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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-208544(P2019-208544A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】動作玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 30/02 20060101AFI20191115BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   A63H30/02 B
   A63H30/02 A
   A63H30/02 C
   A63H33/00 303B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-104201(P2018-104201)
(22)【出願日】2018年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大井 崇司
(72)【発明者】
【氏名】上島 拓
(72)【発明者】
【氏名】吉田 宗訓
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA08
2C150DA37
2C150DF03
2C150DF33
2C150DK02
2C150ED42
2C150ED56
2C150ED59
2C150EF29
2C150EF32
2C150EF34
(57)【要約】
【課題】玩具本体の動作を再生機器の再生に合わせて行うことができる動作玩具を提供すること。
【解決手段】玩具本体側で操作子を操作することによって動作装置が行う動作は、再生機器で再生される複数のシーンの中の特定シーンに関連する模擬動作となっており、前記玩具本体は、玩具本体側で操作子を操作した時にその操作信号に対応する赤外線信号を再生機器に送信し、再生機器は、その赤外線信号に基づいてシーンを特定シーンに切り替えるとともに、特定シーンの再生に同期させて動作装置を動作させるための前記音透かしが埋め込まれた音響信号を前記音出力部から出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線受信部と、チャプタによって区切られたシーンのデータを読み出して音付きの画像として再生する表示部及び音出力部とを有する再生機器と、
所定の動作を行う動作装置と、人為的操作可能な操作子と、音響信号を電気信号に変換可能なマイクロホンと、前記操作子の操作に対応した操作信号を赤外線信号にして前記再生機器に向けて送信する赤外線送信部とを有する玩具本体とを備え、
前記再生機器の前記表示部及び前記音出力部で再生されるシーンには複数のシーンが含まれ、
前記玩具本体の動作は、前記複数のシーンの中の特定シーンに関連する動作であり、
前記再生機器は、前記赤外線受信部で受信した前記赤外線信号に基づいてシーンを前記特定シーンに切り替えるとともに、前記特定シーンの再生に同期させて前記動作装置を動作させるための前記音透かしが埋め込まれた音響信号を前記音出力部から出力することを特徴とする動作玩具。
【請求項2】
前記再生機器は、切り替え前のシーンにおいて遊戯者に対して前記操作子の操作を促すことを特徴とする請求項1に記載の動作玩具。
【請求項3】
前記玩具本体は、前記特定シーン中で動作する動作物体に似せた模造部分を有し、前記模造部分は、前記動作物体の動作に関連する模擬動作を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動作玩具。
【請求項4】
前記模造部分には前記操作子が含まれていることを特徴とする請求項3に記載の動作玩具。
【請求項5】
前記特定シーンには放水ノズルによる放水動作が含まれ、前記模造部分は、放水銃の形をしており前記放水動作中に振動することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の動作玩具。
【請求項6】
前記放水銃にはハンドルが付設され、前記ハンドルは前記操作子を構成していることを特徴とする請求項5に記載の動作玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビに接続されるユニットと、携帯電話機玩具とを備え、前記ユニットは、赤外線送受信手段と、映像データを予め記憶した記憶手段と、これらの手段を制御する制御手段とを有し、また、前記携帯電話機玩具は、赤外線送受信手段と、音声データを予め記憶した記憶手段と、これらの手段を制御する制御手段とを有し、前記ユニットと携帯電話機玩具との間で赤外線信号の送受信をすることにより双方向で通信可能なテレビ電話玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−33585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記テレビ電話玩具で遊ぶには、テレビ、DVD再生装置、パソコン等の再生機器と携帯電話機玩具との双方に赤外線送信部及び赤外線受信部を設けることが必要となる。そのため、赤外線送信部を有していない再生機器では手軽に遊べないという問題があった。
一方で、玩具本体側(例えば、前記携帯電話機玩具)だけが赤外線送信部を持ち、この赤外線送信部からの赤外線信号を送信し、再生機器上の音付き画像を制御するだけのものでは、遊びが限定されてしまう。
また、玩具本体側だけが赤外線送信部を持ち、玩具本体側では操作子の操作によって所定の動作部を動作させる一方で、当該操作子の操作に基づく操作信号を赤外線信号として再生機器に送信し、再生機器側で所定の記憶媒体からチャプタによって区切られた当該操作信号に対応するシーンをその都度読み出して再生するものでは、前記操作子の操作に対応するシーンのデータの読み出しに時間がかかり、玩具本体の動作部の動作と当該動作に対応するシーンの再生との間に大きなずれが生じてしまい興趣性を損ねるという問題があった。この場合、玩具本体側で操作子の操作と動作部の動作との間に時差を設けることが考えられるが、使用する再生機器毎のスペックの違いから再生までのラグが違うため、ずれの問題を根本的に解消することは困難である。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、玩具本体の動作を再生機器の再生に合わせて行うことができる動作玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
赤外線受信部と、チャプタによって区切られたシーンのデータを読み出して音付きの画像として再生する表示部及び音出力部とを有する再生機器と、
所定の動作を行う動作装置と、人為的操作可能な操作子と、音響信号を電気信号に変換可能なマイクロホンと、前記操作子の操作に対応した操作信号を赤外線信号にして前記再生機器に向けて送信する赤外線送信部とを有する玩具本体とを備え、
前記再生機器の前記表示部及び前記音出力部で再生されるシーンには複数のシーンが含まれ、
前記玩具本体の動作は、前記複数のシーンの中の特定シーンに関連する動作であり、
前記再生機器は、前記赤外線受信部で受信した前記赤外線信号に基づいてシーンを前記特定シーンに切り替えるとともに、前記特定シーンの再生に同期させて前記動作装置を動作させるための前記音透かしが埋め込まれた音響信号を前記音出力部から出力することを特徴とする。
所定の動作装置を動作させるには、音透かしによる信号を同期信号だけとし、玩具本体の操作子が操作されたときには、玩具本体側では当該所定の動作装置に対応するフラグを立てておくなどして、音透かしの同期信号を受信したときに、当該フラグを立てておいた所定の動作装置を動作させてもよいし、音透かしによる信号に同期信号の他に制御対象特定信号や制御内容信号とを含ませておき、所定の動作装置を動作させてもよい。或いは、同期が生じるタイミングで制御対象特定信号や制御内容信号だけを音透かしの信号として送信するようにしてもよい。同期信号としては受信後直ちに動作装置を動作させるためのものであっても良いし、受信後所定時間経過後に動作装置を動作させるためのものであってもよい。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記再生機器は、切り替え前のシーンにおいて遊戯者に対して前記操作子の操作を促すことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、前記玩具本体は、前記特定シーン中で動作する動作物体に似せた模造部分を有し、前記模造部分は、前記動作物体の動作に関連する模擬動作を行うことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段において、前記模造部分には前記操作子が含まれていることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第3の手段又は第4の手段において、前記特定シーンには放水ノズルによる放水動作が含まれ、前記模造部分は、放水銃の形をしており前記放水動作中に振動することを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第5の手段において、前記放水銃にはハンドルが付設され、前記ハンドルは前記操作子を構成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の手段によれば、玩具本体の動作装置は操作部を操作した後直ちに動作するのではなく、再生機器で出力される音に含まれる音透かしを入力したときに、特定シーンの再生に同期させて所定の動作を行うので、違和感なく、興趣性の高い動作玩具を実現することができる。
【0012】
第2の手段によれば、操作子の操作のタイミングを遊戯者が知ることができるので、シミュレーションを円滑に進めることができる。
【0013】
第3の手段によれば、特定シーン中で動作する動作物体に似せた模造部分が動作するので、表示部及び音出力部で展開されるシーンにより深く入り込むことができる。
【0014】
第4の手段によれば、模造部分には操作子が含まれているので、表示部及び音出力部で展開されるシーンにより深く入り込むことができる。
【0015】
第5の手段によれば、表示部及び音出力部で展開される放水シーンを体感することができる。
【0016】
第6の手段によれば、ハンドルを操作するので、より放水シーンを体感することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の動作玩具の外観を示した斜視図である。
図2】本動作玩具の玩具本体の制御構成を示したブロック図である。
図3】本動作玩具の再生機器の制御構成を示したブロック図である。
図4】本玩具本体と本再生機器の信号のやり取り等を示した図である。
図5】本再生機器で再生された火災発生画像を示した図である。
図6】本再生機器で再生された消防車出動画像を示した図である。
図7】本再生機器で再生されたボイスボタン催促画像を示した図である。
図8】本再生機器で再生されたハンドル操作1催促画像を示した図である。
図9】本再生機器で再生された放水1画像を示した図である。
図10】本再生機器で再生されたハンドル操作2催促画像を示した図である。
図11】本再生機器で再生されたハンドル操作2催促画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本動作玩具100は玩具本体10と再生機器20とを備えている。
玩具本体10は消防車の形をしており、車体10aの左側には片手で握れる程度のグリップ付きの放水銃10bがフック(図示せず)を介して着脱可能に取り付けられている。
放水銃10bはホース状の紐10cを介して車体10aに連結されている。図1では実際には繋がっている紐10cの途中部分を切り欠いて表示している。
放水銃10bにはレバー型のハンドル10hが取り付けられている。このハンドル10hは銃本体に対して回動操作可能に構成されている。また、放水銃10bの内部には赤外線送信部10j(図2)が設けられ、赤外線信号は放水銃10bの先端側から放射される。さらに、放水銃10bの内部にはモータや偏心重りから構成される後述の振動発生装置10k(図2)が設けられている。この振動発生装置10kはモータによって偏心重りを回転させることによって振動を発生させる。
車体10aの上には長手方向に伸縮可能な梯子10dが起倒可能に取り付けられている。
車体10aの上面には電源スイッチ(図示せず)及び操作子10f、10g(図2)が設けられている。電源スイッチは玩具本体10を起動させるためのスイッチである。各操作子10f、10gの機能は後述する。
車体10aにはマイクロホン10n(図2)が設けられている。このマイクロホン10nは再生機器20からの非可聴音である音透かしを含む音響信号を拾うためのものである。また、車体10aには、赤色灯発光部10m及び音出力部10i(図2)が設けられている。
【0019】
一方、再生機器20は読取装置20aを備えている。読取装置20aは、ここでは、例えば、データ等を光学的に読み取る光ディスクドライブによって構成されている。この読取装置20aは再生機器本体に内蔵されていてもよい。また、光ディスクドライブによって読み取られる光ディスク(CD、DVD、BD等)にはチャプタによって区切られた音付きの画像シーンのデータが格納されている。この再生機器20は、読取装置20aによって読み取られたデータを画像や音により遊戯者が視聴できるような形で再生する。
【0020】
次に、玩具本体10及び再生機器20の制御構成について説明する。
図2に示すように、玩具本体10は、入力部である操作子10f、10g、ハンドル10h及びマイクロホン10nと、赤外線送信部10jと、制御部11と、記憶部12と、振動発生装置10kと、赤色灯発光部10mと、音出力部10iとを備えている。そして、この玩具本体10は、入力部からの入力を受け、赤外線送信部10jから赤外線信号を送信し、或いは、振動発生装置10k、赤色灯発光部10m及び音出力部10iを作動する。記憶部12には、テレビ等で使用されている家電用再生機器の赤外線リモコン(通常の赤外線リモコン)の操作信号を学習するための学習プログラム、各部を統括制御するためのプログラム、及び、各プログラムの実行に必要な各種データが記憶されている。
【0021】
図3に示すように、再生機器20は、読取装置20aと、表示部21と、赤外線受信部22と、制御部23と、音出力部24と、記憶部25とを備えている。この再生機器20は、玩具本体10からの赤外線信号を赤外線受信部22で受けて電気信号に変換し、制御部23で電気信号を復調してその中に含まれる操作信号を解読して解読結果に基づいてデータ等を光学的に読み取り、所定の画像を表示部21に映し出すとともに、音出力部24から所定の音声を出力する。また、制御部23は、必要に応じて、音声に制御のための信号である音透かしを埋め込んで適宜に出力する。記憶部25には、再生プログラム、各部を統括制御するためのプログラム、及び、プログラムの実行に必要な各種データが記憶されている。
【0022】
この動作玩具100では、再生機器20及び玩具本体10により所定のストーリーの各シーンが展開される。ここでは、そのうちの1つのストーリーについて説明する。
ここで説明する1つのストーリーは、「理科の授業で危機一髪」であり、再生機器20及び玩具本体10で図5図11に示すようなシーンが展開される。
【0023】
(1)火災発生シーン
再生装置20付属の専用の赤外線リモコン(通常の赤外線リモコン)を操作して「理科の授業で危機一髪」のストーリーを選択すると、小学校の理科室で、実験中に、アルコールランプがテーブルから落ちて火災が発生し、児童が外に避難するシーンが展開される。このうち火災発生画面が図5に示されている。
(2) 消防車出動シーン
火災が起きたことの通報を消防署が受け、消防車が出動する途中で、前の車が消防車の走行路を塞ぐシーンが展開される。このうち消防車出動画面が図6に示されている。
(3)ボイスボタン操作催促シーン
ここでは、前の前の車が消防車の走行路を塞いでいる状況を示した画像とともに、「車で道が塞がっている。道を空けて貰うんだ。」の音声出力がなされ、その後に、「ボイスボタンを押そう」の音声出力がなされるとともに、その旨の文字が映し出される。このボイスボタン操作催促画面が図7に示されている。
(4)現場到着シーン
ボイスボタン操作催促に従って、ボイスボタンとして機能する操作子10fを操作すると、玩具本体10の音出力部10iから「消防車が通ります。道を空けて下さい。」との音声が出力された後に、表示部21の画面上で前の車が道を空け、その後、消防車が小学校に到着し、表示部21の画面上に理科室の火災現場の画面が映し出される。
(5) ハンドル操作1催促シーン
表示部21の画面に理科室の火災現場の画面が表示されたままで、「放射ノズルを火に向けるんだ。」の音声が出力される。そして、少し遅れて、表示部21の画面下に、放水前の放水ノズルの先端部が映し出される。
その後、「ハンドルを真ん中にして放水するんだ。」との音声が出力されるとともに、理科室の火災現場画像に合わせてその旨の文字が映し出される。このハンドル操作1催促画面が図8に示されている。
(6)放水1シーン
遊戯者がハンドル10hを真ん中まで引くと、少し経過してから表示部21の画面上で放水ノズルから水が出て理科室内の消火活動が開始される。このとき、表示部21の画面上で放水ノズルから水が出たタイミングに合わせて玩具本体10の放水銃10bが振動を始める。ハンドル10hを真ん中に保持している間中消火活動と振動が継続する。この放水1画面が図9に示されている。やがて、理科室内の火は鎮まる。
(7) ハンドル操作2催促シーン
その後、燃え広がった校舎外側での消火活動画面が表示される。表示部21の画面に校舎外側での消火活動画面が表示されたままで、「ハンドルを手前に引いて放水するんだ。」との音声が出力されるとともに校舎の火災現場画像に合わせてその旨の文字が映し出される。このハンドル操作2催促画面が図10に示されている。
(8)放水2シーン
遊戯者がハンドル10hを手前まで引くと、少し経過してから表示部21の画面上で放水ノズルから勢いよく水が出て校舎の消火活動が継続される。このとき、表示部21の画面上で放水ノズルから勢いよく水が出たタイミングに合わせて玩具本体10の放水銃10bの振動が強くなる。ハンドル10hを手前に保持している間中消火活動と強振動が継続する。やがて校舎の火災が消える。
(9) ハンドル操作3催促シーン
表示部21の画面に放水2画面が表示されたままで、「ハンドルを元に戻して放水をストップするんだ。」との音声が出力されるとともに校舎の消火画像に合わせてその旨の文字が映し出される。このハンドル操作3催促画面が図11に示されている。
(10)消火後シーン
遊戯者がハンドル10hを先端側の元位置に戻すと、しばらくして放水ノズルの放水が停止するシーンが再生され、放水が休止したタイミングで玩具本体10の放水銃10bの振動が止む。
【0024】
この間、玩具本体10及び再生機器20は次のように動作する。
最初に、玩具本体10のハンドル10h及び操作子10f、10gの機能について説明する。玩具本体10は学習リモコンを構成している。
すなわち、玩具本体10のハンドル10hは通常の赤外線リモコンの上ボタン、左ボタン及び右ボタンに対応付けておく。具体的には、玩具本体10では、ハンドル10hを真ん中まで引いたときには通常の赤外線リモコンの右ボタンに、ハンドル10hを手前まで引いたときには通常の赤外線リモコンの左ボタンに、ハンドル10hを引いた後に戻したときには通常の赤外線リモコンの上ボタンに予め対応付けておく。
また、玩具本体10の操作子10fは通常の赤外線リモコンの下ボタンに、操作子10gは通常の赤外線リモコンの決定ボタンに予め対応付けておく。ただし、これらの操作子10f、10gは実施形態のストーリー「理科の授業で危機一髪」では使用されない。
【0025】
再生装置20付属の専用の赤外線リモコンを用いてストーリー「理科の授業で危機一髪」を選択すると、再生機器20の制御部23は、再生機器20の表示部21及び音出力部24で(1)火災発生シーン〜(3)ボイスボタン操作催促シーンまでをこの順で連続的に展開させる。
【0026】
そして、(3) ボイスボタン操作催促シーンの催促に従って操作子(ボイスボタンに対応)10fを操作すると、玩具本体10の制御部11は、音出力部10iから「消防車が通ります。道を空けて下さい。」との音声を出力させるとともに、操作子10fの操作信号を変調した赤外線信号を再生機器20に向けて送信させる。このときの音出力部10iからの音声出力には音透かしを用いなくてもよい。
再生機器20は、この赤外線信号を赤外線受信部22で受けると当該赤外線信号を電気信号に変換し、その電気信号を復調して操作信号を取り出し、制御部23は、読取装置20aによってDVDディスクから当該操作信号に対応する(4)現場到着シーンのデータを読み出し、再生機器20の表示部21及び音出力部24で(3)ボイスボタン操作催促シーンに代えて(4)現場到着シーンを展開させる。また、制御部23は、表示部21及び音出力部24で(4)現場到着シーンに引き続いて(5)消火準備シーン及び(6)ハンドル操作1催促シーンを展開させる。
なお、(3) ボイスボタン操作催促シーンの催促に従わず、操作子10fを押さない場合には、制御部23は、(3)ボイスボタン操作催促シーンを繰り返す。シーンに無関係の操作子を操作したときは操作を無効とする。以下、同じである。
【0027】
次に、(6)ハンドル操作1催促シーンの催促に従ってハンドル10hを真ん中まで操作した場合には、制御部11は、ハンドル10hを真ん中まで操作したときの操作信号を変調した赤外線信号を再生機器20に向けて送信させる。再生機器20は、赤外線信号を赤外線受信部22で受けると当該赤外線信号を電気信号に変換し、その電気信号を復調してその中に含まれる操作信号を取り出し、制御部23は、読取装置20aによってDVDディスクから当該操作信号に対応する(7)放水1シーンのデータを読み出し、再生機器20の表示部21及び音出力部24で(6)ハンドル操作1催促シーンに代えて(7)放水1シーンを展開させる。
また、制御部23は、(7)放水1シーンの冒頭で音透かしを埋め込んだ音を音出力部24から出力する。玩具本体10は、この音をマイクロホン10nで拾い、制御部11は、音の中に含まれる音透かしを抽出し、表示部21の画面上で放水ノズルから水が出たタイミングに合わせて振動発生装置10kを作動させて放水銃10bを振動させる。この場合の玩具本体10からの赤外線信号の送信と、再生機器20からの音透かしの出力とをハンドル10hを真ん中に保持している間は例えば1秒毎に繰り返して行ってもよい。また、再生機器20からの音透かしの出力だけを、受信ミスを考慮して複数回行ってもよい。
また、制御部23は、表示部21及び音出力部24で (7)放水1シーンに引き続いて(8)ハンドル操作2催促シーンを展開させる。
なお、(6)ハンドル操作1催促シーンの催促に従わず、ハンドル操作1を行わない場合には、制御部23は、(6)ハンドル操作1催促シーンを繰り返す。
【0028】
次に、(8)ハンドル操作2催促シーンの催促に従ってハンドル10hを手前まで操作した場合には、制御部11は、ハンドル10hを手前まで操作したときの操作信号を変調した赤外線信号を再生機器20に向けて送信させる。再生機器20は、赤外線信号を赤外線受信部22で受けると当該赤外線信号を電気信号に変換し、その電気信号を復調してその中に含まれる操作信号を取り出し、制御部23は、読取装置20aによってDVDディスクから当該操作信号に対応する(10)放水2シーンのデータを読み出し、再生機器20の表示部21及び音出力部24で(8)ハンドル操作2催促シーンに代えて(9)放水2シーンを展開させる。
また、制御部23は、(9)放水2シーンの冒頭で音透かしを埋め込んだ音を音出力部24から出力する。玩具本体10は、この音をマイクロホン10nで拾い、制御部11は、音の中に含まれる音透かしを抽出し、表示部21の画面上で放水ノズルから水が出たタイミングに合わせて振動発生装置10kを作動させて放水銃10bを強く振動させる。この場合の玩具本体10からの赤外線信号の送信と、再生機器20からの音透かしの出力とをハンドル10hを手前に保持している間は例えば1秒毎に繰り返して行ってもよい。また、再生機器20からの音透かしの出力だけを、受信ミスを考慮して複数回行ってもよい。
また、制御部23は、表示部21及び音出力部24で (9)放水2シーンに引き続いて(10)ハンドル操作3催促シーンを展開させる。
なお、(8)ハンドル操作2催促シーンの催促に従わず、ハンドル操作2を行わない場合には、制御部23は、(8)ハンドル操作2催促シーンを繰り返す。
【0029】
次に、(10)ハンドル操作3催促シーンの催促に従ってハンドル10hを戻した場合には、制御部11は、ハンドル10hを戻したときの操作信号を変調した赤外線信号を再生機器20に向けて送信させる。再生機器20は、赤外線信号を赤外線受信部22で受けると当該赤外線信号を電気信号に変換し、その電気信号を復調してその中に含まれる操作信号を取り出し、制御部23は、読取装置20aによってDVDディスクから当該操作信号に対応する(11)消火後シーンのデータを読み出し、再生機器20の表示部21及び音出力部24で(10)ハンドル操作3催促シーンに代えて(11)消火後シーンを展開させる。
また、制御部23は、(11) 消火後シーンの冒頭で音透かしを埋め込んだ音を音出力部24から出力する。玩具本体10は、この音をマイクロホン10nで拾い、制御部11は、音の中に含まれる音透かしを抽出し、表示部21の画面上で放水ノズルからの水が止まるタイミングに合わせて振動発生装置10kの作動を停止させて放水銃10bの振動を止める。
なお、再生機器20からの音透かしの出力だけを、受信ミスを考慮して複数回行ってもよい。
また、(10)ハンドル操作3催促シーンの催促に従わず、ハンドル操作3を行わない場合には、制御部23は、(10)ハンドル操作3催促シーンを繰り返す。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、玩具本体10からの操作信号でシーンを替える際に音透かしによってそのシーンに同期したタイミングで放水銃10bを振動又は振動停止させるようにしたが、玩具本体10側の動作は振動動作に限定されず、発光動作、音声出力動作、臭い発生動作その他の動作であってもよい。
例えば、消防車が出動にあたり、玩具本体10から出動ボタン等の操作信号を再生機器20に送信するようにして、消防車が出動する際に音透かしによって同期したタイミングで赤色灯発光部10mを作動させたり、音出力部10iからサイレン音を出力させたりしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
100 動作玩具
10 玩具本体
10f 操作子
10g 操作子
10b 放水銃
10h ハンドル
10j 赤外線送信部
10k 振動発生装置
10n マイクロホン
10j 赤外線送信部
11 制御部
20 再生機器
20a 読取装置
21 表示部
22 赤外線受信部
23 制御部
24 音出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11