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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-206923(P2019-206923A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】ガスタービン及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/143 20060101AFI20191108BHJP
   F02C 9/00 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   F02C7/143
   F02C9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-101782(P2018-101782)
(22)【出願日】2018年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 大輝
(57)【要約】
【課題】ガスタービン及びその運転方法において、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することで噴霧ノズルの交換時期を適切に判断してガスタービンの信頼性の向上を図る。
【解決手段】空気を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器12と、燃焼器12が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービン13と、圧縮機11が取り込む空気に噴霧ノズル46,47,48,49,50から冷却水を噴霧する空気冷却器40と、空気冷却器40を制御する制御装置70とを備え、空気冷却器40には、空気冷却器40における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性が設定され、制御装置70は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、
前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、
前記圧縮機が取り込む空気に噴霧ノズルから冷却水を噴霧する空気冷却器と、
前記空気冷却器を制御する制御装置と、
を備え、
前記空気冷却器には、前記空気冷却器における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性が設定され、
前記制御装置は、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定する、
ことを特徴とするガスタービン。
【請求項2】
前記制御装置は、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との差、および/または、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量指令値と実際の実噴霧流量指令値との差、のいずれかによって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。
【請求項3】
前記制御装置は、前記空気冷却器に第1噴霧流量指令値を設定した際、前記噴霧基準特性に基づいて前記空気冷却器が噴霧すると予測される第1予測噴霧流量値と、前記空気冷却器が実際に噴霧する第1実噴霧流量値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスタービン。
【請求項4】
前記制御装置は、前記空気冷却器が第2噴霧流量値を実際に噴霧する際、前記噴霧基準特性に基づいて前記空気冷却器に設定されると予測される第2予測噴霧流量指令値と、前記空気冷却器に実際に設定される第2実噴霧流量指令値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスタービン。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1予測噴霧流量値と前記第1実噴霧流量値の差が減少するように前記第1噴霧流量指令値を補正することを特徴とする請求項3に記載のガスタービン。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第2予測噴霧流量指令値と前記第2実噴霧流量指令値との差が減少するように前記第2予測噴霧流量指令値を補正することを特徴とする請求項4に記載のガスタービン。
【請求項7】
前記制御装置は、前記差が予め設定された判定値を超えると、前記噴霧ノズルが劣化したと判定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のガスタービン。
【請求項8】
前記制御装置が判定した前記噴霧ノズルの劣化度合いを表示する表示部が設けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のガスタービン。
【請求項9】
前記制御装置は、大気温度と大気湿度と圧縮機入口湿度に基づいて、または、前記空気冷却器へ供給する冷却水量に基づいて前記空気冷却器が実際に噴霧する前記実噴霧流量値を決定することを特徴とする請求項2に記載のガスタービン。
【請求項10】
前記制御装置は、前記差ついての補正が完了した後に、前記予測噴霧流量値を前記空気冷却器が実際に噴霧する前記実噴霧流量値とみなすことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン。
【請求項11】
前記空気冷却器は、複数の前記噴霧ノズルを有し、前記制御装置は、前記噴霧ノズルの作動数を設定し、前記噴霧ノズルの作動数ごとに前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定し、作動数ごとに判定された前記噴霧ノズルの劣化度合いに基づいて複数の前記噴霧ノズルの中から劣化した前記噴霧ノズルを特定することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガスタービン。
【請求項12】
空気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、
前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、
前記圧縮機が取り込む空気に噴霧ノズルから冷却水を噴霧する空気冷却器と、
を備え、
前記空気冷却器に、前記空気冷却器における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性を設定する工程と、
前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定する工程と、
を有することを特徴とするガスタービンの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機と燃焼器とタービンを備えるガスタービン、並びに、ガスタービンの運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンにより構成されている。そして、空気取入口から取り込まれた空気が圧縮機によって圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となり、燃焼器にて、この圧縮空気に対して燃料を供給して燃焼させることで高温・高圧の燃焼ガス(排気ガス)を得て、この燃焼ガスによりタービンを駆動し、このタービンに連結された発電機を駆動する。
【0003】
ガスタービンは、圧縮機が取り込む空気の温度によってタービンにおける出力が影響を受ける。例えば、大気温度が高い夏季には、空気の密度が低下して質量流量が低下するため、タービンの出力が低下する。そこで、タービンの出力の低下を抑制するため、圧縮機は、取り込む空気の温度を低下させるために、吸気冷却装置が設けられている。この吸気冷却装置は、一般的に、吸入空気に対して水を噴霧することで、噴霧ミストの蒸発潜熱による取り込む空気の冷却を行うものである。
【0004】
このようなガスタービンとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−127247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した圧縮機の吸気冷却装置は、複数の噴霧ノズルが吸入空気に向けて所定量の水を噴霧する。ところが、経年劣化により噴霧ノズルに摩耗が発生すると、所定量の水を噴霧することができないという課題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することで噴霧ノズルの交換時期を適切に判断してガスタービンの信頼性の向上を図るガスタービン及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明のガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、前記圧縮機が取り込む空気に噴霧ノズルから冷却水を噴霧する空気冷却器と、前記空気冷却器を制御する制御装置と、備え、前記空気冷却器には、前記空気冷却器における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性が設定され、前記制御装置は、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定する、ことを特徴とするものである。
【0009】
従って、噴霧ノズルが劣化すると、噴霧ノズルから噴霧する冷却水の噴霧量が変動することから、制御装置は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズルの劣化度合いを判定するそのため、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定し、噴霧ノズルの交換時期を適切に判断してガスタービンの信頼性の向上を図ることができる。
【0010】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との差、および/または、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量指令値と実際の実噴霧流量指令値との差、のいずれかによって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することを特徴としている。
【0011】
従って、予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との差や予測噴霧流量指令値と実際の実噴霧流量指令値との差によって噴霧ノズルの劣化度合いを判定することから、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0012】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記空気冷却器に第1噴霧流量指令値を設定した際、前記噴霧基準特性に基づいて前記空気冷却器が噴霧すると予測される第1予測噴霧流量値と、前記空気冷却器が実際に噴霧する第1実噴霧流量値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することを特徴としている。
【0013】
従って、第1予測噴霧流量値と第1実噴霧流量値との差によって噴霧ノズルの劣化度合いを判定することから、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0014】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記空気冷却器が第2噴霧流量値を実際に噴霧する際、前記噴霧基準特性に基づいて前記空気冷却器に設定されると予測される第2予測噴霧流量指令値と、前記空気冷却器に実際に設定される第2実噴霧流量指令値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することを特徴としている。
【0015】
従って、第2予測噴霧流量指令値と、前記空気冷却器に実際に設定される第2実噴霧流量指令値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定することから、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0016】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記第1予測噴霧流量値と前記第1実噴霧流量値の差が減少するように前記第1噴霧流量指令値を補正することを特徴としている。
【0017】
従って、第1予測噴霧流量値と第1実噴霧流量値の差が減少するように第1噴霧流量指令値を補正することから、噴霧ノズルから噴霧する冷却水の噴霧量を噴霧ノズルの劣化度合いに応じて高精度に調整することができる。
【0018】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記第2予測噴霧流量指令値と前記第2実噴霧流量指令値との差が減少するように前記第2予測噴霧流量指令値を補正することを特徴としている。
【0019】
従って、第2予測噴霧流量指令値と第2実噴霧流量指令値との差が減少するように第2予測噴霧流量指令値を補正することから、噴霧ノズルから噴霧する冷却水の噴霧量を噴霧ノズルの劣化度合いに応じて高精度に調整することができる。
【0020】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記差が予め設定された判定値を超えると、前記噴霧ノズルが劣化したと判定することを特徴としている。
【0021】
従って、差が予め設定された判定値を超えると噴霧ノズルが劣化したと判定することから、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0022】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置が判定した前記噴霧ノズルの劣化度合いを表示する表示部が設けられることを特徴としている。
【0023】
従って、表示部に噴霧ノズルの劣化度合いが表示されることから、作業者は、噴霧ノズルの劣化度合いを確認しながらガスタービンを運転することとなり、交換する噴霧ノズルの事前準備などの交換計画を容易に立てることができる。
【0024】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、大気温度と大気湿度と圧縮機入口湿度に基づいて、または、前記空気冷却器へ供給する冷却水量に基づいて前記空気冷却器が実際に噴霧する前記実噴霧流量値を決定することを特徴としている。
【0025】
従って、実噴霧流量値を高精度に設定することができる。
【0026】
本発明のガスタービンでは、前記制御装置は、前記差ついての補正が完了した後に、前記予測噴霧流量値を前記空気冷却器が実際に噴霧する前記実噴霧流量値とみなすことを特徴としている。
【0027】
従って、実噴霧流量値を高精度に設定することができる。
【0028】
本発明のガスタービンでは、前記空気冷却器は、複数の前記噴霧ノズルを有し、前記制御装置は、前記噴霧ノズルの作動数を設定し、前記噴霧ノズルの作動数ごとに前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定し、作動数ごとに判定された前記噴霧ノズルの劣化度合いに基づいて複数の前記噴霧ノズルの中から劣化した前記噴霧ノズルを特定することを特徴としている。
【0029】
従って、空気冷却器が複数の噴霧ノズルを有するとき、噴霧ノズルの作動数ごとの噴霧ノズルの劣化度合いを判定するだけで、複数の噴霧ノズルの中から劣化した噴霧ノズルを特定することができ、設備の複雑化を抑制しながら、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0030】
また、本発明のガスタービンの運転方法は、空気を圧縮する圧縮機と前記圧縮機が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービンと、前記圧縮機が取り込む空気に噴霧ノズルから冷却水を噴霧する空気冷却器と、を備え、前記空気冷却器に、前記空気冷却器における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性を設定する工程と、前記噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって前記噴霧ノズルの劣化度合いを判定する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0031】
従って、噴霧ノズルが劣化すると、噴霧ノズルから噴霧する冷却水の噴霧量が変動することから、制御装置は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズルの劣化度合いを判定する。そのため、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定し、噴霧ノズルの交換時期を適切に判断してガスタービンの信頼性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のガスタービン及びその方法によれば、噴霧ノズルの劣化度合いを高精度に判定することで、噴霧ノズルの交換時期を適切に判断してガスタービンの信頼性の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本実施形態のガスタービンを表す概略構成図である。
図2図2は、圧縮機の吸気ダクトを表す概略図である。
図3図3は、吸気冷却装置の制御ブロックを表す概略図である。
図4図4は、吸気冷却制御を表す概略図である。
図5図5は、吸気冷却装置における噴霧流量指令値に対する実噴霧流量値を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るガスタービン及びその運転方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0035】
図1は、本実施形態のガスタービンを表す概略構成図である。
【0036】
本実施形態において、図1に示すように、ガスタービン10は、圧縮機11と、燃焼器12と、タービン13とを有している。圧縮機11とタービン13は、回転軸14により一体回転可能に連結され、この回転軸14に発電機15が連結されている。圧縮機11は、空気取り込みラインL1から取り込んだ空気を圧縮する。燃焼器12は、圧縮機11から圧縮空気供給ラインL2を通して供給された圧縮空気と、燃料ガス供給ラインL3から供給された燃料ガスとを混合して燃焼する。タービン13は、燃焼器12から燃焼ガス供給ラインL4を通して供給された燃焼ガスにより回転駆動する。発電機15は、タービン13が回転することで伝達される回転力により発電する。
【0037】
そのため、ガスタービン10にて、圧縮機11は空気を圧縮し、燃焼器12は供給された圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼する。タービン13は燃焼器12から供給された燃焼ガスにより回転駆動し、発電機15が発電を行う。
【0038】
図2は、圧縮機の吸気ダクトを表す概略図である。
【0039】
図2に示すように、圧縮機11は、空気の取込み側に吸気ダクト20が設けられている。ダクト本体31は、所定長さを有し、所定形状に屈曲された形状をなし、圧縮機11の車室(図示略)に装着されている。ダクト本体31は、箱型形状をなし、吸気口32が形成されている。吸気口32は、ダクト本体31の端面に形成された1つの開口であり、ウェザールーバー33が固定されている。ウェザールーバー33は、複数の三角屋根からなり、吸気口32に装着されることで、ダクト本体31の内部への雨水の浸入を抑制する。
【0040】
ダクト本体31は、内部に複数(本実施形態では、3個)のフィルタ34,35,36と、1個のサイレンサ37が設けられている。フィルタ34,35,36は、例えば、プレフィルタ、中性能フィルタ、高性能(HEPA)フィルタである。フィルタ34,35,36は、ダクト本体31の吸気口32から所定距離だけ離れた位置に配置されると共に、互いに所定距離だけ離れて配置されており、ダクト本体31を塞いでいる。そのため、ダクト本体31を通過する空気は、フィルタ34,35,36は、を通過することで、空気に含まれる比較的小さなごみを捕集する。
【0041】
ダクト本体31は、サイレンサ37より圧縮機11側に空気冷却器40が配置されている。空気冷却器40は、ダクト本体31内の鉛直方向に所定間隔を空けて配置される複数(本実施形態では、5個)のノズルユニット41,42,43,44,45を有している。ノズルユニット41,42,43,44,45は、それぞれ複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50を有している。ノズルユニット41,42,43,44,45は、配管51,52,53,54,55が接続されており、配管51,52,53,54,55にポンプ56,57,58,59,60と開閉弁61,62,63,64,65が装着されている。配管51,52,53,54,55は、集合配管66に集合し、集合配管66が冷却水タンク67に連結されると共に、集合配管66に後述する流量計74が設けられている。
【0042】
そのため、空気冷却器40は、ポンプ56,57,58,59,60を駆動すると共に、開閉弁61,62,63,64,65が開放すると、冷却水タンク67の冷却水が配管51,52,53,54,55を通ってノズルユニット41,42,43,44,45に供給され、ノズルユニット41,42,43,44,45における複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50から圧縮機11側に向けて冷却水を噴霧する。このとき、大気温度や大気湿度に応じて駆動するポンプ56,57,58,59,60の数を決定し、所定の開閉弁61,62,63,64,65が開放することで、複数のノズルユニット41,42,43,44,45のうちの1個または複数から必要量の冷却水を噴霧する。
【0043】
図3は、吸気冷却装置の制御ブロックを表す概略図、図4は、吸気冷却制御を表す概略図、図5は、吸気冷却装置における噴霧流量指令値に対する実噴霧流量値を表すグラフである。
【0044】
また、ガスタービン10は、図3に示すように、空気冷却器40を制御する制御装置70を備えている。制御装置70は、空気冷却器40における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性が設定され、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0045】
具体的に、制御装置70は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との差、および/または、噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量指令値と実際の実噴霧流量指令値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0046】
ここで、空気冷却器40(噴霧ノズル46,47,48,49,50)における噴霧基準特性とは、空気冷却器40にある噴霧流量指令値を設定した場合に、決められた噴霧流量値を空気冷却器40が噴霧する空気冷却器40の特性(関係性)のことをいう。また、噴霧流量指令値とは、空気冷却器40が噴霧する噴霧流量値を制御するために空気冷却器40に設定される指令値のことをいい、例として、ポンプ56,57,58,59,60の起動台数や回転数に対する指令値や、開閉弁61,62,63,64,65の弁開度に対する指令値等のことをいう。この場合、ポンプ56,57,58,59,60のみに対する指令値、開閉弁61,62,63,64,65のみに対する指令値、またはポンプ56,57,58,59,60と開閉弁61,62,63,64,65との両方に対する指令値など、状況に応じて種々の指令値を設定することができる。
【0047】
即ち、制御装置70は、空気冷却器40に第1噴霧流量指令値を設定した際、噴霧基準特性に基づいて空気冷却器40が噴霧すると予測される第1予測噴霧流量値と、空気冷却器40が実際に噴霧する第1実噴霧流量値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。また、制御装置70は、空気冷却器40が第2噴霧流量値を実際に噴霧する際、噴霧基準特性に基づいて空気冷却器40に設定されると予測される第2予測噴霧流量指令値と、空気冷却器40に実際に設定される第2実噴霧流量指令値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0048】
ここで、制御装置70は、第1予測噴霧流量値と第1実噴霧流量値の差が減少するように第1噴霧流量指令値を補正する。また、制御装置70は、第2予測噴霧流量指令値と第2実噴霧流量指令値との差が減少するように第2予測噴霧流量指令値を補正する。そして、制御装置70は、この差が予め設定された判定値を超えると、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したと判定し、噴霧ノズル46,47,48,49,50の交換が必要であると判定する。ここで、判定値は、例えば、噴霧ノズル46,47,48,49,50における最大噴霧流量に対する割合(例えば、10%)として設定される。
【0049】
制御装置70は、大気温度を計測する大気温度計71と、大気湿度を計測する大気湿度計72が接続され、大気温度と大気湿度が入力される。また、図2に示すように、圧縮機11は、ダクト本体31内に圧縮機入口湿度を計測する圧縮機入口湿度計73が配置され、制御装置70は、圧縮機入口湿度が入力される。更に、空気冷却器40は、集合配管66に流量計74が設けられ、制御装置70は、集合配管66を流れる冷却水量、つまり、噴霧ノズル46,47,48,49,50が噴霧する冷却水の噴霧量が入力される。
【0050】
また、制御装置70は、表示部75と、記憶部76が接続されている。表示部75は、制御装置70が判定した噴霧ノズル46,47,48,49,50の判定結果を表示し、記憶部76は、制御装置70が判定した噴霧ノズル46,47,48,49,50の判定結果を記憶する。
【0051】
ここで、ガスタービンの運転方法について詳細に説明する。本実施形態のガスタービンの運転方法は、空気冷却器40における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性を設定する工程と、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する工程とを有する。
【0052】
具体的に説明すると、図4に示すように、制御装置70には、設定部81、比較部82、PI制御部83、補正部84、判定部85が設けられている。設定部81は、大気温度計71が計測した大気温度と、大気湿度計72が計測した大気湿度に基づいて、必要な噴霧流量値を決定する。そして、この噴霧流量値を空気冷却器40が噴霧するために必要な噴霧流量指令値を設定する。このとき、噴霧流量指令値は、噴霧ノズルの劣化がないときの噴霧基準特性αに基づいて設定される。つまり、設定部81は、噴霧基準特性αに基づき、空気冷却器40が必要な噴霧流量値を噴霧するであろうと予測する噴霧流量指令値を設定する。ここで、必要な噴霧流量指令値を空気冷却器40に設定した際、噴霧基準特性αに基づいて空気冷却器40が噴霧すると予測する流量値を、予測噴霧流量値とする。比較部82は、予測噴霧流量値と、流量計74が計測した空気冷却器40(噴霧ノズル46,47,48,49,50)が噴霧する実噴霧流量値との差を算出する。なお、実噴霧流量値は、大気温度と、大気湿度と、圧縮機入口湿度計測計73が計測した圧縮機入口湿度に基づいて設定してもよい。なお、設定部81が決定する必要な噴霧流量値は、圧縮機入口湿度計測計73が計測した圧縮機入口湿度に基づいて決定してもよい。
【0053】
PI制御部83は、予測噴霧流量値と実噴霧流量値との差と、空気冷却器40(噴霧ノズル46,47,48,49,50)の運転信号に基づいてノズル劣化補正量を算出する。表示部75は、このノズル劣化補正量(または、補正値)を表示する。なお、ノズル劣化補正量とは、噴霧流量値の補正流量、または、噴霧流量指令値の補正量である。また、補正部84は、予測噴霧流量値をノズル劣化補正量に基づいて補正し、噴霧流量指令値を算出する。判定部85は、ノズル劣化補正量と判定値とを比較して噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。ここで、判定部85がノズル劣化補正量に基づいて噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化を判定すると、表示部75は、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化していると表示すると共に、交換すべきとの警報を発する。
【0054】
図5において、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化がないときの噴霧基準特性αが規定されている。噴霧基準特性αは、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化がないときの噴霧流量指令値に対する噴霧流量値または噴霧流量値に対する噴霧流量指令値を示すことができる。つまり噴霧流量指令値と噴霧流量値との関係性を示すことができる。これによると、噴霧流量指令値(第1噴霧流量指令値)a2が設定されると、噴霧基準特性αに基づいて予測噴霧流量値(第1予測噴霧流量値)b2を予測することができる。また、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化が進行すると、噴霧流量指令値に基づいて予測される予測噴霧流量値に対して実噴霧流量値が増加する傾向にある。このとき、空気冷却器40の噴霧ノズルにおいて噴霧流量指令値と噴霧流量値との関係性が、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化に伴って更新される。これにより、噴霧基準特性αに基づいて設定される予測噴霧流量指令値と実際の噴霧流量指令値との間または予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との間に差が生じる。ここで、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したときには、実噴霧特性βを規定することができる。実噴霧特性βは、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したときの噴霧流量指令値に対する噴霧ノズル46,47,48,49,50の実際の実噴霧流量値、または、実噴霧流量値に対する実際の噴霧流量指令値(実噴霧流量指令値)を示すことができる。つまり噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したときの噴霧流量指令値と噴霧流量値との実際の関係性を示すことができる。これにより、設定された噴霧流量指令値a2に対して実噴霧流量値(第1実噴霧流量値)b3が規定される。なお、この実噴霧特性βは、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いに応じてその傾きが変動する。
【0055】
そのため、噴霧基準特性αにて、噴霧流量指令値a2に対して予測噴霧流量値b2が設定されているとき、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化すると、実噴霧流量値が増加して実噴霧流量値b3に変動する。このとき、制御装置70は、噴霧流量指令値a2に応じて設定される予測噴霧流量値b2と、噴霧流量指令値a2に応じて実際に噴霧される実噴霧流量値b3との差C1に基づいて噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0056】
また、予測噴霧流量値b2と実噴霧流量値b3との差C1に応じて噴霧流量指令値を補正する。即ち、噴霧ノズル46,47,48,49,50は、噴霧流量指令値a2に対して予測噴霧流量値(第2噴霧流量値)b2を噴霧したいが、実際には、この予測噴霧流量値b2より多い実噴霧流量値b3を噴霧している。そのため、実噴霧特性βに基づいて実噴霧流量値b3に対して予測される予測噴霧流量指令値(第2予測噴霧流量指令値)a1を設定し、噴霧流量指令値を噴霧流量指令値(第2噴霧流量指令値)a2から予測噴霧流量指令値a1に変更する。つまり、噴霧流量指令値a2と予測噴霧流量指令値a1との差が減少するように噴霧流量指令値を補正する。ここで、噴霧流量指令値a2と予測噴霧流量指令値a1との差C2に基づいて噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定してもよい。
【0057】
なお、図2及び図3に示すように、空気冷却器40は、噴霧流量指令値に応じて駆動するノズルユニット41,42,43,44,45(ポンプ56,57,58,59,60)の数を決定する。即ち、制御装置70は、圧縮機入口湿度が90%になるように噴霧流量指令値を設定し、駆動するノズルユニット41,42,43,44,45を決定する。このとき、制御装置70は、噴霧ノズル46,47,48,49,50の作動数ごとに噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0058】
例えば、圧縮機入口湿度が高いとき、噴霧ノズル46,47,48,49,50の噴霧量は少量であることから、1個の噴霧ノズル46を作動し、1個の噴霧ノズル46の劣化度合いを判定する。その後、圧縮機入口湿度が低下し、2個の噴霧ノズル46,47を作動する必要になると、2個の噴霧ノズル46,47の劣化度合いを判定する。このとき、1個の噴霧ノズル46の劣化度合いと、2個の噴霧ノズル46,47の劣化度合いが同じであれば、2個目の噴霧ノズル47の劣化度合いは低いことがわかる。また、1個の噴霧ノズル46の劣化度合いと、2個の噴霧ノズル46,47の劣化度合いが大きく異なると、2個目の噴霧ノズル47の劣化度合いが高いことがわかる。そのため、複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50の中から劣化した噴霧ノズル46,47,48,49,50を特定することができる。
【0059】
このように本実施形態のガスタービンにあっては、空気を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11が圧縮した圧縮空気と燃料を混合して燃焼する燃焼器12と、燃焼器12が生成した燃焼ガスにより回転動力を得るタービン13と、圧縮機11が取り込んだ空気に噴霧ノズル46,47,48,49,50から冷却水を噴霧する空気冷却器40と、空気冷却器40を制御する制御装置70とを備え、空気冷却器40には、空気冷却器40における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性が設定され、制御装置70は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。
【0060】
従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化すると、噴霧ノズル46,47,48,49,50から噴霧する冷却水の噴霧量が変動することから、制御装置70は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。そのため、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定し、噴霧ノズル46,47,48,49,50の交換時期を適切に判断してガスタービン10の信頼性の向上を図ることができる。
【0061】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量値と実際の実噴霧流量値との差、および/または、噴霧基準特性に基づいて予測される予測噴霧流量指令値と実際の実噴霧流量指令値との差、のいずれかによって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0062】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、空気冷却器40に第1噴霧流量指令値を設定した際、噴霧基準特性に基づいて空気冷却器40が噴霧すると予測される第1予測噴霧流量値と、空気冷却器が実際に噴霧する第1実噴霧流量値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。または、制御装置70は、空気冷却器40が第2噴霧流量値を実際に噴霧する際、噴霧基準特性に基づいて空気冷却器に設定されると予測される第2予測噴霧流量指令値と、空気冷却器40に実際に設定される第2実噴霧流量指令値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する。従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0063】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、第1予測噴霧流量値と第1実噴霧流量値の差が減少するように第1噴霧流量指令値を補正する。または、制御装置70は、第2予測噴霧流量指令値と第2実噴霧流量指令値との差が減少するように第2予測噴霧流量指令値を補正する。従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50から噴霧する冷却水の噴霧量を噴霧ノズルの劣化度合いに応じて高精度に調整することができる。
【0064】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、差が予め設定された判定値を超えると、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したと判定する。従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0065】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、差ついての補正が完了した後に、予測噴霧流量値を空気冷却器40が実際に噴霧する前記実噴霧流量値とみなす。従って、実噴霧流量値を高精度に設定することができる。
【0066】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70が判定した噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを表示する表示部75を設けている。従って、表示部75に噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いが表示されることから、作業者は、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを確認しながら圧縮機11を運転することとなり、交換する噴霧ノズル46,47,48,49,50の事前準備などの交換計画を容易に立てることができる。
【0067】
本実施形態のガスタービンでは、制御装置70は、大気温度と大気湿度と圧縮機入口湿度に基づいて、または、空気冷却器40へ供給する冷却水量に基づいて空気冷却器40が実際に噴霧する実噴霧流量値を決定する。従って、実噴霧流量値を高精度に設定することができる。
【0068】
本実施形態のガスタービンでは、空気冷却器40は、複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50を有し、制御装置70は、噴霧ノズル46,47,48,49,50の作動数ごとに噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定し、作動数ごとに判定された噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いに基づいて複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50の中から劣化した噴霧ノズル46,47,48,49,50を特定する。従って、空気冷却器40が複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50を有するとき、噴霧ノズル46,47,48,49,50の作動数ごとの噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定するだけで、複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50の中から劣化した噴霧ノズル46,47,48,49,50を特定することができ、流量計74などの設備の複雑化を抑制しながら、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定することができる。
【0069】
また、本実施形態のガスタービンの運転方法にあっては、空気冷却器40における噴霧流量指令値と噴霧流量値との基準の関係性である噴霧基準特性を設定する工程と、噴霧基準特性に基づいて予測される予測値と実際の値との差によって噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを判定する工程とを有する。
【0070】
従って、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化度合いを高精度に判定し、噴霧ノズル46,47,48,49,50の交換時期を適切に判断してガスタービン10の信頼性の向上を図ることができる。
【0071】
なお、上述した実施形態にて、噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化がないときの噴霧基準特性αと、噴霧ノズル46,47,48,49,50が劣化したときの実噴霧特性βを規定し、噴霧基準特性αと実噴霧特性βの差、つまり、ずれ量に基づいて噴霧ノズル46,47,48,49,50の劣化判定をした。この場合、実噴霧特性βは、噴霧流量指令値と実噴霧流量値との関係性を示すものであり、グラフとして説明したが、この構成に限定されるものではない。実噴霧特性βを、噴霧流量指令値に対する実噴霧流量値の表としたり、噴霧流量指令値に対する実噴霧流量の関数としたりしてもよい。さらに、実噴霧特性βを関数としてではなく、1つの噴霧流量指令値に対応する1つの実噴霧流量値や、1つの実噴霧流量値に対応する1つの噴霧流量指令値などのような1つの値と捉えてもよい。この場合は、噴霧基準特性αに基づいて予測される予測値(予測噴霧流量指令値や予測噴霧流量値)と比較するための、実際の値(実噴霧流量指令値や実噴霧流量値)のことを実噴霧特性βと捉えることができる。そして、この実際の値(実噴霧特性β)と予測値(噴霧基準特性α)とに生じるずれ量(差)に基づいて噴霧ノズルの劣化度合いを判定することができる。つまり、本発明の制御装置は、噴霧基準特性と実噴霧特性との差に応じて噴霧ノズルの劣化度合いを判定するものであることから、噴霧流量指令値のずれ量や実噴霧流量のずれ量に基づいて噴霧ノズルの劣化度合いを判定することができればよいものである。
【0072】
また、上述した実施形態にて、空気冷却器40は、複数の噴霧ノズル46,47,48,49,50を有し、制御装置70は、噴霧流量指令値に応じて噴霧ノズル46,47,48,49,50の作動数を設定し、所定数のポンプ56,57,58,59,60を駆動するようにしている。この場合、制御装置70は、ポンプ56,57,58,59,60の回転数を一定としてポンプ56,57,58,59,60の駆動と停止を制御してもよいし、ポンプ56,57,58,59,60の駆動と停止を制御すると共にポンプ56,57,58,59,60の回転数を制御してもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では、圧縮機11の吸気ダクト20内に空気冷却器40を配置し、吸気ダクト20に取り込んだ後の空気に対して冷却水を噴霧するように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、吸気ダクト20の外部に空気冷却器を配置し、吸気ダクト20に取り込む前の空気に対して冷却水を噴霧するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 ガスタービン
11 圧縮機
12 燃焼器
13 タービン
14 回転軸
15 発電機
31 ダクト本体
40 空気冷却器
41,42,43,44,45 ノズルユニット
46,47,48,49,50 噴霧ノズル
51,52,53,54,55 配管
56,57,58,59,60 ポンプ
61,62,63,64,65 開閉弁
66 集合配管
67 冷却水タンク
70 制御装置
71 大気温度計
72 大気湿度計
73 圧縮機入口湿度計
74 流量計
75 表示部
76 記憶部
81 設定部
82 比較部
83 PI制御部
84 補正部
85 判定部
図1
図2
図3
図4
図5