特開2019-207454(P2019-207454A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2019207454-逆走警告装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207454(P2019-207454A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】逆走警告装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20191108BHJP
   G08G 1/056 20060101ALI20191108BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20191108BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   G08G1/056
   G08G1/09 D
   B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-101269(P2018-101269)
(22)【出願日】2018年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】518155100
【氏名又は名称】有限会社三ッ福
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 正史
【テーマコード(参考)】
3D020
5H181
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC02
3D020BE03
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF04
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】
より限られた情報の中で、確実に逆走を検知して警告を行うことができる逆走警告装置を提供することにある。
【解決手段】
道路及び道路の周辺に設けられた車両が進むことが許された方向の情報を提供する道路情報表示を認識するための標識等認識手段と、車両が実際に進行している方向を認識するための進行方向認識手段と、標識等認識手段によりもたらされた車両が進むことが許された方向と、進行方向認識手段によりもたらされた車両が実際に進行している方向とが逆になっている場合に、車両が逆走していると判断する制御手段と、制御手段が逆走していると判断した場合に、運転者に警告を行うため警告手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転する運転者に対して逆走していることの警告を行うための逆走警告装置において、
道路及び該道路の周辺に設けられた該車両が進むことが許された方向の情報を提供する道路情報表示を認識するための標識等認識手段と、
該車両が実際に進行している方向を認識するための進行方向認識手段と、
該標識等認識手段によりもたらされた該車両が進むことが許された方向と、該進行方向認識手段によりもたらされた該車両が実際に進行している方向とが逆になっている場合に、該車両が逆走していると判断する制御手段と、
該制御手段が逆走していると判断した場合に、該運転者に警告を行うため警告手段とを備えることを特徴とする逆走警告装置。
【請求項2】
前記標識等認識手段が、撮影手段であり、撮影された画像により前記道路情報表示を認識することを特徴とする請求項1記載の逆走警告装置。
【請求項3】
前記進行方向認識手段が、前記車両の実際に進行している方向を認識することが可能な方位計であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の逆走警告装置。
【請求項4】
前記進行方向認識手段が、前記車両の実際に進行している方向を認識することが可能な衛星測位手段であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の逆走警告装置。
【請求項5】
前記警告手段が、音声により警告を行う発音手段又は及び光や文字により警告を行う表示手段であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の逆走警告装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転する運転者に対して逆走していることの警告を行うための逆走警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高齢者等の車両(自動車)の運転者に、車両が進むことが許された方向とは逆方向に走行する逆走を警告する装置として、逆走警告装置が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1の逆走警報装置は、システムコントローラが、車載カメラを制御して撮像を実行させ、画像データを逐次取得するとともに、参照用画像データを参照して道路標識をパターン認識して、道路標識が走行車線に対して右側にあるか否かを判定する。そして、道路標識が走行車線よりも左側にあると判定された場合、システムコントローラは、自動車が高速道路を順走していると判断する。また、道路標識が走行車線よりも右側にあると判定された場合、システムコントローラは、振動発生機を制御して振動させ、運転手に対して警告を行うものである。
【0004】
また、例えば、特許文献2のカメラ利用逆走検出装置は、画像認識部で、カメラの撮影画像により、現在走行している道路に中央分離帯があることを検出したときには、道路標識認識部で、道路を中心とした所定の位置について、予め設定入力している道路標識の形状及び表面の標識、或いは裏側の色の物体が存在するかを検出し、更に検出した道路標識らしきものの画像位置に応じた大きさを検出する。それにより、右側の道路標識が正常走行時より大きいとき、或いは左側の道路標識が正常走行時より小さいときには逆走の警報を出力する。中央分離帯がないことを検出したときには、道路の車線数を検出し、ナビを検索した車線数と一致しているとき、自車よりも右側の車線が左側の車線より少ないときには逆走の警報出力をするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−293390号公報
【特許文献2】特開2007−140883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の逆走警告装置は、多くの情報を元に逆走を検知しており、仕組みが複雑である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、より限られた情報の中で、確実に逆走を検知して警告を行うことができる逆走警告装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の逆走警告装置は、道路及び道路の周辺に設けられた車両が進むことが許された方向の情報を提供する道路情報表示を認識するための標識等認識手段と、車両が実際に進行している方向を認識するための進行方向認識手段と、標識等認識手段によりもたらされた車両が進むことが許された方向と、進行方向認識手段によりもたらされた車両が実際に進行している方向とが逆になっている場合に、車両が逆走していると判断する制御手段と、制御手段が逆走していると判断した場合に、運転者に警告を行うため警告手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の逆走警告装置は、標識等認識手段が、撮影手段であり、撮影された画像により道路情報表示を認識することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の逆走警告装置は、進行方向認識手段が、車両の実際に進行している方向を認識することが可能な方位計であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の逆走警告装置は、進行方向認識手段が、車両の実際に進行している方向を認識することが可能な衛星測位手段であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の逆走警告装置は、警告手段が、音声により警告を行う発音手段又は及び光や文字により警告を行う表示手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願の発明によれば、より限られた情報の中で、確実に逆走を検知して警告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る逆走警告装置の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明に係る逆走警告装置の構成の一例を示す構成図である。
【0016】
本発明に係る逆走警告装置1は、車両(自動車)を運転する運転者に対して逆走していることの警告を行うためのものである。逆走警告装置1は、標識等認識手段と、進行方向認識手段と、制御手段と、警告手段とを備えている。
【0017】
標識等認識手段は、道路及び道路の周辺に設けられた車両が進むことが許された方向の情報を提供する道路情報表示を認識するためのものである。標識等認識手段は、例えば、撮影手段であり、撮影された画像により道路情報表示を認識する車外用カメラ20である。ここで、道路情報表示とは、道路標識(例えば、矢印板、逆走防止の注記換気看板、休憩施設の出口看板等)や路面標示(矢印路面標示、大型矢印路面標示等)やラバーポール等があり、車両が進むことが許された方向の情報を提供するものは、その形態にかかわらず含まれるものとする。
【0018】
進行方向認識手段は、車両が実際に進行している方向を認識するためのものである。進行方向認識手段(進行方向認識装置22)は、例えば、車両の実際に進行している方向を認識することが可能な方位計であり、電子機器として後述する制御装置10に接続されるものである。また、進行方向認識手段(進行方向認識装置22)は、車両の実際に進行している方向を認識することが可能な衛星測位手段であってもよく、例えば、米国のGPS(Global Positioning System)や日本の準天頂衛星システムQZSS(Quasi−Zenith Satellite System)といった衛星測位システムの測位衛星から送信されている電波(衛星電波)を用いて、車両が実際に進行している方向を認識することができるものであればよい。
【0019】
制御手段は、標識等認識手段(車外用カメラ20)によりもたらされた車両が進むことが許された方向と、進行方向認識手段(進行方向認識装置22)によりもたらされた車両が実際に進行している方向とが逆になっている場合に、車両が逆走していると判断するものである。制御手段は、図1に示す制御装置10であり、例えば、マイクロコンピュータである制御部12により構成することが可能で、ソフトウェアにより制御を行う構成でも、ハードウェアにより制御を行う構成でも、ハードウェアとソフトウェアとにより制御を行う構成でもよく、その形態によって制限されるものではない。尚、後述するが、制御の機能により、データ等の記憶手段である記憶部14が、必要な場合もある。
【0020】
警告手段は、制御手段(制御装置10)が逆走していると判断した場合に、運転者に警告を行うためのものである。警告手段(警告装置30)は、音声により警告を行うスピーカ等の発音手段や、光や文字により警告を行う電光表示やLED照明等の表示手段である。警告手段(警告装置30)として、1つの車両に発音手段と表示手段とを両方設けるようにしてもよい。
【0021】
尚、標識等認識手段(車外用カメラ20)、進行方向認識手段(進行方向認識装置22)、及び警告手段(警告装置30)は、制御装置10に電子的に接続されている。
【0022】
次に、このように構成された逆走警告装置1の動作を説明する。まず、標識等認識手段(車外用カメラ20)が、道路及び道路の周辺に設けられた車両が進むことが許された方向の情報を提供する道路情報表示を認識し、車両が進むことが許された方向の情報を、制御手段(制御装置10)に提供する。
【0023】
また、車両(自動車)が走行している状態で、進行方向認識手段(進行方向認識装置22)が、車両が実際に進行している方向を認識し、車両が実際に進行している方向の情報を、制御手段(制御装置10)に提供する。
【0024】
そして、制御手段(制御装置10)は、標識等認識手段(車外用カメラ20)によりもたらされた車両が進むことが許された方向と、進行方向認識手段(進行方向認識装置22)によりもたらされた車両が実際に進行している方向とを比較している。そして、2つの方向が逆になっており、制御手段(制御装置10)が逆走していると判断した場合に、制御手段(制御装置10)は、警告手段(警告装置30)に、運転者に逆走していることを警告させるようにする。
【0025】
このような構成の逆走警告装置1によれば、より限られた情報の中で、確実に逆走を検知して警告を行うことができる。
【0026】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明によれば、より限られた情報の中で、確実に逆走を検知して警告を行うことができる逆走警告装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0028】
1・・・・逆走警告装置
10・・・制御装置
12・・・制御部
14・・・記憶部
20・・・車外用カメラ
22・・・進行方向認識装置
30・・・警告装置
図1