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特開2019-203887照明可能な指標を備えた要素を含む腕時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-203887(P2019-203887A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】照明可能な指標を備えた要素を含む腕時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/30 20060101AFI20191101BHJP
   G04C 10/00 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   G04B19/30 G
   G04C10/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-88052(P2019-88052)
(22)【出願日】2019年5月8日
(31)【優先権主張番号】18173871.7
(32)【優先日】2018年5月23日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクワーレ・トルトラ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュタルダー
(72)【発明者】
【氏名】オルガ・ライナウアー
【テーマコード(参考)】
2F101
【Fターム(参考)】
2F101DB00
2F101DJ01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】指標を低照明状態、特に水面下で照明可能なだけでなく、簡単に使用でき、燐光性要素の事前の蓄光、又は電気エネルギー源の交換若しくは人手による充電の必要がない腕時計を提供する。
【解決手段】ケース中間部を備えた腕時計ケースを含む腕時計1に関し、ケース中間部は、少なくとも1つの指標を備え、内部空洞8を画成する要素4を有する。腕時計1は、少なくとも1つの電極対10a、10b及び該電極対10a、10bに接続し、指標に対向して配設した少なくとも1個の光源装置12を更に含む。電極対の電極10a、10bは、内部空洞8内に固定され、要素4は、腕時計1を海水15に浸漬すると、海水15が内部空洞8を貫通でき、それにより電極対10a、10bと海水15が、光源装置12を駆動するための電気化学セルを形成するように、通水可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース中間部を備えた腕時計ケース(2)を含む腕時計(1)であり、前記ケース中間部は、少なくとも1つの指標(6)を備え、内部空洞(8)を画成する要素(4)を有する、腕時計(1)であって、
該腕時計(1)は、少なくとも1つの電極対(10a、10b)及び該電極対(10a、10b)に接続し、前記指標(6)に対向して配設した少なくとも1個の光源装置(12)を更に含み、前記電極対の前記電極(10a、10b)を、前記内部空洞(8)内に固定し、前記要素(4)は、前記腕時計(1)を海水(15)に浸漬すると、前記海水(15)が前記内部空洞(8)を貫通でき、それにより前記電極対(10a、10b)と前記海水(15)が、前記光源装置(12)を駆動するための電気化学セルを形成するように、通水可能であることを特徴とする、腕時計(1)。
【請求項2】
前記要素(4)は、前記ケース中間部周りに回転するように取付けた環状ベゼルであり、該ベゼル(4)は、前記腕時計ケース(2)の外部に繋がる内部空洞(8)を画成することを特徴とする、請求項1に記載の腕時計(1)。
【請求項3】
前記電極対の前記2電極(10a、10b)は、其々、平坦な形状を有し、前記ベゼル(4)の前記内部空洞(8)内で互いに平行に且つ対向して延在することを特徴とする、請求項2に記載の腕時計(1)。
【請求項4】
前記電極対の前記2電極(10a、10b)は、其々、平坦な形状を有し、前記ベゼル(4)の前記内部空洞(8)内で同心的に配設され、第1電極(10a)を、第2電極(10b)を囲む箔で形成することを特徴とする、請求項2に記載の腕時計(1)。
【請求項5】
前記腕時計は、前記電極対の前記2電極(10a、10b)を分離する及び/又は電気的に隔離するための機械要素(14)を更に含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項6】
前記機械的分離要素(14)を、織物膜又は高分子膜で形成することを特徴とする、請求項3に従属する場合の請求項5に記載の腕時計(1)。
【請求項7】
前記機械的分離要素(14)を、イオン透過膜で形成することを特徴とする、請求項4に従属する場合の請求項5に記載の腕時計(1)。
【請求項8】
前記腕時計は、反対極性の幾つかの電極対(10a、10b)を含み、該電極対(10a、10b)を、互いに直列接続することを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項9】
前記光源装置(12)は、少なくとも1個の発光ダイオード(16)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項10】
前記発光ダイオード(16)を、該発光ダイオード(16)を水から電気的に隔離できる保護樹脂でコーティングすることを特徴とする、請求項9に記載の腕時計(1)。
【請求項11】
前記発光ダイオード(16)を、前記指標(6)の下で、前記要素(4)の前記内部空洞(8)内に配設することを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載の腕時計(1)。
【請求項12】
前記指標(6)を、前記要素(4)に配設した開口で形成し、該開口は、光を取込める窓を備えることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項13】
前記窓は、サファイアガラス製であることを特徴とする、請求項12に記載の腕時計(1)。
【請求項14】
前記サファイアガラスの自由表面の少なくとも1面を、艶消しにすることを特徴とする、請求項13に記載の腕時計(1)。
【請求項15】
前記電極対の第1電極は、亜鉛電極であり、前記電極対の第2電極は、銅電極であることを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項16】
前記電極対の前記電極(10a、10b)を、前記電極対(10a、10b)と前記海水(15)が、ルクランシェ型電気化学セルを形成するように選択することを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項17】
前記電極対の陰極(10a)は、箔上に堆積した酸化マンガンを含むことを特徴とする、請求項16に記載の腕時計(1)。
【請求項18】
前記電極対の前記電極(10a、10b)を、前記電極対(10a、10b)と前記海水(15)が、金属空気型電気化学セルを形成するように選択することを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項19】
前記電極対の陽極(10b)を、アルミニウム、亜鉛及びマグネシウムから成る群から選択する金属材料で形成することを特徴とする、請求項18に記載の腕時計(1)。
【請求項20】
前記ベゼル(4)は、回転ベゼルであることを特徴とする、請求項1から請求項19のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項21】
前記腕時計は、複数の指標、其々が一指標と関連する複数の内部空洞、複数の電極対及び複数の光源装置を含むことを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項22】
前記内部空洞(8)の内壁を、水溶性塩の層でコーティングすることを特徴とする、請求項1から請求項21のいずれかに記載の腕時計(1)。
【請求項23】
また、前記腕時計(1)は、外部アクチュエータ及び前記腕時計の文字板と対面して前記腕時計ケース内に配設した更なる光源を含み、前記アクチュエータと前記更なる光源を、前記電極対に電気的に接続することを特徴とする、請求項1から請求項22のいずれかに記載の腕時計(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース中間部を備えた腕時計ケースを含む腕時計であって、該ケース中間部が、少なくとも1つの照明可能な指標を備えた要素を有する、腕時計に関する。
【0002】
本腕時計は、例えば、ダイバーズウォッチ等、海水に浸漬できるように構成される。
【背景技術】
【0003】
ケース中間部を備えた腕時計ケースを有する腕時計の分野では、ケース中間部に、少なくとも1つの照明可能な指標を備えた要素を配設することが知られている。ダイバーズウォッチの場合では、該要素は、例えば、回転ベゼルであり、該指標は、ダイバーが自分の海中での浸漬時間を測定するための基準位置を示す。これを達成するために、ダイバーは、指標を分針と位置合せするために、ベゼルを回転させる。その結果、この位置は、経過時間を測定するための基準となる。ダイバーズウォッチの主な効率評価基準の1つは、浸漬段階中の時間及び指標の視認性であるに違いない。
【0004】
この評価基準を満たすために、既知の解決方法として、ベゼルの指標及び腕時計の針を、燐光性材料でコーティングするものがある。そうすることで、通常、水面下数メートルである低照明状態において、指標及び針が視認可能になる。かかるダイバーズウォッチは、例えば、仏国特許出願第1572837A号(特許文献1)に記載されている。しかしながら、この解決方法の欠点は、事前に太陽光又は人工の光源で燐光性要素に蓄光し、それにより上記要素が、数時間に限定される持続時間に亘り、減光しながら(燐の種類、量、ダイビング前の蓄光持続時間及び強度)、例えば、水面下といった暗い環境で、発光できるようにする必要がある点である。
【0005】
また、幾つかの発光指標を備えた文字板を有する腕時計が知られており、文字板上の情報を、白昼だけでなく暗闇でも読取可能である。
【0006】
かかる腕時計は、例えば、国際特許出願第2016146350A1号(特許文献2)で開示されている。該腕時計は、腕時計ケース、該腕時計ケースに取付けた回転ベゼル、及び幾つかの発光指標を備えた文字板を含む。発光指標を、文字板の下に配置した、セル又は充電式蓄電池等の電気エネルギー源で駆動する光源によって、文字板を通して照明する。光源起動部品を、回転ベゼル内に収容し、腕時計ケース内に収容した検出部品と協働させる。従って、ユーザは、回転ベゼルを枢動させ、該ベゼルを所定位置に移動させることによって光源のスイッチをオンにできるが、該所定位置で、検出部品によって、起動部品の存在を検出し、それに応じて、検出部品が光源のスイッチをオンにする;ここでは、ベゼルは、スイッチのように機能する。しかしながら、電気エネルギー源が消耗すると、電気エネルギー源を交換する、又は人手で再充電しなければならず、ユーザにとって制約がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許出願第1572837A号
【特許文献2】国際特許出願第2016146350A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、指標を低照明状態、特に水面下で照明可能なだけでなく、簡単に使用でき、燐光性要素の事前の蓄光、又は電気エネルギー源の交換若しくは人手による充電の必要がない、腕時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明は、独立請求項1で言及する特徴を含む腕時計に関する。
【0010】
該腕時計の特定の実施形態を、従属請求項2〜20で規定する。
【0011】
本発明によるこの腕時計の一利点は、要素の内部空洞内に固定した電極対及び該電極対に接続し、指標に対向して配設した光源装置を使用することにある。要素は、腕時計を海水に浸漬すると、海水が内部空洞を貫通できるように、通水可能である。その結果、電極対と海水は、電気化学セルを形成する。従って、腕時計を浸漬すると、海水が、電極間の空間に浸入し、それにより、そうして形成した電池のスイッチをオンにし、光源装置を駆動する。これにより、電気エネルギー源を交換する又は人手で充電する作業を必要とせずに、水面下で低照明状態にある指標を照明するための特に簡単な解決方法を、提供する。更に、腕時計を浸水するとすぐに、ユーザがいかなる特定のボタン又は制御部材を押圧する必要なく、指標は、照明され、照明状態のままとなる。
【0012】
本発明の好適な実施形態によると、要素は、ケース中間部周りに回転可能に取付ける環状ベゼルであり、ベゼルは、腕時計ケースの外部に繋がる内部空洞を画成する。好適には、電極対及び光源装置を、ベゼルと同時にケース中間部周りに回転させるために、環状ベゼルと一体化する。
【0013】
有利には、腕時計は、電極対の2電極を分離するための機械要素を更に含む。これは、電極間のあらゆる物理的接触を防止する。
【0014】
有利には、腕時計は、反対極性の幾つかの電極対を含み、電極対を、互いに直列接続する。従って、例えば、光源装置が少なくとも1個の発光ダイオードを含む場合、ダイオードの閾値電圧に、より迅速に到達して、ダイオードのスイッチをオンにする。
【0015】
本発明の特定の技術的特徴によると、光源装置は、少なくとも1個の発光ダイオードを含む。
【0016】
有利には、発光ダイオードを、該発光ダイオードを水から電気的に隔離できる保護樹脂でコーティングする。これは、発光ダイオードを水から保護し、電気的に隔離する。
【0017】
有利には、発光ダイオードを、要素の内部空洞内で、指標の下に配設する。この特定の構成により、腕時計を海水に浸漬すると、指標を効率的に照明できる。
【0018】
特定の技術的特徴によると、指標を、要素に配設した開口(aperture)で形成し、該開口は、光を取込める窓を備える。好適には、窓を、サファイアガラス製とする。
【0019】
有利には、サファイアガラスの自由表面の少なくとも1面を、艶消しにする。これは、光源装置によって発した光を拡散させて、照明する指標の視野角(angle of view)を増大させる。
【0020】
本発明の特定の実施形態によると、電極対の電極を、電極対と海水がルクランシェ型電気化学セルを形成するように、選択する。この特定の例示的実施形態には、向上した電気化学セル用電力を得られるという利点がある。
【0021】
本発明の別の特定の例示的実施形態によると、電極対の電極を、電極対と海水が金属空気型電気化学セルを形成するように、選択する。この例示的実施形態には、電気化学セルに対して高エネルギー密度を得られるという利点がある。
【0022】
有利には、電極対の一方の陽極を、アルミニウム、亜鉛及びマグネシウムから成る群から選択した金属材料で形成する。かかる材料は、極めてエネルギー性が高い(energetic)という利点がある。従って、セルが急速に乾燥し、その結果2回の連続する浸漬間で不活性になれば、陽極の腐食が、セルの流電(galvanic)性能に著しく影響を与える時間はない。
【0023】
有利には、内部空洞の内壁を、水溶性塩の層でコーティングする。これは、腕時計が淡水環境でも使用可能になるという利点を提供する。実際に、この塩が、淡水と混合されて、淡水中に溶解し、電極対とで電気化学セルを形成する。
【0024】
また、有利には、腕時計は、外部アクチュエータ、及び腕時計の文字板に対面して腕時計ケース内に配設した更なる光源を含み、外部アクチュエータ及び更なる光源を、電極対に接続する。その結果、外部アクチュエータの起動によって電極に接触することを通して、更なる光源を駆動でき、従って、指標だけでなく腕時計の文字板及び針も照明できる。
【0025】
本発明による腕時計の目的、利点及び特徴は、図面で示した少なくとも1つの非限定的な実施形態に基づく以下の記載において、一層明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好適な実施形態による腕時計の平面図であり、腕時計は、指標を備えた環状ベゼルを含む。
図2図1の腕時計の内部の概略図であり、腕時計は、発光ダイオード及び其々が電極対を含む直列の2セルを含む。
図3図2の腕時計の略図である。
図4】第1変形例による図2の腕時計の、発光ダイオードがオフ状態の、断面IV−IVに沿った断面図である。
図5】発光ダイオードがオン状態の、図4と同様な図である。
図6】第2変形例による図2の腕時計の断面VI−VIに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、腕時計ケース2を備えた腕時計1を表す。腕時計ケース2は、ケース中間部を含むが、このケース中間部は、明瞭化の理由で図面には表さない。ケース中間部は、要素4を有する。要素4は、少なくとも1つの指標6を備え、内部空洞8を画成し、かかる内部空洞は、図2及び図4図6で視認できる。図1図6に示した好適な実施形態では、要素4は、ケース中間部周りに回転するように取付けた環状回転ベゼルである。図1の説明に役立つ実施例では、腕時計1は、ダイバーズウォッチであり、回転ベゼル4は、1つの指標6のみを有する。指標6は、照明可能な指標であり、例えば、ダイバーが自分の水中での浸漬時間を測定するための基準位置になる。しかしながら、本発明は、環状回転ベゼルを有するダイバーズウォッチに限定されないが、より一般的に、少なくとも1つの指標を備え、内部空洞を画成する要素を有するケース中間部を含むあらゆる腕時計、又はかかる指標に関連する空洞を有するあらゆる計時器部品に適用される。
【0028】
指標6を、例えば、要素4に配設した開口で形成する。該開口を、好適には、光を取込める閉塞要素又は窓によって閉塞する。好適には、窓を、サファイアガラス製とする。また、好適には、窓の自由表面の少なくとも1面、この場合サファイアガラス製である面を、艶消しにする。
【0029】
図2及び図3で表したように、腕時計1は、少なくとも1つの電極対10a、10b、及び該電極対10a、10bに接続した少なくとも1個の光源装置12を更に含む。図2及び図3の説明に役立つ実施例では、腕時計1は、2つの電極対10a、10b、及び単一の光源装置12を含む。好適には、腕時計1は、各電極対の2電極10a、10bを分離するための機械要素14を更に含む。この種の機械要素14は、図4図6で視認できる。
【0030】
また、好適には、一変形例では、腕時計1は、外部アクチュエータ及び更なる光源装置を含むことができる;かかる要素については、明瞭化の理由で図面には示していない。外部アクチュエータを、例えば、押しボタンで形成する。更なる光源装置を、例えば、腕時計の文字板と対面して腕時計ケース2内に配設する。外部アクチュエータ及び更なる光源装置を、電極対10a、10bに接続する。
【0031】
要素4を、水が内部空洞8に浸入できるように腕時計ケース上に配設する、従って、要素4は、通水可能である。このために、内部空洞8は、例えば、図4図6で説明したように、少なくとも1つのオリフィスを通して外部に繋がり、要素4を、腕時計ケース2の中間部上に配設して、外部に対する開口部を画成し、該開口部を、内部空洞8と流体連通状態にする。要素4が環状回転ベゼルである図1の説明に役立つ実施例では、回転ベゼル4は、例えば、ケース中間部にクリップ留めされ、ケース中間部を被覆し、例えば、該ケース中間部と共に、内部空洞8と流体連通状態で、略円形の開口部を画成する。開口部を、この場合、ベゼル4の内縁部とケース中間部の外側リムとの間に配置する。
【0032】
一変形例によると、内部空洞8を、ベゼルの壁に配設した、液体が容易に浸入できるオリフィス8aによって、ベゼルの外部に接続する。好適には、内部空洞8を、液体を該空洞内に流入可能にする少なくとも2つのオリフィスによって、外部に接続する。
【0033】
電極10a、10bを、内部空洞8内で固定する。この様にして、また要素4が通水可能であるために、腕時計1を海水に浸漬すると、海水は、内部空洞8を貫通でき、その結果、電極10a、10bと接触できる。電極対10a、10b(複数可)と海水は、従って、以下で更に詳述するように、光源装置12を電気的に駆動するよう意図した電気化学セルを形成する。塩及びイオンが豊富なため、海水は、電極で酸化還元反応を起こす電解質として機能する。電極10a、10bを、電極10a、10bが互いに、又は回転ベゼル4の表面と決して接触しないように、内部空洞8内に機械的に保持する。
【0034】
腕時計1が2つの電極対10a、10bを含む図2及び図3の説明に役立つ実施例では、各電極対は、陰極とも呼ばれる正極性の1つの電極10a;及び陽極とも呼ばれる負極性の1つの電極10bを含む。各電極対10a、10bは、電流生成セル18を形成し、2つのセル18を、図3の等価回路において、図2で説明したように、互いに直列接続する。より正確には、第1電極対の陽極10bを、第2電極対の陰極10aに接続する。第1電極対の陰極10aと第2電極対の陽極10bを、光源装置12の各端子に接続する。図2から分かるように、電極10a、10bを、回転ベゼル4の形状に切断する。図示しない一変形例では、直列接続する電極対10a、10bの数を、3以上とするように選択できる。
【0035】
図4及び図5で示した第1変形例では、各電極対の2つの電極10a、10bは、其々、平坦な形状を有し、内部空洞8内で互いに平行に対向して延在する。この変形例では、2電極10a、10bを分離するための機械要素14を、例えば、織物膜で形成する。織物膜を、例えば、各電極対の2電極10a、10b間に配設する。腕時計1を海水15に浸漬させると、電極10a、10b間の空間は、海水15で満たされる。その結果、電極10a、10bと海水15で形成した電気化学セルは、電極10a、10bと海水との間で生じた酸化還元反応によって活性化される。その結果、光源装置12は、図4で表したオフ状態から、図5で表したオン状態に変わる。
【0036】
図6で示した第2変形例によると、各電極対の2つの電極10a、10bは、其々、円筒形状を有する。各電極対の2電極10a、10bを、内部空洞8内で同心的に配設する。例えば、箔で形成する各電極対の陰極10aは、同じ電極対の陽極10bを囲む。図示しない一変形例では、各電極対の陽極10bが、同じ電極対の陰極10aを囲むことができる。この第2変形例では、2電極10a、10bを分離するための機械要素14を、例えば、イオン透過膜で形成する。イオン透過膜を、例えば、各電極対の2電極10a、10b間に配設することで、2電極10a、10b間に空間を設ける。この第2変形例による腕時計1の動作は、第1変形例による腕時計1と同様であり、海水で、同心的な2電極10a、10b間の空間を満たす。
【0037】
好適には、内部空洞8の内壁を、水溶性塩の層でコーティングするが、この塩の層については、明瞭化の理由で図面には表さない。このコーティングによって、本発明による腕時計が、淡水環境でも使用可能になる。
【0038】
光源装置12を、指標6に対面して配設し、それにより指標6を照明する。好適には、図2及び図4図6で表したように、光源装置12を、回転ベゼル4と一体化する。また、好適には、光源装置12は、少なくとも1個の発光ダイオード16を含む。図2図6の説明に役立つ実施例では、光源装置12は、単一の発光ダイオード16を含む。また、光源装置12は、発光ダイオード16に直列接続した抵抗体を含むこともできる。図面には表さないかかる抵抗体は、発光ダイオード16を通り流れる電流を制限し、その結果、発光ダイオードを保護することを目的としている。これにより、発光ダイオード16の回路における定電流を確保することが可能になる。
【0039】
発光ダイオード16を、好適には、発光ダイオード16を水から電気的に隔離できる保護樹脂でコーティングする。かかる保護樹脂については、明瞭化の理由で図面には表さない。発光ダイオード16を、例えば、指標6を照明するために、指標6の下で、要素4の内部空洞8内に配設する。発光ダイオードの閾値電圧を、例えば、2.6V〜3Vとする。
【0040】
次に、幾つかの特定の例示的実施形態について、電極10a、10bに関して記述する。
【0041】
第1の特定の例示的実施形態によると、電極対10a、10bの電極の片方は、亜鉛電極であり、電極対10a、10bのもう片方の電極は、銅電極である。この特定の例示的実施形態によると、海水を還元して、水素を発生させる。電極10a、10bと海水との間で発生させる酸化還元反応は、ベゼル4の空洞8を貫通した水量でイオン電流を生成し、光源装置12を駆動するのに必要な電流に対応する電荷を輸送する。それにより、この第1の特定の例示的実施形態で形成したセルは、通常、約0.5Vの開路電圧を有する。
【0042】
第2の特定の例示的実施形態によると、電極対の電極10a、10bを、電極対10a、10bと海水が、ルクランシェ型電気化学セルを形成するように選択する。この特定の例示的実施形態では、海水は、単に電解質として機能する。電極対の陰極10aは、例えば、箔上に堆積させた酸化マンガンを含む。それにより、この第2の特定の例示的実施形態で形成したセルは、通常、約1.5Vの開路電圧を有し;例えば、酸化マンガン1g当り約10mAの電流を発生させる。
【0043】
第3の特定の例示的実施形態によると、電極対の電極10a、10bを、電極対10a、10bと海水が、金属空気型電気化学セルを形成するように選択する。この特定の例示的実施形態によると、海水中に溶存する酸素を還元する。電極対の陽極10aを、例えば、金属材料で形成する。金属材料は、好適には、アルミニウムである。一変形例では、金属材料を、亜鉛又はマグネシウムとすることもできる。それにより、この第3の特定の例示的実施形態で形成したセルは、通常、約1.5Vの開路電圧を有する。この第3の特定の例示的実施形態では、使用する酸素を補給するために、海水の良好な対流を腕時計内に提供することが必要であり、これを、ベゼルの外部と接触する開口の数と形を最適化することによって、達成できる。
【0044】
本発明による腕時計に関する以上の記載は、単一の指標を備え、単一の内部空洞を画成する要素を参照して;及び単一の光源装置を参照して行った。しかしながら、当業者は、本発明が、複数の指標、其々が一指標と関連する複数の内部空洞、電極対及び光源装置を含む腕時計に、同様な方法で適用されることを理解するであろう。
【0045】
また、本発明による光源装置は、機械式ムーブメントを含む腕時計、及び電子式又はハイブリッド式ムーブメントを含む腕時計にも等しく適合できるように、エネルギー的に自立している点に、注意されたい。
【0046】
最後に、有利には、ダイビング用指標をマークするのに好適な光源としてLEDを使用することで、指標の色を選択可能になるが、これは、常にオレンジ、緑又は水色である燐光性材料とは異なり、LEDの色の範囲が、幅広い色彩範囲(color palette)をカバーするためである。通常青い水でダイビングする人は、最大コントラストを得るために黄色のLEDを選択すると有利であると気付くであろう。同様に、通常、緑色を帯びた水でダイビングする人は、赤色のLEDを選択すると有利である。
【符号の説明】
【0047】
1 腕時計
2 腕時計ケース
4 要素
6 指標
8 内部空洞
10a、10b 電極対
12 光源装置
14 機械要素
15 海水
16 発光ダイオード
18 電流生成セル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】
2019203887000001.pdf