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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-206236(P2019-206236A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】電動駐車ブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/18 20060101AFI20191108BHJP
   B60T 8/00 20060101ALI20191108BHJP
   F16H 63/34 20060101ALI20191108BHJP
   B60T 7/02 20060101ALI20191108BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   B60T17/18
   B60T8/00 Z
   F16H63/34
   B60T7/02 A
   B60T13/74 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-102073(P2018-102073)
(22)【出願日】2018年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 智広
【テーマコード(参考)】
3D048
3D049
3D124
3D246
3J067
【Fターム(参考)】
3D048BB02
3D048CC49
3D048HH51
3D048HH67
3D048HH68
3D048HH70
3D049BB02
3D049BB07
3D049CC07
3D049HH40
3D049HH47
3D049HH48
3D049KK13
3D049QQ01
3D049RR04
3D049RR05
3D049RR10
3D049RR13
3D124AA16
3D124BB02
3D124BB12
3D124DD54
3D246BA08
3D246DA02
3D246EA11
3D246GA01
3D246GC11
3D246HA06A
3D246HA25A
3D246HA33A
3D246HA34A
3D246HA64A
3D246JB11
3D246JB12
3D246MA16
3D246MA37
3J067BB03
3J067FA56
3J067FA63
3J067FA84
3J067FB45
3J067GA01
(57)【要約】
【課題】本発明の少なくとも一つの実施形態は、EPBスイッチのスイッチ操作によってEPBの作動及び解除が可能なスイッチ操作モードと、シフトレバーのシフト操作によってもEPBの作動及び解除が可能なシフト連動操作モードとを備える電動駐車ブレーキ装置において、EPBが掛かった状態でEPBスイッチが故障した場合への対応を改善して電動駐車ブレーキ装置の使い勝手を向上させることを目的とする。
【解決手段】EPBスイッチの故障を判定するスイッチ故障判定部37と、EPBが掛かった状態かを判定するブレーキ作動判定部39と、スイッチ故障判定部によって電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つブレーキ作動判定部によって電動駐車ブレーキが掛かった状態と判定されたとき、制御モードをシフト連動操作モードとするモード選択制御部40と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動駐車ブレーキを作動及び解除する電動駐車ブレーキスイッチの操作によらずシフトレバーのシフト操作に連動して電動駐車ブレーキの作動及び解除が可能なシフト連動操作モードに制御モードが切り替え可能な電動駐車ブレーキ装置であって、
前記電動駐車ブレーキスイッチの故障を判定するスイッチ故障判定部と、
前記電動駐車ブレーキが掛かった状態にあるかを判定するブレーキ作動判定部と、
前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つ前記ブレーキ作動判定部によって前記電動駐車ブレーキが掛かった状態と判定されたとき、前記制御モードを前記シフト連動操作モードとするモード選択制御部と、
を備えることを特徴とする電動駐車ブレーキ装置。
【請求項2】
前記モード選択制御部は、前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定された後、シフト操作に連動して前記電動駐車ブレーキが解除されると前記シフト連動操作モードを解除することを特徴とする請求項1に記載の電動駐車ブレーキ装置。
【請求項3】
前記モード選択制御部は、前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つ前記ブレーキ作動判定部によって前記電動駐車ブレーキが解除されている状態と判定されたとき、前記シフト連動操作モードの選択を禁止することを特徴とする請求項2に記載の電動駐車ブレーキ装置。
【請求項4】
前記シフト連動操作モードが作動または解除されたことをユーザに報知するシフト連動報知部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動駐車ブレーキ装置。
【請求項5】
前記電動駐車ブレーキスイッチは、中立位置自動復帰の上下可動構造を有し、引上げ操作で前記電動駐車ブレーキを作動し、押下げ操作で前記電動駐車ブレーキが解除され、引上げ操作が所定時間以上継続した場合に前記シフト連動操作モードに移行し、押下げ操作が所定時間以上継続した場合に前記シフト連動操作モードが解除されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動駐車ブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動駐車ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動源によって作動させられる自動車の電動駐車ブレーキについて、特許文献1には、電動機などの駆動部品や操作スイッチが故障したときでも駐車ブレーキの制動力を解除する発明について開示されている。
【0003】
この特許文献1の請求項4には、「操作部材の操作に基づいて駐車ブレーキを作動および/または解除する電動駆動手段を有する電動駐車ブレーキ装置であって、操作部材故障時設定操作が行なわれたとき、前記操作部材による操作がなされていないにも拘わらず、該駐車ブレーキが作動および/または解除されるよう前記電動駆動手段を駆動制御する制御手段を備えること」が示され、請求項5には、「前記操作部材故障時設定操作は、車両の始動スイッチの操作、シフトレバーの操作、アクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作などの一部または全部の組み合わせ操作を含む操作である」ことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、電動パーキングブレーキシステムにおけるシフト連動制御について開示されている。この特許文献2には、電動パーキングブレーキの作用中に、予め定められたシフト操作が行われた場合に、そのシフト操作に連動して電動パーキングブレーキを自動で解除するパーキングブレーキ自動解除装置と、そのパーキングブレーキ自動解除装置のシフト連動自動解除を禁止状態にするシフト連動自動解除禁止部と、シフト連動自動解除禁止部によってシフト連動自動解除が禁止された状態であっても、予め定められたシフト操作が行われ、かつ、アクセル操作が行われた場合に、パーキングブレーキを自動で解除する禁止中特別自動解除部と、を備えることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−106058号公報(請求項4、5)
【特許文献2】特開2009−101818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの特許文献にも、電動駐車ブレーキスイッチ(EPBスイッチ)の操作によって電動駐車ブレーキの作動及び解除を行うスイッチ操作モードと、シフトレバーのシフト操作によって電動駐車ブレーキの作動及び解除を行うシフト連動操作モードとを備えて、ユーザの選択によって切り替えて使用できる電動駐車ブレーキ装置であって、EPBスイッチによって操作モードの切り替えも可能とすることは示されていない。
【0007】
このようなEPBスイッチの操作によって電動駐車ブレーキ(EPB)の作動及び解除を行うスイッチ操作モードと、シフトレバーのシフト操作によって電動駐車ブレーキの作動及び解除を行うシフト連動操作モードとを備え、さらに操作モードの切り替えもEPBスイッチの操作によって可能にする電動駐車ブレーキ装置においては、スイッチ操作モードを使用して駐車ブレーキを掛けた状態でEPBスイッチが故障してしまった場合には、駐車ブレーキを解除できずに車両を動かせなくなってしまう問題がある。
【0008】
そこで、上記の課題に鑑み、本発明の少なくとも一つの実施形態は、EPBスイッチのスイッチ操作によってEPBの作動及び解除が可能なスイッチ操作モードと、シフトレバーのシフト操作によってもEPBの作動及び解除が可能なシフト連動操作モードとを備える電動駐車ブレーキ装置において、EPBが掛かった状態でEPBスイッチが故障した場合への対応を改善して電動駐車ブレーキ装置の使い勝手を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)前述した目的を達成するために発明されたものであり、本発明の少なくとも一つの実施形態は、電動駐車ブレーキを作動及び解除する電動駐車ブレーキスイッチの操作によらずシフトレバーのシフト操作に連動して電動駐車ブレーキの作動及び解除が可能なシフト連動操作モードに制御モードが切り替え可能な電動駐車ブレーキ装置であって、前記電動駐車ブレーキスイッチの故障を判定するスイッチ故障判定部と、前記電動駐車ブレーキが掛かった状態にあるかを判定するブレーキ作動判定部と、前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つ前記ブレーキ作動判定部によって前記電動駐車ブレーキが掛かった状態と判定されたとき、前記制御モードを前記シフト連動操作モードとするモード選択制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成(1)によれば、スイッチ故障判定部によって電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つブレーキ作動判定部によって電動駐車ブレーキが掛かった状態と判定されたとき、制御モードをシフト連動操作モードとするモード選択制御部を備えるので、シフトレバーの操作によって、例えば、シフトPからシフトP以外への移動によって、EPBを解除することができ、車両の移動が可能になる。
【0011】
また、ユーザのシフト操作によって発進意思を確認してEPBの解除が行われるので、ユーザの意図しないタイミングで車両が発進してしまう危険が回避される。従って、EPBが掛かった状態(ロック)でEPBスイッチが故障した場合への対応が改善されて、電動駐車ブレーキ装置の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
(2)また、幾つかの実施形態では、前記モード選択制御部は、前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定された後、シフト操作に連動して前記電動駐車ブレーキが解除されると前記シフト連動操作モードを解除することを特徴とする。
【0013】
EPBスイッチが故障した状態のままシフト操作によって電動駐車ブレーキの作動及び解除が行われ続けることを回避できる。これにより、例えば、寒冷地において駐車措置としてシフト操作(シフトP)によってEPB作動させてしまい、ブレーキが凍結してEPBのロックを解除できなくなる危険を回避することができる。
【0014】
(3)また、幾つかの実施形態では、前記モード選択制御部は、前記スイッチ故障判定部によって前記電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つ前記ブレーキ作動判定部によって前記電動駐車ブレーキが解除されている状態と判定されたとき、前記シフト連動操作モードの選択を禁止することを特徴とする。
【0015】
上記構成(3)によれば、スイッチ故障判定部によって電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つブレーキ作動判定部によって電動駐車ブレーキが解除されている状態と判定されたとき、シフト連動操作モードの選択を禁止するので、再度のシフト連動操作モードの選択を禁止して、EPBスイッチが故障した状態のままシフト操作によって電動駐車ブレーキの作動が行われることを回避できる。これにより、例えば、寒冷地においてEPBスイッチが故障した状態で且つシフト連動操作モードを選択した状態で、駐車措置としてシフト操作(シフトP)によってEPB作動させてしまい、ブレーキが凍結してEPBのロックを解除できなくなる危険を回避することができる。
【0016】
(4)また、幾つかの実施形態では、前記シフト連動操作モードが作動または解除されたことをユーザに報知するシフト連動報知部を備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成(4)によれば、シフト連動操作モードがONかOFFかをシフト連動報知部によってユーザに知らせることができる。
【0018】
(5)また、幾つかの実施形態では、前記電動駐車ブレーキスイッチは、中立位置自動復帰の上下可動構造を有し、引上げ操作で前記電動駐車ブレーキを作動し、押下げ操作で前記電動駐車ブレーキが解除され、引上げ操作が所定時間以上継続した場合に前記シフト連動操作モードに移行し、押下げ操作が所定時間以上継続した場合に前記シフト連動操作モードが解除されることを特徴とする。
【0019】
上記構成(5)によれば、同一のEPBスイッチによって、EPBの作動及び解除と、操作モードの切り替えが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、スイッチ故障判定部によって電動駐車ブレーキスイッチが故障と判定され、且つブレーキ作動判定部によって電動駐車ブレーキが掛かった状態と判定されたとき、制御モードをシフト連動操作モードとするモード選択制御部を備えるので、シフトレバーの操作によって、EPBを解除することができ、車両の移動が可能になる。従って、EPBが掛かった状態でEPBスイッチが故障した場合への対応を改善して電動駐車ブレーキ装置の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る電動駐車ブレーキ装置を備えた車両のブレーキ装置全体の構成図を示す。
図2】本発明の一実施形態に係る電動駐車ブレーキ装置のEPBシステム構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電動駐車ブレーキ装置の操作モード及びEPBの作動状態を示す概略構成ブロック図である。
図4】EPBスイッチの故障時のEPB解除制御を示す制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、実施形態として記載されている、または図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれらに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0023】
図1は、電動駐車ブレーキ装置1を備えた車両3のブレーキ装置全体の構成図を示す。
【0024】
車両3には、液圧制動力を発生する液圧ブレーキ装置5と、この液圧ブレーキ装置5とは別個に駐車制動力(駐車ブレーキ)を発生可能な電動駐車ブレーキ装置1とが備えられている。
【0025】
液圧ブレーキ装置5は、左右前輪7L、7R、及び左右後輪9L、9Rには、それぞれの車輪に対してブレーキ液圧(油圧)に応じた制動力を掛ける液圧ブレーキ11L、11R、13L、13Rを備えている。そして、各液圧ブレーキ11L、11R、13L、13Rによる制動力を制御する液圧ブレーキECU(Electronic Control Unit)15が設けられている。
【0026】
図1に示すように、本実施形態では、左右前輪7L、7Rに対する液圧ブレーキ11L、11Rは、ディスクブレーキに対する液圧ブレーキであり、左右後輪9L、9Rに対する液圧ブレーキ13L、13Rは、ドラムブレーキに対する液圧ブレーキである。
【0027】
また、各車輪7L、7R、9L、9Rには、対応する車輪の車輪速を検出する車輪速センサ17L、17R、19L、19Rが設けられており、これら車輪速センサ17L、17R、19L、19Rからの信号は液圧ブレーキECU15に入力されている。また、後輪側の車輪速センサ19L、19Rからの信号は後述する電動駐車ブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)ECU21に入力されている。
【0028】
そして、液圧ブレーキECU15は、各液圧ブレーキ11L、11R、13L、13Rへの液圧を調節可能なブレーキ液圧ユニット23と接続されており、該ブレーキ液圧ユニット23を介して各液圧ブレーキ11L、11R、13L、13Rによる制動力を制御するようになっている。
【0029】
例えば、液圧ブレーキECU15は、運転者のブレーキ操作に応じた制動力制御の他、運転状態に応じて前後輪7、9の制動力配分量を制御する所謂エレクトロニック・ブレーキフォース・ディストリビューション(EBD)、車輪速に基づき急制動時や低摩擦係数路面上でのブレーキ操作時等に車輪のロックを防止しつつ制動力、操舵性、車両安定性を維持する所謂アンチロックブレーキシステム(ABS)、及び各液圧ブレーキ11L、11R、13L、13Rによる制動力を調節し車両の姿勢を安定させながら駆動力を確保する所謂アクティブスタビリティコントロール(ASC)等の制御を行う。
【0030】
また、図1に示すように、電動駐車ブレーキ装置1は、EPBECU21の制御によって左右後輪9L、9Rのドラムブレーキに対して、液圧ブレーキ13L、13Rによる制動力とは別個に、ケーブル25の引っ張りによって制動力を掛ける電動駐車ブレーキ(EPB)27L、27Rを備えている。
【0031】
EPBECU21の制御によって、EPBアクチュエータ31を構成するEPBモータ32(図2参照)の出力軸が一方向に回転し、出力軸の回転によってケーブル25が所定の張力で引っ張られて、左右後輪9L、9RのEPB27L、27Rに対して所定の制動力を発生するようになっている。また、出力軸が他方向に回転して、制動力が解除されるようになっている。
【0032】
このEPBECU21は、ユーザ(運転者)によって操作され、運転席と助手席との間のセンターコンソールや、インストルメントパネル等に配置されたEPBスイッチ33の操作に基づく信号によってEPB27L、27Rの作動及び解除の制御が可能になっている。また、EPBECU21は、ユーザによって操作される、例えば自動変速機の変速ポジション(P、R、D、N等)を変更するためのシフトレバー35のシフト操作に基づく信号によっても制御可能になっている。なお、自動変速機のシフトレバーに限らず、電動自動車やハイブリッド車のレンジ変更のシフトレバー、または、マニュアル変速機のシフトレバーのシフト操作であってもよい。
【0033】
このように、電動駐車ブレーキ装置1は、EPBスイッチ33の操作によってEPB27L、27Rの作動及び解除が可能なスイッチ操作モードM1と、シフトレバー35のシフト操作によってもEPB27L、27Rの作動及び解除が可能なシフト連動操作モードM2とを有している。尚、シフト連動操作モードM2では、EPBスイッチ33の操作によってもEPB27L、27Rの作動及び解除が可能である。すなわち、シフト連動操作モードM2では、EPBスイッチ33の操作でも、シフトレバー35のシフト操作でも、EPB27L、27Rの作動及び解除が可能である。
【0034】
さらに、スイッチ操作モードM1とシフト連動操作モードM2との何れを使用するかの操作モードの切り替えは、EPBスイッチ33によって行うことができるようになっている。すなわち、操作モードの切り替えは、スイッチ操作モードM1におけるEPB27L、27Rの作動及び解除を行う際の操作態様と異なる操作態様によって可能になっている。例えば、操作方法や、操作方法は同じでもONの継続時間や、OFFの継続時間によって異ならせている。
【0035】
次に、図2を参照して、EPBECU21につい説明する。EPBECU21は、図2に示すように、EPBスイッチ33の故障を判定するスイッチ故障判定部37と、EPB27L、27Rが掛かった状態にあるかを判定するブレーキ作動判定部39と、所定の条件のとき、すなわち、スイッチ故障判定部37によってEPBスイッチ33が故障と判定され、且つブレーキ作動判定部39によってEPB27L、27Rが掛かった状態と判定されたとき、制御モードをシフト連動操作モードM2とするモード選択制御部40と、を備えている。
【0036】
このモード選択制御部40は、スイッチ操作モードM1に切り替えられている場合において、上記所定の条件を満たすと判定されたとき、シフト連動操作モードM2の操作を一時的に可能とする一時シフト連動制御部41と、シフト連動操作モードM2に切り替えられている場合において、上記所定の条件を満たすと判定されたとき、シフト連動操作モードM2を維持させるシフト連動維持制御部51(後述する)とを有している。
【0037】
また、EPBECU21には、図示しない信号入力部、信号出力部、演算部、記憶部等が設けられている。信号入力部には、図1、2に示すように、IGスイッチ(イグニッションスイッチ)43からの信号が入力される。さらに、EPBスイッチ33から、EPB27L、27Rの作動及び解除を行うスイッチ操作モードM1におけるスイッチ信号、スイッチ操作モードM1とシフト連動操作モードM2との操作モードの切り替え信号、その他EPBスイッチ33の故障を判定するために必要な信号が入力される。さらに、シフトレバー35から、ユーザが発進、又は駐車の意思を示すシフト操作の信号が入力される。さらに、後輪9L、9Rの車輪速センサ19L、19Rからの信号が入力される。
【0038】
また、信号出力部からは、EPBアクチュエータ31を構成するEPBモータ32に対してEPB27L、27の作動及び解除の駆動信号を出力する。そして、EPBモータ32の出力軸の回転によって生じるEPB27L、27Rの作動及び解除に対応したケーブル25の張力を検出する第1張力センサ45と第2張力センサ47からの信号が入力されるようになっている。
【0039】
また、信号出力部からは、シフト連動報知部49に操作モードがシフト連動操作モード(シフト連動ON)M1か、スイッチ操作モード(シフト連動OFF)M2かの信号を出力する。
【0040】
スイッチ故障判定部37は、EPBスイッチ33自体の故障(スイッチ回路の断線等の作動不良)、及び、EPBスイッチ33とEPBECU21との間の回線の断線による故障を判定する。例えば、EPBスイッチ33からEPBECU21に駐車ブレーキ作動信号又は駐車ブレーキ解除信号が所定期間以上継続して出力され続けている場合や、車輪速センサ19L、19Rからの信号では走行状態であるにもかかわらず、EPBスイッチ33は駐車ブレーキ解除信号が出力されていない場合等であり、故障判定の条件はEPBECU21に設定されている。
【0041】
ブレーキ作動判定部39は、EPB27L、27Rが作動か解除かを判定する。例えば、第1張力センサ45と第2張力センサ47からの信号を基に、EPB27L、27Rの作動及び解除状態を判定する。
【0042】
一時シフト連動制御部41では、前述のようにスイッチ操作モードM1に切り替えられている場合において、スイッチ故障判定部37によってEPBスイッチ33が故障と判定され、且つブレーキ作動判定部39によってEPB27L、27Rが掛かった状態(ロック)と判定されたとき、シフト連動操作モードM2の操作を一時的に可能とする。
【0043】
この一時シフト連動制御部41による制御状態を、図3の操作モード及び駐車ブレーキの作動状態を示す概略構成ブロック図で説明する。EPBスイッチ33の第2操作R2によって操作モードが、スイッチ操作モードM1での使用に切替えられている場合に、EPBスイッチ33が故障と判定され、且つEPB27L、27Rが掛かった状態(ロック)と判定されたとき、矢印Aで示す一時シフト連動機能N1に移行して、シフトレバー35のシフト操作によってロック状態をリリース状態に切り替えることを可能にする。また、矢印Aで示す一時シフト連動機能N1に移行したことをユーザに報知するため、シフト連動報知部49によってシフト連動がONになったことを報知する。例えば「シフト連動ONしました」というメッセージが表示される。
【0044】
以上の一実施形態によれば、スイッチ操作モードM1を使用してEPB27L、27Rを掛けた状態でEPBスイッチ33が故障してしまった場合であっても、一時シフト連動制御部41によって、一時的にシフト連動による操作が可能になるので、シフトレバー35の操作によって、例えば、シフトPからシフトP以外への移動によって、EPB27L、27Rを解除することができ、車両の移動が可能になる。
【0045】
また、ユーザのシフト操作によって発進意思を確認してからEPB27L、27Rの解除が行われるので、ユーザの意図しないタイミングで車両3が発進してしまう危険が回避される。
【0046】
以上より、EPB27L、27Rが掛かった状態でEPBスイッチ33が故障した場合への対応が改善されて、電動駐車ブレーキ装置1の使い勝手を向上させることができる。
【0047】
また、幾つかの実施形態では、一時シフト連動制御部41は、シフト操作によってEPB27L、27Rが解除(リリース)されると、図3の矢印Bで示すように、シフト連動操作モードM2の操作をOFFにする。さらに、ユーザにシフト連動報知部49によってシフト連動がOFFになったことを知らせる。例えば「シフト連動OFFしました」というメッセージが表示される。
【0048】
すなわち、一時シフト連動機能N1に移行してシフト操作によってEPB27L、27Rが解除(リリース)されて、シフト連動操作モードM2のOFF(解除)に戻った後は、EPBスイッチ33は故障のため第1操作R1のロック⇔リリース、及び第2操作R2の操作モードの切り替えをできなくする。すなわち、EPBスイッチ33が故障と判定され、且つEPB27L、27Rが解除されている状態のときには、再度のシフト連動操作モードの選択が禁止される。
【0049】
さらに、ユーザにシフト連動報知部49によってシフト連動がOFFになったことを知らせることができる。また、再度のシフト連動操作モードの選択を禁止することで、EPBスイッチ33が故障した状態のままシフト操作によってEPB27L、27Rの作動が行われることを回避できる。これにより、例えば、寒冷地においてEPBスイッチが故障した状態で且つシフト連動操作モードを選択した状態で、駐車措置としてシフト操作(シフトP)によってEPB作動させてしまい、ブレーキが凍結してEPBのロックを解除できなくなる危険を回避することができる。
【0050】
また、幾つかの実施形態では、図2に示すように、EPBECU21に、さらにシフト連動維持制御部51を備えている。シフト連動維持制御部51では、シフト連動操作モードM2に切り替えられている場合において、スイッチ故障判定部37によってEPBスイッチ33が故障と判定され、且つブレーキ作動判定部39によってEPB27L、27Rが掛かった状態(ロック)と判定されたとき、シフト連動操作モードM2を維持させる。
【0051】
すなわち、図3に示すように、EPBスイッチ33の第2操作R2によって操作モードが、シフト連動操作モードM2での使用に切替えられている場合に、EPBスイッチ33が故障と判定され、且つEPB27L、27Rが掛かった状態(ロック)と判定されたとき、矢印Cで示すシフト連動維持機能N2に移行して、シフトレバー35のシフト操作によってロック状態をリリース状態に切り替えることを可能にする。
【0052】
このような構成によれば、シフト連動維持制御部51が機能してシフト操作によってEPB27L、27Rの解除(リリース)が可能となるので、シフトレバー35の操作によって、例えば、シフトPからシフトP以外への移動によって、EPB27L、27Rを解除することができ、車両の移動が可能になる。
【0053】
また、幾つかの実施形態では、シフト連動維持制御部51では、シフト操作によってEPB27L、27Rが解除(リリース)されると、矢印Dで示すように、シフト連動操作モードM2の操作をOFFにする。さらに、ユーザにシフト連動報知部49によってシフト連動がOFFになったことをシフト連動報知部49によってユーザに知らせる。例えば「シフト連動OFFしました」というメッセージが表示される。
【0054】
すなわち、シフト連動維持機能N2に移行してシフト操作によってEPB27L、27Rが解除(リリース)されて、シフト連動操作モードM2のOFF(解除)に戻った後は、EPBスイッチ33は故障のため第1操作R1のロック⇔リリース、及び第2操作R2の操作モードの切り替えをできなくする。すなわち、EPBスイッチ33が故障と判定され、且つEPB27L、27Rが解除されている状態のときには、再度のシフト連動操作モードの選択が禁止される。
【0055】
シフト連動操作モードM2での使用中においては、矢印Dで示すように、シフト連動操作モードM2をOFFに戻し、さらに報知することはユーザにEPBスイッチ33の故障を含むEPBシステム全体の故障が発生したことを認識させることにおいて効果的である。また、再度のシフト連動操作モードの選択を禁止することで、EPBスイッチ33が故障した状態のままシフト操作によってEPB27L、27Rの作動が行われることを回避できる。これにより、例えば、寒冷地においてEPBスイッチが故障した状態で且つシフト連動操作モードを選択した状態で、駐車措置としてシフト操作(シフトP)によってEPB作動させてしまい、ブレーキが凍結してEPBのロックを解除できなくなる危険を回避することができる。
【0056】
なお、ユーザにシフト連動報知部49によってシフト連動操作モードM2の作動又は解除になったことを知らせるが、EPBスイッチ33が正常時と故障時とで、シフト連動操作モードM2の作動又は解除の報知方法(例えば、周知時間や、周知内容)を変えるようにしてもよい、このように変えることで、ユーザにEPBスイッチ33の正常時と故障時とをより明確に報知できる。
【0057】
また、幾つかの実施形態では、EPBスイッチ33は、中立位置自動復帰の上下可動構造を有し、引上げ操作でEPB27L、27Rが作動し、押下げ操作でEPB27L、27Rが解除され、引上げ操作が所定時間以上継続した場合にシフト連動操作モードM2に移行し、押下げ操作が所定時間以上継続した場合にシフト連動モードM2が解除されてスイッチ操作モードM1に戻るように構成されている。
【0058】
すなわち、EPBスイッチ33は、EPB27L、27Rの作動と、解除と、スイッチ操作モードM1と、シフト連動操作モードM2との4つの機能を選択可能な信号を出力できるようになっている(図2のEPBスイッチ33参照)。また、EPBスイッチ33の本体部には、スイッチの操作状態を表示するスイッチインジケータ53が設けられている。
【0059】
このような構成によれば、同一のEPBスイッチ33によって、第1操作R1によるEPB27L、27Rの作動(ロック)及び解除(リリース)と、第2操作R2による操作モードの切り替えが可能になる。
【0060】
また、幾つかの実施形態では、一時シフト連動制御部41とシフト連動維持制御部51との両方の制御部を備えたEPBECU21の制御フローについて図4を参照して説明する。
【0061】
まず、ステップS1では、IGスイッチ(イグニッションスイッチ)43からの信号がONされたかを判定する。すなわち、車両3が起動状態にあるかを判定する。ステップS1の判定がYesの場合には、ステップS2に進み、ステップS2では、スイッチ故障判定部37によってEPBスイッチ33の状態が異常かを判定する。ステップS1の判定がNoの場合には、ステップS3に進みステップS3では、現在の操作モードを維持する。
【0062】
また、ステップS2でEPBスイッチ33が故障して異常である場合には、Yesと判定してステップS4に進んで、ステップS4では、ブレーキ作動判定部39によってEPB27L、27Rが掛かっているか(ロック)を判定する。
【0063】
ステップS4でEPB27L、27Rが掛かっていると判定した場合には、YesとなってステップS5に進む。ステップS5では現在の操作モードが判定される。現在の操作モードがシフト連動OFF(スイッチ操作モード)の場合には、ステップS6に進み、ステップS6では、一時シフト連動機能を実行させ、ユーザにシフト連動がONしたことを報知する。
【0064】
その後、ステップS7では、一時シフト連動機能の実行によって、EPB27L、27Rがリリースしたかを判定する。ステップS7での判定がYesの場合には、ステップS8に進み、ステップS8では、シフト連動をOFFし、ステップS9でユーザにシフト連動がOFFしたことを報知する。
【0065】
ステップS7での判定がNoの場合には、ステップS6に戻ってシフト操作によってリリースされるまで繰り返される。
【0066】
また、ステップS5での現在の操作モードの判定がシフト連動ONの場合には、ステップS10に進み、ステップS10では、シフト連動維持機能を実行させる。その後、ステップS11では、シフト連動維持機能の実行によって、EPB27L、27Rがリリースしたかを判定する。ステップS11での判定がYesの場合には、ステップS8に進み、ステップS8では、シフト連動をOFFし、ステップS9でユーザにシフト連動をOFFしたことを報知する。
【0067】
ステップS11での判定がNoの場合には、ステップS10に戻ってシフト操作によってリリースされるまで繰り返される。
【0068】
一方、ステップS4でEPB27L、27Rが掛かっていないと判定した場合には、すなわち、EPBスイッチ33は異常ではあるがEPB27L、27Rが掛かっていない場合には、NoとなってステップS8に進み、ステップS8ではシフト連動をOFFし、ステップS9でユーザにシフト連動をOFFしたことを報知する。
【0069】
以上の制御フローが実行されるEPBECU21によれば、スイッチ操作モード(シフト連動OFF)M1を使用してEPB27L、27Rを掛けた状態でEPBスイッチ33が故障してしまった場合であっても、一時シフト連動機能N1が実行されて、シフトレバー35の操作によって、例えば、シフトPからシフトP以外への移動によって、EPB27L、27Rを解除することができ、車両の移動が可能になる。
【0070】
また、シフト連動モード(シフト連動ON)M2を使用してEPB27L、27Rを掛けた状態でEPBスイッチ33が故障してしまった場合であっても、シフト連動維持機能N2が実行されて、シフトレバー35の操作によって、例えば、シフトPからシフトP以外への移動によって、EPB27L、27Rを解除することができ、車両の移動が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、EPBスイッチの操作によってEPBの作動及び解除を行うスイッチ操作モードと、シフトレバーのシフト操作によってEPBの作動及び解除を行うシフト連動操作モードと、を備え、さらに操作モードの切り替えをEPBスイッチの操作によって可能とする電動駐車ブレーキ装置において、EPBが掛かった状態でEPBスイッチが故障した場合への対応を改善して電動駐車ブレーキ装置の使い勝手を向上させることができるので、車両の電動駐車ブレーキ装置への利用に適している。
【符号の説明】
【0072】
1 電動駐車ブレーキ装置
3 車両
7L、7R 前輪
9L、9R 後輪
17L、17R、19L、19R 車輪速センサ
21 EPBECU(電動駐車ブレーキECU)
27L、27R EPB(電動駐車ブレーキ)
31 EPBアクチュエータ
32 EPBモータ
33 EPBスイッチ(電動駐車ブレーキスイッチ)
35 シフトレバー
37 スイッチ故障判定部
39 ブレーキ作動判定部
40 モード選択制御部
41 一時シフト連動制御部
45 第1張力センサ
47 第2張力センサ
49 シフト連動報知部
51 シフト連動維持制御部
M1 スイッチ操作モード
M2 シフト連動操作モード
N1 一時シフト連動機能
N2 シフト連動維持機能
R1 第1操作
R2 第2操作
図1
図2
図3
図4