【課題】手術中にテーブルを傾斜させて患者を傾斜させる場合でも、テーブルが傾斜した状態に維持されてからの経過時間を執刀医、助手、看護師、医療技師などの医療従事者が容易に把握できるようにすること。
【解決手段】この操作装置5(手術台用操作装置)は、患者載置用のテーブル1を多関節ロボットアーム2によって移動させる手術台100のテーブル1の移動をユーザが操作するための操作装置であって、ユーザによるテーブル1の移動指示を受け付ける指示受付部53と、移動指示によりテーブル1が多関節ロボットアーム2によって傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示するように構成された表示部52と、を備え、表示部52は、テーブル1の床面からの高さを表示する。
前記表示部は、前記姿勢情報として、水平面に対する前記テーブルの回動方向を示す図形表示と、水平面に対する前記テーブルの傾斜角度とを表示する、請求項2または3に記載の手術台用操作装置。
前記表示部は、前記テーブルの姿勢情報として、前記テーブルの水平面に対する回動方向を示す図形表示および前記テーブルの水平面に対する傾斜角度のうち少なくとも1つを表示する、請求項13または14に記載の手術台。
前記表示部は、前記テーブルが傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示するように構成されている、請求項13〜15のいずれか1項に記載の手術台。
前記多関節ロボットアームは、一方端が前記ベースに鉛直方向の軸線回りに回転可能に支持され、他方端が、前記テーブルの長手方向の一端近傍を支持するように構成されており、6以上の自由度により前記テーブルを移動させるように構成されている、請求項23に記載の手術台。
前記テーブルは、X線透過部とX線透過部を支持する支持部とを有し、前記多関節ロボットアームの他方端は、前記テーブルの前記支持部を支持する、請求項23または24に記載の手術台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような手術台および操作装置の場合、患者が載置されるテーブルの傾きを変更して患者を傾斜させることができるものの、手術に携わっている医療従事者が、傾斜したテーブルに患者がどのくらいの時間保持されているのか把握できない、という問題点がある。
【0005】
この発明は、手術中にテーブルを傾斜させて患者を傾斜させる場合でも、テーブルが傾斜した状態に維持されてからの経過時間を執刀医、助手、看護師、医療技師などの医療従事者が容易に把握することが可能な手術台用操作装置および手術台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の局面による手術台用操作装置は、患者載置用のテーブルを多関節ロボットアームによって移動させるロボット手術台のテーブルの移動をユーザが操作するための手術台用操作装置であって、ユーザによるテーブルの移動指示を受け付ける指示受付部と、移動指示によりテーブルが多関節ロボットアームによって傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示するように構成された表示部と、を備え、表示部は、テーブルの床面からの高さを表示する。
【0007】
この発明の第1の局面による手術台用操作装置では、上記のように、テーブルが傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部に表示させる制御を行う操作用制御部を設ける。これにより、表示部に表示される経過時間を確認することにより、テーブルが傾いている状態になってからの経過時間を容易に把握することができる。その結果、操作装置を操作している医療従事者が、テーブルに載置された患者が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように注意することができるので、テーブルを傾斜させて患者を傾斜させる場合でも患者の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を抑制することができる。
【0008】
上記第1の局面による手術台用操作装置において、好ましくは、操作用制御部は、表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、医療従事者が、テーブルが傾斜していることを容易に把握することができるので、患者が傾斜した状態であることを容易に把握することができる。その結果、医療従事者が、患者が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように気を付けることができるので、患者の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を効果的に抑制することができる。また、手術中などにテーブルに載置された患者が手術用カバーに覆われることにより、医療従事者がテーブルの姿勢を直接確認できない場合でも、表示部のテーブルの姿勢情報を確認することにより、テーブルの姿勢を容易に把握することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、表示部は、テーブルの姿勢情報として、テーブルの姿勢を示す図形表示を表示する。このように構成すれば、テーブルの姿勢を示す図形表示(イラスト)が表示部に表示されるので、テーブルの傾斜の有無などの姿勢を医療従事者が容易に把握することができる。その結果、医療従事者はテーブルが傾斜していることを把握した場合に、患者に褥瘡(床ずれ)が発症する可能性があることを容易に認識することができる。
【0010】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、表示部は、テーブルの姿勢情報として、水平面に対するテーブルの傾斜角度を表示する。このように構成すれば、表示部に表示される傾斜角度により医療従事者がテーブルの傾斜の程度を容易に把握することができる。
【0011】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、表示部は、テーブルの姿勢情報として、水平面に対するテーブルの回動方向を示す図形表示と、水平面に対するテーブルの傾斜角度とを表示する。このように構成すれば、表示部に表示される図形表示(イラスト)と傾斜角度とによりテーブルがどの方向にどの程度傾斜しているのかを医療従事者が容易に把握することができる。
【0012】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、テーブルの姿勢変更を行うモードを設定するためのモード設定部を備えており、モード設定部は、姿勢変更を行うモードとして、テーブルの長手方向に平行な軸線回りにテーブルを回動させる横転モードと、テーブルの短手方向に平行な軸線回りにテーブルを回動させる縦転モードとを設定可能に構成されている。このように構成すれば、モード設定部によりモードを選択して、テーブルを容易に傾斜させることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、縦転モードでは、回動中心位置をテーブルの長手方向における複数の位置から選択可能である。このように構成すれば、患者の頭部付近、腹部付近、脚部付近などを回動中心位置に選択することができるので、状況に応じて患者の姿勢を容易に変更させることができる。
【0014】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、テーブルの姿勢変更を行うモードを設定するためのモード設定部を備えており、モード設定部は、姿勢変更を行うモードとして、テーブルを上下動させる昇降モードを設定可能に構成されており、操作用制御部は、昇降モードが設定されている場合に、テーブルの姿勢情報として、表示部にテーブルの昇降の方向を示す図形表示を表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、モード設定部によりモードを選択して、テーブルを容易に上下方向に移動させることができる。また、表示部に表示される図形表示(イラスト)と高さとによりテーブルが上下のどちらの方向に移動し、どの程度の高さに位置しているのかを医療従事者が容易に把握することができる。
【0015】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、テーブルの姿勢変更を行うモードを設定するためのモード設定部を備えており、モード設定部は、姿勢変更を行うモードとして、テーブルを水平面内で鉛直方向の回転軸線回りに回転させる平面回転モードを設定可能に構成されており、操作用制御部は、平面回転モードが設定されている場合に、テーブルの姿勢情報として、表示部にテーブルの基準位置に対する回転方向を示す図形表示と、テーブルの基準位置に対する角度とを表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、モード設定部によりモードを選択して、テーブルを容易に水平面内において回転させることができる。また、表示部に表示される図形表示(イラスト)と角度とによりテーブルがどの方向にどの程度回転しているのかを医療従事者が容易に把握することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、平面回転モードでは、回動中心位置をテーブルの長手方向における複数の位置から選択可能である。このように構成すれば、患者の頭部付近、腹部付近、脚部付近などを回動中心位置に選択することができるので、状況に応じて患者の姿勢を容易に変更させることができる。
【0017】
上記表示部にテーブルの姿勢情報を表示させる構成の手術台用操作装置において、好ましくは、テーブルの姿勢変更を行うモードを設定するためのモード設定部を備えており、モード設定部は、姿勢変更を行うモードとして、テーブルを水平面内で直線的に移動させる平面移動モードを設定可能に構成されており、操作用制御部は、平面移動モードが設定されている場合に、テーブルの姿勢情報として、表示部にテーブルの移動方向を示す図形表示を表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、モード設定部によりモードを選択して、テーブルを容易に水平方向に移動させることができる。また、表示部に表示される図形表示(イラスト)によりテーブルがどの方向に移動しているのかを医療従事者が容易に把握することができる。
【0018】
上記第1の局面による手術台用操作装置において、好ましくは、手術台は、床に埋め込まれるか固定されるベースを備え、多関節ロボットアームは、一方端がベースに支持され、他方端がテーブルを支持する。このように構成すれば、多関節ロボットアームによりテーブルを移動させることができるので、テーブルを床に固定された基台により移動させる場合に比べて、テーブルの移動の範囲や自由度を大きくすることができる。また、多関節ロボットアームにより容易にテーブルの移動および姿勢変更を行うことができる。
【0019】
この発明の第2の局面による手術台は、患者載置用のテーブルと、テーブルを移動させる多関節ロボットアームと、ユーザによるテーブルの移動指示を受け付ける指示受付部を含む操作装置と、移動指示によりテーブルが多関節ロボットアームにより傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示するように構成されている表示部と、を備え、表示部は、テーブルの床面からの高さを表示する。
【0020】
この発明の第2の局面による手術台では、上記のように、テーブルが傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間が表示部に表示されるように構成する。これにより、医療従事者が表示部に表示される経過時間を確認することにより、テーブルが傾いている状態になってからの経過時間を容易に把握することができる。その結果、医療従事者が、テーブルに載置された患者が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように注意することができるので、テーブルを傾斜させて患者を傾斜させる場合でも患者の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を抑制することができる。
【0021】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、テーブルの姿勢情報が表示部に表示されるように構成されている。このように構成すれば、医療従事者が、テーブルが傾斜していることを容易に把握することができるので、患者が傾斜した状態であることを容易に把握することができる。その結果、医療従事者が、患者が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように注意することができるので、患者の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を効果的に抑制することができる。また、手術中などにテーブルに載置された患者が手術用カバーに覆われることにより、テーブルの姿勢を直接確認できない場合でも、表示部のテーブルの姿勢情報を確認することにより、テーブルの姿勢を容易に把握することができる。
【0022】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、表示部は、テーブルの姿勢情報として、テーブルの水平面に対する回動方向を示す図形表示およびテーブルの水平面に対する傾斜角度のうち少なくとも1つを表示する。このように構成すれば、表示部に表示される図形表示(イラスト)または傾斜角度によりテーブルが傾斜していることを医療従事者が容易に把握することができる。その結果、医療従事者はテーブルが傾斜していることを把握した場合に、患者に褥瘡(床ずれ)が発症する可能性があることを容易に認識することができる。
【0023】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、制御部は、テーブルが傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、テーブルが傾斜した姿勢にされてからの経過時間を表示部に表示することができるので、医療従事者が、テーブルが傾いている状態になってからの経過時間を容易に把握することができる。
【0024】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、操作装置は、操作用制御部を含み、操作用制御部は、テーブルが傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、テーブルが傾斜した姿勢にされてからの経過時間を表示部に表示することができるので、医療従事者が、テーブルが傾いている状態になってからの経過時間を容易に把握することができる。
【0025】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、多関節ロボットアームは、モータと電磁ブレーキとを含み、テーブルが傾斜した姿勢にされた状態でモータの作動が停止し、かつ、電磁ブレーキが作動したことに基づいて、傾斜した姿勢での経過時間のカウントが開始されるように構成されている。このように構成すれば、移動機構が駆動しない状態から経過時間をカウントすることができるので、テーブルが傾斜して確実に停止した状態から経過時間をカウントすることができる。
【0026】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、操作装置は、テーブルの姿勢変更を行うモードを設定するためのモード設定部を備えており、モード設定部は、姿勢変更を行うモードとして、テーブルの長手方向に平行な軸線回りにテーブルを回動させる横転モードと、テーブルの短手方向に平行な軸線回りにテーブルを回動させる縦転モードとを設定可能に構成されている。このように構成すれば、モード設定部によりモードを選択して、テーブルを容易に傾斜させることができる。
【0027】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、指示受付部は、テーブルを移動させる方向毎に複数の方向受付部を有し、多関節ロボットアームは、複数の方向受付部のうちの少なくとも1つの方向受付部が操作されている間、テーブルを移動させるように構成されている。このように構成すれば、方向受付部に対して操作が行われている間だけテーブルが移動されるので、テーブルの移動を停止させたい場合に、方向受付部に対する操作を止めるだけでよい。これにより、確実かつ速やかにテーブルの移動を停止させることができる。
【0028】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、指示受付部は、ジョイスティックを含み、多関節ロボットアームは、ジョイスティックが操作されている間、テーブルを移動させるように構成されている。このように構成すれば、ジョイスティックに対して操作が行われている間だけテーブルが移動されるので、テーブルの移動を停止させたい場合に、ジョイスティックに対する操作を止めるだけでよい。これにより、確実かつ速やかにテーブルの移動を停止させることができる。
【0029】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、操作装置は、指示受付部の操作を有効化するためのトリガー部を含み、多関節ロボットアームは、トリガー部と指示受付部とが同時に操作されている間、テーブルを移動させるように構成されている。このように構成すれば、指示受付部を意図せずに操作した場合でも、トリガー部が操作されなければテーブルが移動されることがないので、意図せずにテーブルが移動するのを抑制することができる。
【0030】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、操作装置は、トリガー部を含み、多関節ロボットアームは、複数の関節を含み、複数の関節の各々は、モータと電磁ブレーキとを有しており、多関節ロボットアームは、トリガー部が操作されていない場合、モータへの通電を遮断し、電磁ブレーキを作動させ、トリガー部が操作されている場合、モータに通電し、電磁ブレーキを作動させないように構成されている。このように構成すれば、指示受付部を意図せずに操作した場合でも、トリガー部が操作されなければテーブルが移動されることがないので、意図せずにテーブルが移動するのを抑制することができる。
【0031】
上記第2の局面による手術台において、好ましくは、多関節ロボットアームは、一方端がベースに支持され、他方端がテーブルを支持する。このように構成すれば、多関節ロボットアームによりテーブルを移動させることができるので、テーブルを床に固定された基台により移動させる場合に比べて、テーブルの移動の範囲や自由度を大きくすることができる。また、多関節ロボットアームにより容易にテーブルの移動および姿勢変更を行うことができる。
【0032】
この場合、好ましくは、多関節ロボットアームは、一方端がベースに鉛直方向の軸線回りに回転可能に支持され、他方端が、テーブルの長手方向の一端近傍を支持するように構成されており、6以上の自由度によりテーブルを移動させるように構成されている。このように構成すれば、6以上の自由度を有する多関節ロボットアームによりテーブルを所望の位置に容易に移動させることができる。また、6以上の自由度を有する多関節ロボットアームにより患者が載置されるテーブルの移動の範囲や自由度を効果的に大きくすることができる。
【0033】
上記移動機構が多関節ロボットアームを含む構成の手術台において、好ましくは、テーブルは、X線透過部とX線透過部を支持する支持部とを有し、多関節ロボットアームの他方端は、テーブルの支持部を支持する。このように構成すれば、多関節ロボットアームを支持部側に配置して、X線透過部の下方に十分な空間を確保すれば、X線透過部の下方にX線撮像のための装置を入れることができるので、テーブルに載置された状態の患者に対してX線撮像を行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、テーブルを傾斜させて患者を傾斜させる場合でも患者の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を抑制するために、テーブルが傾斜した状態に維持されてからの経過時間を医療従事者が容易に把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
(手術台の構成)
図1〜
図7を参照して、本実施形態による手術台100の構成について説明する。
【0038】
図1に示すように、手術台100は、ハイブリッド手術室200に設けられている。ハイブリッド手術室200には、患者10のX線投影画像を撮像するX線撮像装置300が設けられている。また、ハイブリッド手術室200には、手術に関する情報を表示するための表示部400が設けられている。表示部400は、たとえばアーム(図示せず)により懸架されており、ハイブリッド手術室200内を移動可能に構成されている。手術台100は、たとえば、外科、内科などで行われる手術台として用いられる。手術台100は、テーブル1に患者10を載置する載置位置に移動するとともに、テーブル1に患者10を載置した状態で、患者受入位置、麻酔位置、手術位置、検査位置、処置位置、X線撮像位置、患者受渡位置などに患者10を移動させることが可能である。また、手術台100は、テーブル1に患者10を載置した状態で、患者10を傾けることが可能である。
【0039】
手術台100は、患者載置用のテーブル1と、多関節ロボットアーム2と、制御部3と、操作装置5と、操作装置6と、を備えている。テーブル1は、X線透過部11と、X線透過部11を支持する支持部12とを含んでいる。多関節ロボットアーム2は、ベース21と、水平多関節アセンブリ22と、垂直多関節アセンブリ23と、ピッチ回動機構24とを備えている。水平多関節アセンブリ22は、水平関節221、222および223を含んでいる。垂直多関節アセンブリ23は、垂直関節231、232および233を含んでいる。X線撮像装置300は、X線照射部301と、X線検出部302と、Cアーム303とを含んでいる。なお、多関節ロボットアーム2は、特許請求の範囲の「移動機構」の一例である。また、操作装置5および6は、それぞれ、特許請求の範囲の「手術台用操作装置」の一例である。また、水平関節221〜223および垂直関節231〜233は、それぞれ、特許請求の範囲の「関節」の一例である。
【0040】
テーブル1は、
図1および
図2に示すように、略矩形形状の平板状に形成されている。また、テーブル1の上面は、略平坦に形成されている。テーブル1は、X方向に長手方向を有し、Y方向に短手方向を有している。なお、テーブル1は、上下方向(Z方向)の軸線回りに回転可能であるが、ここでは、テーブル1の長手方向に沿った水平方向をX方向とし、テーブル1の短手方向に沿った水平方向をY方向とする。つまり、X方向およびY方向は、テーブル1を基準とした方向を示している。
【0041】
図1に示すように、テーブル1のX線透過部11には、患者10が載置される。X線透過部11は、テーブル1のX1方向に配置されている。X線透過部11は、略矩形形状に形成されている。X線透過部11は、X線を透過しやすい材料により形成されている。X線透過部11は、たとえば、カーボン材料(グラファイト)により形成されている。X線透過部11は、たとえば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成されている。これにより、X線透過部11に患者10を載置した状態で、患者10のX線画像を撮像することが可能である。
【0042】
テーブル1の支持部12は、多関節ロボットアーム2に接続されている。支持部12は、テーブル1のX2方向に配置されている。支持部12は、略矩形形状に形成されている。支持部12は、X線透過部11を支持している。支持部12は、X線透過部11よりもX線の透過率が小さい材料により形成されている。支持部12は、たとえば、金属により形成されている。支持部12は、たとえば、鉄材やアルミニウム材により形成されている。
【0043】
テーブル1は、多関節ロボットアーム2により、移動されるように構成されている。具体的には、テーブル1は、水平方向のX方向、X方向と直交する水平方向のY方向、および、X方向およびY方向に直交し、上下方向であるZ方向に移動可能に構成されている。また、テーブル1は、X方向の軸線回りに回動(ロール)可能に構成されている。また、テーブル1は、Y方向の軸線回りに回動(ピッチ)可能に構成されている。また、テーブル1は、Z方向の軸線回りに回転(ヨー)可能に構成されている。
【0044】
多関節ロボットアーム2は、テーブル1を移動させるように構成されている。
図1に示すように、多関節ロボットアーム2は、一方端が床に固定されたベース21に支持され、他方端がテーブル1を移動可能に支持している。具体的には、多関節ロボットアーム2は、ベース21が設置される設置面に対して略垂直なベース回転軸(回動軸線A1)回りに回動可能にベース21に支持されている。また、多関節ロボットアーム2は、テーブル1の長手方向(X方向)のX2方向側の一端近傍を支持するように構成されている。言い換えると、多関節ロボットアーム2の他方端は、テーブル1の一端近傍の支持部12を支持している。
【0045】
多関節ロボットアーム2は、7の自由度によりテーブル1を移動させるように構成されている。具体的には、多関節ロボットアーム2は、水平多関節アセンブリ22により、鉛直方向の回動軸線A1回りの回動、鉛直方向の回動軸線A2回りの回動、および、鉛直方向の回動軸線A3回りの回動の3の自由度を有している。また、多関節ロボットアーム2は、垂直多関節アセンブリ23により、水平方向の回動軸線B1回りの回動、水平方向の回動軸線B2回りの回動、および、水平方向の回動軸線B3回りの回動の3の自由度を有している。また、多関節ロボットアーム2は、ピッチ回動機構24により、テーブル1を短手方向(Y方向)の回動軸線回りにピッチ回動させる1の自由度を有している。
【0046】
ベース21は、床に埋設されて固定されている。ベース21は、平面視(Z方向に見て)において、テーブル1の移動範囲の略中央近傍に設けられている。
【0047】
図3に示すように、水平関節221〜223および垂直関節231〜233は、それぞれ、関節駆動部4が設けられている。水平関節221〜223および垂直関節231〜233は、それぞれに設けられた関節駆動部4により駆動されるように構成されている。関節駆動部4は、モータ41と、エンコーダ42と、電磁ブレーキ43と、減速機(図示せず)とを含んでいる。水平関節221〜223および垂直関節231〜233は、各々のモータ41の駆動により、回動軸線回りに回動される。
【0048】
モータ41は、サーボモータを含んでいる。モータ41は、制御部3の制御により駆動されるように構成されている。電磁ブレーキ43は、関節(水平関節221〜223、垂直関節231〜233)を制動させるように構成されている。エンコーダ42は、モータ41の駆動量を検知して、検知結果を制御部3に送信するように構成されている。電磁ブレーキ43は、無励磁作動型電磁ブレーキであり、モータ41に通電されない場合にモータ41を制動するように構成されている。電磁ブレーキ43は、モータ41に内蔵された電磁ブレーキであってもよいし、モータ41に外付けされた電磁ブレーキであってもよい。
【0049】
図2に示すように、多関節ロボットアーム2は、平面視(Z方向に見て)において、テーブル1の下方に全て隠れるように配置されている。たとえば、多関節ロボットアーム2は、テーブル1が手術位置に位置している場合に、テーブル1の下の空間である収容空間内に収容されるように構成されている。つまり、多関節ロボットアーム2は、テーブル1に載置された患者10に対して手術や処置を行う位置にテーブル1を移動させた場合に、折り畳まれて、平面視において(Z方向に見て)、テーブル1の下方に完全に隠れるように構成されている。また、折り畳まれた姿勢の多関節ロボットアーム2は、テーブル1の長手方向と平行な方向における長さがテーブル1の長手方向の長さの1/2以下である。
【0050】
また、多関節ロボットアーム2は、少なくとも1つの水平関節(221、222および223のうち少なくとも1つ)により、テーブル1を鉛直方向(Z方向)の軸線回りにヨー回転させるように構成されている。また、多関節ロボットアーム2は、少なくとも1つの垂直関節(231、232および233のうち少なくとも1つ)により、テーブル1を長手方向(X方向)の軸線回りにロール回動させるように構成されている。また、多関節ロボットアーム2は、ピッチ回動機構24により、テーブル1を短手方向(Y方向)の軸線回りにピッチ回動させるように構成されている。
【0051】
具体的には、多関節ロボットアーム2は、
図4(A)に示すように、テーブル1の短手方向(Y方向)に平行な軸線Pa、PbまたはPc回りにテーブル1をピッチ回動させるように構成されている。また、多関節ロボットアーム2は、
図4(B)に示すように、テーブル1の長手方向(X方向)に平行な軸線R回りにテーブル1をロール回動させるように構成されている。また、多関節ロボットアーム2は、
図4(C)に示すように、鉛直方向(Z方向)に平行な軸線Ya、YbまたはYc回りにテーブル1をヨー回転させるように構成されている。
【0052】
また、多関節ロボットアーム2は、
図4(D)に示すように、テーブル1を水平面内(XY平面内)で直線的に移動させるように構成されている。また、多関節ロボットアーム2は、
図4(E)に示すように、テーブル1を上下方向(Z方向)に昇降移動させるように構成されている。
【0053】
制御部3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)3aと、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶部3bと、を含む制御回路である。制御部3は、ベース21内に設置され、多関節ロボットアーム2によるテーブル1の移動を制御するように構成されている。具体的には、制御部3は、医療従事者(操作者)による操作に基づいて、多関節ロボットアーム2の駆動を制御して、テーブル1を移動させるように構成されている。また、制御部3は、各関節のモータ41のエンコーダ42の出力に基づいて、多関節ロボットアーム2の姿勢、テーブル1の位置および姿勢を取得するように構成されている。
【0054】
操作装置5および操作装置6は、テーブル1を移動させるための医療従事者(操作者)による操作を受け付けるように構成されている。操作装置5および操作装置6は、手術台100の患者載置用のテーブル1の移動および姿勢変更をユーザ(医療従事者)が操作するために設けられている。操作装置5および操作装置6は、それぞれ、テーブル1に対する操作を行うことが可能である。操作装置5は、テーブル1に取り付けられて用いられるように構成されている。操作装置6は、テーブル1から離間した位置に配置することが可能に構成されている。操作装置5および6は、テーブル1の支持部12の側面に設けられた係合部に係合することにより、テーブル1に取り付けることが可能に構成されている。操作装置5および6は、それぞれ、有線通信により制御部3に接続されている。
【0055】
操作装置5は、
図3および
図5に示すように、操作用制御部51と、表示部52と、ジョイスティック53aを含む指示受付部53と、トリガー部54と、モード設定部55と、プリセットボタン56とを含んでいる。操作装置6は、
図3および
図6に示すように、操作用制御部61と、表示部62と、複数の方向受付部63aを含む指示受付部63と、トリガー部64と、モード設定部65と、プリセットボタン66と、移動速度切換ボタン67とを含んでいる。
【0056】
操作用制御部51(61)は、医療従事者(操作者)による操作に基づいて、操作装置5(6)の各部を制御するように構成されている。具体的には、操作用制御部51(61)は、医療従事者(操作者)による操作に基づいて、表示部52(62)に画像を表示させる制御を行うように構成されている。また、操作用制御部51(61)は、医療従事者(操作者)による操作に基づいて、操作情報を、制御部3に送信するように構成されている。
【0057】
ここで、本実施形態では、操作用制御部51(61)は、テーブル1が傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部52(62)に表示させる制御を行うように構成されている。また、操作用制御部51(61)は、表示部52(62)にテーブル1の姿勢情報を表示させる制御を行うように構成されている。
【0058】
表示部52(62)は、テーブル1の状態、操作装置5(6)に対する操作の状態、操作画面などを表示するように構成されている。表示部52(62)は、液晶ディスプレイや有機EL(electroluminescence)ディスプレイを含む。また、ハイブリッド手術室200では、手術台100の制御部3と操作装置5(6)の操作用制御部51(61)と表示部400(
図1参照)とは、互いに通信可能に接続されており、表示部400は、テーブル1の状態、操作装置5(6)に対する操作の状態、操作画面などを表示可能に構成されている。表示部400は、たとえば、操作装置5(6)の表示部52(62)に表示された画像を表示可能に構成されている。これにより、ハイブリッド手術室200において、複数の医療従事者が手術台100の操作状態を一度に確認することが可能である。具体的には、制御部3または操作用制御部51(61)は、テーブル1が傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部400に表示させるように構成されている。また、制御部3または操作用制御部51(61)は、表示部400にテーブル1の姿勢情報を表示させるように構成されている。また、表示部400は、タッチパネル式の入力兼表示部とすることができ、画面を操作することにより、テーブル1を移動させるための医療従事者(ユーザ)による操作を受け付けるように構成されていてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、テーブル1の姿勢情報として、テーブル1の姿勢を示す図形表示(イラスト)が表示部52(62)に表示される。また、テーブル1の姿勢情報として、水平面に対するテーブル1の傾斜角度が表示部52(62)に表示される。また、テーブル1の姿勢情報として、水平面に対するテーブル1の回動方向を示す図形表示(イラスト)と、水平面に対するテーブル1の傾斜角度とが表示部52(62)に表示される。
【0060】
指示受付部53(63)は、テーブル1を移動させるためのユーザ(医療従事者)の移動指示を受け付けるように構成されている。また、指示受付部53(63)は、テーブル1の姿勢を変更させるためのユーザ(医療従事者)の姿勢変更指示を受け付けるように構成されている。操作装置5では、指示受付部53は、ジョイスティック53aを含む。ジョイスティック53aは、倒されることにより操作されるように構成されている。また、ジョイスティック53aは、倒す方向および倒す角度に応じて、テーブル1を移動させる操作を受け付けるように構成されている。操作装置6では、指示受付部63は、テーブル1を移動させる方向毎に複数の方向受付部63aを含む。方向受付部63aは、たとえば、8方向分設けられている。また、方向受付部63aは、押下されることによりテーブル1を移動させる操作を受け付けるように構成されている。
【0061】
トリガー部54(64)は、指示受付部53(63)の操作を有効化するために設けられている。具体的には、トリガー部54(64)が操作されることにより、モータ41の通電をオンにする機能を有している。これにより、トリガー部54(64)を操作すれば、電磁ブレーキ43によるモータ41の制動が解除される。この結果、トリガー部54(64)が操作されている間だけ、指示受付部53(63)の操作が有効化されて、テーブル1を移動させることが可能になる。また、手術台100では、トリガー部54(64)の操作が解除されると、モータ41の通電がオフになる。これにより、トリガー部54(64)の操作を解除すれば、電磁ブレーキ43によりモータ41が制動される。この結果、トリガー部54(64)が操作されていない場合には、指示受付部53(63)の操作が無効化されて、テーブル1を移動させることができなくなる。
【0062】
操作装置5では、トリガー部54は、ジョイスティック53aの先端に設けられている。操作装置5では、トリガー部54が押下されることにより、ジョイスティック53aの操作が有効化される。また、トリガー部54の押下が解除された状態では、ジョイスティック53aの操作が無効化される。操作装置6では、トリガー部64は、方向受付部63aが設けられた表面とは反対の表面側に設けられている。操作装置6では、トリガー部64が押下されることにより、方向受付部63aの操作が有効化される。また、トリガー部64の押下が解除された状態では、方向受付部63aの操作が無効化される。
【0063】
モード設定部55(65)は、テーブル1の移動および姿勢変更を行うモードを設定可能に構成されている。具体的には、モード設定部55(65)は、ユーザによるモード変更の操作を受け付けるように構成されている。また、モード設定部55(65)は、複数の動作モードから1つの動作モードを設定するために設けられている。モード設定部55(65)は、移動および姿勢変更を行うモードとして、テーブル1の短手方向(Y方向)に平行な軸線回りにテーブル1を回動させる縦転モードと、テーブル1の長手方向(X方向)に平行な軸線回りにテーブル1を回動させる横転モードと、テーブル1を水平面内で鉛直方向(Z方向)の回転軸線回りに回転させる平面回転モードと、テーブル1を水平面内で直線的に移動させる平面移動モードと、テーブル1を上下動させる昇降モードと、水平復帰モードとを設定可能に構成されている。
【0064】
また、操作装置6のモード設定部65は、モード毎に複数のボタンを有している。たとえば、
図7に示すように、モード設定部65は、縦転モードボタン65aと、横転モードボタン65bと、平面回転モードボタン65cと、平面移動モードボタン65dと、昇降モードボタン65eと、水平復帰モードボタン65fとを有している。なお、操作装置5のモード設定部55も同様のボタンを有している。モード設定部55(65)の各ボタンが押下されてモードが選択されると、押下されたボタンが点灯するように構成されている。
【0065】
モード設定部55(65)により動作モードが選択された状態で、トリガー部54(64)および指示受付部53(63)が操作されることにより、テーブル1が移動される。モード設定部55(65)は、
図5(
図6)に示すように、指示受付部53(63)とは互いに異なる背景色を有している。つまり、モード設定部55(65)と、指示受付部53(63)とは、色調により互いに識別可能に構成されている。
【0066】
図4に示すように、縦転モードでは、回動中心位置をテーブル1の長手方向(X方向)における複数の位置から選択可能である。たとえば、縦転モードでは、回動中心位置を、頭部付近の軸線Pa、腹部付近の軸線Pb、脚部付近の軸線Pcから選択可能である。また、平面回転モードでは、回動中心位置をテーブル1の長手方向(X方向)における複数の位置から選択可能である。たとえば、平面回転モードでは、回動中心位置を、頭部付近の軸線Ya、腹部付近の軸線Yb、脚部付近の軸線Ycから選択可能である。
【0067】
プリセットボタン56(66)は、テーブル1の移動先をプリセット位置に設定するため、および、テーブル1の現在位置をプリセット位置として登録するために設けられている。プリセットボタン56(66)によりテーブル1の現在位置がプリセット位置として登録されると、テーブル1の位置情報とその時の多関節ロボットアーム2の姿勢情報とが制御部3の記憶部3bに記憶される。プリセットボタン56(66)によりプリセット位置が選択された状態で、トリガー部54(64)および指示受付部53(63)が操作されることにより、テーブル1が選択されたプリセット位置に移動される。なお、プリセット位置は、たとえば、患者受入位置、麻酔位置、手術位置、検査位置、処置位置、X線撮像位置、患者受渡位置などが登録される。また、プリセット位置は、手術の術式により位置がそれぞれ別個に登録されている。登録されたプリセット位置におけるテーブル1の位置情報およびその時の多関節ロボットアーム2の姿勢情報が制御部3の記憶部3bに記憶されている。
【0068】
なお、制御部3は、トリガー部54(64)と指示受付部53(63)とが同時に操作されている間、テーブル1を移動させるように多関節ロボットアーム2の駆動を制御するように構成されているが、テーブル1が移動後の位置であるプリセット位置に到着すると、モータ41への通電を遮断し、電磁ブレーキ43を作動させる制御を行うように構成されている。テーブル1がプリセット位置に到着すると、トリガー部54(64)と指示受付部53(63)とが同時に操作されていてもモータ41への通電が遮断されて電磁ブレーキ43が作動し、テーブル1および多関節ロボットアーム2がプリセット位置で速やかに固定される。
【0069】
移動速度切換ボタン67は、テーブル1の移動速度を変更するために設けられている。移動速度切換ボタン67を押下する毎に、テーブル1の移動速度が段階的に切り換わるように構成されている。たとえば、テーブル1の移動速度は、3段階の移動速度に切り換え可能である。
【0070】
また、本実施形態では、操作用制御部51(61)は、縦転モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の水平面に対する回転方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の水平方向に対する角度とを表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、縦転モードでは、(M11)において、回動中心位置を選択させる画面が表示部62(52)に表示される。また、水平面に対する回転方向を示す図形表示が表示部62(52)に表示される。縦転モードでは、指示受付部63の左右のキーの操作によりテーブル1が縦転移動される。ジョイスティック53aの場合、左右への傾倒操作によりテーブル1が縦転移動される。テーブル1が縦転移動されると、(M12)において、水平面に対するテーブル1の傾斜角度が表示される。また、テーブル1が傾斜した状態で停止すると、テーブル1が傾斜した姿勢における経過時間が表示される。なお、
図7には、操作装置6の例について示しているが、操作装置5についても同様の操作を行うことが可能であるとともに表示部52に同様の表示がされる。
【0071】
また、操作用制御部51(61)は、横転モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の水平面に対する回転方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の水平方向に対する角度とを表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、横転モードでは、(M21)において、水平面に対する回転方向を示す図形表示が表示部62(52)に表示される。横転モードでは、指示受付部63の左右のキーの操作によりテーブル1が横転移動される。ジョイスティック53aの場合、左右への傾倒操作によりテーブル1が横転移動される。テーブル1が横転移動されると、(M22)において、水平面に対するテーブル1の傾斜角度が表示される。また、テーブル1が傾斜した状態で指示受付部63またはジョイスティック53aの操作を止めるとテーブル1が停止し、その状態でトリガー部64(54)の操作を止めると、モータ41への通電が遮断されて電磁ブレーキ43が作動し、テーブル1が傾斜した姿勢における経過時間が表示される。
【0072】
縦転モードおよび横転モードによりテーブル1が傾斜した姿勢にされた場合に、トリガー部64(54)の操作をオフにすることでモータ41の作動が停止し、かつ、電磁ブレーキ43が作動したことに基づいて、傾斜した姿勢での経過時間のカウントが開始されるように構成されている。具体的には、操作用制御部51(61)は、制御部3のモータ41の停止信号に基づいて、テーブル1の傾斜した姿勢での経過時間のカウントを開始するように構成されている。また、操作用制御部51(61)は、制御部3のモータ41の動作信号に基づいて、テーブル1の傾斜した姿勢での経過時間のカウントをリセットするように構成されている。なお、操作用制御部51(61)は、トリガー部64(54)の操作オフに基づいて、テーブル1の傾斜した姿勢での経過時間のカウントを開始するように構成されてもよい。
【0073】
また、操作用制御部51(61)は、平面回転モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の基準位置に対する回転方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の基準位置に対する角度とを表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、平面回転モードでは、(M31)において、回動中心位置を選択させる画面が表示部62(52)に表示される。また、平面視における回転方向を示す図形表示が表示部62(52)に表示される。平面回転モードでは、指示受付部63の左右のキーの操作によりテーブル1が平面回転移動される。ジョイスティック53aの場合、左右への傾倒操作によりテーブル1が平面回転移動される。テーブル1が平面回転移動されると、(M32)において、基準位置に対するテーブル1の傾斜角度が表示される。
【0074】
また、操作用制御部51(61)は、平面移動モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の移動方向を示す図形表示(イラスト)を表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、平面移動モードでは、(M41)において、平面視における移動方向を示す図形表示が表示部62(52)に表示される。平面移動モードでは、指示受付部63の上下左右斜めのキーの操作によりテーブル1が平面移動される。ジョイスティック53aの場合、上下左右斜めへの傾倒操作によりテーブル1が平面移動される。
【0075】
また、操作用制御部51(61)は、昇降モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の昇降の方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の床面からの高さとを表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、昇降モードでは、(M51)において、昇降方向を示す図形表示が表示部62(52)に表示される。昇降モードでは、指示受付部63の上下のキーの操作によりテーブル1が昇降移動される。ジョイスティック53aの場合、上下への傾倒操作によりテーブル1が昇降移動される。テーブル1が昇降移動されると、(M52)において、床面に対するテーブル1の高さ位置が表示される。
【0076】
また、操作用制御部51(61)は、水平復帰モードが設定されている場合に、水平復帰させるための操作表示を表示部52(62)に表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、
図7に示すように、水平復帰モードでは、(M61)において、「水平に復帰します。移動ボタンを押してください。」という表示が表示部62(52)に表示される。水平復帰モードでは、縦転モードおよび横転モードにより水平面に対して傾斜されたテーブル1が水平面に対して平行になるように移動される。
【0077】
また、操作用制御部51は、ジョイスティック53aの操作される傾きに応じてテーブル1の移動速度を変更するように構成されている。具体的には、操作用制御部51は、ジョイスティック53aが倒される傾きが小さい場合、移動速度が小さくなるように設定し、ジョイスティック53aが倒される傾きが大きい場合、移動速度が大きくなるように設定するように構成されている。
【0078】
制御部3は、複数の方向受付部63aのうちの少なくとも1つの方向受付部63aが操作されている間、テーブル1を移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御部3は、複数の方向受付部63aのうちの少なくとも1つの方向受付部63aが操作されている間、テーブル1を移動させるように多関節ロボットアーム2の駆動を制御するように構成されている。つまり、操作装置6により医療従事者(操作者)による操作を受け付けている場合、方向受付部63aが操作されている間だけ、テーブル1が移動される。
【0079】
また、制御部3は、ジョイスティック53aが操作されている間、テーブル1を移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御部3は、ジョイスティック53aが操作されている間、テーブル1を移動させるように多関節ロボットアーム2の駆動を制御するように構成されている。つまり、操作装置5により医療従事者(操作者)による操作を受け付けている場合、ジョイスティック53aが操作されている間だけ、テーブル1が移動される。
【0080】
また、制御部3は、トリガー部54(64)と指示受付部53(63)とが同時に操作されている間、テーブル1を移動させるように多関節ロボットアーム2の駆動を制御するように構成されている。つまり、操作装置5により医療従事者(操作者)による操作を受け付けている場合、トリガー部54が押下される操作とジョイスティック53aが倒される操作とが同時に行われている間だけ、テーブル1が移動される。また、操作装置6により医療従事者(操作者)による操作を受け付けている場合、トリガー部64が押下される操作と方向受付部63aが押下される操作とが同時に行われている間だけ、テーブル1が移動される。
【0081】
(X線撮像装置の構成)
図1を参照して、X線撮像装置300の構成について説明する。
【0082】
図1に示すように、X線撮像装置300は、テーブル1に載置された患者10のX線投影画像を撮像可能に構成されている。X線照射部301およびX線検出部302は、Cアーム303により支持されている。X線照射部301およびX線検出部302は、Cアーム303の移動に伴って移動され、X線撮像時に、患者10の撮像位置を挟み込むように対向して配置される。たとえば、X線照射部301およびX線検出部302のうち一方がテーブル1の上方の空間に配置され、他方がテーブル1の下方の空間に配置される。また、X線撮像時には、X線照射部301およびX線検出部302を支持するCアーム303もテーブル1の上方および下方の空間に配置される。
【0083】
X線照射部301は、X線検出部302と対向するように配置されている。また、X線照射部301は、X線検出部302に向けてX線を照射可能に構成されている。X線検出部302は、X線照射部301により照射されたX線を検出するように構成されている。X線検出部302は、フラットパネルディテクタ(FPD)を含んでいる。X線検出部302は、検出したX線に基づいてX線画像を撮像するように構成されている。具体的には、X線検出部302は、検出したX線を電気信号に変換し、画像処理部(図示せず)に送信する。
【0084】
Cアーム303は、一方端にX線照射部301が接続され、他方端にX線検出部302が接続されている。Cアーム303は、略C字形状を有している。これにより、X線撮像時に、テーブル1や患者10に干渉しないように回り込んで、X線照射部301およびX線検出部302を支持することが可能である。Cアーム303は、テーブル1に対して相対移動可能に構成されている。具体的には、Cアーム303は、X線照射部301およびX線検出部302を、テーブル1に載置された患者10に対して所望の位置に配置するように、水平方向、鉛直方向に移動可能であるとともに、水平方向の回動軸線および鉛直方向の回動軸線を中心に回動可能に構成されている。Cアーム303は、医療従事者(操作者)による操作に基づいて、駆動部(図示せず)により、移動される。また、Cアーム303は、医療従事者(操作者)の手動により移動可能に構成されている。表示部400は、X線撮像装置300により透視したX線透視画像、X線撮像装置300により撮像したX線画像を表示可能である。
【0085】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0086】
本実施形態では、上記のように、テーブル1が傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部52(62)に表示させる制御を行う操作用制御部51(61)を設ける。また、制御部3または操作用制御部51(61)は、テーブル1が傾斜した姿勢にされた場合に、傾斜した姿勢での経過時間を表示部400に表示させる制御を行う。これにより、表示部52(62)や表示部400に表示される経過時間を確認することにより、執刀医、助手、看護師および医療技師などの医療従事者が、テーブル1が傾いている状態になってからの経過時間を容易に把握することができる。その結果、医療従事者が、テーブル1に載置された患者10が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように注意することができるので、テーブル1を傾斜させて患者10を傾斜させる場合でも患者10の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、操作用制御部51(61)を、表示部52(62)または表示部400にテーブル1の姿勢情報を表示させる制御を行うように構成する。また、制御部3を、表示部400にテーブル1の姿勢情報を表示させる制御を行うように構成する。これにより、医療従事者が、テーブル1が傾斜していることを容易に把握することができるので、患者10が傾斜した状態であることを容易に把握することができる。その結果、医療従事者が、患者10が傾いた姿勢において長時間同じ姿勢で保持されないように注意することができるので、患者10の褥瘡(床ずれ)の発症および悪化を効果的に抑制することができる。また、手術中などにテーブル1に載置された患者10が手術用カバーに覆われることにより、医療従事者がテーブル1の姿勢を直接確認できない場合でも、表示部52(62)や表示部400のテーブル1の姿勢情報を確認することにより、テーブル1の姿勢を容易に把握することができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、表示部52(62)に、テーブル1の姿勢情報として、テーブル1の姿勢を示す図形表示(イラスト)を表示する。これにより、テーブル1の姿勢を示す図形表示(イラスト)が表示部52(62)に表示されるので、テーブル1の傾斜の有無などの姿勢を医療従事者(ユーザ)が容易に把握することができる。その結果、医療従事者はテーブル1が傾斜していることを把握した場合に、患者10に褥瘡(床ずれ)が発症する可能性があることを容易に認識することができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、表示部52(62)に、テーブル1の姿勢情報として、水平面に対するテーブル1の傾斜角度を表示する。これにより、表示部52(62)に表示される傾斜角度により医療従事者(ユーザ)がテーブル1の傾斜の程度を容易に把握することができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、表示部52(62)に、テーブル1の姿勢情報として、水平面に対するテーブル1の回動方向を示す図形表示(イラスト)と、水平面に対するテーブル1の傾斜角度とを表示する。これにより、表示部52(62)に表示される図形表示(イラスト)と傾斜角度とによりテーブル1がどの方向にどの程度傾斜しているのかを医療従事者(ユーザ)が容易に把握することができる。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、モード設定部55(65)を、姿勢変更を行うモードとして、テーブル1の長手方向(X方向)に平行な軸線回りにテーブル1を回動させる横転モードと、テーブル1の短手方向(Y方向)に平行な軸線回りにテーブル1を回動させる縦転モードとを設定可能に構成する。これにより、モード設定部55(65)によりモードを選択して、テーブル1を容易に傾斜させることができる。
【0092】
また、本実施形態では、上記のように、縦転モードでは、回動中心位置をテーブル1の長手方向(X方向)における複数の位置から選択可能に構成する。これにより、患者10の頭部付近、腹部付近、脚部付近を回動中心位置に選択することができるので、状況に応じて患者10の姿勢を容易に変更させることができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、モード設定部55(65)を、姿勢変更を行うモードとして、テーブル1を上下動させる昇降モードを設定可能に構成し、操作用制御部51(61)を、昇降モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の昇降の方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の床面からの高さとを表示させる制御を行うように構成する。これにより、モード設定部55(65)によりモードを選択して、テーブル1を容易に上下方向(Z方向)に移動させることができる。また、表示部52(62)に表示される図形表示(イラスト)と高さとによりテーブル1が上下のどちらの方向に移動し、どの程度の高さに位置しているのかを医療従事者(ユーザ)が容易に把握することができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、モード設定部55(65)を、姿勢変更を行うモードとして、テーブル1を水平面内で鉛直方向(Z方向)の回転軸線回りに回転させる平面回転モードを設定可能に構成し、操作用制御部51(61)を、平面回転モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の基準位置に対する回転方向を示す図形表示(イラスト)と、テーブル1の基準位置に対する角度とを表示させる制御を行うように構成する。これにより、モード設定部55(65)によりモードを選択して、テーブル1を容易に水平面内において回転させることができる。また、表示部52(62)に表示される図形表示(イラスト)と角度とによりテーブル1がどの方向にどの程度回転しているのかを医療従事者(ユーザ)が容易に把握することができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、平面回転モードでは、回動中心位置をテーブル1の長手方向(X方向)における複数の位置から選択可能に構成する。これにより、患者10の頭部付近、腹部付近、脚部付近を回動中心位置に選択することができるので、状況に応じて患者10の姿勢を容易に変更させることができる。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、モード設定部55(65)を、姿勢変更を行うモードとして、テーブル1を水平面内で直線的に移動させる平面移動モードを設定可能に構成し、操作用制御部51(61)を、平面移動モードが設定されている場合に、テーブル1の姿勢情報として、表示部52(62)にテーブル1の移動方向を示す図形表示(イラスト)を表示させる制御を行うように構成する。これにより、モード設定部55(65)によりモードを選択して、テーブル1を容易に水平方向に移動させることができる。また、表示部52(62)に表示される図形表示(イラスト)によりテーブル1がどの方向に移動しているのかを医療従事者(ユーザ)が容易に把握することができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、手術台100に、一方端がベース21に支持され、他方端がテーブル1を支持する多関節ロボットアーム2を設ける。これにより、多関節ロボットアーム2によりテーブル1を移動させることができるので、テーブル1を床に固定された基台により移動させる場合に比べて、テーブル1の移動の範囲や自由度を大きくすることができる。また、多関節ロボットアーム2により容易にテーブル1の移動および姿勢変更を行うことができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、多関節ロボットアーム2に、モータ41と電磁ブレーキ43とを設け、テーブル1が傾斜した姿勢にされた状態でモータ41の作動が停止し、かつ、電磁ブレーキ43が作動したことに基づいて、傾斜した姿勢での経過時間のカウントが開始されるように構成する。これにより、多関節ロボットアーム2が駆動しない状態から経過時間をカウントすることができるので、テーブル1が傾斜して確実に停止した状態から経過時間をカウントすることができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、制御部3を、複数の方向受付部63aのうちの少なくとも1つの方向受付部63aが操作されている間、テーブル1を移動させる制御を行うように構成する。これにより、方向受付部63aに対して操作が行われている間だけテーブル1が移動されるので、テーブル1の移動を停止させたい場合に、方向受付部63aに対する操作を止めるだけでよい。これにより、確実かつ速やかにテーブル1の移動を停止させることができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、制御部3を、ジョイスティック53aが操作されている間、テーブル1を移動させる制御を行うように構成する。これにより、ジョイスティック53aに対して操作が行われている間だけテーブル1が移動されるので、テーブル1の移動を停止させたい場合に、ジョイスティック53aに対する操作を止めるだけでよい。これにより、確実かつ速やかにテーブル1の移動を停止させることができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、制御部3を、トリガー部54(64)と指示受付部53(63)とが同時に操作されている間、テーブル1を移動させる制御を行うように構成する。具体的には、トリガー部54(64)が操作されることにより、モータ41への通電を行い、電磁ブレーキ43によるモータ41の制動が解除される。この結果、トリガー部54(64)が操作されている間だけ、指示受付部53(63)の操作が有効化されて、テーブル1を移動させることが可能になる。これにより、指示受付部53(63)を意図せずに操作した場合でも、トリガー部54(64)が操作されなければテーブル1が移動されることがないので、意図せずにテーブル1が移動するのを抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態では、上記のように、多関節ロボットアーム2を、一方端がベース21に鉛直方向(Z方向)の軸線回りに回転可能に支持され、他方端が、テーブル1の長手方向(X方向)の一端近傍を支持するように構成し、6以上の自由度によりテーブル1を移動させるように構成する。これにより、6以上の自由度を有する多関節ロボットアーム2によりテーブル1を所望の位置に容易に移動させることができる。また、6以上の自由度を有する多関節ロボットアーム2により患者10が載置されるテーブル1の移動の範囲や自由度を効果的に大きくすることができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、テーブル1に、X線透過部11とX線透過部11を支持する支持部12とを設け、多関節ロボットアーム2の他方端が、テーブル1の支持部12を支持するように構成する。これにより、多関節ロボットアーム2を支持部12側に配置して、X線透過部11の下方に十分な空間を確保することにより、X線透過部11の下方にX線撮像のための装置を入れることができるので、テーブル1に載置された状態の患者10に対してX線撮像を行うことができる。
【0104】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0105】
たとえば、上記実施形態では、ハイブリッド手術室にX線撮像装置が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハイブリッド手術室に患者の磁気共鳴画像を撮像する磁気共鳴イメージング装置が設けられていてもよい。なお、ハイブリッド手術室に、X線撮像装置および磁気共鳴イメージング装置の両方が設けられていてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、手術台をハイブリッド手術室に設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手術台をハイブリッド手術室以外の手術室に設けてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、手術台に2つの操作装置を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手術台に1つの操作装置を設けてもよいし、3つ以上の操作装置を設けてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、操作装置が制御部に有線通信により接続されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、操作装置を制御部に無線通信により接続してもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、手術台のテーブルを多関節ロボットアームにより移動および姿勢変更させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手術台のテーブルを多関節ロボットアーム以外により移動および姿勢変更させてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、表示部を操作装置に設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テーブルの状態を示す表示部を操作装置とは別個に設けてもよい。たとえば、
図8に示す変形例のように、手術室外に設けられた表示部に、テーブルの状態、操作装置に対する操作の状態、操作画面などを表示してもよい。具体的には、
図8に示すように、ハイブリッド手術室200外に設けられ、ハイブリッド手術室200が設けられた病院内のLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続された表示部500にテーブルの状態などを表示してもよい。表示部500は、たとえば、ナースステーションに設けられている。また、ハイブリッド手術室200外に、手術の進捗を管理するための手術進捗管理装置600が設けられている場合には、手術進捗管理装置600の表示部601にテーブルの状態などを表示してもよい。手術進捗管理装置600の表示部601は、たとえば、ハイブリッド手術室200に隣接するコントロールセンターに設けられている。また、病院内のLANには、ホストコンピュータ700や、病院関係者が所有する携帯端末などの外部装置800などが接続されていてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、モード設定部と指示受付部とを互いに異なる背景色を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、モード設定部と指示受付部とを異なる触感を有するように構成してもよい。たとえば、モード設定部と指示受付部との表面の凹凸形状を異なるように構成してもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、水平多関節アセンブリが3つの水平関節を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、水平多関節アセンブリが2つの水平関節を有していてもよいし、4つ以上の水平関節を有していてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、垂直多関節アセンブリが3つの垂直関節を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、垂直多関節アセンブリが2つの垂直関節を有していてもよいし、4つ以上の垂直関節を有していてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、多関節ロボットアームに、3つ連続して水平関節を設けるとともに、3つ連続して垂直関節を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、多関節ロボットアームとして、互いに隣接する関節の回動軸が直交する部分を複数有する垂直多関節ロボットを用いてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、多関節ロボットアームが7の自由度を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、多関節ロボットアームが6以下の自由度を有していてもよいし、8以上の自由度を有していてもよいが、6以上の自由度を有していることが好ましい。
【0116】
また、上記実施形態では、ベースが床に埋設されて固定されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベースが床の上に固定されていてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、制御部3がベース21内に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部3がケーシング内に入れられた制御ボックスとし、例えば、制御ボックスをハイブリッド手術室200内の任意の位置に配置するようにしてもよく、また、制御ボックスをハイブリッド手術室200に隣接するコントロールセンターに配置するようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、テーブル1がプリセット位置に到着すると、制御部3がモータ41への通電を遮断し、電磁ブレーキ43を作動させる制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、テーブル1がプリセット位置に到着すると、制御部3は、指示受付部53(63)の操作を無効化することで移動を停止し、ユーザがトリガー部54(64)の操作を止めると、モータ41への通電を遮断し、電磁ブレーキ43を作動させるようにしてもよい。このとき制御部3は、ユーザにプリセット位置への到着を通知するようにしてもよい。また、テーブル1がプリセット位置に到着すると、制御部3は、ユーザに到着を通知し、ユーザが指示受付部53(63)およびトリガー部54(64)の操作を止めることにより、モータ41への通電を遮断し、電磁ブレーキ43を作動させるようにしてもよい。