【実施例】
【0018】
以下本発明の一実施例による車両荷台用積載ボディーユニットについて説明する。
図1は本実施例による車両荷台用積載ボディーユニットの写真であり、
図1(a)は同車両荷台用積載ボディーユニットを積載した車両の外観側面写真、
図1(b)は同車両の後面写真、
図1(c)は同車両荷台用積載ボディーユニットを荷台に積み込み前、又は積み下ろし後の状態での車両後方からの写真、
図1(d)は同車両荷台用積載ボディーユニットを荷台に積み込み前、又は積み下ろし後の状態での車両前方からの写真である。
【0019】
本実施例による車両荷台用積載ボディーユニットAは、運転席を有するキャビン1の後方に有する車両の荷台2に積載される。荷台2は、一対の側面アオリ3と後面アオリ4とで囲まれる。荷台2の荷台面2sは、一対の側面アオリ3と後面アオリ4とで所定の高さを囲われている。後面アオリ4は倒すことができるが、一対の側面アオリ3は必ずしも倒すことができなくてもよい。
車両荷台用積載ボディーユニットAは、積載ボディー10と、ボディー内スライド棚20(
図6及び
図7参照)とで構成される。
積載ボディー10には、一対の側面材11と、後面材12と、上面材14と、前面材15とを有している。積載ボディー10は、一対の側面材11と、後面材12と、上面材14と、前面材15とで覆われている。
後面材12は、少なくとも一部に扉機構13を有する。本実施例では後面材12全体を扉機構13としている。
車両荷台用積載ボディーユニットAは、昇降装置30を用いて荷台2に積み込み及び積み下ろしされる。
昇降装置30は、車両荷台用積載ボディーユニットAを載置する載置面材31と、載置面材31を昇降動作させる昇降機構32とを有している。
【0020】
図2は同車両荷台用積載ボディーユニットの外観図であり、
図2(a)は後面アオリを倒した状態での後面図、
図2(b)は側面アオリが無い状態での側面図である。
【0021】
一対の側面材11には、下方に位置する下部側面材11aと、下部側面材11aの上端に接続される上部側面材11bとを有している。後面材12には、下方に位置する下部後面材12aと、下部後面材12aの上端に接続される上部後面材12bとを有している。
図2に示すように、荷台2に積載した状態で、一方の側面材11Rを形成する一方の下部側面材11Raは、一方の側面アオリ3Rの内側面3Rsより内方に配置され、他方の側面材11Lを形成する他方の下部側面材11Laは、他方の側面アオリ3Lの内側面3Lsより内方に配置され、一方の側面材11Rを形成する一方の上部側面材11Rbは、一方の側面アオリ3Rの内側面3Rsより外方に配置され、他方の側面材11Lを形成する他方の上部側面材11Lbは、他方の側面アオリ3Lの内側面3Lsより外方に配置されている。
また、後面材12を形成する下部後面材12aは、後面アオリ4の内側面4sより内方に配置され、後面材12を形成する上部後面材12bは、後面アオリ4の内側面4sより外方に配置される。
従って、本実施例の車両荷台用積載ボディーユニットAによれば、限られた荷台スペースに対して収納空間を大きく取れるとともに、積載ボディー10を荷台2から積み下ろすことを容易に行えるため、災害現場に応じた資機材を収納した積載ボディー10に取り替えることができる。
【0022】
図3は同車両荷台用積載ボディーユニットの積載ボディーと車両の荷台とを示す構成図であり、
図3(a)は同積載ボディーの構成図、
図3(b)は同荷台の構成図である。
図4は同積載ボディーに設けたスライドローラーと、同荷台に設けたスライドレールとを示す構成図であり、
図4(a)は斜視図、
図4(b)は後面図、
図4(c)及び
図4(d)は
図4(b)の要部拡大図、
図4(e)は側面図である。
図5は同積載ボディー及び同荷台に設けたロック部材を示す構成図であり、
図5(a)は第1ボディー側ロック部材と第1荷台側ロック部材との係合状態を示す斜視図、
図5(b)は第1ボディー側ロック部材を示す斜視図、
図5(c)は第2ボディー側ロック部材と第2荷台側ロック部材との係合状態を示す斜視図である。
【0023】
図3(a)及び
図4に示すように、積載ボディー10には、一方の下部側面材11Raと他方の下部側面材11Laとの間に、メインフレーム16を有し、メインフレーム16を形成する一対の底面フレーム16aには、スライドローラー17を有している。
一方、
図3(b)及び
図4に示すように、荷台2の荷台面2sには、スライドローラー17が転がるスライドレール5を有している。
積載ボディー10に設けたスライドローラー17と、荷台2に設けたスライドレール5とによって、後面アオリ4を倒した状態で、積載ボディー10が荷台面2sを後面アオリ4の方向にスライドでき、積載ボディー10を上方に持ち上げることに比べて積載ボディー10の積み込み及び積み下ろしを容易に行える。
図4(c)及び
図4(d)に示すように、スライドレール5を円柱状部材で形成している。このようにスライドレール5を円柱状部材とすることで、特に積載ボディー10の積み込みにおける左右方向ずれ調整が容易となり、積載時の確実な位置決めを行える。
【0024】
図3(a)に示すように、底面フレーム16bには、4つの第1ボディー側ロック部材18を有している。
第1ボディー側ロック部材18は、後面アオリ4側に配置する一対の第1後方ボディー側ロック部材18Rと、キャビン1側に配置する一対の第1前方ボディー側ロック部材18Fとで構成され、一対の第1後方ボディー側ロック部材18Rの間隔を、一対の第1前方ボディー側ロック部材18Fの間隔よりも広くしている。
一方、
図3(b)に示すように、荷台2の荷台面2sには、4つの第1ボディー側ロック部材18と係合する4つの第1荷台側ロック部材6を有している。
第1荷台側ロック部材6は、一対の第1後方ボディー側ロック部材18Rに対応する一対の第1後方荷台側ロック部材6Rと、一対の第1前方ボディー側ロック部材18Fに対応する第1前方荷台側ロック部材6Fとで構成されている。
車両の走行時に生じる上下方向の力は後面アオリ4側が大きいため、一対の第1後方ボディー側ロック部材18Rの間隔を、一対の第1前方ボディー側ロック部材18Fの間隔よりも広くすることで、車両の走行時に生じる上下方向の力に対して十分な固定が行えるとともに、一対の第1後方荷台側ロック部材6Rの間隔が、一対の第1前方荷台側ロック部材6Fの間隔よりも広くなるため、後面アオリ4側の荷台2のフラット面を広くでき、積載ボディー10を積載しない状態における荷台2への資機材の積載が容易となる。
【0025】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第1ボディー側ロック部材18は、底面フレーム16bに取り付ける台座部18aと、台座部18aから突出させた一対の腕部18bと、一対の腕部18bの間に設けたピン部18cとで構成されている。
図5(a)に示すように、第1荷台側ロック部材6は、荷台2に取り付ける台座部6aと、台座部6aから突出させたコの形状の規制部6bとで構成されている。
図5(a)に示すように、コの形状の規制部6bにピン部18cが位置することで、第1ボディー側ロック部材18と第1荷台側ロック部材6とが係合する。
後面アオリ4を倒した状態で、積載ボディー10が荷台面2sをキャビン1の方向にスライドすることで、第1ボディー側ロック部材18と第1荷台側ロック部材6とが係合し、積載ボディー10が荷台面2sを後面アオリ4の方向にスライドすることで、第1ボディー側ロック部材18と第1荷台側ロック部材6との係合が解除される。
このように、スライドの方向によって第1ボディー側ロック部材18と第1荷台側ロック部材6との係合と解除とが行えるため、確実で容易に荷台2への積載ボディー10の固定を行える。
【0026】
図3(a)及び
図5(c)に示すように、メインフレーム16を形成する底面フレーム16cには、第2ボディー側ロック部材19を有している。
一方、
図3(b)及び
図5(c)に示すように、荷台2には、第2ボディー側ロック部材19に係合する第2荷台側ロック部材7を有している。第2荷台側ロック部材7には操作レバー7aを有している。
なお、第2荷台側ロック部材7は、操作レバー7aが
図3(b)に示すように一方に位置するときには、第2ボディー側ロック部材19との係合が解除される状態であり、操作レバー7aが
図5(c)に示すように他方に位置するときには、第2ボディー側ロック部材19を解除できない状態である。
図3(b)及び
図5(c)に示すように、操作レバー7aは、一方又は他方に位置するときには荷台面2s上に位置するが、一方と他方との間に位置するときには荷台面2sから突出する。
従って、操作レバー7aが他方側に位置して荷台面2sから突出する状態にあるときには、後面アオリ4を立てることで、後面アオリ4が操作レバー7aを動作させて第2ボディー側ロック部材19と第2荷台側ロック部材7とが係合する。なお、後面アオリ4を立てることで、第2ボディー側ロック部材19と第2荷台側ロック部材7とは係合するがロック状態にまではならない。
このように、後面アオリ4を立てることで第2ボディー側ロック部材19と第2荷台側ロック部材7とが係合するため、操作レバー7aによるロック操作を忘れた場合であっても後面アオリ4を立てることで係合状態になるため、安全性が高い。
【0027】
図6は同車両荷台用積載ボディーユニットの積載ボディーとボディー内スライド棚とを示す構成図であり、
図6(a)は同ボディー内スライド棚の収納状態の構成図、
図6(b)はボディー内スライド棚の引き出し状態の構成図である。
図7は下部スライダー機構と上部スライダー機構とを示すフレーム構成図であり、
図7(a)は上方からの斜視図、
図7(b)は後面図である。
【0028】
図6に示すように、車両荷台用積載ボディーユニットAは、積載ボディー10に対してスライドするボディー内スライド棚20を有している。
図6(a)に示す状態から、後面アオリ4を倒し、後面アオリ4を倒した後に扉機構13を開状態とすることで、
図6(b)に示すようにボディー内スライド棚20を引き出すことができる。
【0029】
図7に示すように、底面フレーム16aとボディー内スライド棚20の下部との間に一対の下部スライダー機構21R、21Lを有し、メインフレーム16を形成する天面フレーム16xとボディー内スライド棚20の上部との間に上部スライダー機構21Tを有する。
このように、一対の下部スライダー機構21R、21Lに加えて上部スライダー機構21Tを有することで、積載ボディー10から引き出した状態でのボディー内スライド棚20のゆがみを防止できるとともに、ボディー内スライド棚20によって積載ボディー10の剛性を高めることができる。
特に
図7(b)に示すように、下部スライダー機構21R、21Lを形成する下部ローラー軸Hを荷台面2sに平行に配置し、上部スライダー機構21Tを形成する上部ローラー軸Tを荷台面2sに垂直に配置している。すなわち、下部スライダー機構21R、21Lの下部スライダー面は荷台面2sに垂直に配置し、上部スライダー機構21Tの上部スライダー面を荷台面2sに平行に配置している。
下部スライダー面を荷台面2sに垂直に、上部スライダー面を荷台面2sに平行に配置することで、更にボディー内スライド棚20及び積載ボディー10の剛性を高めることができる。
【0030】
なお、図示は省略するが、
図1(c)及び
図1(d)に示す昇降装置30は、載置面材31に、スライドローラー17が転がる昇降側スライドレールを有することが好ましい。ここで、載置面材31に設ける昇降側スライドレールは、荷台面2sに設けたスライドレール5と同一構成で、同一幅に設けることが好ましい。
このように、載置面材31に昇降側スライドレールを有することで、積載ボディー10の積み込み及び積み下ろしを容易にできる。