に示す補正値と仮回遊回数とにより、仮回遊回数や実遊技者数、或いは遊技者1人当りの平均遊技情報を補正する。これにより、遊技装置2での記録媒体の受付状況に応じた遊技者の入替り状況の判定の精度を高めることが可能となる。
前記補正情報導出手段は、前記補正回遊情報によって延べ遊技者数との対応関係が示される補正実遊技者数に対応した前記補正遊技情報を導出することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の(複数機種の)遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2(受付手段、価値受付手段)が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は2台ずつ中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5(設定手段、判定手段、仮回遊情報特定手段、補正情報導出手段、価値受付手段)と接続されている。
【0010】
遊技場内にはPOSや残高精算機(いずれも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN4を介して管理装置5と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
【0011】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6、モニタ7、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
【0012】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、
図2に示すように、遊技盤面8に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル9、上受皿10、下受皿11を有し、上受皿10には残高表示部12、貸出釦13、返却釦14が設けられていると共に、遊技盤面8には普図入賞口15、普図表示部16、普図保留表示部17、特図表示部18、第1保留数表示部19、第2保留数表示部20、一般入賞口21、第1始動口22、第2始動口23、大入賞口24が設けられている。
【0013】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口22は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口23は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口22,23への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部18にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0015】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/260であり、大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口24を開放する。1Rの上限入賞数は9個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。尚、ラウンド振分は4Rが50%、6Rが30%、9Rが20%となっている。
【0016】
(4)大当りが終了すると確変(ST)となり、ST中は大当り確率が1/74に向上すると共に、第2始動口23の入賞率が高くなる時短状態(時短)となる。尚、STは次回大当りの発生、150回の図柄変動のいずれかとなるまで継続し、大当りが発生しない場合、その後は通常状態となる。
【0017】
(5)第2始動口23は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒、時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒、時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口23の入賞率が高くなる。
【0018】
(6)一般入賞口21はST中に遊技盤面8の右側を狙って打つ所謂右打ちを行った場合であっても入賞可能な位置に設けられており、一般入賞口21に入賞(一般入賞)した場合には10個の賞球はあるが、図柄変動等は行われない。
【0019】
(7)
図2に示す機種Aには遊技中の遊技者の顔の側方及び上方を覆う枠外役物25(阻害要因)が設けられており、枠外役物25に設けられる枠外表示部26にて図柄変動や大当り発生に応じた演出を行う。
【0020】
以上は例えば機種Aを例にして説明したが、例示した値や発生し得る特別状態等のスペックは例えば機種Bであればラウンドの振分が異なったり、枠外役物25としては枠外表示部26がなく例えば龍の形をした役物であったり、枠外役物25がない等、機種に応じて様々となる。
【0021】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口22,23への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0022】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とを想定し得る。
【0023】
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する特図表示部18におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定。尚、始動入賞時に出力される始動入賞信号にて代用しても良い。
【0024】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口23の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。大当り中にも出力する信号でも良く、その場合は、特別状態信号は入力するが大当り信号は入力しない期間を甘中と判定すれば良い。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0025】
図1に示す遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、当該遊技装置2や遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯27、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口28、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部29、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払い出すための払出釦30、払い出された玉が通過する払出ノズル31、持玉券(記録媒体、一般記録媒体)や会員カード(記録媒体、会員記録媒体)が挿入されるカード挿入口32、遊技機1の下受皿11の下方に位置する着脱可能な計数受皿33、対応する遊技機1を遊技する遊技者を撮像するカメラ34等を有する。
【0026】
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣を受け付けると(有価価値が受付けられた場合)(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を表示すると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いた残高の表示とする。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0027】
(2)残高がある状態で遊技機1の貸出釦13が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払い出させ、その対価分を残高から引き落とす。また、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払い戻すことも可能であり、その払い戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定することも可能である。
【0028】
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14が押下(発行操作)されると、残高や持玉を特定可能な持玉券を発行する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが可能としても良い。
【0029】
(4)計数玉を受付した場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦30の押下に応じて払戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機の返却釦14を押下(発行操作を受付)すると、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な持玉券が発行される。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。また、持玉券を受付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0030】
(5)中継装置3とのシリアル通信(売上信号の出力)により管理装置5にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び持玉券の受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
【0031】
(6)遊技機1で遊技する遊技者の顔をカメラ34により所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像し、その撮像した画像を図示しない画像処理装置に送信する。この場合、カメラ34の撮像視野は、遊技者が遊技機1に対して正対している状態で当該遊技者の顔を含む領域となるように設定されている。遊技者が遊技機1に対して正対して遊技していれば、遊技者の顔を認識可能な画像を撮像して送信することになるが、遊技者が遊技機1に対して正対せず(例えば不自然な方向を向いている等の不自然な姿勢で)遊技していれば、遊技者の顔を認識不可能な画像を撮像して送信することになる。即ち、遊技者の姿勢により遊技者の顔を認識不可能な画像を撮像して送信する場合もあり得る。
【0032】
画像処理装置は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技装置2のカメラ34から受信した画像を処理する。即ち、画像処理装置は、遊技装置2のカメラ34から画像を受信すると、その画像を分析することにより、当該画像の中に遊技者の顔画像が存在するか否かを判定する。具体的には、画像処理装置は、特徴点となる顔のパーツ(輪郭、目、鼻、口、耳、眉毛、ほお骨、あご等)の相対位置、大きさ、形状を利用し、一致する特徴を持つ画像を検索することで、遊技者の顔画像が存在するか否かを判定する。画像処理装置は、皮膚の色、しわ、しみ等を特定する手法を併用し、遊技者の顔画像が存在するか否かを判定しても良い。画像処理装置は、顔画像が存在すると判定すると、その顔画像を管理装置5に送信する。
【0033】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄して当日又は後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービス等を行う。
【0034】
管理装置5は、以下に示す機能を備えている。
(1)遊技機1や遊技装置2等から受信した遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技データを管理する。遊技データとして、アウト玉数、セーフ玉数、遊技機1で発生した大当りの回数を示す大当り回数、遊技機1で実行されたゲームの回数を示すスタート回数、遊技機1が稼動している時間を示す稼動時間等を管理する。尚、管理する遊技データは例示したものに限定されない。
【0035】
(2)遊技機1側からのアウト信号の受信状態に基づいてアウト玉数が発生している状態を稼動状態と判定し、アウト玉数が発生していない状態を非稼動状態と判定する。即ち、アウト玉数の発生を最後に検知した時点から所定時間の経過を検知する前に次のアウト玉数の発生を検知した場合に稼動状態と判定し、アウト玉数の発生を最後に検知した時点から次のアウト玉数の発生を検知する前に所定時間の経過を検知した場合に非稼動状態と判定する。
【0036】
(3)画像処理装置から遊技者の顔画像を受信すると、同一人物判定を行う。同一人物判定では、画像処理装置から受信した顔画像に対して例えば特徴点の抽出等の画像処理を行い、その顔画像と、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像(照合用の顔画像)とを照合し、特徴点の一致率に基づいて同一人物であるか否かを判定する。顔画像の特徴点の一致率が所定値未満であり、その顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像であると判定すると、その顔画像に対応する遊技者を新規の遊技者であると判定し、顔IDを付与して当日の顔画像データベースに登録すると共に、その顔IDを遊技データと対応付けて記憶する。一方、顔画像との特徴点の一致率が所定値以上であり、その顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像であると判定すると、その顔画像に対応する遊技者を既存の遊技者であると判定し、その顔IDに対応付けている遊技データを更新する。
【0037】
さて、上記した機種Aのように枠外役物25があると、遊技装置2に設けられたカメラ34により遊技者を撮像することが難しく、認識率(例えば総稼動時間に対する認識できた遊技者に対応する稼動時間の割合)が他の機種と比較して著しく低下する虞がある。
【0038】
従って、このような遊技者の認識率が著しく低い機種(以下、特定機種)については遊技者を撮像する方法以外で遊技者数を特定する必要がある。特定機種については予め指定することで特定しても良いが、設定条件を設定し、その条件を満たす場合に特定機種として撮像以外の方法で遊技者を特定する。
【0039】
図3は特定機種を設定するための条件を示している。
図3に示す例では、「台数」は3台以上、「台稼動時間」は30分/台以上、「認識率」は40%未満、「特定明示」は明示するという条件が設定されている。
【0040】
「特定明示」について補足する。この項目は
図3の他の設定条件を満たすことで特定機種として撮像する方法以外の別方法にて遊技者を特定した上で遊技情報を特定しているのかを報知するか否かを設定する項目で、「明示する」場合には報知する一方、「明示しない」場合には報知しない。また、報知する場合、特定機種が存在することだけを報知しても良いし、いずれの機種が特定機種であるかを報知しても良い。
【0041】
また、上記別方法は特定機種だけを対象としても良いが、遊技装置2にカメラ34のような撮像手段を設けない遊技場にて全ての機種を対象として採用するように、必ずしも特定機種に限定して採用する必要はない。
【0042】
特定機種以外の機種においては、カメラ34による撮像に応じて次のようにして遊技者を特定する。
遊技者を遊技装置2のカメラ34により認証すると、遊技場内で同一人物を既に認証しているかの判定を行い、同一人物でない遊技者であれば遊技者IDを振分ける一方、同一人物を認証済みであればその遊技者の遊技者IDを援用して管理する。
【0043】
このようにして遊技機単位で特定した遊技者数を合計した遊技者数を延べ遊技者数とする一方、遊技者IDを特定した遊技者数を実遊技者数として、延べ遊技者数÷実遊技者数を示す平均回遊回数(以下、回遊回数)や、遊技時間や売上額等の遊技情報を合計した値を実遊技者数にて除した値を示す平均遊技情報を特定する。勿論、別途、延べ遊技者数や実遊技者数を出力対象としても良く。このような情報を機種単位やレートが同じグループ単位、或いは遊技場全体といった複数の区分により出力可能とする。
【0044】
しかしながら、特定機種ではカメラ34による遊技者の認識率が低いことから、カメラ34による遊技者の認証を行わずに、使用されたカードにより遊技開始と遊技終了の判定することで同一遊技者が継続遊技しているのか、客交替したのかを判定する。
【0045】
遊技開始と遊技終了の判定条件について説明する。
「持玉券排出」(一般終了条件)、「持玉券取込」(残存する有価価値がなくなった場合)、「会員カード排出」(会員終了条件)のようなカードの受付状態を解消するカード受付終了条件(以下、終了条件)が成立した場合、遊技者が持玉を全て消費することで非稼動(所定期間(例えば60秒)遊技情報の更新無)となる遊技継続条件が成立するまで遊技継続と判定し非稼動となった場合には遊技終了条件の成立と判定するが、「会員カード受付」、「持玉券受付」、「入金または計数」のようなカードの受付状態が開始するカード受付開始条件(以下、開始条件)が成立した場合にも遊技終了条件(以下、終了条件)の成立と判定する。尚、カード受付状態で非稼動となった場合は、全ての持玉を消費しただけと判断して遊技中との判定は継続する。
【0046】
一方、上記の終了条件が成立した状態または営業開始時を含む非稼動状態で、開始条件が成立した場合には遊技開始を特定する。また、非稼動状態で開始条件が成立することなく稼動開始を特定した(遊技情報の更新有の)場合は遊技開始と判定して「カード情報なし」とするが、稼動状態が継続したまま上記いずれかの開始条件が成立した場合には遊技終了と一旦判定し、その成立した開始条件を遊技開始のいずれかとして対応付ける。このように稼動状態とカード受付状態とにより遊技開始条件を判定し、遊技終了条件も同様に判定する。
【0047】
ここで、「持玉券排出」は、所謂分割発行は含まず残高及び持玉の全てを対象とした所謂全発行が対象となる。つまり、分割発行は、遊技を終了することなく持玉の一部を持玉券に移行する遊技中の処理となるからである。
【0048】
「持玉券取込」について補足すると、持玉券は入金時に必ず受付状態となり(=残高がある状態では必ず受付状態で、受付状態でなければストックされている持玉券のいずれかを受付状態とする)、計数時は持玉が所定数(例えば30玉)に達することで受付状態となる(持玉券の処理は入金時と同様)。そして、残高及び持玉の全てが所定値(0)以下となった場合には持玉券がストックされて取込まれるため持玉券取入となり受付状態が解消する。
【0049】
図4は上記のような条件で遊技開始と遊技終了とを特定する場合に遊技終了条件の成立(終了条件が成立して更に非稼動となって)から遊技開始条件の成立までの期間(以下、判定期間、遊技継続条件)を計測すると共に、同一の遊技者が遊技継続しているのか遊技者が交替したかの目視による調査を行い、後者より前者の方の確率が高くなる判定期間の閾値(遊技継続詳細条件)を示した表であり、その閾値とした場合に前者である確率を括弧書きにて示している。つまり、判定期間の閾値内に遊技開始条件が成立した場合は、同一の遊技者が遊技継続している可能性が極めて高いことが推定される。
【0050】
尚、
図4では判定期間の閾値とその確率とをアルファベットにて示しているが、判定期間の閾値は10秒〜300秒の範囲、確率は100%未満の範囲となることを調査結果により得ている。例えば持玉券を排出して会員カードを受付けた場合に、判定期間がA秒以内ならa%の確率で同一の遊技者が継続遊技しているといった調査結果を示している。
【0051】
図4の調査結果は、各条件により異なる数値となる場合もあれば、同一の数値となる場合も勿論ある。
ここで、
図4にて「継続」または「交替」と示される区分は判定期間と無関係にいずれかを特定可能であるため、判定期間を考慮せずにいずれであるかを特定する。また、会員カード受付や持玉券受付における「同一」、「別」(会員カード受付は会員終了条件成立後に対応する会員記録媒体とは異なる会員記録媒体を受付けた場合、持玉券受付は一般終了条件成立後に対応する一般記録媒体とは異なる一般記録媒体を受付けた場合)の区分は遊技終了を判定し、会員カードや持玉券のカードIDを対応付け可能である場合に、そのIDと新たに遊技開始した場合に対応付け可能なカードIDとが同一であれば「同一」に、それ以外(前の区分にカードIDが対応付けできない場合も含む)は「別」に区分される。
【0052】
図5は同一の遊技者が継続して遊技している場合の主な理由を示している。本実施形態では上記のように遊技開始と遊技終了とを特定し、判定期間が
図4に示される期間に達していなければ遊技継続と判定する一方、達していれば遊技者交替と判定し、遊技者交替の場合には新たな遊技者IDを採番して持玉券や会員カードのIDと紐付ける一方、遊技継続の場合には遊技終了に対応した遊技者IDをそのまま遊技開始に対応した遊技者IDとして特定し、その遊技者IDを計数して延べ遊技者数を特定している。
【0053】
即ち、
図4に示すように開始条件や終了条件に応じて区分して期間に対する閾値を設定し、対応する条件に見合う閾値と、実際に得た判定期間とを比較することで遊技継続なのか、遊技者交替なのかを判定している。尚、
図4同様に閾値としては各条件により異なる閾値を設定しても良いし、一部同じ閾値を採用しても勿論良い。つまり、持玉券排出による終了条件成立後に持玉券が受付状態となって開始条件が成立した場合と、持玉券取込による終了条件成立後に持玉券が受付状態となって開始条件が成立した場合とで異なる時間を設定可能である。
【0054】
ここで、判定期間は遊技終了と判定してからの期間であり終了条件の成立後からの期間ではないが、終了条件の成立からの期間としても良い。「カード情報なし」についても非稼動となってからの期間だが、同様に最終の遊技情報の更新時点からの期間としても良い。
【0055】
尚、終了条件の成立後、非稼動とならない(遊技終了条件が成立しない)まま、開始条件が成立した場合は、一旦、遊技終了と判定し、次の遊技開始と判定するが、この場合は、判定期間の計測は始まっていないが、判定期間内との判定となる。
【0056】
管理装置5は、遊技機毎に上述した遊技開始と遊技終了の判定結果に基づいて遊技者(遊技者ID)を特定する。
図6は例えば1番台において遊技者IDを特定する場合の遊技履歴を示す。尚、この遊技履歴は説明のために示したもので、閉店時等に遊技者IDを遡って特定するのであれば
図3のように管理対象としても良いが、リアルタイムで特定するのであれば必ずしも管理対象にする必要はない。
【0057】
NO.1にて開始条件として入金が成立するが、1番台では開店から最初の遊技者であるため遊技者ID(001−001)を付与し、その後、持玉券取込の終了条件が成立したため、当該遊技者の遊技終了を特定する。この場合、1度の入金額が少なく遊技中に何度も入金する場合もあるが、残高がなくなり終了条件が成立しても
図4より非稼動となってから
図4のG秒が経過していなければ遊技継続と判定する。
図6では上記のように対応するカードIDに変更がない場合には遊技履歴をまとめて作成している(終了条件が成立しても同一IDの場合は遊技終了条件不成立と判定している)が、終了条件が成立する度に遊技履歴を作成しても良い。
【0058】
NO.2では判定期間がF秒に達してから持玉券を受付けているので、新たな遊技者として特定する。その後、受付けている持玉券の残高や持玉を使い切り持玉券を取込むものの、NO.3にて会員カードを受付けるが、E秒に達していないため、遊技継続としてNO.2と同じ遊技者IDを割当て、その後、会員カードが排出されるもののJ秒に達することなくNO.4の計数が行なわれたため、同じ遊技者IDを割当てる。
【0059】
NO.5では持玉券を受付けたもののNO.4にて排出された持玉券とは異なる持玉券であり、判定期間がE秒に達しているため、遊技者交替と特定する。その後、持玉券を取込んでNO.6にて会員カードを受付けるものの判定期間がE秒に達しているため、遊技者交替と特定する。
【0060】
このようにNO.2−NO.3とNO.5−NO.6とは同様の開始条件や終了条件が成立しているものの、終了条件からの経過期間が所定期間に達しているか否かにより遊技継続なのか、遊技者交替なのかを区分している。
【0061】
つまり、NO.2−NO.4では一人の遊技者が手持ちの持玉券による遊技を行い、その後会員カードによる遊技を行って大当りが発生したことにより会員カードを排出して出玉を持玉券に対応付ける処理を行ったことが想定される一方、NO.5−NO.6では1人目の遊技者が手持ちの持玉券による遊技を行い、その後、2人目の遊技者が会員カードによる遊技を行ったことが想定される。
【0062】
NO.2−NO.4ではカードIDとして「100002」「990001」のカードが特定されているので、このカードIDを遊技者IDに対応付け、このカードIDを他台で受付けた場合には遊技者が遊技対象となる遊技機を変更する所謂台移動が行われたこととし、当該台移動先の遊技機にて特定した遊技者IDとの対応付けが可能となるが、少なくとも
図6ではNO.2とNO.5にて受付けた持玉券が、当該1番台にて発行した持玉券ではないため、他の遊技機を遊技した遊技者が2人いると判定可能となる。
【0063】
図6では遊技情報としてアウトやセーフ等を例示しているが、例えば粗利額(売上額−(売上玉+セーフ−アウト)×交換単価)のような例示していない遊技情報を管理対象としても勿論良い。
【0064】
図7は
図6のようにして遊技機単位で特定した遊技者IDを1〜4番台にて構成される機種Aにて合計して特定した場合を示すもので、例えば1番台は8人、2番台は3人……と遊技機単位で特定して機種単位で合計することで延べ遊技者数を26人と特定してから、特定対象となった遊技者IDの内、対応するカードIDが重複する遊技者IDを除いて実遊技者数を特定することを模式的に示している。カードIDは会員カードであれば残高の有無を参照する必要はないが、持玉券の場合、残高がある状態で発行されたカードと、残高がある状態で受付けられたカードとが重複対象となる。つまり、カードが取込まれた上で異なる遊技者IDが対応付けられたカードを受付けた場合、その受付けた際の遊技者IDに対して、新たに対応付けられた遊技者IDは重複対象となるが、取込前に対応付けられていた遊技者IDは重複対象にならない。尚、貨幣価値を示す残高だけを参照しても良いが、持玉を示す残高を参照しても勿論良い。
【0065】
各遊技機にて他の遊技機と重複する遊技者IDの重複分(
図6にて説明した台移動分で、本実施形態では台移動を特定した遊技者IDの内、最初に特定した遊技者IDを重複分として特定)を「−*人」と示し、その重複分を除いた遊技者数である実遊技者数が
図7の場合は20人である旨を示している。
【0066】
図7に示す例では、上述した人数から、1人の遊技者が何台の遊技機を遊技しているかを示す回遊回数は26÷20=1.3と特定できるが、この
図7から特定可能な回遊回数は上記の説明通り、100%の正確率とは言えない判定率を含むことから仮回遊回数(仮回遊情報)とする。
【0067】
この仮回遊回数の精度は比較的高いものの、上述したように
図7に基づいて特定した実遊技者数の精度は100%に達していないことから、実遊技者数には重複してカウントした遊技者が誤差として含まれており、実際の実遊技者数は仮回遊回数を演算した際の実遊技者数よりも少なくなることが見込まれる。換言すると、実際の回遊回数は仮回遊回数よりも多くなることが見込まれる。
【0068】
この場合、仮回遊回数を演算した際の実遊技者数と実際の実遊技者数とが相関関係を有していると仮定すると、仮回遊回数と実際の回遊回数とは相関関係を有していると考えられる。
【0069】
図8は
図2のような条件に基づき仮回遊回数を特定した場合に、実際の回遊回数(目視による検証した値)がどのような値(複数回検出した場合は平均値)に変動しているか(どのような相関関係を有しているか)の調査結果を示している。
【0070】
ここで、調査結果により仮回遊回数に対する実際の回遊回数が、レートに応じて異なる変動率となったため、レートにより区分して検証結果を示しているが、全てのレートを総合した「全体」も集計対象としている。また、空欄は調査時に該当する仮回遊回数とならなかったことを示している。また、これとは別に所謂新台の様に多機種に比べて比較的稼動時間の長い高稼動機種についても異なる変動率になるとの調査結果を得たため、図示は省略するが高稼動機種についても別途区分している。
【0071】
図10は
図8の仮回遊回数をX軸とし、回遊回数(実測値)をY軸としたグラフを示しており、点線により実測値に基づき導出した回遊回数補正値(以下、補正値)(補正回遊情報候補)を近似曲線で示している。この補正値は、仮遊技回数を演算する際に生じ得る誤差を補正しているため実際の回遊回数により近似した値となる。また、補正値の近似曲線は、グラフの変動による影響を抑制するように回遊回数(実測値)を平均化して作成されているが、一定期間の終値平均値を結んだ移動平均線により作成しても良い。
【0072】
図9は、
図10の補正値の近似曲線に基づいて特定した補正値(補正情報)を示す表である。
図11は、
図10同様に
図9に示す補正値を全レートを対象としてグラフで示している。
【0073】
本実施形態では
図9に示す補正値により仮回遊回数(対応条件)を補正した補正値(補正回遊情報、補正遊技情報)を導出し、実遊技者数を補正した補正実遊技者数(補正遊技情報)を導出可能としている。例えば
図5の場合、機種Aのレートが4円であり、仮回遊回数が1.3回であれば、仮回遊回数が1.3に対応した補正値を用いるが、
図9より1.44回(
図9に斜線で示す)であるため、1.44回の補正値と延べ遊技者数26人とにより26÷1.44≒18.06を補正実遊技者数として導出する。レートについては予め対応するレートを設定しておけばよい。同様に上記高稼動機種についても予め設定して特定し、別途、設けた
図9同様のテーブルを参照して補正値を特定すれば良い。尚、仮回遊回数は小数点3位を四捨五入している。また、
図9に示す補正値は仮回遊回数に対応した補正値と言える。
【0074】
以上のようにして導出される補正実遊技者数は該当機種(機種A)を遊技した遊技者数を示すため、
図5のように遊技機単位で特定した遊技時間やアウトや売上額、或いは粗利額等の遊技情報を機種単位で合計し、補正実遊技者数にて除することで遊技者1人当りの平均遊技情報(補正遊技情報)を特定可能となる。このように補正値を用いることでカメラ34による認証が可能な遊技機と同等の遊技情報を特定可能となる。
【0075】
また、このように特定した補正実遊技者数については同一機種の集計だけでなくレートが同じ遊技機や遊技場全体等でも採用可能だが、この場合、重複分を対象となる範囲(例えば遊技場全体)で排除して補正実遊技者数を導出し、平均遊技情報を特定するといった利用方法が想定できる。
【0076】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置5は、
図9に示す補正値と仮回遊回数とにより、仮回遊回数や実遊技者数、或いは遊技者1人当りの平均遊技情報を補正することで、遊技装置2での記録媒体の受付状況に応じた遊技者の入替り状況の判定の精度を高めることが可能となる。
【0077】
補正値により導出可能な補正遊技者数によって特定可能な遊技情報を管理対象とすることで、遊技者1人当りの平均遊技情報を精度よく管理可能となる。
複数の補正値候補の内から、仮回遊回数に対応する補正値候補を補正値として特定するため、例えば調査結果やノウハウ等により仮回遊回数に対応する補正値候補を設定することで、調査結果やノウハウ等を精度高く反映した上で仮回遊回数を補正可能となる。
【0078】
会員カードを排出して別の会員カードを受付けた場合は遊技者交替を特定する一方、持玉券を排出して別の持玉券を受付けた場合は判定期間が基準値に達しているか否かにより遊技者交代かを判定するため、会員カードは1会員1枚であるため精度高く遊技者交替を判定可能になると共に、持玉券は判定期間が基準値に達している場合には空台となり暫く経ってから次の遊技者の持玉券を受付けたとして交替に、判定期間が基準値に達していない場合には休憩や持玉券の複数所持等により同一の遊技者の継続遊技と判定するといったように持玉券の場合であっても受付状況に応じて精度高く遊技者の入替り状況の判定の精度を高めることが可能となる。
【0079】
持玉券を取込んだ後と、発行した後とで、その後に新たな持玉券を受付けた場合に同一遊技者の継続遊技であるとの判定期間が異なるように設定可能とするため、持玉券を取込んだ場合には残金がなくなったため追加入金するといったように遊技者が継続して遊技していることが多い一方、持玉券を発行した場合には遊技者が遊技終了し、次の遊技者が持玉券を受付状態とするといったように遊技者が交替することが多いといったような実際の遊技状況に見合うように遊技者の入替り状況の判定の精度を高めることが可能となる。
【0080】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
カメラ34を遊技装置2に設けることを例示したが、例えば所謂呼出ランプに設ける等、対応する遊技機の遊技者を特定可能であればどのような装置にカメラを設けても良い。
【0081】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0082】
図9に示す補正値は調査結果に基づき想定される対応値を設定した値であるが、仮回遊回数に基づき想定される対応値であれば、別途調査を行うことなくノウハウに基づく操作入力等により設定しても良い。また、高稼動機種以外は全て共通の補正値とすることを例示したが、高稼動機種であるか否かに関わらず共通の補正値としても良いし、機種別、或いは遊技性が似通った機種をグループ化し、そのグループ単位で補正値を設定するというようにどのように補正値を設定しても良い。
【0083】
図9に示す補正値について、小数点2位単位で対応する仮回遊回数を設定することを例示したが、例えば小数点1位単位や、小数点2位単位だが、0.05単位で範囲を設定し、その対応値を設定する等、どのように仮回遊回数を設定しても良い。また、仮回遊回数を含む演算式を設定し、その演算式に基づき仮回遊回数を補正しても良い。
【0084】
延べ遊技者数÷実遊技者数を回遊情報として例示したが、例えば実遊技者数÷延べ遊技者数といったように両者の対応関係を示す遊技情報であればどのような回遊情報を採用しても良い。
【0085】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信によるデータ信号のような他の信号入力としても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0086】
範囲としては最小値と最大値との双方を設定しても良いし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定しても良い。また、以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0087】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式といった例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0088】
管理装置5が行う処理の一部を中継装置3、遊技装置2、或いは別途設けられる呼出ランプ等の表示装置等にて行う等、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。