【解決手段】縦方向に延在する端子ユニット30が前記縦方向と直交する横方向に複数並んだ端子ユニットアセンブリ20と、該端子ユニットアセンブリ20を収容するアセンブリ収容凹部12を含む枠部材11とを備え、前記端子ユニット30は、前記縦方向に延在する端子保持部と、該端子保持部に保持される本体部、前記端子ユニット30の上面よりも上方又は下面よりも下方に突出する接触部64及び前記本体部と接触部64とを連結する接触腕部を含む複数の端子61と、前記縦方向に延在するハウジング壁とを含み、前記端子保持部は、前記横方向に突出する複数の突起を含み、該突起の少なくとも1つは、隣接する端子ユニット30のハウジング壁に当接する。
(a)縦方向に延在する端子ユニットが前記縦方向と直交する横方向に複数並んだ端子ユニットアセンブリと、該端子ユニットアセンブリを収容するアセンブリ収容凹部を含む枠部材とを備え、
(b)前記端子ユニットは、前記縦方向に延在する端子保持部と、該端子保持部に保持される本体部、前記端子ユニットの上面よりも上方又は下面よりも下方に突出する接触部及び前記本体部と接触部とを連結する接触腕部を含む複数の端子と、前記縦方向に延在するハウジング壁とを含み、
(c)前記端子保持部は、前記横方向に突出する複数の突起を含み、該突起の少なくとも1つは、隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接することを特徴とするソケット。
前記突起は、先端面が、接着剤を介して前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接する接着突起と、先端面が、前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接することによって変形する接触突起とを含む請求項1に記載のソケット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のソケットにおいては、多数枚の板部材821を厚さ方向に重合せるようになっているので、各板部材821の厚さ方向の寸法公差が小さくても、重合せ方向に関する全体の寸法公差が大きくなってしまうので、各コンタクトピン861の位置精度が低下してしまう。また、板部材821の長手方向両端が枠部材811によって固定されているので、板部材821及び枠部材811の熱膨張率が異なる場合、ソケットの周辺環境の温度変化が大きいときには、各部材に熱ストレスが生じてしまう。
【0008】
ここでは、前記従来の問題点を解決して、各部材の寸法公差が蓄積されて大きくなることがなく、構造が簡素で、コストが低く、耐久性の高いソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、ソケットにおいては、縦方向に延在する端子ユニットが前記縦方向と直交する横方向に複数並んだ端子ユニットアセンブリと、該端子ユニットアセンブリを収容するアセンブリ収容凹部を含む枠部材とを備え、前記端子ユニットは、前記縦方向に延在する端子保持部と、該端子保持部に保持される本体部、前記端子ユニットの上面よりも上方又は下面よりも下方に突出する接触部及び前記本体部と接触部とを連結する接触腕部を含む複数の端子と、前記縦方向に延在するハウジング壁とを含み、前記端子保持部は、前記横方向に突出する複数の突起を含み、該突起の少なくとも1つは、隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接する。
【0010】
他のソケットにおいては、さらに、前記少なくとも1つの突起は、接着剤を介して前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接する。
【0011】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記少なくとも1つの突起は、前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接することによって変形する。
【0012】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記突起は、先端面が、接着剤を介して前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接する接着突起と、先端面が、前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接することによって変形する接触突起とを含む。
【0013】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記接触突起の前記横方向への突出量は前記接着突起の前記横方向への突出量より大きい。
【0014】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記接触突起と接着突起との間には空間が存在する。
【0015】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記接触突起と接着突起とは、前記縦方向に交互に並んで配設されている。
【0016】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記接触突起の前記縦方向に関する位置は、隣接する端子ユニットの接触突起の前記縦方向に関する位置と異なる。
【0017】
更に他のソケットにおいては、さらに、前記端子ユニットアセンブリの接触突起は、平面視において、千鳥配置されている。
【0018】
ソケットを製造する方法においては、前記端子ユニットアセンブリは、前記横方向に並べて配列された複数の端子ユニットを前記横方向に圧縮し、前記接触突起の先端面を前記隣接する端子ユニットのハウジング壁に当接させて変形させることによって組立てられる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ソケットは、各部材の寸法公差が蓄積されて大きくなることがない。したがって、ソケットの構造を簡素化し、コストを低減し、耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本実施の形態におけるソケットの斜視図、
図2は本実施の形態におけるソケットの上面図、
図3は本実施の形態におけるソケットの側面図である。
【0023】
図において、1は本実施の形態におけるソケットであり、複数の端子61を含む端子ユニット30が複数集合した端子ユニットアセンブリ20と、該端子ユニットアセンブリ20を保持するフレームとしての枠部材11とを有する。なお、前記端子ユニットアセンブリ20が含む端子ユニット30の数、及び、各端子ユニット30が含む端子61の数は、適宜変更することができる。
【0024】
前記枠部材11は、平面視における形状、すなわち、X−Y平面における形状が概略矩形のアセンブリ収容凹部12の周囲を画定するX−Y平面における外側形状が概略矩形の平板状の部材であり、鋼等の金属材料によって一体的に形成された部材である。そして、端子ユニットアセンブリ20がアセンブリ収容凹部12内に収容された状態で、ソケット1は、X−Y平面における形状が概略矩形の厚板状の外形を有し、上面(Z軸正方向面)及び下面(Z軸負方向面)は、互いに平行な平坦面となっている。
【0025】
なお、前記枠部材11は、X軸方向に延在する一対の縦枠部11xと、Y軸方向に延在する一対の横枠部11yとを含み、該横枠部11yにおけるアセンブリ収容凹部12に面した縁部11cには、端子ユニット30のX軸方向両端に形成された係合部25が係合される。具体的には、前記縁部11cは図示されない櫛歯状の部分を含み、該櫛歯状の部分に前記係合部25の下面に形成された後述される係合凹部26が係合される。そして、端子ユニット30のX軸負方向端の係合部25はX軸負方向側に位置する横枠部11yの縁部11cに接着されるが、端子ユニット30のX軸正方向端の係合部25は、X軸正方向側に位置する横枠部11yの縁部11cに接着されておらず、かつ、該縁部11cと前記係合凹部26との間には隙間が存在するので、前記係合部25は前記縁部11cに対してX軸方向に変位可能となっている。ここで、X軸正方向側に位置する横枠部11yの上面側には、押板収容凹部11bが形成され、該押板収容凹部11b内に押板11aが収容されている。該押板11aのX軸負方向端近傍は、横枠部11yの縁部11cに係合された係合部25の上面(Z軸正方向面)に当接又は近接し、前記係合部25が上方向に変位して、縁部11cから外れることを防止する。
【0026】
また、ソケット1の初期状態、すなわち、ソケット1が図示されない接続対象装置の接続に使用されておらず、端子61等に外力が付与されていない状態において、ソケット1の上面及び下面からは、各端子61の接触部64が突出している。そして、ソケット1は、その下面がソケット1の下方(Z軸負方向)に配設された一方の接続対象装置の上面に押付けられ、その上面がソケット1の上方(Z軸正方向)に配設された他方の接続対象装置の下面に押付けられ、接触部64が一方の接続対象装置の上面に配設された図示されない相手方端子及び他方の接続対象装置の下面に配設された図示されない相手方端子と接触する。
【0027】
さらに、前記枠部材11には、前記接続対象装置との位置決めのための円柱状の図示されないガイド部材を挿入するガイド孔13が形成されている。該ガイド孔13の数及び配置は、前記ガイド部材の数及び配置に対応するように適宜決定される。図に示される例においては、前記ガイド部材が枠部材11の四隅に加えて、アセンブリ収容凹部12の中心を通過するように配置されている場合に対応するように、枠部材11の四隅にガイド孔13が形成されるとともに、アセンブリ収容凹部12の中心にガイド孔13が形成されたガイド用枠部材14が配設されている。そして、前記アセンブリ収容凹部12内においてガイド用枠部材14に対応する位置に収容された端子ユニット30は、X軸方向の寸法が他の端子ユニット30よりも短く形成され、ガイド用枠部材14側の係合部25がガイド用枠部材14に係合する。
【0028】
なお、ガイド用枠部材14は、接続対象装置の端子の配列ならびに接続対象装置に接続され、接続対象装置の形状に合わせて設定されるソケット1の形状等によって、アセンブリ収容凹部12の中心以外に配置されてもよい。また、複数個配置されてもよい。
【0029】
前記接続対象装置は、例えば、一方がIC、LSI等の半導体装置であって、他方が半導体検査装置の検査用回路基板であるが、少なくとも一面に接触部64と接触して導通可能な平坦な端子を備えるものであれば、いかなる種類の電気装置又は電子装置であってもよいし、その回路基板であってもよく、例えば、コンピュータ、テレビ、ゲーム機、カメラ、ナビゲーション装置等の電子装置におけるマザーボード、ドーターボード等の配線回路基板であってもよい。
【0030】
なお、本実施の形態において、ソケット1及びその他の部材に含まれる各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、ソケット1及びその他の部材に含まれる各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、ソケット1及びその他の部材に含まれる各部の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0031】
次に、前記端子ユニットアセンブリ20の構成について詳細に説明する。
【0032】
図4は本実施の形態における小型の端子ユニットアセンブリの斜視図、
図5は本実施の形態における小型の端子ユニットアセンブリの上面図、
図6は本実施の形態における第1端子ユニットの側壁側を示す斜視図、
図7は本実施の形態における第1端子ユニットの端子側を示す斜視図、
図8は本実施の形態における第2端子ユニットの側壁側を示す斜視図、
図9は本実施の形態における第2端子ユニットの端子側を示す斜視図、
図10は本実施の形態における第1端子ユニットの要部拡大斜視図であって
図7におけるA部拡大図、
図11は本実施の形態における第1端子ユニットの要部拡大側面図であって
図7におけるA部拡大側面図、
図12は本実施の形態における第1端子ユニットの要部拡大上面図であって
図7におけるA部拡大上面図である。
【0033】
本実施の形態において、縦方向(X軸方向)に延在する端子ユニット30は、第1端子ユニット30Aと第2端子ユニット30Bとを有し、端子ユニットアセンブリ20においては、第1端子ユニット30Aと第2端子ユニット30Bとが交互に横方向(Y軸方向)に並んでいる。
図4及び5には、小型の端子ユニットアセンブリ20が示されている。このような小型の端子ユニットアセンブリ20を複数個アセンブリ収容凹部12内に収容して組合せることによって、
図1〜3に示されるような大型の端子ユニットアセンブリ20を得ることができる。
【0034】
なお、第1端子ユニット30Aと第2端子ユニット30Bとを統合的に説明する場合、及び、第1端子ユニット30Aの各部と第2端子ユニット30Bの各部とを統合的に説明する場合には、語「第1」及び「第2」、並びに、符号「A」及び「B」を除去して説明するものとする。
【0035】
図6及び7に示されるように、第1端子ユニット30Aは、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された縦方向に延在する第1端子保持部21Aと、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された縦方向に延在するハウジング壁としての第1側壁部31Aと、導電性のばね性を有する金属板から成り、前記第1端子保持部21Aによって保持される複数の第1端子61Aとを有する。前記第1端子保持部21Aと第1側壁部31Aとは、Y軸方向に互いに隣接するように配設されている。
【0036】
前記第1端子保持部21Aは、縦方向に延在する細長い第1梁部22Aと、該第1梁部22Aの長手方向両端に接続された第1係合部25Aとを含んでいる。該第1係合部25Aは、横枠部11yの縁部11cに係合される部分であり、さらに、その下面(Z軸負方向面)には、第1係合凹部26Aが形成されている。なお、前記第1係合部25Aの端部の横方向(Y軸方向)の寸法、すなわち、厚さは、第1梁部22Aの厚さと第1側壁部31Aの厚さとの合計とほぼ等しくなるように設定されることが望ましい。また、前記第1梁部22Aには、上下方向(Z軸方向)に延在する細長いスリット状の第1端子保持溝部23Aが、例えば、約0.8〔mm〕のピッチで、複数形成されている。
【0037】
前記第1側壁部31Aは、X−Z平面に延在する概略矩形の板部材であり、主として第1梁部22Aより上方に位置する部分である第1上壁部32Aと、主として第1梁部22Aより下方に位置する部分である第1下壁部33Aとを含んでいる。
【0038】
前記第1端子61Aは、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施して形成された全体として細長い帯状の形状を有する板部材であり、前記第1端子保持溝部23Aに保持される上下方向に延在する第1本体部62Aと、該第1本体部62Aの両端に接続された一対の第1接触腕部63Aと、各第1接触腕部63Aの先端に形成された湾曲した第1接触部64Aとを含んでいる。各第1接触腕部63Aは、第1本体部62Aから斜め前方に向いて延出し、その自由端に前記第1接触部64Aが形成されている。前記第1端子61AのX−Z平面における形状は、第1側壁部31Aの上下方向の中心の前後方向(X軸方向)に延在する対称軸を中心として、上下対称となっている。
【0039】
複数の第1端子61Aは、前後方向に並ぶように配列され、隣接する第1端子61Aの第1本体部62A同士、及び、第1接触腕部63Aは、互いに間隔を空けて、平行になっている。また、初期状態においては、各第1接触部64Aと第1接触腕部63Aの一部とは、第1端子ユニット30Aの上面である第1上壁部32Aの上面、及び、第1端子ユニット30Aの下面である第1下壁部33Aの下面よりも、上方及び下方に突出している。
【0040】
さらに、第1梁部22Aには、端子ユニットアセンブリ20の横方向(Y軸方向)に向って突出する突起であって隣接する第2端子ユニット30Bとの間隔を保持する間隔保持突起として機能する第1接着突起27A及び第1接触突起28Aが複数形成されている。前記第1接着突起27Aと第1接触突起28Aとは、間に空間が存在するように前後方向に交互に並んで、かつ、隣接する第1端子保持溝部23A同士の間に位置するように配設されている。そして、
図12に示されるように、前記第1接着突起27A及び第1接触突起28Aは、その先端面である側面が隣接する端子ユニット30の側壁部31、すなわち、第2端子ユニット30Bの第2側壁部31Bに向って(Y軸負方向に向って)、第1端子61Aよりも、第1梁部22Aの他の部分よりも、かつ、第1係合部25Aよりも、突出するように形成されている。
【0041】
なお、前記第1接着突起27Aの側面、すなわち、先端面は、図示されない接着剤を介して隣接する第2端子ユニット30Bの第2側壁部31Bの側面に接着される面であり、X−Z平面と平行な平面となるように形成されている。なお、第1接着突起27Aの先端面に余剰となった接着剤を収容する切込み29が形成されている。
【0042】
一方、第1接触突起28Aの側面、すなわち、先端面は、隣接する第2端子ユニット30Bの第2側壁部31Bの側面に押圧されて変形する面であり、凸曲面(望ましくは、球面)であって、第1接着突起27Aの側面よりもY軸負方向に向って突出するように形成されている。例えば、
図12に示される例において、第1側壁部31AのY軸正方向側の側面から第1接着突起27Aの先端面までの寸法を約0.8〔mm〕とし、第1側壁部31AのY軸正方向側の側面から第1接触突起28Aの先端面までの寸法を約0.82〔mm〕とすることができる。
【0043】
図8及び9に示されるように、第2端子ユニット30Bは、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された縦方向に延在する第2端子保持部21Bと、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された縦方向に延在するハウジング壁としての第2側壁部31Bと、導電性のばね性を有する金属板から成り、前記第2端子保持部21Bによって保持される複数の第2端子61Bとを有する。前記第2端子保持部21Bと第2側壁部31Bとは、Y軸方向に互いに隣接するように配設されている。
【0044】
前記第2端子保持部21Bは、縦方向に延在する細長い第2梁部22Bと、該第2梁部22Bの長手方向両端に接続された第2係合部25Bとを含んでいる。該第2係合部25Bは、横枠部11yの縁部11cに係合される部分であり、さらに、その下面(Z軸負方向面)には、第2係合凹部26Bが形成されている。なお、前記第2係合部25Bの端部の横方向(Y軸方向)の寸法、すなわち、厚さは、第2梁部22Bの厚さと第2側壁部31Bの厚さとの合計とほぼ等しくなるように設定されることが望ましい。また、前記第2梁部22Bには、上下方向(Z軸方向)に延在する細長いスリット状の第2端子保持溝部23Bが、例えば、約0.8〔mm〕のピッチで、複数形成されている。
【0045】
前記第2側壁部31Bは、X−Z平面に延在する概略矩形の板部材であり、主として第2梁部22Bより上方に位置する部分である第2上壁部32Bと、主として第2梁部22Bより下方に位置する部分である第2下壁部33Bとを含んでいる。
【0046】
前記第2端子61Bは、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施して形成された全体として細長い帯状の形状を有する板部材であり、前記第2端子保持溝部23Bに保持される上下方向に延在する第2本体部62Bと、該第2本体部62Bの両端に接続された一対の第2接触腕部63Bと、各第2接触腕部63Bの先端に形成された湾曲した第2接触部64Bとを含んでいる。各第2接触腕部63Bは、第2本体部62Bから斜め後方に向いて延出し、その自由端に前記第2接触部64Bが形成されている。前記第2端子61BのX−Z平面における形状は、概略W字状であって、第2側壁部31Bの上下方向の中心を前後に延在する対称軸を中心として、上下対称となっている。
【0047】
複数の第2端子61Bは、前後方向に並ぶように配列され、隣接する第2端子61Bの第2本体部62B同士、及び、第2接触部64B同士は、互いに間隔を空けて、平行になっている。また、初期状態においては、各第2接触部64Bと第2接触腕部63Bの一部とは、第2端子ユニット30Bの上面である第2上壁部32Bの上面、及び、第2端子ユニット30Bの下面である第2下壁部33Bの下面よりも、上方及び下方に突出している。
【0048】
さらに、第2梁部22Bには、端子ユニットアセンブリ20の横方向(Y軸方向)に向って突出する突起であって隣接する第1端子ユニット30Aとの間隔を保持する間隔保持突起として機能する第2接着突起27B及び第2接触突起28Bが複数形成されている。前記第2接着突起27Bと第2接触突起28Bとは、間に空間が存在するように前後方向に交互に並んで、かつ、隣接する第2端子保持溝部23B同士の間に位置するように配設されている。なお、前記第2接着突起27B及び第2接触突起28Bの構成は、前記第1接着突起27A及び第1接触突起28Aと実質的に同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0049】
図4及び5に示されるような小型の端子ユニットアセンブリ20が構成される場合、第1端子ユニット30Aと第2端子ユニット30Bとは、交互に横方向(Y軸方向)に並べて配列される。なお、各端子ユニット30の梁部22に形成された接着突起27の先端面とそれに隣接する端子ユニット30の側壁部31の側面との間に接着剤が付与される。そして、端子ユニット30は、交互に横方向に並べて配列された状態で横方向に圧縮される。すると、各端子ユニット30の梁部22に形成された接触突起28は、隣接する端子ユニット30の側壁部31に向って最も突出しているので、最初に、該側壁部31の側面に当接し、横方向に押圧されて圧縮変形し、その突出量が減少する。そして、接触突起28の突出量が減少すると、接着突起27の先端面が前記側壁部31の側面に当接し、接着剤によって該側壁部31の側面に接着される。なお、余剰となった接着剤は、接着突起27の先端面に形成された切込み29内に収容される。
【0050】
これにより、隣接する端子ユニット30同士の間に横方向の隙間が存在しない状態となり、端子ユニットアセンブリ20の横方向の寸法が所定の値となる。しかも、接着突起27の先端面が側壁部31の側面に接着されることによって、隣接する端子ユニット30同士が横方向の隙間が存在しない状態で結合され、端子ユニットアセンブリ20の横方向の寸法は、所定の値に維持される。また、横方向に並べられた端子ユニット30のピッチに対して突出するように形成された接触突起28が押圧されて圧縮変形されることによって、端子ユニットアセンブリ20における端子ユニット30のピッチを所定の値にすることができ、端子ユニットアセンブリ20の横方向の寸法精度が向上する。そして、このように構成された小型の端子ユニットアセンブリ20は、所定数だけ、枠部材11のアセンブリ収容凹部12内に収容されて組合される。
【0051】
このように、本実施の形態において、ソケット1は、縦方向に延在する端子ユニット30が縦方向と直交する横方向に複数並んだ端子ユニットアセンブリ20と、端子ユニットアセンブリ20を収容するアセンブリ収容凹部12を含む枠部材11とを備え、端子ユニット30は、縦方向に延在する端子保持部21と、端子保持部21に保持される本体部62、端子ユニット30の上面よりも上方又は下面よりも下方に突出する接触部64及び本体部62と接触部64とを連結する接触腕部63を含む複数の端子61と、縦方向に延在する側壁部31とを含み、端子保持部21は、横方向に突出する複数の接着突起27及び接触突起28を含み、接着突起27及び接触突起28の少なくとも1つは、隣接する端子ユニット30の側壁部31に当接する。
【0052】
これにより、各部材の寸法公差が蓄積されて大きくなることがなく、端子ユニットアセンブリ20の横方向の寸法精度が向上するとともに、ソケット1の構造を簡素化することができ、コストを低減することができ、耐久性を向上させることができる。
【0053】
また、接着突起27は、接着剤を介して隣接する端子ユニット30の側壁部31に当接する。さらに、先端面が、接着剤を介して隣接する端子ユニット30の側壁部31に当接する接着突起27と、先端面が、隣接する端子ユニット30の側壁部31に当接することによって変形する接触突起28とを含んでいる。さらに、接触突起28の横方向への突出量は接着突起27の横方向への突出量より大きい。さらに、接触突起28と接着突起27との間には空間が存在する。さらに、接触突起28と接着突起27とは、縦方向に交互に並んで配設されている。さらに、接触突起28の縦方向に関する位置は、隣接する端子ユニット30の接触突起28の縦方向に関する位置と異なっている。さらに、端子ユニットアセンブリ20の接触突起28は、平面視において、千鳥配置されている。さらに、ソケット1を製造する方法において、端子ユニットアセンブリ20は、横方向に並べて配列された複数の端子ユニット30を横方向に圧縮し、接触突起28の先端面を隣接する端子ユニット30の側壁部31に当接させて変形させることによって組立てられる。
【0054】
このように、通常であれば、公差を考慮して、端子ユニット30の横方向の寸法を、横方向に並べられた端子ユニット30の所定のピッチよりも小さめにするのに対し、本実施の形態においては、接触突起28の突出量だけ大きくし、複数の端子ユニット30を横方向に並べて端子ユニットアセンブリ20を構成する際に、接触突起28の余分な突出量を圧縮して減少させるようになっているので、横方向の寸法精度が向上する。
【0055】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。