(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207855(P2019-207855A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/04 20060101AFI20191108BHJP
H01H 13/06 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
H01H9/04 C
H01H13/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-196624(P2018-196624)
(22)【出願日】2018年10月18日
(31)【優先権主張番号】特願2018-101867(P2018-101867)
(32)【優先日】2018年5月28日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】首藤 祐介
【テーマコード(参考)】
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5G052AA05
5G052AA06
5G052BB01
5G052HA24
5G206AS09H
5G206AS09K
5G206AS38H
5G206AS38N
5G206GS27
5G206HS17
5G206HW43
5G206HW55
5G206KS03
5G206KS57
5G206NS02
5G206NS04
5G206NS05
(57)【要約】
【課題】本発明は、車両の水洗いによる回路基板への浸水を確実に防止できるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るスイッチ装置4は、車両用計器1に設けられるものであって、ポール部51を有する操作部材5と、操作部材5の操作によって押圧されるスイッチ61を搭載した回路基板6と、回路基板6が収容されるケース7と、ケース7の正面側に設けられ、ポール部51が貫通する貫通孔811を有し、少なくとも一部が透視可能な保護カバー8とを備え、ケース7には、不透水な凹状の受け部722が設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用計器に設けられるスイッチ装置であって、
ポール部を有する操作部材と、
前記操作部材の操作によって押圧されるスイッチを搭載した回路基板と、
前記回路基板が収容されるケースと、
前記ケースの正面側に設けられ、前記ポール部が貫通する貫通孔を有し、少なくとも一部が透視可能な保護カバーとを備え、
前記ケースには、不透水な凹状の受け部が設けられる
ことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記受け部は、前記ポール部の外周側の一部を取り囲むように形成されるとともに、その前記ポール部に対向する縁部に立壁が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記ポール部には、外周側に突出するフランジが設けられ、
前記フランジは、前記貫通孔よりも前記ケース側に配置され、
前記受け部は、前記ポール部の延在方向に沿って、前記フランジと前記回路基板との間に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記受け部は、少なくとも一部が前記ポール部の延在方向と直交する径方向に沿って、前記フランジと重なり合う
ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記スイッチ装置は、水平面に対し傾斜して設けられるものであり、
前記受け部は、前記ポール部よりも下方側である
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ケースは、表示パネルを収容する表示パネル収容部を有し、
前記受け部の一部は、前記表示パネル収容部を構成する壁部の一部として兼用される
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記操作部材は、前記ポール部の延在方向に沿って移動可能に前記回路基板に支持される
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に例えば、トラックや建機など、運転席を水洗い可能な車両に設けられる車両用計器におけるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品点数を増やすことなく、ノブ周辺からメータ内に水分などが侵入しても、回路基板に悪影響を及ぼすおそれの少ないスイッチ装置を提供するために、少なくとも一部が透視可能な保護カバーと、保護カバーを貫通して設けられる操作軸と、操作軸が収納保持され、保護カバーの背面側に配設されるケースと、ケースの背面側に設けられ、操作軸と相対して設けられるタクトスイッチを搭載した回路基板とを備えたものであって、操作軸には保護カバーとケースとの間にフランジ部とこのフランジ部の周壁をなすとともに少なくとも一部に開口部を有する立壁部とでなり外部から浸入した水分を受ける受部を設け、ケースの開口部に対応した位置に、受部を介して流入した水分をケース外に排水するための排水路を設けたスイッチ装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−040301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような特許文献1に記載のスイッチ装置では、水分をケース外に排出するための排水路は、ケース内と連通しているため、やはり、この排水路を介して回路基板へ浸水してしまい、これによって、回路基板に悪影響を及ぼすおそれがあるという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、車両の水洗いによる回路基板への浸水を確実に防止できるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記のような課題を解決するため、本発明に係るスイッチ装置は、車両用計器に設けられるものであって、ポール部を有する操作部材と、前記操作部材の操作によって押圧されるスイッチを搭載した回路基板と、前記回路基板が収容されるケースと、前記ケースの正面側に設けられ、前記ポール部が貫通する貫通孔を有し、少なくとも一部が透視可能な保護カバーとを備え、前記ケースには、不透水な凹状の受け部が設けられることを特徴とする。
【0007】
(2)上記構成(1)において、前記受け部は、前記ポール部の外周側の一部を取り囲むように形成されるとともに、その前記ポール部に対向する縁部に立壁が設けられることが好ましい。
【0008】
(3)上記構成(1)又は(2)において、前記ポール部には、外周側に突出するフランジが設けられ、前記フランジは、前記貫通孔よりも前記ケース側に配置され、前記受け部は、前記ポール部の延在方向に沿って、前記フランジと前記回路基板との間に配置されることが好ましい。
【0009】
(4)上記構成(3)において、前記受け部は、少なくとも一部が前記ポール部の延在方向と直交する径方向に沿って、前記フランジと重なり合うことが好ましい。
【0010】
(5)上記構成(1)から(4)までのいずれか1つにおいて、前記スイッチ装置は、水平面に対し傾斜して設けられるものであり、前記受け部は、前記ポール部よりも下方側であることが好ましい。
【0011】
(6)上記構成(1)から(5)までのいずれか1つにおいて、前記ケースは、表示パネルを収容する表示パネル収容部を有し、前記受け部の一部は、前記表示パネル収容部を構成する壁部の一部として兼用されることが好ましい。
【0012】
(7)上記構成(1)から(6)までのいずれか1つにおいて、前記操作部材は、前記ポール部の延在方向に沿って移動可能に前記回路基板に支持されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両の水洗いによる回路基板への浸水を確実に防止できるスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る車両用計器の正面図である。
【
図3】操作部材の説明図、(a)操作部材の斜視図であり、(b)操作部材の側面斜視図である。
【
図4】保護カバーが取り外された状態の車両用計器におけるスイッチ装置の説明図、(a)その状態の車両用計器におけるスイッチ装置の斜視図、(b)その状態の車両用計器におけるスイッチ装置の正面図である。
【
図5】保護カバー及び操作部材が取り外された状態の車両用計器におけるスイッチ装置の説明図、(a)その状態の車両用計器におけるスイッチ装置の斜視図、(b)その状態の車両用計器におけるスイッチ装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。また、実施形態の説明の全体を通して同じ要素に同じ符号を付する。
【0016】
(車両用計器の構造)
まず、
図1を参照しながら本実施形態に係る車両用計器1の構成を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用計器1の正面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用計器1は、例えば、トラックや建機など、運転席を水洗い可能な車両に水平面に対し例えば、30°傾斜して設けられるものであり、車両の第1パラメータ(例えば、走行中の速度など)などを表示させるためのメイン表示部2と、例えば、車両の第2パラメータ(例えば、エンジンの回転数など)及び第3パラメータ(例えば、燃料の残量など)を切り替えて表示させるためのサブ表示部3と、サブ表示部3の表示内容を切り替えるためのスイッチ装置4とを備えている。
【0018】
メイン表示部2は、正面視で車両用計器1の略中央位置に配置されるものであり、略半円状に沿って所定の間隔を空けるように複数の目盛りが設けられる略半円状の文字板21と、一端が略半円状の円心に軸支され、他端が車両の走行速度に応じた目盛りを指すように回転される指針22と、指針22を回転駆動させるための駆動手段(図示しない)とを備えている。
【0019】
サブ表示部3は、正面視でメイン表示部2よりも下方側に設けられ、液晶表示パネルからなる表示パネルであるが、これに限定されるものではなく、例えば、有機EL表示パネルからなる表示パネルであってもよい。また、サブ表示部3は、スイッチ装置4の操作によって、その表示内容を回転数又は燃料の残量に切り替えることが可能である。なお、スイッチ装置4の詳細については後述する。
【0020】
(スイッチ装置の構造)
つぎに、
図2から
図5を参照しながら本実施形態に係るスイッチ装置4を詳細に説明する。
図2は、
図1におけるI−I線に沿う断面図である。
図3は、操作部材5の斜視図、(a)操作部材5の斜視図であり、(b)操作部材5の側面斜視図である。
図4は、保護カバー8が取り外された状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の説明図、(a)その状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の斜視図、(b)その状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の正面図である。
図5は、保護カバー8及び操作部材5が取り外された状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の説明図、(a)その状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の斜視図、(b)その状態の車両用計器1におけるスイッチ装置4の正面図である。
【0021】
図2から
図5に示すように、本実施形態に係るスイッチ装置4は、操作部材5、回路基板6、ケース7及び保護カバー8を備えており、ケース7には、水を収容する(すなわち、不透水な)凹状の受け部722が設けられている。
【0022】
図2及び
図3に示すように、操作部材5は、長手方向に沿って延在するとともにその一端部511がユーザ(例えば、運転手など)によって操作(押圧)される円柱状のポール部51と、ポール部51の他端部512に外周側に突出するように設けられるリブ52と、リブ52からポール部51の径方向に沿って延設される延設部53と、延設部53の回路基板6に対向する側に設けられる押圧部54と、延設部53の先端部に回路基板6側に延在するように設けられる転倒防止部55と、リブ52の回路基板6に対向する側に長手方向に沿って延在する一対の係合部56と、ポール部51の他端部512寄りの位置に外周側に突出するように設けられるフランジ57とを有している。
【0023】
一対の係合部56は、両者の間に所定の隙間が形成されるように設けられており、その先端に、回路基板6の後述する第1透孔62と係合する一対の係合爪561を有している。そして、一対の係合爪561は、外力が加わらないと、第1透孔62を貫通できないが、外力が加わると、その間の隙間が縮まり、第1透孔62を貫通できるようになる。
【0024】
図2及び
図5に示すように、回路基板6は、硬質なものであり、その操作部材5に対向する側に搭載され操作部材5の操作によって押圧されることでサブ表示部3の表示内容を切り替えさせるスイッチ61(タクトスイッチ)と、スイッチ61の一方側(下方側)に形成される第1透孔62と、スイッチ61の他方側(上方側)に形成される第2透孔63とを有している。スイッチ61、第1透孔62及び第2透孔63は、略同一直線上に形成されている。
【0025】
図2から
図5に示すように、ケース7は、車両用計器1のケースとして、回路基板6を収容するための基板収容部71と、操作部材5を収容するための操作部材収容部72と、サブ表示部3(表示パネル)を収容するための表示パネル収容部73とを有している。操作部材収容部72及び表示パネル収容部73は、基板収容部71よりも正面側に配置されるとともに、操作部材収容部72及び表示パネル収容部73は、表示パネル収容部73を構成する壁部731の一部によって、隔てられている。
【0026】
操作部材収容部72は、正面視で操作部材5(操作部材収容部72の開放領域)を取り囲む周壁721と、周壁721の一部(下方側)に設けられる受け部722とを有している。受け部722は、ポール部51の外周側の一部(下方側の一部)のみを取り囲むように形成されるものであり、その縁部に正面視で略円弧状をなす立壁722aと、立壁722aと連結され正面視で略U字型状をなす周壁721とが立設されている。立壁722aは、受け部722のポール部51に対向する縁部に立設されているのに対し、略U字型状の周壁721の一部721aは、表示パネル収容部73を構成する壁部731の一部731aとして兼用されている。
【0027】
また、受け部722は、長手方向に沿って、フランジ57と回路基板6との間に配置されるとともに、その少なくとも一部が長手方向と直交する径方向に沿って、フランジ57と重なり合うように設けられている。さらに、受け部722は、正面視でスイッチ61及び第2透孔63と干渉せず、ポール部51(第1透孔62)よりも下方側であるように設けられている。
【0028】
回路基板6は、ねじ締めなどによって、取り外し可能にケース7の基板収容部71に取り付けられている。回路基板6が基板収容部71に取り付けられた状態において、回路基板6のスイッチ61、第1透孔62及び第2透孔63を含む領域は、正面視で操作部材収容部72の開放領域と重なり合うようになっている(
図5参照)。
【0029】
操作部材5は、操作部材収容部72に収容されるようにポール部51の延在方向に沿って移動可能に回路基板6に支持されている。具体的には、操作部材5は、一対の係合部56が第1透孔62を貫通して一対の係合爪561が第1透孔62と係合されるとともに、一対の係合部56によって挿通されるコイルばね9がリブ52と回路基板6との間に圧縮されて挟持されるように回路基板6に支持されている。このとき、転倒防止部55は、その先端が第2透孔63に差し込むようになっているため、ポール部51が傾こうとすると、転倒防止部55の先端が第2透孔63の縁に当接することで、ポール部51の転倒を防止することができる。
【0030】
また、押圧部54は、スイッチ61に対向するように設けられており、ポール部51は、その一端部511が操作(押圧)されていない状態において、コイルばね9の付勢力によって、押圧部54がスイッチ61から離間するとともに、その一端部511が操作(押圧)された状態において、コイルばね9が圧縮されることによって、押圧部54がスイッチ61を押圧し、サブ表示部3の表示内容が切り替えられる。
【0031】
図2に示すように、保護カバー8は、ケース7の正面側に設けられるものであり、透明な合成樹脂からなりポール部51が貫通する貫通孔811を有する透明カバー81と、透明カバー81の背面側に取り付けられ光の反射を防止するための見返し板82とを有している。ポール部51と貫通孔811との間には、僅かな間隙が形成されている。見返し板82には、ポール部51が貫通可能な貫通孔821が設けられている。そして、フランジ57は、長手方向に沿って、見返し板82と回路基板6との間に配置されている。
【0032】
(実施形態の効果)
このように構成される本実施形態に係るスイッチ装置4は、車両用計器1に設けられるものであって、ポール部51を有する操作部材5と、操作部材5の操作によって押圧されるスイッチ61を搭載した回路基板6と、回路基板6が収容されるケース7と、ケース7の正面側に設けられ、ポール部51が貫通する貫通孔811を有し、少なくとも一部が透視可能な保護カバー8とを備え、ケース7には、不透水な凹状の受け部722が設けられるものである。これにより、車両の水洗いによって、ポール部51と貫通孔811との間に形成される間隙から水が侵入した場合であっても、ケース7に設けられる凹状の受け部722が、侵入した水を収容することで、回路基板6への浸水を確実に防止することができる。また、受け部722に収容される水は、排水路を介してケース7外へ排出することなく、そのまま蒸発されるので、排水による回路基板6への浸水を無くすことができる。
【0033】
また、本実施形態に係るスイッチ装置4において、受け部722は、ポール部51の外周側の一部を取り囲むように形成されるとともに、そのポール部51に対向する縁部に立壁722aが設けられるものである。これにより、受け部722によって操作部材5の取り付けが邪魔されることを低減するとともに、回路基板6への浸水をより確実に防止することができる。
【0034】
さらに、本実施形態に係るスイッチ装置4において、ポール部51には、外周側に突出するフランジ57が設けられ、フランジ57は、貫通孔811よりもケース7側に配置され、受け部722は、ポール部51の延在方向に沿って、フランジ57と回路基板6との間に配置されるものである。これにより、ポール部51と貫通孔811との間に形成される間隙から侵入した水を、フランジ57を介して受け部722へ案内することができる。
【0035】
なお、本実施形態に係るスイッチ装置4において、受け部722は、少なくとも一部がポール部51の延在方向と直交する径方向に沿って、フランジ57と重なり合うものである。これにより、フランジ57からの水が受け部722に案内されないことを良好に抑えることができる。
【0036】
そして、本実施形態に係るスイッチ装置4において、スイッチ装置4は、水平面に対し傾斜して設けられるものであり、受け部722は、ポール部51よりも下方側であるものである。これにより、受け部722をポール部51よりも下方側に設けるだけで、ポール部51の外周側の全体に受け部722を設けなくても、回路基板6への浸水を確実に防止するとともに、ケース7全体の簡素化を図ることができる。
【0037】
くわえて、本実施形態に係るスイッチ装置4において、ケース7は、サブ表示部3を収容する表示パネル収容部73を有し、受け部722の一部721aは、表示パネル収容部73を構成する壁部731の一部731aとして兼用されるものである。これにより、ケース7全体の簡素化を図るとともに操作部材5をサブ表示部3に近づけて配置することができる。
【0038】
かつ、本実施形態に係るスイッチ装置4において、操作部材5は、ポール部51の延在方向に沿って移動可能に回路基板6に支持されるものである。これにより、ケース7に操作部材5を支持する構造を設けることなく、回路基板6のみにて操作部材5を支持することができる。
【0039】
図6は、他の実施形態による断面図であり、他の実施形態の場合の
図1におけるI−I線に沿う断面図である。
【0040】
他の実施形態による車両用計器1A(スイッチ装置4A)は、上述した実施形態の車両用計器1(スイッチ装置4)に対して、見返し板82(保護カバー8)が見返し板82A(保護カバー8A)で置換された点が異なる。
【0041】
見返し板82Aは、上述した実施形態による見返し板82に対して、壁部822が追加された点が異なる。
【0042】
壁部822は、操作部材収容部72の周壁721の端面に向かって、ポール部51の延在方向に平行に延在する。壁部822は、回路基板6への浸水を防止する上述した機能を高める機能(以下、「防水強化機能」と称する)を有する。具体的には、壁部822は、受け部722側の空間から周壁721の外側に侵入しうる水の経路(
図2の矢印R1参照)に対して障壁となることで、防水強化機能を実現する。かかる受け部722側の空間から周壁721の外側への水の侵入は、車両の振動などを契機に、例えば受け部722に貯水した水が飛び出すなどによって生じうる。
【0043】
壁部822は、好ましくは、防水強化機能を高める観点から、端面が周壁721の端面に近接し、より好ましくは、
図6に示すように、端面が周壁721の端面に当接する。また、壁部822は、好ましくは、防水強化機能を高める観点から、周壁721の全体(一部721aを含む全体)に対して当接するように設けられる。すなわち、壁部822は、好ましくは、周壁721の形状に合わせて正面視で略U字状になる態様で設けられる。この場合、受け部722側の空間の密閉性を高め、防水強化機能を高めることができる。
【0044】
その他、
図6では、
図2に示したメイン表示部2に係る表示板とは異なり、表示板21Aは、ポール部51周りの表示板部分210が省略されている。なお、かかる変更は、サブ表示部3を、より前面側(運転者側)に移動させることに伴って実現されてもよい。なお、壁部822が周壁721の全体(一部721aを含む全体)に対して当接する構成ではない場合は、表示板21Aは、壁部822が形成されない領域において、周壁721の端面に当接してもよい。
【0045】
なお、
図6に示す他の実施形態では、壁部822が見返し板82Aに形成されるが、壁部822の一部又は全部が、周壁721の高さを増加することで実現されてもよい。
【0046】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0047】
1 車両用計器
2 メイン表示部
21 文字板
22 指針
3 サブ表示部(表示パネル)
4 スイッチ装置
5 操作部材
51 ポール部
511 一端部
512 他端部
52 リブ
53 延設部
54 押圧部
55 転倒防止部
56 係合部
561 係合爪
57 フランジ
6 回路基板
61 スイッチ
62 第1透孔
63 第2透孔
7 ケース
71 基板収容部
72 操作部材収容部
721 周壁
721a 一部(周壁)
722 受け部
722a 立壁
73 表示パネル収容部
731 壁部
731a 一部(壁部)
8 保護カバー
81 透明カバー
811 貫通孔
82 見返し板
9 コイルばね