【解決手段】(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩に代表されるクロメン−4−オン系化合物であるCDK(サイクリン依存性キナーゼ)阻害剤と、ベムラフェニブ及びダブラフェニブに代表されるBRAF(セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−raf)阻害剤及びトラメチニブに代表されるMEK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤、とを含む医薬組成物。
CDK阻害剤が(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
BRAF阻害剤が、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、GDC−0879、ダブラフェニブ、PLX4720、BMS−908662、LGX818、PLX3603、ARQ−736、DP−4978およびRAF265から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
MEK阻害剤が、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−0325901、トラメチニブ、コビメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、TAK−733およびWX−554から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
前記CDK阻害剤と、BRAF(セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−raf)阻害剤およびMEK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とが、それを必要とする対象に同時に投与される、請求項1から10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
前記CDK阻害剤と、BRAF(セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−raf)阻害剤およびMEK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とが、それを必要とする対象に逐次的に投与される、請求項1から10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
CDK阻害剤が(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩である、請求項25または26に記載の使用。
BRAF阻害剤が、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、GDC−0879、ダブラフェニブ、PLX4720、BMS−908662、LGX818、PLX3603、ARQ−736、DP−4978およびRAF265から選択される、請求項25から27のいずれか1項に記載の使用。
MEK阻害剤が、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−0325901、トラメチニブ、コビメチニブ、レファメチニブ、ピマセルチブ、TAK−733およびWX−554から選択される、請求項25から27のいずれか1項に記載の使用。
前記CDK阻害剤と、BRAF(セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−raf)阻害剤およびMEK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とが、それを必要とする対象に同時に投与される、請求項25から34のいずれか1項に記載の使用。
前記CDK阻害剤と、BRAF(セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−raf)阻害剤およびMEK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とが、それを必要とする対象に逐次的に投与される、請求項25から34のいずれか1項に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書のこれより前および本明細書のこれより以下に使用されている一般的用語は、本開示の脈絡の中で、他に指摘されていない限り、好ましくは以下の意味を有する。したがって、本発明の状況で使用した場合の一般的用語の定義は、本明細書で以下に提供される:
【0020】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈でそうでないことが明確に指示されていない限り複数の言及を含む。
【0021】
用語の一部としての「(複数も可)」の使用は、用語の個々についてまたは複数についての言及を含み、例えば薬剤(複数も可)という用語は、単一の薬剤または複数の薬剤を示している。
【0022】
本明細書で使用する場合、「少なくとも1種の」という用語は、1種または複数を指す。例えば、「少なくとも1種の抗がん剤」という用語は、この組合せが単一の抗がん剤または複数の抗がん剤を含むことを意味する。
【0023】
「置換」または「〜で置換されている」とは、このような置換は置換された原子および置換基の許容された原子価に合致するという暗黙の条件を含み、ならびに転位、環化、脱離などの変換を容易に受けない安定した化合物を意味することを理解されたい。
【0024】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という用語は、担体、賦形剤、添加剤および/または塩は、製剤の他の成分と適合しなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。「薬学的に許容される」はまた、組成物または剤形は、健全な医学的判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに動物またはヒトに対する使用に対して適切であり、妥当なベネフィット/リスク比に見合うことを意味する。
【0025】
本明細書で使用する場合、「組合せ」または「組合せ医薬」という用語は、抗がん剤の併用投与、本発明の状況では、CDK阻害剤(式Iの化合物)と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤との併用投与を意味し、これらの抗がん剤は、独立して、同時にまたは組合せパートナーが相乗効果を示すことを特に可能にする時間間隔をおいて別々に投与することができる。
【0026】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期の特異的な段階において活性化する酵素のファミリーである。CDKは、触媒サブユニット(実際のサイクリン依存性キナーゼまたはCDK)および調節サブユニット(サイクリン)からなる。少なくとも9種のCDK(CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9など)および少なくとも15種の異なるタイプのサイクリン(サイクリンA、B1、B2、D1、D2、D3、E、Hなど)が存在する。細胞周期の各ステップはこのようなCDK複合体により調節されている:G1/S移行(CDK2/サイクリンA、CDK4/サイクリンD1−D3、CDK6/サイクリンD3)、S期(CDK2/サイクリンA)、G2段階30(CDK1/サイクリンA)、G2/M移行段階(CDK1/サイクリンB)。
【0027】
本明細書で使用する場合、「CDK阻害剤」という用語は、1種または複数のサイクリン依存性キナーゼ(複数も可)(CDK)を阻害することが可能な薬剤を指す。これらのキナーゼの異常な発現および過剰発現は、がんなどの多くの疾患状態において証拠だてられている。本発明の状況では、本発明の組合せ医薬中に含有されているCDK阻害剤は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を指す。本発明の化合物は、特異性をもって、CDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK4/サイクリンD1および/またはCDK9/サイクリンT1を阻害する。
【0028】
本明細書で使用する場合、「BRAF阻害剤」という用語は、BRAFキナーゼまたは変異したBRAFキナーゼ活性(1種または複数の変異形態のセリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−RAF(BRAF))を阻害可能な薬剤を指す。報告されたBRAF突然変異の90パーセントは、アミノ酸600においてバリンがグルタミン酸で置換される(V600E突然変異)。したがって、「BRAF阻害剤」という用語は、その範囲内に、BRAFまたはその変異形態を阻害可能な化合物;またはV600の変異形態のBRAFを阻害可能な化合物;または非難治性と難治性の黒色腫の両方におけるV600E変異形態のBRAFを阻害可能な化合物を包含する。
【0029】
本明細書で使用する場合、「MEK阻害剤」という用語は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)と相互作用し、その酵素活性を阻害することが可能である薬剤を指す。MEK酵素活性を阻害することは、ひいては基質ペプチドまたはタンパク質をリン酸化するMEKの能力を低下させる。MEK1およびMEK2は、RAS−RAF−MEK−ERKシグナル伝達カスケードに関与しているタンパク質キナーゼである。このカスケードは、アポトーシス、細胞周期の進行、細胞遊走、分化、代謝および増殖を含む多種多様のプロセスの調節に関与している。したがって、「MEK阻害剤」という用語は、その範囲内に、MEKを阻害可能な化合物を包含する。
【0030】
本明細書で使用する場合、「相乗的」または「相乗効果」または「相乗作用」という用語は、本明細書で使用する場合、化合物の組合せの治療効果を指し(BRAF阻害剤およびCDK阻害剤、すなわち式Iの化合物)、これは組合せ医薬で使用した化合物の相加効果より大きい。有利には、活性成分の間のこのような相乗効果(治療活性化合物)は、これらを組み合わせた場合、1種もしくは両方の活性成分のより少用量の使用を可能にし、同じ用量でより大きな効力が得られ、および/または多剤耐性の蓄積を予防もしくは遅延させる。ChouおよびTalalayの組合せ指数(CI)法を使用して、組み合わせて使用した化合物の相乗効果、相加効果または拮抗効果を判定することができる。CI値が1未満である場合、この組合せで使用した化合物間で相乗効果が存在し、CI値が1と等しい場合、この組合せで使用した化合物間に相加効果が存在し、CI値が1を超える場合、拮抗効果が存在する。相乗効果は、組合せ医薬内に含有されている化合物または本発明の組成物を共製剤化することによって、および単位剤形を介して前記化合物を同時に投与するか、または同時にもしくは逐次的に投与される別々の製剤として投与することにより達成することができる。
【0031】
本明細書で使用する場合、「黒色腫」とは、皮膚および他の器官のメラニン細胞系に起因する腫瘍の増殖により特徴付けられる状態を指す。大部分のメラニン形成細胞は皮膚に生じるが、髄膜、消化管、リンパ節および眼にも発見されている。黒色腫が皮膚内に生じた場合、これは、皮膚黒色腫と呼ばれる。黒色腫は眼の中にも生じることができ、これは、眼のまたは眼内黒色腫と呼ばれる。黒色腫は、髄膜、消化管、リンパ節またはメラニン形成細胞が発見されている他の領域ではめったに生じない。
【0032】
交換可能なように使用される「変異型黒色腫」または「悪性黒色腫」という用語は、欠陥(「突然変異」とも呼ばれる)を有する黒色腫細胞を含むメラニン細胞の新生物を指す。悪性黒色腫は通常、母斑からまたは母斑付近から発生し、転移への顕著な傾向を有する細胞の塊からなる。黒色腫の40〜60%は、セリン−トレオニンタンパク質キナーゼB−RAF(BRAF)をコードしている遺伝子の中に活性化している突然変異を保持する。黒色腫中に観察されたBRAF突然変異の中で、90%超がコドン600の位置にあり、これらの中でも、90%超が、グルタミン酸によるバリンの置換をもたらす単一のヌクレオチド突然変異である(BRAF V600E)。2番目に一般的な突然変異は、バリンをリシンに置換するBRAF V600Kであり、これは、黒色腫の5〜6%を占め、これにBRAF V600RおよびBRAF V600Dが続く。(Journal of Translational Medicine、2012年、第10巻、85号、1〜9ページ)。
【0033】
「転移性黒色腫」という用語は、リンパ系および/または血管を介して、皮膚の表面下に位置する皮下組織を含む身体の他の部位、リンパ節、および他の器官、例えば、肺、肝臓、骨または脳などに拡散する黒色腫を指す。III期黒色腫は、リンパ節転移のレベルにより特徴付けられる。遠隔転移の証拠はない。IV期黒色腫は、遠隔転移の位置および血清乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルにより特徴付けられる。この段階はまた転移性黒色腫とも呼ばれる。
【0034】
他に指摘されていない限り、「黒色腫」という用語はまた、再発性または耐性黒色腫を含み得る。「再発性」または「耐性」という用語は、黒色腫の繰り返す激増、または黒色腫の進行を指し、これは、前記激増または進行以前に疾患が治癒していたか否かに関わらない。
【0035】
したがって、組合せ医薬(本明細書中に記載されている通り)が提供される黒色腫の治療とは、非難治性、転移性または難治性(耐性)のBRAF変異型黒色腫、特にBRAF
V600変異型黒色腫、より具体的にはBRAF V600E変異型黒色腫の治療を指す。
【0036】
「非応答性/難治性」という用語は、黒色腫に関連して使用した場合、黒色腫の治療のために、現在使用可能ながん療法、例えば、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法および/または生物学的療法/免疫療法などで治療されている黒色腫を有する対象または患者を指すように本明細書で使用されており、この療法は、患者を治療するのに臨床的に十分ではないので、これらの患者は追加の有効な療法を必要としている、すなわち、療法の効果を受けないままでいる。この句はまた、療法に応答するが、副作用、再発に悩まされ、耐性が生じるか、または黒色腫の1種もしくは複数の症状のいかなる軽減も経験していない対象または患者について説明し得る。様々な実施形態では、「非応答性/難治性」とは、がん細胞の少なくとも一部の重要な部分が死滅していない、またはこれらの細胞分裂が停止していないことを意味する。がん細胞が「非応答性/難治性」であるかどうかの判定は、このような関連で当技術分野で受け入れられている「難治性」の意味を使用して、がん細胞に対する治療の有効性をアッセイする当技術分野で公知の任意の方法で、in
vivoまたはin vitroのいずれかで行うことができる。
【0037】
本明細書で使用する場合、「治療周期」という用語は、CDK阻害剤、すなわち式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩;およびBRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の投与の反復連続がこの間に行われる時間周期を指す。
【0038】
「アポトーシス」という用語は、プログラミングされた細胞死の自然のプロセスを指す。アポトーシスは、細胞が特定化された細胞の機構を使用してそれ自体を死滅させる自己破壊のプロセスである。細胞は分解されて膜結合粒子となり、次いでこれがファゴサイトーシスにより排除される。アポトーシスは、後生動物が、細胞数を制御し、動物の生存を脅かす細胞を排除することを可能にする機序である。
【0039】
「対象」という用語は、本明細書で使用する場合、治療、観察または実験の対象となってきた動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトであり、より具体的には黒色腫に罹患したヒトを指す。「対象」という用語は、患者という用語と交換可能なように使用することができる。本発明の状況で、「それを必要とする対象」という句は、変異型または悪性黒色腫に対する治療を必要とする対象を意味する。代わりに、「それを必要とする対象」という句は、変異型または悪性黒色腫と診断された対象(患者)を意味する。
【0040】
「哺乳動物」という用語は、本明細書で使用する場合、ヒト、ならびに非ヒト哺乳動物を包含することを意図する。非ヒト哺乳動物として、これらに限定されないが、家畜、例えば、雌ウシ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットおよびマウスなど、ならびに非家禽動物が挙げられる。
【0041】
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、このような治療を必要とする対象に投与された場合、治療利益を提供するのに十分である、CDK阻害剤、すなわち、
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、およびBRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の量を指し、この治療利益とは以下を含む:(i)黒色腫の1種もしくは複数の症状を予防もしくは遅延させる;(ii)黒色腫の1種もしくは複数の症状を回復させるもしくは排除する;または(iii)黒色腫を治療する。
【0042】
対象、好ましくは、哺乳動物、より好ましくはヒトにおける黒色腫に関する「治療する」または「治療」または「治療される」という用語は、以下を含む:(i)黒色腫の阻害、すなわち、黒色腫の発症を阻止すること;(ii)黒色腫の回帰を減少させること;(iii)腫瘍細胞の末梢性器官への浸潤を阻害すること;(iv)転移を阻害すること(すなわち、減少、速度を落とすこと、または完全な休止);(v)黒色腫の回復、すなわち、黒色腫に伴う症状の重症度を減少させること;および(vi)黒色腫に伴う1種または複数の症状をある程度軽減すること。
【0043】
本発明の1つの態様によれば、黒色腫の治療における使用のための、式I
【0044】
【化1】
(式中、Arはフェニル基であり、このフェニル基は、塩素およびトリフルオロメチルから選択される1または2つの異なる置換基で置換されている)
の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とを含む組合せ医薬が提供される。
【0045】
別の実施形態によれば、本発明の組合せ医薬中に含有されるCDK阻害剤は、式I(式中、Arは、塩素およびトリフルオロメチルから選択される2つの異なる基で置換されているフェニル基である)の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択される。
【0046】
別のさらなる実施形態によれば、本発明の組合せ医薬中に含有されるCDK阻害剤は、式I(式中、Arは、塩素で置換されているフェニル基である)の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択される。
【0047】
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の製造、およびこの化合物を含有する医薬組成物の製造は、PCT特許公開WO2004004632(米国特許第7,271,193に対応する)およびPCT特許公開WO2007148158に開示されている。これらのPCT特許公開は、式Iで表される化合物は、増殖性障害の治療に使用することができることを開示している。本明細書で上記に示されている通り式Iの化合物は、これらの塩の形態で使用することができる。式Iの化合物の好ましい塩として、酢酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、ケイヒ酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロフッ化物
、ケトグルタル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩および当業者に公知の他の酸付加塩が挙げられる。
【0048】
一実施形態では、組合せ医薬に含有されるCDK阻害剤(式Iの化合物)は、(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0049】
別の実施形態では、組合せ医薬中に含有されるCDK阻害剤(式1の化合物)は(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩(本明細書では「化合物A」と呼ばれる。化合物Aはまた本明細書で「ボルシクリブ」とも呼ばれる)。
【0050】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるCDK阻害剤(式1の化合物)は(+)−trans−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0051】
別の実施形態では、組合せ医薬中に含有されるCDK阻害剤(式1の化合物)は(+)−trans−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩(本明細書では「化合物B」と呼ばれる。化合物Bはまた本明細書で「リビシクリブ」とも呼ばれる)。
【0052】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるBRAF阻害剤は、V600変異形態のBRAFの阻害剤である。
【0053】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるBRAF阻害剤は、V600E変異形態のBRAFの阻害剤である。
【0054】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるBRAF阻害剤は、BAY43−9006(ソラフェニブ、Bayer)、ベムラフェニブ(PLX4032、Plexxikon;RG7204、RO5185426、Hofmann−LaRoche)、GDC−0879(GlaxoSmithKline)、ダブラフェニブ(GSK2118436、GlaxoSmithKline)、PLX4720(Hofmann−LaRoche)、BMS−908662(XL281、Bristol−Myers Squibb)、LGX818(Novartis)、PLX3603(RO5212054、Hofmann−LaRoche)、ARQ−736(ArQule)、DP−4978(Deciphera)またはRAF265(Novartis)から選択される。
【0055】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるBRAF阻害剤はベムラフェニブである。
【0056】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるBRAF阻害剤はダブラフェニブである。
【0057】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるMEK阻害剤は、V600変異形態のBRAFの阻害剤である。
【0058】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるMEK阻害剤は、V600EまたはV600K変異形態のBRAFの阻害剤である。
【0059】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるMEK阻害剤は、セルメチニブ(AstraZeneca)、ビニメチニブ(Array Biopharma)、PD−0325901(Pfizer)、トラメチニブ(Mekinist(商標))、コビメチニブ(Exelixis)、レファメチニブ(Valeant)、ピマセルチブ(Santhera Pharmaceuticals)、TAK−733(Takeda)またはWX−554(UCB Pharma SA)から選択される。
【0060】
一実施形態では、組合せ医薬中に含有されるMEK阻害剤はトラメチニブである。
【0061】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および少なくとも1種の前記抗がん剤が同時に投与される、組合せ医薬に関する。
【0062】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および少なくとも1種の前記抗がん剤が逐次的に投与される、組合せ医薬に関する。
【0063】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、前記抗がん剤がCDK阻害剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、CDK阻害剤が前記抗がん剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、CDK阻害剤および前記抗がん剤が両方とも1日1回投与される、組合せ医薬に関する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、CDK阻害剤が1日1回投与される一方で、前記抗がん剤が1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0067】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治
療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを含み、CDK阻害剤および前記抗がん剤が両方とも1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0068】
一態様では、本発明は、黒色腫の治療のための方法であって、式I(本明細書中に記載されている通り)の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とをそれを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、CDK阻害剤および前記抗がん剤が同時に投与される、方法に関する。
【0070】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、CDK阻害剤および前記抗がん剤が逐次的に投与される、方法に関する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記抗がん剤が、前記CDK阻害剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が前記抗がん剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記抗がん剤が両方とも1日1回投与される、方法に関する。
【0074】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤の少なくとも1種の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が1日1回投与され、前記抗がん剤が1日2回投与される、方法に関する。
【0075】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤の少なくとも1種の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記抗がん剤が両方とも1日2回投与される、方法に関する。
【0076】
一実施形態では、黒色腫を治療する方法は、式Iの化合物から選択されるCDK阻害剤と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とを、本明細書に記載されている用量の範囲でそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0077】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記BRAF阻害剤および前記CDK阻害剤が同時に投与される、組合せ医薬に関する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記BRAF阻害剤および前記CDK阻害剤が逐次的に投与される、組合せ医薬に関する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記BRAF阻害剤が前記CDK阻害剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤が、前記BRAF阻害剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および前記BRAF阻害剤が両方とも1日1回投与される、組合せ医薬に関する。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤が1日1回投与され、前記BRAF阻害剤が1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0083】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および前記BRAF阻害剤が両方とも1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0084】
一態様では、本発明は、黒色腫の治療のための方法であって、式I(本明細書中に記載されている通り)の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤およびBRAF阻害剤の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記BRAF阻害剤および前記CDK阻害剤が同時に投与される、方法に関する。
【0086】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記BRAF阻害剤および前記CDK阻害剤が逐次的に投与される、方法に関する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記BRAF阻害剤が、前記CDK阻害剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が、前記BRAF阻害剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記BRAF阻害剤が両方とも1日1回投与される、方法に関する。
【0090】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が1日1回投与される一方で、前記BRAF阻害剤が1日2回投与される、方法に関する。
【0091】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記BRAF阻害剤が両方とも1日2回投与される、方法に関する。
【0092】
一実施形態では、黒色腫を治療する方法は、BRAF阻害剤と、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤とを、本明細書に記載されている用量の範囲でそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0093】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記MEK阻害剤および前記CDK阻害剤が同時に投与される、組合せ医薬に関する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、MEK阻害剤およびCDK阻害剤が逐次的に投与される、組合せ医薬に関する。
【0095】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記MEK阻害剤が前記CDK阻害剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0096】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤が前記MEK阻害剤の投与以前に投与される、組合せ医薬に関する。
【0097】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および前記MEK阻害剤が両方とも1日1回投与される、組合せ医薬に関する。
【0098】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤が1日1回投与される一方で、前記MEK阻害剤が1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0099】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含み、前記CDK阻害剤および前記MEK阻害剤が両方とも1日2回投与される、組合せ医薬に関する。
【0100】
一態様では、本発明は、黒色腫の治療のための方法であって、式I(本明細書中に記載されている通り)の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤およびMEK阻害剤の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
【0101】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記MEK阻害剤および前記CDK阻害剤が同時に投与される、方法に関する。
【0102】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記MEK阻害剤および前記CDK阻害剤が逐次的に投与される、方法に関する。
【0103】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記MEK阻害剤が前記CDK阻害剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0104】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が前記MEK阻害剤の投与以前に投与される、方法に関する。
【0105】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記MEK阻害剤が両方とも1日1回投与される、方法に関する。
【0106】
別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬
学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤が1日1回投与される一方で、前記MEK阻害剤が1日2回投与される、方法に関する。
【0107】
さらに別の実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量とMEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含み、前記CDK阻害剤および前記MEK阻害剤の両方とも1日2回投与される、方法に関する。
【0108】
一実施形態では、黒色腫を治療する方法は、MEK阻害剤と、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤とを、本明細書に記載されている用量範囲で、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0109】
一実施形態では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための組合せ医薬であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを含む、組合せ医薬に関する。
【0110】
一実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤の治療有効量と、BRAF阻害剤の治療有効量と、MEK阻害剤の治療有効量とを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
【0111】
本発明の一実施形態では、治療している黒色腫は非難治性黒色腫である。
【0112】
本発明の別の実施形態では、治療している黒色腫は非難治性BRAF変異型黒色腫である。
【0113】
本発明のさらに別の実施形態では、治療している黒色腫は非難治性BRAF V600変異型黒色腫である。
【0114】
本発明のさらなる実施形態では、治療している黒色腫は非難治性BRAF V600EまたはBRAF V600K変異型黒色腫である。
【0115】
本発明の一実施形態では、治療している黒色腫は再発性または難治性黒色腫である。
【0116】
本発明の別の実施形態では、治療している黒色腫は耐性BRAF変異型黒色腫である。
【0117】
本発明のさらに別の実施形態では、治療している黒色腫は耐性BRAF V600変異型黒色腫である。
【0118】
本発明のさらなる実施形態では、治療している黒色腫は耐性BRAF V600EまたはBRAF V600K変異型黒色腫である。
【0119】
本発明の一実施形態では、治療している黒色腫は転移性黒色腫である。
【0120】
本発明の別の実施形態では、治療している黒色腫は転移性BRAF変異型黒色腫である。
【0121】
本発明のさらに別の実施形態では、治療している黒色腫は転移性BRAF V600変
異型黒色腫である。
【0122】
本発明のさらなる実施形態では、治療している黒色腫は転移性BRAF V600EまたはBRAF V600K変異型黒色腫である。
【0123】
本発明によると、CDK阻害剤(式Iの化合物)、ならびに/またはBRAF阻害剤および/もしくはMEK阻害剤から選択される抗がん剤の投与は、制限なしで、非経口、経口、舌下、経皮的、局所的、鼻腔内、エアゾール、眼内、気管内または直腸内を含む任意の適切な経路によることができる。
【0124】
一実施形態では、CDK阻害剤は、その良好な血中濃度を生成および維持するために経口投与することができる一方で、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)は、非経口的に、静脈内、皮下、筋肉内、血管内または点滴の経路により投与することができる。
【0125】
別の実施形態では、CDK阻害剤は、非経口的に静脈内、皮下、筋肉内、血管内または点滴の経路により投与することができる一方で、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)は経口投与することができる。
【0126】
さらなる実施形態では、CDK阻害剤と、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)との両方は、その良好な血中濃度を生成および維持するために経口投与することができる。
【0127】
またさらなる実施形態では、式IのCDK阻害剤と、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)との両方は、静脈内、皮下、筋肉内、血管内または点滴の経路により非経口的に投与することによって、その良好な血中濃度を生成および維持することができる。
【0128】
一態様では、本発明は、黒色腫の治療における使用のための医薬組成物であって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤と、1種または複数の薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤とを含む、医薬組成物に関する。丸剤、錠剤、コーティング錠および硬ゼラチンカプセル剤の生成については、使用することができる医薬活性のある添加剤として、これらに限定されないが、ラクトース、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、アラビアガム、苦土またはグルコースなどが挙げられる。軟ゼラチンカプセル剤および坐剤については、使用することができる担体として、これらに限定されないが、脂肪、ワックス、天然の油または硬化油などが挙げられる。液剤、例えば注射溶液剤の生成に、または乳剤もしくはシロップ剤に適切な担体は、例えば、水、生理的塩化ナトリウム溶液もしくはアルコール、例えば、エタノール、プロパノールもしくはグリセロール、糖溶液、例えば、グルコース溶液もしくはマンニトール溶液、または記述された様々な溶媒の混合物である。
【0129】
CDK阻害剤(式Iの化合物)と、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)とは、個々にまたは組み合わせて、当業者に精通している従来の製薬技術を使用して、例えば、ブレンディング、造粒、溶解または凍結乾燥などにより、医薬剤形へと製剤化することができる。
【0130】
一般的に、医薬としての使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造に対して当技術分野で公知の任意の方法、例えばRemington−The Science and Practice of Pharmacy(第21版)(2005年)、Goodma
n&Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(第11版)(2006年)およびAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(第9版)、およびSolid−State Chemistry of Drugs(第2版)(1999年)などに従い調製することができる。
【0131】
本明細書に記載されている組成物は、経口投与に適切な形態、例えば、固体剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤または顆粒剤;液体剤形、例えば、乳剤、液剤、懸濁剤;非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または点滴を含む)に適切な形態、例えば、無菌液剤、懸濁剤または乳剤;局所投与に適切な形態、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤またはローション剤であることができる。
【0132】
経口投与用組成物は、錠剤、ロゼンジ剤、水性懸濁剤または油性懸濁剤、顆粒剤、散剤、カシェ剤、乳剤、カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であってよい。経口投与された組成物は、1種または複数の任意選択の薬剤、例えば、甘味剤、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなど;矯味矯臭剤、例えば、ペパーミント、冬緑油またはサクランボなど;着色剤;および保存剤を含有することによって、薬学的に口当たりの良い調製物を得ることができる。浸透活性のある推進化合物を取り囲む選択的に浸透性のある膜もまた、本発明による組合せ医薬中に含有されている化合物(CDK阻害剤、ならびに/またはBRAF阻害剤および/もしくはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可))の経口投与に対して適切である。経口投与に対して適切である組成物として、標準的なビヒクル、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。このようなビヒクルは好ましくは薬学的等級のものである。
【0133】
軟膏剤、クリーム剤に対して、活性成分(CDK阻害剤、ならびに/またはBRAF阻害剤および/もしくはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可))は、水中油型または油中水型基剤の中に製剤化する。
【0134】
筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内の使用に対して、活性成分(CDK阻害剤、ならびに/またはBRAF阻害剤および/もしくはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可))の無菌液剤が通常利用され、液剤のpHは、適切に調節され、緩衝されるべきである。
【0135】
さらに、化合物、すなわち医薬組成物中に含有されるCDK阻害剤、ならびに/またはBRAF阻害剤および/もしくはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)の効果を適切な製剤を介して遅延または延長させることができる。例えば、ゆっくりと溶解する化合物のペレットを調製し、錠剤またはカプセル剤中に組み込むことができる。この技術は、いくつかの異なる溶解速度のペレットを作製し、カプセル剤にペレットの混合物を充填することによって改善することができる。錠剤またはカプセル剤は、予想可能な期間の間、溶解を食い止めるフィルムでコーティングすることができる。非経口の調製物さえも、血清中でゆっくりとしか分散しないようにする油性または乳化したビヒクル中に化合物を溶解または懸濁させることによって長時間作用性にすることができる。
【0136】
投与に使用される、式Iの化合物から選択されるCDK阻害剤、ならびにBRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)の有効用量は、疾患(黒色腫)の重症度、症状の重症度、患者の年齢、性別、体重および感度の差、投与のモード、時間、間隔および持続時間、製剤の性質およびタイプなどに応じて異なる。ある特定の実施形態では、本発明による組合せ医薬に含有されている治療剤は、両方の薬剤が依
然として活性のある時間枠内で投与される。当業者であれば、投与される前記治療剤の半減期を求めることによって、このような時間枠を求めることができる。本明細書で以前に示した通り、医薬組成物中に含有されている抗がん剤は、同時または逐次的に投与することができる。当業者であれば、本発明の範囲および精神の中でいくつかの変形形態が可能であることを認識されよう。
【0137】
投与する治療剤の投薬量は、所望の効果を生むように選択されるべきである。CDK阻害剤の適切な投薬量は、約5mg〜約500mgであってよい。投与されることになるCDK阻害剤の用量は、治療すべき黒色腫の重症度に応じて幅広い範囲を網羅することができる。毎日投与されることになる用量は、所望の効果を得るように選択することができる。適切な用量は、約50mg/日〜350mg/日のCDK阻害剤の範囲であってよい。必要とされる場合、より高いまたはより低い1日用量もまた投与することができる。
【0138】
一実施形態では、BRAF阻害剤は、約1mg/日〜約2500mg/日を投与することができ、この量は、1日当たり、または1回の投与当たり、または治療の1サイクル当たりの単回用量もしくは複数回用量で付与することができる。
【0139】
一実施形態では、MEK阻害剤は、約0.01mg/日〜2000mg/日を投与することができ、この量は、1日当たり、または1回の投与当たり、または治療の1サイクル当たりの単回用量もしくは複数回用量で付与することができる。
【0140】
一実施形態では、CDK阻害剤と、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)との両方が1日1回投与される。別の実施形態では、CDK阻害剤と、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)との両方が1日2回投与される。さらなる実施形態では、CDK阻害剤は1日1回投与される一方で、BRAF阻害剤および/またはMEK阻害剤から選択される抗がん剤(複数も可)は1日2回投与される。しかし、本発明による組合せ医薬中に含有されている各治療剤の量は、組み合わせて使用する場合、単独で投与される場合の治療効果を生む量より通常少ないことになる。便宜のため、総1日用量は、所望する場合、分割し、その日の間に少しずつ投与することができる。
【0141】
本発明で提供される組合せは、ある特定のアッセイ系、およびいくつかの異なる投与スケジュールで、in vitroで評価されてきた。実験の詳細は、として本明細書で以下に提供されている通りである。本明細書で提示されたデータでは、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩から選択されるCDK阻害剤と組み合わせた場合、相乗効果を示すことが明確に示されている。治療剤は、黒色腫の治療に組み合わせて使用した場合、細胞がCDK阻害剤のみで処置された場合(すなわち、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を単独で)またはBRAF阻害剤のみもしくはMEK阻害剤のみで処置された場合よりも、増殖性細胞におけるアポトーシスまたは細胞毒性を増加させることが明確に示された。
【0142】
一態様では、本発明は、CDK阻害剤(式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩)と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とを含む医薬キットに関する。医薬キットは、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩と、BRAF阻害剤もしくはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とを一定用量製剤として含有する容器を含んでもよいし、またはキットは、式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、およびBRAF阻害剤もしくはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤に対して2つ以上の別々の容器を含んでもよい。キットは、適応、使用法、用量、投与の指示、禁忌、予防策および注意事項についての情報を含む添付文書をさらに含んでもよい。使用することができる適切な容器として、ビン、バイ
アル、アンプル、シリンジまたはブリスター包装が挙げられる。医薬キットは、薬学的に許容される緩衝剤、注射用の水、リン酸緩衝食塩水、リンガー液およびデキストロース溶液を含むさらなる容器を場合によって含んでもよい。
【0143】
CDK阻害剤、すなわち、本発明の組合せ医薬中に含有されている式Iの化合物は、PCT特許公開WO2004004632およびPCT特許公開WO2007148158に開示されている方法に従い調製することができる。
【0144】
式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の調製のための一般的方法は、以下のステップ:
(a)ルイス酸触媒の存在下で、式VIA
【0145】
【化2】
の中間体化合物の分割されたエナンチオマーとして純粋な(−)−transエナンチオマーを、無水酢酸で処理することによって、分割された式VIIA
【0146】
【化3】
のアセチル化化合物を得るステップと、
(b)塩基および溶媒の存在下で、分割された式VIIAのアセチル化化合物を、式ArCOOHの酸または式ArCOClの酸塩化物または式(ArCO)
2Oの酸無水物また
は式ArCOOCH
3のエステル(式中、Arは、式Iの化合物に関連して本明細書で上
記に定義された通りである)と反応させることによって、式VIIIA
【0147】
【化4】
の分割化合物を得るステップと、
(c)適切な溶媒中で式VIIIAの分割化合物を塩基で処理することによって、式IX
A
【0148】
【化5】
(式中、Arは上で定義された通りである)、
の対応する分割されたβ−ジケトン化合物を得るステップと、
(d)式IXAの分割されたβ−ジケトン化合物を、塩酸などの酸で処理することによって、式XA
【0149】
【化6】
の対応する環化化合物を得るステップと、
(e)120〜180℃の範囲の温度で脱アルキル化剤と共にこれを加熱することにより、式XAの化合物を脱アルキル化の対象とすることによって、式Iの化合物の(+)−transエナンチオマーを得、および場合によって、対象化合物をその薬学的に許容される塩に変換するステップと
を含む。
【0150】
上記ステップ(a)で利用されるルイス酸触媒は、BF
3、Et
2O、塩化亜鉛、塩化アルミニウムおよびチタニウム塩化物から選択することができる。
【0151】
プロセスステップ(b)で利用される塩基は、トリエチルアミン、ピリジンおよびDCC−DMAPの組合せ(N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドと4−ジメチルアミノピリジンの組合せ)から選択することができる。
【0152】
式VIIIAの化合物の対応する式IXAのβ−ジケトン化合物への転位は、Baker−Venkataraman転位として公知であることは当業者には明らかである(J.Chem.Soc、1933年、1381ページおよびCurr.Sci.、1933年、第4巻、214ページ)。
【0153】
プロセスステップ(c)で使用される塩基は、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムから選択することができる。好ましい塩基はリチウムヘキサメチルジシラジドである。
【0154】
式IXAの化合物の脱アルキル化のためのプロセスステップ(e)において使用される脱アルキル化剤は、ピリジン塩酸塩、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテレートおよび三塩化アルミニウムから選択することができる。好ましい脱アルキル化剤はピリジン塩酸塩である。
【0155】
式VIAの出発化合物の調製は、1−メチル−4−ピペリドンを1,3,5−トリメトキシベンゼンの氷酢酸中溶液と反応させることによって、1−メチル−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを生成し、これを、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、水素化ホウ素ナトリウムおよびテトラヒドロフランと反応させることによって、1−メチル−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ピペリジン−3−オールを生成することを含む。1−メチル−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ピペリジン−3−オールを式VIAの化合物へと変換することは、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなど酸素求核試薬の存在下で、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、トリフル無水物または五塩化リンなどの適当な試薬による処理により、化合物、1−メチル−4−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ピペリジン−3−オールのピペリジン環上に存在するヒドロキシル基を、トシル、メシル、トリフレートまたはハロゲン化物などの脱離基へ変換し、これに続いて、酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムなどの酸素求核試薬の存在下、イソプロパノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコール性溶媒中で環縮小を行うことを含む。
【0156】
薬理学的アッセイで使用した代表的な化合物、化合物A(ボルシクリブとも呼ばれる)は、(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩を指し、刊行されたPCT公開WO2007148158で開示された化合物の1つであった。
【0157】
薬理学的アッセイで使用したもう1つの代表的な化合物、化合物B(リビシクリブとも呼ばれる)は、(+)−trans−2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩を指し、刊行されたPCT公開WO2004004632で開示された化合物の1つであった。
【0158】
CDK阻害剤と、BRAF阻害剤またはMEK阻害剤から選択される少なくとも1種の抗がん剤とを含む本発明による組合せの相乗効果が、好ましいその実施形態を参照してより詳細にここで説明される。これらは、例としてのみ提供され、本発明を制限することを意図しないことに注意されたい。
【0159】
本発明は、反対であると明示的に特定された場合を除いて、様々な代替の変形形態およびステップの順序が想定し得ることを理解されたい。さらに、任意の作業実施例を除いて、または別の方法が示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に使用されている、例えば成分の量を表現するすべての数は、すべての場合において「約」という用語で修飾されているものとして理解されたい。したがって、特にそれとは反対の指示がない限り、以下の明細書および付随する特許請求の範囲に示された数値的パラメーターは、本発明で得られる所望の特性に応じて異なり得る。
【0160】
当業者であれば、いくつかの変形形態が本発明の範囲および趣旨内で可能であることを認識している。本発明は、ここで、以下の非限定的例を参照してより詳細に記載される。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然のことながら、その範囲を制限するも
のとして決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0161】
以下の略語または用語が本明細書で使用されている:
BF
3:三フッ化ホウ素
BF
3.Et
2O:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル
CaCl
2:塩化カルシウム
CHCl
3:クロロホルム
CDCl
3:重水素化クロロホルム
CO
2:二酸化炭素
DCC:N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:N、N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et
2O:ジエチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
g:グラム
h:時間
HCl:塩酸
IPA:イソプロピルアルコール
KBr:臭化カリウム
Kg:キログラム
L:リットル
MeOH:メタノール
min:分
mg:ミリグラム
mL:ミリリットル
μL:ミクロリットル
μM:マイクロモル
mmol:ミリモル
mol:モル
NaCl:塩化ナトリウム
Na
2CO
3:炭酸ナトリウム
NaHCO
3:炭酸水素ナトリウム
Na
2SO
4:硫酸ナトリウム
n−BuLi:n−ブチルリチウム
PEL:Piramal Enterprises Limited
℃:摂氏度
THF:テトラヒドロフラン
【0162】
例
化合物A(ボルシクリブ)および化合物B(リビシクリブ)の調製、式1の代表的な化合物を本明細書で参照例として提示する:
【0163】
参照例1:
(a)(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オンの調製
窒素雰囲気下、0℃で維持されたn−BuLi(ヘキサン中15%溶液、2.2mL、5mmol)のTHF(10mL)中溶液、に、ヘキサメチルジシラザン(1.08mL
、5.1mmol)を滴加し、15min撹拌した。温度を0℃で維持しながら、これに、(+)−trans−2−クロロ−4−トリフルオロメチル安息香酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシフェニルエステル(1.44g、2.5mmol)のTHF(10mL)中溶液を滴加した。添加後、室温まで温めて反応させ、2.5h撹拌した。反応混合物を希釈HClで酸性化し、10%炭酸水素ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水層をクロロホルム(3×25mL)で抽出した。有機層を水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水した。有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させることによって、油として酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルを生成した(1.3g、90.2%)。このエステルを濃縮HCl(10mL)に溶解し、3h撹拌して環化を生じさせた。3hの終わりに、反応混合物を固体NaHCO
3でpH8〜9に塩基性化した。水層をクロロホ
ルム(25×3mL)で抽出し、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮し、真空で脱水した。クロロホルム中3%メタノールおよび0.1%アンモニアを溶離液として有するカラムクロマトグラフィーで残渣を精製することによって、黄色の固体として、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オンを生成した。
収量: 0.56 g (48.2 %);
1H NMR (CDCl
3, 300MHz): δ 7.95 (d, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.69 (d, 1H), 6.61 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.71 (dd, 1H), 3.41 (d, 1H), 3.26 (m, 1H), 2.84 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.10 (m, 2H); MS (ES+): m/z 497 (M+1).
【0164】
(b)(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシ−メチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンの調製
パート(a)で得た化合物(0.25g、0.5mmol)、ピリジン塩酸塩(0.25g、2.16mmol)および触媒量のキノリンの混合物を180℃で2.5hの間加熱した。反応混合物をメタノール(25mL)で希釈し、固体Na
2CO
3でpH10に塩基性化した。反応混合物を濾過し、メタノールで洗浄した。有機層を濃縮し、0.1%アンモニアおよびクロロホルム中4.5%メタノールを溶離液として使用するカラムクロマトグラフィーで残渣を精製することによって、黄色の固体として、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシ−メチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンを生成した。
収量: 0.15 g (63.7 %);
1 H NMR (CDCl
3, 300MHz): δ 7.99 (m, 2H), 7.83 (d, 1H), 6.65 (s, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.90 (m, 2H), 3.70 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.54 (m, 1H), 2.28 (m, 1H); MS (ES+): m/z 470 (M+1).
【0165】
(c)(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシ−メチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩(化合物Aまたはボルシクリブ)の調製
(b)で得た化合物(0.1g、0.2mmol)をメタノール(2mL)中に懸濁させ、エーテルのHClで処理し、有機溶媒を蒸発させることによって、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩を生成した。
収量: 0.1 g (92.8 %);
1H NMR (CDCl
3, 300MHz): δ 8.02 (d, 2H), 7.83 (d, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.23 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 3.68 (m, 1H), 3.51 (m, 1H),
3.39 (m, 1H), 2.99 (s, 3H), 2.54 (m, 1H), 2.31 (m, 1H).
【0166】
参照例2:
(a)(+)−trans−2−(2−クロロフェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オンの調製
窒素雰囲気下で撹拌しながら、水素化ナトリウム(50%、0.54g、11.25mmol)を、(−)−trans−1−[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシメチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−4,6−ジメトキシフェニル)−エタノン(0.7g、2.2mmol)の乾燥DMF(15mL)中溶液に、0℃で少しずつ加えた。10min後、メチル2−クロロベンゾエート(1.15g、6.75mmol)を加えた。反応混合物を25℃で2h撹拌した。メタノールを20℃未満で慎重に加えた。反応混合物をクラッシュアイス(300g)上に注入し、1:1HCl(pH2)で酸性化し、EtOAc(2×100mL)を使用して抽出した。飽和したNa
2CO
3(pH10)を使用して水層を塩基性化し、CHCl
3(3×200mL)を使用して抽出した。有機層
を脱水し(無水Na
2SO
4)、濃縮した。残渣に、濃縮HCl(25mL)を加え、室温で2h撹拌した。反応混合物をクラッシュアイス(300g)上に注入し、Na
2CO
3飽和水溶液を使用して塩基性にした。CHCl
3(3×200mL)を使用して混合物を抽
出した。有機抽出物を水で洗浄し、脱水し(無水Na
2SO
4)、濃縮することによって、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オンを得た。
収量: 0.67 g (64 %); mp: 91 - 93℃; [α]
D25 = + 5.8°(c = 0.7, メタノール); IR (KBr): 3431 , 1648, 1598, 1571 cm
-1;
1H NMR (CDCl
3, 300MHz): δ 7.70 (dd, 1H), 7.52 (m, 1H), 7.45 (m, 2H), 6.50 (s, 1H), 6.44 (s, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.64 (dd, 1H), 3.40 (d, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.74 (d, 1H), 2.52 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.00 (m, 2H); MS (ES+): m/z 430 (M+1).
【0167】
(b)(+)−trans−2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンの調製
溶融したピリジン塩酸塩(4.1g、35.6mmol)をパート(a)で得た化合物(0.4g、0.9mmol)に加え、180℃で1.5h加熱した。反応混合物を25℃に冷却し,MeOH(10mL)で希釈し、Na
2CO
3を使用してpH10に塩基性化した。混合物を濾過し、有機層を濃縮した。残渣を水(5mL)中に懸濁させ、30min撹拌し、濾過し、乾燥させることによって、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンを得た。
収量: 0.25 g (70 %); IR (KBr): 3422, 3135, 1664, 1623, 1559 cm
-1 ;
1H NMR (CDCl
3, 300MHz): δ 7.56 (d, 1H), 7.36 (m, 3H), 6.36 (s, 1H), 6.20 (s, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.70 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.88 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.35 (m, 1H), 1 .88 (m, 1H); MS (ES+): m/z 402 (M+1); 分析: C
21H
20ClNO
5 C, 62.24 (62.71); H, 5.07 (4.97); N, 3.60 (3.48); Cl, 9.01 (8.83).
【0168】
(c)(+)−trans−2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩(化合物Bまたはリビシクリブ)の調製
パート(b)で得た化合物(0.2g、0.48mmol)をIPA(5mL)中に懸濁させ、3.5%HCl(25mL)を加えた。懸濁液を加熱して、透明な溶液を得た。
溶液を冷却し、固体を濾過することによって、化合物、(+)−trans−2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩を得た。
収量: 0.21 g (97 %); mp: 188 - 192℃; [α]
D25 = +21.3°(c = 0.2, メタノール);
1 H NMR (CD
3OD, 300MHz): δ 7.80 (d, 1H), 7.60 (m, 3H), 6.53 (s, 1H), 6.37 (s, 1H), 4.23 (m, 1H), 3.89 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.59 (dd, 1H), 3.38 (m, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.45 (m, 1H), 2.35 (m, 1H); MS (ES+): m/z 402 (M +1) (遊離塩基).
【0169】
生物学的データ:
薬理学的アッセイ:
【実施例1】
【0170】
I.BRAF V600E変異した黒色腫細胞株中での、化合物A(CDK阻害剤、ボルシクリブとも呼ばれる)およびベムラフェニブ(BRAF V600E阻害剤)の組合せの使用を含めたin vitroでの研究
目的:
化合物A(CDK阻害剤、ボルシクリブとも呼ばれる)とベムラフェニブ(BRAF V600E阻害剤)の組合せの、BRAF V600E変異した黒色腫細胞株における細胞周期およびアポトーシスに対する効果を研究する。
【0171】
材料および方法:
細胞株
ATCC(アメリカ培養細胞系統保存機関)、USAから得たG361およびSK−MEL3黒色腫細胞株をこの研究に使用した。G361は、ベムラフェニブ感受性細胞株であり、SK−MEL3はベムラフェニブ耐性細胞株である。両方の細胞株はBRAF V600E変異している。
【0172】
A.フローサイトメトリーを使用した細胞周期分布の分析:
G361/SK−MEL3黒色腫細胞を25mm
3組織培養物フラスコ内に播種した。
24h後、G361細胞を以下で5日間処置した:i)化合物A(1μΜ);ii)ベムラフェニブ(1μΜ);およびiii)化合物A(1μΜ)とベムラフェニブ(1μΜ)とを一緒に。
【0173】
SK−MEL3黒色腫細胞の場合、細胞を以下で5日間処置した:i)化合物A(1μΜ);ii)ベムラフェニブ(10μΜ);およびiii)化合物A(1μΜ)とベムラフェニブ(10μΜ)とを一緒に。
【0174】
対照細胞は未処置のままで5日間置いた。分離細胞と付着細胞の両方を5日目間の終わりに収集した。1000rpmで10min遠心分離しながら、細胞をおよそ5mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。細胞を500μlのPBSに再懸濁させ、500μlの氷冷70%エタノール中に固定した。固定された細胞を室温で30minインキュベートし、1000rpmで10min回転させた。細胞ペレットに、1mLの冷やした70%エタノールを加え、さらなる分析まで0℃未満で保存した。細胞をPBSで2回洗浄して、固定剤を除去し、250μlのPBS中に再懸濁させた。これに、12.5μlのヨウ化プロピジウム(PBS中1mg/mL)および12.5μlのRnase A(1mg/ml)を加えた。37℃での30minのインキュベーション後、フローサイトメトリーを使用して細胞を分析した。
【0175】
製造業者の推奨に従い、これらの試験にフローサイトメーター(Becton Dickinson FACS Calibur、USA)を使用した。488nmに設定した
アルゴンイオンレーザーを励振源として使用した。2n〜4nの間のDNA含有量を有する細胞を、赤色蛍光のレベルにより定義された通りに細胞周期のG1、SおよびG2/M段階として指定した。2n未満のDNA含有量を示す細胞をサブG1細胞として指定した。各細胞周期区画内の細胞数を存在する細胞の総数のパーセンテージとして表現した。
【0176】
B.Annexin V−FITC染色(初期アポトーシス検出のため)
AnnexinV−FITCは、アポトーシス細胞を同定するための感受性プローブである。初期アポトーシスの間、膜リン脂質ホスホチジルセリン(PS)は、原形質膜の内側から外側のリーフレットに転位し、これによってPSが外部細胞環境に曝露される。Annexin Vは、PSに対して高親和性を有し、曝露されたPSを有する細胞に結合する35〜36kDaカルシウム依存性リン脂質結合タンパク質である。
【0177】
ヨウ化プロピジウムは、漏出する膜を介して細胞に入り、したがって、遅いアポトーシスの検出に対してフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と併用して使用されている極性色素である。
【0178】
黒色腫細胞G361を25mm
3組織培養物フラスコ内に播種した。24h後、細胞を
以下で24h処置した:i)化合物A(1μΜ);ii)ベムラフェニブ(1μΜ);およびiii)化合物A(1μΜ)とベムラフェニブ(1μΜ)とを一緒に。対照細胞は未処置のまま24h置いた。流動性の細胞を含有する培地を収集し、異なる時間点においてトリプシンで収集した後、付着細胞と共にプールした。1000rpmで10分間遠心分離しながら、細胞を冷たいPBSで2回洗浄した。1×10
6細胞/mlの濃度で、細胞
ペレットを1×結合緩衝剤(10mm HEPES pH7.4、140mM NaCl、2.5mM CaCI
2)中に再懸濁させた。100μlの溶液(1×10
5細胞)をAnnexin V−FITCおよびヨウ化プロピジウムで着色した。細胞を、暗所で、室温で(25〜30℃)15minインキュベートし、フローサイトメトリーで試料を分析した。
【0179】
結果:
これらの試験の結果は
図1〜3に示されている。
【0180】
結論:
図1は、ベムラフェニブで処置したG361細胞は、対照細胞(72.36%)と対比して、91.94%の有意なG1の停止を示していることを指摘している。サブG1期から認められるように、化合物Aおよびベムラフェニブ単独で処置した細胞は、それぞれ9.48%および2.3%アポトーシスしか示さなかったのに対して、化合物Aとベムラフェニブの組合せで処置した細胞は、53.67%の細胞にアポトーシスが起こっていることを示し、これは、組合せが相乗的であることを指摘している。
【0181】
図2では、上側右の四分円は、初期のアポトーシスにあるG361細胞を示している。その後アポトーシスが起こっているこれらの細胞は細胞死へとつながる。化合物Aとベムラフェニブの組合せで処置した細胞は、それぞれ化合物Aおよびベムラフェニブのみで処置した細胞に関する8%および20%と対比して、27%の細胞が初期アポトーシス(annexin着色した細胞)にあることを示した。このデータは、この組合せが相乗効果を示していることを指摘している。
【0182】
図3では、ベムラフェニブのみで処置したSK−MEL3細胞は、対照細胞(67.38%)と対比して76.78%の有意なG1停止を示した。サブG1期から認められるように、アポトーシスは、化合物Aとベムラフェニブの組合せで処置した細胞の29.75%に見られる一方で、化合物Aおよびベムラフェニブ単独で処置した細胞は、それぞれ1
9.63%および15.12%のアポトーシスしか示さず、この組合せが相乗的であることを指摘している。
【0183】
図1〜3に図示されているおよび上で説明されている結果は、化合物Aとベムラフェニブの組合せは、ベムラフェニブ感受性および耐性のBRAF V600E変異した黒色腫細胞株において相乗的であり、化合物Aおよびベムラフェニブを単独で使用した場合と比較して、組み合わせて使用した場合により多くのアポトーシスを誘発することを明確に確立した。
【0184】
II.ヒトBRAF−変異した黒色腫細胞における化合物Aとベムラフェニブ(BRAF
V600E阻害剤)とのin vitroでの二重組合せ試験
目的:この研究目的は、BRAF変異した黒色腫細胞における化合物A(CDK阻害剤)とベムラフェニブ(BRAF V600E阻害剤)の組合せの効力を評価することであった。
【0185】
A.材料
試験化合物:化合物A(PEL’S Labで調製);ベムラフェニブ(Nanjing
Chemlin Chemical Industry Co.、Ltd、中国)
ビヒクル:DMSO(Sigma−Aldrich−Chemie Gmbh、ドイツ)投薬の準備:化合物Aおよびベムラフェニブは、秤量し、必要量のDMSO中に溶解して、必要とされるストック溶液を得た。
試験システム:試験システムは、G361、A375およびMDAMB−435S(BRAF V600E変異した)細胞株を含んでいた。これらは、ATCC(American Type Culture Collection)、USAから得た。
【0186】
B.方法
化合物Aとベムラフェニブの様々な組合せを使用する細胞毒性試験を、CCK8生細胞デヒドロゲナーゼアッセイを使用して行った。
【0187】
i)細胞カウンティングキット−8(CCK8)生細胞デヒドロゲナーゼアッセイ
ヒトBRAF V600E変異した黒色腫がん細胞株、G361、A375およびMDAMB−435Sを、96−ウェルプレート中の199μlLのRPMI 1640培地に、3000個の細胞/ウェルの密度で播種し、一晩インキュベートして細胞を付着させた。次いで細胞をそれぞれの試験化合物で処理した。全部で10の群があった;
i)1μΜのベムラフェニブを単独で48h;
ii)0.3μΜ/0.1μΜの化合物Aを単独で48h;
iii)1μΜ/0.3μΜの化合物Aを単独で48h;
iv)3μΜ/1μΜの化合物Aを単独で48h;
v)10μΜ/3μΜの化合物Aを単独で48h;
vi)0.3μΜ/0.1μΜの化合物Aと1μΜのベムラフェニブの組合せを48h;vii)1μΜ/0.3μΜの化合物Aと1μΜのベムラフェニブの組合せを48h;
viii)3μΜ/1μΜの化合物Aと1μΜのベムラフェニブの組合せを48h;
ix)10μΜ/3μΜの化合物Aと1μΜのベムラフェニブの組合せを48h;
x)対照ウェルをDMSOビヒクルで48h処理した。
【0188】
プレートは、加湿した5%CO
2インキュベーター内で、37°±1℃でインキュベー
トした。ベムラフェニブは3種のすべての異なる細胞株に対して1.0μΜの濃度で使用し、化合物Aは、A375黒色腫細胞の場合、0.3μΜ、1μΜ、3μΜおよび10μΜ濃度で使用し、G361およびMDAMB435S黒色腫細胞の場合、0.1μΜ、0.3μΜ、1.0μΜ、3.0μΜの濃度で使用した。インキュベーション期間の終わり
に、CCK8細胞毒性アッセイプロトコルを使用してプレートをアッセイした。ChouおよびTalalay(4)によるCompusynソフトウエアを使用して組合せ指数(CI)を計算することによって、相乗作用を求めた。CI<1は相乗的であり、CI=1は相加的であり、CI>1は拮抗的である。
【0189】
統計分析:
スチューデントt検定を使用して統計分析を実施し、p値<0.05は有意とみなされた。データは、平均値±標準誤差(SEM)として表現される。平均値は、それぞれ三重反復で実施される、少なくとも2つの独立した実験から得られる。
【0190】
ii)細胞毒性アッセイプロトコル
対数的に増大する細胞を、3x10
3細胞/ウェルの密度でプレーティングし、16〜
18hの間回復させた。化合物Aとベムラフェニブの両方の化合物の濃度を48h変化させて、細胞を検証した。48h後、細胞毒性をCCK−8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc、Maryland、およびJapan)により求めた。製造業者の指示に従い、5μL/ウェルのCCK−8試薬を加え、プレートを2hインキュベートした。450nmから650nmの波長に補正し、対照に対して正規化し、Tecan Sapphire マルチ−蛍光 ミクロ−プレートリーダー上の吸光度を測定することによって毒性を求めた。すべての実験は三重反復で実施した。
【0191】
化合物Aおよびベムラフェニブに関する処置スケジュール:
表1および2は、A375細胞およびG361およびMDA−MB435S細胞における化合物Aおよびベムラフェニブのそれぞれの処置スケジュールを示している。
【0192】
【表1】
【0193】
【表2】
【0194】
結果:
異なる細胞株における化合物Aおよびベムラフェニブおよびこれらの組合せに関する細胞毒性のIC
50値が表3に提示されている。
図4〜6および表4〜6は、様々な黒色腫細胞株における化合物Aとベムラフェニブの組合せの効果を表している。
【0195】
【表3】
【0196】
図4〜6において、X軸は、化合物Aおよびベムラフェニブ単独での濃度および組み合
わせた場合の化合物の濃度を示し、左のY軸は細胞毒性(%)を示し、右のY−軸は組合せ指数値を示している。
【0197】
図4において、1μΜのベムラフェニブで処置した細胞は23%阻害を示したのに対して、3μΜの化合物Aで処置した細胞は細胞の46%阻害を示した。しかし、この最適以下の濃度において、細胞を、化合物Aと組み合わせたベムラフェニブで処置した場合、組合せ指数(CI)は0.70であり、細胞の83%阻害という相乗効果が観察された。示された相乗的データは、それぞれ三重反復で実施した、2つの独立した実験に関する平均値を意味する。
【0198】
【表4】
【0199】
図5において、1μΜのベムラフェニブで処置した細胞は30%阻害を示したのに対して、0.3μΜの化合物Aで処置した細胞は細胞の2%阻害しか示さなかった。しかし、この最適以下の濃度において、細胞を、化合物Aと組み合わせたベムラフェニブで処置した場合、組合せ指数値は0.77であり、細胞の52%阻害という注目すべき相乗効果が観察された。細胞を、ベムラフェニブ(1μΜ)と組み合わせた化合物A(3μΜ)で処置した場合、組合せ指数0.9で細胞の91%阻害を示した。示された相乗的データは、それぞれ三重反復で実施した、2つの独立した実験に関する平均値を意味する。
【0200】
【表5】
【0201】
図6において、1μΜのベムラフェニブで処置した細胞は細胞の31%阻害を示したのに対して、1μΜの化合物Aで処置した細胞は細胞の32%阻害を示した。最適以下の濃度において、細胞を、化合物Aと組み合わせたベムラフェニブで処置した場合、組合せ指数0.74で細胞の90%阻害という相乗効果が観察された。示された相乗的データは、それぞれ三重反復で実施した、2つの独立した実験に関する平均値を意味する。
【0202】
【表6】
【0203】
結論:
ベムラフェニブと化合物Aの組合せは、BRAF変異した黒色腫細胞において顕著な相乗効果を示した。
【0204】
参考文献:
1.Smalley KS、Lioni M、Palma MD、Xiao M、Desai B、Egyhazi S、Hansson J、Wu H、King AJ、Van Belle P、Elder DE、Flaherty KT、Herlyn M、Nathanson KL;「Increased cyclin D1 expres
sion can mediate BRAF inhibitor resistance in BRAF V600E−mutated melanomas」;Mol.Cancer Ther.、2008年、第7巻、2876〜2883ページ。
2.Smalley KSM and Flaherty KT;「Integrating BRAF/MEK inhibitors into combination therapy for Melanoma」;British Journal of
Cancer、2009年、第100巻、431〜435ページ。
3.Dhomen N、Marais R;「BRAF signaling and targeted therapies in melanoma」Hematol.Oncol.Clin.North Am.、2009年、第23巻、3号、529〜45ページ。
4.Ting−ChaoChou;「Theoretical basis、experimental design、and computerized simulation of synergism and antagonismin drug combination studies」Pharmacol.Rev.、2006年、第58巻、621〜81ページ。
【実施例2】
【0205】
A.ヒトBRAF−V600E変異した黒色腫細胞株(A375)およびそのベムラフェニブ耐性誘導体(A375R)における、化合物A(CDK阻害剤、ボルシクリブとも呼ばれる)と、BRAF阻害剤(ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)またはMEK阻害剤(トラメチニブ)から選択される1種の抗がん剤とのin vitroでの組合せ試験
【0206】
目的:
本研究の目的は、BRAF変異した黒色腫細胞における、CDK阻害剤(ボルシクリブ)と、BRAF阻害剤(ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)またはMEK阻害剤(トラメチニブ)の組合せの効力を評価することであった。
【0207】
B.材料:
試験化合物:化合物A(PEL’S Lab.で調製);ベムラフェニブ(Selleckchem USA、S1267);ダブラフェニブ(Selleckchem USA、S2807)およびトラメチニブ(Selleckchem USA、S2673)ビヒクル:DMSO(Sigma−Aldrich−Chemie Gmbh、ドイツ)投薬の準備:試験化合物を秤量し、必要量のDMSO中に溶解して、必要とされるストック溶液を得た。
試験系:試験系はA375(BRAF V600E変異)細胞株を含んだ。これは、ATCC(American Type Culture Collection(アメリカ培養細胞系統保存機関))、USAおよびA375R細胞株(ベムラフェニブ耐性−PEL’S Lab.で開発)から得た。
【0208】
C.方法:
CCK8生細胞デヒドロゲナーゼアッセイを使用して、すべての試験化合物を単剤としておよび組み合わせて使用する細胞毒性試験を行った。
【0209】
細胞カウンティングキット−8(CCK8)生細胞デヒドロゲナーゼアッセイ:
対数的に増大するヒトBRAF V600E変異した黒色腫細胞を、1500細胞/ウェルの密度で、384−ウェルプレート(Corning、USA)中の30μLのダルベッコ改変イーグル培地培地(DMEM)に、Tecan自動化プラットフォーム(FreedomEvo Liquid 取扱いシステム)を使用して播種し、約12〜16hインキュベートして、細胞を付着させた。次いで、細胞を異なる用量の化合物Aおよび抗
がん剤(ベムラフェニブまたはダブラフェニブまたはトラメチニブ)で、単剤療法として(個々に使用)および組み合わせて、48h処置した。異なる投薬量を使用する試験を、各組合せ(例えば化合物Aとベムラフェニブの組合せ)に対して行った。A375およびA375R細胞において個々におよび組み合わせて使用した場合の試験化合物の処置の比率を表7A〜7Cに示す(すなわち、化合物Aとベムラフェニブの組合せ;化合物Aとダブラフェニブの組合せ;および化合物Aとトラメチニブの組合せ)。化合物A(μΜ)の以下の用量を使用した:1、0.5、0.25、0.125、0.06、0.03、0.015;ベムラフェニブ(μΜ)30、15、7.5、3.75、1.875、0.9、0.4、0.2、0.1、0.05;ダブラフェニブ(μΜ)3、1.5、0.75、0.37、0.18、0.09、0.04、0.02、0.01、0.005;トラメチニブ(μΜ)1、0.5、0.25、0.125、0.0625、0.031、0.015、0.007、0.003、0.001。表7A〜7Cに示されているように、上記用量の抗がん剤(ベムラフェニブまたはダブラフェニブまたはトラメチニブ)を化合物Aと複数の比率で混合した。使用されている対照は、細胞のみまたは細胞とビヒクル(DMSO)である。
【0210】
プレートは、加湿した5%CO
2インキュベーター内で、37°±1℃で48hインキ
ュベートした。ポストインキュベーション後、CCK8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc、メリーランド州、および日本)を使用してプレートをアッセイした。製造業者の指示に従い、3μlのCCK−8試薬を384ウェルプレートの各ウェルに加え、プレートを2hインキュベートした。対照に対して正規化した450nmの波長で、Tecan サファイア マルチ−蛍光 ミクロ−プレートリーダー上の吸光度を測定することによって、毒性を求めた。すべての実験は4回実施した。
【0211】
組合せ指数(CI)(1未満のCI値は相乗効果を示す)を計算するChou Talalay法に基づくCalcusynソフトウエア(Biosoft、Ferguson、MO、USA)を使用して組合せの効力を定量化した。
【0212】
表7A〜7C:A375およびA375R細胞における化合物Aおよび抗がん剤(ベムラフェニブまたはダブラフェニブまたはトラメチニブ)の単剤療法として(個々に使用)および組み合わせた場合の処置の比率。
【0213】
単独でのまたは組み合わせた化合物A(Aとして表示)およびベムラフェニブ(Vとして表示)の処置の比率が表7Aに表されている。
【0214】
【表7】
【0215】
単独でのまたは組み合わせた化合物A(Aとして表示)およびダブラフェニブ(Dとして表示)の処置の比率が表7Bに表されている。
【0216】
【表8】
【0217】
単独でのまたは組み合わせた化合物A(Aとして表示)およびトラメチニブ(Tとして表示)の処置の比率が表7Cに表されている。
【0218】
【表9】
【0219】
結果:
これらの試験の結果が
図7〜13に示されている。
【0220】
結論:
1.
図7aおよび7bから、A375細胞株はベムラフェニブに対して極めて感受性があるのに対して、A375Rは耐性があると結論づけることができる。さらに、A375とA375Rの両方が化合物A(ボルシクリブ)に対して同等に感受性がある。
2.
図8aおよび8bから、化合物A(ボルシクリブ)とベムラフェニブの組合せはA375細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。
3.
図9aおよび9bから、化合物A(ボルシクリブ)とベムラフェニブの組合せは、A375R細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。
4.
図10aおよび10bから、化合物A(ボルシクリブ)とダブラフェニブの組合せはA375細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。
5.
図11aおよび11bから、化合物A(ボルシクリブ)とダブラフェニブの組合せはA375R細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。
6.
図12aおよび12bから、化合物A(ボルシクリブ)とトラメチニブの組合せはA375細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。7.
図13aおよび13bから、化合物A(ボルシクリブ)とトラメチニブの組合せはA375R細胞株において強い相乗効果(CI<0.5)を示すと結論づけることができる。