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特開2019-208298電力ケーブルの接続構造及びその温度検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-208298(P2019-208298A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】電力ケーブルの接続構造及びその温度検出システム
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/103 20060101AFI20191108BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20191108BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20191108BHJP
   G01K 1/02 20060101ALI20191108BHJP
   G01K 1/14 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   H02G15/103
   H02G1/06
   H02G1/02
   G01K1/02 E
   G01K1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-101489(P2018-101489)
(22)【出願日】2018年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100157185
【弁理士】
【氏名又は名称】吉野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼須 憲吾
(72)【発明者】
【氏名】中山 丞
(72)【発明者】
【氏名】中村 恒久
(72)【発明者】
【氏名】横内 紀隆
【テーマコード(参考)】
2F056
5G352
5G375
【Fターム(参考)】
2F056AE01
2F056AE07
2F056CL07
5G352AM02
5G352AM05
5G352CA08
5G352CH08
5G375AA02
5G375BA27
5G375CA02
5G375CB07
5G375CB15
5G375CB35
5G375CB38
5G375CB46
5G375CB55
5G375DB09
5G375DB32
5G375EA15
(57)【要約】
【課題】
既存の電力ケーブルの接続構造に対しても容易に温度検出手段を適用することができる、電力ケーブルの接続構造及び電力ケーブルの接続構造用の温度検出システムを提供する。
【解決手段】
ケーブル導体2aと、このケーブル導体2aの周囲に配置されたケーブル絶縁体2bと、このケーブル絶縁体2bの周囲に配置されたケーブル保護シース2eとを備える電力ケーブル2A,2Bの端部同士を接続するための電力ケーブルの接続構造であって、ケーブル導体2aの露出部を覆う絶縁筒13と、この絶縁筒13の周囲に配置された防水保護層14と、ケーブル導体2aの温度変化を検出可能な温度センサ41を備え、この温度センサ41は、絶縁筒13によって囲まれた空間以外の箇所(S1,S2,S3)に設置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル導体と、このケーブル導体の周囲に配置されたケーブル絶縁体と、このケーブル絶縁体の周囲に配置されたケーブル保護シースとを備える電力ケーブルの端部同士を接続するための電力ケーブルの接続構造であって、
前記ケーブル導体の露出部を覆う接続部絶縁体層と、
この接続部絶縁体層の周囲に配置された防水層と、
前記ケーブル導体の温度変化を検出可能な温度センサを備え、この温度センサは、前記接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所に設置されている、接続構造。
【請求項2】
前記温度センサは、前記ケーブル導体が露出している位置に近接した位置で前記接続部絶縁体層の外側に配置されている、請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記電力ケーブルは、ケーブル絶縁体と、このケーブル絶縁体の周囲に配置されたケーブル半導電層と、このケーブル半導電層の周囲に配置されたケーブル遮蔽層とを備える電力ケーブルであり、
前記温度センサは、前記ケーブル半導電層の前記電力ケーブルの軸方向端部に近接した位置で前記接続部絶縁体層の外側に配置されている、請求項1に記載の接続構造。
【請求項4】
前記温度センサに駆動用電力を供給するための電力供給部を備え、この電力供給部は、前記電力ケーブルを取り囲んで配置されたコイルを備える電磁誘導ハーベスターを備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記温度センサに電気的に接続され、この温度センサによる検出結果を、無線通信を用いて外部に送信可能な送信部と、前記送信部から送信された検出結果を受信する受信部とを備えている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記送信部は、前記電磁誘導ハーベスターと電気的に接続されている、請求項5に記載の接続構造。
【請求項7】
ケーブル導体と、このケーブル導体の周囲に配置されたケーブル絶縁体と、このケーブル絶縁体の周囲に配置されたケーブル保護シースとを備える電力ケーブルの端部同士を接続するための電力ケーブルの接続構造用の温度検出システムであって、
前記接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所に取り付けられる温度センサと、
前記温度センサに駆動用電力を供給するための電力供給部と、
前記温度センサに電気的に接続され、この温度センサによる検出結果を、無線通信を用いて外部に送信可能な送信部と、を備える、電力ケーブルの接続構造用の温度検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの接続構造及び電力ケーブルの接続構造用の温度検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力ケーブル同士を接続するための接続構造が知られている。電力ケーブルの接続構造は、絶縁および防水の目的で被覆処理が施されている。そして被覆処理が施されたケーブルの接続構造は、破壊することなく内部の状態を点検することができないため、通常の使用状態では電力ケーブルの接続構造が破損し、電力供給が停止して停電等が発生するまでは接続構造の異常が発覚しない。
【0003】
これに対して、電力ケーブル同士の接続構造内で異常が発生すると、放電や接触不良により内部の温度が異常上昇する点に着目して、電力ケーブルを接続する際に電力ケーブル同士の接続部分近傍の温度をモニタリングすることで接続構造の異常を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4980824号公報
【0005】
特許文献1には、電力ケーブルの接続部に絶縁処理や防水処理等を施す前に、電力ケーブルの導体が露出する唯一の場所である電力ケーブル同士の接続部分近傍に温度センサを設置し、温度センサを、被覆された構造内部に封入することが記載されている。温度センサは無線通信により外部受信装置と通信可能になっており、温度センサの検出結果は無線通信を通して外部受信装置に送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、導体が露出している箇所に直接、温度センサを設置していた。従って、特許文献1に記載されている技術では、接続部に絶縁処理を施す前に温度センサを設置する必要があり、既存の接続部には事後的に適用できず、施工性が低いという問題があった。より具体的には、既に絶縁処理が施されている接続部に温度センサを設置する場合、接続部の絶縁被覆を一旦取り外し、温度センサを設置する必要がある。そして再度、接続部に絶縁被覆を適用する場合は、一旦、電力ケーブルを切断し、再度電力ケーブルを繋ぎ直す必要がある。そして、通常電力ケーブルは余分な長さを有していないため、一旦、電力ケーブルを切断してから繋ぎ直すことは実質的に不可能となるからである。
【0007】
また、既に取り付けてある温度センサのメンテナンスを行おうとする場合も同様の問題が生じる。つまり、温度センサの交換等のメンテナンスを行う場合も、一旦、絶縁被覆を取り外して温度センサを露出させてから、再度絶縁被覆を適用しなおす必要がある。したがって、特許文献1に記載された技術では、温度センサのメンテナンスを行うことが実質的に不可能であった。
【0008】
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、既存の電力ケーブルの接続構造に対しても容易に温度検出手段を適用することができる、電力ケーブルの接続構造及び電力ケーブルの接続構造用の温度検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、ケーブル導体と、このケーブル導体の周囲に配置されたケーブル絶縁体と、このケーブル絶縁体の周囲に配置されたケーブル保護シースとを備える電力ケーブルの端部同士を接続するための電力ケーブルの接続構造であって、ケーブル導体の露出部を覆う接続部絶縁体層と、この接続部絶縁体層の周囲に配置された防水層と、ケーブル導体の温度変化を検出可能な温度センサを備え、この温度センサは、接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所に設置されている。
【0010】
このように構成された本発明によれば、接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所において、ケーブル導体の温度を間接的にモニタリングすることで、ケーブル導体の発熱を検出することができる。そして、このような接続構造によれば、既存の電力ケーブルに対しても、再施工が困難である接続部絶縁体層を取り除くことなく、接続部絶縁体層の外側に温度センサを設置することで、ケーブル導体の発熱を正確に検出することができる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、温度センサは、ケーブル導体が露出している位置に近接した位置で接続部絶縁体層の外側に配置されている。
【0012】
また、本発明において好ましくは、電力ケーブルは、絶縁体と、この絶縁体の周囲に配置されたケーブル半導電層と、このケーブル半導電層の周囲に配置されたケーブル遮蔽層とを備える電力ケーブルであり、温度センサは、ケーブル半導電層の電力ケーブルの軸方向端部に近接した位置で接続部絶縁体層の外側に配置されている。
【0013】
このように構成された本発明によれば、接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所のうち、異常発生時に最も温度が上昇し易い、ケーブル導体露出部の近く、又はケーブル半導電層の端部の近くに温度センサを設置することができる。これにより、より正確にケーブル導体の異常発熱を検出することができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、温度センサに駆動用電力を供給するための電力供給部を備え、この電力供給部は、電力ケーブルを取り囲んで配置されたコイルを備える電磁誘導ハーベスターを備える。
【0015】
このように構成された本発明によれば、電力ケーブル内に安定して流れている電力を用いて、コイルを用いた電磁誘導により、温度センサの駆動用電力を発電することができる。したがって、温度センサの駆動用電力を外部から確保する必要がなくなり、温度センサの電力系統を簡潔にすることができる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、温度センサに電気的に接続され、この温度センサによる検出結果を、無線通信を用いて外部に送信可能な送信部と、送信部から送信された検出結果を受信する受信部とを備えている。
【0017】
このように構成された本発明によれば、温度センサによる検出結果を、電力ケーブルの接続部から離れた位置でモニタリングすることができる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、送信部は、電磁誘導ハーベスターと電気的に接続されている。
【0019】
このように構成された本発明によれば、送信部の駆動用電源も、電磁誘導ハーベスターから確保でき、これにより温度センサの検出結果を外部に送信するために別途、電気系統を確保する必要がなくなる。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明は、ケーブル導体と、このケーブル導体の周囲に配置された絶縁体と、このケーブル絶縁体の周囲に配置されたケーブル保護シースとを備える電力ケーブルの端部同士を接続するための電力ケーブルの接続構造用の温度検出システムであって、接続部絶縁体層によって囲まれた空間以外の箇所に取り付けられる温度センサと、温度センサに駆動用電力を供給するための電力供給部と、温度センサに電気的に接続され、この温度センサによる検出結果を、無線通信を用いて外部に送信可能な送信部と、を備える。
【0021】
このような本発明によっても、防水用の被覆が施されている被覆部以外の部分において、ケーブル保護シースの表面の温度をモニタリングすることで、ケーブル導体の発熱を検出することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、既存の電力ケーブルの接続構造に対しても容易に温度検出手段を適用することができる、
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による電力ケーブルの接続構造の側断面図である。
図2】同電力ケーブルに適用される温度検出システムの構成を示すブロック図である。
図3】同温度検出システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態による電力ケーブルの接続構造の側断面図である。
【0025】
図1に示すように、電力ケーブルの接続構造は、2本の電力ケーブル2Aと、及び1本の電力ケーブル2Bを接続する分岐接続構造であり、2本の電力ケーブル2Aの先端から露出したケーブル導体2aとケーブル2Bの先端から露出したケーブル導体2aとが接続部3を介して接続される。なお、以下の例では、2本の電力ケーブルと1本の電力ケーブルを分岐接続部において接続構造を例に挙げて詳細な説明を行うが、本発明は、2本の電力ケーブルの端部同士を接続する直線接続構造にも適用可能である。
【0026】
接続部3は、電力ケーブル2Bが挿入される側に、1つのケーブル挿入用のアダプタ3Aを備えており、2本の電力ケーブル2Aが挿入される側に、2つのケーブル挿入用のアダプタ3Bを備えている。そして電力ケーブル2A,2Bはアダプタ3A,3Bを介して接続部3内部まで延び、接続部3内部の絶縁された空間内で互いに接続されている。
【0027】
ケーブル2Aは、ケーブル導体2aと、ケーブル絶縁体2bと、ケーブル半導電層2cと、ケーブル遮蔽層2dと、ケーブル保護シース2eと、を備えている。ケーブル導体2a、ケーブル絶縁体2b、ケーブル半導電層2c、ケーブル遮蔽層2d、及びケーブル保護シース2eは、この順で内周から外周へ向かって配置されている。また、ケーブル導体2a、ケーブル絶縁体2b、ケーブル半導電層2c、ケーブル遮蔽層2d、及びケーブル保護シース2eは、先端側からこの順で露出している。なお、電力ケーブル2Bは、電力ケーブル2Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。ケーブル絶縁体2bは、絶縁性の樹脂等により構成される部分であり、ケーブル導体2aの外周面を覆っている。このような構造を有する電力ケーブル2A,2Bの端部は、ケーブル遮蔽層2d及びケーブル保護シース2eがアダプタ3A,3Bの外側で取り除かれ、残りのケーブル導体2a、ケーブル絶縁体2b及びケーブル半導電層2cがアダプタ3A,3Bを介して接続部3内部に挿入される。
【0028】
ケーブル半導電層2cは、半導電性を有する層であり、例えば布又は紙にカーボン等の導電物質を含浸させたものにより構成されている。ケーブル半導電層2cは、ケーブル遮蔽層2dの内周側に配置されて、ケーブル遮蔽層2d間の重なり等で生じる局所的な高電界部分を均一にして電力ケーブル2Aの絶縁性を高める効果を有する。
【0029】
ケーブル遮蔽層2dは、感電を防止すると共に電力ケーブル2Aの漏洩電流を流すために設けられる導電性の層である。ケーブル遮蔽層2dの材料は例えば銅テープであり、この場合ケーブル遮蔽層2dは遮蔽銅テープとも称される。ケーブル遮蔽層2dは、ケーブル半導電層2cの外周を覆っている。ケーブル保護シース2eは、例えば塩化ビニル又はポリエチレンにより構成されている。ケーブル保護シース2eは、ケーブル遮蔽層2dの外周を覆っている。
【0030】
図1に示すように、被覆具1は、軸方向に延在する管状ユニット10と、管状ユニット10を外周側で取り囲むように配置される第1の防水ユニット20と、管状ユニット10を外周側で取り囲むように配置される第2の防水ユニット30と、を備えている。本実施形態では、第1の防水ユニット20は、管状ユニット10の軸方向の一端側において、管状ユニット10を外周側で取り囲むように配置される。第2の防水ユニット30は、管状ユニット10の軸方向の他端側において、管状ユニット10を外周側で取り囲むように配置される。
【0031】
管状ユニット10は、チューブ部材12と、チューブ部材12の内側に配置された絶縁筒13と、絶縁筒13とチューブ部材12との間に配置された防水保護層14と、軸方向に沿って延びる接地線16と、を備えている。
【0032】
チューブ部材12は、ケーブル接続部3を被覆する外被となる部材である。チューブ部材12は、例えば、常温で収縮し伸縮特性に優れたゴムで構成される常温収縮チューブである。チューブ部材12の材料としては、例えば、エチレンプロピレンゴム又はシリコーンゴム等が用いられる。チューブ部材12の軸方向における長さは、被覆状態において、電力ケーブル2A及び電力ケーブル2Bのケーブル遮蔽層2dを露出させることができる程度の長さに設定される。これにより、チューブ部材12でケーブル接続部3を被覆した後、接地線16とケーブル遮蔽層2dとを接続する作業を行うことができる。本実施形態では、チューブ部材12の両端部が、電力ケーブル2A及び電力ケーブル2Bのケーブル半導電層2cに対応する位置に配置されるが、特に長さは限定されない。
【0033】
絶縁筒13は、本発明の「接続部絶縁体層」に相当するものであり、絶縁性が高く、また成形加工性に優れたエチレンプロピレンゴムやシリコーンゴム等がベースゴムとして使用され、内部導電層13A、補強絶縁体13B、及び外部導電補強層13Cとを備える。そして、内部導電層13Aと補強絶縁体13Bとは、例えば、紡錘形状となるように一体にモールド成形された部品として構成される。ただし、電圧によっては、絶縁筒13は紡錘形状ではなく、単なる円筒形状であってもよい。内部導電層13Aは、被覆状態において、接続部3及びアダプタ3A及び3Bの端部付近を覆うように設けられている。補強絶縁体13Bは、内部導電層13Aの外周側に配置されて、当該内部導電層13Aよりも軸方向において広範囲に設けられている。外部導電補強層13Cは、接地線16と防水保護層14の間に配置されている。
【0034】
防水保護層14は、絶縁筒13の外部導電補強層13Cの外周面上に配置される。また、防水保護層14の外周面上にチューブ部材12が配置される。防水保護層14は、チューブ部材12に破損等が生じた場合であっても、防水性を確保できるようにするための部材である。防水保護層14の材質として、例えば、ポリエチレンにブチルゴム層を設けたシートや、例えばシリコーンゴムコンパウンド又はブチルゴムコンパウンド等の流動性を有する防水材(パテ状の防水材)などが採用される。
【0035】
接地線16は、絶縁筒13と外部導電補強層13Cとの間に配置されて、軸方向に延びる紐状の部材である。接地線16は、例えば平編銅線、銅撚線等によって構成され、ケーブル2Aのケーブル遮蔽層2dとケーブル2Bのケーブル遮蔽層2dとを接続可能な長さに設定されている。
【0036】
第1の防水ユニット20は、チューブ部材22と、チューブ部材22の内側に配置される防水マスチック25と、防水カバー26と、を備えている。防水カバー26は、電力ケーブル2Aのケーブル保護シース2eに密着するように構成されている。そして防水カバー26の端部には、ケーブル保護シース2eとの間には防水マスチック25が配置され、防水カバー26とケーブル保護シース2eとの間が完全に密封されるようになっている。防水マスチック25は、流動性を有する防水材(パテ状の防水材)によって構成されている。防水マスチック25として、例えばシリコーンゴムコンパウンド又はブチルゴムコンパウンド等を用いることができる。防水カバー26は、例えば筒形状の透過性のポリカーボネートの外側表面に、例えばEPDMゴムやシリコーンゴムからなるゴム成形品を取り付けて構成されている。また、防水カバー26は別体のチューブ部材22によって覆われている。
【0037】
また、第2の防水ユニット30は、チューブ部材32と、チューブ部材32の内側に配置される防水マスチック35と、防水カバー36とを備えている。第2の防水ユニットのチューブ部材32、及び防水マスチック35は、第1の防水ユニット20のチューブ部材22、及び防水マスチック25と同様の構造を有している。第2の防水ユニット30の防水カバー36は、第1の防水ユニット20の防水カバー26とは異なり、電力ケーブル2Bのケーブル保護シース2eの外径に対して径が拡大されている空間を有し、この空間内部に、後述する温度検出システム40が配置されている。このような第2の防水ユニット30では、チューブ部材32を取り外し、さらに防水カバー36を電力ケーブル2Bの軸方向にスライドさせることで温度検出システムを露出させることができる。
【0038】
また、第1の防水ユニット20は、管状ユニット10及び第2の防水ユニット30とは独立して分離可能な部材である。第1の防水ユニット20のチューブ部材22は、管状ユニット10のチューブ部材12とは分離されており、第2の防水ユニット30のチューブ部材32とは分離されている。
【0039】
本実施形態による接続構造は、電力ケーブル2Bのケーブル保護シース2e上の領域S3に、温度検出システム40(図2参照)と、を備えている。なお、以下では温度検出システムを電力ケーブル2Bの側に設けた例を説明するが、温度検出システムは電力ケーブル2Aの側に設けられても良いし、電力ケーブル2A及び2Bの両方に設けても良い。
【0040】
図2は、電力ケーブルに適用される温度検出システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、温度検出システム40は、ケーブル保護シース2eの外側表面に配置される温度センサ41と、温度検出システム40が配置されている環境の周囲温度を検出する周囲温度センサ42と、無線送信機43と、駆動用の電力を発電する電磁誘導ハーベスター44と、を備えている。
【0041】
温度センサ41は、接続部3によって構成される空間に対して、アダプタ3Aの外側の領域S3において、電力ケーブル2Bの最外表面にあるケーブル保護シース2eの表面に固定されており、電力ケーブル2B内に電力が流れている間、ケーブル保護シース2eの表面温度を継続的に検出する。温度センサ41は、ケーブル導体2aに直接接触せず、ケーブル保護シース2e等電力ケーブルの他の構造体を介して、間接的にケーブル導体2aの温度を検出できるような位置に配置されている。
【0042】
また、周囲温度センサ42も温度センサ41と同様に、電力ケーブル2B内に電力が流れている間、温度検出システム40が配置されている環境の周囲温度を継続的に検出する。無線送信機43は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信手段を用いて温度センサ41及び周囲温度センサ42による温度の検出結果を、外部の受信装置に送信する。
【0043】
電磁誘導ハーベスター44は、電力ケーブル2B内に流れる電流による磁束の変動を利用して、温度センサ41、周囲温度センサ42及び無線送信機43の駆動用の電力を発電する。より具体的には、電磁誘導ハーベスター44は、電磁誘導用のコイル等によって構成される電流変換部45と、電圧クランパ46と、整流器47と、電圧レギュレータ48とを備えている。
【0044】
電流変換部45は電力ケーブル2Bの周囲に適用された際に、電力ケーブル2Bの周方向に、電力ケーブル2Bの周囲を旋回するコイルを備えている。そして電流変換部45は、電力ケーブル2Bに電流が流れている間、誘導電流を発生させる。発生した誘導電流は、電圧クランパ46、整流器47、及び電圧レギュレータ48を介して整流・電圧調整され、温度センサ41、周囲温度センサ42及び無線送信機43に供給される。
【0045】
図3は、電磁誘導ハーベスターを示す斜視図である。図3に示すように、電磁誘導ハーベスター44の電流変換部45は、電圧クランパ46等に電気的に接続されている本体45aと、本体45aに対して枢動可能に固定されたアーム45bとを備えている。そして本体45aとアーム45bとを枢動させて両者を閉じたときに、本体45aとアーム45bとの間には、電力ケーブル2Aを取り囲むような電力ケーブル2Aの挿入孔45cが形成される。アーム45bの先端には、本体45aと係止可能な係止部45dが設けられている。本体45a及びアーム45b内には、電磁誘導用のコイルが内蔵されており、コイルはアーム45bが本体45aに対して閉じて係止されている状態で、電力ケーブル2Aの挿入孔の周囲を周方向に複数回旋回する。このような電流変換部45の構造により、温度検出システム40を容易に電力ケーブル2Aの周囲に取り付けることができる。
【0046】
このように構成された温度検出システム40は、継続的にケーブル保護シース2eの表面温度を検出して外部に出力することができる。
【0047】
温度検出防水構造を設置する際には、温度検出システムの周囲に防水カバー36を配置し、ケーブル保護シース2eに防水マスチック35を施してさらにその周囲からチューブ部材32を被せる。これにより温度検出システムが、雨水や地下水等に晒される環境に配置された場合でも、温度検出システムを適切に保護することができる。
【0048】
なお、上述の実施形態では、温度検出システムを、領域S3に位置に設けることとしたが、温度センサ41を設ける位置としては、接続構造の設置現場において再施工可能な位置であれば、どのような位置に配置しても良い。ここで、設置現場において再施工可能とは、接続構造を一旦設置した後、設置現場において温度センサを着脱した上で、絶縁構造及び防水構造をその場で復元可能であることを意味する。そして、接続構造に絶縁被覆を施し、その外側に防水被覆を施している図1に挙げた例で言えば、絶縁筒13を構成する内部導電層13A、補強絶縁体13B、又は外部導電補強層13Cを破壊してしまうと、再設置のためには電力ケーブルを一旦、切断する必要が生じる。したがって、図1に挙げた例において、「設置現場において再施工可能な位置」とは、絶縁筒13を破壊せずにアクセス可能な位置、即ち、絶縁筒13によって囲まれた空間以外の位置を意味する。
【0049】
また、温度検出システムを配置するのに好適な位置としては、図1に示した領域S3の他に、接続異常や漏電によってケーブル導体2aが発熱し易い箇所、即ち電界が集中するケーブル半導電層先端部付近の領域S1や、ケーブル導体2aの接続不良により発熱が生じやすい接続部3の領域S2がある。そして、上述した温度検出システム40では、温度センサ41を電磁誘導ハーベスター44から離れた位置に設けることも可能であるので、領域S1、又は領域S2内に、温度検出システム40のうち、少なくとも温度センサ41だけ、このましくは温度センサ41と周囲温度センサ42を配置すればよい。また、温度センサ41によるケーブル導体2aの異常発熱をより正確に検出するために、温度センサ41を複数の領域S1,S2,S3に設けても良い。
【0050】
また、領域S1又は領域S2において温度センサ41を設置する位置としては、電力ケーブル2Aの径方向において、絶縁筒13の最外層にある外部導電補強層13Cの外側であればどのような位置に配置してもよい。ただし、温度センサ41は発熱が生じる箇所に近接させることが好ましいため、外部導電補強層13Cの外表面に設けることが好ましい。一方で、温度センサ41自体についても防水を施すために、温度センサ41を防水保護層14の内側に配置することがより好ましい。
【0051】
このように構成された本実施形態によれば、絶縁筒13によって囲まれた空間以外の箇所(領域S1,S2,S3)において、ケーブル導体2aの温度を間接的にモニタリングすることで、ケーブル導体2aの発熱を検出することができる。そして、このような接続構造によれば、既存の電力ケーブルに対しても、再施工が困難である絶縁筒13を取り除くことなく、絶縁筒13の外側に温度センサ41を設置することで、ケーブル導体2aの発熱を正確に検出することができる。
図1
図2
図3