を維持し、または
前記係止機構は、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、前記複数の連結部内の任意の2つの連結部間の角度を維持する、デバイス。
(項目37)
前記保定リングは、前記圧潰構成と前記拡張構成との間に所望のサイズを有する閉鎖リングを形成し、前記係止機構は、前記閉鎖リングを前記所望のサイズに保持する、項目36に記載のデバイス。
(項目38)
前記複数の構成は、2〜20の構成を備える、項目36に記載のデバイス。
(項目39)
前記複数の構成は、無限数の構成を備える、項目36に記載のデバイス。
(項目40)
前記複数の連結部内の隣接する連結部は、ピンを用いてともに枢動可能に結合されている、項目36に記載のデバイス。
(項目41)
2つの隣接するピン間の距離は、前記圧潰構成において最小限にされ、前記距離は、前記拡張構成において最大限にされる、項目40に記載のデバイス。
(項目42)
前記隣接する連結部間の角度は、前記圧潰構成において最小限にされ、前記角度は、前記拡張構成において最大限にされる、項目40に記載のデバイス。
(項目43)
前記ラチェットは、1つ以上の歯を備え、前記爪は、1つ以上の歯を備え、前記ラチェットの1つ以上の歯は、前記係止構成において、前記爪の1つ以上の歯に係合する、項目36に記載のデバイス。
(項目44)
前記ラチェットの1つ以上の歯または前記爪の1つ以上の歯は、圧潰力が調節可能リングに印加されると、その間に係合をもたらすよう付勢するように、相互に対して角度付けられる、項目43に記載のデバイス。
(項目45)
前記爪に結合されているねじりばねをさらに備え、前記ねじりばねは、前記爪が前記ラチェットに係合するよう付勢する方向にトルクを提供するように構成されている、項目36に記載のデバイス。
(項目46)
前記爪に結合されている界面表面をさらに備え、前記界面表面は、ユーザがトルクをそこに印加することを可能にするように構成され、それによって、前記爪を前記ラチェットから係脱し、前記保定部材を拡張または圧潰させることを可能にする、項目36に記載のデバイス。
(項目47)
ラチェットは、前記爪と摩擦係合されている連続湾曲要素を備え、
前記連続湾曲要素および爪の摩擦係合は、相互に対する前記隣接する連結部の枢動を防止し、
前記爪からの前記連続湾曲要素の係脱は、相互に対する前記隣接する連結部の枢動を可能にし、前記拡張構成と前記圧潰構成との間に定寸される無限数の構成を形成する、項目36に記載のデバイス。
(項目48)
前記爪に結合されているねじりばねをさらに備え、前記ねじりばねは、前記爪が前記連続湾曲要素に摩擦係合するよう付勢する方向にトルクを提供するように構成されている、項目47に記載のデバイス。
(項目49)
前記爪に結合されているカム表面をさらに備え、前記カム表面は、調節可能リングの一部との係合によって、前記爪の回転を制御するように構成されている、項目47に記載のデバイス。
(項目50)
前記保定リングに結合されている柔軟性膜をさらに備える、項目36に記載のデバイス。
(項目51)
前記保定リングの反対の柔軟性膜に結合されている下側弾性保定リングをさらに備える、項目50に記載のデバイス。
(項目52)
患者の身体内の切開を通して外科手術部位にアクセスするための方法であって、前記方法は、
調節可能上側保定部材、下側弾性保定部材、およびその間に結合された柔軟性膜を有する、アクセスデバイスを提供することと、
前記弾性保定部材を前記切開を通して前記外科手術部位の中に挿入することと、
前記柔軟性膜を前記切開を通して前記外科手術部位の中に挿入することと、
前記身体外の調節可能上側保定部材を所望の拡張サイズに拡張または収縮させることと、
ラチェットおよび爪係止機構を用いて、前記調節可能上側保定部材を前記所望のサイズに係止することと
を含む、方法。
(項目53)
前記爪を前記ラチェットから係脱し、前記調節可能上側保定部材を前記所望の拡張サイズより小さい圧潰サイズに圧潰することによって、前記調節可能上側保定部材を係止解除することをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記柔軟性膜から送達される流体を用いて、前記外科手術部位を灌注することをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目55)
前記柔軟性膜によって提供される真空を用いて、流体を前記外科手術部位から吸引することをさらに含む、項目52に記載の方法。
【0040】
(参照による引用)
本明細書に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれるように示される場合と同範囲に参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0041】
本発明の新規特徴は、添付の請求項に具体的に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の発明を実施するための形態および付随の図面を参照することによって得られるであろう。