特開2019-203527(P2019-203527A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-203527(P2019-203527A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/14 20060101AFI20191101BHJP
   F16D 48/02 20060101ALI20191101BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   F16H61/14 601B
   F16D48/02 640Q
   F16H61/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-97552(P2018-97552)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】特許業務法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 征史
(72)【発明者】
【氏名】片倉 秀策
【テーマコード(参考)】
3J053
3J057
3J552
【Fターム(参考)】
3J053CA02
3J053CB08
3J053CB09
3J053CB11
3J053DA07
3J053EA03
3J053FA03
3J057AA04
3J057BB04
3J057GA18
3J057GB36
3J057GC09
3J057GE03
3J057HH01
3J552MA17
3J552PA59
3J552RB12
3J552UA02
3J552UA03
3J552UA07
3J552VB04W
(57)【要約】
【課題】 ドライバに与える違和感の軽減と燃費向上との両立を実現できる車両制御装置を提供する。
【解決手段】 ドライバの加減速操作の無い車両のコースト走行時、エンジン1と駆動輪3との間の動力伝達経路を断接するロックアップクラッチ7を係合すると共にエンジン1の燃料をカットし、車両の減速度が所定のロックアップ解除判定閾値Gthに達した場合、ロックアップクラッチ7の係合を解除すると共にエンジン1の燃料カットを停止する車両制御装置において、車両の加速度が自動的に制御される自動運転モード中は、加減速操作に応じて車両の加減速が制御される手動運転モード中よりもロックアップ解除判定閾値Gthを低い値に設定するCVTCU11を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの加減速操作の無い車両のコースト走行時、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路を断接するクラッチを係合すると共に前記エンジンの燃料をカットし、前記車両の減速度の絶対値が所定の閾値を超えると、前記クラッチの係合を解除すると共に前記エンジンの燃料カットを停止する車両制御装置において、
前記車両の加速度が自動的に制御される自動運転モード中は、前記加減速操作に応じて前記車両の加減速が制御される手動運転モード中よりも前記閾値を大きな値に設定するコントローラを備える車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記クラッチは、前記動力伝達経路上に設けられた変速機のロックアップクラッチである車両制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記クラッチは、前記動力伝達経路上に設けられた変速機のフォワードクラッチである車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃費向上を狙いとし、車両のコースト走行時において、ロックアップクラッチをオンした状態でエンジンのフューエルカットを行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。このとき、ロックアップクラッチのオン領域を出来るだけ低車速域まで拡大することにより、燃費向上を図れるものの、Lowギヤまでロックアップを継続すると、過度な減速度が生じてドライバに違和感を与える。
このため、一般的には、上記コーストロックアップ状態において、車両の減速度の絶対値が所定の閾値を超えると、ロックアップクラッチのオフおよびフューエルカットリカバリを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-164241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の加速度を自動的に制御する自動運転機能を持つ車両では、特に下り坂や先行車追従のシーンにおいて、目標車速の維持のために、閾値を超える減速度が要求される可能性がある。このため、自動運転中に上記減速度の制限を行うと、燃費の悪化を伴うという問題があった。
本発明の目的の一つは、ドライバに与える違和感の軽減と燃費向上との両立を実現できる車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、ドライバによる加減速操作の無いコースト走行時、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路を断接するクラッチを係合すると共にエンジンの燃料噴射を停止し、車両の減速度の絶対値が所定の閾値を超えたとき、クラッチの係合を解除すると共にエンジンの燃料噴射を再開するにあたり、自動運転時には手動運転時よりも閾値を大きな値に設定する。
【発明の効果】
【0006】
よって、手動運転モードでは過度な減速度の発生が抑制される一方、自動運転モードでは燃料噴射の停止をより低車速域まで継続できる。この結果、ドライバに与える違和感の軽減と燃費向上との両立を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1の車両制御装置の概略図である。
図2】実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
図3】実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え作用を示す、コースト走行時における車速に対する減速度特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の車両制御装置の概略図である。
実施形態1の車両は、運転モードとして、ドライバによる手動運転を行う手動運転モードと、車両の目標軌道に沿って自動的に走行させる自動運転モードとを有する。ドライバは、図外のモード切り替えスイッチを操作することにより、両モードを切り替え可能である。なお、自動運転モード中にドライバがオーバーライドした場合、手動運転モードへと切り替えられる。
実施形態1の車両は、動力源としてエンジン1を搭載する。エンジン1は、自動変速機2を介して駆動輪3に適宜切り離し可能に駆動結合する。
自動変速機2は、トルクコンバータ4、前後進切り替え機構5およびバリエータ6を有する。
【0009】
トルクコンバータ4は、ポンプインペラ4a、タービンランナ4bおよびステータ4cを有する。ポンプインペラ4aは、エンジン1のクランクシャフト1aと接続されている。タービンランナ4bは、前後進切り替え機構5を介してバリエータ6の入力軸6aと接続されている。ステータ4cは、ポンプインペラ4aおよびタービンランナ4b間に配置されている。ポンプインペラ4aが回転すると、ポンプインペラ4aからタービンランナ4bへ向かう作動油の流れが生じ、この流れをタービンランナ4bで受けることでタービンランナ4bが回転する。タービンランナ4bを出た作動油は、ステータ4cにより整流されて再びポンプインペラ4aへと戻され、これによってトルク増幅作用が実現する。
【0010】
トルクコンバータ4は、ポンプインペラ4aおよびタービンランナ4b間を係合(機械的に直結)するロックアップクラッチ7を有する。ロックアップクラッチ7は、その両側(入力側、出力側)におけるトルクコンバータアプライ圧PAとトルクコンバータレリーズ圧PRとの差圧PA-PRに応じて動作する。差圧PA-PRが負の場合、ロックアップクラッチ7の伝達トルク容量は0[Nm]であり、ロックアップクラッチ7は解放(係合解除)される。差圧PA-PRが正の場合、差圧PA-PRが大きいほどロックアップクラッチ7の伝達トルク容量は増大する。
【0011】
前後進切り替え機構5は、遊星歯車機構5a、フォワードクラッチ5bおよびリバースブレーキ5cを有する。フォワードクラッチ5bおよびリバースブレーキ5cは、共に供給された作動油圧に応じて締結容量を連続的に変更可能なノーマルオープンの湿式単板摩擦クラッチである。前後進切り替え機構5は、フォワードクラッチ5bとリバースブレーキ5cの選択的な係合により前進と後進とを切り替え可能である。
【0012】
バリエータ6は、入力軸6aおよび出力軸6b間の変速比を変更可能なベルト式無段変速機構として、溝幅を変更可能な1対のプーリであるプライマリプーリ6cおよびセカンダリプーリ6dと、1対のプーリ6c,6d間に架け渡されたベルト6eとを有する。プライマリプーリ6cは入力軸6aと結合し、セカンダリプーリ6dはファイナルギヤ組8およびドライブシャフト9を介して駆動輪3と結合する。油圧によってプーリ6c,6dの溝幅を変更すると、ベルト6eおよびプライマリプーリ6c間、ベルト6eおよびセカンダリプーリ6d間の接触半径が変化し、変速比が変更される。具体的には、プライマリプーリ6cの溝幅を小さくしつつ、セカンダリプーリ6dの溝幅を大きくすることで、バリエータ6はHigh側プーリ比(High側変速比)へのアップシフトを行う。High側変速比へのアップシフトを限界まで行った場合、変速比は最高変速比に設定される。一方、プライマリプーリ6cの溝幅を大きくしつつ、セカンダリプーリ6dの溝幅を小さくすることで、バリエータ6はLow側プーリ比(Low側変速比)へのダウンシフトを行う。Low側変速比へのダウンシフトを限界まで行った場合、変速比は最低変速比に設定される。
【0013】
エンジンコントロールユニット(以下、ECU)10は、手動運転モード時、スロットル開度信号や車速(出力軸6bの回転数)信号等に基づき、エンジン1の点火時期および燃料供給量(燃料噴射タイミングおよび混合比)を制御する。
変速機コントロールユニット(以下、CVTCU)11は、車速信号、スロットル開度信号、エンジン回転数信号、タービン回転数(タービンランナ4bの回転数)信号およびインヒビタスイッチ信号等に基づき、コントロールバルブユニット(以下、C/V U)12を介してロックアップクラッチ7の係合状態、前後進切り替え機構5のフォワードクラッチ5bとリバースブレーキ5cの係合状態およびバリエータ6の変速比を制御する。
【0014】
C/V U12は、複数の弁および複数の油路を有し、C/V U12は、CVTCU11からの指令信号に基づき、エンジン1により駆動されるオイルポンプで生成された油圧を元圧として、ロックアップクラッチ7の係合状態の変更、前後進切り替え機構5のフォワードクラッチ5bとリバースブレーキ5cの係合状態の変更およびバリエータ6の変速に供される油圧を調圧する。
ブレーキコントロールユニット(以下、BCU)13は、手動運転モード時、ブレーキペダルストローク信号および車輪速信号等に基づき、液圧制御ユニット(以下、HU)14を介して各車輪の摩擦ブレーキ力を個別に制御する。
【0015】
HU14は、ポンプモータ、複数の弁および複数の油路を有し、BCU13からの指令信号に基づき、各車輪に設けられたディスクブレーキのピストンに供給するブレーキ液を調整する。
電動パワーステアリングコントロールユニット(以下、EPSCU)15は、操舵トルク信号および車速信号等に基づき、操舵輪に転舵力を付与する電動パワーステアリング装置(以下、EPS)16の出力トルクを制御する。
【0016】
自動運転コントロールユニット(以下、ADCU)17は、自動運転モード時、ドライバによりナビゲーションシステムに設定された目的地と、カメラ映像等により認識した自車周囲の環境とに基づき、自車の目標軌道を生成する。ADCU13は、生成された目標軌道に対して自車を追従させるための加減速指令および操舵指令を算出する。ADCU13は、通信線18を介して加減速指令をECU10およびBCU13へ出力し、操舵指令をEPSCU15へ出力する。ECU10は、自動運転モード時、加減速指令に基づき、エンジン1の点火時期および燃料供給量を制御する。BCU13は、自動運転モード時、加減速指令に基づき、HU14を介して各車輪の摩擦ブレーキ力を個別に制御する。EPSCU15は、自動運転モード時、操舵指令に基づき、EPS16の出力トルクを制御する。
【0017】
次に、CVTCU11によるロックアップ制御およびECU10によるフューエルカット制御を説明する。両制御は、運転モードに依らず実行される。
CVTCU11は、車両停止状態から発進し、所定車速に到達するまでの間は、ロックアップクラッチ7を解放し、トルクコンバータ4によるトルク増幅作用を利用して発進トルクを確保する。CVTCU11は、発進後、所定車速に到達すると、燃費向上を目的としてロックアップクラッチ7を係合する。このとき、CVTCU11は、係合ショックを抑制するために、ロックアップクラッチ7を解放状態から係合状態へ向けてスリップ制御する。
【0018】
ロックアップクラッチ7を係合しているドライブ状態から、ドライバがアクセルペダルを解放すると、コースト走行状態に移行する。ECU10は、コースト走行状態であって、エンジン回転数がアイドル回転数に近い所定のリカバリ回転数を超える場合、エンジン1の燃料をカットするフューエルカットを行う。CVTCU11は、コースト走行時にフューエルカットが行われている場合には、ロックアップクラッチ7を係合する(コーストロックアップ状態)。駆動輪3によってエンジン回転数をアイドル回転数よりも高い状態に維持することで、燃料噴射再開時にスタータモータを駆動することなく即座にエンジン1の駆動力を回復可能とする。
【0019】
ECU10は、コーストロックアップ状態において、減速によりエンジン回転数がリカバリ回転数まで低下すると、エンジン1のフューエルカットを終了する(フューエルカットリカバリ)。CVTCU11は、フューエルカットリカバリと同時にロックアップクラッチ7を解放する。これにより、駆動輪3によってエンジン回転数がアイドル回転数以下に押し下げられることでエンジンストールが発生するのを回避できる。エンジン1は、燃料噴射の再開によりアイドリング状態となる。
【0020】
ECU10は、コーストロックアップ状態において、エンジン回転数がリカバリ回転数よりも高い場合であっても、車両の減速度(負の加速度)[G]が所定のロックアップ解除判定閾値Gth(<0)に達した場合、フューエルカットリカバリを行う。CVTCU11は、フューエルカットリカバリと同時にロックアップクラッチ7を解放する。実施形態1では、ドライバに与える違和感の軽減と燃費向上との両立の実現を狙いとし、CVTCU11において、以下に示すようなロックアップ解除判定閾値切り替え処理を実行する。
【0021】
図2は、実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、コーストロックアップ状態において所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、運転モードが自動運転モードであるかを判定する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合はステップS3へ進む。
ステップS2では、ロックアップ解除判定閾値Gthを自動運転モード用閾値Gth_ad(<0)に設定する。自動運転モード用閾値Gth_adは、例えば、自動運転モードにおいて下り坂での車速維持や先行車追従のシーンで要求される減速度の最小値とする。
ステップS3では、ロックアップ解除判定閾値Gthを手動運転モード用閾値Gth_md(<0)に設定する。手動運転モード用閾値Gth_mdは、自動運転モード用閾値Gth_adよりも高い値であって、例えば、手動運転モードで生じるエンジンブレーキの減速度としてドライバに違和感を与えない減速度の最小値とする。
【0022】
図3は、実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え作用を示す、コースト走行時における車速に対する減速度特性図である。
コーストロックアップ状態(LU ON & F/C ON)では、車速の低下に伴いバリエータ6の変速比がLow側変速比へダウンシフトされることにより、ドライブシャフト9に作用するエンジンブレーキが大きくなる。このため、車両の減速度は、車速が低いほど低い値をとる。一方、ロックアップクラッチ7が解放された場合(LU OFF & F/C OFF)、エンジンブレーキは発生しないため、車両の減速度は、車速に依らず略一定、かつ、コーストロックアップ状態よりも高い値をとる。
【0023】
手動運転モード中のコーストロックアップ状態では、ドライバのアクセルおよびブレーキ操作が無いため、ドライバの加減速意図は不明であるが、ドライバはコースト走行による緩やかな減速を期待している。このため、車両の減速度がドライバの予期する減速度の範囲を超えると、ドライバに違和感を与えてしまう。そこで、実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え処理では、手動運転モード中は、ロックアップ解除判定閾値Gthを手動運転モード用閾値Gth_mdとする。これにより、手動運転モード中の減速度の最小値が手動運転モード用閾値Gth_mdに制限されるため、過度な減速度の発生を抑制でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0024】
一方、実施形態1のロックアップ解除判定閾値切り替え処理では、自動運転モード中は、ロックアップ解除判定閾値Gthを、手動運転モード用閾値Gth_mdよりも低い自動運転モード用閾値Gth_adとする。これにより、自動運転モード中は、手動運転モード中と比べてより低車速域までフューエルカットを継続できるため、燃費の向上を図れる。また、下り坂での車速維持や先行車追従のシーンで要求される減速度をエンジンブレーキのみで賄えるため、HU14を作動させて各車輪にブレーキ力を付与する必要がなく、電力消費を抑制できる。なお、自動運転モード中はドライバのアクセルおよびブレーキ操作は無いが、ドライバは、自動運転中であることを認識していると同時に、自動運転に伴い車両に加速度変化が生じることを予期している。このため、手動運転中と比べて減速度の絶対値が大きくなったとしても、ドライバに与える違和感は小さい。
【0025】
実施形態1にあっては、以下の効果を奏する。
(1) ドライバの加減速操作の無い車両のコースト走行時、エンジン1と駆動輪3との間の動力伝達経路を断接するクラッチを係合すると共にエンジン1の燃料をカットし、車両の減速度が所定のロックアップ解除判定閾値Gthに達した場合、クラッチの係合を解除すると共にエンジン1の燃料カットを停止する車両制御装置において、車両の加速度が自動的に制御される自動運転モード中は、加減速操作に応じて車両の加減速が制御される手動運転モード中よりもロックアップ解除判定閾値Gthを低い値に設定するCVTCU11を備える。
よって、手動運転モードでは過度な減速度の発生が抑制される一方、自動運転モードではフューエルカットをより低車速域まで継続できるため、ドライバに与える違和感の軽減と燃費向上との両立を実現できる。
【0026】
(2) クラッチは、エンジン1と駆動輪3との間の動力伝達経路上に設けられた自動変速機2のロックアップクラッチ7である。
よって、既存のロックアップクラッチ付きトルクコンバータを備えた車両に適用できる。
【0027】
〔実施形態2〕
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
実施形態2では、コーストロックアップ状態において、車速が所定のロックアップ解除判定閾値Vthに達した場合、フューエルカットリカバリおよびフォワードクラッチ5bの解放を行う。ロックアップ解除判定閾値Vthは、リカバリ回転数よりも高いエンジン回転数に対応する車速とする。
【0028】
実施形態2のロックアップ解除判定閾値切り替え処理では、図2のステップS2において、ロックアップ解除判定閾値Vthを自動運転モード用閾値Vth_ad(>0)に設定する。自動運転モード用閾値Vth_adは、例えば、エンジンブレーキによる車両の減速度が実施形態1の自動運転モード用閾値Gth_adとなる車速とする。
ステップS3では、ロックアップ解除判定閾値Vthを手動運転モード用閾値Vth_md(>0)に設定する。手動運転モード用閾値Vth_mdは、自動運転モード用閾値Vth_adよりも高い値であって、例えば、エンジンブレーキによる車両の減速度が実施形態1の手動運転モード用閾値Gth_mdとなる車速とする。
【0029】
実施形態2のロックアップ解除判定閾値切り替え作用は、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。
実施形態2にあっては、以下の効果を奏する。
車両の減速度を直接検出するのではなく車速から車両に発生する減速度を予め設定されたマップ等によって推定するため、車両の減速度を検出するためのGセンサが搭載されていない場合や、搭載されているGセンサの精度がよくない場合であっても、実施形態1と同様に制御することができる。
【0030】
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
ECU10が図2に示したロックアップ解除判定閾値切り替え処理を行ってもよい。
自動運転モードでは、少なくとも車両の加速度が自動的に制御されていればよい。つまり、操舵については手動でもよい。
実施形態2において、ロックアップ解除判定閾値Vthを、リカバリ回転数に対応する車速としてもよい。
【0031】
自動運転モード用閾値は、手動運転モード用閾値よりも低い値(絶対値が大きな値)であればよい。
変速機は有段式であってもよい。
エンジンの燃料カットを停止する際に係合を解除するクラッチは、ロックアップクラッチではなく、変速機のフォワードクラッチでもよい。
ちなみに、ロックアップクラッチを解除せずにエンジンの燃料カットの停止が可能なシステムの場合には、燃料カットを停止するための判定閾値を自動運転モード中と手動運転モード中とで変えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 エンジン
2 自動変速機(変速機)
3 駆動輪
5b フォワードクラッチ(クラッチ)
7 ロックアップクラッチ(クラッチ)
11 変速機コントロールユニット(コントローラ)
図1
図2
図3