【解決手段】ベンゼン、トルエン及びC8+化合物を含む供給原料を、少なくとも1基の「リフォメート」蒸留塔(C1)と、少なくとも1基の芳香族化合物抽出ユニット(P1)と、少なくとも1基のパラキシレン分離ユニット(P2)と、少なくとも1基のキシレン異性化ユニット(P3)と、少なくとも1基のトランスアルキル化ユニット(P4)とによって分離するための方法およびデバイスであって、前記ユニットの流出物は、以下の蒸留塔:精製塔(C6)、脱ヘプタン塔(C7)およびトルエン塔(C10)において分離され、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作されるのに適しており、C7−化合物の大部分は、該蒸留塔の頂部における生成物中に回収され、C8+化合物の大部分は、蒸留塔の底部における生成物中に回収される、方法及びデバイス。
ベンゼンおよび/またはトルエンおよび8個以上の炭素原子を含む化合物を含む供給原料を分離デバイスにおいて分離するための方法であって、該分離デバイスは、少なくとも1基の「リフォメート」蒸留塔(C1)と、少なくとも1基の芳香族化合物抽出ユニット(P1)と、少なくとも1基のパラキシレン分離ユニット(P2)と、少なくとも1基のキシレン異性化ユニット(P3)と、少なくとも1基のトランスアルキル化ユニット(P4)とを含み、前記ユニットからの流出物は、以下の蒸留塔:精製塔(C6)、脱ヘプタン塔(C7)およびトルエン塔(C10)において分離され、
前記蒸留塔(C1、C6、C7およびC10)のうちの少なくとも1基は、真空下に操作され、その結果:
7個以下の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の頂部において回収され、および
8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物中に回収される
方法。
蒸留塔が真空下に操作される結果、前記の真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物は、8個の炭素原子を含む化合物および/または標準沸点が150℃未満である化合物を25重量%超の含有率で有する、請求項1に記載の分離方法。
真空下に操作される蒸留塔は、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物中のC4−の含有率が1モル%未満であるように操作される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の分離方法。
真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物を、追加塔に向け、該追加塔は、当該塔の頂部において蒸気流れを含み、該蒸気流れを該分離の方法から取り出す、請求項1〜5のいずれか1つに記載の分離方法。
分離デバイスにおいて利用可能な低温度のエネルギーから、直接交換、または再圧縮なしで用いられるスチームの発生のいずれかによって、低温度の熱を真空下に操作される蒸留塔のリボイラに導入する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の分離方法。
ベンゼンおよび/またはトルエンおよび8個以上の炭素原子を含む化合物を含む供給原料を分離するためのデバイスであって、少なくとも1基の「リフォメート」蒸留塔(C1)と、少なくとも1基の芳香族化合物抽出ユニット(P1)と、少なくとも1基のパラキシレン分離ユニット(P2)と、少なくとも1基のキシレン異性化ユニット(P3)と、少なくとも1基のトランスアルキル化ユニット(P4)とを含み、前記ユニットの流出物の蒸留のための以下の塔:精製塔(C6)、脱ヘプタン塔(C7)およびトルエン塔(C10)も含み、
前記蒸留塔(C1、C6、C7およびC10)のうちの少なくとも1基は、真空下に操作されるのに適しており、その結果、
7個以下の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の頂部において回収され、かつ
8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物中に回収される
デバイス。
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物が、8個の炭素原子を含む化合物および/または標準沸点が150℃未満である化合物を25重量%超の含有率で有するように適合させられている、請求項9に記載の分離デバイス。
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の塔頂における圧力が0.03MPa〜0.095MPaになるように適合させられている、請求項9または10に記載の分離デバイス。
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔のリボイラが180℃未満の温度で操作されるように適合させられている、請求項9〜11のいずれか1つに記載の分離デバイス。
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物中のC4−の含有率が1モル%未満になるように適合させられている、請求項9〜12のいずれか1つに記載の分離デバイス。
真空下に操作される蒸留塔の頂部における出口の下流に追加塔も含み、分離デバイスから、塔の頂部において蒸気の流れを取り出す、請求項9〜13のいずれか1つに記載の分離デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(概要)
上記の背景において、本発明の第1の目的は、ベンゼンおよび/またはトルエンおよびC8+化合物の間の分離を行うために要求されるエネルギーの量における低減を可能にすることにある。具体的には、第1の目的は、真空下に、通常は圧力下に操作されるアロマティクスコンプレクスの塔を操作することからなる。1つまたは複数の実施形態によると、低温度のエネルギーを生じさせる塔と消費する塔との間で直接的交換を行うことが可能である。直接的交換は、低温度の熱を生じさせる塔による低圧力のスチームの発生により置き換えられてよく、真空下に操作される塔によって、このスチームの再圧縮なく用いる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の局面によると、上記の目的、さらには他の利点は、ベンゼンおよび/またはトルエンおよび8個以上の炭素原子を含む化合物を含んでいる供給原料を分離デバイスにおいて分離するための方法であって、当該分離デバイスは、少なくとも1基の「リフォメート」蒸留塔と、少なくとも1基の芳香族化合物抽出ユニットと、少なくとも1基のパラキシレン分離ユニットと、少なくとも1基のキシレン異性化ユニットと、少なくとも1基のトランスアルキル化ユニットとを含んでおり、前記ユニットからの流出物は、以下の蒸留塔:精製塔、脱ヘプタン塔およびトルエン塔において分離され、
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作され、その結果、
7個以下の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の頂部において回収され、
8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物において回収される
方法によって得られる。
【0007】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物は、25重量%超(好ましくは35重量%超、一層より好ましくは50重量%超)の含有率で、8個の炭素原子を含む化合物および/または標準沸点が150℃未満である化合物を有する。
【0008】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔の塔頂における圧力は、0.03MPa〜0.095MPa(好ましくは0.04MPa〜0.085MPa、一層より好ましくは0.05〜0.075MPa)である。
【0009】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔のリボイラは、180℃未満(好ましくは165℃未満、一層より好ましくは150℃未満)の温度で操作される。
【0010】
1つまたは複数の実施形態によると、低温度の熱は、真空下に操作される蒸留塔のリボイラに、分離デバイス中の利用可能な低温度のエネルギーから、直接的交換、または再圧縮なしに用いられるスチームの発生のいずれかにより導入される。
【0011】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物中のC4−の含有率は、1モル%未満(好ましくは0.5モル%未満、一層より好ましくは0.1モル%未満)である。
【0012】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物は、追加塔であって、塔頂部において、分離方法から取り出される蒸気流れを含んでいる塔に(好ましくは追加塔の塔頂において取り出された蒸気流れと共に酸素を取り出すために)向けられる。
【0013】
1つまたは複数の実施形態によると、追加塔のリボイラは、180℃未満の温度で(好ましくは直接的交換によってまたは再圧縮を必要としない中間熱伝達流体を用いて)操作される。
【0014】
第2の局面によると、上述の目的、さらには他の利点は、ベンゼン、トルエンおよび8個以上の炭素を含む化合物を含んでいる供給原料を分離するためのデバイスであって、少なくとも1基の「リフォメート」蒸留塔と、少なくとも1基の芳香族化合物抽出ユニットと、少なくとも1基のパラキシレン分離ユニットと、少なくとも1基のキシレン異性化ユニットと、少なくとも1基のトランスアルキル化ユニットとを含み、この分離デバイスは、前記ユニットからの流出物の蒸留のために以下の塔:精製塔、脱ヘプタン塔およびトルエン塔も含み、
前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作されるのに適しており、その結果:
7個以下の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の頂部において回収され、かつ、
8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物中に回収される
デバイスによって得られる。
【0015】
1つまたは複数の実施形態によると、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物が25重量%超(好ましくは35重量%超、一層より好ましくは50重量%超)の含有率で、8個の炭素原子を含む化合物および/または標準沸点が150℃未満である化合物を有するように順応させられる。
【0016】
1つまたは複数の実施形態によると、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の塔頂における圧力が0.03MPa〜0.095MPa(好ましくは0.04MPa〜0.085MPa、一層より好ましくは0.05〜0.075MPa)になるように順応させられる。
【0017】
1つまたは複数の実施形態によると、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔のリボイラが180℃未満(好ましくは165℃未満、一層より好ましくは150℃未満)の温度で操作されるように順応させられる。
【0018】
1つまたは複数の実施形態によると、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔のリボイラが、直接交換、または再圧縮なしで用いられるスチームの発生のいずれかによって、コンプレクスにおいて利用可能な低温度のエネルギーを起源とする低温度の熱を供給され得るように順応させられる。
【0019】
1つまたは複数の実施形態によると、前記蒸留塔のうちの少なくとも1基は、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物中のC4−(4個未満の炭素原子を含む化合物)の含有率が、1モル%未満(好ましくは0.5モル%未満、一層より好ましくは0.1モル%未満)になるように順応させられる。
【0020】
1つまたは複数の実施形態によると、分離デバイスは、真空下に操作される蒸留塔の頂部における出口の下流に、分離デバイスからの塔の頂部において蒸気流れを取り出すために(好ましくは追加塔の塔頂において取り出された蒸気流れと共に酸素を取り出すために)追加塔も含む。
【0021】
1つまたは複数の実施形態によると、追加塔は、追加塔のリボイラが180℃未満の温度で(好ましくは直接交換によってまたは再圧縮を必要としない中間の熱伝達流体を用いて)操作されるように順応させられる。
【0022】
上記に参照される方法およびデバイスの実施形態、さらには他の特徴および利点は、以下に続く説明を読めば明らかになることになるが、本説明は、例証のためにのみかつ制限的でない方法で与えられ、以下の図面を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(詳細な説明)
本発明は、ベンゼンおよび/またはトルエンおよびC8+(例えばC8〜C10)化合物を含んでおり、特にはパラキシレンを含んでよい供給原料を分離するための方法およびデバイスの分野に関する。
【0025】
本発明による分離の方法およびデバイスは、一連の転化および分離の工程およびセクションであって、ベンゼンから10個超の炭素原子を含む芳香族化合物(C10+と表記する)までの範囲にわたる芳香族化合物を豊富に含む供給原料、例えば、接触改質ユニットを起源とするものから出発して、ベンゼンおよびトルエンを、C8+化合物から、特に、キシレン類、より特定的にはパラキシレンとして知られている、8個の炭素原子を含む芳香族化合物から分離することを目的とするものであるとして定義され得る。芳香族化合物を豊富に含む供給原料の硫黄含有化合物、窒素性化合物およびオレフィン性化合物の含有率は、典型的には、非常に低い値からゼロにわたる(例えば、硫黄含有率<0.5重量ppmおよび/または窒素含有率<0.5重量ppmおよび/またはASTM D1159による臭素価<1g/100g)。これらの化合物は、アロマティクスコンプレクスのユニットにおいて用いられる所定の触媒およびモレキュラーシーブの性能および耐用期間に影響を及ぼし得るからである。
【0026】
本発明の第1の主題は、
− 8個(例えばキシレン類)または8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分が底部生成物中に回収され、および
− 7個(例えばトルエン)または7個以下の炭素原子を含む芳香族化合物(例えばベンゼン)の大部分が、頂部生成物中に回収される
ような蒸留塔の真空下の操作として定義され得る。
【0027】
1つまたは複数の実施形態によると、底部生成物中の8個の炭素原子を含む化合物(または標準沸点が150℃未満である化合物)の含有率は、25重量%超(好ましくは35重量%超、一層より好ましくは50重量%超)である。
【0028】
1つまたは複数の実施形態によると、頂部生成物中のC4−の含有率は、1モル%未満(一層より好ましくは0.5モル%未満、一層より好ましくは0.1モル%未満)である。
【0029】
このような蒸留塔により、それが真空下に(例えば、大気圧より低い圧力で)操作されるならば、
− 底部生成物の大部分は、標準沸点が150℃未満である化合物からなるので、底部におけるリボイラの温度を、180℃未満(好ましくは165℃未満、より好ましくは150℃未満)にすること;および
− 真空下に操作する前記蒸留塔の頂部において、C5−C7フラクションの事実上全てを、精製所において利用可能な冷却水に適合し得る温度で凝縮させることができること
が可能となる。具体的には、C5+化合物うちの最も軽質なものであるイソペンタンは、20℃に等しい標準沸点および0.08MPaにおける20℃の泡立ち点を有する。
【0030】
さらに、頂部における生成物中の軽質化合物(C4−)の含有率が低い(C4−の含有率が1モル%未満、一層より好ましくは0.5モル%未満、一層より好ましくは0.1モル%未満である)場合、真空下に操作される蒸留塔は、頂部において、コンプレッサによって再圧縮されなければならなくなる有意な蒸気相を発生させることなく真空下に操作され得る。1つまたは複数の実施形態によると、非凝縮性化合物、特に、真空下の系における考えられる空気入口に関連するもののうちのほんの少量にすぎない流れが、真空蒸留塔についての通常の手段、すなわち、排出器または真空ポンプによって吸い上げられることになる。
【0031】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔の頂部における(前記塔のシェルの頂部におけるパイプ中の)圧力は、0.03MPa〜0.095MPa、好ましくは0.04MPa〜0.085MPa、一層より好ましくは0.05MPa〜0.075MPaである。
【0032】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される蒸留塔は、コンプレクスにおいて利用される(例えば180℃未満の温度での)低い熱レベルを有するエネルギーによって再沸騰させられる。前記塔は、例えば、直接的に低温度の熱供給源(<180℃)によって、または、低圧力の蒸気ではあるが、参照方法おけるのと同様にその再圧縮を必要としないものによって再沸騰させられてよい。
【0033】
真空蒸留塔の操作は、分離の方法およびデバイスへの空気、従って、酸素の低い入力を含むことがあり、かつ、酸素の存在は、特に、下流の触媒の考えられる被毒によって有害であることを示し得るので、真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物は、塔の頂部において、本方法から取り出されることになる蒸気流れを含んでいる追加塔に向けられ得る。1つまたは複数の実施形態によると、分離の方法およびデバイス中に既に存在する塔は、この追加塔の頂部において蒸気流れ中の酸素を取り出すために用いられる。例えば、リフォメート塔および/または脱ヘプタン塔および/または精製塔の頂部における生成物から酸素を取り出すためにストリッパが(例えば、ベンゼン塔が用いられない場合において)用いられ得る;ベンゼン塔は、精製塔および/またはトルエン塔の頂部における生成物から酸素を取り出すために用いられ得る。
【0034】
追加塔の供給原料は、C8+化合物を欠乏しており、かつ、それは、圧倒的にC7−化合物(および/また120℃未満の標準沸点を有する化合物)からなるので、追加塔は、低い熱レベルを有する(例えば、180℃未満の温度での)エネルギーによって、例えば:
− 直接交換;または
− 中間熱伝達流体、例えば、低圧力の蒸気(再圧縮を要しない)を用いること
によって再沸騰させられ得る。
【0035】
以下に続く説明において、用語「コンプレクス(complex)」は、任意の精製または石油化学のデバイスであって、少なくとも2基の蒸留塔を含むものを表示するために用いられる。この定義は、非常に広く、例えば、石油の接触分解のためのデバイスおよび芳香族化合物フラクションからパラキシレンまたはメタキシレンを生じさせるためのデバイスを含み、「アロマティクスコンプレクス(aromatic complex)」と称される。以下に続く説明および本発明による分離の方法およびデバイスを例証する実施例は、アロマティクスコンプレクスの場合において与えられるが、アロマティクスコンプレクスは適用の唯一の場合を構成しないことおよび本発明の説明において開示される分離の方法およびデバイスの範囲を決して制限していないことが明確に理解される。
【0036】
図1は、本発明の1つまたは複数の実施形態による分離の方法およびデバイスのスキームを記載し、この分離の方法およびデバイスにより、ベンゼン、トルエンおよびC8+化合物の間の分離のために必要とされるエネルギー消費を、参照の方法およびアロマティクスコンプレクスと比べて低減させることが特に可能になる。
【0037】
図1に関連して、特に記載されているのは、前記蒸留塔(C1、C6、C7およびC10)のうちの少なくとも1基を真空下に操作するのに適した分離の方法およびデバイスの帯域であり、7個以下の炭素原子を含む化合物の大部分が真空下に操作される蒸留塔の頂部における生成物中に回収され、かつ、8個以上の炭素原子を含む化合物の大部分が真空下に操作される蒸留塔の底部における生成物中に回収される。
【0038】
1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔およびトルエン塔は、真空下に操作されるのに適している。1つまたは複数の実施形態によると、精製塔およびトルエン塔は、真空下に操作されるのに適している。1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔、精製塔およびトルエン塔は、真空下に操作されるのに適している。1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔、精製塔、脱ヘプタン塔およびトルエン塔は、真空下に操作されるのに適している。
【0039】
本発明の分離の方法およびデバイスの転化および分離の工程およびセクションは、下記により詳細に記載される。
【0040】
(リフォメート塔(C1))
処理されるべき供給原料は、ライン(1)を介して、第1の蒸留塔に送られる。この第1の蒸留塔は、リフォメート塔(C1)と表示される。このものは、トルエンおよびそれより軽質な化合物(C7−のフラクション)を、それより重質な化合物(C8〜C10+化合物のフラクション)から分離する。
【0041】
1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔(C1)は、リボイラ(20A)において180℃未満(例えば<165℃)の温度を有するように真空下に操作される。1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔(C1)は、リボイラ(20A)において150℃未満の温度を有するように真空下に操作される。それ故に、リフォメート塔(C1)は、低温度のエネルギー(<180℃)によって再沸騰させられ得る。
【0042】
図1において、リフォメート塔(C1)の頂部における流出物は、(ライン(10)を介して)ストリッピング塔(C8)に向けられる。1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔(C1)の頂部は、それ故に、ストリッピング塔(C8)中の通過を行った後に、(ライン(81)を介して)芳香族化合物抽出ユニット(P1)に再接合させる。
【0043】
参照の方法およびアロマティクスコンプレクスにおいて、リフォメート塔(C1)の頂部における流出物は、芳香族化合物抽出ユニット(P1)に向けられる。
【0044】
エネルギーバランスは不利ではあるが、1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔(C1)の頂部における流出物の少なくとも一部は、芳香族化合物抽出ユニット(P1)に直接的に向けられ得る。1つまたは複数の実施形態によると、リフォメート塔(C1)が真空下に操作されない場合、リフォメート塔(C1)の頂部における流出物の少なくとも一部は、芳香族化合物抽出ユニット(P1)に直接的に向けられ得る。これらの実施形態は、例示として採用される。
【0045】
1つまたは複数の実施形態によると、最も軽質の化合物、例えば、酸素は、ストリッピング塔(C8)の頂部において取り出される。ストリッピング塔(C8)の底部は、好ましくは、除去された酸素と共に、芳香族化合物抽出ユニット(P1)に送られる。
【0046】
(芳香族化合物抽出ユニット(P1))
ストリッパ(C8)の底部において回収されたトルエンおよびベンゼンおよび任意の化合物は、ライン(81)を介して、芳香族化合物抽出ユニット(P1)に送られる。
【0047】
芳香族化合物抽出ユニット(P1)は、本質的に芳香族性のC6−C7フラクションを、パラフィン系化合物を含む生成物から分離する。パラフィン系化合物を含む生成物は、ライン(13)を介してアロマティクスコンプレクスから送り出される。芳香族化合物抽出ユニット(P1)において優先的に用いられる溶媒は、N−ホルミルモルホリン(N-formylmorpholine:NFM)である。
【0048】
図1に関連して、芳香族化合物抽出ユニット(P1)からのC6−C7フラクションは、ライン(12)を介して、ベンゼン塔(C9)(ライン(12a))、または、含有するかもしれない所定のC8化合物から精製されるために、トルエン塔(C10)(ライン(12b))のいずれかに向けられる。
【0049】
1つまたは複数の実施形態によると、芳香族化合物抽出ユニット(P1)は、抽出蒸留ユニットを含む。
【0050】
(キシレン塔(C2))
塔(C1)の底部において回収されたC8−C10+の芳香族化合物は、ライン(11)を介して、キシレン塔(C2)に送られて、C9芳香族化合物およびそれより重質の化合物(C9+化合物)がC8芳香族化合物を含むキシレンフラクションから分離される。キシレンフラクションは、下流に位置するアロマティクスコンプレクスのユニットに供給する。
【0051】
1つまたは複数の実施形態によると、キシレン塔(C2)の頂部における操作圧力は、必要とされる最小限圧力(一般的には0.7〜1.2MPaA(MPa absolute))に維持され、これにより、キシレン塔(C2)の頂部における蒸気凝集温度は、所定の蒸留塔(例えば(C4)および(C5))のリボイラ(例えば(20B)および(20C))のための熱伝達流体として用いられるのに十分なものとなる。
【0052】
(パラキシレン分離ユニット(P2))
キシレンフラクション、すなわち、パラキシレン、メタキシレン、オルトキシレンおよびエチルベンゼンを含有するC8芳香族化合物のフラクションは、キシレン塔(C2)の頂部において回収され、ライン(20)を介して、パラキシレン分離ユニット(P2)に送られる。このパラキシレン分離ユニット(P2)は、前記キシレンフラクション中に含有されるパラキシレンを選択的に回収する。
【0053】
前記パラキシレン分離ユニット(P2)は、パラキシレン吸着ユニットであってよく、このものは、パラキシレンと脱着剤(エキストラクトとしても知られている)の混合物および他の芳香族性C8−化合物と脱着剤(ラフィネートとしても知られている)の混合物を生じさせるのに適したものである。
【0054】
用いられる吸着剤は、パラキシレンの吸着に専念されるモレキュラーシーブであり、すなわち、それは、この化合物に対して特に高い親和性を有している。
【0055】
一般的に用いられる吸着剤固体は、フォージャサイトタイプのゼオライトであり、これは、珪質バインダにより成形され、バリウムまたはカリウムにより交換される。優先的に用いられる脱着剤は、パラジエチルベンゼン(para-diethylbenzene:PDEB)である。
【0056】
1つまたは複数の実施形態によると、パラキシレン分離ユニット(P2)は、パラキシレン結晶化ユニットを含み、これは、例えば、特許US 3 467 724において記載されたようなものである。
【0057】
1つまたは複数の実施形態によると、パラキシレン分離ユニット(P2)は、パラキシレン吸着ユニットと結晶化ユニットとの組み合わせを含み、これは、特許EP-B-053191において記載されたようなものである。
【0058】
(エキストラクト塔(C5))
この塔が用いられるのは、パラキシレン分離ユニットがパラキシレン吸着タイプのものである場合である。パラキシレン吸着ユニットからのパラキシレンおよび脱着剤を含有するエキストラクトの流れは、ライン(22)を介して、エキストラクト塔(C5)に送られ、このエキストラクト塔(C5)は、パラキシレンを脱着剤から分離する。エキストラクト塔(C5)の底部において回収された脱着剤は、ライン(51)を介してパラキシレン吸着ユニット(P2)に送り返される。エキストラクト塔(C5)の頂部において回収されたパラキシレンは、精製塔(C6)に送られる。
【0059】
1つまたは複数の実施形態によると、エキストラクト塔(C5)は、(還流ドラムにおいて)非常に僅かな圧力の下に、0.2〜0.4MPaAの範囲にわたる圧力で操作される。これは、リボイラ(20C)の温度および前記リボイラ(20C)に供給されるべき熱の量の両方を最小限にする一方で同時に、頂部における凝縮を介して、低い熱レベルを有するエネルギー(例えば150℃〜180℃)を生じさせることを可能にするためである。
【0060】
エキストラクト塔(C5)の頂部における蒸気の凝縮は、低圧力の蒸気の発生または他の塔のリボイラによる直接的交換によって完全にまたは部分的に行われなければならない。
【0061】
(精製塔(C6))
エキストラクト塔(C5)の頂部における流れは、ライン(50)を介して、精製塔(C6)に送られる。精製塔(C6)は、トルエン(パラキシレンと共に部分的に抽出されたものである)をパラキシレンから分離する。
【0062】
生じた高純度のパラキシレンは、精製塔(C6)の底部において回収され、最終生成物としてポンプで汲み上げることにより貯蔵のためにライン(61)を介して運ばれる。
【0063】
1つまたは複数の実施形態によると、精製塔(C6)は、リボイラ(100B)において180℃未満の温度(例えば<165℃)を有するように真空下に操作される。1つまたは複数の実施形態によると、精製塔(C6)は、リボイラ(100B)において150℃未満の温度を有するように真空下に操作される。それ故に、精製塔(C6)は、低温度のエネルギー(<180℃)によって再沸騰させられる。
【0064】
1つまたは複数の実施形態によると、精製塔(C6)の頂部における生成物は、ベンゼン塔(C9)に向けられる(ライン(60a))。このベンゼン塔(C9)は、塔の頂部において、蒸気流れ(92)を含んでよく、この蒸気流れ(92)は、非凝縮性化合物からなり、本方法から取り出される。
【0065】
1つまたは複数の実施形態によると、精製塔(C6)の頂部における生成物は、トルエン塔(C10)に向けられ得る(ライン60b)。これにより、それが含有する可能性のある所定のC8化合物の前記頂部生成物が精製される。1つまたは複数の実施形態によると、トルエン塔(C10)の頂部における生成物は、ベンゼン塔(C9)に向けられる。このベンゼン塔(C9)は、塔の頂部において、蒸気の流れ(92)を含んでよく、この蒸気の流れ(92)は、非凝縮性の化合物からなり、本方法から取り出される。
【0066】
1つまたは複数の実施形態によると、精製塔(C6)の頂部における生成物は、ストリッピング塔(C8)に向けられる(ライン(60c))。ストリッピング塔(C8)は、塔の頂部において、蒸気の流れを含んでよく、この蒸気の流れは、非凝縮性の化合物からなり、本方法から取り出される。
【0067】
(ラフィネート塔(C4))
パラキシレン分離ユニット(P2)を起源とするラフィネートは、ライン(23)によって、ラフィネート塔(C4)に送られる。このラフィネート塔(C4)は、芳香族C8化合物(ラフィネート)を脱着剤から分離する。ラフィネート塔(C4)の底部において回収された脱着剤は、ライン(41)を介してパラキシレン分離ユニット(P2)に送り返される。
【0068】
ラフィネート(C8芳香族化合物フラクション)は、側流として流し出すことによって抽出され、ライン(40)によって、キシレン異性化ユニット(P3)のための供給原料として送られる。
【0069】
1つまたは複数の実施形態によると、ラフィネート塔(C4)は、非常にわずかな圧力の下、0.2〜0.4MPaAの圧力範囲で(還流ドラムにおいて)操作される。これは、リボイラ(20B)の温度および前記リボイラ(20B)に供給されるべき熱の量の両方を最小限にする一方で同時に、頂部における凝縮を介して、低い熱レベル(150℃〜180℃)を有するエネルギーを生じさせることを可能にするためである。
【0070】
ラフィネート塔(C4)の頂部における蒸気の凝縮は、それ故に、低圧蒸気発生または別の塔のリボイラによる直接交換によって完全にまたは部分的に行われ得る。
【0071】
(脱着剤等(図示なし))
この塔が用いられるのは、パラキシレン分離ユニットがパラキシレン吸着タイプのものである場合である。パラキシレン吸着ユニット(P2)中に流通する脱着剤の小部分は、脱着剤等(図示なし)に送られて、そこで、さもなければループ中に堆積するであろう重質化合物から除去される。
【0072】
(キシレン異性化ユニット(P3))
キシレン異性化ユニット(P3)は、パラキシレン欠乏供給原料を、熱力学的平衡にあるキシレンの流れ(イソメラートと表記する)に転化させるために用いられる。
【0073】
8個の炭素原子を含む炭化水素を異性化させることができるあらゆるタイプの触媒が、本発明による分離の方法およびデバイスにおいて用いられ得る。脱水素化金属と、酸相とを含有する触媒が好適に用いられる。脱水素化金属は、例えば、白金、パラジウムまたはニッケルであり、酸相は、例えば、ドーピングされたアルミナ、ゼオライト、例えば、モルデナイト、MFI、ゼオライトYまたはゼオライト性または酸度を有する非ゼオライト性のモレキュラーシーブ、例えば、アルミノリン酸塩(例えば、アルミノリン酸塩(aluminophosphates:AlPO)、シリコアルミノリン酸塩(silicoaluminophosphates:SAPO)である。それ故に、より好ましくは、EUO構造型のゼオライト、例えば、特許US 4 640 829、EP-B-042226またはEP-B-051318において記載されたゼオライトEUI、ゼオライトZSM5またはゼオライトTPZ3を含む異性化触媒を用いることが可能である。
【0074】
(脱ヘプタン塔(C7))
キシレン異性化ユニット(P3)からの流出物は、ライン(42)によって、脱ヘプタン塔(C7)に送られる。脱ヘプタン塔(C7)は、異性体(芳香族性C8+化合物)をC7−軽質フラクションから分離する。C7−軽質フラクションは、前記脱ヘプタン塔(C7)の頂部において回収される。このC7−フラクションは、ライン(71)によって、ストリッパ(C8)に送られ、これにより、C7フラクションから軽質化合物が分離される。
【0075】
C8+フラクションは、キシレン類およびより重質な化合物から形成され、脱ヘプタン塔(C7)の底部において回収されるものであり、このものは、ライン(72)によって、キシレン塔(C2)に再循環させられる。
【0076】
1つまたは複数の実施形態によると、脱ヘプタン塔(C7)は、リボイラ(100D)において180℃未満の温度(例えば<165℃)を有するように真空下に操作される。1つまたは複数の実施形態によると、脱ヘプタン塔(C7)は、リボイラ(100D)において150℃未満の温度を有するように真空下に操作される。それ故に、脱ヘプタン塔(C7)は、低温度のエネルギー(<180℃)によって再沸騰させられ得る。
【0077】
1つまたは複数の実施形態によると、真空下に操作される脱ヘプタン塔(C7)の頂部における生成物(ライン(71))は、次いで、ストリッパ(C8)に向けられる。このストリッパ(C8)は、塔頂において、蒸気の流れ(ライン(80))を含んでおり、この蒸気の流れは、非凝縮性の化合物からなり、本方法から取り出される。
【0078】
1つまたは複数の実施形態によると、脱ヘプタン塔(C7)中の軽質化合物(C4−)の考えられる高い含有率を考慮して、脱ヘプタン塔(C7)の頂部における生成物は、蒸気相(70)および軽質相(71)を含んでよい(両方とも還流ドラムに由来する)。
【0079】
(ストリッパ(C8))
ストリッパ(またはストリッピング塔)(C8)は、脱ヘプタン塔(C7)の頂部によって供給される。
【0080】
安定化させられたC7−フラクションは、ストリッパ(C8)の底部において回収され、ライン(81)を介して芳香族化合物抽出ユニット(P1)に送られることになる。
【0081】
1つまたは複数の実施形態によると、ストリッパ(C8)は、リフォメート塔(C1)の頂部における生成物によっても供給される。最も軽質の化合物、例えば、リフォメート塔(C1)の真空下の操作に由来する空気および/または酸素は、ストリッピング塔の頂部において取り出され得る。
【0082】
1つまたは複数の実施形態によると、ストリッパ(C8)は、精製塔(C6)の頂部における生成物によっても供給される。最も軽質の化合物、例えば、精製塔(C6)の真空下の操作に由来する空気および/または酸素は、ストリッピング塔の頂部において取り出され得る。
【0083】
1つまたは複数の実施形態によると、ストリッパ(C8)は、リボイラ(100E)を含む。ストリッパ(C8)の頂部からの軽質の化合物(C4−)は、ライン(80)によって、脱ヘプタン塔(C7)の頂部からの軽質の化合物と混合され、かつ、取り出される。
【0084】
(重質芳香族化合物塔(C3))
キシレン塔(C2)の底部において回収されたC9+芳香族化合物は、ライン(21)を介して、重質芳香族化合物塔(C3)に送られる。重質芳香族化合物塔(C3)は、C9およびC10の芳香族化合物をより重質の化合物(例えば、ナフタレン)から分離する。このより重質の化合物は、トランスアルキル化触媒に関して好ましくない効果を有するかもしれず、底部においてライン(31)によって回収される。
【0085】
1つまたは複数の実施形態によると、重質芳香族化合物塔(C3)は、0.1〜0.2MPaAの範囲(還流ドラム内)の圧力範囲の低い圧力で操作されて、温度および前記重質芳香族化合物塔(C3)のリボイラに導入されるべき熱の量の両方が最小限にされる。
【0086】
(トランスアルキル化ユニット(P4))
重質芳香族化合物塔(C3)の頂部において回収されたC9およびC10の芳香族化合物は、ライン(30)によって、トランスアルキル化ユニット(P4)に送られる。
【0087】
図1に関連して、前記のC9およびC10の芳香族化合物は、ベンゼン塔(C9)の底部を起源とするトルエン(ライン(100))と混合される。
【0088】
トランスアルキル化ユニット(P4)は、トルエンおよびC9+芳香族化合物を、熱力学制限反応(thermodynamics-limited reaction)を介してキシレン類とベンゼンの混合物に転化させる。C9+芳香族化合物は、リフォメート塔(C1)および(キシレン塔(C2)および重質芳香族化合物塔(C3)中を通過した後の)キシレン異性化ユニット(P3)のイソメラートを起源とする。
【0089】
あらゆるタイプのトランスアルキル化触媒が本発明による分離の方法およびデバイスにおいて用いられ得る。例えば、特許US 3 437 710に記載されたモルデナイトまたはフォージャサイトをベースとする触媒または特許US 5 030 787に記載されたMCM−22またはベータゼオライトをベースとする触媒、または特許出願US 2012/0065446に記載されたモルデナイトおよびMFIゼオライトをベースとする触媒である。これらの触媒は、一般に、金属化合物をさらに含み、この金属化合物は、好ましくは、レニウム、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、パラジウムおよび白金によって形成される群から選ばれる。
【0090】
(安定化塔(C11))
トランスアルキル化ユニット(P4)からの流出物は、ベンゼンおよびキシレンを含有し、さらにトルエンおよび未転化のC9+化合物を含有しており、この流出物は、ライン(102)を介して安定化塔(C11)に送られる。この安定化塔(C11)は、ベンゼンより軽質である化合物を、ベンゼンおよびC7+で示されるより重質の芳香族化合物から分離する。
【0091】
安定化塔(C11)の(還流ドラム)を出るガスは、ライン(110)を介して、アロマティクスコンプレクスの境界に送られる。未精製のベンゼンフラクションは、側流として流し出され、ライン(111)を介して、ストリッピング塔(C8)に送られる。このストリッピング塔(C8)により、軽質化合物を前記フラクションから分離することが可能となる。
【0092】
1つまたは複数の実施形態によると、安定化塔(C11)の頂部からのガスの部分凝縮は、空冷熱交換器とその次の冷水器によって得られる。1つまたは複数の実施形態によると、安定化塔(C11)は、リボイラ(100C)を含む。
【0093】
(トルエン塔(C10))
図1に関連して、トルエン塔(C10)は、安定化塔(C11)の底部からのC7+フラクションによって供給される(ライン(112))。
【0094】
1つまたは複数の実施形態によると、芳香族化合物抽出ユニット(P1)からのC6−C7フラクションが、トルエン塔(C10)に送られる。
【0095】
トルエン塔(C10)の頂部における生成物は、C7−化合物を豊富に含むフラクション(例えば、本質的にトルエン+C6−化合物)であり、底部生成物は、8個の炭素原子を含む芳香族化合物を豊富に含むC8+フラクションである。
【0096】
トルエン塔(C10)の底部において抽出されたC8+フラクション(すなわち、トルエン塔(C10)の底部における、8個以上の炭素原子を含む化合物を豊富に含む生成物)は、ライン(101)を介して、キシレン塔(C2)に再循環させられる。キシレン塔(C2)は、C9+およびそれより重質の生成物をC8芳香族化合物フラクションから分離し、このC8芳香族化合物フラクションは、分離デバイスに供給する。
【0097】
精製塔(C6)の頂部からの流出物は、トルエン塔およびベンゼン塔によって処理される他の2つの流れと比べて非常に低い流量を有してよいので、本発明の1つまたは複数の実施形態(図示なし)によると、前記流出物は、塔(C11)の底部からのC7+フラクションと混合される。
【0098】
1つまたは複数の実施形態によると、トルエン塔(C10)は、リボイラ(100A)において180℃未満の温度(例えば<165℃)を有するように真空下に操作される。1つまたは複数の実施形態によると、トルエン塔(C10)は、リボイラ(100A)において150℃未満の温度を有するように真空下に操作される。それ故に、トルエン塔(C10)は、低温度のエネルギー(<180℃)によって再沸騰させられ得る。
【0099】
1つまたは複数の実施形態によると、トルエン塔(C10)の頂部における生成物は、ベンゼン塔(C9)に向けられ、このベンゼン塔(C9)は、塔の頂部において、蒸気の流れ(ライン92)を含み、この蒸気の流れは、非凝縮性の化合物からなり、本方法から取り出される。
【0100】
(ベンゼン塔(C9))
図1に関連して、トルエン塔(C10)の頂部において抽出されたC7−フラクション(すなわち、トルエン塔の頂部における生成物であって、ベンゼンおよびトルエンを豊富に含むもの)は、ライン(91)を介して、ベンゼン塔(C9)に向けられる。
【0101】
本発明の1つまたは複数の実施形態によると、例えば、芳香族化合物抽出ユニット(P1)からのC6−C7フラクションがC8+をほとんど含有しない(例えば、C6−C7フラクション中C8+<1重量%、好ましくは<0.5重量%、一層より好ましくは<0.3重量%)場合に、芳香族化合物抽出ユニット(P1)からのC6−C7フラクションは、トルエン塔の下流のベンゼン塔(C9)に(トルエン塔(10)の頂部との混合物としてまたはそれとは別に)向けられる。1つまたは複数の実施形態によると、芳香族化合物抽出ユニット(P1)からのベンゼン塔(C9)の供給は、別個にかつ好ましくはトルエン塔(C10)の頂部からの供給の頂部(下流)上に行われる。
【0102】
ベンゼン塔(C9)からの、ベンゼンを豊富に含む頂部生成物は、最終生成物として、ライン(90)を介して抽出される。1つまたは複数の実施形態によると、ベンゼンを豊富に含む生成物は、側流として流し出すことによって抽出される。1つまたは複数の実施形態によると、軽質かつ非凝縮性の化合物、特には、トルエン塔(C10)および/または精製塔(C6)の真空操作に繋がっている空気取入れ口に由来するものは、塔頂における蒸気流れ(ライン(92))を介して取り出される。ベンゼン塔(C9)の底部におけるトルエンを豊富に含む生成物は、ライン(100)を介して、トランスアルキル化ユニット(P4)に向けられる。
【0103】
1つまたは複数の実施形態によると、ベンゼン塔(C9)は、(還流ドラムにおいて)0.1〜0.2MPaAの圧力範囲における低圧力で操作され、これにより、温度およびリボイラ(100F)に導入されるべき熱の量の両方が最小限にされる。それ故に、ベンゼン塔(C9)は、低温度のエネルギー(例えば<180℃)によって再沸騰させられ得る。
【0104】
図1では、単純化の興味において、任意の還流、還流ドラム、凝縮器および真空システムのセクションは示されていない;あらゆる既知の凝縮手段(例えば:空冷熱交換器および/または冷水器)が用いられてよい。
【0105】
(実施例)
実施例において:
− リフォメート塔(C1)の頂部における生成物が、ストリッパ(C8)に送られ、ストリッパ(C8)から、塔(C1)への空気の取入れ口に由来する化合物が、頂部において取り出されることになる;
− トルエン塔(C10)の頂部における生成物が、ベンゼン塔(C9)に送られ、ベンゼン塔(C9)から、塔(C10)への空気の取入れ口に由来する化合物が、頂部において取り出されることになる;および
− 精製塔(C6)の頂部における生成物が、ベンゼン塔(C9)に送られ、ベンゼン塔(C9)から、塔(C6)への空気の取入れ口に由来する化合物が、頂部において取り出されることになる。
【0106】
リフォメート塔(C1)の供給原料および生成物の組成が、表1において指し示される。
【0108】
表2において指し示されるように、本発明により、リフォメート塔(C1)が真空下に操作され得るものとして前に指し示された条件は、以下のように満たされている:
【0110】
さらに、軽質(C4−)化合物の含有率は、0.1重量%未満である。
【0111】
頂部において40℃および0.05MPaAで操作されるリフォメート塔(C1)の温度は、リボイラ(20A)において約135℃である。
【0112】
トルエン塔(C10)の供給原料および生成物の組成が表3において指し示されている。
【0114】
表4において指し示されるように、本発明によれば、トルエン塔(C10)が真空下に操作され得るとして前に指し示された条件は、以下のように満たされる:
【0116】
さらに、軽質(C4−)化合物の含有率は、0.1重量%未満である。
【0117】
頂部において40℃および0.05MPaAで操作されるトルエン塔(C10)の温度は、リボイラ(100A)において約135℃である。
【0118】
精製塔(C6)の供給原料および生成物の組成が、表5において指し示されている。
【0120】
表6において指し示されるように、本発明によれば、精製塔(C6)は真空下に操作され得るとして前に指し示された条件は、以下のように満たされている:
【0122】
さらに、軽質(C4−)化合物の含有率は、0.1重量%未満である。
【0123】
頂部において40℃および0.06MPaAで操作される精製塔(C6)の温度は、リボイラ(100B)において約130℃である。
【0124】
これらの3基の蒸留塔(C1、C10およびC6)の真空下の操作により、コンプレクスのスケールで、参照の方法およびデバイスと比較して46%の電力消費量における低減が可能となる。電力消費量における低減は、これらの3基の蒸留塔(C1、C10およびC6)を再沸騰させるために用いられる前にアロマティクスコンプレクスにおいて利用可能な低温度のエネルギーに由来する低圧力の蒸気を再圧縮することがもはや必要ではないという事実に特に起因する。
【0125】
本発明が3基の塔のうちの1基のみに適用されるならば、以下の結果が得られる。
【0126】
− リフォメート塔(C1)のみについての参照の方法およびデバイスと比較して15%の利得、
− トルエン塔(C10)のみについての参照の方法およびデバイスと比較して20%の利得、
− 精製塔(C6)のみについての参照の方法およびデバイスと比較して11%の利得。