特開2019-205598(P2019-205598A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000003
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000004
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000005
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000006
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000007
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000008
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000009
  • 特開2019205598-食器洗い機 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-205598(P2019-205598A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20191108BHJP
   A47L 15/48 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   A47L15/42 E
   A47L15/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-102061(P2018-102061)
(22)【出願日】2018年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】冨山 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 将蔵
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BE01
3B082BE02
3B082EE01
3B082EE02
(57)【要約】
【課題】扉の開閉時に、連通通路に設けられた開閉弁が開閉するときの開閉音を抑制して騒音の発生を防止する。
【解決手段】本体1と、被洗浄物5を収容する食器かご4と、本体1内に設けられ食器かご4を収容する洗浄槽2と、洗浄槽2を開閉する扉1aと、被洗浄物5を洗浄する洗浄装置と、洗浄槽2の内部と本体1の外部とを連通する連通部と、洗浄槽2の内部に外気を導入する送風ファン14と、洗浄運転において、少なくとも、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のいずれかを実行する制御部19と、を備え、連通部は、本体1の前面に設けられる排気口17と、排気口17に接続され洗浄槽2の内部と本体1の外部とを連通する連通通路13と、連通通路13を開閉する開閉弁13bと、弾性材料で形成され開閉弁13bが閉状態のときに当接する第1緩衝部13cとを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、被洗浄物を収容する食器かごと、前記本体内に設けられ前記食器かごを収容する洗浄槽と、前記洗浄槽を開閉する扉と、前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記洗浄槽の内部と前記本体の外部とを連通する連通部と、前記洗浄槽の内部に外気を導入する送風ファンと、洗浄運転において、少なくとも、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のいずれかを実行する制御部と、を備え、
前記連通部は、前記本体の前面に設けられる排気口と、前記排気口に接続され前記洗浄槽の内部と前記本体の外部とを連通する連通通路と、前記連通通路を開閉する開閉弁と、弾性材料で形成され前記開閉弁が閉状態のときに当接する第1緩衝部とを備える、
食器洗い機。
【請求項2】
弾性材料で形成され前記開閉弁が全開状態のときに当接する第2緩衝部をさらに備える、請求項1記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記開閉弁は、前記排気口の近傍に設けられ、
前記連通部は、前記排気口と前記連通通路との連結部に弾性材料で形成されるシール部材をさらに有し、
少なくとも前記第1緩衝部および前記第2緩衝部のいずれかと、前記シール部材とは一体で形成される、
請求項1または2記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記開閉弁は、その開閉状態を目視で確認できる位置に設けられる請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内に収納された食器等の被洗浄物を洗浄する食器洗い機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食器洗い機が、図8に示される。図8は、従来の食器洗い機の縦断面図である。本体101内には洗浄槽103が形成される。洗浄槽103の前面開口部は、開閉可自在な扉104で閉塞される。食器が収容される下かご111および上かご112が、洗浄槽103内に設けられる。
【0003】
洗浄水を循環させるポンプ105、下アームノズル109、上アームノズル110が設けられる。洗浄槽103の底面裏に設けられたヒータ108は、洗浄水を加熱する。洗浄槽103の下部に設けられた排水ポンプ106は、洗浄終了後に洗浄水を機外に排出する。送風ファン107は、フィルター117を介して外気を吸入する。吸入された外気はヒータ108を通り、温風となって洗浄槽103内に送風され、食器を乾燥させる。
【0004】
排気口113と連通する排気ダクト114が、洗浄槽103の上面に設けられる。排気ダクト114の途中に開閉弁115が設置されている。開閉弁115は、洗浄、すすぎ、給排水時、洗浄槽103内の騒音漏れおよび蒸気漏れがないよう閉状態である。乾燥時は、送風ファン107が動作し、外気が洗浄槽103内に送風され、洗浄槽103内の上記が排出される。このため、開閉弁115は、送風ファン107による風圧で開状態になる。開閉弁115は、電磁石等を使用して強制的に開閉されることも可能である。排気ダクト114内には、消音材または不織布16が設けられ、騒音低減、結露水の防止効果の向上が図られる。
【0005】
以上の構成により、排気口113を開閉弁115により開閉することができるため、騒音低減、結露水の防止および乾燥効率の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平03−178628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の食器洗い機は、送風ファンの動作時と停止時のほか、扉の開閉時などにも洗浄槽内の圧力が変動する。開閉弁は、このような圧力変動による風圧によって開閉する。しかしながら、送風ファンによる圧力変動は穏やかであるが、扉の開閉時は勢いがあるため、圧力変動は急激なものとなる。この圧力変動により、開閉弁は勢いよく開閉し、排気ダクトに衝突する。これにより、開閉弁の開閉音による騒音が発生するという課題が存在する。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、開閉弁の開閉音による騒音の発生を抑制する食器洗い機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の食器洗い機は、上記目的を達成するために、
本体と、被洗浄物を収容する食器かごと、前記本体内に設けられ前記食器かごを収容する洗浄槽と、前記洗浄槽を開閉する扉と、前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記洗浄槽
の内部と前記本体の外部とを連通する連通部と、前記洗浄槽の内部に外気を導入する送風ファンと、洗浄運転において、少なくとも、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のいずれかを実行する制御部と、を備える。さらに、前記連通部は、前記本体の前面に設けられる排気口と、前記排気口に接続され前記洗浄槽の内部と前記本体の外部とを連通する連通通路と、前記連通通路を開閉する開閉弁と、弾性材料で形成され前記開閉弁が閉状態のときに当接する第1緩衝部とを備える。
【0010】
この構成によって、扉が開閉されたとき、および、送風ファンが動作したり停止したりしたときに、洗浄槽の内圧が変動する。そして、この内圧変動において内圧が高くなると連通通路から空気が排出され、その風圧によって連通通路に設けられる開閉弁が開閉する。しかし、開閉弁が閉じるときに連通通路に衝突しても、弾性部材で形成される第1緩衝部が受け止めることにより開閉音を抑制する。これによって、開閉弁の開閉音による騒音が発生する課題を解決する食器洗い機を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の食器洗い機は、扉の開閉時に、連通通路に設けられた開閉弁が勢いよく開閉するときの開閉音を抑制して騒音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1における食器洗い機の側面断面図
図2】本発明の実施の形態1における食器洗い機の正面図
図3】本発明の実施の形態1における食器洗い機の前面の要部拡大図
図4図2のA−A断面図
図5図2のA−A断面部分の斜視図
図6図2のA−A断面部分の要部拡大図
図7】本発明の他の実施の形態における食器洗い機の斜視図
図8】従来の食器洗い機の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明の食器洗い機は、
本体と、被洗浄物を収容する食器かごと、前記本体内に設けられ前記食器かごを収容する洗浄槽と、前記洗浄槽を開閉する扉と、前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記洗浄槽の内部と前記本体の外部とを連通する連通部と、前記洗浄槽の内部に外気を導入する送風ファンと、洗浄運転において、少なくとも、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のいずれかを実行する制御部と、を備える。さらに、前記連通部は、前記本体の前面に設けられる排気口と、前記排気口に接続され前記洗浄槽の内部と前記本体の外部とを連通する連通通路と、前記連通通路を開閉する開閉弁と、弾性材料で形成され前記開閉弁が閉状態のときに当接する第1緩衝部とを備える。
【0014】
この構成によって、扉が開閉されたとき、および、送風ファンが動作したり停止したりしたときに、洗浄槽の内圧が変動する。そして、この内圧変動において内圧が高くなると連通通路から空気が排出され、その風圧によって連通通路に設けられる開閉弁が開閉する。しかし、開閉弁が閉じるときに連通通路に衝突しても、弾性部材で形成される第1緩衝部が受け止めることにより開閉音を抑制して騒音の発生を防止できる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明において、
弾性材料で形成され前記開閉弁が全開状態のときに当接する第2緩衝部をさらに備える。この構成によって、洗浄槽の内圧変動による風圧によって開閉弁が開閉し、開閉弁が全開するときに連通通路に衝突しても、弾性部材で形成される第2緩衝部が受け止めることにより開閉音を抑制して騒音の発生を防止できる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、
前記開閉弁は、前記排気口の近傍に設けられ、前記連通部は、前記排気口と前記連通通路との連結部に弾性材料で形成されるシール部材をさらに有し、少なくとも前記第1緩衝部および前記第2緩衝部のいずれかと、前記シール部材とは一体で形成される。この構成によって、連通部の部品点数を削減することができるとともに、組立性が向上する。
【0017】
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれかの発明において、
前記開閉弁は、その開閉状態を目視で確認できる位置に設けられる。この構成によって、開閉弁の動作状態の確認が容易になる。また、連通部に関連する異常が発生した場合、その原因が開閉弁によるものか否かの判定が容易になる。さらに、開閉弁が異常の原因である場合の不具合解消が容易になる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の側面断面図である。なお、図1は、食器洗い機がシステムキッチンSKにビルトインされた状態を示す。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態の食器洗い機は、本体1と、扉1aと、洗浄槽2と、洗浄ポンプ6と、給水弁10などを含む。なお、以降の各実施の形態において、図中に示すように、前方向は扉1aおよび洗浄槽2が引き出される方向、後方向は洗浄槽2が収納され扉1aが閉じられる方向、として説明する。また、食器洗い機の設置側を下方、反対側を上方とし、さらに、扉1aの正面に向かって右側を右方、左側を左方として、説明する。
【0021】
具体的には、洗浄槽2は、内部に、食器かご4と、洗浄ノズル7と、排水口8と、残さいフィルタ8aなどを含む。洗浄槽2は、本体1の内部に、前後方向に出し入れ可能に設けられる。洗浄槽2は、上面に開口部2aを有する。開口部2aは、本体1内に収容されたときに、本体1内に配設される蓋3で閉塞される。食器かご4は、食器などの被洗浄物5が載置される。扉1aは、洗浄槽2の前部に設けられ、本体1の前面を開閉する。給水弁10は、本体1の後部内側に設けられる。給水弁10は、開放により、洗浄水となる、例えば水道水を、洗浄槽2に供給する。
【0022】
被洗浄物5を洗浄する洗浄装置は、洗浄ポンプ6、洗浄ノズル7、ヒータ9などを含む。洗浄ポンプ6は洗浄槽2の底面外側、洗浄ノズル7は洗浄槽2内の底部に設けられる。洗浄ポンプ6は、洗浄槽2内に溜められた洗浄水を洗浄ノズル7に加圧して供給、すなわち圧送する。洗浄ノズル7は、圧送された洗浄水の反力により回転しながら、被洗浄物5に向けて洗浄水を噴射する。洗浄ノズル7から噴射された洗浄水は、被洗浄物5に衝突して洗浄を行う。なお、洗浄水は、洗剤を含んで被洗浄物5に噴射される洗浄液と、被洗浄物5をすすぐためのすすぎ水とを含む。
【0023】
排水口8とヒータ9は、洗浄槽2内の底部に設けられる。残さいフィルタ8aは、排水口8に着脱自在に設けられ、被洗浄物5から洗浄、除去された残さいを捕集する。ヒータ9は、洗い工程において、洗浄槽2内に溜められた洗浄水を加熱する。ヒータ9は、乾燥工程において、洗浄槽2内の乾燥用空気を加熱する。温度センサ11は、洗浄槽2の底面外側に配設され、洗浄槽2の温度を検知する。
【0024】
なお、洗浄ポンプ6は、吸い込み側が排水口8に連通され、残さいフィルタ8aで残さ
いが除去された洗浄水を循環させる。さらに、洗浄ポンプ6は、循環時のモータの回転方向を反転させることにより、残さいが除去された洗浄水を排水する排水ポンプとして構成される。なお、洗浄ポンプ6は洗浄水の循環専用に設けられ、別途、排水用の排水ポンプが設けられてもよい。
【0025】
被洗浄物5を乾燥する乾燥装置が、洗浄槽2と扉1aとの間に設けられる。乾燥装置は、第2連通通路である給気通路12と、排気経路となる連通通路13および通気口13aと、送風ファン14と、ヒータ9などを有する。通気口13aは、連通通路13において本体1の外部側開口である。給気通路12および連通通路13は、それぞれ洗浄槽2の内部と本体1の外部とを連通する。
【0026】
給気通路12に送風ファン14が設けられ、洗浄槽2内に外部の空気を導入する。この導入圧力によって、洗浄槽2内の空気が、連通通路13を介して通気口13aから外部に排出される。ヒータ9は、上記したように、乾燥工程において、送風ファン14により給気通路12を介して導入された乾燥用空気を加熱する。連通通路13の断面積および通気口13aの開口面積は、乾燥工程において、十分な乾燥用空気の風量が確保でき、送風抵抗が大きくならない程度に設定される。なお、送風ファン14は、連通通路13に設けられてもよい。
【0027】
洗浄槽2の外部の空気を送風する送風装置が、洗浄槽2と扉1aとの間の空間S2で乾燥装置の上方に設けられる。送風装置は、洗浄槽2の外部の空気を導く送風通路15および第2送風ファン16と、送風通路15の出口となる吹出口15aとを有する。送風装置は、洗浄槽2の外部であって、洗浄槽2と扉1aの間の空間S2に侵入する空気を送風する。
【0028】
図2は、本実施の形態1における食器洗い機の正面図である。図3は、同食器洗い機の前面の要部拡大図であり、排気口を示す。図4は、図2のA−A断面図である。図5は、図2のA−A断面部分の斜視図である。図6は、図2のA−A断面部分の要部拡大図である。
【0029】
図2に示すように、排気口17が、扉1aに設けられる。排気口17は、図3図6に示すように、下段に位置する通気口13aと、上段に位置する吹出口15aとが隔壁18を挟んで上下に隣接して構成される。隔壁18は、一点鎖線(図6)で示す排気口17の前端17aより後退した位置まで設けられる。すなわち、隔壁18の前端18aから排気口17の前端17aまでとなる排気口17の内部に、通気口13aからの空気と吹出口15aからの空気とが合流するための空間S1が設けられる。
【0030】
排気口17の前部に、奥行き方向に幅を有し、隔壁18と直角に交差する縦方向のリブ20が、排気口17の全幅にわたって等間隔に形成されている。この複数のリブ20によって、排気口17から排出される空気が空間S1で撹拌される効果があるほか、使用者が通気口13aに指を挿入することができないこと、および、通気口13a内部が見えにくく美観が損なわれないこと、などの効果がある。
【0031】
また、連通通路13は、上下方向に配設され、排気口17に向けて直角に曲げられる。そして、連通通路13の曲げ部分に後端を支点として、上下に開閉する開閉弁13bが設けられる。開閉弁13bは、洗浄槽2内で発生する水音が外部に漏れることを抑制するとともに、湿潤空気の排出も抑制する。開閉弁13bは自重で閉じる。このため、少しの風量でも開くように(図4〜6に矢印Lで示す)、連通通路13の内周に収まるように小さめで軽量に構成される。図6において、開閉弁13bは、実線が閉じた状態であり、破線が全開の状態である。
【0032】
開閉弁13bが連通通路13に当接する部分には、ゴムなどの弾性部材で形成される緩衝部が設けられる。図6に示すように、緩衝部は、開閉弁13bが閉じているときに開閉弁13bの前端近傍が当接する部分に第1緩衝部13cが設けられる。さらに、開閉弁13bが全開しているときに開閉弁13bの前端近傍が当接する部分に第2緩衝部13dが設けられる。これにより、開閉弁13bが動作したときに前端近傍が連通通路13に衝突したとしても、緩衝部によって衝突音が抑制され、騒音の発生を防止できる。
【0033】
本実施の形態において、開閉弁13bは、排気口17の近傍に設けられ、リブ20の間からその開閉状態を目視で確認できる位置に設けられる。この構成によって、開閉弁13bの動作状態の確認が容易になる。したがって、例えば、連通部に関連する異常が発生した場合、その原因が開閉弁13bによるものか否かの判定が容易になる。さらに、開閉弁が異常の原因である場合の不具合解消が容易になる。連通部に関連する異常には、乾燥不良および結露などがある。例えば、開閉弁13bが閉じたままの状態では、洗浄槽2内の湿潤空気の排出効率が低下するため、乾燥性能不良となり、乾燥工程において異常に時間がかかったり、乾燥状態が悪くなったりする。また、開閉弁13bが開いたままの状態では、洗い工程およびすすぎ工程において、洗浄槽2内の湿潤空気が漏れ出て、排気口17または本体表面Pに結露したりする。
【0034】
図6に示すように、シール部材21が、排気口17と連通通路13との連結部分に設けられる。シール部材21は、連結部分をシールし、扉1aの内側に湿潤空気が漏れることを防止する。シール部材21は、ゴムなどの弾性部材を利用し断面U字形状でリング状に形成される。排気口枠17bは、後部に溝が形成され、シール部材21を介して連通通路13が嵌め込まれる。
【0035】
上述したように、開閉弁13bは、排気口17の近傍に設けられる。本実施の形態では、このように構成することにより、第1緩衝部13c、第2緩衝部13dおよびシール部材21は、同じ弾性部材で一体に成形される。これにより、連通部の部品点数を削減することができる。また、組立性も向上する。
【0036】
さらに、制御部19が、洗浄槽2と扉1aとの間の空間S2に設けられる。制御部19は、洗浄運転において、少なくとも、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のいずれかを実行し、洗浄装置、送風ファン14および第2送風ファン16などを制御する。特に、連通部の送風ファン14は、乾燥工程において運転される。これにより、被洗浄物5および洗浄槽2内部の乾燥が効率よく行われ、乾燥時間が短縮される。
【0037】
また、送風装置の第2送風ファン16は、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程のうち少なくとも1つの工程において、洗浄槽2内の温度が上昇し、湿度が高い湿潤空気が、連通通路13を通じて排出されるときに運転され、吹出口15aから送風される。
【0038】
以上のように、本実施の形態の食器洗い機は構成される。
【0039】
つぎに、上記構成を備える食器洗い機の使用および動作について、説明する。まず、使用者は、扉1aのハンドル1aaを把持して、食器洗い機の本体1から洗浄槽2を引き出す。つぎに、使用者は、洗浄槽2の上部の開口部2aから食器などの被洗浄物5を食器かご4にセットする。そして、所定量の洗剤を、洗浄槽2内に投入する。つぎに、使用者は、洗浄槽2を本体1内に押し込んで、扉1aを閉じる。
【0040】
そして、使用者は、制御部19に接続された操作部19aで、運転コースを設定し、例えば開始ボタン(図示せず)を操作して、洗浄運転を開始する。これにより、制御部19
は、運転コースに基づいて、洗浄運転を実行する。つまり、制御部19は、被洗浄物5の汚れを落とす洗い工程、被洗浄物5に付着した洗剤および残さいを流す、すすぎ工程、および、被洗浄物5を乾燥させる乾燥工程を、以下で説明する方法により、順番に実行する。
【0041】
まず、洗浄運転の洗い工程について、説明する。制御部19は、はじめに、給水弁10を動作させて、所定量の洗浄水を洗浄槽2に供給する。給水が完了すると、洗浄ポンプ6を駆動して洗浄水を圧送し、洗浄槽2の底部近傍に配設された洗浄ノズル7から洗浄水を噴射する。
【0042】
つぎに、制御部19は、洗浄水を噴射しながらヒータ9に通電し、洗浄水を加熱する。このとき、制御部19は、温度センサ11により洗浄槽2の底面の壁を介して、洗浄水の温度を検知する。そして、制御部19は、洗浄水が所定温度となるように制御する。
【0043】
噴射された洗浄水は、被洗浄物5の汚れを洗浄し、残さいフィルタ8aと排水口8を通過して、再度、洗浄ポンプ6に吸い込まれる。洗浄ポンプ6は、吸い込んだ洗浄水を圧送し、洗浄ノズル7に洗浄水を供給する。つまり、洗浄水は、上記のように循環して、被洗浄物5を洗浄する。制御部19は、上記洗い工程を、所定時間だけ行う。
【0044】
制御部19は、洗い工程が終了すると、汚れを含む洗浄水を食器洗い機の本体1外に排出する。そして、制御部19は、すすぎ工程を開始し、新たに洗浄水を、洗浄槽2内に供給する。
【0045】
つぎに、制御部19は、洗い工程と同様に、洗浄ポンプ6を運転し、洗浄ノズル7から新しい洗浄水を、被洗浄物5に向けて噴射する。そして、洗浄水で、残留する洗剤および残さいなどを、被洗浄物5から洗い流す。このとき、制御部19は、洗浄水の排出、洗浄水の供給などの動作を、例えば2回〜3回繰り返して実行し、すすぎ工程を行う。特に最後のすすぎ動作において、洗浄水を高温に加熱する加熱すすぎを行う。これにより、被洗浄物5および洗浄槽2内部が高温に加熱され、乾燥工程での水分蒸発が促進される。
【0046】
そして、制御部19は、すすぎ工程が終了すると、乾燥工程を行う。制御部19は、送風ファン14およびヒータ9を制御し、洗浄槽2内に導入される空気を加熱しながら連通通路13を通じて洗浄槽2内の湿潤空気を排出し、被洗浄物5を乾燥させる。このとき、開閉弁13bは送風の圧力によって開閉する。制御部19は、乾燥工程を所定時間行ったのち、食器洗い機の洗浄運転を終了する。
【0047】
このような使用状況において、使用者が扉1aを開閉するとき、洗浄槽2の内圧が変動する。特に、扉1aが閉じられたときには、内圧が高くなり、連通通路13から空気が排出される。その風圧によって、連通通路13に設けられる開閉弁13bが開閉する。扉1aが勢いよく閉じられるほど、開閉弁13bは激しく開閉し、全開まで達することにより、開閉弁13bの前端近傍が連通通路13の上下に衝突する。本実施の形態においては、このような場合でも、第1緩衝部13cまたは第2緩衝部13dが衝突による開閉音を抑制し、騒音の発生を防止できる。
【0048】
また、乾燥工程において、送風ファン14が送風を開始したとき、および、送風を停止したときにも、開閉弁13bの開閉音が発生する可能性がある。本実施の形態においては、このような場合でも、第1緩衝部13cまたは第2緩衝部13dが開閉音を抑制し、騒音の発生を防止できる。
【0049】
つぎに、本実施の形態の食器洗い機における送風装置の動作について、上記の通り行わ
れる洗い工程およびすすぎ工程と、乾燥工程とに分けて説明する。
【0050】
まず、洗い工程およびすすぎ工程において、連通部の送風ファン14は運転されない。しかし、洗浄槽2の内部では、加熱された洗浄水が、洗浄ノズル7から激しく噴射される。このため、洗浄槽2内は湿潤空気が充満する。そして、充満した湿潤空気は、洗浄槽2内での空気の対流や、ヒータ9の加熱による蒸気発生および空気の膨張により、連通通路13および通気口13aを通じて、漂うように少しずつ排出される。この現象は、連通部に給気通路12および送風ファン14が設けられていなくても発生しうる現象である。
【0051】
なお、本実施の形態の食器洗い機においては、連通通路13に開閉弁13bが設けられるが、開閉弁13bは少しの風量でも開くように連通通路13の内周に収まるように小さめで軽量に構成されており、湿潤空気の通過を完全に防止できるものではない。
【0052】
通気口13aに達した湿潤空気は、排気口17から本体外部に排出される。漂うように排出される湿潤空気は、破線矢印W1(図4図5)のように、排気口17の上部および上方に設けられたパネル、操作部、またはキッチンのキャビネットなどの本体表面Pに沿いながら上昇する。このとき、本体表面Pは外部の気温とほぼ同じ温度であり、気温が低いと本体表面Pに結露が発生する。
【0053】
そこで、制御部19は、洗い工程およびすすぎ工程において、洗浄槽2内の温度が高く、湿潤空気が発生するときに、送風装置の第2送風ファン16を制御して送風する。そして、通気口13aの上段に設けられた吹出口15aから、矢印Xのように、洗浄槽2の外部の空気が吹き出される。これにより、通気口13aから排出される湿潤空気は、矢印W2のように、隔壁18が途切れた前端18aの位置から吹出口15aから吹き出される空気に抑え込まれながら、排気口17から排出され、パネルなどの本体表面Pに触れることがない。そして、本体表面Pに結露が発生することが防止される。
【0054】
また、湿潤空気は、排気口17の内部に設けられた空間S1において、吹出口15aからの空気と混合され、排気口17から排出される空気の温度が低下する。したがって、洗い工程またはすすぎ工程の洗浄運転中に、使用者が排気口17に近接しても、使用者は高温の湿潤空気に直接触れることが抑制される。これにより、使用者が排気口17に近づいたときに、熱かったり濡れたりするような不快な思いをすることを抑制できる。
【0055】
つぎに、乾燥工程における送風装置の動作について説明する。
【0056】
乾燥工程においては、連通部の給気通路12に設けられた送風ファン14が運転され、洗浄槽2内に外部の空気が導入される。この導入圧力によって、洗浄槽2内の湿潤空気は、矢印W2のように、相応の風量で連通通路13を介して通気口13aから、排出される。特に、乾燥工程の初期は、高温の湿潤空気が排出されるため、送風ファン14の風量は少なく設定される。しかしながら、その風量は、洗い工程およびすすぎ工程において排出される空気量より多い。したがって、制御部19は、この湿潤空気を抑え込めるように送風装置の第2送風ファン16を制御し、矢印Xのように、送風する。そして、湿潤空気は、排気口17の内側に設けられた空間S1において、吹出口15aからの空気と混合され、排気口17から排出される空気の温度が低下する。これにより、使用者が排気口17に近づいても不快な思いをすることを抑制できる。
【0057】
なお、本実施の形態では、開閉弁13bは、上下に開閉し、自重で閉じる構成で説明したが、これに限られない。例えば、開閉弁13bが水平方向に開閉し、閉じる方向にバネや樹脂などの小さな弾性力が付勢される構成でもよい。
【0058】
また、第1緩衝部13cおよび第2緩衝部13dについて、開閉弁13bの前端近傍が当接する構成としたが、これに限られない。すなわち、開閉弁13bが連通通路13に衝突しなければいずれの位置に形成されてもよい。特に、第1緩衝部13cについては、開閉弁13bの支点となる後端を除く全周が当接するように形成されるとシール性も向上して好ましい。
【0059】
また、第1緩衝部13cと第2緩衝部13d、およびシール部材21との全てが一体で形成される構成で説明したが、これに限られない。例えば、少なくとも第1緩衝部13cおよび第2緩衝部13dのいずれかと、シール部材21とが一体で形成される構成でもよい。
【0060】
以上説明したように、連通部に連通通路13を開閉する開閉弁13bを備え、弾性材料で形成され開閉弁13bが閉状態のときに当接する第1緩衝部13cが設けられることにより、開閉弁13bが閉じるときに連通通路13に衝突しても、第1緩衝部13cが受け止めることにより衝突音を抑制して騒音の発生を防止できる。
【0061】
また、開閉弁13bが全開状態のときに当接する第2緩衝部13dがさらに設けられることにより、開閉弁13bが全開するときに連通通路13に衝突しても、第2緩衝部13dが受け止めることにより衝突音を抑制して騒音の発生を防止できる。
【0062】
また、開閉弁13bは、排気口17の近傍に設けられ、排気口17と連通通路13とはシール部材21を介して接続され、少なくとも第1緩衝部13cおよび第2緩衝部13dのいずれかと、シール部材21とは一体で形成されることにより、連通部の部品点数を削減することができるとともに、組立性が向上する。
【0063】
また、開閉弁13bは、その開閉状態を目視で確認できる位置に設けられることにより、開閉弁13bの動作状態の確認が容易になる。これによって、連通部に関連する異常が発生した場合、その原因が開閉弁によるものか否かの判定が容易になる。さらに、開閉弁が異常の原因である場合の不具合解消が容易になる。
【0064】
なお、本実施の形態の食器洗い機においては、乾燥効率を向上させることを目的とした乾燥装置として連通部を構成し、給気通路12と送風ファン14が設けられる構成で説明した。しかし、給気通路12と送風ファン14とを設けずに、連通部を連通通路13および通気口13aで構成し、少なくとも、すすぎ工程の余熱またはヒータ9による洗浄槽2内の加熱で乾燥工程を行う構成でもよい。この構成であれば、乾燥工程における湿潤空気の大量の排出はないが、洗い工程およびすすぎ工程と同様の湿潤空気の排出が発生し、本実施の形態で説明した送風装置の作用と効果は有効である。
【0065】
また、本実施の形態の食器洗い機においては、洗浄槽2が引き出し式の構成で説明したが、図7に示すような引き出し式の食器洗い機でも適用できる。さらに、図示しないが、前面扉が、下端を蝶番として上端が前下方に回動して開閉されるフロントオープン式の食器洗い機でもよい。
【0066】
図7において、本体71の内部に洗浄槽72が構成される。扉73は、支持レール74によって支えられ、前後にスライドして洗浄槽72の前面開口部72aを開閉する。食器かご75はかごレール76によって支えられ、扉73に係止されて前後にスライドする。送風装置および連通部は、扉73の内部に構成され、前面に排気口77を備える。送風装置は、扉73の側面または下面などに設けられた開口部78から外部の空気を導入することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、扉の開閉時に、連通通路に設けられた開閉弁が勢いよく開閉するときの開閉音を抑制して騒音の発生を防止できるので、家庭用の食器洗い機として有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 本体
1a 扉
2 洗浄槽
2a 開口部
3 蓋
4 食器かご
5 被洗浄物
6 洗浄ポンプ
7 洗浄ノズル
8 排水口
9 ヒータ
10 給水弁
11 温度センサ
12 給気通路(第2連通通路)
13 連通通路
13a 通気口
13b 開閉弁
13c 第1緩衝部
13d 第2緩衝部
14 送風ファン
15 送風通路
15a 吹出口
16 第2送風ファン
17 排気口
17a 前端
18 隔壁
18a 前端
19 制御部
20 リブ
21 シール部材
71 本体
72 洗浄槽
72a 前面開口部
73 扉
74 支持レール
75 食器かご
76 かごレール
77 排気口
78 開口部
P 本体表面
S1 空間
S2 空間
SK システムキッチン
L 矢印
W1 破線矢印
W2 矢印
X 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8