特開2019-207888(P2019-207888A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207888(P2019-207888A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20191108BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20191108BHJP
   H01B 7/40 20060101ALI20191108BHJP
   H01B 17/56 20060101ALI20191108BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   H01B7/00 301
   H01B7/18
   H01B7/00 306
   H01B7/40 307Z
   H01B7/18 D
   H01B7/18 F
   H01B17/56 A
   H02G3/04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-149862(P2019-149862)
(22)【出願日】2019年8月19日
(62)【分割の表示】特願2019-18810(P2019-18810)の分割
【原出願日】2017年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2017-32135(P2017-32135)
(32)【優先日】2017年2月23日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】石田 英敏
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
(72)【発明者】
【氏名】平井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】東小薗 誠
(72)【発明者】
【氏名】丹治 亮
【テーマコード(参考)】
5G309
5G313
5G333
5G357
【Fターム(参考)】
5G309AA10
5G309FA05
5G309GA04
5G313AB01
5G313AB05
5G313AB07
5G313AB09
5G313AC06
5G313AC09
5G313AD02
5G313AD08
5G313AE02
5G313AE03
5G333AA03
5G333AB16
5G333AB22
5G333CB02
5G333CB11
5G333CC04
5G333DA14
5G333DA16
5G333DC02
5G357DA05
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD14
5G357DG06
(57)【要約】
【課題】電線に対して種々の外装部材を取付けるに当たり、共通して採用可能な取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、シート状に形成された機能性外装部材30と、長手方向に沿った少なくとも一部の領域で前記機能性外装部材30に重なるように配設された電線12と、を備える。前記電線12の絶縁被覆16と前記機能性外装部材30とが重なる部分が前記電線12の長手方向に沿って断続的に溶着されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状に形成された機能性外装部材と、
長手方向に沿った少なくとも一部の領域で前記機能性外装部材に重なるように配設された電線と、
を備え、
前記電線の絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分が前記電線の長手方向に沿って断続的に溶着されている、ワイヤーハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
前記電線の絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分の少なくとも一部が超音波溶着されている、ワイヤーハーネス。
【請求項3】
請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材のうち前記電線が配設される面とは反対側の面に、超音波溶着機のホーンが当てられた跡が残る、ワイヤーハーネス。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、防音性を有する防音部材を含む、ワイヤーハーネス。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、前記電線をシールド可能なシールド部材を含む、ワイヤーハーネス。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、耐摩耗性を有し前記電線を摩耗から保護可能な保護部材を含む、ワイヤーハーネス。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、前記電線の熱を放熱可能な放熱部材を含む、ワイヤーハーネス。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤーハーネスであって、
前記放熱部材の表面には、内部よりも高輻射率を有する高輻射率部が形成されている、ワイヤーハーネス。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、前記電線に対する引張力を受けるテンションメンバとして機能する、ワイヤーハーネス。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、前記電線の延在方向に沿う方向の引張強度が、これと直交する方向の引張強度よりも高強度である、ワイヤーハーネス。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記機能性外装部材は、防水性を有する防水部材を含む、ワイヤーハーネス。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記電線の端部に設けられたコネクタが前記機能性外装部材に溶着されている、ワイヤーハーネス。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
前記電線を取付対象に固定するための固定部材が前記機能性外装部材に溶着されている、ワイヤーハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用のワイヤーハーネスにおいて、電線に外装部材を取付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電線にシート状の外装部材を取付けるに当たり、外装部材の各端部と当該端部から延出する電線との周囲にテープ巻を施すことで電線に対して外装部材を位置決めする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−72798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このほか、外装部材を電線に取付ける一般的な技術として接着剤等も考えられる。しかしながら、これらの方法では、テープ又は接着剤等の他の部材が必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、電線に対して外装部材を取付けるに当たり、テープ又は接着剤等の他の部材を省略可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスは、シート状に形成された機能性外装部材と、長手方向に沿った少なくとも一部の領域で前記機能性外装部材に重なるように配設された電線と、を備え、前記電線の絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分が前記電線の長手方向に沿って断続的に溶着されている。
【0007】
第2の態様に係るワイヤーハーネスは、第1の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記電線の絶縁被覆と前記機能性外装部材とが重なる部分の少なくとも一部が超音波溶着されている。
【0008】
第3の態様に係るワイヤーハーネスは、第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材のうち前記電線が配設される面とは反対側の面に、超音波溶着機のホーンが当てられた跡が残る。
【0009】
第4の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、防音性を有する防音部材を含む。
【0010】
第5の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線をシールド可能なシールド部材を含む。
【0011】
第6の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、耐摩耗性を有し前記電線を摩耗から保護可能な保護部材を含む。
【0012】
第7の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第6のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線の熱を放熱可能な放熱部材を含む。
【0013】
第8の態様に係るワイヤーハーネスは、第7の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記放熱部材の表面には、内部よりも高輻射率を有する高輻射率部が形成されている。
【0014】
第9の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第8のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線に対する引張力を受けるテンションメンバとして機能する。
【0015】
第10の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第9のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線の延在方向に沿う方向の引張強度が、これと直交する方向の引張強度よりも高強度である。
【0016】
第11の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第10のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、防水性を有する防水部材を含む。
【0017】
第12の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第11のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記電線の端部に設けられたコネクタが前記機能性外装部材に溶着されている。
【0018】
第13の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第12のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記電線を取付対象に固定するための固定部材が前記機能性外装部材に溶着されている。
【発明の効果】
【0019】
第1から第13の態様によると、溶着によって外装部材と電線とを直接固定できる。これにより、外装部材を電線に取付けるに当たりテープ又は接着剤等の他の部材を省略可能である。
【0020】
特に、第2の態様によると、簡易に溶着可能である。
【0021】
特に、第3の態様によると、超音波溶着機のホーンが外装部材に当てられるため、電線が傷つきにくい。
【0022】
特に、第4の態様によると、簡易に防音構造を付与することができる。
【0023】
特に、第5の態様によると、簡易に電線をシールドすることができる。
【0024】
特に、第6の態様によると、簡易に電線を保護することができる。
【0025】
特に、第7の態様によると、簡易に電線の放熱を行うことができる。
【0026】
特に、第8の態様によると、放熱効果を高めることができる。
【0027】
特に、第9の態様によると、ワイヤーハーネスに引張力がかけられても電線が傷つきにくくなる。
【0028】
特に、第10の態様によると、ワイヤーハーネスに引張力がかけられても機能性外装部材が破断しにくい。
【0029】
特に、第11の態様によると、簡易に電線を防水可能である。
【0030】
特に、第12の態様によると、コネクタの位置決めも簡易に行うことができる。
【0031】
特に、第13の態様によると、固定部材を簡易に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態に係るワイヤーハーネスを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係るワイヤーハーネスを示す底面図である。
図3図2のIII−III線に沿って切断した概略断面図である。
図4】超音波溶着を行う様子を示す説明図である。
図5】第2実施形態に係るワイヤーハーネスを示す概略斜視図である。
図6】第3実施形態に係るワイヤーハーネスを示す部分拡大平面図である。
図7】第4実施形態に係るワイヤーハーネスを示す概略断面図である。
図8】第5実施形態に係るワイヤーハーネスを示す概略断面図である。
図9】機能性外装部材の変形例を示す概略断面図である。
図10】機能性外装部材の別の変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネスについて説明する。図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す底面図である。図3は、図2のIII−III線に沿って切断した概略断面図である。
【0034】
ワイヤーハーネス10は、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続する配線として用いられる。ワイヤーハーネス10は車両において例えば、インストルメントパネル、ルーフ、ドア等の周囲に配策される。具体的には、ワイヤーハーネス10は、機能性外装部材30と、電線12と、を備える。ワイヤーハーネス10は、さらにコネクタ20と固定部材40とを備える。
【0035】
機能性外装部材30は、シート状に形成されている。図1に示すように、機能性外装部材30は、長方形シート状に形成されている。もっとも機能性外装部材30の形状は、上記したものに限られず、電線12の配設形態等に応じて適宜変更可能である。機能性外装部材30は、電線12に外装される部材である。機能性外装部材30は、電線12に対して防音(消音、吸音、遮音等)、保護(耐摩耗、耐引張、耐貫通等)、放熱、シールド、防水等といった機能のうち少なくとも1つの機能を有する部材である。機能性外装部材30の機能は、電線12の性質および電線12が配設される箇所の環境等に応じて適切な機能が選択される。ここでは、電線12が周囲の部材と擦れる恐れがある箇所に配設されることから、機能性外装部材30が耐摩耗性を有する保護シート(保護部材)である例で説明する。
【0036】
かかる保護シートは、PVC(polyvinyl chloride)、PE(polyethylene)、PP(polypropylene)、不織布等のシート材によって形成されている。保護シートが不織布によって形成される場合、ホットプレス等がなされていてもよい。また、スパンボンド不織布等にエンボス加工を施したものなどであってもよい。これにより保護シートを硬くすることができる。なお、かかる保護シートの耐摩耗性は、構造としての物性から得られるものであってもよいし、素材としての物性から得られるものであってもよい。例えば、図1に示す例では、保護シートは平坦に形成されているが、この保護シートの外面に凹凸を設けた構造を採用することで、保護シートの耐摩耗性を高めることができると考えられる。また例えば、上記したように不織布をホットプレスした構造を採用することで、保護シートを硬くすることができ、耐摩耗性を高めることができると考えられる。また例えば、保護シートを構成する材料に硬い素材を採用することで耐摩耗性を高めることができると考えられる。
【0037】
電線12は、長手方向に沿った少なくとも一部の領域で機能性外装部材30に重なるように配設されている。図1に示す例では、電線12は、機能性外装部材30の一方主面31a側のみに配設されているが、途中で他方主面31b側に移ることもあり得る。電線12は、少なくとも1本含まれていればよい。ここでは、電線12は複数(図1に示す例では3本)含まれている。電線12として芯線14と芯線14を覆う絶縁被覆16とを含む絶縁電線12が採用されている(図7参照)。芯線14は、銅又はアルミニウム等の導電性材料によって形成される。芯線14は単線であってもよいし、撚線であってもよい。絶縁被覆16は、PVC(polyvinyl chloride)、PE(polyethylene)、PP(polypropylene)などの樹脂等が芯線14の外周に押出成形されて形成されたものであってもよいし、芯線14の外周に塗布されたワニス等が焼き付けられて形成されたものであってもよい。
【0038】
電線12の絶縁被覆16と機能性外装部材30とが重なる部分の少なくとも一部が溶着されている。これにより、電線12と機能性外装部材30とが固定されている。
【0039】
かかる溶着手段としてここでは、超音波溶着が採用されている。図4は、超音波溶着を行う様子を示す説明図である。図4に示すように、超音波溶着は、一般的に超音波溶着機80におけるホーン82とアンビル84との間に溶着させたい2つの部材(ここでは電線12及び機能性外装部材30)を挟み込んで行う。ホーン82とアンビル84との間に配される2つの部材は、溶着したい面同士を当接させた状態とされる。
【0040】
ホーン82は、2つの部材のうち一方の部材に当接し、当該一方の部材に超音波振動を付与する。ホーン82からの超音波振動の伝達態様としては、縦振動、横振動等があるが、溶着対象の部材の形状、物性等に応じて適宜選択可能である。
【0041】
アンビル84は、2つの部材のうち他方の部材を支持する。図4に示す例では、アンビル84における電線支持面は平坦面状に形成されているが、曲面状に形成されていてもよい。
【0042】
そして、ホーン82とアンビル84との間に溶着させたい2つの部材を挟み込んだ状態で、ホーン82から一方の部材に超音波振動を付与すると、付与された超音波振動に起因して摩擦又は圧縮等が生じて熱エネルギーが発生する。これにより、当接面の一部が当該熱エネルギーによって溶融し、両者が接合する。なお、2つの部材のどちらか一方のみが溶融する場合もあり得るし、両方が溶融する場合もあり得る。これは、2つの部材を構成する材料の物性等に応じて決まると考えられる。
【0043】
図4に示す例では、ホーン82を機能性外装部材30の他方主面31bに当接させて機能性外装部材30に超音波振動を付与している。ここで、超音波溶着を行う場合、一般的に、ホーン82を押し当てた跡(以下、ホーン跡34という)が部材に残る場合があり得る。従って、ワイヤーハーネス10においても、ホーン跡34が残っている場合がある。ここではホーン82を機能性外装部材30の他方主面31bに当接させているため、ホーン跡34は、図2のように機能性外装部材30の他方主面31bに残ると考えられる。かかるホーン跡34としては、例えば、ホーン82に形成される凹凸形状に応じた形状であることが考えられる。もっとも、ホーン82を機能性外装部材30の他方主面31bに当接させることは必須ではなく、ホーン82を電線12に当接させて電線12に超音波振動を付与するものであってもよい。この場合、電線12にホーン跡が残ると考えられる。しかしながら、ホーン82を機能性外装部材30の他方主面31bに当接させることによって、超音波溶着工程時に電線12が傷つくことを抑制できる。
【0044】
電線12の長手方向において機能性外装部材30と溶着される領域は、電線12の長手方向に沿って一連に途切れることなく続くものであってもよいし、電線12の長手方向に沿って一部途切れる区間を含むものであってもよい。図2に示す例では、電線12の長手方向に沿って一部途切れる区間を含むように断続的に超音波溶着がなされている。このとき、1つの溶着箇所の範囲、および隣り合う溶着箇所の間隔等は、接合強度等に応じて適宜設定されていればよい。また、図2に示す例では、電線12の長手方向に沿って一定のピッチで断続的に超音波溶着されているが、ピッチが異なる部分が存在していてもよい。
【0045】
電線12の周方向において機能性外装部材30と溶着される領域は、周方向に沿った全部の領域であってもよいし、一部の領域であってもよい。電線12のうち周方向に沿った一部の領域が溶着されている場合、その領域は、半周と同じかそれより小さい領域であってもよいし、4分の1周と同じかそれより小さい領域であってもよい。
【0046】
超音波溶着がなされるに当たり、2つの部材(ここでは、電線12の絶縁被覆16及び機能性外装部材30)の少なくとも一方は、当接面において熱可塑性樹脂を含む。この際、2つの部材の両方が当接面において熱可塑性樹脂を含み、かつそれぞれの熱可塑性樹脂の融点が同程度であることが好ましい。さらに、2つの部材の両方が当接面において同じ熱可塑性樹脂を含んでいることがより好ましい。これにより、2つの部材の両方が溶融し、接合強度を向上させることができる。
【0047】
かかる電線12としては、用途に関し、電源線であってもよいし、信号線であってもよい。また、太さに関し、太いものであってもよいし、細いものであってもよい。また、断面形状に関し、丸電線であってもよいし、角電線であってもよい。ここで、一般に超音波溶着開始時の2つの部材の当接面は接触面積を小さくするために凸形状となっていることが好ましいとされる。この観点で言うと丸電線の場合、周方向のどの位置であっても凸形状となっているため、配設向きを考慮する必要がなく、超音波溶着に向いた形状であると言える。
【0048】
上記電線12の端部は、コネクタ20に組込まれる。そして、本ワイヤーハーネス10が車両等における配設対象箇所に配設された状態で、コネクタ20が車両等に搭載された各種電気機器側のコネクタに接続される。これにより、本ワイヤーハーネス10は、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続する配線として用いられる。
【0049】
ここでは、コネクタ20も機能性外装部材30と溶着されている。コネクタ20におけるコネクタハウジング21の外面の一部が機能性外装部材30と重なっており、当該重なり部分の少なくとも一部が溶着されている。コネクタハウジング21は、例えば、樹脂等を材料として一体成形(射出成形)された部材である。図2に示す例では、機能性外装部材30側にホーン跡34が残っているが、コネクタハウジング21側にホーン跡が残っているものであってもよい。
【0050】
なお、コネクタハウジング21における溶着箇所は、相手側コネクタへの嵌合を阻害しない箇所であることが好ましい。例えば、図2に示す例では、コネクタハウジング21のうち電線12が外部に延出する部分の周辺部分が溶着されているが、コネクタハウジング21の外面の一部を突出させて突出片を設け、当該突出片が溶着されるものであってもよい。
【0051】
もっとも、コネクタ20が機能性外装部材30と溶着されていることは必須ではない。この場合、コネクタ20は粘着テープ又は接着剤など別の手段で機能性外装部材30に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0052】
ここでは、図3に示すようにコネクタ20として、圧接タイプのコネクタ20が採用されている。より詳細には、コネクタハウジング21は、第1部材23と、第1部材23と合体可能な第2部材24とで構成される。
【0053】
第1部材23は、圧接端子26のうち絶縁電線12に圧接可能な圧接部27を外方に露出する態様で、圧接端子26を保持可能である。また、第1部材23は圧接端子26のうち相手側導体と接続される相手側接続部28を相手側導体と接続可能な態様で収容している。第2部材24は、第1部材23のうち圧接部27を保持する部分と対向配置され、圧接部27に向けて絶縁電線12を押圧可能である。そして、第1部材23に保持された圧接端子26の圧接部27上に絶縁電線12を皮剥ぎしないまま位置させた状態で、第2部材24によって絶縁電線12を圧接部27に向けて押圧することで、圧接部27の一部が絶縁電線12の絶縁被覆16を突き破り芯線14に当接して電気的に接続される。
【0054】
ここで図2に示す例では、3本の電線12が全て機能性外装部材30と溶着されている。もっとも、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、機能性外装部材30と溶着されていない電線12が含まれていてもよい。また図2に示す例では、3本の電線12が全て同じように溶着されている。もっとも、ワイヤーハーネス10に機能性外装部材30と溶着されている電線12が複数含まれる場合、溶着手段、溶着領域といった溶着態様の少なくとも一部が異なっていてもよい。
【0055】
また図1に示す例では、3本の電線12が全て同じコネクタ20に接続されている。もっとも、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、異なるコネクタ20に接続される電線12が含まれていてもよい。
【0056】
また図1に示す例では、電線12が直線状に配設されている。もっとも、電線12は曲がって配設されていてもよい。そして、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、直線状に配設される電線12と、曲がって配設される電線12とが共に存在していてもよい。この場合、機能性外装部材30上で複数の電線12に分岐が形成されていてもよい。
【0057】
また図1に示す例では、電線12は機能性外装部材30に対して幅方向中央に近い位置に配設されている。もっとも、機能性外装部材30に対して電線12が配設される経路は上記したものに限られない。例えば電線12は、機能性外装部材30に対して幅方向端部に寄った位置に配設されていてもよい。また例えば、電線12は機能性外装部材30に対して斜めに延在するものであってもよい。
【0058】
固定部材40は、電線12を車体パネル又は棒状部材等の取付対象70に固定するための部材である。ここでは、固定部材40も機能性外装部材30に溶着されている。図2に示す例では、機能性外装部材側にホーン跡34が残っているが、固定部材40側にホーン跡が残っているものであってもよい。ここでは、固定部材40は、柱部44と柱部44の先端から延びる羽部46とを有し、樹脂等を材料として一体成形(射出成形)されたクランプ又はクリップと呼ばれる部材である。
【0059】
固定部材40には柱部44を支持する板部42が設けられ、当該板部42と機能性外装部材30とが溶着されている。なお、当該板部42としては、いわゆるテープ巻きクランプにおけるテープ巻きされる突出片など、既存のものを用いてもよいし、新たに専用のものを設けてもよい。
【0060】
図2に示す例では、固定部材40は、電線12が配設される一方主面31aとは反対側の他方主面31b側に突出するように取り付けられている。これにより、電線12が取付対象70と当接することが抑制され、もって取付対象70から電線12を保護可能となる。もっとも、固定部材40は、一方主面31a側に突出するように取り付けられていてもよい。
【0061】
以上のように構成されたワイヤーハーネス10によると、溶着によって外装部材30と電線12とを直接固定できる。これにより、外装部材30を電線12に取付けるに当たりテープ又は接着剤等の他の部材を省略可能である。
【0062】
また、電線12の絶縁被覆16と機能性外装部材30とが重なる部分の少なくとも一部が超音波溶着されているため、簡易に溶着可能である。
【0063】
また、超音波溶着機80のホーン82が外装部材30に当てられるため、電線12が傷つきにくい。この際、機能性外装部材30のうち電線12が配設される面(図1に示す例では、一方主面31a)とは反対側の面(図1に示す例では、他方主面31b)に、超音波溶着機80のホーン82が当てられたホーン跡34が残る。
【0064】
また、機能性外装部材30は耐摩耗性を有するため、簡易に電線12を保護することができる。
【0065】
また、電線12の端部に設けられたコネクタ20が機能性外装部材30に溶着されているため、コネクタ20の位置決めも簡易に行うことができる。
【0066】
また、電線12を取付対象70に固定するための固定部材40が機能性外装部材30に溶着されているため、固定部材40を簡易に取付けることができる。
【0067】
{第2実施形態}
次に、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110について説明する。図5は、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110を示す概略斜視図である。なお、以下の各実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0068】
第2実施形態に係るワイヤーハーネス110は、機能性外装部材130がシールド性を有するシールド部材である点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0069】
かかるシールド部材は、例えば、金属箔、金属メッシュ、金属箔を樹脂シートにラミネートした部材又は導電性樹脂を材料としたシート材等によって構成されている。なお、金属箔又は金属メッシュ等の金属部品を電線12に直接当接させる場合、絶縁被覆16のみが溶けて金属箔又は金属メッシュ等に溶着されていることが考えられる。
【0070】
ここでは、シールド部材は、電線12の周囲に巻き付け可能な程度の柔軟性を有する。そしてシールド部材と電線12とが溶着により固定された状態で、シールド部材が電線12の周囲に巻き付けられて電線12の周囲を覆っている。これにより、シールド部材が内部の電線12をシールド可能となっている。なお、シールド部材には、ネジ孔134が形成された固定片132が設けられている。そして、当該固定片132をボルトで車体パネルなどに固定することでシールド部材がアースされている。もっとも、アースの方法としては、シールド部材と当接するドレイン線等を引き出すものであってもよく、シールド部材に固定される電線12の一部をシールド部材と導通させてドレイン線として用いることも考えられる。
【0071】
このように構成されたワイヤーハーネス110によると、簡易に電線12をシールド可能である。
【0072】
{第3実施形態}
次に、第3実施形態に係るワイヤーハーネス210について説明する。図6は、第3実施形態に係るワイヤーハーネス210を示す部分拡大平面図である。
【0073】
第3実施形態に係るワイヤーハーネス210は、機能性外装部材230が電線12にかかる引張力を受けるテンションメンバである点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0074】
かかる機能性外装部材230として、例えば、電線12よりも伸びにくいシート材が採用されると共に、機能性外装部材230に固定された電線12の一部が図6に示すように撓んでいる構成が考えられる。例えば、電線12と機能性外装部材230とが長手方向に沿って断続的に溶着され、電線12が隣り合う溶着箇所の間の部分で撓んでいることが考えられる。これにより、ワイヤーハーネス210に電線12の長手方向に沿った引張力がかけられても、機能性外装部材230がそれを受け止めることが可能である。この結果、電線12に過度の引張力がかかることを抑制可能となっている。なお、図6において、部分的な溶着箇所WPが方形状の図形によって誇張して描かれている。
【0075】
このように構成されたワイヤーハーネス210によると、ワイヤーハーネス210に引張力がかけられても電線12が傷つきにくくなる。
【0076】
{第4実施形態}
次に、第4実施形態に係るワイヤーハーネス310について説明する。図7は、第4実施形態に係るワイヤーハーネス310を示す概略断面図である。なお、図7は、電線12の長手方向と直交する平面に沿って切断した断面図である。
【0077】
第4実施形態に係るワイヤーハーネス310は、機能性外装部材330が防水性を有する防水シートである点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0078】
かかる防水シートは、例えば、ポリエチレンシート等によって構成されている。防水シートは、電線12の周囲に巻き付け可能な程度の柔軟性を有する。そして防水シートと電線12とが溶着された状態で、防水シートが電線12の周囲を覆っている。これにより、防水シートの内部への水等の浸入を抑制する。図7に示す例では、防水シートは、溶着されていない部分が溶着箇所WPを覆っているが、このことは必須ではない。また、防水シートの巻終わり部分は、粘着テープ又は接着剤等で隙のないように留められるとよい。なお、防水シートが電線12の全周囲を覆っていることは必須ではない。例えば、電線12に対して一方側からの水かかり等を抑制したい場合に、電線12に対して一方面側のみに配設されている場合もあり得る。この場合、防水シートは、電線12の周囲に巻き付け可能な程度の柔軟性を有していなくてもよい。
【0079】
このように構成されたワイヤーハーネス310によると、簡易に電線12を防水可能である。
【0080】
{第5実施形態}
次に、第5実施形態に係るワイヤーハーネス410について説明する。図8は、第5実施形態に係るワイヤーハーネス410を示す概略断面図である。
【0081】
第5実施形態に係るワイヤーハーネス410は、機能性外装部材430が電線12の周囲に巻き付けられていると共に、固定部材440によってその巻付いた状態を維持している点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0082】
この場合、機能性外装部材430において、固定部材440が設けられる部分と重なる部分には、固定部材440の固定部を挿通可能な貫通孔432が形成されるとよい。
【0083】
このように構成されたワイヤーハーネス410によると、簡易に機能性外装部材430の巻付け状態を維持可能である。
【0084】
{変形例}
これまで、溶着手段が超音波溶着であるものとして説明したが、溶着手段としては、超音波溶着に限られるものではない。例えば、抵抗溶着等の熱溶着、又はレーザー溶着等であってもよい。
【0085】
第1実施形態において、保護シートが耐摩耗性を有するものとして説明したが、このことは必須ではない。保護シートは、耐貫通性を有するものであることも考えられる。この場合、保護シートは、車両の使用環境下で求められる耐貫通性を備えていればよい。
【0086】
また、第1実施形態において、機能性外装部材30が保護シートであるものとして説明したが、このことは必須ではない。機能性外装部材30は、防音シート(防音部材)であることも考えられる。かかる防音シートとしては、例えば、不織布、発泡樹脂等を材料としたシート部材である。機能性外装部材30が防音シートである場合、防音シートで機能性外装部材30に溶着された電線12を挟み込む構造も考えられる。これにより、防音性を高めることができる。なお、防音シートを折り曲げて電線12を挟み込むものであってもよいし、電線12が溶着された防音シートと、これとは別体で設けられた防音シートとの2枚の防音シートで電線12を挟み込むものであってもよい。
【0087】
また、第2実施形態において、機能性外装部材130が金属製であるものとして説明したが、このような金属製の機能性外装部材130をシールド部材としてではなく、放熱部材として用いることも考えられる。機能性外装部材130を放熱部材として用いる場合、機能性外装部材130と電線12とを少なくとも一部の領域で当接させると共に、機能性外装部材130の少なくとも一部の領域を外部に露出させるようにする構成が考えられる。
【0088】
また、機能性外装部材130を放熱部材として用いる場合において、金属は、一般に熱伝導率の点では優れるが、輻射率(放射率とも言う)の点では優れない場合が多い。そこで、図9に示すように機能性外装部材130の表面に高輻射率部138を形成することが考えられる。高輻射率部138は、輻射率が内部137よりも高くされた部分である。
【0089】
ここでウィーンの変位則によると、物体から熱放射によって放出される光の波長のピークは、物体の温度に反比例するとされている。また、輻射率は、材料が同じでも物体の温度(光の波長)に応じて異なる値を取る材料があることが知られている。ここでは、車両に搭載されるワイヤーハーネス110の輻射率を高めたいため、かかる高輻射率部138は、車両の使用環境で生じる高温度帯におけるピーク波長に対して高い輻射率を有しているとよい。
【0090】
このような高輻射率部138は、機能性外装部材130の表面に輻射率を高める表面処理が施されて形成される。例えば高輻射率部138は、内部137の金属の表面が酸化処理されて形成された酸化被膜であることが考えられる。また例えば、高輻射率部138は、内部137の部材に対してその表面にメッキ処理または塗装処理等が施されることによって形成されたメッキ部または塗装部であることも考えられる。塗装処理の場合において、その塗料は、樹脂等である場合もあり得る。
【0091】
図9に示す例では、高輻射率部138は、機能性外装部材130の両主面に形成されているが、一方の主面にのみ形成されていてもよい。高輻射率部138が機能性外装部材130の一方の主面にのみ形成されている場合、電線12が配設される側の主面であってもよいし、その反対側の主面であってもよい。また、高輻射率部138は、機能性外装部材130の主面における全領域に亘って形成されていてもよいし、一部の領域にのみ形成されていてもよい。高輻射率部138が機能性外装部材130の主面における一部の領域にのみ形成されている場合、電線12が配設される部分には形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。好ましくは、高輻射率部138は、機能性外装部材130における外向き面に形成されているとよい。また、ワイヤーハーネス110が車両に搭載された状態で、機能性外装部材130のうち伝導、対流での排熱が期待できない部分に高輻射率部138が形成されていると、その部分の排熱により効果的である。
【0092】
高輻射率部が形成されることによって、より効率的に放熱可能となる。この結果、電線12の温度上昇を低く抑えることが可能となるため、電線12のサイズを小さくできる。また、機能性外装部材130において放熱量が多くなる分、必要な蓄熱量を少なくできるため、機能性外装部材130の厚みを薄くできる。
【0093】
また、機能性外装部材30がその主面の広がる方向における相互に直交する第1方向及び第2方向において引張強度が異なるものである場合もあり得る。この場合、機能性外装部材30において、引張強度の大きい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。ワイヤーハーネス10の車両への取付時等において、機能性外装部材30が電線12の延在方向に沿って引っ張られる恐れが、電線12の延在方向と直交する方向に沿って引っ張られる恐れよりも高く、またその際の引張力も前者の方が高くなる恐れが高いためである。特に、引張強度の大きい方向を電線12の延在方向とすることによってワイヤーハーネス10がその延在方向に強く引っ張られても傷つきにくくなるため、車両取付時にワイヤーハーネス10を配設しやすくなる。例えば、テンションメンバとして用いられる第3実施形態に係る機能性外装部材230として、このような引張強度に異方性がある機能性外装部材30を用いると好適である。
【0094】
ここで、機能性外装部材30は、第1方向、第2方向において引張強度の異なるものであればよく、材料、製法等は問わない。例えば、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのように押出成形等によって形成されたシート材が製造時に延伸されることによって、第1方向、第2方向における引張強度が異なるものであってもよい。また、スパンボンド不織布のように長繊維不織布においては、通常、繊維の延びる方向に引張強度が強くなる。
【0095】
また、機能性外装部材30においては、例えば図10に示すように、第1方向、第2方向における引張強度を異ならせる形状が付加されていてもよい。図10に示す機能性外装部材530の例では、圧縮部分538の形状を変えることによって、引張強度を異ならせている。より詳細には、機能性外装部材530は、エンボス加工等の圧縮加工が施されることによって、周囲部分537よりも圧縮された圧縮部分538を有している。この際、圧縮部分538は、長方形又は楕円形等のように一方に長くした形状に形成されている。この場合、機能性外装部材530において、圧縮部分538の長手方向に沿った引張強度が、圧縮部分538の短手方向に沿った引張強度よりも高くなると考えられる。
【0096】
図10に示す例では、複数の圧縮部分538が紙面における縦方向、横方向に並ぶように形成されている。各方向において複数の圧縮部分538は同じ向きを向いている。より詳細には、複数の圧縮部分538がその短手方向が紙面縦方向と一致するように並んでいる。また、複数の圧縮部分538がその長手方向が紙面横方向と一致するように並んでいる。この場合、機能性外装部材530は、少なくとも紙面横方向に沿った中間部の位置において、図10に示すように紙面横方向に沿ったどの位置においても、その位置での紙面縦方向に沿った少なくとも一部の領域に圧縮部分538が形成されているとよい。機能性外装部材530の紙面横方向に沿った中間部のある位置において、その位置での紙面縦方向に沿って圧縮部分538が形成されていないと、機能性外装部材530に紙面横方向に引張力がかけられた際にその部分に応力が集中する恐れがあるためである。
【0097】
また、機能性外装部材30が上記第1方向及び第2方向において伸びやすさが異なるものである場合もあり得る。例えば、機能性外装部材30を取付ける部分において電線12が直線状に延在するように配設される場合、機能性外装部材30において伸びにくい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。これにより、電線12が直線状に延在した状態に維持しやすくなる。また、伸びにくい分、機能性外装部材30が電線12にかかる引張力の一部を負担するにあたり、その割合が高くなる。このため、テンションメンバとしての効果も期待できる。また、機能性外装部材30を電線12周りに巻付けたり、電線12をリンフォースメント等の棒状部材に沿わせた状態で機能性外装部材30を棒状部材の周りに巻付けたりする場合に、機能性外装部材30の伸びやすい方向に巻付けることができるため、巻付け易くなる。
【0098】
また、例えば、機能性外装部材30を取付ける部分において電線12が曲げられて延在するように配設される場合、機能性外装部材30において伸びやすい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。これにより、機能性外装部材30を電線12の曲げに追従させやすくなる。
【0099】
ここで、機能性外装部材30は、第1方向、第2方向において伸びやすさの異なるものであればよく、材料、製法等は問わない。例えば、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのように押出成形等によって形成されたシート材が製造時に延伸されることによって、第1方向、第2方向における伸びやすさが異なるものであってもよい。また、スパンボンド不織布のように長繊維不織布においては、通常、繊維の延びる方向と交差する方向に伸びやすくなる。
【0100】
また、機能性外装部材30においては、第1方向、第2方向における伸びやすさを異ならせる形状が付加されていてもよい。例えば、上記図10に示す機能性外装部材530の例では、圧縮部分538の形状が上記したような形状となっていることによって、紙面縦方向の方が紙面横方向よりも伸びやすいと考えられる。
【0101】
なお、上記第1方向及び第2方向において、引張強度の大きい方向と伸びにくい方向とが一致している場合もあり得るし、異なっている場合もあり得る。また、第1方向及び第2方向において、引張強度は異なるが伸びやすさは同じである場合もあり得るし、引張強度は同じだが伸びやすさは異なる場合もあり得る。
【0102】
また、これまで、1本の電線12において芯線14のすぐ外を覆う絶縁被覆16が直接機能性外装部材30と溶着されるものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、芯線と、芯線を覆う第1の絶縁被覆と、第1の絶縁被覆を覆うシールド層と、シールド層を覆う第2の絶縁被覆とを備える1本のシールド電線のように複数の絶縁被覆を備える電線において、最外層の第2の絶縁被覆と機能性外装部材とが溶着されていることも考えられる。また、例えば、複数の電線12と複数の電線12の周囲を覆うシースとを備えるケーブルにおいてシースと機能性外装部材とが溶着されていることも考えられる。この場合、当該シースを電線12における絶縁被覆の1つとみなすことができる。
【0103】
また、これまで、コネクタ20として圧接コネクタ20を用いるものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、コネクタは、電線12端部に接続された端子を収容するものであってもよい。
【0104】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。例えば、機能性外装部材がそれぞれ別の機能を有する複数のシート材が組み合わされて構成されていることも考えられる。
【0105】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0106】
10 ワイヤーハーネス
12 電線
14 芯線
16 絶縁被覆
20 コネクタ
21 コネクタハウジング
23 第1部材
24 第2部材
26 圧接端子
27 圧接部
30 機能性外装部材
31a 一方主面
31b 他方主面
34 ホーン跡
40 固定部材
42 板部
44 柱部
46 羽部
80 超音波溶着機
82 ホーン
84 アンビル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10