【解決手段】電気集塵装置100は、気体が流れる第一流路部80aを有し、気体中の粒子を捕捉する第一電気集塵部8aと、気体が流れる第二流路部80bを有し、気体中の粒子を捕捉する第二電気集塵部8bと、第一流路部80aの少なくとも一部を含む第一給気路111と、第一流路部80aの少なくとも一部を含む第一排気路131と、第二流路部80bの少なくとも一部を含む第二給気路112と、第二流路部80bの少なくとも一部を含む第二排気路132と、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を開く給気切替弁120と、第一排気路131及記第二排気路132の少なくとも一方を閉じる排気切替弁140と、を備える。
前記制御部は、前記第一電気集塵部を前記集塵モードで制御している場合に、前記給気切替弁によって前記第一給気路を開き、かつ、前記排気切替弁によって前記第一排気路を閉じる
請求項5に記載の電気集塵装置。
前記制御部は、前記第一電気集塵部及び前記第二電気集塵部の一方を前記集塵モードで制御している場合に、前記第一電気集塵部及び前記第二電気集塵部の他方を前記クリーニングモードで制御する
請求項5又は6に記載の電気集塵装置。
前記第一電気集塵部及び前記第二電気集塵部の各々は、第一電極と、前記第一電極と対向する第二電極と、前記第一電極及び前記第二電極に電圧を供給する電圧供給回路とを有し、
前記制御部は、前記集塵モードにおいて、前記電圧供給回路に、前記第一電極と前記第二電極との間に電圧を印加させる
請求項5〜7のいずれか1項に記載の電気集塵装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ(工程)、並びに、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態の説明において、「平行」との記載は、完全に平行であることだけでなく、実質的に平行である、すなわち、数%程度の差異を含むことも意味する。
【0012】
(実施の形態1)
[1−1.電気集塵装置の構成]
実施の形態1に係る電気集塵装置の構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の構造的な構成の一例を示す模式図である。
図2は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示す電気集塵装置100は、気体中の粒子を捕捉し、粒子が除去された気体を供給する装置である。電気集塵装置100は、例えば、室外の空気中の粒子を捕捉し、清浄化された空気を室内に供給する。電気集塵装置100は、排気機能も有し、例えば、室内の空気を室外に排気する。当該気体は、特に限定されないが、本実施の形態では、気体として空気を用いる例について説明する。
【0014】
図1に示すように、電気集塵装置100は、第一電気集塵部8aと、第二電気集塵部8bと、第一給気路111と、第二給気路112と、第一排気路131と、第二排気路132と、給気切替弁120と、排気切替弁140と、を備える。本実施の形態では、電気集塵装置100は、さらに、共通給気路110と、共通排気路130と、給気ファン161と、排気ファン162と、を備える。また、
図2に示すように、電気集塵装置100は、機能的には、制御部5をさらに備える。
【0015】
第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bは、それぞれ気体が流れる第一流路部80a及び第二流路部80bを有し、気体中の粒子を捕捉する。第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの詳細構成については、後述する。
【0016】
第一給気路111及び第二給気路112は、電気集塵装置100が供給する気体の流路である。第一給気路111及び第二給気路112は、それぞれ第一流路部80a及び第二流路部80bの少なくとも一部を含む。
【0017】
給気切替弁120は、電気集塵装置100が供給する気体の流路を切り替える弁である。給気切替弁120は、第一給気路111及び第二給気路112の各々を開閉し、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を選択的に開く。本実施の形態では、給気切替弁120は、第一給気弁121と、第二給気弁122とを有する。第一給気弁121は、第一給気路111に接続される弁であり、第一給気路111の開閉を切り替える。第二給気弁122は、第二給気路112に接続される弁であり、第二給気路112の開閉を切り替える。給気切替弁120は、第一給気弁121及び第二給気弁122の開閉を切り替えることにより、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を開く。これにより、例えば、第一排気路131を開ける場合に給気切替弁120によって第一給気路111を閉じることで、第一排気路131を流れる排出されるべき気体と、第一給気路111を流れる供給されるべき気体とが第一流路部80aで混ざり合うことを低減できる。
【0018】
共通給気路110は、電気集塵装置100が供給する気体の流路であり、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの外部に配置され、第一給気路111及び第二給気路112に接続される。これにより、給気切替弁120によって、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を開くことで、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方から流出する気体を、共通給気路110に流入させることができる。
【0019】
第一排気路131及び第二排気路132は、電気集塵装置100が排出する気体の流路である。第一排気路131及び第二排気路132は、それぞれ第一流路部80a及び第二流路部80bの少なくとも一部を含む。
【0020】
排気切替弁140は、電気集塵装置100が排出する気体の流路を切り替える弁であり、第一排気路131及び第二排気路132の少なくとも一方を閉じる。本実施の形態では、排気切替弁140は、第一排気弁141と、第二排気弁142とを有する。第一排気弁141は、第一排気路131に接続される弁であり、第一排気路131の開閉を切り替える。第二排気弁142は、第二排気路132に接続される弁であり、第二排気路132の開閉を切り替える。排気切替弁140は、第一排気弁141及び第二排気弁142の開閉を切り替えることにより、第一排気路131及び第二排気路132の少なくとも一方を選択的に閉じる。これにより、例えば、第一給気路111を開ける場合に排気切替弁140によって第一排気路131を閉じることで、第一給気路111を流れる供給されるべき気体と、第一排気路131を流れる排出されるべき気体とが第一流路部80aで混ざり合うことを低減できる。
【0021】
共通排気路130は、第一電気集塵部8aの第一流路部80a及び第二電気集塵部8bの第二流路部80bの外部に配置され、第一排気路131及び第二排気路132に接続される流路である。これにより、排気切替弁140によって、第一排気路131及び第二排気路132の一方を閉じることで、共通排気路130から流出する気体を、第一排気路131及び第二排気路132の他方に選択的に流入させることができる。
【0022】
第一給気路111、第二給気路112、共通給気路110、第一排気路131、第二排気路132及び共通排気路130は、例えば、ダクトなどの管状の流路で構成される。
【0023】
給気ファン161は、電気集塵装置100の共通給気路110に配置されるファンであり、共通給気路110内に気体を流す機能を有する。また、給気ファン161は、電気集塵装置100に備えられなくてもよい。つまり、電気集塵装置100は、電気集塵装置100の外部に配置された給気ファンを用いてもよい。
【0024】
排気ファン162は、電気集塵装置100の共通排気路130に配置されるファンであり、共通排気路130と、第一排気路131及び第二排気路132とに気体を流す機能を有する。なお、排気ファン162は、電気集塵装置100に備えられなくてもよい。つまり、電気集塵装置100は、電気集塵装置100の外部に配置された排気ファンを用いてもよい。
【0025】
本実施の形態に係る電気集塵装置100は、以上のような給排気路構成を有することにより、第一電気集塵部8aの第一流路部80aを第一給気路111の一部とするだけでなく、第一排気路131の一部とすることができる。このため、第一排気路131を流れる気体を用いて、第一電気集塵部8aにおいて捕捉した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出することができる。また、第一排気路131を流れる気体を用いることで、第一電気集塵部8aから離脱した粒子が第一電気集塵部8aに再度付着することを低減できる。第二電気集塵部8bについても同様である。
【0026】
制御部5は、第一電気集塵部8a、第二電気集塵部8b、排気切替弁140及び給気切替弁120を制御する処理部である。本実施の形態では、制御部5は、さらに給気ファン161及び排気ファン162を制御する。制御部5は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bにおいて粒子を捕捉する集塵モードと、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bにおいて捕捉された粒子をそれぞれ第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bから離脱させるクリーニングモードとを有する。制御部5は、例えば、第一電気集塵部8aの集塵モードにおいて、排気切替弁140によって第一排気路131を閉じ、かつ、給気切替弁120によって、第一給気路111を開く。これにより、集塵モードにおいて、第一排気路131を経由して、排出すべき気体が第一流路部80aに流入することを低減できる。第二電気集塵部8bの集塵モードにおいても同様である。
【0027】
また、制御部5は、第一電気集塵部8aのクリーニングモードにおいて、排気切替弁140によって第一排気路131を開き、かつ、給気切替弁120によって、第一給気路111を閉じる。これにより、クリーニングモードにおいて、第一排気路131を流れる気体を用いて、第一電気集塵部8aにおいて捕捉した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出することができる。
【0028】
これにより、第一排気路131を流れる気体(つまり気流)を用いて、クリーニングモードにおいて第一電気集塵部8aから離脱した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出できる。また、第一排気路131を流れる気体を用いて第一電気集塵部8aから離脱した粒子を速やかに排出することで、第一電気集塵部8aから離脱した粒子が第一電気集塵部8aに再度付着することを低減できる。第二電気集塵部8bのクリーニングモードにおいても同様である。
【0029】
制御部5は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの一方を、集塵モードで制御し、他方をクリーニングモードで制御することにより、清浄化された気体の供給を続けながら第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bのクリーニングを行うことができる。つまり、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bにおいて、集塵モード及びクリーニングモードを交互に行うことにより、清浄化された気体の供給を停止することなく、第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bのクリーニングを行うことができる。
【0030】
制御部5は、CPU又はDSP等のプロセッサ、並びに、RAM及びROM等のメモリなどからなる処理回路により構成されてもよい。制御部5の一部又は全部の機能は、CPU又はDSPがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。また、制御部5の一部又は全部の機能は、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。制御部5の一部又は全部の機能は、上記のソフトウェア機能とハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。
【0031】
[1−2.第一電気集塵部及び第二電気集塵部の詳細構成]
第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの詳細構成について
図3〜
図5を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る第一電気集塵部8aの第一流路部80aの構成例を示す模式的な断面図である。
図4は、本実施の形態に係る第一電気集塵部8aの第一流路部80a内に配置される集塵部1及び帯電部2の構成例を示す斜視図である。
図5は、本実施の形態に係る第一電気集塵部8aの機能的な構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、第一流路部80aは、第一給気路111及び第一排気路131の一部を構成する。つまり、第一流路部80aは、第一給気路111及び第一排気路131に共有される。
【0033】
本実施の形態では、第一流路部80aは、管状のチャンバであり、第一流路部80a内に、集塵部1及び帯電部2が配置される。
【0034】
図5に示すように、第一電気集塵部8aは、機能的には、電圧供給回路4をさらに備える。電圧供給回路4は、集塵部1に電圧を供給する回路である。本実施の形態では、電圧供給回路4は、帯電部2にも電圧を供給する。電圧供給回路4は、集塵部1における第一電極10及び第二電極20に電圧を供給する。第一電極10及び第二電極20は、それぞれ、電圧供給回路4から電圧を供給されることによって、第一電極10及び第二電極20の周囲に電界を生成する。電圧供給回路4は、制御部5によって制御される。電圧供給回路4によって供給される電圧、及び、第一電極10及び第二電極20の周囲に形成される電界については、後で詳述する。
【0035】
図3に示すように、第一電気集塵部8aでは、第一給気路111における帯電部2の下流側(
図3の右側)に、集塵部1が配置される。本実施の形態では、気体は、第一電気集塵部8aの外部に配置された給気ファン161によって、流路部80に導入される。
【0036】
ここで、
図3以降の各図において、流路部80内において気体が流れる方向をX軸方向としている。本実施の形態では、X軸正方向に気体が流れる。X軸に垂直な鉛直方向をY軸方向とし、上方から下方に向かう方向を、Y軸正方向としている。X軸及びY軸に垂直な水平方向をZ軸方向としている。上記鉛直方向及び水平方向は、電気集塵装置100が配置される向きを制限しない。電気集塵装置100は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向をいかなる向きにして配置されてもよい。ここで、X軸正方向は、所定の方向の一例であり、Y軸方向は、所定の方向と異なる方向の一例である。
【0037】
図4に示すように、帯電部2は、集塵モードにおいて、電気集塵装置100に流入する気体中の粒子90を帯電させる。帯電部2は、互いに対向して配置された高電位電極30と低電位電極40とを備える。本実施の形態では、帯電部2は、高電位電極30と低電位電極40との間でコロナ放電を発生することによって、放電空間中を通過する粒子90の大部分を正に帯電させる。このように、帯電部2は正に帯電した粒子90pを生成する。なお、帯電部2は、粒子90を負に帯電させることによって、負に帯電した粒子を生成してもよい。
【0038】
集塵モードにおいて、高電位電極30は、低電位電極40よりも高い電位が印加され、この電位差に起因して、高電位電極30と低電位電極40との間で放電を発生させる。高電位電極30は、例えばステンレス、タングステン等の導電性金属で構成され、電界が集中するように、本実施の形態では、細長い棒状の形状を有する。なお、高電位電極30は、平板等のいかなる形状を有してもよい。低電位電極40は、例えばステンレス、アルミニウム等の導電性金属で構成される。本実施の形態では、低電位電極40は、平板状の形状を有するが、いかなる形状でもよい。
【0039】
複数の低電位電極40が、互いに対向して、具体的には、互いに平行に、Z軸方向に並んで配置されている。さらに、複数の低電位電極40は、XY平面と平行に配置され、これらの間にX軸方向の気体の流路を形成する。つまり、各低電位電極40は、その主面が気体の流れの方向に沿うように配置される。また、複数の高電位電極30が、低電位電極40の間で、低電位電極40の主面と平行に且つ対向して配置されている。
【0040】
各高電位電極30は、Y軸方向を軸方向として配置される。高電位電極30と低電位電極40との間の距離は、例えば10mm以上20mm以下程度である。高電位電極30には、例えば5kV以上10kV以下程度の電位が印加され、低電位電極40は、例えば接地され得る。
【0041】
集塵部1は、帯電部2を通過後の気体中の粒子を捕捉する。本実施の形態では、
図4に示すように、集塵部1は、正に帯電した粒子90pを捕捉する。集塵部1は、1以上の第一電極10及び1以上の第二電極20を備える。板状の第一電極10及び第二電極20は、互いに対向して、具体的には、互いに間隔をあけて平行に、Z軸方向に並んで配置されている。本実施の形態では、集塵部1は、複数の第一電極10及び複数の第二電極20を備え、複数の第一電極10及び複数の第二電極20は、Z軸方向に交互に配置されている。複数の第一電極10及び複数の第二電極20は、低電位電極40と同様の向きで、XY平面と平行に配置され、これらの間にX軸方向の気体の流路を形成する。つまり、第一電極10及び第二電極20のそれぞれは、その主面が気体の流れの方向に沿うように配置される。よって、低電位電極40の間を通過した気体は、第一電極10及び第二電極20の間に、スムーズに流入する。第一電極10と第二電極20との間の距離は、第一電極10及び第二電極20に供給される電圧に応じて、適宜設定されればよい。例えば、第一電極10と第二電極20との間の最大電界が、1kV/mm程度となるように設定される。本実施の形態では、当該距離は4mm程度である。
【0042】
第二電気集塵部8bは、第一電気集塵部8aと同様の構成を有する。
【0043】
[1−3.電気集塵装置の動作]
続いて、本実施の形態に係る電気集塵装置100の動作の概要について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
【0044】
図6に示すように、まず、電気集塵装置100の制御部5は、給気切替弁120及び排気切替弁140を切り替える(S10)。具体的には、給気切替弁120によって、第一給気路111を開き、第二給気路112を閉じる。また、排気切替弁140によって、第一排気路131を閉じ、第二排気路132を開く。これにより、給気ファン161が流す空気の流路は、共通給気路110と、第一給気路111とからなる。また、排気ファン162が流す空気の流路は、共通排気路130と第二排気路132とからなる。この場合、排気ファン162が流す空気の流路は、第二電気集塵部8bの第二流路部80bを含む。
【0045】
次に、制御部5が、集塵モードで第一電気集塵部8aを制御し、かつ、クリーニングモードで第二電気集塵部8bを制御することで、第一電気集塵部8aは集塵動作を行い、第二電気集塵部8bはクリーニング動作を行う(S20)。このとき、制御部5は、給気ファン161を駆動し、第一給気路111内に空気が流れる。第一電気集塵部8aは、集塵動作を行うことで、気体中の粒子を捕捉する。また、制御部5は、排気ファン162を駆動し、第二排気路132内に空気を流す。第二電気集塵部8bは、クリーニング動作を行うことで、捕捉した粒子を集塵部1の第一電極10及び第二電極20から離脱させる。また、第二流路部80bが排気ファン162が流す空気の流路に含まれるため、第二流路部80bの内部に集塵動作時とは逆方向に気体が流れる。これにより、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子が、第二流路部80bから第二排気路132を経由して排出される。
【0046】
次に、制御部5は、給気切替弁120及び排気切替弁140を切り替える(S30)。具体的には、給気切替弁120によって、第一給気路111を閉じ、第二給気路112を開く。また、排気切替弁140によって、第一排気路131を開き、第二排気路132を閉じる。これにより、給気ファン161が流す空気の流路は、共通給気路110と、第二給気路112とからなる。また、排気ファン162が流す空気の流路は、共通排気路130と第一排気路131とからなる。この場合、排気ファン162が流す空気の流路は、第一電気集塵部8aの第一流路部80aを含む。
【0047】
次に、制御部5が、クリーニングモードで第一電気集塵部8aを制御し、かつ、集塵モードで第二電気集塵部8bを制御することで、第一電気集塵部8aはクリーニング動作を行い、第二電気集塵部8bは集塵動作を行う(S40)。このとき、制御部5は、給気ファン161を駆動し、第二給気路112内に空気が流れる。第二電気集塵部8bは、集塵動作を行うことで、気体中の粒子を捕捉する。また、制御部5は、排気ファン162を駆動し、第一排気路131内に空気を流す。第一電気集塵部8aは、クリーニング動作を行うことで、捕捉した粒子を集塵部1の第一電極10及び第二電極20から離脱させる。また、第一流路部80aが排気ファン162が流す空気の流路に含まれるため、第一流路部80aの内部に集塵動作時とは逆方向に気体が流れる。これにより、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子が、第一流路部80aから第一排気路131を経由して排出される。
【0048】
次に、制御部5は、ステップS10に戻り、同様の動作を繰り返す。
【0049】
電気集塵装置100は、以上のように動作することにより、第一電気集塵部8aが集塵モードで制御される場合には、第一電気集塵部8aにおいて気体中の粒子を捕捉できる。また、この場合、第二電気集塵部8bをクリーニングモードで制御し、第二流路部80bを排気ファン162が流す空気の流路とすることで、第二流路部80bに集塵モードとは逆向きに気体を流す。このとき第二流路部80b内に流れる気体を利用して、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子を速やかに集塵部1から除去できる。また、第二流路部80b内を流れる気体を利用することで、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子が第一電極10又は第二電極20に再度付着することを低減できる。
【0050】
また、第二電気集塵部8bがクリーニングモードで制御される場合には、第二電気集塵部8bにおいて気体中の粒子を捕捉できる。また、この場合、第一電気集塵部8aをクリーニングモードで制御し、第一流路部80aを排気ファン162が流す空気の流路とすることで、第一流路部80aに集塵モードとは逆向きに気体を流す。このとき第一流路部80a内に流れる気体を利用して、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子を速やかに集塵部1から除去できる。また、第一流路部80a内を流れる気体を利用することで、第一電極10及び第二電極20から離脱した粒子が第一電極10又は第二電極20に再度付着することを低減できる。
【0051】
また、本実施の形態に係る電気集塵装置100では、制御部5は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの一方を集塵モードで制御している場合に、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの他方をクリーニングモードで制御する。このため、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの一方をクリーニングしている間にも、他方で空気中の粒子を捕捉することにより、清浄化された空気を供給することができる。つまり、本実施の形態に係る電気集塵装置100は、常に清浄化された空気を供給できる。
【0052】
[1−4.集塵部の構成例]
本実施の形態に係る集塵部1の構成例について、
図7を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の第一電極10及び第二電極20の構成を示す断面図である。
図7には、第一電極10及び第二電極20のZX平面に平行な断面が示されている。
【0053】
図7に示すように、第一電極10は、1以上の第一電極要素11と、1以上の第二電極要素12と、第一電極要素11及び第二電極要素12の間に配置された第一誘電体13とを有する。第二電極20は、第一電極10と対向して配置される。第一誘電体13は、第二電極20側に配置された主面である第一表面13fと、第一表面13fの裏側に配置された主面である第一裏面13rとを有する。第一電極要素11は、第一誘電体13の第一表面13fに配置される。第二電極要素12は、第一誘電体13の内部又は第一裏面13rに配置される。本実施の形態では、
図7に示すように、第二電極要素12は、第一誘電体13の第一裏面13rに配置される。これにより、第一電極要素11と第二電極要素12との間の絶縁を維持しつつ、第一電極要素11と第二電極要素12とを接近させることができる。したがって、第一電極要素11と第二電極要素12との間で沿面放電を発生させるために要する電圧を低減できる。また、第一表面13f及び第一裏面13rにおいて捕捉した粒子が付着又は堆積した状態でも、第一電極要素11と第二電極要素12との間で、当該粒子を介した異常放電が発生することを抑制できる。
【0054】
第一誘電体13は、1以上の第一電極要素11と、1以上の第二電極要素12とを電気的に絶縁し、例えば、粒子が第一電極10上に付着し、堆積した場合においても、粒子を介して第一電極要素11と第二電極要素12とが短絡することを抑制する。第一誘電体13を構成する材料は、公知の電気的な絶縁材料の中から適宜選択される。本実施の形態では、第一誘電体13は、膜状の誘電体である。第一誘電体13の膜厚は、例えば10μm以上100μm以下程度であり、本実施の形態では、25μm程度である。
【0055】
第一電極要素11及び第二電極要素12は、銅等の導電材料を主成分として含み、例えば、それぞれ第一誘電体13の第一表面13f上及び第一裏面13r上に形成されたパターン電極である。本実施の形態では、第一電極要素11は、複数の細長い線状の電極要素であり、第二電極要素12は、第一誘電体13の第一裏面13rのほぼ全面に形成された平板状(又はシート状)の電極要素である。第一電極要素11の形状は特に限定されない。第一電極要素11の幅(つまり、X軸方向の寸法)は、例えば、0.1mm以上1mm以下程度であり、本実施の形態では0.2mm程度である。第一電極要素11の厚さ(つまり、Z軸方向の寸法)は、例えば5μm以上50μm以下程度であり、本実施の形態では、20μm程度である。また、隣り合う第一電極要素11の間隔は、例えば、0.2mm以上1mm以下程度であり、本実施の形態では、1mm程度である。
【0056】
また、本実施の形態では、第一電極10は、その両面で帯電した粒子を捕捉できるように、二組の第一電極要素11及び第一誘電体13を有する。より詳しくは、第一電極10は、二つの第一誘電体13と、二つの第一誘電体13の間に配置された第二電極要素12と、二つの第一誘電体13の各々の第一表面13fに配置された1以上の第一電極要素11とを有する。
【0057】
第二電極20は、
図7に示すように、単一の平板状の電極であり、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電材料を主成分として含む。なお、第二電極20は、例えば、絶縁基板上に形成されたパターン電極であってもよい。
【0058】
[1−5.第一電気集塵部及び第二電気集塵部の動作例]
本実施の形態に係る第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの動作例を説明する。具体的には、制御部5の集塵モード及びクリーニングモードにおける電圧供給回路4、第一電極10及び第二電極20の動作を中心に説明する。
【0059】
まず、集塵モードにおける動作について
図8及び
図9を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の集塵モードにおける第一電極10及び第二電極20の動作を示す模式図である。
図8においては、第一電極10及び第二電極20のZX平面に平行な断面が示されている。
図9は、本実施の形態に係る電気集塵装置100の集塵モードにおいて第一電極10及び第二電極20に供給される電圧の波形を示すグラフである。
図9においては、第一電極10に供給される電圧として第一電極要素11及び第二電極要素12に供給される電圧が示されている。
【0060】
図8に示すように、集塵モードにおいては、帯電した粒子90pを含み所定方向(本実施の形態では、X軸方向)に流れる気体から帯電した粒子90pを捕捉する。
図8には、気体が流れる方向である気流の向きが矢印で示されている。
【0061】
図9に示すように、集塵モードにおいては、電圧供給回路4は、第一電極10と第二電極20との間に直流電圧を供給する。具体的には、電圧供給回路4は、第一電極10の第一電極要素11及び第二電極要素12にグランド電位を供給する。つまり、第一電極要素11及び第二電極要素12の電位はいずれも0Vとなる。また、第二電極20には、正の高電位が供給される。第二電極20には、例えば、4kV程度の高電位が供給される。
【0062】
これにより、第二電極20から第一電極10へ向かう電界が形成される。なお、
図8において、電界の向きが破線矢印で示されている。このような電界中に帯電した粒子90pが流入すると、
図8に示すように、粒子90pが電界によって静電力を受け、第一電極10へ向かう力を受ける。したがって、粒子90pは、第一電極10によって捕捉される。第一電極10によって捕捉された帯電した粒子90pの多くは、電荷を失い、粒子90となる。なお、第一電極10の第一電極要素11及び第二電極要素12に供給される電位は、グランド電位に限定されない。例えば、負の電位であってもよいし、第二電極20に供給される電位より低い正の電位であってもよい。
【0063】
次に、クリーニングモードにおける動作について
図10A、
図10B及び
図11を用いて説明する。
図10A及び
図10Bは、本実施の形態に係る電気集塵装置100のクリーニングモードにおける第一電極10及び第二電極20の各タイミングでの動作を示す模式図である。
図10A及び
図10Bにおいては、第一電極10及び第二電極20のZX平面に平行な断面が示されている。なお、
図10A及び
図10Bは、それぞれ第一電極要素11に正の高電位(+H.V.)及び負の高電位(−H.V.)が供給されるタイミングでの動作を示す模式図である。
図11は、本実施の形態に係る電気集塵装置100のクリーニングモードにおいて第一電極10及び第二電極20に供給される電圧の波形を示すグラフである。
図11においては、第一電極10に供給される電圧として第一電極要素11及び第二電極要素12に供給される電圧が示されている。
【0064】
図10A及び
図10Bに示すように、クリーニングモードにおいては、第一電極10で捕捉された粒子90を第一電極10から離脱させる。なお、上述したとおり、帯電した粒子90pの多くは、第一電極10で捕捉されて電荷を失い、粒子90となっている。このように、電荷を失った粒子90を第一電極10から除去するために、電圧供給回路4は、第一電極要素11及び第二電極要素12の間に交流電圧を供給することによって、第一電極要素11と第二電極要素12との間で沿面放電を発生させる。具体的には、
図11に示すように、電圧供給回路4は、第一電極10の第二電極要素12及び第二電極20にグランド電位を供給し、第一電極10の第一電極要素11に交流電位を供給する。これにより、第一電極要素11と第二電極要素12との間の電位差が大きいタイミングで第一電極要素11の周縁にて沿面放電が発生する。ここで第一電極要素11の周縁とは、第一表面13fの平面視における第一電極要素11の端部である。
【0065】
図10Aに示すように、第一電極要素11に正の高電位が供給されるタイミングにおいては、第一電極要素11の断面の頂点付近において沿面放電Pが発生する。沿面放電Pが発生している領域においては、プラズマが生成される。第一電極要素11の周縁にて生成されたプラズマ中のイオンのうち、電子などの負イオンは第二電極要素12から第一電極要素11へ向かう向きに力を受け、正イオンは第一電極要素11から第二電極要素12へ向かう向きに力を受ける。このため、沿面放電Pが発生している第一電極10の第一表面13f上の領域においては正イオンの方が、負イオンより多い。したがって、第一電極10に捕捉されている粒子90の少なくとも一部は、沿面放電Pによって、正に帯電して粒子90pとなる。
【0066】
第一電極要素11に供給する交流電位の最大値及び周波数は、第一電極10において上記動作に適した値に適宜設定されればよい。本実施の形態では、交流電位の最大値は、1kV以上2kV以下程度であり、周波数は25Hz以上100Hz以下程度である。
【0067】
続いて、
図10Bに示すように、第一電極要素11に負の高電位が供給されるタイミングにおいても、沿面放電Pが発生する。これにより、粒子90が負に帯電して粒子90nとなる。また、第一電極要素11に負の電位が印加される場合には、第二電極要素12から第一電極要素11に向かう電界が形成されるため、正に帯電した粒子90pが、第一電極10から第二電極20へ向かう向きに力を受ける。これにより、粒子90pを第一電極10から分離することができる。なお、このような力は、第一電極要素11に電位が供給されるタイミングのうち、特に、沿面放電が発生していないとき、つまり、沿面放電によって発生したイオンが少ない場合に最も有効となる。
【0068】
以上のようにクリーニングモードにおいては、第一電極10で捕捉された粒子90を帯電させて、第一電極10から離脱させることができる。このように離脱した粒子90p及び粒子90nは、排気ファン162による気流によって、流路部80から排出される。また、排気ファン162による気流を用いて、第一電極10で捕捉された粒子90を第一電極10から離脱させることが可能な場合もあり得る。
【0069】
以上のように、本実施の形態では、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bから粒子を速やかに排出することができる。また、第一電極10から離脱した粒子90を排気ファン162による気流を用いて速やかに排出することで、粒子90が第一電極10又は第二電極20に再度付着することを低減できる。
【0070】
なお、
図11に示す例では、第一電極要素11と第二電極要素12との間に正弦波状の交流電圧を印加したが、交流電圧の波形は、正弦波状に限定されない。例えば、三角波であってもよいし、台形波であってもよい。
【0071】
[1−6.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係る電気集塵装置100は、気体が流れる第一流路部80aを有し、気体中の粒子を捕捉する第一電気集塵部8aと、気体が流れる第二流路部8bを有し、気体中の粒子を捕捉する第二電気集塵部8bと、を備える。電気集塵装置100は、さらに、第一流路部80aの少なくとも一部を含む第一給気路111と、第一流路部80aの少なくとも一部を含む第一排気路131と、第二流路部80bの少なくとも一部を含む第二給気路112と、第二流路部の少なくとも一部を含む第二排気路132と、備える。電気集塵装置100は、さらに、第一給気路111及び第二給気路112の各々を開閉する給気切替弁120であって、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を開く給気切替弁120を備える。電気集塵装置100は、さらに、第一排気路131及び第二排気路132の各々を開閉する排気切替弁140であって、第一排気路131及び第二排気路132の少なくとも一方を閉じる排気切替弁140と、を備える。
【0072】
これにより、第一電気集塵部8aの第一流路部80aを第一給気路111の一部とするだけでなく、第一排気路131の一部とすることができる。このため、第一排気路131を流れる気体を用いて、第一電気集塵部8aにおいて捕捉した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出することができる。また、第一排気路131を流れる気体を用いることで、第一電気集塵部8aから離脱した粒子が第一電気集塵部8aに再度付着することを低減できる。
【0073】
また、電気集塵装置100は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの外部に配置され、第一排気路131及び第二排気路132に接続される共通排気路130をさらに備えてもよい。
【0074】
これにより、排気切替弁140によって、第一排気路131及び第二排気路132の一方を選択的に閉じることで、共通排気路130から流出する気体を、第一排気路131及び第二排気路132の一方に選択的に流入させることができる。
【0075】
また、電気集塵装置100は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの外部に配置され、第一給気路111及び第二給気路112に接続される共通給気路110をさらに備えてもよい。
【0076】
これにより、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方を開くことで、第一給気路111及び第二給気路112の少なくとも一方から流出する気体を、共通給気路110に流入させることができる。
【0077】
また、電気集塵装置100は、第一電気集塵部8a、第二電気集塵部8b、排気切替弁140及び給気切替弁120を制御する制御部5を備えてもよい。制御部5は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの各々の制御モードとして、粒子を捕捉する集塵モードと、捕捉された粒子を離脱させるクリーニングモードとを有してもよい。第一電気集塵部8aをクリーニングモードで制御している場合に、給気切替弁120によって第一給気路111を閉じ、かつ、排気切替弁140によって第一排気路131を開いてもよい。
【0078】
これにより、第一排気路131を流れる気体を用いて、クリーニングモードにおいて第一電気集塵部8aから離脱した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出できる。また、第一排気路131を流れる気体を用いて第一電気集塵部8aから離脱した粒子を速やかに排出することで、第一電気集塵部8aから離脱した粒子が第一電気集塵部8aに再度付着することを低減できる。
【0079】
また、電気集塵装置100において、制御部5は、第一電気集塵部8aを集塵モードで制御している場合に、給気切替弁120によって第一給気路111を開き、かつ、排気切替弁140によって第一排気路131を閉じてもよい。
【0080】
これにより、集塵モードにおいて、第一排気路131を経由して、排出すべき気体が第一流路部80aに流入することを低減できる。
【0081】
また、電気集塵装置100において、制御部5は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの一方を集塵モードで制御している場合に、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの他方を前記クリーニングモードで制御してもよい。
【0082】
これにより、清浄化された気体の供給を続けながら第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bのクリーニングを行うことができる。つまり、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bにおいて、集塵モード及びクリーニングモードを交互に行うことにより、清浄化された気体の供給を停止することなく、第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bのクリーニングを行うことができる。
【0083】
また、電気集塵装置100において、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの各々は、第一電極10と、第一電極10と対向する第二電極20と、第一電極10及び第二電極20に電圧を供給する電圧供給回路4とを有してもよい。制御部5は、集塵モードにおいて、電圧供給回路4に、第一電極10と第二電極20との間に電圧を印加させてもよい。
【0084】
これにより、集塵モードにおいて、第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bで帯電した粒子を捕捉できる。
【0085】
また、電気集塵装置100において、第一電極10は、第一電極要素11と第一電極要素11と絶縁された第二電極要素12とを有し、制御部5は、クリーニングモードにおいて、電圧供給回路に、第一電極要素11と第二電極要素12との間に電圧を印加させてもよい。
【0086】
これにより、クリーニングモードにおいて、第一電気集塵部8a又は第二電気集塵部8bから粒子を離脱させることができる。
【0087】
また、電気集塵装置100は、共通給気路110に配置される給気ファン161と、共通排気路130に配置される排気ファン162と、をさらに備えてもよい。
【0088】
これにより、共通給気路110及び共通排気路130に気体を流すことができる。
【0089】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る熱交換システムについて説明する。本実施の形態に係る熱交換システムは、実施の形態1に係る電気集塵装置100を用いた熱交換システムである。以下、本実施の形態に係る熱交換システムについて、実施の形態1に係る電気集塵装置100との相違点を中心に説明する。
【0090】
本実施の形態に係る熱交換システムの構成について
図12を用いて説明する。
図12は、本実施の形態に係る熱交換システム200の構成の一例を示す模式図である。
図12に示すように、本実施の形態に係る熱交換システム200は、実施の形態1に係る電気集塵装置100に加えて、熱交換器207を備える。
【0091】
熱交換器207は、共通給気路110及び共通排気路130の少なくとも一方が接続される熱機器である。熱交換器207は、例えば共通給気路110に接続され、共通給気路110内を流れる気体に熱を与えてもよいし、当該気体から熱を奪ってもよい。これにより、熱交換システム200をエアコンディショナとして機能させることができる。また、熱交換器207は、共通排気路130内を流れる気体に、共通給気路110内を流れる気体の熱を与えてもよいし、共通排気路130内を流れる気体の熱を、共通給気路110内を流れる気体に与えてもよい。
【0092】
以上のように、本実施の形態に係る熱交換システムは、電気集塵装置100と、共通給気路110及び共通排気路130の少なくとも一方が接続される熱交換器207と、を備える。
【0093】
これにより、気体中の粒子を捕捉し、清浄化した気体を供給できる熱交換システム200を実現できる。また、熱交換システム200においては、第一排気路131を流れる気体を用いて、第一電気集塵部8aにおいて捕捉した粒子を第一電気集塵部8aから速やかに排出することができる。また、第一排気路131を流れる気体を用いることで、第一電気集塵部8aから離脱した粒子が第一電気集塵部8aに再度付着することを低減できる。
【0094】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る電気集塵装置について説明する。実施の形態3に係る電気集塵装置は、第一電気集塵部と第二電気集塵部とが一体化されている点において、実施の形態1に係る電気集塵装置100と相違する。以下、本実施の形態に係る電気集塵装置について、実施の形態1に係る電気集塵装置100との相違点を中心に
図13を用いて説明する。
【0095】
図13は、本実施の形態に係る電気集塵装置の第一流路部80a及び第二流路部80bの構成例を示す模式的な断面図である。
図13に示されるように、本実施の形態に係る第一電気集塵部の第一流路部80aと第二電気集塵部の第二流路部80bとは一体化されている。本実施の形態では、一つの集塵部1及び一つの帯電部2が第一流路部80aと第二流路部80bとに分割して配置されている。なお、集塵部1及び帯電部2の第一流路部80a内に配置された部分と、第二流路部80b内に配置された部分とは、個別に制御され得る。
【0096】
以上のような構成を電気集塵装置によっても、実施の形態1に係る電気集塵装置100と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態によれば、電気集塵装置を小型化することができる。
【0097】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る電気集塵装置について説明する。実施の形態4に係る電気集塵装置は、第一電気集塵部及び第二電気集塵部の外部に配置される第三排気路を備える点において、実施の形態1に係る電気集塵装置100と相違する。以下、本実施の形態に係る電気集塵装置について、実施の形態1に係る電気集塵装置100との相違点を中心に
図14を用いて説明する。
【0098】
図14は、本実施の形態に係る電気集塵装置400の構造的な構成の一例を示す模式図である。
図14に示すように、本実施の形態に係る電気集塵装置400は、実施の形態1に係る電気集塵装置100と同様の構成に加えて、第三排気路133をさらに備える。第三排気路133は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの外部に配置され、第一排気路131及び第二排気路132に接続される。
【0099】
また、本実施の形態に係る電気集塵装置400が備える排気切替弁440は、第一排気路131、第二排気路132及び第三排気路133を開閉し、かつ、第一排気路131、第二排気路132及び第三排気路133の少なくとも一つを閉じる。
【0100】
排気切替弁440は、第一排気弁141と、第二排気弁142と、第三排気弁143とを有する。第三排気弁143は、第三排気路133に接続される弁であり、第三排気路133の開閉を切り替える。排気切替弁440は、第一排気弁141、第二排気弁142及び第三排気弁143の開閉を切り替えることにより、第一排気路131、第二排気路132及び第三排気路133を開閉し、かつ、第一排気路131、第二排気路132及び第三排気路133の少なくとも一つを閉じる。
【0101】
これにより、例えば、第三排気路133を開けることで、第一排気路131及び第二排気路132を同時に閉じても、排気ファン162が流す空気を排出できる。このように、第一排気路131及び第二排気路132を同時に閉じることができるため、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bを同時に集塵モードで制御できる。
【0102】
(その他の変形例など)
以上のように、本発明に係る電気集塵装置及び熱交換システムについて、各実施の形態及び変形例を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態の変形例又は他の実施の形態にも適用可能である。また、実施の形態及び変形例で説明する各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態又は変形例とすることも可能である。
【0103】
なお、本発明の包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。
【0104】
また、各実施の形態及び変形例に係る電気集塵装置は、様々な機器に利用することができる。例えば、本発明の一態様は、
図15に示すような換気装置としても実現することができる。なお、
図15は、実施の形態1、3,4に係る各電気集塵装置が適用される換気装置の一例の外観図である。
図15に示す換気装置は、例えば、内部に電気集塵装置を備え、換気システムにおいて用いられ得る。
【0105】
また、例えば、本発明の一態様は、
図16に示すようなエアコンディショナとしても実現することができる。なお、
図16は、実施の形態1、3,4に係る各電気集塵装置又は実施の形態2に係る熱交換システム200が適用されるエアコンディショナの一例の外観図である。
図16に示すエアコンディショナは、例えば、内部に電気集塵装置又は熱交換システムを備える。
【0106】
また、上記各実施の形態の電気集塵装置は、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bを備えたが、三個以上の電気集塵部を備えてもよい。この場合、給気路及び排気路の個数も電気集塵部の個数と同数であってもよい。また電気集塵装置が三個以上の電気集塵部を備える場合、いずれか一つの電気集塵部を順にクリーニングモードで制御してもよいし、二つ以上の電気集塵部を同時にクリーニングモードで制御してもよい。また電気集塵装置が三個以上の電気集塵部を備える場合、いずれか一つの電気集塵部を順に集塵モードで制御してもよいし、二つ以上の電気集塵部を同時に集塵モードで制御してもよい。
【0107】
また、上記各実施の形態では、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの構成の一例を示したが、第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bの構成は、上記各実施の形態の構成に限定されない。例えば、クリーニングモードにおいて、電極間に、集塵モードと逆向きの電界を発生させて粒子を離脱させてもよいし、電極を振動させて粒子を離脱させてもよい。第一電気集塵部8a及び第二電気集塵部8bは、気体が通り抜けられる流路部を有し、流路部内に、粒子を捕捉及び離脱させることができる集塵部が配置されていればよい。
【0108】
また、クリーニングモードにおいて、帯電部の高電位電極及び低電位電極をクリーニングしてもよい。高電位電極においては、電極に粒子が付着すると粒子を帯電させるコロナ放電が不安定となり、帯電性能の低下やスパークなどの異常放電が発生する場合がありクリーニングを行う必要があり得る。低電位電極においても、気体中の粒子が付着及び堆積する場合があり、クリーニングを行う必要があり得る。このため、低電位電極、第一電極10と同様に第一電極要素及び第二電極要素を有してもよい。これにより、クリーニングモードにおいて電圧供給回路4又は、それらと同様の回路を用いて、低電位電極の第一電極要素と第二電極要素との間に交流電圧を印加することで、低電位電極に付着した粒子を離脱させることができる。なお、集塵モードにおいては、低電位電極の第一電極要素及び第二電極要素には低電位が印加される。