特開2019-206061(P2019-206061A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2019206061-打撃工具 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-206061(P2019-206061A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】打撃工具
(51)【国際特許分類】
   B25D 17/18 20060101AFI20191108BHJP
   B25D 9/00 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   B25D17/18
   B25D9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-102999(P2018-102999)
(22)【出願日】2018年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】洲本 康樹
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058AA11
2D058BA13
2D058CA03
2D058DA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被打撃物の形状に関わらず、被打撃物を打撃した際に生じた粉塵等を十分に集塵することが可能な打撃工具を提供する。
【解決手段】複数の打撃針10と、打撃針10の先端が露出する開口21を有し、打撃針10を収容する筒体20と、打撃針10の先端が開口21を通して被打撃物を繰り返し打撃するように、打撃針10を長手方向に沿って往復動させる駆動体40と、打撃針10の先端が被打撃物を打撃した際に生じる粉塵が筒体20から飛散しないように、開口21から被打撃物まで延長する伸縮体60と、筒体20に連通し、筒体20の内部を負圧とすることによって粉塵を集塵する集塵器70とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の打撃針と、
前記複数の打撃針の先端が露出する開口を有し、前記複数の打撃針を収容する筒体と、
前記複数の打撃針の先端が前記開口を通して被打撃物を繰り返し打撃するように、前記複数の打撃針を長手方向に沿って往復動させる駆動体と、
前記複数の打撃針の先端が前記被打撃物を打撃した際に生じる粉塵が前記筒体から飛散しないように、前記開口から前記被打撃物まで延長する伸縮体と、
前記筒体に連通し、前記筒体の内部を負圧とすることによって前記粉塵を集塵する集塵器と、
を備えたことを特徴とする打撃工具。
【請求項2】
前記伸縮体は、伸長する方向の弾性力によって前記被打撃物に密着する
ことを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
【請求項3】
前記伸縮体は、蛇腹形状を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
【請求項4】
前記伸縮体は、ゴム材料又は樹脂材料を用いて形成される
ことを特徴とする請求項3に記載の打撃工具。
【請求項5】
前記集塵器は、前記複数の打撃針が往復動しているときに前記粉塵を集塵する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の打撃工具。
【請求項6】
前記集塵器は、前記複数の打撃針が往復動を終了してから一定時間を経過した後に集塵を終了する
ことを特徴とする請求項5に記載の打撃工具。
【請求項7】
前記集塵器は、前記複数の打撃針が往復動を終了した後、前記粉塵の量が所定量を下回ったときに集塵を終了する
ことを特徴とする請求項5に記載の打撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の打撃針(ニードル)を長手方向に連続的に往復動させることによって、被打撃物に衝撃を与える打撃工具が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
打撃工具を用いることによって、溶接作業後のスパッタの除去、コンクリートや岩盤の表面の目荒らし、船舶に付着した貝殻の除去、建物の壁面の斫り、ショットピーニング等の作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−122618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示される打撃工具は、被打撃物を打撃した際に生じる破片や粉塵が飛散しないように、被打撃物に対面する複数の打撃針の先端を覆うスカートと、複数の打撃針を収容する筒体に負圧を与えることによって破片や粉塵を吸引する集塵器と、を備えている。
【0006】
しかし、被打撃物は種類に応じて様々な形状を呈しているのが現状である。そのため、被打撃物の形状によっては、被打撃物の表面とスカートとの間に筒体内の負圧に影響を与える程度の隙間を生じ、筒体内の破片や粉塵を十分に吸引できなくなる虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、被打撃物の形状に関わらず、複数の打撃針が被打撃物を打撃した際に生じた筒体内の粉塵等を十分に集塵することが可能な打撃工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決する主たる本発明は、打撃工具であって、複数の打撃針と、前記複数の打撃針の先端が露出する開口を有し、前記複数の打撃針を収容する筒体と、前記複数の打撃針の先端が前記開口を通して被打撃物を繰り返し打撃するように、前記複数の打撃針を長手方向に沿って往復動させる駆動体と、前記複数の打撃針の先端が前記被打撃物を打撃した際に生じる粉塵が前記筒体から飛散しないように、前記開口から前記被打撃物まで延長する伸縮体と、前記筒体に連通し、前記筒体の内部を負圧とすることによって前記粉塵を集塵する集塵器と、を備える。
【0009】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被打撃物の形状に関わらず、複数の打撃針が被打撃物を打撃した際に生じた筒体内の粉塵等を十分に集塵することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る打撃工具を示す側面図である。
図2】本実施形態に係る打撃工具を示す上面図である。
図3】本実施形態に係る打撃工具を示す側断面図である。
図4】本実施形態に係る打撃工具が被打撃物を打撃する様子を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0013】
===打撃工具の構成===
図1は、本実施形態に係る打撃工具を示す側面図である。図2は、本実施形態に係る打撃工具を示す上面図である。図3は、本実施形態に係る打撃工具を示す側断面図である。
【0014】
以下、図1図3を参照しつつ、打撃工具の詳細について説明する。
【0015】
打撃工具1は、溶接作業後のスパッタの除去、コンクリートや岩盤の表面の目荒らし、船舶に付着した貝殻の除去、建物の壁面の斫り、ショットピーニング等の作業を行うために、複数の打撃針(ニードル束)を長手方向に連続的に往復動させることによって、これらの被打撃物に衝撃を与える工具である。
【0016】
打撃工具1は、複数の打撃針10、筒体20、グリップ30、駆動源40、レバー50、伸縮体60、集塵器70を含んで構成されている。
【0017】
複数の打撃針10は、被打撃物の表面を連続的に打撃するために束ねられている針束である。複数の打撃針10は、例えば、強靭で耐摩耗性を有する材料である硬鋼線を用いて形成されている。
【0018】
筒体20は、両端に開口21,22を有するとともに管壁に開口23を有し、複数の打撃針10の両端が開口21,22から露出するように複数の打撃針10を収容する収容体である。尚、打撃工具1の動作が停止しているとき、複数の打撃針10における被打撃物と対向する側の先端が開口21から突出した状態となって停止するように、複数の打撃針10は筒体10内に配置されることとする。更に、複数の打撃針10は開口21から開口22への方向に弾性付勢されることとする。
【0019】
グリップ30は、作業者が打撃工具1を用いて作業を行う際に握る部分であって、作業者が一般的に握りやすい形状を呈している。グリップ30は、中空形状を呈し、グリップ30の開口31が筒体20の開口22と連通するように筒体20と結合されている。
【0020】
駆動源40は、複数の打撃針10を長手方向に連続的に往復動させるための駆動力を発生する。駆動源40は、例えば電動機又は圧縮空気を用いて駆動力を発生する構造を採用することとするが、両者とも周知の構造を採用すればよいため詳細な説明を省略する。駆動源40は、複数の打撃針10が弾性力に抗して被打撃物を打撃するように、筒体20の開口22から露出する複数の打撃針10の先端を駆動力に従って連続的に打撃するハンマー(不図示)を有する。駆動源40は、ハンマーが筒体20の開口22から露出する複数の打撃針10の先端と対向するように、グリップ30の内部に収容される。駆動源40には、電源コード41を介して商用電源又はバッテリーから電力が供給される。
【0021】
レバー50は、駆動源40の電源線を接続または遮断するスイッチである。レバー50は、グリップ30から離れる方向に弾性付勢されている。レバー50を弾性力に抗してグリップ30の側に押下すると、駆動源40は電源線が接続されることによって動作を開始する。一方、レバー50を弾性力に従って開放すると、駆動源40は電源線が遮断されることによって動作を終了する。
【0022】
伸縮体60は、両端に開口61,62を有し、伸縮体60の開口61が筒体20の開口21と連通するように筒体20と結合される部材である。伸縮体60は、最も伸長したときに筒体20の開口21から突出する複数の打撃針10の先端を完全に覆うだけの長さを有する。伸縮体60は、筒体20の開口21から離れる方向(伸長する方向)に弾性付勢され、被打撃物に押し当てることによって弾性力に抗して被打撃物と密着しながら打撃工具1の姿勢に応じて伸縮する(破線、一点鎖線)。伸縮体60は、例えば、蛇腹形状を呈し、伸長する方向に弾性付勢されるようにゴム材料や樹脂材料を用いて形成されてもよい。又、伸縮体60は、例えば、伸長する方向に弾性付勢されるコイルバネに布材を張り付けて形成されてもよい。このように、伸縮体60を用いることによって、複数の打撃針10が被打撃物の表面を打撃することによって剥離して落下する破片や粉塵等は、周囲に飛散することなく筒体20内に留まることとなる。
【0023】
集塵器70は、筒体20内の破片や粉塵等を取り除く装置である。集塵器70は、パイプ71を介して筒体20の開口23と結合され、打撃工具1の姿勢に関わらず伸縮体60が被打撃物に密着することを利用し、筒体20内を負圧とすることによって筒体20内の破片や粉塵等を吸引する。又、駆動源40が動作を開始したときに集塵器70も動作を開始し、駆動源40が動作を終了したときに集塵器70も動作を終了するように、駆動源40及び集塵器70における電源線の接続及び遮断を連係させてもよい。又、駆動源40が動作を終了してから一定時間を経過した後に集塵器70が動作を終了するように、駆動源40及び集塵器70の動作を連係させてもよい。又、筒体20内の留まる破片や粉塵の量をセンサによって検出し、駆動源40が動作を終了した後、筒体20内に留まる破片や粉塵の量が所定量を下回ったときに集塵器70が動作を終了するように、駆動源40及び集塵器70の動作を連係させてもよい。又、集塵器70の吸引量を目視で確認できるようにしてもよい。
【0024】
===打撃工具の操作例===
先ず、電源コード41を商用電源又はバッテリーに接続する。
【0025】
次に、打撃工具1のグリップを握りながら、伸縮体60の弾性力に抗して伸縮体60の開口62を被打撃物の表面に押し当てる。このとき、伸縮体60は弾性力に従って被打撃物に密着する。
【0026】
次に、レバー50をグリップ30の側に押下する。このとき、駆動源40及び集塵器70のそれぞれの電源線が接続される。駆動源40が動作を開始すると、ハンマーが筒体20の開口22から露出する複数の打撃針10の先端を連続的に打撃し、複数の打撃針10が長手方向に連続的に往復動し、筒体20の開口21から露出する複数の打撃針10の先端は被打撃物を打撃する。そして、被打撃物から剥離して落下した破片や粉塵等は、周囲に飛散することなく筒体20内に留まる。一方、集塵器70が動作を開始すると、伸縮体60が被打撃物に密着しているために筒体20内は瞬時に負圧となって、筒体20内の破片や粉塵等は瞬時に吸引される。
【0027】
次に、レバー50を開放する。このとき、駆動源40及び集塵器70のそれぞれの電源線が遮断される。これによって、駆動源40及び集塵器70は動作を終了する。尚、先に説明したように、集塵器70の動作は、駆動源40の動作が終了してから一定時間後に終了してもよいし、駆動源40の動作が終了した後、筒体20内に留まる破片や粉塵の量が所定量を下回ったときに終了するようにしてもよい。
【0028】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る打撃工具1は、複数の打撃針10と、複数の打撃針10の先端が露出する開口21を有し、複数の打撃針10を収容する筒体20と、複数の打撃針10の先端が開口21を通して被打撃物を繰り返し打撃するように、複数の打撃針10を長手方向に沿って往復動させる駆動源40と、複数の打撃針10の先端が被打撃物を打撃した際に生じる破片や粉塵等が筒体20から飛散しないように、開口21から被打撃物まで延長する伸縮体60と、筒体20に連通し、筒体20の内部を負圧とすることによって破片や粉塵等を集塵する集塵器70と、を備える。本実施形態によれば、被打撃物の形状や打撃工具1の姿勢に関わらず、複数の打撃針10が被打撃物を打撃した際に生じた筒体20内の粉塵等を十分に集塵することが可能となる。又、伸縮体60が被打撃物に密着するため、被打撃物の打撃領域を確実に定めることが可能となる。又、伸縮体60が複数の打撃針10を覆うため、複数の打撃針10が被打撃物を打撃した際の騒音を抑えることが可能となる。
【0029】
又、本実施形態に係る打撃工具1において、伸縮体60は、伸長する方向の弾性力によって被打撃物に密着する。そのために、伸縮体は、蛇腹形状を呈し、ゴム材料又は樹脂材料を用いて形成されてもよい。
【0030】
又、本実施形態に係る打撃工具1において、集塵器70は、複数の打撃針10が往復動しているときに破片や粉塵等を集塵する。これによって、作業時間を短縮することが可能となる。
【0031】
又、本実施形態に係る打撃工具1において、集塵器70は、複数の打撃針10が往復動を終了してから一定時間を経過した後に集塵動作を終了してもよく、複数の打撃針10が往復動を終了した後、破片や粉塵等の量が所定量を下回ったときに集塵動作を終了してもよい。これによって、筒体20内の破片や粉塵等を確実に集塵することが可能となる。
【0032】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1 打撃工具
10 打撃針
20 筒体
21,22,23,31,61,62 開口
30 グリップ
40 駆動源
50 レバー
60 伸縮体
70 集塵器
71 パイプ
図1
図2
図3
図4