特開2019-204848IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

GaNやAlGaN等のIII族窒化物半導体材料の表面処理に用いられる表面処理溶液、表面処理溶液の製造方法及び表面処理方法に関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】半導体製造ラインで一般的に用いられている原料を使用して室温で作業することができ、特別な設備や複雑な工程を必要とすることなく、III族窒化物半導体材料の表面処理を行うことが可能な表面処理溶液、表面処理溶液の製造方法及び表面処理方法を提供する。
【解決手段】III族窒化物半導体材料の表面処理に用いられる表面処理溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液と、アルコール類からなり、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に、室温下でアルコール類を混合して水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を希釈することにより製造される。この表面処理溶液にIII族窒化物半導体材料を浸漬してIII族窒化物半導体材料の表面処理を行う。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、特許文献1では、変質層の除去速度(エッチング速度)を向上させるために、エッチング液の温度を30〜100℃としており、エッチング液を加熱しなければならず、エッチング中の温度管理も必要となり、作業性に欠けるという問題がある。また、特許文献1には、エッチング液としてアルカリ性水溶液を用いる場合に、pH調整剤として、水酸化テトラメチルアンモニウム(塩)を含有させることが記載されている。しかし、イオン交換水に水酸化テトラメチルアンモニウム(塩)のみを含有させたエッチング液が比較例として記載されているだけで、その他の成分は含まれておらず、エッチング面の平滑性(表面粗さ)についても検討がなく、その効果は不明である。
また、特許文献2でも、TMAH溶液の温度は50〜100℃であり、特許文献1と同様にエッチング液の加熱及び温度管理が必要で、作業性に欠けるという問題がある。なお、特許文献2では、TMAH溶液の濃度が5〜50%の範囲でエッチング可能である(ダメージ層を除去できる)ことが記載されているが、TMAH溶液にはTMAH水溶液が用いられており、TMAH以外の成分は含まれておらず、TMAH溶液の濃度と、エッチング面の平滑性(表面粗さ)との関係についても検討がなく、その効果は不明である。 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、半導体製造ラインで一般的に用いられている原料を使用して室温で作業することができ、特別な設備や複雑な工程を必要とすることなく、III族窒化物半導体材料の表面の平滑化及び洗浄が可能な表面処理溶液、表面処理溶液の製造方法及び表面処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記目的に沿う第1の発明に係る表面処理溶液は、III族窒化物半導体材料の表面処理に用いられる表面処理溶液であって、 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液と、アルコール類からなる。
【発明の効果】
第1の発明に係る表面処理溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液と、アルコール類からなることにより、エッチング速度が調節され、処理面(エッチング面)における反応生成物を効率的に離脱させて、残留物のない滑らかな処理面を得ることができるので、III族窒化物半導体材料の表面処理(ウェットエッチング、洗浄等)に好適に用いることができ、III族窒化物半導体材料を用いて製造される各種デバイスの性能向上を図ることができる。 第1の発明に係る表面処理溶液において、アルコール類で希釈後の水酸化テトラメチルアンモニウムの濃度が5vol%以上25vol%未満である場合、水酸化テトラメチルアンモニウムの濃度と、表面処理対象物を表面処理溶液に浸漬する時間を選択する(組合せる)ことにより、表面処理対象物の表面粗さの低減率を容易に調整することができる。 第1の発明に係る表面処理溶液において、アルコール類が、エタノール又はイソプロピルアルコールである場合、表面処理対象物の表面粗さの低減効果を高めることができると共に、取り扱い性に優れる。特にイソプロピルアルコールの場合、処理面の表面粗さを著しく改善することができる。 第2の発明に係る表面処理溶液の製造方法は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に、室温(1〜35℃、より好ましくは10〜35℃、さらに好ましくは15〜28℃)下でアルコール類を混合して水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を希釈するので、製造時に加熱や冷却を行う必要がなく、特別な工程や温度管理も不要で、操作性に優れる。 第2の発明に係る表面処理溶液の製造方法において、希釈前の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の濃度が25vol%で、アルコール類で希釈後の表面処理溶液における水酸化テトラメチルアンモニウムの濃度が5vol%以上25vol%未満である場合、予め製造された水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液をアルコール類で希釈するだけでIII族窒化物半導体材料の表面処理(ウェットエッチング、洗浄等)に好適な表面処理溶液を簡単に製造することができる。 第2の発明に係る表面処理溶液の製造方法において、アルコール類が、エタノール又はイソプロピルアルコールである場合、半導体製造ラインで一般的に用いられている原料を使用して製造することができ、特別な設備や複雑な工程を必要とすることもなく、量産性に優れる。 第3の発明に係る表面処理方法は、III族窒化物半導体材料を、室温下で第1の発明に係る表面処理溶液に浸漬することにより、特別な設備や複雑な工程を必要とすることなく、III族窒化物半導体材料の表面処理(平滑化、洗浄等)を確実に行うことができる。 第3の発明に係る表面処理方法において、III族窒化物半導体材料が、エッチングされたものである場合、室温下で第1の発明に係る表面処理溶液に浸漬することにより、特別な設備や複雑な工程を必要とすることなく、III族窒化物半導体材料の先のエッチングによるエッチング面のダメージを除去し、表面処理(平滑化、洗浄等)を確実に行うことができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施例1〜4、9〜12、比較例1〜6の表面処理溶液のTMAHの濃度とエッチング面の表面粗さの低減率との関係を示すグラフである。

【図2】実施例5〜8、13〜16、比較例7〜12の表面処理溶液のTMAHの濃度とエッチング面の表面粗さの低減率との関係を示すグラフである。

【図3】実施例9の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図4】実施例12の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図5】実施例13の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図6】実施例16の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図7】比較例1の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図8】比較例5の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図9】比較例7の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

【図10】比較例11の表面処理結果を示す顕微鏡画像である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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