特開2019-202372(P2019-202372A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-202372ロボットシステム及びロボットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-202372(P2019-202372A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】ロボットシステム及びロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20191101BHJP
   G05B 19/42 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   B25J9/22 A
   G05B19/42 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-98027(P2018-98027)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】丸山 信也
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】江口 武芳
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 将旭
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛史
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
【Fターム(参考)】
3C269AB33
3C269BB03
3C269SA07
3C269SA31
3C707BS09
3C707KS33
3C707KW03
3C707KX06
3C707LS02
3C707LS15
3C707LS19
3C707LT07
(57)【要約】
【課題】従来よりも正確な移動経路を作成することができる。
【解決手段】所定の処理ツールを備えるロボットと、ティーチングモード時に前記処理ツールの移動軌跡を取得する制御装置とを備えるロボットシステムであって、前記ロボットは、前記処理ツールに作用する外力を検出する力センサを備え、前記制御装置は、ティーチングモード時において前記力センサが検出する外力が一定値になるように、前記処理ツールをワークの表面に押し付けながら移動させて前記移動軌跡を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処理ツールを備えるロボットと、ティーチングモード時に前記処理ツールの移動軌跡を取得する制御装置とを備えるロボットシステムであって、
前記ロボットは、前記処理ツールに作用する外力を検出する力センサを備え、
前記制御装置は、ティーチングモード時において前記力センサが検出する外力が一定値になるように、前記処理ツールをワークの表面に押し付けながら移動させて前記移動軌跡を取得することを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、プレイバックモード時には前記移動軌跡に基づいて前記ロボットを制御することを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記移動軌跡を、前記処理ツールを前記ワークの表面に押し付ける方向又は前記押し付ける方向とは反対方向にオフセットさせることで移動経路を作成し、前記移動経路に基づいて前記ロボットを制御する
ことを特徴とする請求項1または2記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記処理ツールは、前記ワークの表面に対して前記一定値の力で押圧されても変形しない剛性を有する材料で形成されている教示用ツールである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記処理ツールは、所定の処理を行う工具である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
所定の処理ツールと、前記処理ツールに作用する外力を検出する力センサとを備えるロボットの制御方法であって、
ティーチングモード時に前記処理ツールの移動軌跡を取得する取得ステップを含み、
前記取得ステップでは、ティーチングモード時において前記力センサが検出する外力が一定値になるように、前記処理ツールをワークの表面に押し付けながら移動させて前記移動軌跡を取得することを特徴とするロボットの制御方法。
【請求項7】
プレイバックモード時には、前記取得ステップで取得した前記移動軌跡に基づいて前記ロボットを制御する制御ステップをさらにを含むことを特徴とする請求項6記載のロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステム及びロボットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、三次元自由曲面を有する作業対象物に対して、手先部に取付けられた工具で研削、研磨等の倣い作業を実施する産業用ロボット機構が開示されている。この産業用ロボット機構は、事前に作業者により手動で教示された移動経路に沿って工具を移動させることで作業対象物に対して倣い作業を実施する、いわゆるティーチングプレイバック制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3670700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記移動経路の教示には、作業者の教示能力によってばらつきが生じてしまう。そのため、正確な移動経路を教示することができず、産業用ロボット機構は、正確な移動経路で工具を移動させることができない場合がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも正確な移動経路を作成することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、ロボットシステムに係る第1の解決手段として、所定の処理ツールを備えるロボットと、ティーチングモード時に前記処理ツールの移動軌跡を取得し、プレイバックモード時には前記移動軌跡に基づいて前記ロボットを制御する制御装置とを備えるロボットシステムであって、前記ロボットは、前記処理ツールに作用する外力を検出する力センサを備え、前記制御装置は、ティーチングモード時において前記力センサが検出する外力が一定値になるように、前記処理ツールをワークの表面に押し付けながら移動させて前記移動軌跡を取得する、という手段を採用する。
【0007】
本発明では、ロボットシステムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御装置は、プレイバックモード時には前記移動軌跡に基づいて前記ロボットを制御する、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、ロボットシステムに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記制御装置は、前記移動軌跡を、前記処理ツールを前記ワークの表面に押し付ける方向又は前記押し付ける方向とは反対方向にオフセットさせることで移動経路を作成し、前記移動経路に基づいて前記ロボットを制御する、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、ロボットシステムに係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれかの解決手段において、前記処理ツールは、前記ワークの表面に対して前記一定値の力で押圧されても変形しない剛性を有する材料で形成されている教示用ツールである、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、ロボットシステムに係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれかの解決手段において、前記処理ツールは、前記所定の処理を行う工具である、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、ロボットの制御方法に係る第6の解決手段として、所定の処理ツールと、前記処理ツールに作用する外力を検出する力センサとを備えるロボットの制御方法であって、ティーチングモード時に前記処理ツールの移動軌跡を取得する取得ステップを含み、前記取得ステップでは、ティーチングモード時において前記力センサが検出する外力が一定値になるように、前記処理ツールをワークの表面に押し付けながら移動させて前記移動軌跡を取得する、という手段を採用する。
【0012】
本発明では、ロボットの制御方法に係る第7の解決手段として、上記第6の解決手段において、プレイバックモード時には、前記取得ステップで取得した前記移動軌跡に基づいて前記ロボットを制御する制御ステップをさらにを含む、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来よりも正確な移動経路を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るロボットシステムAの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る制御装置2の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る産業用ロボット1及び制御装置2の動作の流れを示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るティーチングモードの動作を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係るワークWに接着剤を塗布・注入する工具の構成を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るワークWの表面の接着剤を拭き取る工具の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るロボットシステムAは、図1に示すようにロボット1及び制御装置2を備える。
ロボット1は、治具Fにより固定されたワークWの表面形状に沿った移動経路Rを移動しながら、ワークWに対して所定の処理を行うロボットである。
ここで、所定の処理とは、バリ取り加工、C面取り加工、ラウンドエッジ加工、接着剤等の液体の塗付、注入又は拭き取り等である。
【0016】
ロボット1は、ロボットアーム3、ハンド部4、処理ツール5及び力センサ6を備える。
ロボットアーム3は、複数の多関節機構を有する。ロボットアーム3の各関節には、各関節を各々駆動するモータが設けられている。ロボットアーム3は、制御装置2によりモータが駆動されることで、例えば、三次元空間を移動することができる。また、各関節には、モータの回転角度を検知するエンコーダが設けられている。
【0017】
ハンド部4は、処理ツール5をロボットアーム3に対して着脱可能に接続する。
処理ツール5は、ハンド部4によりロボットアーム3の先端に取り付けられる。処理ツール5は、ロボットアーム3の駆動により、三次元空間内で位置と姿勢を移動可能である。処理ツール5は、所定の力で押圧されても変形しない剛性を有する材料で形成される。この所定の力とは、処理ツール5がワークWを押し付ける押付け力である。処理ツール5は、ティーチングモードで移動経路Rを作成する場合に作業者によりロボットアーム3の先端に取り付けられる。この処理ツール5は、プレイバックモードにおいて上記所定の処理を行う工具であってもよいし、ティーチングモードにおいて上記移動経路Rを作成するための専用の教示用ツールであってもよい。
【0018】
力センサ6は、処理ツール5に作用する外力Ftを検出する。そして、力センサ6は、検出した外力Ftを制御装置2に出力する。例えば、力センサ6は、三次元的に移動可能なロボットアーム3と処理ツール5との間に取り付けられる。この力センサ6は、例えば、直交3軸方向の力と各軸周りのトルクを検出する。ただし、力センサ6は、これに限定されず、ワークWに対する押し付け力が検出できる限りで、その他の力センサであってもよい。
【0019】
制御装置2は、ティーチングモード時に処理ツール5の移動軌跡及びロボット1の動作データを記憶し、プレイバックモード時にはその移動軌跡及び動作データに基づいてロボット1を制御する。以下に、制御装置2の構成について、具体的に説明する。
図2に示すように、制御装置2は、ロボット制御部21、記憶部22、軌跡取得部23、及び経路作成部24を備える。
【0020】
ロボット制御部21は、力センサ6から処理ツール5に作用する外力Ftを取得する。そして、ロボット制御部21は、取得した外力Ftが一定値になるように、ロボットアーム3に設けられたモータの駆動を制御することで、処理ツール5をワークWの表面に押し付けながら予め設定される各教示点Tに移動させる。すなわち、ロボット制御部21は、ワークWの表面に対する処理ツール5の押付け力を制御しながら、処理ツール5をワークWの表面形状に倣せる。ここで、処理ツール5をワークWの表面に押し付ける方向(押付け方向)は、例えば、ワークWの表面の法線方向である。ただし、押付け方向はワークWの表面の法線方向に限定されず、ワークWと処理ツール5との干渉を避けるために、法線方向からずらした方向であってもよい。また、処理ツール5をワークWの表面形状に倣せる方向(移動方向)とは、例えば、押付け方向に対して垂直な方向である。
【0021】
記憶部22は、予め設定された上記教示点Tを格納する。この教示点Tは、ワークWの表面上に複数設定される。例えば、この教示点Tは、ワークWの表面形状を倣わせる処理ツール5の開始位置と停止位置とを含む。
【0022】
軌跡取得部23は、処理ツール5が移動した位置の軌跡(移動軌跡)及びその位置ごとのロボットアーム3の動作データ(位置と姿勢)を取得する。例えば、軌跡取得部23は、ロボットアーム3に設けられたエンコーダから取得したモータの回転角度に基づいて、処理ツール5の移動軌跡及びその移動軌跡におけるロボットアーム3の動作データを算出する。
【0023】
経路作成部24は、軌跡取得部23が取得した移動軌跡から移動経路Rを作成する。例えば、経路作成部24は、軌跡取得部23で取得した移動軌跡を、押付け方向又は押付け方向とは反対方向にオフセットさせることで移動経路Rを作成する。例えば、このオフセット量は、処理ツール5の形状に基づいて決定される。例えば、ロボットアーム3の先端に教示用ツールを取り付けられて移動経路Rを作成した場合には、その教示用ツールの押付け方向の長さと、上記所定の処理を行うためにロボットアーム3の先端に取り付けられる工具の押付け方向の長さとの差分値に基づいてオフセット量が設定される。そして、経路作成部24は、作成した移動経路Rと軌跡取得部23で取得した動作データとを関連付けて記憶部22に格納する。
【0024】
例えば、所定の処理として、ワークWに対して接着剤を塗付又は注入する場合には、ロボットアーム3の先端に取り付けられたノズル(工具)を、ワークWから所定の距離だけ引き離した距離で倣いながら、そのノズルから接着剤を吐出させる。この場合には、経路作成部24は、軌跡取得部23で取得した軌跡を、押付け方向とは反対方向に所定の距離だけオフセットさせることで移動経路Rを作成する。
【0025】
一方、例えば、所定の処理として、ワークWの表面の接着剤を拭き取る場合には、ロボットアーム3の先端に取り付けられたヘラ(工具)を、ワークWに押し付けながら倣うことで接着剤を拭き取る。この場合には、経路作成部24は、軌跡取得部23で取得した移動軌跡を、押付け方向に所定の距離だけオフセットさせることで移動経路Rを作成する。
【0026】
次に、ロボット1及び制御装置2の動作について、図3,4をも参照して詳しく説明する。
【0027】
作業者は、ロボットアーム3の先端に処理ツール5として教示用ツールを取り付ける。そして、作業者は、ワークWの形状に沿って複数の教示点T〜Tを制御装置2に粗く教示する(ステップS101)。この教示点T〜Tは、作業者が処理ツール5をワークWの表面上に手動で移動させることで教示してもよいし、作業者がワークWの表面上における所望の座標を記憶部22に格納させることで教示してもよい。ワークWの3DCADモデルを用いてオフラインで教示してもよい。なお、教示点Tは、処理ツール5が倣う軌跡の開始位置であり、教示点Tは、処理ツール5が倣う軌跡の停止位置である。また、教示点T,Tは、処理ツール5が倣う軌跡の開始位置と停止位置との間の位置を示す。
【0028】
教示点T〜Tの教示が終了すると、ロボット制御部21は、力センサ6から取得した外力Ftが一定値になるように、ロボットアーム3を力制御しながら、処理ツール5が教示点T,教示点T,教示点T,及び教示点Tの順に倣うように低速で移動させる(ステップS102)。例えば、ワークWの表面が三次元形状である場合には、ロボット制御部21は、押付け方向の一方向で力制御しながら処理ツール5をワークWの表面を倣わせるように制御する。なお、上記低速とは、上記所定の処理を行う場合における工具の移動速度よりも低い速度である。
【0029】
軌跡取得部23は、ステップS102において、ロボットアーム3に設けられたエンコーダから取得したモータの回転角度に基づいて、処理ツール5の移動経路及びロボットアーム3の動作データを取得する(ステップS103)。なお、処理ツール5がワークWの表面上を移動した移動軌跡を作成することは、ワークWの表面形状を取得することを意味する。
【0030】
経路作成部24は、軌跡取得部23で取得した軌跡を、押付け方向又は押付け方向とは反対方向に所定距離だけオフセットさせることで移動経路Rを作成する(ステップS104)。そして、経路作成部24は、作成した移動経路Rを上記動作データと関連付けて記憶部22に格納する。これにより、本実施形態では、作業者が正確な移動経路Rを作成する必要がなくなり、自動で移動経路Rを作成することができる。これにより、ワークWが三次元形状等の複雑な形状であっても、経路作成部24は、ワークWの形状(ワークWの表面上の軌跡)を正確に取得することができる。そして、経路作成部24は、取得した形状データに基づいて正確な移動経路Rを作成することができる。
【0031】
移動経路Rが作成されると、作業者は、教示用ツールを取り外し、ロボットアーム3の先端に工具を取り付ける。そして、ロボット制御部21は、記憶部22に格納された移動経路Rを工具が移動するように制御することで、ワークWに対して所定の処理を行う(ステップS105)。
【0032】
このように、本実施形態に係るロボットシステムAは、ワークWの表面形状を処理ツール5で倣うことで、ワークWの表面形状を取得する。そして、ロボットシステムAは、取得したワークWの表面形状に基づいて移動経路Rを作成する。これにより、ワークWが固定される位置やワークWの大きさにズレが生じる場合にも、ワークWごとに正確な移動経路Rを作成することができる。
【0033】
また、本実施形態に係るロボットシステムAは、作業者の教示に依らず移動経路Rを自動で作成するために、正確な教示が困難な三次元形状等の複雑形状を持つワークWに対しても、正確な移動経路Rを作成することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るロボットシステムAは、例えば、工具を用いてワークWに対して所定の処理を行う場合には、工具を移動経路Rに沿って一方向に位置制御を行いながら動作させることで高速かつ正確に動作させることができる。例えば、工具を用いて接着剤をワークWに塗布・注入する場合には、工具をワークWの表面から所定の距離を浮かせたうえで、工具の移動方向を位置制御で動作させる。これにより、工具とワークWの表面との距離を一定に保ちながら、接着剤の塗布・注入における品質を安定させることができる。
【0035】
また、本実施形態に係るロボットシステムAは、プレイバックモードにおいてワークWの端部まで十分に上記所定の処理を行う場合には、移動経路Rの両端を所定の距離だけ外挿してもよい。これにより、ロボットシステムAは、例えば、工具によりワークWの端部にまで十分に接着剤を塗付又は拭き取ることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、ロボット制御部21は、記憶部22に予め格納されている、ワークWの3DCADモデルから押付け方向を生成してもよい。
【0037】
(2)上記実施形態では、ワークWに接着剤を塗布・注入する工具として、図5に示すような工具をハンド部4でロボットアーム3の先端に取り付けてもよい。例えば、工具は、エアチューブ11、カートリッジ12、及びノズル13を備える。エアチューブ11は、ディスペンサー(不図示)とカートリッジ12とを連通させる。カートリッジ12に充填された接着剤をディスペンサーからエアチューブ11を介して圧送される圧縮空気によって、ノズル13から外部に吐出する。
【0038】
(3)上記実施形態では、ワークWの表面の接着剤を拭き取る工具として、図6に示すように、弾性を有するヘラ14をハンド部4でロボットアーム3の先端に取り付けてもよい。これにより、ヘラ14をワークWの表面に押し込むことが可能となり、ヘラ14の浮きを抑え、接着剤を拭い残しを減少させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ロボット
2 制御装置
3 ロボットアーム
4 ハンド部
5 処理ツール
6 力センサ
11 エアチューブ
12 カートリッジ
13 ノズル
14 ヘラ
21 ロボット制御部
22 記憶部
23 軌跡取得部
24 経路作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6