特開2019-209306(P2019-209306A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-209306(P2019-209306A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】管内清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/049 20060101AFI20191115BHJP
   B08B 9/032 20060101ALI20191115BHJP
   B08B 9/043 20060101ALI20191115BHJP
   B08B 3/10 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   B08B9/049
   B08B9/032 322
   B08B9/043 436
   B08B3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-110493(P2018-110493)
(22)【出願日】2018年6月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】綱崎 勝
(72)【発明者】
【氏名】宮木 誠二
(72)【発明者】
【氏名】草下 忍
(72)【発明者】
【氏名】真弓 敏行
(72)【発明者】
【氏名】玉置 博之
(72)【発明者】
【氏名】足立 光義
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA13
3B116AB54
3B116BA06
3B116BB22
3B116BB87
3B116BB88
3B116BC05
3B201AA13
3B201AB54
3B201AB56
3B201BA06
3B201BB22
3B201BB87
3B201BB88
3B201BB92
3B201BC05
(57)【要約】
【課題】管の内部を清掃する清掃用のピグに比べ、比較的少ない清掃回数で、管の内壁に発生する異物(例えば、錆や塵埃)を効果的に除去して取り除く。
【解決手段】鋼管Pyの管軸に沿う管軸方向に並んで設けられる一対のピグP1、P2の少なくとも一方に、管軸に沿う進行方向へ移動する力を伝達する移動力伝達部30と、一対のピグP1、P2と鋼管Pyの内壁にて外囲される清掃空間SKに封入され、鋼管Pyの内壁に付着する異物を研磨する研磨材K1と、清掃空間SKへ封入され、研磨材K1又は研磨材K1に撹拌力を伝達する撹拌材K2に対して撹拌力を付与する撹拌力付与機構とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を通流する管の内壁に気密に接触するピグを用いた管内清掃装置であって、
前記管の管軸に沿う管軸方向に並んで設けられる一対の前記ピグの少なくとも一方に、前記管軸に沿う進行方向へ移動する力を伝達する移動力伝達部と、
一対の前記ピグと前記管の内壁にて外囲される清掃空間に封入され、前記管の内壁に付着する異物を研磨する研磨材と、
前記清掃空間へ封入され、前記研磨材又は前記研磨材に撹拌力を伝達する撹拌材の少なくとも何れか一方に対して撹拌力を付与する撹拌力付与機構とを有する管内清掃装置。
【請求項2】
前記移動力伝達部は、一対の前記ピグのうち前記進行方向で前方側の前記ピグを、前記前方側から牽引する管内走行車である請求項1に記載の管内清掃装置。
【請求項3】
前記移動力伝達部により移動する力が前記ピグに伝達されている場合に、一対の前記ピグの前記管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続する弾性接続部材を、前記撹拌力付与機構として備える請求項2に記載の管内清掃装置。
【請求項4】
前記弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材を備え、
一対の前記弾性部材の夫々が、一対の前記ピグに一端と他端が接続される状態で設けられるものである請求項3に記載の管内清掃装置。
【請求項5】
前記移動力伝達部により移動する力が前記ピグに伝達されている場合に、一対の前記ピグの前記管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続する弾性接続部材を備え、
前記移動力伝達部は、一対の前記ピグのうち前記進行方向で後方側の前記ピグを、前記後方側から前記管の内部を加圧する形態で移動力を伝達する加圧装置である請求項1に記載の管内清掃装置。
【請求項6】
前記弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材を備え、
一対の前記弾性部材の夫々が、一対の前記弾性部材の双方は、自然長において少なくとも収縮が可能な状態で設けられる請求項5に記載の管内清掃装置。
【請求項7】
前記撹拌材としての流体が高圧で充填された高圧タンクと、当該高圧タンクから前記清掃空間まで伸びる撹拌材通流チューブと、前記撹拌材通流チューブの先端に設けられ且つ前記高圧タンクから圧送された前記撹拌材を前記清掃空間へ噴霧する噴射ノズルとを、前記撹拌力付与機構として備える請求項1〜6の何れか一項に記載の管内清掃装置。
【請求項8】
前記噴射ノズルは、前記撹拌材通流チューブの先端部を回転中心として回転自在に構成されている請求項7に記載の管内清掃装置。
【請求項9】
前記研磨材は、砂、セラミック粒子、及びドライアイスのうち少なくとも何れか一つから構成されている請求項1〜8の何れか一項に記載の管内清掃装置。
【請求項10】
前記撹拌材は、水を主成分とする液体、及び空気を主成分とする気体の少なくとも何れか一つから構成されている請求項1〜9の何れか一項に記載の管内清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を通流する管の内壁に気密に接触するピグを用いた管内清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、火力発電所等として、ボイラにて加熱された高温高圧の過熱蒸気を通流する蒸気通流管を備えると共に、当該蒸気通流管にて導かれる蒸気にて回転する蒸気タービンにて発電機を駆動することで、発電するものが知られている。
上述の蒸気を通流する蒸気通流管としての管が、例えば鋼管である場合、内部に錆等の異物が発生する虞があるため、例えば特許文献1に記載のようなピグを用いて定期的な異物の除去を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−61870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の火力発電所にあっては、蒸気通流管としての鋼管が、高温高圧の過熱蒸気を通流するため、錆が比較的頻繁に発生する場合があり、このような場合には、上記特許文献1に記載のピグを用いた鋼管の内壁の清掃作業は、比較的短い間隔で定期的に行う必要がある。しかしながら、火力発電所を清掃のために停止するコスト、及び清掃自体のコスト等の観点から、比較的短い間隔での定期的な清掃作業が行われない場合も多く、このような場合にあっては、鋼管の内壁に発生する錆が多量となり、ピグを一回挿通するのみでは十分に錆を取りきれず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、管の内部を清掃する清掃用のピグに比べ、比較的少ない清掃回数で、管の内壁に発生する異物(例えば、錆や塵埃)を効果的に除去して取り除くことが可能な管内清掃装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための管内清掃装置は、流体を通流する管の内壁に気密に接触するピグを用いた管内清掃装置であって、その特徴構成は、
前記管の管軸に沿う管軸方向に並んで設けられる一対の前記ピグの少なくとも一方に、前記管軸に沿う進行方向へ移動する力を伝達する移動力伝達部と、
一対の前記ピグと前記管の内壁にて外囲される清掃空間に封入され、前記管の内壁に付着する異物を研磨する研磨材と、
前記清掃空間へ封入され、前記研磨材又は前記研磨材に撹拌力を伝達する撹拌材の少なくとも何れか一方に対して撹拌力を付与する撹拌力付与機構とを有する点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、撹拌力付与機構が、一対のピグの間に封入される研磨材又は研磨材に撹拌力を付与する撹拌材の少なくとも何れか一方に対して撹拌力を付与するから、清掃空間を形成する管の内壁を研磨材にて研磨して、内壁に付着する異物(例えば、錆をや塵埃)を良好に削りとることができる。
そして、移動力伝達部が、管軸に沿う管軸方向に並んで設けられる一対のピグの少なくとも一方に、進行方向へ移動する力を伝達し、一対のピグの間の清掃空間が進行方向へ移動することで、管の内壁に付着する異物を、進行方向に沿って順に取り除くことができる。しかも、削りとられた異物は、進行方向で後方のピグにより回収されるから、管内清掃装置が通過後の管内部に残留物が残ることを抑制できる。
以上より、従来の管の内部の清掃用のピグに比べ、撹拌力が付与された研磨材による研磨により異物が削り落とされるため、比較的少ない清掃回数で、管の内壁に発生する異物を効果的に除去して取り除くことが可能な管内清掃装置を実現できる。
【0008】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記移動力伝達部は、一対の前記ピグのうち前記進行方向で前方側の前記ピグを、前記前方側から牽引する管内走行車である点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、管内走行車により、移動方向で前方側のピグを牽引する構成にて、一対のピグを移動方向で移動させて、一対のピグの間の清掃空間の清掃を行うことができる。
【0010】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記移動力伝達部により移動する力が前記ピグに伝達されている場合に、一対の前記ピグの前記管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続する弾性接続部材を、前記撹拌力付与機構として備える点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、弾性接続部材は、移動力伝達部により移動する力がピグに伝達されている場合に、一対のピグの管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続するから、移動力が付与されているときに、清掃空間が進行方向で拡大と縮小を繰り返しながら移動することになり、これにより、清掃空間における撹拌材に対して撹拌力が付与され、当該撹拌力が研磨材に伝達する形で、研磨材を管の内壁へ積極的に衝突させ、管の内壁に付着する異物を効果的に削りとることができる。
【0012】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記弾性接続部材は、前記弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材を備え、
一対の前記弾性部材の夫々が、一対の前記ピグに一端と他端が接続される状態で設けられるものである点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、移動方向で前方側のピグが、管内走行車により進行方向へ牽引されたときに、弾性接続部材としての一対の弾性部材の夫々は伸長することになり、一対の弾性部材による進行方向の前方への弾性力が、進行方向で後方側のピグと管の内壁との間の摩擦力よりも大きくなったときに、後方側のピグが進行方向へ移動することになる。このとき、弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材から構成しているから、後方側のピグは振動しながら移動することにより、当該振動が撹拌材に撹拌力を付与して、研磨材による内壁の研磨をより効果的に行うことができる。
【0014】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記移動力伝達部により移動する力が前記ピグに伝達されている場合に、一対の前記ピグの前記管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続する弾性接続部材を備え、
前記移動力伝達部は、一対の前記ピグのうち前記進行方向で後方側の前記ピグを、前記後方側から前記管の内部を加圧する形態で移動力を伝達する加圧装置である点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、移動方向で後方側のピグが、後方側から管の内部を加圧する形態で移動力を伝達したときに、弾性接続部材が、一対のピグの管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り替えながら弾性的に接続するから、移動力が付与されているときに、清掃空間が進行方向で拡大と縮小を繰り返しながら移動することで、清掃空間における撹拌材に対して撹拌力が付与され、当該撹拌力が研磨材に伝達する形で、研磨材を管の内壁へ積極的に衝突させ、管の内壁に付着する異物を効果的に削りとることができる。
【0016】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記弾性接続部材は、前記弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材を備え、
一対の前記弾性部材の夫々が、一対の前記ピグに一端と他端が接続される状態で設けられるものであり、一対の前記弾性部材の双方は、自然長において少なくとも収縮が可能な状態で設けられる点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、移動方向で後方側のピグが、後方側から管の内部を加圧する形態で移動力を伝達したときに、弾性接続部材としての一対の弾性部材の夫々は収縮することになり、一対の弾性部材による進行方向の前方への弾性力が、進行方向で前方側のピグと管の内壁との間の摩擦力よりも大きくなったときに、前方側のピグが進行方向へ移動することになる。このとき、弾性接続部材は、弾性係数の異なる一対の弾性部材から構成しているから、前方側のピグは振動しながら移動することになり、当該振動が撹拌材に効果的に撹拌力を付与して、研磨材による内壁の研磨をより効果的に行うことができる。
【0018】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記撹拌材としての流体が高圧で充填された高圧タンクと、当該高圧タンクから前記清掃空間まで伸びる撹拌材通流チューブと、前記撹拌材通流チューブの先端に設けられ且つ前記高圧タンクから圧送された前記撹拌材を前記清掃空間へ噴霧する噴射ノズルとを、前記撹拌力付与機構として備える点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、撹拌力付与機構は、特に、撹拌材通流チューブの先端に設けられ且つ高圧タンクから圧送された撹拌材を清掃空間へ噴霧する噴射ノズルを備えているから、当該噴射ノズルから撹拌材を高圧で清掃空間へ噴霧して、清掃空間を構成する管の内壁へ研磨材を高圧タンクの圧力に応じた力で衝突させることができる。そして、例えば、管の内壁に付着する異物の量に応じて、高圧タンクから噴射する撹拌材の噴射圧を調整することで、内壁に付着する異物をより一層効果的に除去することができる。
【0020】
管内清掃装置の更なる特徴構成は、
前記噴射ノズルは、前記撹拌材通流チューブの先端部を回転中心として回転自在に構成されている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、噴射ノズルから噴射される撹拌材を、管の内壁の全体に亘って噴射させて、管の内壁の全域に亘って略均一に異物の除去を行うことができる。
【0022】
管内清掃装置の前記研磨材は、砂、セラミック粒子、及びドライアイスのうち少なくとも何れか一つから構成されていることが好ましい。特に、研磨材としてドライアイスを用いることにより、管の内部の異物を取り除いた後に、管の内部に砂やセラミック粒子が残ることを防止でき、その後のクリーニング処理を省略できる。
【0023】
更に、管内清掃装置の前記撹拌材は、水を主成分とする液体、及び空気を主成分とする気体の少なくとも何れか一つから構成されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る管内清掃装置の管軸に沿う断面(側面)での概略構成図
図2】管内走行車の管軸に沿う断面(側面図)を含む概略構成図
図3】管内走行車の管軸方向視での正面図
図4】本発明の別実施形態に係る管内清掃装置の管軸に沿う断面(側面)での概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態に係る管内清掃装置100は、管Pyの内部を清掃する清掃用のピグに比べ、比較的少ない清掃回数で、管Pyの内壁に発生する異物(例えば、錆や塵埃)を効果的に除去して取り除くことができるものに関する。
以下、図1〜3に基づいて、実施形態に係る管内清掃装置100について説明する。
【0026】
当該実施形態に係る管内清掃装置100は、流体(例えば、都市ガス13A)を通流する鋼管Pyの内壁に気密に接触するピグP1、P2を用いるものであり、鋼管Pyの管軸に沿う管軸方向に並んで設けられる一対のピグP1、P2の少なくとも一方に、管軸に沿う進行方向(図1で矢印α方向)へ移動する力を伝達する移動力伝達部としての管内走行車30と、一対のピグP1、P2と鋼管Pyの内壁にて外囲される清掃空間SKに封入され、鋼管Pyの内壁に付着する異物A(例えば、錆や塵埃)を研磨する研磨材K1と、清掃空間SKへ封入され、研磨材K1又は研磨材K1(砂、セラミック粒子、ドライアイスの少なくとも何れか一つに撹拌力を伝達する撹拌材K2(例えば、空気や水:当該実施形態では空気)の少なくとも何れか一方(当該実施形態では両方)に対して撹拌力を付与する撹拌力付与機構としての弾性接続部材S及び撹拌材噴射機構50とを備えている。
尚、当該実施形態においては、管内走行車30は、後述する撹拌材噴射機構50の高圧タンク51と、一対のピグP1、P2のうち進行方向で前方側のピグP2とに牽引用索具31を介して接続されている。これにより、管内走行車30は、高圧タンク51と前方側のピグP2を直接牽引する。
【0027】
一対のピグP1、P2は、従来、管内の清掃用やライニング用に用いられるピグが好適に用いられ、球形状、砲弾形状等の種々の形状のものが用いられる。図示は省略するが、一対のピグP1、P2の双方は、管軸に沿う方向視で、その直径が、鋼管Pyの管径よりも大きいものが採用される。これにより、進行方向で前方側のピグP2と進行方向で後方側のピグP1との間の清掃空間SKは、外部から気密に保たれる。
【0028】
当該実施形態に係る管内清掃装置100にあっては、管内走行車30により進行方向へ移動する力が前方側のピグP2に伝達されている場合に、一対のピグP1、P2の管軸方向における間隔を離間状態と近接状態とで切り換えながら弾性的に接続する弾性接続部材Sを備えている。
当該弾性接続部材Sについて説明を追加すると、弾性接続部材Sは、弾性係数の異なる引きバネから構成される第1バネS1と第2バネS2(一対の弾性部材の一例)の夫々が、一端が一対のピグP1、P2の一方に接続されると共に他端が一対のピグP1、P2の他方に接続される状態で、設けられている。尚、第1バネS1と第2バネS2とは、異なる位置で前方側のピグP2に接続されると共に、異なる位置で後方側のピグP1に接続される。これにより、前方側のピグP2と後方側のピグP1に対して、第1バネS1による付勢力と第2バネS2による付勢力のベクトルの向きと大きさを異ならせている。
管内走行車30が、一対のピグP1、P2のうち進行方向で前方側のピグP2を牽引すると、前方側のピグP2が進行方向で前方へ移動しているときに、後方側のピグP1が内壁との間の摩擦力によりその場にとどまる状態となる(離間状態)。その後、前方側のピグP2が更に前方側へ移動すると、後方側のピグP1の内壁との摩擦力よりも弾性接続部材Sによる前方側への付勢力が大きくなり、後方側のピグP1が前方側へ移動することになる。当該後方側のピグP1の移動は、弾性係数の異なる第1バネS1と第2バネS2による異なる付勢力により実現するため、比較的大きい振動を発生させながらの移動となる。結果、当該振動が、撹拌力として清掃空間SKの研磨材K1及び撹拌材K2に伝達され、研磨材K1の内壁への衝突を促し、内壁に付着する異物A(例えば、錆や塵埃)の内壁からの脱離を促進する。その後、後方側のピグP1が前方側のピグP2へ接近すると再び後方側のピグP1の移動が停止する状態となる(近接状態)。
以上の如く、一対のピグP1、P2が管軸方向で離間状態と近接状態とを繰り返すことにより、一対のピグP1、P2の間の清掃空間SKに存在する研磨材K1が撹拌され内壁に付着する異物Aに衝突し、異物Aが内壁から剥離する。
【0029】
更に、当該実施形態にあっては、清掃空間SKの研磨材K1に対し積極的に撹拌力を付与するため、撹拌材噴射機構50を備えている。
撹拌材噴射機構50は、当該実施形態にあっては、撹拌材K2としての空気(流体の一例)が高圧で充填された高圧タンク51を有しており、当該高圧タンク51は、図1に示すように、管内走行車30にて牽引されて管内を走行する状態で設けられ、進行方向において管内走行車30の後方で前方側のピグP2の前方を走行する。
更に、撹拌材噴射機構50は、上述の高圧タンク51と、当該高圧タンク51から清掃空間SKまで伸びる撹拌材通流チューブ54と、撹拌材通流チューブ54の先端に設けられ且つ高圧タンク51から圧送された撹拌材K2を清掃空間SKへ噴射する少なくとも1つ以上(当該実施形態ではつ)の噴射ノズル56a、56bとから構成されている。因みに、当該噴射ノズル56a、56bは、撹拌材通流チューブ54の先端部に対して回動自在な回動ヘッド55に固設されており、噴射ノズル56a、56bから撹拌材K2を噴射したときの反作用により、回動ヘッド55が回動する構成を有する。これにより、噴射ノズル56a、56bから噴射された撹拌材K2が、清掃空間SKに対してまんべんなく分散噴射される。
因みに、撹拌材通流チューブ54は、前方側のピグP2の内部貫通する状態で、且つ回動ヘッド55及び噴射ノズル56a、56bが清掃空間SK内において清掃空間SKの弾性接続部材Sに干渉しない位置に設けられる。
【0030】
管内走行車30は、これまで知られている種々の形態のものが採用可能であるが、当該実施形態においては、以下の構成を有する。
台車本体11は、図3に示すように、断面が六角形状で管軸方向に延びる管状体で、その各辺の中央部にベース12を介する形態で、駆動車輪20等を有するフレーム14、14‘がピン13により枢着されている。尚、図2、3に示されるように、6つのフレームのうち5つのフレーム14には、一対の駆動車輪20が枢支されており、残り1つのフレームには、鋼管Pyの底面を走行して台車本体11の方向を制御する方向制御輪42が進行方向で前方側に設けられ、駆動車輪20が進行方向で後方側に設けられている。
図2に示すように、フレーム14は、左右の部材14a、14bを接続して構成され、両部材間に車輪駆動用のモータ15及び減速機16が挟持されている。そして、モータ15からの動力はベルト17を介して減速機16に伝達され、減速機16からの出力はチェーン18を介して駆動車輪20に伝達される。
駆動車輪20は、フレーム21の周りに、車輪の外周を形成する曲率を有するタル型の3つのローラ22を、駆動車輪20の回転中心位置を中心として120°の位相をずらして設けている。位置の駆動車輪20は、図3に示すように、当該3つのローラ22及びフレーム21から成る車輪を、進行方向視において、2つが側方に併設された状態で設けられており、両者は60°回転位置がずれた状態で回転自在に設けられる。これにより、管軸方向にスムーズに進むことができ、且つタル型ローラ22は管周方向に自在回転できるようになっている。
そして、台車本体11と複数のフレーム14、14’は、シリンダ25を介する形態で接続されており、当該シリンダ25の鋼管Pyの管径方向で外側への付勢力により、駆動車輪20は、鋼管Pyの内壁に押圧されるようになっている。
姿勢制御用のフレーム14′の先端には、方向制御輪42を枢着するフレーム43が設けられ、当該方向制御輪42は、モータ44により垂直軸周りで移動制御されるようになっている。
台車本体11には、管軸周りの傾きを検出する重錘式の傾斜計46が設けられ、この傾斜計46からの信号によりモータ44の回動角度が制御され、方向制御輪42による台車本体11の方向が制御される。更に、モータ44による方向制御輪42の回動角度が、所定の値を越えないようにするリミットスイッチ45がフレーム14′に設けられている。
こうして、傾斜計46からの信号にて、方向制御輪42を垂直軸回りに回動させることにより、方向制御輪42が常に最低位置にあるように、台車本体11の鋼管Pyの管軸回りの姿勢を制御することができる。
【0031】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態においては、管内走行車30が、一対のピグP1、P2及び撹拌材噴射機構50を牽引する構成を示した。
しかしながら、両者の牽引は、進行方向で前方側の鋼管Pyの外部に設けられる牽引装置(図示せず)にて牽引する構成を採用しても構わない。
また、撹拌材噴射機構50として、撹拌材としての流体が高圧で充填された高圧タンク51は、鋼管Pyの内部を走行する構成を示したが、当該高圧タンク51についても、進行方向で前方側の鋼管Pyの外部に設ける構成を採用しても構わない。当該構成にあっては、牽引装置が、牽引用索具31を牽引して巻き取ると共に、撹拌材通流チューブ54を巻き取る構成を採用することになる。
【0032】
(2)撹拌材K2は、水や空気の他、水を主成分とする洗浄剤や、空気を主成分とする気体を用いることもできる。
また、清掃空間SKが通過した後に、鋼管Pyの内部を濡らさず、後の異物Aの発生を抑制する観点からは、研磨材K1としてドライアイスを用いることが好ましい。
【0033】
(3)上記実施形態において、管内走行車30を省略すると共に、撹拌材噴射機構50を省略しても構わない。
具体的には、図4に示すように、管内走行車30による牽引に替えて、例えば、エンジン式圧送ポンプ(移動力伝達部、加圧装置の一例、図示せず)により、鋼管Pyの上流側から加圧する形態で、一対のピグP1、P2を進行方向へ移動させる構成を採用しても構わない。
当該構成を採用する場合、弾性接続部材Sとしての第1バネS1及び第2バネS2は、自然長において少なくとも収縮が可能な状態で設けられるコイルバネであることが好ましい。
当該構成により、進行方向で後方側のピグP1が加圧され、後方側のピグP1が進行方向で前方へ移動しているときに、前方側のピグP2に対し、第1バネS1及び第2バネS2の付勢力がかかることになるが、前方側のピグP2が内壁との間の摩擦力により、前方側のピグP2は、その場にとどまる状態となる(近接状態)。その後、更に、後方側のピグP1が前方側に移動すると、前方側のピグP2の内壁との摩擦力よりも第1バネS1及び第2バネS2による前方側の付勢力が大きくなり、苗方側のピグP2が前方側へ移動することになる。当該前方側のピグP2の移動は、弾性係数の異なる第1バネS1と第2バネS2による異なる付勢力により実現するため、比較的大きい振動を発生させながらの移動となる。結果、当該振動が、撹拌力として清掃空間SKの研磨材K1(例えば、砂)及び撹拌材K2(例えば、空気)に伝達され、研磨材K1の内壁への衝突を促し、内壁に付着する異物Aの内壁からの脱離を促進する。その後、前方側のピグP2が後方側のピグP1と離間すると、再び前方側のピグP2の移動が停止する状態となる(離間状態)。以上の如く、一対のピグP1、P2が管軸方向で離間状態と近接状態とに切り替えられることにより、一対のピグP1、P2の間の清掃空間SKに存在する研磨材K1が撹拌され内壁に付着する異物Aに衝突し、異物Aの内壁から剥離する。
当該別実施形態(3)にあっては、進行方向で後方から加圧するエンジン式圧送ポンプ、及び弾性接続部材Sが、撹拌力付与機構として働くことになる。
【0034】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の管内清掃装置は、管の内部を清掃する清掃用のピグに比べ、比較的少ない清掃回数で、管の内壁に発生する異物(例えば、錆や塵埃)を効果的に除去して取り除くことが可能な管内清掃装置として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
30 :管内走行車
50 :撹拌材噴射機構
51 :高圧タンク
54 :撹拌材通流チューブ
55 :回動ヘッド
56a :噴射ノズル
56b :噴射ノズル
100 :管内清掃装置
A :異物
K1 :研磨材
K2 :撹拌材
P1 :ピグ
P2 :ピグ
Py :鋼管
S :弾性接続部材
S1 :第1バネ
S2 :第2バネ
SK :清掃空間
図1
図2
図3
図4