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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207939(P2019-207939A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】圧着方法および圧着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20191108BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
   H01L21/60 311S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-102424(P2018-102424)
(22)【出願日】2018年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】辻澤 孝文
(72)【発明者】
【氏名】山田 真五
(72)【発明者】
【氏名】松尾 暢也
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BB01
5E353BC02
5E353CC03
5E353EE02
5E353EE89
5E353GG11
5E353GG12
5E353GG22
5E353GG29
5E353JJ21
5E353KK01
5E353MM01
5E353MM08
5E353QQ01
5E353QQ21
5F044KK01
5F044LL00
5F044NN13
5F044PP11
5F044PP15
(57)【要約】
【課題】複数の基板の生産条件を容易に等しくすることができる圧着方法を提供する。
【解決手段】この圧着方法は、第1の基板7Aの下面を第1の下受部53Aに支持させる第1の支持工程(S11)と、第1の基板7Aが第1の下受部53Aに支持された状態に維持されるように、第1の吸引部53Cに第1の基板7Aを吸着させる吸着工程(S12)と、第1の吸引部53Cによる吸着によって、第1の基板7Aが第1の下受部53Aに支持されているときに、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bの下面を第2の下受部53Bに支持させる第2の支持工程(S13)と、第1の吸引部53Cによって吸着され、かつ、第1の下受部53Aに支持されている第1の基板7Aに圧着対象物を圧着し、第2の下受部53Bに支持されている第2の基板7Bに圧着対象物を圧着する圧着工程(S14)とを含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板の下面の一部に当接して前記第1の基板を保持するための第1の保持部と、第2の基板の下面の一部に当接して前記第2の基板を保持する第2の保持部とを備える圧着装置が、前記第1の基板および第2の基板のそれぞれに圧着対象物を圧着する圧着方法であって、
前記第1の保持部および前記第2の保持部を含む保持機構を移動させて、前記第1の保持部に保持されている前記第1の基板の下面を、第1の下受部に支持させる第1の支持工程と、
前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持された状態に維持されるように、第1の吸引部に前記第1の基板を吸着させて、前記第1の保持部による前記第1の基板の保持を解除する第1の吸着工程と、
前記第1の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持されているときに、前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を第2の下受部に支持させる第2の支持工程と、
前記第1の吸引部によって吸着され、かつ、前記第1の下受部に支持されている前記第1の基板の上面に第1の圧着対象物を圧着し、前記第2の保持部に保持され、かつ、前記第2の下受部に支持されている前記第2の基板の上面に第2の圧着対象物を圧着する圧着工程と、
を含む圧着方法。
【請求項2】
前記圧着工程では、
前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の開始タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の開始タイミングとは、同時である、
請求項1に記載の圧着方法。
【請求項3】
前記圧着工程では、
前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の終了タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の終了タイミングとは、同時である、
請求項1または2に記載の圧着方法。
【請求項4】
前記圧着装置が、さらに、前記保持機構に含まれる保持部として、第3の基板の下面の一部に当接して前記第3の基板を保持するための第3の保持部を備える場合には、
前記圧着方法は、さらに、
前記第1の吸着工程の開始後に、前記保持機構を移動させて、前記第3の保持部に保持されている前記第3の基板の下面を、第3の下受部に支持させる第3の支持工程と、
前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持された状態に維持されるように、第2の吸引部に前記第3の基板を吸着させて、前記第3の保持部による前記第3の基板の保持を解除する第2の吸着工程とを含み、
前記第2の支持工程では、
前記第1の吸引部および前記第2の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持され、かつ、前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持されているときに、前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を前記第2の下受部に支持させ、
前記圧着工程では、さらに、
前記第2の吸引部によって吸着され、かつ、前記第3の下受部に支持されている前記第3の基板の上面に第3の圧着対象物を圧着する
請求項1〜3の何れか1項に記載の圧着方法。
【請求項5】
第1の基板の下面の一部に当接して前記第1の基板を保持するための第1の保持部と、
第2の基板の下面の一部に当接して前記第2の基板を保持する第2の保持部と、
前記第1の保持部および前記第2の保持部を含む保持機構を移動させる移動機構と、
前記第1の基板を吸着するための第1の吸引部と、
第1の下受部および第2の下受部と、
第1の圧着ツールおよび第2の圧着ツールと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記移動機構に前記保持機構を移動させて、前記第1の保持部に保持されている前記第1の基板の下面を、前記第1の下受部に支持させる第1の支持ステップと、
前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持された状態に維持されるように、前記第1の吸引部に前記第1の基板を吸着させて、前記第1の保持部による前記第1の基板の保持を解除する第1の吸着ステップと、
前記第1の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持されているときに、前記移動機構に前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を前記第2の下受部に支持させる第2の支持ステップと、
前記第1の吸引部によって吸着され、かつ、前記第1の下受部に支持されている前記第1の基板の上面への第1の圧着対象物の圧着を、前記第1の圧着ツールに実行させ、前記第2の保持部に保持され、かつ、前記第2の下受部に支持されている前記第2の基板の上面への第2の圧着対象物の圧着を、前記第2の圧着ツールに実行させる圧着ステップと、を行う
圧着装置。
【請求項6】
前記圧着ステップでは、
前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の開始タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の開始タイミングとは、同時である、
請求項5に記載の圧着装置。
【請求項7】
前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の終了タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の終了タイミングとは、同時である、
請求項5または6に記載の圧着装置。
【請求項8】
前記圧着装置は、さらに、
前記保持機構に含まれる保持部であって、第3の基板の下面の一部に当接して前記第3の基板を保持するための第3の保持部と、
前記第3の基板を吸着するための第2の吸引部と、
第3の下受部と、
第3の圧着ツールとを備え、
前記制御部は、さらに、
前記第1の吸着ステップの開始後に、前記移動機構に前記保持機構を移動させて、前記第3の保持部に保持されている前記第3の基板の下面を、前記第3の下受部に支持させる第3の支持ステップと、
前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持された状態に維持されるように、第2の吸引部に前記第3の基板を吸着させて、前記第3の保持部による前記第3の基板の保持を解除する第2の吸着ステップとを行い、
前記第2の支持ステップでは、
前記第1の吸引部および前記第2の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持され、かつ、前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持されているときに、前記移動機構に前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を前記第2の下受部に支持させ、
前記圧着ステップでは、さらに、
前記第3の下受部に支持されている前記第3の基板の上面への第3の圧着対象物の圧着を、前記第3の圧着ツールに実行させる
請求項5〜7の何れか1項に記載の圧着装置。
【請求項9】
N枚(Nは2以上の整数)の基板の下面の一部に当接して前記N枚の基板をそれぞれ保持するためのN個の保持部と、
N個の下受部と、
前記N個の保持部を含む保持機構を移動させて、前記N個の保持部に保持されている前記N枚の基板の下面を、前記N個の下受部にそれぞれ支持させる移動機構と、
前記N個の保持部のうちの(N−1)個の保持部による保持が解除される場合に、前記(N−1)個の保持部に対応する(N−1)枚の基板のそれぞれを吸着する(N−1)個の吸引部と、
前記N枚の基板のそれぞれの上面に圧着対象物を圧着するN個の圧着ツールとを備え、
前記N個の圧着ツールによって圧着される前記N枚の基板のうちの(N−1)枚の基板は、前記(N−1)個の吸引部にそれぞれ吸着され、かつ、前記N個の下受部のうちの(N−1)個の下受部にそれぞれ支持され、
前記N個の圧着ツールによって圧着される前記N枚の基板のうちの残りの1枚の基板は、前記N個の保持部のうちの残りの1個の保持部に保持され、かつ、前記N個の下受部のうちの残りの1個の下受部に支持されている
圧着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に電子部品などの圧着対象物を圧着して表示パネルなどを生成するための圧着方法および圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに用いられる表示パネルを組み立てる工程においては、パネル本体を構成するガラス製の基板にドライバ用の電子部品が実装される。この実装作業は、基板の縁部の実装位置に接着テープを介して電子部品を搭載し、この電子部品を基板に対して押圧して圧着する工程を経て行われる。近年生産効率を向上させるため、上記作業を行う各ステーションにおいて同時に複数の基板を対象として作業が可能な圧着装置が用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。このような構成の圧着装置を用いることにより、基板への電子部品の実装と基板の搬送動作とを効率よく行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−129753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の基板の生産条件を等しくすることが困難であるという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、複数の基板の生産条件を容易に等しくすることができる圧着方法などを提供する。
【0006】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る圧着方法は、第1の基板の下面の一部に当接して前記第1の基板を保持するための第1の保持部と、第2の基板の下面の一部に当接して前記第2の基板を保持する第2の保持部とを備える圧着装置が、前記第1の基板および第2の基板のそれぞれに圧着対象物を圧着する圧着方法であって、前記第1の保持部および前記第2の保持部を含む保持機構を移動させて、前記第1の保持部に保持されている前記第1の基板の下面を、第1の下受部に支持させる第1の支持工程と、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持された状態に維持されるように、第1の吸引部に前記第1の基板を吸着させて、前記第1の保持部による前記第1の基板の保持を解除する第1の吸着工程と、前記第1の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持されているときに、前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を第2の下受部に支持させる第2の支持工程と、前記第1の吸引部によって吸着され、かつ、前記第1の下受部に支持されている前記第1の基板の上面に第1の圧着対象物を圧着し、前記第2の保持部に保持され、かつ、前記第2の下受部に支持されている前記第2の基板の上面に第2の圧着対象物を圧着する圧着工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の圧着方法は、複数の基板の生産条件を容易に等しくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における表示パネル組立装置の平面図である。
図2図2は、実施の形態における表示パネル組立装置の作業対象となる表示パネルの平面図である。
図3図3は、実施の形態における表示パネル組立装置に含まれる本圧着部の斜視図である。
図4図4は、実施の形態における本圧着部に備えられている水平回転駆動機構の構成説明図である。
図5図5は、実施の形態における下受部および吸引部の斜視図である。
図6図6は、実施の形態の本圧着部における制御系の構成を示すブロック図である。
図7A図7Aは、実施の形態の圧着部による圧着動作の一例を示すフローチャートである。
図7B図7Bは、実施の形態の圧着部による圧着動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態の圧着部による圧着動作の一例を説明するための図である。
図9図9は、実施の形態の圧着部による圧着動作の一例を説明するための図である。
図10図10は、実施の形態の圧着部による圧着動作の一例を説明するための図である。
図11図11は、実施の形態における圧着装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施の形態における圧着部の一部の他の構成例を示す図である。
図13図13は、表示パネル組立装置の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1の圧着装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0011】
上記特許文献1の圧着装置のように、小型液晶パネル実装設備では、生産性を上げるために2枚の表示パネル(以下、単にパネルともいう)を擬似的に同時に搬送して生産している。なお、擬似的に同時とは、完全に同時ではなく、2枚のパネルのそれぞれに対して行われる搬送および生産などの処理のタイミングには差があるが、それらのタイミングが凡そ同じであることを意味する。また、それぞれ表示パネルを構成する2枚の基板に対して擬似的に同時に行われる電子部品などの圧着対象物の圧着を、以下、擬似同時圧着という。
【0012】
このような上記特許文献1の圧着装置では、2枚の基板に対して擬似同時圧着を行うことによって、効率良く、かつ、高精度に圧着を行っている。
【0013】
しかし、このような上記特許文献1の圧着装置による圧着であっても、擬似同時圧着であるため、先に1枚目の基板に対する圧着が開始され、次に2枚目の基板の圧着が遅れて開始される。具体的には、上記特許文献1の圧着装置は、擬似同時圧着を行うときには、まず1枚目の基板を認識し、その基板の認識結果に基づいて、その1枚目の基板の位置の補正(すなわち位置合わせ)を行い、電子部品の圧着を行う。次に、圧着装置は、この1枚目の基板に対する圧着を行っているときに、つまり、1枚目の基板を圧着ツールと下受部との間に挟み込んだ状態で保持しているときに、2枚目の基板の位置の補正を行い、その2枚目の基板に対する部品の圧着を行う。つまり、1枚目の基板が圧着ツールで挟み込まれてその基板に対して加熱および加圧が開始されるタイミングと、2枚目の基板が圧着ツールで挟み込まれてその基板に対して加熱および加圧が開始されるタイミングとには、僅かな差がある。
【0014】
このような僅かなタイミングの差が、加熱時間および加圧時間などの生産条件の差となって現れ、2枚の基板に対して厳密に同一生産条件での生産をする必要がある場合には適さない。
【0015】
そこで、このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る圧着方法は、第1の基板の下面の一部に当接して前記第1の基板を保持するための第1の保持部と、第2の基板の下面の一部に当接して前記第2の基板を保持する第2の保持部とを備える圧着装置が、前記第1の基板および第2の基板のそれぞれに圧着対象物を圧着する圧着方法であって、前記第1の保持部および前記第2の保持部を含む保持機構を移動させて、前記第1の保持部に保持されている前記第1の基板の下面を、第1の下受部に支持させる第1の支持工程と、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持された状態に維持されるように、第1の吸引部に前記第1の基板を吸着させて、前記第1の保持部による前記第1の基板の保持を解除する第1の吸着工程と、前記第1の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持されているときに、前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を第2の下受部に支持させる第2の支持工程と、前記第1の吸引部によって吸着され、かつ、前記第1の下受部に支持されている前記第1の基板の上面に第1の圧着対象物を圧着し、前記第2の保持部に保持され、かつ、前記第2の下受部に支持されている前記第2の基板の上面に第2の圧着対象物を圧着する圧着工程と、を含む。
【0016】
例えば、保持機構が移動されるときには、第1の保持部と第2の保持部とが同時に移動する。したがって、第2の基板の位置決めを行ってその第2の基板を第2の下受部に支持させるときには、第1の下受部によって既に支持されて位置決めされている第1の基板の状態を維持しながら、第1の基板から第1の保持部を離す必要がある。しかし、上記特許文献1の圧着方法では、その第1の基板の状態の維持は、圧着ツールによる圧着によって行われている。つまり、圧着ツールが圧着対象物および第1の基板を下受部に押し付けることによって、既に位置決めされている第1の基板の状態が維持されている。その結果、第2の基板よりも第1の基板の方が先に圧着対象物の圧着が開始されてしまう。
【0017】
これに対して、本開示の一態様に係る圧着方法では、第1の吸着工程と第2の支持工程とが行われる。したがって、第2の基板の位置決めを行うときには、既に位置決めされている第1の基板の状態の維持は、圧着ツールではなく、第1の吸引部による吸着によって行われる。そして、本開示の一態様に係る圧着方法の圧着工程では、第1の吸引部によって吸着され、かつ、第1の下受部に支持されている第1の基板の上面に対して、第1の圧着対象物が圧着される。また、第2の保持部に保持され、かつ、第2の下受部に支持されている第2の基板7Bの上面に、第2の圧着対象物が圧着される。つまり、本開示の一態様に係る圧着方法では、圧着を行うために、第1の基板および第2の基板が、第1の下受部および第2の下受部にそれぞれ支持されている状態は、第1の吸引部による吸着と第2の保持部による保持によって維持されている。したがって、第1の基板および第2基板に対応する2つの圧着ツールは、第1の基板および第2の基板のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、2枚の基板の生産条件を容易に等しくすることができる。
【0018】
また、前記圧着工程では、前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の開始タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の開始タイミングとは、同時であってもよい。さらに、前記圧着工程では、前記第1の基板の上面に対する前記第1の圧着対象物の圧着の終了タイミングと、前記第2の基板の上面に対する前記第2の圧着対象物の圧着の終了タイミングとは、同時であってもよい。
【0019】
これにより、第1の基板および第2の基板に対応する2つの圧着ツールの制御タイミングに差を設けることなく、第1の基板および第2の基板のそれぞれに対して簡単に同時圧着を行うことができる。
【0020】
また、前記圧着装置が、さらに、前記保持機構に含まれる保持部として、第3の基板の下面の一部に当接して前記第3の基板を保持するための第3の保持部を備える場合には、前記圧着方法は、さらに、前記第1の吸着工程の開始後に、前記保持機構を移動させて、前記第3の保持部に保持されている前記第3の基板の下面を、第3の下受部に支持させる第3の支持工程と、前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持された状態に維持されるように、第2の吸引部に前記第3の基板を吸着させて、前記第3の保持部による前記第3の基板の保持を解除する第2の吸着工程とを含み、前記第2の支持工程では、前記第1の吸引部および前記第2の吸引部による吸着によって、前記第1の基板の下面が前記第1の下受部に支持され、かつ、前記第3の基板の下面が前記第3の下受部に支持されているときに、前記保持機構を移動させて、前記第2の保持部に保持されている前記第2の基板の下面を前記第2の下受部に支持させ、前記圧着工程では、さらに、前記第2の吸引部によって吸着され、かつ、前記第3の下受部に支持されている前記第3の基板の上面に第3の圧着対象物を圧着してもよい。
【0021】
これにより、2枚だけでなく、3枚の基板のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、3枚の基板の生産条件を容易に等しくすることができる。また、3個の圧着ツールによる圧着の開始タイミングを同時にしてもよく、3個の圧着ツールによる圧着の終了タイミングを同時にしてもよい。これにより、3個の圧着ツールの制御タイミングに差を設けることなく、3枚の基板のそれぞれに対して簡単に同時圧着を行うことができる。
【0022】
また、本開示の一態様に係る部品実装装置は、N枚(Nは2以上の整数)の基板の下面の一部に当接して前記N枚の基板をそれぞれ保持するためのN個の保持部と、N個の下受部と、前記N個の保持部を含む保持機構を移動させて、前記N個の保持部に保持されている前記N枚の基板の下面を、前記N個の下受部にそれぞれ支持させる移動機構と、前記N個の保持部のうちの(N−1)個の保持部による保持が解除される場合に、前記(N−1)個の保持部に対応する(N−1)枚の基板のそれぞれを吸着する(N−1)個の吸引部と、前記N枚の基板のそれぞれの上面に圧着対象物を圧着するN個の圧着ツールとを備え、前記N個の圧着ツールによって圧着される前記N枚の基板のうちの(N−1)枚の基板は、前記(N−1)個の吸引部にそれぞれ吸着され、かつ、前記N個の下受部のうちの(N−1)個の下受部にそれぞれ支持され、前記N個の圧着ツールによって圧着される前記N枚の基板のうちの残りの1枚の基板は、前記N個の保持部のうちの残りの1個の保持部に保持され、かつ、前記N個の下受部のうちの残りの1個の下受部に支持されていてもよい。
【0023】
これにより、2枚または3枚だけでなく、N枚の基板のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、N枚の基板の生産条件を容易に等しくすることができる。また、N個の圧着ツールによる圧着の開始タイミングを同時にしてもよく、N個の圧着ツールによる圧着の終了タイミングを同時にしてもよい。これにより、N個の圧着ツールの制御タイミングに差を設けることなく、N枚の基板のそれぞれに対して簡単に同時圧着を行うことができる。
【0024】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略同じなどの表現を用いている。例えば、略同じは、完全に同じであることを意味するだけでなく、実質的に同じである、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略同じは、本開示による効果を奏し得る範囲において同じという意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0027】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における表示パネル組立装置の平面図である。また、図2は、本実施の形態における表示パネル組立装置によって組み立てられる表示パネルの平面図である。
【0028】
表示パネル組立装置は、ガラス基板(以下、単に「基板」と略称する)に接着テープを介してドライバ用の電子部品を圧着により実装することによって、表示パネルの組立を行う。図1において基台1上には、待機ステージ2、接着テープ貼付部3、仮圧着部4、本圧着部5および搬出ステージ6が横一列に配置されている。ここで、本実施の形態では、本圧着部5が、圧着対象物を基板に圧着する圧着装置である。なお、圧着対象物は、例えば電子部品であるが、電子部品以外の物であってもよい。また、本実施の形態では、基板7の搬送方向をX軸方向といい、水平面においてそのX軸方向と垂直な方向をY軸方向という。さらに、X軸方向およびY軸方向に直交する方向をZ軸方向という。
【0029】
待機ステージ2は、電子部品がボンディングされる基板7を2枚載置可能なパネル載置テーブル2aを備えている。2枚の基板7は、パネル載置テーブル2a上においてプリセンタ機構(図示せず)によって位置合わせされ、これにより2枚の基板7の相対位置が合わされる。
【0030】
図2に示すように、基板7は、表示パネルを構成するためのガラス基板を2枚重ね合わせた構成になっている。基板7の相直交する2つの縁部7aおよび7bは、ガラス基板の回路形成面が露呈した部品実装面となっている。縁部7aおよび7bに設けられた接続用端子には、ドライバ用の電子部品8が圧着により実装される。
【0031】
接着テープ貼付部3は、基板保持部30に保持された2枚の基板7に対して、電子部品接合用の接着テープを貼り付ける。接着テープは、例えば、ACF(Anisotropic conductive film)テープである。基板保持部30は、XYZθテーブル機構31を備えている。基板保持部30は、接着テープ貼り付けの際には、XYZθテーブル機構31を駆動して、2枚の基板7の縁部を、基板保持部30に隣接して設けられた第1の下受部33Aおよび第2の下受部33B上にそれぞれ位置させる。そして、接着テープ貼付部3は、2枚の基板7の縁部が、それらの基板7に対応する第1の下受部33Aおよび第2の下受部33Bによって下受けされた状態で、圧着機構32によって接着テープの貼り付けを行う。なお、圧着機構32は、テープ貼付ユニット32Aおよび32Bからなり、テープ貼付ユニット32Aおよび32Bのそれぞれが基板7に対する接着テープの貼り付けを行う。
【0032】
仮圧着部4は、接着テープ貼付部3にて接着テープが貼りつけられ、基板保持部40に保持された2枚の基板7に、ドライバ用の電子部品8を搭載して仮圧着する。基板保持部40は、XYZθテーブル機構41を備えている。基板保持部40は、電子部品8が搭載される際には、XYZθテーブル機構41を駆動して、2枚の基板7の縁部を、基板保持部40に隣接して設けられた下受部47上に順次位置させる。そして、仮圧着部4は、基板7の縁部が下受部47によって下受けされた状態で、電子部品搭載機構42によって電子部品8の搭載を行う。ここでは、仮圧着部4は、電子部品搭載機構42のインデックステーブル42aに設けられた保持ヘッド45を矢印方向に順次インデックス回転させることにより、電子部品供給部43から取り出された電子部品8を、下受部47上の圧着作業位置まで搬送する。
【0033】
本圧着部5は、2つの圧着部5Aおよび5Bを備えている。圧着部5Aおよび5Bは、基板保持部50および60のそれぞれに保持された2枚の基板7に仮圧着された電子部品8を、圧着機構52および62によって本圧着する。すなわち、圧着装置としての本圧着部5においては、基板7に接着テープを介して搭載された電子部品8が圧着対象物となっている。圧着機構52には、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bが配設され、圧着機構62には、第3の下受部63Aおよび第4の下受部63Bが配設されている。本圧着の際には、圧着機構52および62は、第1のXYZθテーブル機構51および第2のXYZθテーブル機構61を駆動して、基板保持部50および60に保持された4枚の基板7の縁部を、それぞれの下受部53A、53B、63A、および63B上に移動させる。
【0034】
搬出ステージ6は、パネル搬出テーブル6aを備えており、パネル搬出テーブル6aには、本圧着部5によって本圧着が行われた後の基板7が載置される。また、上述の各作業ステージの手前側には、基板搬送機構70が配設されている。基板搬送機構70は、スライドテーブル71上で基板搬送方向(図1において左右方向、すなわちX軸方向)に往復動する移動部材72に、複数の基板搬送ヘッドを配設した構造となっている。そして移動部材72が移動することにより、複数の基板搬送ヘッドによって各作業ステージ間で基板7を同時に搬送できる。
【0035】
これらの基板搬送ヘッドのうち、第1の基板搬送ヘッド75および第2の基板搬送ヘッド76は、移動部材72に直接結合されている。第3の基板搬送ヘッド77および第4の基板搬送ヘッド78は、それぞれ第1の伸縮機構73および第2の伸縮機構74を介して移動部材72に結合されている。第1の基板搬送ヘッド75および第2の基板搬送ヘッド76は、待機ステージ2から接着テープ貼付部3へ、接着テープ貼付部3から仮圧着部4へ、それぞれ2枚の基板7を同時に搬送する。
【0036】
第3の基板搬送ヘッド77および第4の基板搬送ヘッド78は、仮圧着部4から本圧着部5へ、本圧着部5から搬出ステージ6へそれぞれ2枚の基板7を同時に搬送する。このとき、第1の伸縮機構73のロッド73aを伸縮させることにより、第3の基板搬送ヘッド77によって本圧着部5へ基板7を搬送する際の搬送先を、基板保持部50および60のいずれかに切り換えることができる。また、第2の伸縮機構74のロッド74aを伸縮させることにより、第4の基板搬送ヘッド78によって本圧着部5から基板7を取り出す際の基板7の取り出し元を、基板保持部50および60のいずれかに切り換えることができる。
【0037】
図3は、本実施の形態における表示パネル組立装置に含まれる圧着装置である本圧着部5の斜視図である。
【0038】
上述のように、本実施の形態における本圧着部5は、2つの圧着部5Aおよび5Bを備える。そして、圧着部5Aは、基板保持部50を備え、圧着部5Bは、基板保持部60を備える。
【0039】
基板保持部50および60は、それぞれ第1のXYZθテーブル機構51および第2のXYZθテーブル機構61を備えている。第1のXYZθテーブル機構51は、下からXテーブル51X、Yテーブル51Y、Zテーブル51Zおよび水平回転駆動機構51θを順に段積みして構成されている。第2のXYZθテーブル機構61も同様に、Xテーブル61X、Yテーブル61Y、Zテーブル61Zおよび水平回転駆動機構61θを順に段積みして構成されている。Xテーブル51Xおよび61Xは、共通のガイドレール上に設けられている。
【0040】
第1のXYZθテーブル機構51上には、基板保持部50の第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bが設けられている。同様に、第2のXYZθテーブル機構61上には、基板保持部60の第3の保持部64Aおよび第4の保持部64Bが設けられている。圧着部5Aは、第1のXYZθテーブル機構51を駆動することにより、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bに保持された基板7の縁部を、後述する第1の圧着ツール52Aによる第1の圧着位置、および第2の圧着ツール52Bによる第2の圧着位置にそれぞれ移動させる。また、圧着部5Bは、第2のXYZθテーブル機構61を駆動することにより、第3の保持部64Aおよび第4の保持部64Bに保持された基板7の縁部を、後述する第3の圧着ツール62Aによる第3の圧着位置、および第4の圧着ツール62Bによる第4の圧着位置にそれぞれ移動させる。
【0041】
基板保持部50の後方(すなわちY軸方向の奥側)には、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bが配設されている。第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bは、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bに保持された2枚の基板7を、それぞれ下方から同一高さで支持する。つまり、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bは、第1の圧着ツール52Aによる第1の圧着位置、および第2の圧着ツール52Bによる第2の圧着位置において、2枚の基板7を下方から支持する。また、基板保持部60の後方には、第3の下受部63Aおよび第4の下受部63Bが配設されている。第3の下受部63Aおよび第4の下受部63Bは、第3の保持部64Aおよび第4の保持部64Bに保持された2枚の基板7を、それぞれ下方から同一高さで支持する。つまり、第3の下受部63Aおよび第4の下受部63Bは、第3の圧着ツール62Aによる第3の圧着位置、および第4の圧着ツール62Bによる第4の圧着位置において、2枚の基板7を下方から同一高さで支持する。
【0042】
基板保持部50および60の上方には、基板認識カメラ56がX方向に移動可能に配設されている。基板認識カメラ56は、第1の保持部54A、第2の保持部54B、第3の保持部64A、および第4の保持部64B上の4枚の基板7を撮像する。この撮像により、本圧着部5は、4枚の基板7に設けられた認識マークを認識し、その4枚の基板7の位置を検出する。そして、本圧着部5は、この位置検出結果に基づいて、第1のXYZθテーブル機構51および第2のXYZθテーブル機構61を駆動することにより、第1の保持部54A、第2の保持部54B、第3の保持部64A、および第4の保持部64Bを水平方向に移動させる。その結果、保持されている4枚の基板7を第1の圧着位置、第2の圧着位置、第3の圧着位置、および第4の圧着位置に、それぞれ位置決めすることができる。
【0043】
第1の下受部53A、第2の下受部53B、第3の下受部63A、および第4の下受部63Bの上方には、それぞれ第1の圧着ツール52A、第2の圧着ツール52B、第3の圧着ツール62A、および第4の圧着ツール62Bが配設されている。本圧着部5は、仮圧着部4で電子部品8が接着テープ上に仮圧着された基板7の縁部を、その基板7に対応する圧着位置に位置決めする。そして、本圧着部5は、圧着ツールを基板7に対して下降させて押圧状態を所定の圧着時間保持する。これにより、電子部品8は基板7に接着テープを介して本圧着される。
【0044】
図4は、本実施の形態の圧着部5Aにおける水平回転駆動機構51θの構成説明図である。
【0045】
図4の(a)に示すように、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bのそれぞれの回転軸に結合されたプーリ35には、水平回転駆動機構51θに配設されたモータ36から、ベルト38およびプーリ37を介して回転が伝達される。したがって、モータ36を駆動することにより、第1の保持部34Aおよび第2の保持部34Bは水平面内でθ回転する。これにより、第1の保持部34Aおよび第2の保持部34Bのそれぞれに保持された基板7を、水平面内で回転させることができる。
【0046】
図4の(b)に示すように、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bの上面の高さ位置は同一ではない。つまり、第1の保持部54Aの上面よりも、第2の保持部54Bの上面の方が、ΔHだけ高い。このΔHは、保持対象の基板7の厚みtよりも大きく設定されている。したがって、第1の保持部34Aおよび第2の保持部34Bを回転させるときには、互いに隣接する2枚の基板7がそれぞれ異なる高さで回転する。
【0047】
このように、2枚の基板7を異なる高さ位置で保持することにより、第1の保持部54および第2の保持部54Bの間隔が狭くても、2枚の隣り合う基板7をθ回転させたときに、これらの基板7において干渉が発生することを抑えることができる。その結果、圧着部5Aの基板搬送方向(すなわちX軸方向)の寸法をコンパクト化することができる。また、圧着部5Bも、圧着部5Aと同様に構成されている。
【0048】
図5は、圧着部5Aにおける第1の下受部53Aと第1の吸引部53Cとを示す図である。
【0049】
本実施の形態における圧着部5Aは、基板7を吸着するための第1の吸引部53Cを備えている。第1の吸引部53Cには、バルブを介して真空源に接続される吸引孔53Dが形成されている。
【0050】
ここで、第1の吸引部53Cの吸引孔53Dが形成されている面は、第1の下受部53Aの上面と略同じ高さである。さらに、第1の吸引部53Cは、図4の(a)に示すように、第1の保持部54Aと第1の下受部53Aとの間に配置されている。
【0051】
したがって、第1の保持部54Aによって保持されている基板7の縁部の下面が、第1の下受部53Aによって支持される場合には、第1の吸引部53Cは、吸引孔53Dからの真空吸引によって、その基板7を吸着することができる。このように、第1の吸引部53Cによって吸着されている基板7は、第1の保持部54Aによる保持が解除されても、第1の下受部53Aによって支持された状態に維持される。つまり、第1の吸引部53Cは、第1の保持部54Aに代わって、基板7を第1の下受部53Aによって支持された状態に維持する。
【0052】
なお、第1の吸引部53Cは、第1の下受部53Aに対して配置され、第2の下受部53Bに対しては配置されていなくてもよい。また、図3に示すように、圧着部5Bも、第1の吸引部53Cと同様の構成を有する第2の吸引部63Cを備えている。この第2の吸引部63Cは、第3の下受部63Aに対して配置され、第4の下受部63Bに対しては配置されていなくてもよい。
【0053】
図6は、本実施の形態の圧着装置である本圧着部5における制御系の構成を示すブロック図である。
【0054】
本実施の形態における本圧着部5は、上述の各構成要素以外に、基板位置検出部86と、第1のバルブ87〜第6のバルブ92と、真空源82と、制御部79とを備える。なお、制御部79および真空源82は、接着テープ貼付部3および仮圧着部4と共用されていてもよい。また、真空源82は、表示パネル組立装置による表示パネルの組み立てが行われているときには継続的に駆動している。
【0055】
基板位置検出部86は、基板認識カメラ56の観察結果を取得し、その観察結果を認識処理することにより、第1の保持部54A、第2の保持部54B、第3の保持部64Aおよび第4の保持部64Bのそれぞれに保持された基板7の位置を認識する。位置認識結果は、制御部79に伝達される。
【0056】
制御部79は、圧着機構52および62と、第1のXYZθテーブル機構51と、第2のXYZθテーブル機構61とを制御する。このとき、制御部79は、4枚の基板7のそれぞれの位置認識結果に基づいて、第1のXYZθテーブル機構51および第2のXYZθテーブル機構61を制御する。これにより、圧着機構52および62に対して、4枚の基板7を水平方向、高さ方向およびθ回転方向に位置合わせすることができる。すなわち、制御部79は、基板位置検出部86によって認識された基板7の位置に基づいて、少なくとも4枚の基板7のXY方向の位置を制御する。その制御によって、制御部79は、2枚の基板7を、圧着機構52の第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bに対して位置決めする。さらに、制御部79は、2枚の基板7を、圧着機構62の第3の圧着ツール62Aおよび第4の圧着ツール62Bに対して位置決めする。
【0057】
第1の保持部54Aの上面に形成されている吸引孔と、第2の保持部54Bの上面に形成されている吸引孔とは、それぞれ第1のバルブ87および第2のバルブ88を介して真空源82に接続されている。また、第3の保持部64Aの上面に形成されている吸引孔と、第4の保持部64Bの上面に形成されている吸引孔とは、それぞれ第3のバルブ89および第4のバルブ90を介して真空源82に接続されている。制御部79は、第1のバルブ87、第2のバルブ88、第3のバルブ89および第4のバルブ90のそれぞれの開閉を制御する。これにより、制御部79は、第1の保持部54A、第2の保持部54B、第3の保持部64A、および第4の保持部64Bのそれぞれの上面に、基板7を真空吸引によって保持させたり、その保持を解除させたりする。
【0058】
また、本実施の形態における本圧着部5は、第1の吸引部53Cによる基板7の吸着とその吸着の解除とを切り替えるための第5のバルブ91を備えている。この第5のバルブ91は、第1の吸引部53Cの吸引孔53Dと真空源82とのそれぞれに配管を介して接続されている。制御部79は、この第5のバルブ91の開閉を制御することによって、第1の吸引部53Cの上面に、基板7を真空吸引によって吸着させたり、その吸着を解除させたりする。
【0059】
同様に、本実施の形態における本圧着部5は、第2の吸引部63Cによる基板7の吸着とその吸着の解除とを切り替えるための第6のバルブ92を備えている。この第6のバルブ92は、第2の吸引部63Cの吸引孔と真空源82とのそれぞれに配管を介して接続されている。制御部79は、この第6のバルブ92の開閉を制御することによって、第2の吸引部63Cの上面に、基板7を真空吸引によって吸着させたり、その吸着を解除させたりする。
【0060】
図7Aおよび図7Bは、本実施の形態における圧着部5Aによる圧着動作の一例を示すフローチャートである。図8図9および図10は、その圧着部5Aによる圧着動作の一例を説明するための図である。なお、以下の説明では、基板保持部50に保持されている2枚の基板7をそれぞれ区別するために、その2枚の基板7をそれぞれ第1の基板7Aおよび第2の基板7Bと記述する。また、圧着部5Bについても、図7A図10に示す例と同様の圧着動作を行う。
【0061】
まず、制御部79は、図7Aに示すように、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bのそれぞれの吸着をONにする(ステップS101)。
【0062】
次に、圧着部5Aは、第1の基板7Aと第2の基板7Bを基板認識カメラ56による観察位置へ移動させる(S102)。すなわち、圧着部5Aは、第1のXYZθテーブル機構51を駆動して第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを移動させる。これにより、第1の下受部53Aと第1の圧着ツール52Aの間に第1の基板7Aが配置され、第2の下受部53Bと第2の圧着ツール52Bの間に第2の基板7Bが配置される。
【0063】
これらの第1の基板7Aおよび第2の基板7Bの移動では、Zテーブル制御高さとして、第1レベルが指令される。第1レベルは、第1の保持部54A(低い方の保持部)に保持された第1の基板7Aの下面を、第1の下受部53Aおよび第1の吸引部53Cの上面よりも高い位置に位置させる状態に対応したレベルである。これにより、図8の(a)に示すように、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bは、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bから離れて上方に位置する。なお、図8図10において、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bのそれぞれの内部に記載されている矢印は、基板7の吸着がその保持部によって行われていることを示す。
【0064】
なお、この状態においては、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれの縁部7a(図2参照)側が、第1の下受部33Aおよび第2の下受部33B上に位置している。そして、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれの縁部7aには、電子部品8が接着テープを介して搭載されている。
【0065】
次いで、基板認識カメラ56は、第1の基板7Aと第2の基板7Bを観察する(S103)。そして、基板位置検出部86は、観察結果を認識処理することにより、第1の基板7Aと第2の基板7Bの位置を認識する。そして、制御部79は、位置認識結果に基づき第1のXYZθテーブル機構51を制御することにより、図8の(b)に示すように、第1の基板7Aを第1の圧着位置に位置決めする(S104)。
【0066】
次いで、制御部79は、Zテーブル制御高さとして、第2レベルを指令する。これにより、制御部79は、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを下降させ、図8の(c)に示すように、第1の基板7Aを第1の下受部53A上に着地させる(S105)。このとき、第1の基板7Aの下面は、第1の下受部53Aによって支持される。つまり、制御部79は、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを含む保持機構を移動させて、第1の保持部54Aに保持されている第1の基板7Aの下面を、第1の下受部53Aに支持させる。
【0067】
ここで、制御部79は、第1の吸引部53Cの吸着をONにする(ステップS106)。さらに、制御部79は、第1の保持部54Aの吸着をOFFにする(ステップS107)。これにより、第1の基板7Aは、第1の保持部54Aによって保持されず、第1の下受部53A上に配置された状態で、第1の吸引部53Cによって保持される。つまり、制御部79は、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持された状態に維持されるように、第1の吸引部53Cに第1の基板7Aを吸着させて、第1の保持部54Aによる第1の基板7Aの保持を解除する。
【0068】
そして、制御部79は、Zテーブル制御高さとして、第3レベルを指令する。これにより、制御部79は、図9の(a)に示すように、第1の基板7Aを第1の吸引部53Cに保持させながら、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを下向させる。その結果、第1のXYZθテーブル機構51は、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bを水平移動させることが可能な状態となる。この後、制御部79は、第2の基板7Bを第2の圧着位置に位置決めする(ステップS109)。なお、図9および図10において、第1の吸引部53Cの内部に記載されている矢印は、基板7の吸着が第1の吸引部53Cによって行われていることを示す。
【0069】
そして、制御部79は、Zテーブル制御高さとして第4レベルを指令する。これにより、図9の(b)に示すように、制御部79は、第2の基板7Bを第2の下受部53B上に着地させる(ステップS110)。つまり、制御部79は、第1の吸引部53Cによる吸着によって、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持されているときに、保持機構を移動させて、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bの下面を第2の下受部53Bに支持させる。
【0070】
そして、制御部79は、図9の(c)に示すように、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bを下降させる。これにより、制御部79は、第1の圧着ツール52Aによって圧着対象物である電子部品8を加圧して第1の基板7Aに圧着し、第2の圧着ツール52Bによって圧着対象物である電子部品8を加圧して第2の基板7Bに圧着する(ステップS111)。つまり、制御部79は、第1の吸引部53Cによって吸着され、かつ、第1の下受部53Aに支持されている第1の基板7Aの上面に第1の圧着対象物を圧着し、第2の保持部54Bに保持され、かつ、第2の下受部53Bに支持されている第2の基板7Bの上面に第2の圧着対象物を圧着する。このような、第1の基板7Aに対する圧着と、第2の基板7Bに対する圧着とは、同時に行われる。言い換えれば、第1の基板7Aの上面に対する第1の圧着対象物の圧着の開始タイミングと、第2の基板7Bの上面に対する第2の圧着対象物の圧着の開始タイミングとは、同時である。したがって、ステップS111では、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bに対する同時圧着が開始される。
【0071】
同時圧着が開始されると、制御部79は、圧着時間を計時し、所定の圧着時間が経過したか否かを判定する(ステップS112)。ここで、制御部79は、所定の圧着時間が経過したと判定すると(ステップS112のYes)、図10の(a)に示すように、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bを上昇させる(ステップS113)。このステップS113では、第1の基板7Aの上面に対する第1の圧着対象物の圧着の終了タイミングと、第2の基板7Bの上面に対する第2の圧着対象物の圧着の終了タイミングとは、同時である。したがって、ステップS113では、ステップS111で開始された同時圧着が終了する。
【0072】
次に、制御部79は、Zテーブル制御高さとして第2レベルを指令する。これにより、制御部79は、図10の(b)に示すように、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを上昇させて、第1の保持部54Aの上面を第1の基板7Aの下面に当接させる(ステップS114)。
【0073】
次に、制御部79は、第1の吸引部53Cの吸着をOFFにする(ステップS115)。すなわち、制御部79は、第1の吸引部53Cによる第1の基板7Aの吸着を解除する。さらに、制御部79は、第1の保持部54Aの吸着をONにする(ステップS116)。これにより、第1の基板7Aは、第1の吸引部53Cによって保持されず、第1の下受部53Aの上面に支持された状態で、第1の保持部54Aによって保持される。つまり、第1の保持部54Aが、第1の吸引部53Cに代わって、第1の基板7Aを保持する。
【0074】
そして、制御部79は、Zテーブル制御高さとして第1レベルを指令する。これにより、図10の(c)に示すように、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bは上昇し、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bは、それぞれの下受部から離れる(ステップS117)。
【0075】
この後、制御部79は、第1の保持部54Aと第2の保持部54Bを90°回転させる。これにより、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのいずれにおいても、既に電子部品8の本圧着作業が完了した縁部7a側に直交する縁部7b側(図2参照)が、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53B上のそれぞれの圧着位置に位置する。
【0076】
そしてこの後、制御部79は、ステップS104〜S117と同じ動作を実行する。すなわち、制御部79は、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれの縁部7bに対して、縁部7aに対する圧着動作のときと同様の順序で、ステップS104〜S117の処理を実行する。このとき、基板位置認識を改めて行う必要がある場合には、制御部79は、ステップS102〜S103の動作を再度実行する。
【0077】
そして全ての動作が完了すると、制御部79は、第1の保持部54Aと第2の保持部54Bを90°逆方向に回転する。これにより、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bの向きは、搬入時と同じ向きに戻され、これらの基板7は、この状態で第4の基板搬送ヘッド78によって搬出ステージ6へ搬送される。
【0078】
なお、制御部79は、上述のような基板7の吸着をONとOFFとに切り替えるときには、図6に示す第1のバルブ87〜第6のバルブ92のそれぞれの開閉を制御している。つまり、制御部79は、第1のバルブ87〜第6のバルブ92のそれぞれの開閉を制御することによって、第1の保持部54A、第2の保持部54B、および第1の吸引部53Cのそれぞれによる基板7の吸着をONとOFFとに切り替えている。
【0079】
以上のように、本実施の形態における本圧着部5の圧着部5Aおよび圧着部5Bは、それぞれ2枚の基板7に対して圧着対象物を同時に圧着することができる圧着装置である。例えば、圧着部5Aは、第1の基板7Aの下面の一部に当接してその第1の基板7Aを保持するための第1の保持部54Aと、第2の基板7Bの下面の一部に当接してその第2の基板7Bを保持する第2の保持部54Bとを備える圧着装置である。そして、このような圧着部5Aによって行われる圧着方法、すなわち、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれに圧着対象物を圧着する圧着方法は、以下の図11に示すステップS11〜S14の工程を含む。
【0080】
図11は、実施の形態における圧着装置である圧着部5Aの処理動作の一例を示すフローチャートである。なお、この図11は、図7に示す各工程のうち、同時圧着を行うための主要な工程を示すフローチャートである。
【0081】
上述のように、本実施の形態における圧着方法は、ステップS11〜S14の工程を含む。ステップS11は、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを含む保持機構を移動させて、第1の保持部54Aに保持されている第1の基板7Aの下面を、第1の下受部53Aに支持させる第1の支持工程である。
【0082】
ステップS12は、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持された状態に維持されるように、第1の吸引部53Cに第1の基板7Aを吸着させて、第1の保持部54Aによる第1の基板7Aの保持を解除する第1の吸着工程である。
【0083】
ステップS13は、第1の吸引部53Cによる吸着によって、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持されているときに、その保持機構を移動させて、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bの下面を第2の下受部53Bに支持させる第2の支持工程である。
【0084】
ステップS14は、第1の吸引部53Cによって吸着され、かつ、第1の下受部53Aに支持されている第1の基板7Aの上面に第1の圧着対象物を圧着し、第2の保持部54Bに保持され、かつ、第2の下受部53Bに支持されている第2の基板7Bの上面に第2の圧着対象物を圧着する圧着工程である。
【0085】
また、本実施の形態における圧着装置である圧着部5Aは、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bと、第1のXYZθテーブル機構51と、第1の吸引部53Cと、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bと、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bと、制御部79とを備える。第1の保持部54Aは、第1の基板7Aの下面の一部に当接してその第1の基板7Aを保持するための構成要素である。第2の保持部54Bは、第2の基板7Bの下面の一部に当接して第2の基板7Bを保持する構成要素である。第1のXYZθテーブル機構51は、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bを含む保持機構を移動させる移動機構である。第1の吸引部53Cは、第1の基板7Aを吸着するための構成要素である。そして、制御部79は、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bと、第1のXYZθテーブル機構51と、第1の吸引部53Cと、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bと、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bとを制御する。これらの制御によって、制御部79は、図11に示すステップS11〜S14の工程を実行する。
【0086】
ここで、保持機構が移動されるときには、第1の保持部54Aと第2の保持部54Bとが同時に移動する。したがって、第2の基板7Bの位置決めを行って第2の基板7Bを第2の下受部53Bに支持させるときには、第1の下受部53Aによって既に支持されて位置決めされている第1の基板7Aの状態を維持しながら、第1の基板7Aから第1の保持部54Aを離す必要がある。しかし、従来、その第1の基板7Aの状態の維持は、圧着ツールによる圧着によって行われている。つまり、圧着ツールが圧着対象物および第1の基板7Aを下受部に押し付けることによって、既に位置決めされている第1の基板7Aの状態が維持されている。その結果、第2の基板7Bよりも第1の基板7Aの方が先に圧着対象物の圧着が開始されてしまう。
【0087】
これに対して、本実施の形態における圧着方法では、ステップS12の第1の吸着工程とステップS13の第2の支持工程とが行われる。つまり、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持された状態に維持されるように、第1の基板7Aが第1の吸引部53Cに吸着され、第1の保持部54Aによる第1の基板7Aの保持が解除される。そして、第1の吸引部53Cによる吸着によって、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持されているときに、保持機構が移動して、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bが第2の下受部53Bに支持される。したがって、第2の基板7Bの位置決めを行うときには、既に位置決めされている第1の基板7Aの状態の維持は、第1の圧着ツール52Aではなく、第1の吸引部53Cによる吸着によって行われる。
【0088】
そして、本実施の形態における圧着方法では、第2の基板7Bの位置決めが行われてその第2の基板7Bが第2の下受部53Bに支持された後には、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bによる圧着が行われる。このとき、第1の吸引部53Cによって吸着され、かつ、第1の下受部53Aに支持されている第1の基板7Aの上面に、第1の圧着ツール52Aが第1の圧着対象物を圧着する。また、第2の保持部54Bに保持され、かつ、第2の下受部53Bに支持されている第2の基板7Bの上面に、第2の圧着ツール52Bが第2の圧着対象物を圧着する。つまり、本実施の形態における圧着方法では、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bが、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bにそれぞれ支持されている状態は、第1の吸引部53Cによる吸着と第2の保持部54Bによる保持によって維持されている。したがって、第1の圧着ツール52Aと第2の圧着ツール52Bとは、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、2枚の基板7の生産条件を容易に等しくすることができる。
【0089】
また、本実施の形態では、第1の基板7Aの上面に対する第1の圧着対象物の圧着の開始タイミングと、第2の基板7Bの上面に対する第2の圧着対象物の圧着の開始タイミングとを、同時にしてもよい。また、第1の基板7Aの上面に対する第1の圧着対象物の圧着の終了タイミングと、第2の基板7Bの上面に対する第2の圧着対象物の圧着の終了タイミングとは、同時であってもよい。
【0090】
これにより、第1の圧着ツール52Aと第2の圧着ツール52Bとの制御タイミングに差を設けることなく、第1の基板7Aおよび第2の基板7Bのそれぞれに対して簡単に同時圧着を行うことができる。
【0091】
ここで、本実施の形態における圧着部5Aおよび5Bのそれぞれは、2枚の基板7に対する圧着を行うが、3枚以上の基板7に対して圧着を行ってもよい。つまり、圧着装置は、さらに、上述の保持機構に含まれる保持部として、第3の基板7の下面の一部に当接してその第3の基板7を保持するための第3の保持部を備えてもよい。この場合、本実施の形態における圧着方法は、さらに、第3の支持工程と、第2の吸着工程とを含む。第3の支持工程では、制御部79は、第1の吸着工程(ステップS12)の開始後に、その保持機構を移動させて、第3の保持部に保持されている第3の基板7の下面を、第3の下受部に支持させる。第2の吸着工程では、制御部79は、第3の基板7の下面が第3の下受部に支持された状態に維持されるように、第2の吸引部に第3の基板7を吸着させて、第3の保持部による第3の基板7の保持を解除する。そして、第2の支持工程(ステップS13)では、第1の吸引部53Cおよび第2の吸引部による吸着によって、第1の基板7Aの下面が第1の下受部53Aに支持され、かつ、第3の基板7の下面が第3の下受部に支持されているときに、制御部79が、保持機構を移動させて、第2の保持部54Bに保持されている第2の基板7Bの下面を第2の下受部53Bに支持させる。また、圧着工程(ステップS14)では、さらに、制御部79は、第2の吸引部によって吸着され、かつ、第3の下受部に支持されている第3の基板7の上面への第3の圧着対象物の圧着を、第3の圧着ツールに実行させる。
【0092】
これにより、上述と同様、3枚の基板7のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、3枚の基板7の生産条件を容易に等しくすることができる。また、3個の圧着ツールによる圧着の開始タイミングを同時にしてもよく、3個の圧着ツールによる圧着の終了タイミングを同時にしてもよい。これにより、3個の圧着ツールの制御を簡単にしながら、3枚の基板7のそれぞれに対して同時圧着を行うことができる。
【0093】
図12は、圧着部5Aの一部の他の構成例を示す図である。この図12によって示される圧着部5Aは、3枚の基板7のそれぞれに対して同時圧着を行うことができる構成を有する。
【0094】
具体的には、圧着部5Aは、第1の圧着ツール52Aおよび第2の圧着ツール52Bだけでなく、上記第3の圧着ツールに相当する圧着ツール52Cを備える。この圧着ツール52Cは、第1の圧着ツール52Aと第2の圧着ツール52Bとの間に配置されている。
【0095】
さらに、圧着部5Aは、第1の下受部53Aおよび第2の下受部53Bだけでなく、上記第3の下受部に相当する下受部53Eを備える。この下受部53Eは、第1の下受部53Aと第2の下受部53Bとの間に配置されている。
【0096】
さらに、圧着部5Aは、第1の吸引部53Cだけでなく、上記第2の吸引部に相当する吸引部53Fを備える。吸引部53Fは、第1の吸引部53CとX軸方向に沿って並び、かつ、下受部53Eに対して取り付けられている。
【0097】
さらに、圧着部5Aは、第1の保持部54Aおよび第2の保持部54Bだけでなく、上記第3の保持部に相当する保持部54Cを備える。この保持部54Cは、水平回転駆動機構51θの上における、第1の保持部54Aと第2の保持部54Bとの間に配置されている。
【0098】
このような圧着部5Aは、圧着工程(ステップS14)では、第1の吸引部53Cによって吸着され、かつ、第1の下受部53Aに支持されている基板7の上面に圧着対象物を圧着し、第2の保持部54Bに保持され、かつ、第2の下受部53Bに支持されている基板7の上面に圧着対象物を圧着する。このとき、圧着部5Aは、さらに、吸引部53Fによって吸着され、かつ、下受部53Eに支持されている基板7の上面に圧着対象物を圧着する。これにより、3枚の基板7のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。
【0099】
また、圧着部5Aおよび5Bなどの圧着装置は、N(Nは2以上の整数)個の保持部と、N個の下受部と、移動機構と、(N−1)個の吸引部と、N個の圧着ツールとを備えてもよい。N個の保持部は、N枚の基板7の下面の一部に当接してそのN枚の基板7をそれぞれ保持するための構成要素である。移動機構は、そのN個の保持部を含む保持機構を移動させて、そのN個の保持部に保持されているN枚の基板7の下面を、N個の下受部にそれぞれ支持させる構成要素である。(N−1)個の吸引部は、N個の保持部のうちの(N−1)個の保持部による保持が解除される場合に、その(N−1)個の保持部に対応する(N−1)枚の基板7のそれぞれを吸着する構成要素である。N個の圧着ツールは、N枚の基板7のそれぞれの上面に圧着対象物を圧着するツールである。そして、そのN個の圧着ツールによって圧着されるN枚の基板7のうちの(N−1)枚の基板7は、(N−1)個の吸引部にそれぞれ吸着され、かつ、N個の下受部のうちの(N−1)個の下受部にそれぞれ支持されている。そして、そのN個の圧着ツールによって圧着されるN枚の基板7のうちの残りの1枚の基板7は、N個の保持部のうちの残りの1個の保持部に保持され、かつ、N個の下受部のうちの残りの1個の下受部に支持されている。
【0100】
これにより、上述と同様、N枚の基板7のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができる。その結果、N枚の基板7の生産条件を容易に等しくすることができる。また、N個の圧着ツールによる圧着の開始タイミングを同時にしてもよく、N個の圧着ツールによる圧着の終了タイミングを同時にしてもよい。これにより、N個の圧着ツールの制御を簡単にしながら、N枚の基板7のそれぞれに対して同時圧着を行うことができる。
【0101】
以上、本開示の一態様に係る圧着方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0102】
例えば、本実施の形態における本圧着部5は、圧着部5Aおよび5Bを備えているが、これらの圧着部のうちの何れか1つだけを備えていてもよく、3つ以上の圧着部を備えていてもよい。
【0103】
また、本実施の形態における本圧着部5では、第1の吸引部53Cが、第1の下受部53Aと第1の保持部54Aとの間に配置され、第2の吸引部63Cが、第3の下受部63Aと第3の保持部64Aとの間に配置されている。しかし、第1の吸引部53Cおよび第2の吸引部63Cはそれぞれ、上述のように配置されていなくてもよい。つまり、第1の吸引部53Cは、基板7が第1の下受部53Aによって支持されている状態が、第1の吸引部53Cによる基板7の吸着によって維持されれば、どのような位置に配置されていてもよい。同様に、第2の吸引部63Cは、基板7が第3の下受部63Aによって支持されている状態が、第2の吸引部63Cによる基板7の吸着によって維持されれば、どのような位置に配置されていてもよい。
【0104】
また、本実施の形態における第1の吸引部53Cおよび第2の吸引部63Cには、XY平面において四角形の吸引孔が形成されているが、この吸引孔の形状はどのような形状であってもよい。また、1つの吸引孔だけでなく、複数の吸引孔が第1の吸引部53Cおよび第2の吸引部63Cのそれぞれに形成されていてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態における図1に示す表示パネル組立装置は、いわゆるロータリー型の仮圧着部4を備えているが、いわゆる固定型の仮圧着部を備えていてもよい。
【0106】
つまり、仮圧着部4は、図1に示すように、電子部品搭載機構42のインデックステーブル42aに設けられた保持ヘッド45を順次インデックス回転させるロータリー型に構成されている。このインデックス回転によって、電子部品供給部43から取り出された電子部品8が、下受部47上の圧着作業位置まで搬送される。
【0107】
しかし、本実施の形態における表示パネル組立装置は、このようなインデックス回転を行うことがない固定型の仮圧着部を備えていてもよい。
【0108】
図13は、表示パネル組立装置の他の例を示す平面図である。
【0109】
表示パネル組立装置は、左方基台111a、中央基台111bおよび右方基台111cからなる基台111を備える。これらの3つの基台は、オペレータOPから見た左右方向(図13における紙面左右方向、すなわちX軸方向)の左側から、左方基台111a、中央基台111b、右方基台111cの順に配置されている。左方基台111aには搬入基板載置部121が備えられ、中央基台111bには部品実装実行部122が備えられ、右方基台111cには搬出基板載置部123が備えられている。基板7は、X軸方向を左側から右側に、すなわち搬入基板載置部121、部品実装実行部122、搬出基板載置部123の順に流れて順次作業が施される。
【0110】
搬入基板載置部121は、2つの基板載置ステージ121sを有している。これらの2つの基板載置ステージ121sには、表示パネル組立装置の上流工程側から送られてきた2枚の基板7が載置される。
【0111】
搬出基板載置部123は、2つの基板載置ステージ123sを有している。これらの2つの基板載置ステージ123sには、部品実装実行部122によって電子部品8の圧着作業が終了した2枚の基板7が載置される。
【0112】
部品実装実行部122は、ACF貼着作業部122aと、部品搭載作業部122bと、部品圧着作業部122cと、部品圧着作業部122dとを備える。
【0113】
ここで、中央基台111bには、第1のベース部131および第2のベース部132が配置されている。第1のベース部131には、2つの基板搭載ステージ136を有する左方基板移送部133Lが設けられている。また、第2のベース部132には、それぞれ2つの基板搭載ステージ153を有する中央基板移送部133Cと右方基板移送部133Rとが設けられている。左方基板移送部133Lは、2つの基板搭載ステージ136のそれぞれに保持された基板7をACF貼着作業部122aの作業位置に移動させる。中央基板移送部133Cは、2つの基板搭載ステージ153のそれぞれに保持された基板7を、部品搭載作業部122bの作業位置と、部品圧着作業部122cの作業位置とに移動させる。右方基板移送部133Rは、2つの基板搭載ステージ153のそれぞれに保持された基板7を、部品搭載作業部122bの作業位置と、部品圧着作業部122dの作業位置とに移動させる。
【0114】
また、基台111には、移動ベース181が配置されている。この移動ベース181上には、左方基板移載部182aと、中央基板移載部182bと、右方基板移載部182cとが設けられている。これらの左方基板移載部182a、中央基板移載部182b、および右方基板移載部182cによって、2つの基板7は移送される。つまり、2つの基板7は、搬入基板載置部121から、左方基板移送部133Lに移送され、左方基板移送部133Lから、中央基板移送部133Cまたは右方基板移送部133Rに移送される。さらに、2つの基板7は、中央基板移送部133Cまたは右方基板移送部133Rから、搬出基板載置部123に移送される。
【0115】
ACF貼着作業部122aは、左方基板移送部133Lの2つの基板搭載ステージ136のそれぞれに保持され、作業位置に配置されている基板7の縁部に接着テープ(具体的にはACFテープ)を貼着する。
【0116】
部品搭載作業部122bは、上記実施の形態における仮圧着部4に相当する部品実装装置であって、基板7への電子部品8の搭載作業を行う。つまり、部品搭載作業部122bは、基板7への電子部品8の仮圧着を行う。具体的には、部品搭載作業部122bは、中央基板移送部133Cまたは右方基板移送部133Rの2つの基板搭載ステージ153のそれぞれに保持され、部品搭載作業部122bの作業位置に配置されている基板7の縁部に、接着テープを介して、電子部品8を搭載する。より具体的には、部品搭載作業部122bは、基板搭載ステージ153に保持され、かつ、バックアップステージ164に下方から支持されている基板7の縁部に、接着テープを介して電子部品8を搭載する。
【0117】
ここで、上述の部品搭載作業部122bは、電子部品8を仮圧着するための搭載ヘッド163を備えている。この部品搭載作業部122bは、上記実施の形態における仮圧着部4とは異なり、電子部品8を仮圧着するときには、その搭載ヘッド163をインデックス回転させることなく、搭載ヘッド移動機構162によってX軸方向およびY軸方向に移動させる。具体的には、搭載ヘッド163は、中央基台111bの後方にある部品供給部161に移動し、その部品供給部161から供給される電子部品8を上方から吸着する。次に、搭載ヘッド163は、バックアップステージ164に支持されている基板7の上方に、電子部品8を吸着した状態で移動し、降下することによって、電子部品8をその基板7に仮圧着する。
【0118】
部品圧着作業部122cおよび122dはそれぞれ、部品搭載作業部122bによって電子部品8の搭載作業が行われた基板7に、その電子部品8を圧着する。つまり、部品圧着作業部122cおよび122dはそれぞれ、基板7への電子部品8の本圧着を行う。具体的には、部品圧着作業部122cは、中央基板移送部133Cの2つの基板搭載ステージ153のそれぞれに保持され、部品圧着作業部122cの作業位置に配置されている基板7に電子部品8を圧着する。同様に、部品圧着作業部122dは、右方基板移送部133Rの2つの基板搭載ステージ153のそれぞれに保持され、部品圧着作業部122dの作業位置に配置されている基板7に電子部品8を圧着する。このとき、部品圧着作業部122cおよび122dはそれぞれ、上記実施の形態における圧着部5Aおよび5Bのように、2枚の基板7に対して同時圧着を行う。これにより、2枚の基板のそれぞれに対して容易に同じ時間だけ圧着を行うことができるため、2枚の基板の生産条件を容易に等しくすることができる。
【0119】
このように、本開示における圧着装置および圧着方法は、図1に示すロータリー型の仮圧着部4を備えた表示パネル組立装置に限定されることなく、どのようなタイプの表示パネル組立装置にも適用することができる。
【0120】
また、上記実施の形態において、制御部79は、専用のハードウェアで構成されるか、制御部79に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御部79は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の制御部79などを実現するソフトウェアは、図7A図7B、および図11のうちの何れかのフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本開示の圧着方法は、複数の基板の生産条件を容易に等しくすることができるという効果を有し、ガラス基板に電子部品を圧着により実装して表示パネルを組み立てる装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0122】
3 接着テープ貼付部
4 仮圧着部
5 本圧着部
5A、5B 圧着部
7 基板
7A 第1の基板
7B 第2の基板
52A 第1の圧着ツール
52B 第2の圧着ツール
50、60 基板保持部
51 第1のXYZθテーブル機構
52A 第1の圧着ツール
52B 第2の圧着ツール
53A 第1の下受部
53B 第2の下受部
53C 第1の吸引部
54A 第1の保持部
54B 第2の保持部
79 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13