特開2019-208093(P2019-208093A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 理想科学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000003
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000004
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000005
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000006
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000007
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000008
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000009
  • 特開2019208093-画像処理装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-208093(P2019-208093A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/41 20060101AFI20191108BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   H04N1/41
   H04N1/32 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-101300(P2018-101300)
(22)【出願日】2018年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】▲キョウ▼ 衛東
【テーマコード(参考)】
5C075
5C178
【Fターム(参考)】
5C075CD06
5C178BC02
5C178CC12
5C178CC23
5C178CC52
5C178DC06
5C178EC04
5C178EC53
(57)【要約】
【課題】画像処理装置において、コード化原稿データの情報量を抑制する。
【解決手段】画像処理装置(ユーザ端末10)は、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する制御部11を備え、この制御部11は、原稿データD1に含まれる画像領域A1,A2及び非画像領域A3のうち画像領域A1,A2の情報量を、画像領域A1,A2に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1をコード化する(ステップS13)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿データをコード化することによってコード化原稿データを生成する制御部を備え、
前記制御部は、前記原稿データに含まれる画像領域及び非画像領域のうち前記画像領域の情報量を、当該画像領域に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、前記原稿データをコード化する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像領域の内容に基づき、当該画像領域の前記圧縮レベルを設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像領域の濃度分布の幅が広い場合に圧縮量が少なくなるように前記圧縮レベルを設定し、前記濃度分布の幅が狭い場合に圧縮量が多くなるように前記圧縮レベルを設定する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿データをコード化することによってコード化原稿データを生成する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の動作モードを規定するための情報をコード化(例えば、2次元コード、電子透かし、バーコード、マークなど)して紙媒体に付加し、このコード化された情報を検出した画像形成装置が、上記の動作モードの内容に基づいて制御を行う技術が知られている。例えば、紙媒体から複写禁止のコード化情報を読み取って検出し、このコード化情報から復号された複写禁止の動作モードに従う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、原稿全体の原稿データをコード化したコード化原稿データを用紙に印刷しておき、復号時には、この用紙からコード化原稿データを読み取って原稿データへの復号を行い印刷する技術も知られている。この技術によれば、セキュリティを確保することができるとともに原稿データの画質の劣化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−223093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特に上述のように原稿全体の原稿データをコード化したコード化原稿データは、情報量が増える。それに伴い、コード化原稿データが印刷された用紙(媒体)の印刷枚数が、実際の原稿枚数よりも増える。なお、通常、原稿データの非画像領域(文字領域)よりも画像領域(写真領域)の情報量が多い。
【0006】
このようにコード化原稿データが印刷された用紙の印刷枚数が増えると、コード化原稿データの読み取り、及びコード化原稿データから原稿データへの復号の時間が増えるため、ファーストプリント時間が長くなる。
【0007】
また、コード化原稿データの印刷枚数が増えると、コード化原稿データが印刷された用紙が紛失されやすくなる。
【0008】
本発明の目的は、コード化原稿データの情報量を抑制することができる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、画像処理装置は、原稿データをコード化することによってコード化原稿データを生成する制御部を備え、前記制御部は、前記原稿データに含まれる画像領域及び非画像領域のうち前記画像領域の情報量を、当該画像領域に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、前記原稿データをコード化する。
【発明の効果】
【0010】
前記態様によれば、コード化原稿データの情報量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態におけるユーザ端末を示す構成図である。
図2】実施の形態における画像形成装置を示す構成図である。
図3】実施の形態における原稿データを示す図である。
図4】実施の形態における、コード化原稿データが印刷された用紙を示す図である。
図5】実施の形態におけるコード化処理を示すフローチャートである。
図6】実施の形態における画像領域の濃度分布を示す図である。
図7】変形例における画質レベル設定画面を示す図である。
図8】実施の形態における復号処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る画像処理装置について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、実施の形態におけるユーザ端末10を示す構成図である。
図2は、実施の形態における画像形成装置20を示す構成図である。
【0014】
図1に示すユーザ端末10は、画像処理装置の一例であり、制御部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、インターフェース15とを備える。なお、ユーザ端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ等の設置型端末であるか、或いは、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯型端末である。
【0015】
図2に示す画像形成装置20は、ユーザ端末10と無線又は有線で接続されており、制御部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、インターフェース25と、印刷部26と、読取部27と、搬送部28とを備える。
【0016】
詳しくは後述するが、ユーザ端末10は、例えばユーザ端末10において作成された図3に2点鎖線で示す原稿データD1の全体をコード化することによって図4に示すコード化原稿データD2を生成する。また、ユーザ端末10は、画像形成装置20に対し、媒体の一例である用紙Pにコード化原稿データD2を印刷させる。また、復号時には、画像形成装置20は、用紙Pから、印刷されたコード化原稿データD2を読み取り、原稿データD1に復号し、用紙Pとは異なる用紙に印刷する。なお、コード化原稿データD2を用紙Pに印刷する画像形成装置20とは異なる画像形成装置によって、原稿データD1への復号及び印刷が行われてもよく、この場合、原稿データD1への復号及び印刷を行う画像形成装置は、ユーザ端末10と無線又は有線で接続されていなくともよい。
【0017】
ユーザ端末10は、このユーザ端末10において作成された原稿データD1ではなく、画像形成装置20によって読み取られた原稿データD1を取得し、この取得した原稿データD1のコード化を行ってもよいが、この場合、公知の像域分離によって原稿データD1から後述する画像領域を抽出するとよい。また、原稿データD1への復号は、画像形成装置20ではなくユーザ端末10によって行われてもよい。この場合、ユーザ端末10は、画像形成装置20によって読み取られたコード化原稿データD2を取得し、原稿データD1への復号を行う。また、画像形成装置20によって復号された原稿データD1は、復号直後に印刷が行われずに、ユーザ端末10に送られてもよい。
【0018】
また、画像形成装置20が、例えばユーザ端末10において作成された原稿データD1のコード化を行ってもよい。この場合、画像形成装置20は、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する画像処理装置の一例として機能する。このように、画像処理装置は、ユーザ端末10に限られない。
【0019】
図1に示すユーザ端末10の制御部11は、ユーザ端末10全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有する。このプロセッサは、所定のプログラムを読み出して実行し、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する。また、詳しくは後述するが、制御部11のプロセッサは、図3に示す原稿データD1に含まれる2点鎖線で示す画像領域(写真領域)A1,A2及び非画像領域A3のうち画像領域A1,A2の情報量を、画像領域A1,A2に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1をコード化する。
【0020】
ここで、制御部11のプロセッサが実行するプログラムは、原稿データD1に含まれる画像領域A1,A2及び非画像領域A3のうち画像領域A1,A2の情報量を、画像領域A1,A2に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する機能をコンピュータ(ユーザ端末10又は制御部11)に実行させるプログラムを含む。
【0021】
また、コンピュータ(ユーザ端末10又は制御部11)は、原稿データD1に含まれる画像領域A1,A2及び非画像領域A3のうち画像領域A1,A2の情報量を、画像領域A1,A2に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する画像処理方法を行う。
【0022】
記憶部12は、例えば、所定のプログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、制御部11が各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)、ハーディディスク装置などである。
【0023】
入力部13は、例えば、キーボード装置、マウス装置、タッチパネルなどであり、ユーザによる各種の操作情報の入力を受け付ける。
【0024】
表示部14は、ユーザの入力操作のための表示画面などの各種情報を表示するディスプレイである。
【0025】
インターフェース15は、画像形成装置20などの他の装置との間での各種情報の授受を行う。
【0026】
図2に示す画像形成装置20の制御部21は、画像形成装置20全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU)を有する。このプロセッサは、所定のプログラムを読み出して実行することにより、用紙Pから、印刷されたコード化原稿データD2を読み取り、原稿データD1に復号し、印刷部26に対し、復号された原稿データD1を用紙Pとは異なる用紙に印刷させる。
【0027】
記憶部22は、例えば、所定のプログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM、制御部21が各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM、ハーディディスク装置などである。
【0028】
入力部23は、例えば、タッチパネル、入力ボタンなどであり、ユーザによる各種の操作情報の入力を受け付ける。
【0029】
表示部24は、ユーザの入力操作のための表示画面などの各種情報を表示するディスプレイである。
【0030】
インターフェース25は、ユーザ端末10などの他の装置との間での各種情報の授受を行う。
【0031】
印刷部26は、コード化原稿データD2から復号された原稿データD1を印刷する。印刷部26の印刷方式は、例えば、インクジェット印刷方式、孔版印刷方式などであるが、特に制限されない。なお、画像形成装置20が孔版印刷装置である場合には、例えば256階調の濃淡のある原稿データD1は、後述する画像領域A1,A2の圧縮とは別に、2値化される。
【0032】
読取部27は、媒体(用紙P)から画像データ(原稿データ)を読み取るスキャナを有する。このスキャナは、用紙Pからコード化原稿データD2を読み取る。
【0033】
搬送部28は、読取部27によってコード化原稿データD2の読み取りが行われる用紙Pや、コード化原稿データD2から復号された原稿データD1の印刷部26による印刷が行われる用紙等の媒体の搬送を行う。
【0034】
図5は、コード化処理を示すフローチャートである。
図5に示す各処理は、ユーザ端末10の制御部11が記憶部12から所定のプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0035】
まず、制御部11は、図3に示す原稿データD1から画像領域A1,A2を抽出する(ステップS11)。制御部11は、例えば、原稿データD1に含まれる画像領域A1,A2の画像形式などに基づいて画像領域A1,A2を抽出すればよい。なお、原稿データD1のうち画像領域A1,A2以外の部分は、文字領域と余白領域とを含む非画像領域A3である。
【0036】
また、制御部11は、抽出された画像領域A1,A2を例えば太枠で囲むことによって強調した状態で、原稿データD1を表示部14にプレビュー表示してもよい。なお、画像領域A1,A2は、表示部14に表示された原稿データD1に対し、ユーザによって範囲や位置が選択されてもよい。また、制御部11は、上述のように、表示部14にプレビュー表示した原稿データD1における強調表示された画像領域A1,A2を初期状態として、ユーザによる画像領域A1,A2の追加や、削除や、範囲又は位置の変更などを受け付けてもよい。
【0037】
次に、制御部11は、画像領域A1,A2の内容に基づき、画像領域A1,A2の画質レベル(圧縮レベル)を設定する(ステップS12)。例えば、制御部11は、図6に示す画像領域の濃度分布において、頻度が所定数以上の濃度の分布幅が第1の閾値以上の場合(分布幅が広い場合)には、画質レベルが高画質と判断する。また、制御部11は、濃度の分布幅が第2の閾値以上で且つ第1の閾値未満の場合には、画質レベルが普通画質と判断する。また、制御部11は、濃度の分布幅が第2の閾値未満の場合には、画質レベルが低画質と判断する。なお、濃度の分布が複数箇所で頻度が高まる場合には、いずれかの最大の分布幅に基づいて画質レベルを判断してもよいし、或いは、それぞれの分布幅を足し合わせた分布幅に基づいて画質レベルを判断してもよい。
【0038】
そして、制御部11は、例えば、高画質の画像領域については画像形成装置20の出力解像度に落とし、普通画質の画像領域については副走査方向のみ出力解像度を半分に落とし、低画質の画像領域については主操作方向及び副走査方向の出力解像度を半分に落とすように、圧縮レベルを設定する。すなわち、制御部11は、画像領域の濃度分布の幅が広い場合に圧縮量が少なくなるように圧縮レベルを設定し、濃度分布の幅が狭い場合に圧縮量が多くなるように圧縮レベルを設定するとよい。但し、制御部11は、画像領域A1,A2の濃度分布の幅に限らず、画像領域A1,A2の階調数や大きさなどの他の内容に基づいて圧縮レベルを設定してもよい。
【0039】
また、制御部11は、図7(変形例における画質レベル設定画面を示す図)に示す画質レベル設定画面Sを表示部14に表示させ、ユーザに画像領域A1,A2の画質レベル(圧縮レベル)を選択させてもよい。また、圧縮レベルは、ユーザによって事前に設定されていてもよい。また、制御部11は、階調数を減らすことで画像領域A1,A2を圧縮してもよい。
【0040】
次に、制御部11は、画像領域A1,A2の情報量を、上述のように設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1の例えば全体を公知の方式でコード化することによってコード化原稿データD2を生成する(ステップS13)。なお、制御部11は、復号後に元の画質レベルに戻すために、上述のように設定した圧縮レベルの情報を、図4に示すヘッダー情報D2a(図4に便宜上示す点線よりも上の部分)などにおいてコード化原稿データD2に含ませるとよい。
【0041】
次に、制御部11は、画像形成装置20に対し、コード化原稿データD2の用紙Pへの印刷を行わせる(ステップS14)。なお、用紙Pには、コード化原稿データD2の向きを表す情報(図4における黒い上向き三角)、コード化原稿データD2の位置を表す情報(コード化原稿データD2の四つ角の黒い四角部分)、コード化原稿データD2から復号された原稿データD1を印刷する場合の用紙サイズの情報(印刷情報)、原稿データD1のファイル名の情報、用紙Pのページ数の情報などが印刷されるとよい。
【0042】
図8は、復号処理を示すフローチャートである。
図8に示す各処理は、画像形成装置20の制御部21が記憶部22から所定のプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0043】
まず、制御部21は、読取部27が読み取った図4に示す用紙Pのコード化原稿データD2を取得する(ステップS21)。
【0044】
次に、制御部21は、読取部27によって読み取られたコード化原稿データD2から原稿データD1に復号する(ステップS22)。この復号時には、制御部21は、コード化原稿データD2のヘッダー情報D2aに含まれる画像領域A1,A2の圧縮レベルの情報を取得する。
【0045】
次に、制御部21は、画像領域A1,A2の圧縮レベルの情報に基づき、圧縮された画像領域A1,A2を公知の画像処理によって復元し、印刷画像を生成する(ステップS23)。
【0046】
次に、制御部21は、上記の印刷画像の印刷を印刷部26に行わせる(ステップS24)。
【0047】
以上説明した本実施の形態では、画像処理装置の一例であるユーザ端末10は、原稿データD1をコード化することによってコード化原稿データD2を生成する制御部11を備え、この制御部11は、原稿データD1に含まれる画像領域A1,A2及び非画像領域A3のうち画像領域A1,A2の情報量を、画像領域A1,A2に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、原稿データD1をコード化する。
【0048】
そのため、非画像領域A3よりも情報量が多い画像領域A1,A2の情報量を抑制することができる。これにより、画像領域A1,A2を含む原稿データD1をコード化することによって生成されるコード化原稿データD2の情報量も抑制することができる。更には、コード化原稿データD2の情報量を抑制することができるため、コード化原稿データD2が印刷された用紙Pの枚数が増えるのを抑制することができる。これにより、コード化原稿データD2が印刷された用紙Pの枚数が増えるのに伴って、コード化原稿データD2の読み取り、及びコード化原稿データD2から原稿データD1への復号の時間が増えてファーストプリント時間が長くなるのを防止することができる。また、コード化原稿データD2が印刷された用紙Pの枚数が増えるのに伴って用紙Pが紛失されやすくなるのを防止することもできる。
【0049】
また、本実施の形態では、制御部11は、画像領域A1,A2の内容に基づき、当該画像領域A1,A2の圧縮レベルを設定する。そのため、例えば、画像領域A1,A2について、画質レベルが高画質であるほど画質が損なわれないように圧縮量を少なくするなど、画像領域A1,A2の内容に応じて、画像領域A1,A2の圧縮量を調整することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、制御部11は、画像領域A1,A2の濃度分布の幅が広い場合に圧縮量が少なくなるように圧縮レベルを設定し、濃度分布の幅が狭い場合に圧縮量が多くなるように圧縮レベルを設定する。そのため、例えば、画像領域A1,A2の画質レベルが濃度分布の幅が広い高画質である場合に、圧縮量を少なくして画質が損なわれないようにすることができ、また、例えば、画像領域A1,A2の画質レベルが濃度分布の幅が狭い低画質である場合に、圧縮量を多くして情報量を減らすことでコード化原稿データD2の情報量を抑制することができる。
【0051】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0052】
[付記1]
原稿データをコード化することによってコード化原稿データを生成する制御部を備え、
前記制御部は、前記原稿データに含まれる画像領域及び非画像領域のうち前記画像領域の情報量を、当該画像領域に設定される圧縮レベルに基づき圧縮した状態で、前記原稿データをコード化する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0053】
[付記2]
前記制御部は、前記画像領域の内容に基づき、当該画像領域の前記圧縮レベルを設定する
ことを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
【0054】
[付記3]
前記制御部は、前記画像領域の濃度分布の幅が広い場合に圧縮量が少なくなるように前記圧縮レベルを設定し、前記濃度分布の幅が狭い場合に圧縮量が多くなるように前記圧縮レベルを設定する
ことを特徴とする付記2記載の画像処理装置。
【符号の説明】
【0055】
10 ユーザ端末
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 インターフェース
20 画像形成装置
21 制御部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 インターフェース
26 印刷部
27 読取部
28 搬送部
A1,A2 画像領域
A3 非画像領域
D1 原稿データ
D2 コード化原稿データ
P 用紙
S 画質レベル設定画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8