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特開2019-205160デューティサイクルが可変な基準発振器、周波数合成器、及び基準発振器を備える信号レシーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-205160(P2019-205160A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】デューティサイクルが可変な基準発振器、周波数合成器、及び基準発振器を備える信号レシーバー
(51)【国際特許分類】
   H03L 7/08 20060101AFI20191101BHJP
   H03L 7/197 20060101ALI20191101BHJP
   H04B 1/26 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   H03L7/08 210
   H03L7/08 220
   H03L7/197 160
   H04B1/26 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-81515(P2019-81515)
(22)【出願日】2019年4月23日
(31)【優先権主張番号】18174100.0
(32)【優先日】2018年5月24日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】アルノー・カサグランデ
【テーマコード(参考)】
5J106
5K020
【Fターム(参考)】
5J106BB01
5J106CC01
5J106CC15
5J106CC21
5J106CC41
5J106CC52
5J106DD06
5J106DD17
5J106DD48
5J106FF06
5J106FF07
5J106GG03
5J106JJ01
5J106KK09
5J106KK26
5J106PP03
5J106QQ02
5J106QQ08
5K020DD05
5K020EE04
5K020GG01
(57)【要約】
【課題】 スタートアップの際にいずれのセットアップ時間をも必要としないような基準発振器を提供する。
【解決手段】 本発明は、電磁気信号のトランスミッター及びレシーバーのための基準発振器(20)に関する。基準発振器(20)は、基準共振器(22)によって供給される信号から、所定のデューティーサイクルでON時間とOFF時間を交替する変更済み基準信号(50)を生成するように構成している。基準発振器(20)は、さらに、変更済み基準信号(50)の少なくとも1つの高調波成分のランクに依存する少なくとも1つの調整パラメーターに応じて変更済み基準信号(50)のデューティーサイクルを調整するように構成している調整回路(30)を有する。これによって、変更済み基準信号(50)の少なくとも1つの高調波成分を最小化する。本発明は、さらに、本発明に係る基準発振器(20)を有する周波数合成器及び無線周波数信号レシーバーに関する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁気信号のトランスミッター及び/又はレシーバー用の基準発振器(20)であって、
当該基準発振器(20)は、基準共振器(22)によって供給される信号から所定のデューティーサイクルでON時間とOFF時間を交替する変更済み基準信号(50)を生成するように構成しており、
前記基準発振器(20)は、さらに、少なくとも1つの調整パラメーターに応じて前記変更済み基準信号(50)のデューティーサイクルを調整するように構成している調整回路(30)を有し、
これによって、電磁気信号のスペクトルに寄生的に注入される前記変更済み基準信号(50)の少なくとも1つの高調波成分を最小化する
基準発振器(20)。
【請求項2】
さらに、前記基準共振器(22)につながれ、初期の基準信号(26)を作る基準ジェネレーター(24)を備え、
前記調整回路は、基準ジェネレーター(24)につながれ、前記初期の基準信号(26)からの所定のデューティーサイクルを有する変更済み基準信号(50)を生成する
請求項1に記載の基準発振器(20)。
【請求項3】
前記変更済み基準信号(50)を生成する前記調整回路は、
前記基準ジェネレーター(24)に接続され、前記初期の基準信号(26)の周波数frefよりもn倍であるように大きい周波数の信号を作るように構成しているフェーズロックループ(PLL)(31)と、
前記フェーズロックループに接続されており、前記フェーズロックループが作る信号のパルスをカウントするカウンター(32)と、
カウントされたパルスの数を所定の値mと比較し、そのカウントされたパルスの数がその所定の値mよりも小さければON信号を作り、そうでなければOFF信号を作るコンパレーター(33)と、及び
前記基準ジェネレーターに接続しており、前記初期の基準信号と同じ周波数の初期化信号を作るパルスジェネレーター(34)とを備え、
前記初期化信号は、前記カウンターの初期化入力に与えられる
請求項2に記載の基準発振器(20)。
【請求項4】
前記調整回路は、さらに、前記初期の基準信号(26)の1つのフランク部に前記変更済み基準信号(50)を同期させるために回路を備える
請求項2又は3に記載の基準発振器(20)。
【請求項5】
前記調整回路は、さらに、前記初期の基準信号(26)の1つのフランク部に前記変更済み基準信号(50)を同期させるために回路を備え、
前記同期回路は、RSフリップフロップを備え、このRSフリップフロップのSET入力は、前記パルスジェネレーターに接続され、このRSフリップフロップのSET入力は、前記コンパレーターの出力に接続され、
同期された前記発振信号(50)は、前記フリップフロップの出力で利用可能である
請求項3に記載の基準発振器(20)。
【請求項6】
さらに、ユーザーが前記調整回路にデューティーサイクルの少なくとも1つの調整パラメーターを与えることを可能にするマンマシンインタフェース(MMI)を備える
請求項1〜5のいずれかに記載の基準発振器(20)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の基準発振器(20)と、及び
高周波数発振信号(80)を作る周波数マッチング回路(36)と
を備える周波数合成器(70)。
【請求項8】
前記周波数マッチング回路は、周波数frefの変更済み基準信号(50)を受け、より高い周波数x・frefの発振信号を作るように構成しているフェーズロックループ(36)を備える
請求項7に記載の周波数合成器(70)。
【請求項9】
前記周波数マッチング回路(36)は、
高周波数発振信号OUT(80)を供給する電圧制御発振器VCO(64)と、
除算済み周波数信号fdivを供給するようにファクターNで前記信号OUTの周波数を割るデバイダー回路(65)と、
基準周波数frefにおける変更済み基準信号(50)を、前記デバイダー回路によって供給された除算済み周波数信号fdivと比較し、この比較の結果に応じて2つの制御信号UP、DOWNを供給する位相検出器(61)と、
前記位相検出器(61)の前記2つの制御信号UP、DOWNを受ける電荷ポンプ(62)と、及び
前記電圧制御発振器(64)にフィルタリング済みの制御信号(SF)を供給するために前記電荷ポンプ(62)の出力信号(S1)をフィルタリングするローパスフィルター(63)と
を備える請求項8に記載の周波数合成器(70)。
【請求項10】
電磁気信号を受けるアンテナ(12)と、
前記アンテナ(12)が受けた信号を増幅する少なくとも1つのローノイズアンプ(14)と、
変更済み基準信号(50)又は所定のデューティーサイクル(80)を有する高周波数発振信号を作る、請求項1〜6のいずれかに記載の基準ピン発振器(20)の少なくとも1つ又は請求項7〜9のいずれかに記載の周波数合成器(70)の少なくとも1つと、
中間信号(40)を生成するように、増幅済みの受信信号を前記変更済み基準信号(50)又は高周波数発振信号(80)と混合するミキサー(16)と、及び
前記中間信号(40)をフィルタリングするフィルター(18)とを備える信号レシーバー(10)であって、
前記基準発振器(20)の調整回路(30)は、受けた電磁気信号の周波数に応じてデューティーサイクルを調整するように構成しており、これによって、前記変更済み基準信号(50)の少なくとも1つの高調波成分の振幅及び前記フィルタリング済みの中間信号(40)に存在する振幅(42)を最小化する
信号レシーバー(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準発振器の分野に関し、詳細には、この分野における少なくとも1つの高調波を抑制ないし制限する手段を有する基準発振器に関する。本発明は、例えば、無線周波数信号の受信、アナログ/デジタル変換及び周波数合成の分野において利用可能である。
【背景技術】
【0002】
電磁気信号、特に、無線周波数信号を送信するために、適切なレシーバーが必要である。図1に、伝統的なレシーバーを示している。信号レシーバー1は、電磁気信号を受けるアンテナ12を有する。アンテナ12は、アンテナ12が受けた信号を増幅するように構成しているローノイズアンプ14(LNA)に接続される。このLNA14は、さらに、増幅済みの受信信号を、周波数マッチング回路36によって供給される発振信号80と混合するミキサー16に接続されており、この周波数マッチング回路36は、一般的には、基準発振器20をベースとしている。ミキサー16の出力は、ミキサー16の中間信号40をフィルタリングするバンドパス(又はローパス)フィルター18に接続される。図1に、周波数(f)に対する振幅又はパワー(P)の形態で、中間信号40のスペクトルを示している。
【0003】
典型的には、基準発振器20は、非常に規則的であり安定している基準信号を供給する水晶振動子のような基準共振器22を備える信号ジェネレーター24を用いる。例えば、水晶振動子の典型的なアプリケーションにおいて、基準共振器22を備える信号ジェネレーター24は、26MHzの基準周波数で動作する。一般的には、基準発振器20は、周波数マッチング回路36のベースとして用いられる基準信号を供給する。
【0004】
無線周波数伝送の場合には、信号レシーバー1は、例えば、26MHzで動作する水晶基準共振器22とともに信号ジェネレーター24を用いて、Bluetooth(登録商標)の帯域内、したがって、2.4GHz帯、にて動作することができる。放射及び寄生結合によって、基準共振器22をベースとする発振器20の周波数の第93、第94及び第95次の高調波が、アンテナ12によって捕らえられた有用なRF信号の周波数と一致することができ、結局、バンドパス(又はローパス)フィルター18のバンド41に変換される。
【0005】
一般的には、基準信号の特定の波形は、(図1に破線の矢印で示した)入力12における信号50の高調波を寄生結合によって、(フィルター18の周波数帯41に存在する)基準信号の望まれていない汚染を発生させるエイリアシングを中間信号に発生させてしまう。このような高調波は、その特定の周波数に対して局所的に、レシーバーの感度を減少させる影響を与えてしまう。これらの高調波の正確な周波数、そして、その振幅は、発振信号のデューティーサイクルに直接依存する。このデューティーサイクルは、制御されない場合、発振器を備える集積回路の生産(製造方法)と使用(温度、電圧)の条件に、さらに、基準共振器及びその接続(共振器を有する集積回路が上にて形成されたPCBやカード、パッケージングなど)の典型的な変化に、統計的に依存する。
【0006】
したがって、フィルターが受信した中間信号は、(寄生結合によって所望のRF信号に注入される)基準共振器からの信号の高周波高調波成分によってひどく破壊されることがある。この問題は、信号レシーバーが単一の集積回路内にて実装されたときには、さらに大きくなる。この問題は、デジタル回路においては、さらに大きくなる。なぜなら、ロジック回路の基準(又はクロック)信号の非常に険しい遷移と同期的な消費ピークのためである。
【0007】
欧州特許出願EP2869483A1は、この問題について詳細に記載しており、発振器信号のデューティーサイクルを調整することによってこれらの高調波の少なくとも1つを除去する。この調整は、前の変化の影響の測定に応じて調整されるデューティーサイクルを破壊が最小になるまで漸進的に変化させることによって、ステップずつ行われる。
【0008】
この手法は、レシーバーの出力信号40を汚染する高調波を大いに最小化するかぎり、さらには抑えるかぎり、興味深い。しかし、この手法には、アクティブ化ごとにセットアップ時間が必要である。このアクティブ化時間は長いことがあり、用途によっては長すぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、スタートアップの際にいずれのセットアップ時間をも必要としないような、欧州特許出願EP2869483A1の手法の代わりとなる手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、無線周波数信号トランスミッター及び/又はレシーバーのための新規な基準発振器を提供する。この基準発振器は、基準共振器によって供給された信号から、所定のデューティーサイクルでON時間とOFF時間を交替する変更済み基準信号を生成するように構成している。本発明は、基準発振器が、少なくとも1つの所定の調整パラメーターに応じて変更された基準信号のデューティーサイクルを調整するように構成している調整回路を有し、これによって、変更済み基準信号の少なくとも1つの高調波成分を最小化する。
【0011】
このように、本発明に係る基準発振器によって作られた変更済み基準信号のデューティーサイクルを適切に確定的に調整することによって、例えば、特定の周波数の近辺の、変更済み基準信号の特定の高調波によって発生する汚染を最小化することができる。また、所定パラメーターによって、特に、連続的な調整によってではなく最小化される一又は複数の高調波のランクに応じて、デューティーサイクルが調整されるために、発振器がアクティブ化されるとすぐにデューティーサイクルが調整される。
【0012】
1つの実施形態において、発振器は、さらに、共振器につながれ初期の基準信号を作る基準ジェネレーターを有することができ、調整回路は、前記初期の基準信号から所定のデューティーサイクルを有する変更済み基準信号を生成する基準ジェネレーターにつながれている。
【0013】
発振器の調整回路は、初期の基準信号の1つのフランク部に、変更済み基準信号を同期させる回路を有することができる。これによって、調整回路において発生することがある位相ドリフトを克服することができる。
【0014】
1つの実装例において、レシーバーは、ユーザーがデューティーサイクルの少なくとも1つの調整パラメーターを調整回路に供給することを可能にするマンマシンインタフェースを有する。このように、デューティーサイクルの調整は、基準発振器がアクティブ化されるとすぐに瞬間的に行われ、周囲にて高調波を最小化しなければならない周波数が変化した場合にデューティーサイクルをリアルタイムで調整することができる。
【0015】
本発明は、さらに、上記のような基準発振器を備える周波数合成器と、及び変更済み基準信号から高周波数発振信号を作る周波数マッチング回路を提供する。基準発振器調整回路のデューティーサイクルを調整することによって、高周波数発振信号には、基準発振器がアクティブ化されるとすぐに、特定の周波数の周辺の高調波が除去されるという利点が発生する。
【0016】
1つの実施形態において、周波数マッチング回路は、周波数frefの変更済み基準信号を受けて、より高い周波数x・frefの発振信号を作るように構成しているフェーズロックループ(PLL)を有する。
【0017】
本発明は、さらに、
− 電磁気信号を受けるアンテナと、
− 前記アンテナが受けた信号を増幅する少なくとも1つのローノイズアンプと、
− 変更済み基準信号又は所定のデューティーサイクルを有する高周波数発振信号を作るように構成している、上記のような少なくとも1つの基準発振器又は上記のような少なくとも1つの周波数合成器と、
− 中間信号を生成するように、増幅済みの受信信号を前記変更済み基準信号又は前記高周波数発振信号と混合するミキサーと、及び
− 前記中間信号をフィルタリングするフィルターと
を備える信号レシーバーを提供し、
前記基準発振器は、受けた電磁気信号の周波数に応じてデューティーサイクルを調整するように構成しており、これによって、前記変更済み基準信号の少なくとも1つの高調波成分の振幅及びフィルタリング済みの中間信号に存在する振幅を最小化する調整回路を備える。
【0018】
したがって、本発明に係るレシーバーにおいて、前記変更済み基準信号のデューティーサイクルは、アンテナで受けた信号の周波数に応じて予め定められ、これによって、アンテナで受けた信号の周波数の近辺に存在する任意の可能性のある高調波の影響を最小化する。そして、レシーバーがアクティブ化されるとすぐに、最適なデューティーサイクルがセットされ、最適化された受信をするためにレシーバーがアクティブ化するごとにセットアップ時間が必要ではない。
【0019】
添付の図面を参照しながら、例を用いて本発明について下に詳細に説明する。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術に係る信号レシーバーの図である。
図2】本発明に係るレシーバーの図である。
図3】制御されたデューティーサイクルを有する変更済み基準信号を作る本発明に係る基準発振器の図である。
図4】制御されたデューティーサイクルを有する高周波数信号を作る本発明に係る周波数合成器の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のように、本発明は、新規な基準発振器20を提供する。本発明は、さらに、周波数合成器70及び基準発振器20を有する信号レシーバーを提供する。
【0022】
図3は、本発明に係る基準発振器20、例えば、MEMSや水晶発振器、を詳細に示している。この基準発振器20は、基準共振器22にロックされる基準ジェネレーター24を有する。共振器22は、MEMS共振器、水晶共振器又は同様な共振器であることができる。特許出願EP2869483A1には、共振器22と基準ジェネレーター24の実装例についても記載されている。信号ジェネレーター24は、典型的には数MHz、例えば、26MHz、の範囲内にある、一定であり安定した基準周波数frefの初期の基準信号26を供給する。
【0023】
図3に示しているように、本発明に係る基準発振器20において、ジェネレーター24は、デューティーサイクルの調整回路30に接続される。この調整回路30は、信号ジェネレーター24からの初期の基準信号26をベースとして、ON時間51とOFF時間52が交替するシーケンスを有する矩形波形などを有する変更済み基準信号50を生成する。デューティーサイクルrは、変更済み基準信号50のON時間51の継続時間とOFF時間52の継続時間の間の関係を定める。
【0024】
本発明に係る発振器20において、デューティーサイクルの調整回路30は、少なくとも1つの調整パラメーターに応じて所定のデューティーサイクルrを有する変更済み基準信号を供給するように構成しており、これによって、変更済み基準信号50の少なくとも1つの高調波成分を最小化する。図2の例において、基準発振器20は、信号レシーバーを作るために用いられ、後で説明する図においてわかりやすく示しているように、アンテナで受けた又は増幅された電磁気信号の周波数に応じて少なくとも1つの調整パラメーターが選択される。
【0025】
矩形信号において、ランクhの高調波の振幅は、[sin(pi・h・r)]/(pi・h・r)に比例する。ここで、piは、アルキメデスの定数であり、rは、矩形信号のデューティーサイクルであり、hは、関心事の高調波のランクである。このように、デューティーサイクルrをセットすることによって、所望のRF信号のスペクトルに寄生的に注入された変更済み基準信号50の少なくとも1つの高調波成分の振幅を最小化し、したがって、受信周波数の近傍の高調波の汚染を最小化することができる。図2に破線の矢印によって示しているように、変更済み基準信号50によって、寄生結合を介して入力12に信号50の高調波が導入される。
【0026】
1つの実施形態において、基準発振器20は、ユーザーがデューティーサイクルの少なくとも1つの調整パラメーターを調整回路に供給することを可能にするマンマシンインタフェースMMI(図示せず)を備える。実際の実装例において、MMIは、受信する信号の周波数をユーザーが選択することを可能にする選択ボタンと、受信しがちな信号の周波数ごとに、デューティーサイクルを調整するために必要な一又は複数のパラメーターを含む表を格納するメモリーとを備えることができる。
【0027】
図3における実施形態において、調整回路30は、変更済み基準信号を生成する回路、フェーズロックループ(PLL)31を有する回路、カウンター32、コンパレーター33、及びパルスジェネレーター34を備える。PLL31は、基準ジェネレーター24に接続され、基準信号(f=n・fref)の周波数frefよりもn倍であるように大きい周波数の信号を作る。カウンター32は、PLLに接続され、PLLが作る信号のパルスをカウントする。カウンターは、前記数nを超える数までカウントすることができるように選ばれる。コンパレーター33は、カウンター32の出力に接続され、カウントしたパルスの数を所定の値mと比較する。コンパレーター33は、そのカウントしたパルスの数が所定の値mよりも小さければON信号を作り、そうでなければOFF信号を作る。最後に、パルスジェネレーター34は、基準ジェネレーター24に接続される。パルスジェネレーター34は、初期の基準信号と同じ周波数frefの初期化信号を作る。この初期化信号は、パルスのシーケンスによって構成しているパルス信号であり、例えば、基準信号26の立上りエッジごとに1つのパルスが作られる。初期化信号は、カウンターの初期化入力に与えられ、カウンターをゼロにリセットする。アプリケーションに応じて、MMIインタフェースなどを介して、調整パラメーターm、n又はm/nが供給される。
【0028】
コンパレーターの出力で得られる変更済み基準信号は、周波数frefの矩形信号であり、これは、期間Tにおいて、第1の時間T1=m/frefの間はONであり、そうでなければOFFである。したがって、この実施形態において得られる変更済み基準信号のデューティーサイクルは、r=m/n=T1/Tであり、パラメーターm及びnによって与えられる。本発明によると、上で説明したように、パラメーターm及びnは予め定められている。
【0029】
図3における実施形態において、調整回路は、さらに、初期の基準信号26の1つのフランク部に変更済み基準信号を同期させる同期回路35を備える。この同期回路35によって、調整回路30の可能性のある位相ドリフトを克服することができる。このように、この同期回路35は、例えば、PLL31を用いることを可能にする。これは、やや貧弱なノイズ特性を有するがパワーと大きさが小さくなっているという利点がある。
【0030】
同期回路35は、図3の例において、RSフリップフロップであり、そのSET入力は、パルスジェネレーター34に接続され、そのRESET入力は、コンパレーター33の出力に接続され、RSフリップフロップ35の出力において同期された変更済み基準信号50を利用可能であり、このRSフリップフロップ35は、RFレシーバーの周波数マッチング回路36に接続されることができる。このRSフリップフロップがそのSET入力にて初期化信号を受信すると必ず、RSフリップフロップの出力がOFFからONに変わる。このようにして、このRSフリップフロップからの出力信号が、初期の基準信号26の1つのフランク部に同期される。
【0031】
図4は、基準発振器20と、及び高周波数発振信号OUT80を作る周波数マッチング回路36とを備える本発明に係る周波数合成器の1つの実施形態を詳細に示している。基準発振器20は、例えば、図3のものと同一である。この周波数マッチング回路は、電圧制御発振器VCO64、デバイダー回路65、位相検出器61、差動電荷ポンプ62、ローパスフィルター63及びパラメーター化回路66を有するフェーズロックループ36である。
【0032】
また、変更済み基準信号50は、VCO64の入力における入力信号50の高調波の寄生結合によっても導入されることができることには留意すべきである。
【0033】
発振器64は、所定の周波数帯の範囲内の高周波数発振信号OUTを供給する。デバイダー回路65は、信号OUTの周波数をファクターNで割って、除算済み周波数信号fdivを供給する。パラメーター化回路66は、所望の周波数及び除算済み周波数fdivに応じてファクターNを調整する。位相検出器61は、基準周波数frefにおける変更済み基準信号50を、デバイダー回路によって供給される除算済み周波数信号と比較する。位相検出器61は、この比較の結果に応じて2つの制御信号UP、DOWNを差動電荷ポンプ62に供給する。電荷ポンプ62は、UP又はDOWNの信号に応じてフィルター63における電荷を注入又は引き出す。ローパスフィルター63は、電荷ポンプの出力信号S1をフィルタリングし、これによって、フィルタリング済みの制御信号SFを電圧制御発振器64に供給する。
【0034】
高周波数発振信号80のスペクトルは、発振器64によって供給される周波数信号を示しており、1つの信号が、主成分fout81と、及び初期の基準信号26の高調波によって生成される高調波汚染fp82とを含んでいる。主成分81と高調波汚染82どうしが近すぎる場合、発振器64は、周波数fout±k(fout−fp)の一連の付加的な高調波を作る。これは、「VCOプル」として知られている現象である。調整回路30によって、好ましいことに、初期の基準信号26の高調波82を制限することを可能にし、したがって、「VCOプル」現象を制限することを可能にする。
【0035】
最後に、図2は、本発明に係る信号レシーバー10を詳細に示している。このレシーバー10は、アンテナ12、ローノイズアンプ(LNA)14、ミキサー16及びバンドパスフィルター又はローパスフィルター18を有する。アンテナ12は、電磁気信号を受けるように構成している。本発明によると、レシーバー10は、さらに、本発明に係る基準発振器20を有する基準周波数シンセサイザーと、周波数マッチング回路36を有する。アンプ14は、アンテナ12に接続されており、アンテナ12が受けた信号を増幅する。基準発振器20は、所定のデューティーサイクルでON時間とOFF時間を交替する変更済み基準信号50を生成する基準共振器22を有する。ミキサー16は、アンプ14と周波数マッチング回路36に接続され、これによって、増幅済みの受信信号を高周波数信号OUT80と混合し、中間信号40を生成する。最後に、バンドパス(又はローパス)フィルター18は、ミキサー16の出力に接続され、これによって、中間信号40をフィルタリングする。アンテナ12、アンプ14、ミキサー16及びフィルター18の実装は、欧州特許出願EP2869483A1に詳細に記載されている。この特許出願を参照によってここに組み入れる。基準発振器20及び周波数マッチング回路36は、図3及び4にしたがって作ることができる。なお、周波数マッチング回路36は、アンテナで受けた信号が基準信号の周波数から離れた周波数を有する場合にのみここで有用である。そうでなければ、レシーバーを周波数マッチング回路36なしで作るようにすることができる。
【0036】
上の説明から、請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、当業者であれば、基準発振器、周波数合成器及び信号レシーバーの多くのバリエーションを考え出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0037】
10 信号レシーバー
12 アンテナ
14 ローノイズアンプ
16 ミキサー
18 フィルター
20 基準発振器
22 基準共振器
24 基準ジェネレーター
26 初期の基準信号
30 調整回路
31 フェーズロックループ(PLL)
32 カウンター
33 コンパレーター
34 パルスジェネレーター
36 周波数マッチング回路
40 中間信号
50 変更済み基準信号
61 位相検出器
62 電荷ポンプ
63 ローパスフィルター
64 電圧制御発振器
65 デバイダー回路
70 周波数合成器
80 高周波数発振信号
MMI マンマシンインタフェース
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】
2019205160000001.pdf