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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-204589(P2019-204589A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】端子付き電線
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/02 20060101AFI20191101BHJP
【FI】
   H01R4/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-97015(P2018-97015)
(22)【出願日】2018年5月21日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井戸田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 謙治
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB01
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD04
5E085FF01
5E085GG02
5E085GG07
5E085HH06
5E085HH11
5E085JJ01
5E085JJ06
5E085JJ38
(57)【要約】
【課題】端子付き電線において、端子によって電線を確実に保持するとともに、端子の材料歩留まりを向上させる。
【解決手段】端子付き電線1は、芯線10Aの外周を絶縁被覆10Bで被覆してなる被覆端末部11を備える電線10と、被覆端末部11から延出した芯線(露出芯線12)が電気的に接続された端子本体110と、被覆端末部11を端子本体110に対して保持する電線保持部120と、を備える。電線保持部120は、被覆端末部11を一の方向において挟持した挟持部122と、一の方向に対して交差する二の方向において被覆端末部11を外方に露出させた露出開口140と、挟持部122に設けられ二の方向において凹凸形状をなし、被覆端末部11に対して二の方向において対向し接触した滑り止め凹凸部130とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線の外周を絶縁被覆で被覆してなる被覆端末部を備える電線と、
前記被覆端末部から延出した芯線が電気的に接続された端子本体と、
前記被覆端末部を前記端子本体に対して保持する電線保持部と、を備える端子付き電線であって、
前記電線保持部は、
前記被覆端末部を一の方向において挟持した挟持部と、
前記一の方向に対して交差する二の方向において前記被覆端末部を外方に露出させた露出開口と、
前記挟持部に設けられ前記二の方向において凹凸形状をなし、前記被覆端末部に対して前記二の方向において対向し接触した滑り止め凹凸部とを備える端子付き電線。
【請求項2】
前記挟持部は、前記一の方向において互いに前記被覆端末部を介して対向配置された挟持底部および挟持天井部と、前記二の方向における前記挟持底部の一端および前記挟持天井部の一端に連結された挟持連結部とを備え、
前記挟持連結部は、前記二の方向において前記被覆端末部から離間している請求項1に記載の端子付き電線。
【請求項3】
前記滑り止め凹凸部は、前記挟持底部および前記挟持天井部の少なくとも一方の他方に対向する対向面に凹設され前記絶縁被覆の端末の延び方向に沿って延びる溝形状の滑り止め溝部によって構成されている請求項2に記載の端子付き電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、端子付き電線に関し、詳しくは、電線を端子に保持するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線にかしめ圧着される端子金具として、例えば特許文献1のものが知られている。この端子金具のインシュレーションバレルは、本体部と、底板の左右の側縁から立ち上がり形成された一対の背の高いバレル片とを備えている。被覆電線の端末部に当該端子金具を接続するにあたっては、絶縁被覆の端末部が底板に載せられ、両バレル片でかしめ圧着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5854300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこの技術では、一対のバレル片の板厚が厚い場合、絶縁被覆の端末部に両側から巻き付けてかしめ圧着することが困難になる。これに対応するためには、例えば両バレル片の全長を長くして大きく折り曲げ、絶縁被覆の端末部を上下から挟みつけるようにして圧着することが考えられる。しかしこの場合はバレル片の底板の側縁からの両バレル片の延出長さが大きくなり、端子金具の展開形状において本体部よりもバレル片が長くなって材料歩留りが悪くなってしまう懸念がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示された技術に係る端子付き電線は、芯線の外周を絶縁被覆で被覆してなる被覆端末部を備える電線と、前記被覆端末部から延出した芯線が電気的に接続された端子本体と、前記被覆端末部を前記端子本体に対して保持する電線保持部と、を備える端子付き電線であって、前記電線保持部は、前記被覆端末部を一の方向において挟持した挟持部と、前記一の方向に対して交差する二の方向において前記被覆端末部を外方に露出させた露出開口と、前記挟持部に設けられ前記二の方向において凹凸形状をなし、前記被覆端末部に対して前記二の方向において対向し接触した滑り止め凹凸部とを備える。
【0006】
挟持部が例えば被覆端末部に両側から巻き付けられて圧着された両巻き構造とされた場合には、挟持部の板厚が厚くなるほど被覆端末部への巻き付けが困難になり、圧着に影響を及ぼす懸念がある。また、端子本体の形状によっては、挟持部を両巻き構造とすると端子本体よりも挟持部の展開長が長くなり、材料歩留まりを低下させてしまう場合がある。これに対して上記の構成によれば、挟持部は被覆端末部を挟持するとともに、被覆端末部を二の方向において外方に露出させた状態とすればよいから、例えば挟持部を片巻構造とし、一の方向において被覆端末部を挟持する構成とすることができる。これにより、挟持部の板厚が圧着に及ぼす影響を軽減するとともに、材料歩留まりを向上させることができる。
【0007】
また、被覆端末部は一の方向において電線保持部によって挟持されるとともに、滑り止め凹凸部に対して二の方向において対向し接触しているから、被覆端末部が二の方向に変位することを抑制することができる。
【0008】
本明細書に開示された技術に係る実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記挟持部は、前記一の方向において互いに前記被覆端末部を介して対向配置された挟持底部および挟持天井部と、前記二の方向における前記挟持底部の一端および前記挟持天井部の一端に連結された挟持連結部とを備え、前記挟持連結部は、前記二の方向において前記被覆端末部から離間している。
被覆端末部は、一の方向において挟持部によって挟持され二の方向に押し広げられた場合、この押し広げられた部分が挟持連結部に行き止まると、露出開口側に向かって逃げようとする。この結果、被覆端末部が露出開口に向かって位置ずれしてしまう懸念がある。これに対して上記の構成によれば、被覆端末部が挟持連結部に行き止まることなく挟持部によって挟持されるから、所望される位置において挟持状態を得ることができる。
(2)前記滑り止め凹凸部は、前記挟持底部および前記挟持天井部の少なくとも一方の他方に対向する対向面に凹設され前記絶縁被覆の端末の延び方向に沿って延びる溝形状の滑り止め溝部によって構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示された技術に係る端子付き電線によれば、端子によって電線を確実に保持するとともに、端子の材料歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1の端子付き電線を前方から見た斜視図
図2】母材を示す上面図
図3】被覆端末部が挟持部に挟持された状態を示す断面図
図4】端子付き電線を示す左側面図
図5】挟持前の端子付き電線を後方から見た斜視図
図6】挟持前の挟持部および被覆端末部を示す断面図
図7】実施形態2の母材を示す上面図
図8】実施形態3の母材における電線保持部を示す上面図
図9】実施形態4の母材における電線保持部を示す上面図
図10】実施形態5の母材における電線保持部を示す上面図
図11】実施形態6の母材を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
実施形態1を、図1から図6によって説明する。
【0012】
本実施形態は、蓄電素子群の電極間に装着され、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載して使用される端子付き電線1であって、図1に示すように、電線10と、端子100とによって構成されている。
【0013】
電線10は、銅やアルミニウムなどの導電金属からなる芯線10Aの外周を絶縁被覆10Bによって覆ってなる被覆電線である。電線10の一端側においては、絶縁被覆10Bが剥ぎ取られ、芯線10Aが露出している。以下において、電線10のうち絶縁被覆10Bで覆われた部分の端末部分を被覆端末部11といい、露出した芯線10Aを露出芯線12という。
【0014】
端子100は、図1に示すように、長方形の平坦な板状をなす端子本体110と、被覆端末部11を保持する電線保持部120と、を備えている。以下においては、端子本体110を基準として、電線保持部120が設けられた側を後方とし、上下方向(一の方向の一例)は図1を基準とし、左右方向(二の方向の一例)は図2を基準として説明する。
【0015】
端子本体110には、一対のボルト挿通孔111が設けられている。各ボルト挿通孔111にはそれぞれ、図示しない締結部材が挿通され、電極に対して締結されるようになっている。端子本体110の上面110Uには、露出芯線12が超音波溶接により溶接され、被覆端末部11が後方に引き出されている。
【0016】
端子100は、図2に示すように、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電金属からなる平板形状の母材P1から形成される。母材P1において、電線保持部120は、前後方向においては端子本体110から後方に延出し、左右方向においては端子本体110の右側端110Rから左側端110Lまでの範囲内に形成され、全体としてL字形状をなしている。言い換えれば、電線保持部120の展開長L1は、端子本体110の最大左右寸法L0よりも短くされている。
【0017】
電線保持部120は、詳しくは、端子本体110の後端のうち左端よりもやや中央寄りの位置に連なり後方に延びる本体連結部121と、本体連結部121の後端に連なり後方に延びる挟持底部123と、挟持底部123の右端に連なり右方に延びる挟持連結部124と、挟持連結部124の右端に連なり右方に延びる挟持天井部125とを備えている。本体連結部121の左縁である連結左縁121Lと、挟持底部123の左縁である底部左縁123Lは、互いに前後に連なり直線状に延びている。
【0018】
挟持底部123の上面である底部上面123Uのうち右寄り(すなわち、挟持連結部124寄り)の位置には、滑り止め凹凸部130が設けられている。本実施形態の滑り止め凹凸部130は、それぞれ底部上面123Uに凹設されて前後方向に延びる溝形状をなす複数の溝部131と、各溝部131の左右に残された底部上面123Uとが凹凸形状をなすことによって構成されている。
【0019】
被覆端末部11が電線保持部120によって保持された状態においては、図3に示すように、挟持底部123、挟持連結部124、および挟持天井部125は、被覆端末部11を挟持する挟持部122となっている。挟持底部123と挟持天井部125は、被覆端末部11を介して上下に対向配置され、被覆端末部11に接触している。挟持連結部124は、被覆端末部11から離間した位置において、挟持底部123の右端から挟持天井部125の右端にかけて180°曲げられた曲げ縁形状となっている。これにより、挟持連結部124は、被覆端末部11との間に空間Cを形成するとともに、挟持底部123と挟持天井部125との被覆端末部11に対する緊密な接触状態を保持している。
【0020】
被覆端末部11は、挟持底部123と挟持天井部125との間で上下方向に押しつぶされた扁平形状となっている。被覆端末部11の絶縁被覆10Bは、弾性的に底部上面123Uおよび挟持天井部125の下面(母材P1における上面)である天井下面125Aに対して接触するとともに、各溝部131に嵌まり込み、各溝部131の左側の孔縁131Lに対して右方から対向して接触し、各溝部131の右側の孔縁131Rに対して左方から対向して接触している。
【0021】
被覆端末部11よりも左方において、天井下面125Aと、天井下面125Aに対して平行姿勢で対向する対向面である底部上面123Uとの間には、露出開口140が形成されている。被覆端末部11は、図3および図4に示すように、前端から後端に亘り、露出開口140を介して外方に露出している。
【0022】
端子100に電線10を接続する際は、まず、図5に示すように、露出芯線12を端子本体110に載置するとともに、被覆端末部11を挟持底部123の滑り止め凹凸部130上に配置した姿勢とする。そして、この姿勢を保ちつつ、図示しない超音波溶接手段によって、露出芯線12を端子本体110に超音波溶接する。
【0023】
次に、挟持部122によって、被覆端末部11を挟持する。この際、まず図6に二点鎖線で示すように、挟持連結部124を曲げて、挟持天井部125を被覆端末部11の上方において挟持底部123に対して平行姿勢となるように配置する。そして、この平行姿勢を保持しつつ、挟持天井部125を被覆端末部11に向かって上方から押圧する。すると、被覆端末部11は、絶縁被覆10Bを各溝部131に入り込ませながら、次第に上下から押しつぶされ、挟持連結部124との間に空間Cを形成しつつ、各溝部131の左右内壁部131A、131Bによって左右方向における変位を規制されつつ、上下方向において扁平な形状に塑性変形する。これにより、図3に示すように、被覆端末部11は挟持部122によって上下から挟持されるとともに、絶縁被覆10Bが滑り止め凹凸部130の各溝部131に嵌まり込んでその孔縁131L,131Rに引っ掛かり、左右方向における変位が規制された被保持状態となる。
【0024】
なお、本実施形態においては特に上述のように露出芯線12を端子本体110に超音波溶接した構成としていることから、被覆端末部11が左右方向に変位し露出芯線12が左右方向に引っ張られると、被覆端末部11が空間Cに逃げるか、または露出開口140から脱落し、露出芯線12が端子本体110から剥がれてしまう懸念がある。これに対して本実施形態においては、被覆端末部11は挟持部122による挟持の段階から被保持状態となった後まで一貫して左右方向における変位規制が維持されるから、露出芯線12が端子本体110から剥がれる懸念が軽減される。
【0025】
本実施形態の構成によれば、芯線10Aの外周を絶縁被覆10Bで被覆してなる被覆端末部11を備える電線10と、前記被覆端末部11から延出した芯線(露出芯線12)が電気的に接続された端子本体110と、前記被覆端末部11を前記端子本体110に対して保持する電線保持部120と、を備える端子付き電線1であって、前記電線保持部120は、前記被覆端末部11を一の方向において挟持した挟持部122と、前記一の方向に対して交差する二の方向において前記被覆端末部11を外方に露出させた露出開口140と、前記挟持部122に設けられ前記二の方向において凹凸形状をなし、前記被覆端末部11に対して前記二の方向において対向し接触した滑り止め凹凸部130とを備える。
【0026】
挟持部122が例えば被覆端末部11に両側から巻き付けられて圧着された両巻き構造とされた場合には、挟持部122の板厚が厚くなるほど被覆端末部11への巻き付けが困難になり、圧着に影響を及ぼす懸念がある。また、端子本体110の形状によっては、挟持部122を両巻き構造とすると端子本体110の展開長L0よりも挟持部122の展開長L1が長くなり、材料歩留まりを低下させてしまう場合がある。これに対して上記の構成によれば、挟持部122は被覆端末部11を挟持するとともに、被覆端末部11を二の方向において外方に露出させた状態とすればよいから、例えば挟持部122を片巻構造とし、上下から被覆端末部11を挟持する構成とすることができる。これにより、挟持部122の板厚が圧着に及ぼす影響を軽減するとともに、材料歩留まりを向上させることができる。
【0027】
また、被覆端末部11は一の方向において電線保持部120によって挟持されるとともに、滑り止め凹凸部130に対して二の方向において対向し接触しているから、被覆端末部11が二の方向に変位することを抑制することができる。
前記挟持部122は、前記一の方向において互いに前記被覆端末部11を介して対向配置された挟持底部123および挟持天井部125と、前記二の方向における前記挟持底部123の一端および前記挟持天井部125の一端に連結された挟持連結部124とを備え、前記挟持連結部124は、前記二の方向において前記被覆端末部11から離間している。
【0028】
被覆端末部11は、一の方向において挟持部122によって挟持され二の方向に押し広げられた場合、この押し広げられた部分が挟持連結部124に行き止まると、露出開口140側に向かって逃げようとする。この結果、被覆端末部11が露出開口140に向かって位置ずれしてしまう懸念がある。これに対して上記の構成によれば、被覆端末部11が挟持連結部124に行き止まることなく挟持部122によって挟持されるから、所望される位置において挟持状態を得ることができる。
【0029】
前記滑り止め凹凸部130は、前記挟持底部123および前記挟持天井部125の少なくとも一方の他方に対向する対向面(底部上面123U)に凹設され前記絶縁被覆10Bの端末の延び方向に沿って延びる溝形状の溝部131によって構成されている。
【0030】
<実施形態2>
次に、実施形態2を図7によって説明する。本実施形態は、実施形態1の電線保持部120の端子本体110に対する位置関係を変更したものであって、実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に1000を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0031】
本実施形態においては、電線保持部1120の本体連結部121は、端子本体110の後端のうち左端に連なって設けられており、端子本体110の左側端110L、連結左縁121L、および底部左縁123Lは、前後に連なり直線状に延びている。
【0032】
この構成によれば、端子本体110の後方における右側端110Rから左側端110Lまでの範囲を有効に活用し、挟持部1122を長寸化することができるから、母材P1001の板厚が厚い場合に好適である。
【0033】
<実施形態3>
次に、実施形態3を図8によって説明する。本実施形態は、実施形態1の滑り止め凹凸部130の形状を変更したものであって、実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に2000を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0034】
本実施形態においては、滑り止め凹凸部2130は、底部上面2123Uに凹設され、前後および左右に並んだ複数の角状凹部2131と、各角状凹部2131の前後左右に残された底部上面2123Uとが凹凸形状をなすことによって構成されている。各角状凹部2131は、それぞれ前後に延びる左内壁2131Lおよび右内壁2131Rと、それぞれ左右に延びる前内壁2131Fおよび後内壁2131Bとを有し、上方から見て正方形状をなしている。
【0035】
この構成によれば、被覆端末部11が左内壁2131Lおよび右内壁2131Rによって左右方向における変位が規制されるとともに、前内壁2131Fおよび後内壁2131Bによって前後方向における変位が規制される。これにより、露出芯線12の端子本体110から剥がれる懸念を左右方向に加えて前後方向においても軽減することができる。
【0036】
<実施形態4>
次に、実施形態4を図9によって説明する。本実施形態は、実施形態1の滑り止め凹凸部130の形状を変更したものであって、実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に3000を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0037】
本実施形態においては、滑り止め凹凸部3130は、底部上面3123Uに凹設され、左前方から右後方、および右前方から左後方にむかって斜行するように並んだ複数の菱形凹部3131と、各菱形凹部3131の間に残され左前方から右後方、および右前方から左後方にむかって斜行した線条をなす底部上面3123Uとが凹凸形状をなすことによって構成されている。各菱形凹部3131は、それぞれ左前方から右後方に延びる前側第一斜行内壁3131Aおよび後側第一斜行内壁3131Bと、それぞれ右前方から左後方に延びる前側第二斜行内壁3131Cおよび前側第二斜行内壁3131Dとによって形成されている。前側第一斜行内壁3131Aおよび後側第一斜行内壁3131Bと、前側第二斜行内壁3131Cおよび前側第二斜行内壁3131Dとは、それぞれ互いに対して直交し、かつ左右方向に対して45°をなしている。
【0038】
この構成によれば、被覆端末部2011が各斜行内壁3131A,3131B,3131C,3131Dに斜め方向に当接することで、左右方向および前後方向における変位が規制されるから、露出芯線12の端子本体110から剥がれる懸念を前後左右方向において軽減することができる。
【0039】
<実施形態5>
次に、実施形態5を図10によって説明する。本実施形態は、実施形態1の滑り止め凹凸部130の形状を変更したものであって、実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に4000を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0040】
本実施形態においては、滑り止め凹凸部4130は、それぞれ底部上面4123Uに凹設され、前側から後側に向かって互いから次第に離間しつつ延びる溝形状をなす複数の斜行溝部4131と、各斜行溝部4131の左右に残された底部上面4123Uとが凹凸形状をなすことによって構成されている。
【0041】
被覆端末部11が挟持部4122に挟持された状態においては、被覆端末部11から後方に延びる電線10が外力により左右方向に引っ張られた場合、被覆端末部11の後側が前側よりも大きく左右に変位しようとする。これに対して本実施形態の構成によれば、被覆端末部11の後側に対して、各斜行溝部4131の左右内壁4131L,4131Rが直交する方向から当接するから、被覆端末部11の後側における変位が効果的に規制される。
【0042】
<実施形態6>
次に、実施形態6を図11によって説明する。本実施形態は、実施形態1の滑り止め凹凸部130の形状を変更したものであって、実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に5000を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0043】
本実施形態においては、滑り止め凹凸部5130は、それぞれ底部上面5123Uから上方に突設され前後に延びる突条形状をなす一対の突条部5131と、突条部5131の左右における底部上面5123Uとが凹凸形状をなすことによって構成されている。なお、各突条部5131の突出端には、R面が形成されている。
【0044】
被覆端末部11を電線保持部5120によって挟持する際には、図11に示すように、一対の突条部5131と底部上面5123Uとによって形成された凹部に被覆端末部11を配置し、挟持天井部125を上方から押し付ける。
【0045】
この構成によれば、突条部5131の底部上面5123Uからの突出高さを調節することで、被覆端末部11を挟持する際の被覆端末部11の左右方向における変位をよりいっそう軽減することができる。
【0046】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような形態で実施することが可能である。
【0047】
(1)上記実施形態1においては、滑り止め凹凸部を一対の挟持部122のうち挟持底部123のみに滑り止め部を設けているが、挟持天井部のみに設けてもよく、または挟持底部および挟持天井部の両方に設けてもよい。
【0048】
(2)上記実施形態1においては、挟持部122は、挟持底部123、挟持連結部124、および挟持天井部125が左右に連なった帯形状をなす構成としているが、挟持部の構成はこれに限らない。例えば、挟持底部と挟持天井部がそれぞれ個別に端子本体に連結された形状としてもよい。
【0049】
(3)上記実施形態1においては、底部上面が抜け止め凹凸部を構成するものとしているが、抜止凹凸部の構成はこれに限らない。例えば、実施形態6と同様の突条部を複数設けるとともにそれらの間にそれぞれ実施形態1と同様の溝部を形成し、突条部と溝部とが抜け止め凹凸部を構成するものとしてもよい。
【0050】
(4)上記実施形態1においては、露出芯線12の端子本体110に対する接合は超音波溶接によるものとしたが、露出芯線の端子本体に対する接合態様はこれに限らず、例えば銀ろうやはんだによるろう付けを採用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1:端子付き電線
10:電線
10A:芯線
12:露出芯線(芯線)
10B:絶縁被覆
11:被覆端末部
110:端子本体
120、1120,2120,3120,4120,5120:電線保持部
122,1122,2122,3122,4122,5122:挟持部
123,1123,2123,3123,4123,5123:挟持底部
123U、2123U,3123U,4123U,5123U:底部上面(対向面)
124:挟持連結部
125:挟持天井部
130,2130、3130、4130、5130:滑り止め凹凸部
131:溝部
140:露出開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11