特開2019-209374(P2019-209374A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-209374目標温度履歴作成装置、目標温度履歴作成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-209374(P2019-209374A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】目標温度履歴作成装置、目標温度履歴作成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B21B 45/02 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   B21B45/02 320S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-110559(P2018-110559)
(22)【出願日】2018年6月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 ミンソク
(72)【発明者】
【氏名】鹿山 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】林 剛資
(57)【要約】
【課題】冷却装置や冷却制御に関する知識や熟練がない作業者であっても、圧延された鋼材の冷却時の目標温度履歴を容易に作成できるようにする。
【解決手段】目標温度履歴作成装置200は、ユーザによって入力される仕上げ出口温度、鋼材速度上下限値、冷却装置160の冷却能力の基準最大最小冷却設定に基づき、鋼材151の温度履歴として許容される時間と温度との範囲である温度履歴許容領域を求め、時間と温度を座標軸とするグラフの中に表示する温度履歴許容領域表示部20dと、ユーザにより入力された点が前記温度履歴許容領域に含まれていた場合に限って、その入力された点を目標温度履歴経由点として受け付ける目標温度履歴経由点入力部20eと、前記入力が受付けられた目標温度履歴経由点をつないで前記鋼材の目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成部20fと、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間圧延機から払い出される鋼材が冷却装置によって冷却されるときの目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成装置であって、
前記熱間圧延機から払い出されるときの前記鋼材の温度である仕上げ出口温度を入力する仕上げ出口温度入力手段と、
前記鋼材の移動速度の上限値および下限値を入力する鋼材速度上下限値入力手段と、
前記冷却装置の冷却能力を最小に設定する基準最小冷却設定および前記冷却装置の冷却能力を最大に設定する基準最大冷却設定を入力する基準最大最小冷却設定入力手段と、
前記鋼材の移動速度を上限値または下限値とし前記冷却装置を前記基準最大冷却設定または前記基準最小冷却設定としたそれぞれの場合に得られる、前記仕上げ出口温度を初期値とする前記鋼材の温度履歴に基づいて前記鋼材の温度履歴許容領域を求め、前記求めた温度履歴許容領域を、時間と温度とを座標軸とするグラフの中に表示する温度履歴許容領域表示手段と、
前記温度履歴許容領域が表示された前記グラフを介してユーザによって入力された点が前記温度履歴許容領域に含まれていた場合に限って、前記入力された点を目標温度履歴経由点として受け付ける目標温度履歴経由点入力手段と、
前記目標温度履歴経由点入力手段により受け付けられた前記目標温度履歴経由点の座標値を用いて前記鋼材の目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成手段と、
を備えること
を特徴とする目標温度履歴作成装置。
【請求項2】
前記温度履歴許容領域表示手段は、
前記鋼材の移動速度が下限値のときに前記鋼材が前記冷却装置の入口に到達するまでの時間と、前記鋼材の移動速度が上限値のときに前記鋼材が前記冷却装置の出口から抜け出るまでの時間との間の時間範囲で、かつ、
前記冷却装置が前記基準最大冷却設定で動作するときの前記鋼材の温度履歴に基づき得られる温度履歴下限線と、前記冷却装置が前記基準最小冷却設定で動作するときの前記鋼材の温度履歴に基づき得られる温度履歴上限線との間の温度範囲
に含まれる領域を前記温度履歴許容領域として求めること
を特徴とする請求項1に記載の目標温度履歴作成装置。
【請求項3】
前記目標温度履歴経由点入力手段により前記目標温度履歴経由点の入力が受け付けられた場合には、前記温度履歴許容領域表示手段は、前記受け付けられた目標温度履歴経由点の時間および温度を初期値として前記温度履歴許容領域を改めて求め、前記温度履歴許容領域の表示を更新すること
を特徴とする請求項1に記載の目標温度履歴作成装置。
【請求項4】
熱間圧延機から払い出される鋼材が冷却装置によって冷却されるときの目標温度履歴をコンピュータにより作成する目標温度履歴作成方法であって、
前記コンピュータは、
前記熱間圧延機から払い出されるときの前記鋼材の温度である仕上げ出口温度を入力する第1の処理と、
前記鋼材の移動速度の上限値および下限値を入力する第2の処理と、
前記冷却装置の冷却能力を最小に設定する基準最小冷却設定および前記冷却装置の冷却能力を最大に設定する基準最大冷却設定を入力する第3の処理と、
前記鋼材の移動速度を上限値または下限値とし前記冷却装置を前記基準最大冷却設定または前記基準最小冷却設定としたそれぞれの場合に得られる、前記仕上げ出口温度を初期値とする前記鋼材の温度履歴に基づいて前記鋼材の温度履歴許容領域を求め、前記求めた温度履歴許容領域を、時間と温度とを座標軸とするグラフの中に表示する第4の処理と、
前記温度履歴許容領域が表示された前記グラフを介してユーザによって入力された点が前記温度履歴許容領域に含まれていた場合に限って、前記入力された点を目標温度履歴経由点として受け付ける第5の処理と、
前記第5の処理で受け付けられた前記目標温度履歴経由点の座標値を用いて前記鋼材の目標温度履歴を作成する第6の処理と、
を実行すること
を特徴とする目標温度履歴作成方法。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記第4の処理において、
前記鋼材の移動速度が下限値のときに前記鋼材が前記冷却装置の入口に到達するまでの時間と、前記鋼材の移動速度が上限値のときに前記鋼材が前記冷却装置の出口から抜け出るまでの時間との間の時間範囲で、かつ、
前記冷却装置が前記基準最大冷却設定で動作するときの前記鋼材の温度履歴に基づき得られる温度履歴下限線と、前記冷却装置が前記基準最小冷却設定で動作するときの前記鋼材の温度履歴に基づき得られる温度履歴上限線との間の温度範囲
に含まれる領域を前記温度履歴許容領域として求めること
を特徴とする請求項4に記載の目標温度履歴作成方法。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記第4の処理で前記目標温度履歴経由点の入力が受け付けられた場合には、前記目標温度履歴経由点の時間および温度を初期値として、前記受け付けられた目標温度履歴経由点の時間および温度を初期値として前記温度履歴許容領域を改めて求め直し、前記温度履歴許容領域の表示を更新すること
を特徴とする請求項4に記載の目標温度履歴作成方法。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の目標温度履歴作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延ラインにおいて、圧延機の終端から巻取り機までの間における鋼材の冷却制御に用いる目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成装置、目標温度履歴作成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材の熱間圧延では圧延の後に鋼材を冷却する過程(以下、冷却過程という)で鋼材の材質が変化することが知られており、一定材質または所望材質の鋼材を製造するためには、その冷却過程を制御する必要がある。従来、この冷却過程の制御目標は、冷却開始温度(仕上げ出口温度)と冷却終了温度(巻取り温度)だけであったが、近年では、高品質の鋼材を製造することを目的に、冷却中の鋼材温度履歴T(t)、またはその離散近似である{(t,T),(t,T),…,(t,T)}をも制御目標に加えられるようになった。
【0003】
例えば、高強度と高加工性を合わせ持つDP鋼(Dual Phase鋼鋼)の冷却過程では、第1急冷−徐冷−第2急冷の3段冷却が必要である。そのため、DP鋼の冷却過程の制御目標は、前記の仕上げ出口温度と巻取り温度とともに、第1急冷の終了温度および終了時間、徐冷の終了温度および終了時間も含まなければならない。
【0004】
圧延機終端から巻取り機の間にある鋼材の冷却装置の冷却能力は、装置の構成によって制限されるため、制御目標を設定する際には冷却装置の冷却能力で達成可能な目標値を設定する必要がある。このため、制御目標の設定には、冷却装置の能力に関する熟知と冷却制御に関する熟練が必要である。
【0005】
一般に熱間圧延では、圧延途中に鋼材の速度が加速と減速を繰り返す、いわゆる加速圧延が行われるため、同じ時間tに鋼材が通過する冷却装置内の距離が鋼材の速度に依存して変る。したがって、鋼材の速度が高速の時と低速の時で同じ温度履歴{(t,T),(t,T),…,(t,T)}を実現するためには、鋼材の速度毎に目標の温度履歴を実現する冷却装置内の冷却ノズルの開閉設定(以下、冷却設定)を求め、鋼材の速度変化に合わせて冷却設定を時々刻々変える必要がある。
【0006】
温度履歴を制御目標とする冷却装置の設定技術として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1の技術は、鋼材の温度、水冷の冷却速度、空冷時間を含む多数の制御目標に対してそれぞれの優先順位と許容値(上限値、下限値)を付与し、その優先順位に従い、許容値を満たすように制御目標の修正計算を行う、というものである。したがって、特許文献1の技術によれば、この修正計算を行うことで、鋼材の全長にわたり達成可能な修正後の制御目標を得ることができるという。
【0007】
また、特許文献2には、温度履歴を制御目標とする別の技術が開示されている。特許文献2の技術は、中間温度(徐冷中の鋼材温度)と中間温度保持時間(徐冷時間)の確保を制約条件としてプリセット制御を行い、運転中は板速、中間温度、巻取り温度の実測値を用いて偏差を補償するダイナミック制御を行う、というものである。したがって、特許文献2の技術によれば、以上のプリセット制御およびダイナミック制御を行うことで、中間温度保持時間を遵守しつつ、巻取り温度と中間温度を高精度で制御することができるという。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−268540号公報
【特許文献2】特開2009−148809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1,2に開示された技術には、次のような技術的な課題があると考えられる。
【0010】
特許文献1に開示された技術では、制御目標毎に優先順位と許容値を付与することが必要となるが、優先順位と許容値の決め方は明らかにされていない。しかも、複数の制御目標に対して、優先順位と許容値の組み合わせは多数存在するため、優先順位と許容値を制御目標毎に付与することは、ユーザにとって極めて煩雑な作業となる。さらに、制御目標である鋼材の温度、水冷の冷却速度、空冷時間などは、製造する鋼材の化学組成や材質目標によって変る。制御目標を変えた場合には、優先順位または許容値を制御目標に合わせて、これらを調整することが望ましい。しかしながら、上記の如く優先順位と許容値の組み合わせが多数存在することから、制御目標を変える毎に、優先順位と許容値を調整することはさらに煩雑な作業となる。
【0011】
特許文献2の技術では、巻取り温度と中間温度と中間温度保持時間の制御は可能であるが、急冷区間を含む全冷却区間で所望の温度履歴を得ることは考慮されていない。もし、急冷区間の目標温度履歴を人手作成する場合には、その作成者には、冷却装置や冷却制御についての詳しい知識や熟練が求められる。
【0012】
そこで、本発明は、冷却装置や冷却制御に関する知識や熟練がない作業者であっても、冷却制御時の鋼材の目標温度履歴を容易に作成することが可能な目標温度履歴作成装置、目標温度履歴作成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る目標温度履歴作成装置は、熱間圧延機から払い出される鋼材が冷却装置によって冷却されるときの目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成装置であって、前記熱間圧延機から払い出されるときの前記鋼材の温度である仕上げ出口温度を入力する仕上げ出口温度入力手段と、前記鋼材の移動速度の上限値および下限値を入力する鋼材速度上下限値入力手段と、前記冷却装置の冷却能力を最小に設定する基準最小冷却設定および前記冷却装置の冷却能力を最大に設定する基準最大冷却設定を入力する基準最大最小冷却設定入力手段と、前記鋼材の移動速度を上限値または下限値とし前記冷却装置を前記基準最大冷却設定または前記基準最小冷却設定としたそれぞれの場合に得られる、前記仕上げ出口温度を初期値とする前記鋼材の温度履歴に基づいて前記鋼材の温度履歴許容領域を求め、前記求めた温度履歴許容領域を、時間と温度とを座標軸とするグラフの中に表示する温度履歴許容領域表示手段と、前記温度履歴許容領域が表示された前記グラフを介してユーザによって入力された点が前記温度履歴許容領域に含まれていた場合に限って、前記入力された点を目標温度履歴経由点として受け付ける目標温度履歴経由点入力手段と、前記目標温度履歴経由点入力手段により受け付けられた前記目標温度履歴経由点の座標値を用いて前記鋼材の目標温度履歴を作成する目標温度履歴作成手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冷却装置や冷却制御に関する知識や熟練がない作業者であっても、冷却制御時の鋼材の目標温度履歴を容易に作成することが可能な目標温度履歴作成装置、目標温度履歴作成方法およびプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置の概略構成の例を熱間圧延設備および温度制御装置の概略構成の例とともに示した図。
図2】第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置の表示装置に表示される目標温度履歴作成画面の例を示した図。
図3】第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置の表示装置に表示される基準冷却設定入力画面の例を示した図。
図4】目標温度履歴作成画面の目標温度履歴表示欄に表示される温度履歴許容領域の例を示した図。
図5図4に示された目標温度履歴表示欄において目標温度履歴経由点が設定された後の目標温度履歴表示欄の表示例を示した図。
図6】目標温度履歴作成画面の目標温度履歴表示欄において複数の目標温度履歴経由点が続けて入力される様子の例を示した図。
図7】ユーザによる目標温度履歴経由点設定終了後の目標温度履歴作成画面の目標温度履歴表示欄における表示の例を示した図。
図8】目標温度履歴経由点の設定および目標温度履歴の作成が終了した時点での目標温度履歴作成画面の目標温度履歴表示欄における表示の例を示した図。
図9】目標温度履歴作成装置から温度制御装置へ送信される目標温度履歴情報のデータ形式の例を示した図。
図10】目標温度履歴作成装置の演算処理装置により実行される目標温度履歴作成プログラムのフローチャートの例を示した図。
図11】特許文献1に開示された目標値決定手段の構成の例を示した図。
図12】特許文献1に開示された目標値決定手段によって決定される冷却制御の制御目標情報の構成の例を示した図。
図13】本発明の第2の実施形態に係る目標温度履歴作成装置の表示装置に表示される目標温度履歴作成画面の例を示した図。
図14図13の目標温度履歴作成画面のより詳細な表示の例を示した図。
図15図14の目標温度履歴作成画面の一部を拡大して示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0017】
≪第1の実施形態≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置200の概略構成の例を熱間圧延設備150および温度制御装置100の概略構成の例とともに示した図である。
【0018】
目標温度履歴作成装置200は、熱間圧延設備150において熱間圧延機152での圧延が終了した鋼材151が巻取り機154で巻取られるまでの目標温度履歴を作成する。ここで、鋼材151の温度履歴とは、鋼材151が熱間圧延機152から払い出された後の経過時間t(i=1,…,N)と、そのときの鋼材151の温度Tとを対応付けて構成したデータ{(t,T),(t,T),…,(t,T)}のことをいう。また、目標温度履歴とは、鋼材151の冷却装置160による冷却制御時に用いられる鋼材151の温度履歴の目標値のことをいう。
【0019】
目標温度履歴作成装置200で作成された目標温度履歴は、温度制御装置100のプリセット制御部110に送信される。温度制御装置100のプリセット制御部110は、受信した目標温度履歴を、冷却装置160の冷却ヘッダ163の開閉パターンに変換し、制御信号として熱間圧延設備150に出力する。
【0020】
図1に示すように、目標温度履歴作成装置200は、記録装置201、演算処理装置202、入出力装置203などを備えた一般的なコンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションによって構成される。なお、目標温度履歴作成装置200は、温度制御装置100や熱間圧延設備150の設置場所の近隣に配置される必要はなく、例えば、インターネットなどを介して遠隔の地に配置されてもよい。
【0021】
ここで、記録装置201は、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)など不揮発性の記憶装置で構成される。また、演算処理装置202は、演算回路、プログラム処理回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。また、入出力装置203は、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチペンなどの入力装置や、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置(出力装置)により構成される。
【0022】
このとき、演算処理装置202は、記録装置201に予め記憶されている所定のプログラムをRAMにロードして実行する。これにより、目標温度履歴作成装置200の様々な機能が実現される。すなわち、演算処理装置202が所定のプログラムを実行することにより、仕上げ出口温度入力部20a、鋼材速度上下限値入力部20b、基準最大最小冷却設定入力部20c、温度履歴許容領域表示部20d、目標温度履歴経由点入力部20e、目標温度履歴作成部20f、目標温度履歴出力部20gの各機能が実現される。なお、これらにより実現される機能の詳細については、図2以下の図面を参照して説明する。
【0023】
さらに、図1を参照しつつ、熱間圧延設備150における冷却装置160の概略の構成について説明する。圧延が終了し、熱間圧延機152のミル153から払い出された温度850℃〜900℃程度の鋼材151は、冷却装置160で冷却され、巻取り機154に巻取られる。冷却装置160は、鋼材151の上側から水冷する上部冷却装置161と鋼材151の下側から水冷する下部冷却装置162とを備えている。
【0024】
ここで、上部冷却装置161および下部冷却装置162のそれぞれには、鋼材151の長手方向に沿って複数のバンク164が設けられている。そして、バンク164のそれぞれには、鋼材151の長手方向に沿って一定数の冷却ヘッダ163が設けられている。また、そのそれぞれの冷却ヘッダ163は、鋼材151の幅方向に取り付けられた多数のノズル(図示省略)を有している。なお、図1では、1つのバンク164には3つの冷却ヘッダ163しか描かれていないが、その数は3つに限定されない。
【0025】
ところで、冷却ヘッダ163のノズルへの操作指令としては、ノズルの開閉だけでなく噴射する水量なども含むことができるが、本実施形態では、操作可能な指令は、ノズルの開閉だけであるとする。そして、上部冷却装置161および下部冷却装置162内における各冷却ヘッダ163に対するノズルの開閉指令のデータをヘッダパターンという。
【0026】
熱間圧延設備150には、仕上げ出口温度計170、中間温度計171および巻取り温度計172が設けられている。仕上げ出口温度計170は、熱間圧延機152の出口近傍に設けられ、熱間圧延機152で圧延された直後の鋼材151の温度(仕上げ出口温度)を計測する。また、中間温度計171は、冷却装置160の中央部付近に設けられ、冷却途中の鋼材151の温度を計測する。また、巻取り温度計172は、巻取り機154の直前の位置に設けられ、巻取り機154で巻取られる直前の鋼材151の温度を計測する。
【0027】
熱間圧延機152のミル153から払い出された鋼材151は、冷却装置160を通過するときに、冷却ヘッダ163から噴射される水によって冷却される(水冷動作)。また、冷却ヘッダ163から水が噴射されない場合でも、鋼材151は、周囲の空気によって冷却される(空冷動作)。
【0028】
すなわち、冷却ヘッダ163に対する制御指令が“開”の場合には、水冷動作となり、鋼材151表面における熱流速は、例えば、次の式(1)で与えられる。

=9.72×105×ω0.355×{(2.5−1.15 logT)×D/(pl×pc)}0.646 (1)
ただし、ω:水量密度(L/m2/s)
:水温(℃)
D:ノズル直径(m)
pl:ライン方向のノズルピッチ(m)
pc:ラインと直交方向のノズルピッチ(m)
【0029】
また、冷却ヘッダ163に対する制御指令が“閉”の場合には、空冷動作となり、鋼材151表面における熱流速は、例えば、次の式(2)で与えられる。

=σ×ε[(273+Tsu) 4−(273+T) 4] (2)
ただし、σ:ステファンボルツマン定数(W/m2/K4
ε:放射率
:空気温度(℃)
su:鋼材151の表面温度(℃)
【0030】
また、鋼材151が薄い板状のものであるとすれば、鋼材151の厚み方向の熱移動を無視することができるため、鋼材151の温度は、次の式(3)のように変化する。

=Tn−1−(q+q)×Δ/(ρ×C×B) (3)
ただし、T:現在の鋼材温度(℃)
n−1:時間Δ前の鋼材温度(℃)
:鋼材の上面からの熱流束(W/m2
:鋼材の下面からの熱流束(W/m2
ρ:鋼材の密度(kg/m3
C:鋼材の比熱(J/kg/K)
B:鋼材の厚み(m)
【0031】
一方、鋼材151の厚み方向の熱移動を考慮する必要がある場合には、鋼材151の温度は、良く知られた次の式(4)の熱伝熱方程式にしたがって変化する。

dT/dt={λ/(ρ×C)}(∂2T/∂t2 ) (4)
ただし、λ:熱伝導率
T:鋼材151の内部温度
【0032】
なお、以上の式(1)〜(4)にしたがって鋼材151の温度を計算する場合には、以上のほかにも、冷却装置160に依存して定められた冷却ヘッダ163のノズルの水量密度や、圧延対象の鋼材151に依存する比熱などの物性値などを用いる。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置200の表示装置に表示される目標温度履歴作成画面210の例を示した図である。目標温度履歴作成装置200の演算処理装置202は、所定の目標温度履歴作成プログラムの実行を開始すると、まず、図2に示すような目標温度履歴作成画面210を表示装置(入出力装置203)に表示する。
【0034】
このとき、目標温度履歴作成画面210には、仕上げ出口温度入力欄211、鋼材速度下限値入力欄212、鋼材速度上限値入力欄213、基準最小冷却設定開始ボタン220、基準最大冷却設定開始ボタン221、目標温度履歴保存ボタン251、目標温度履歴読出ボタン252、目標温度履歴送信ボタン253、目標温度履歴表示欄260などが表示される。ただし、初期段階では、目標温度履歴表示欄260は全く表示されないか、横軸が時間t、縦軸が温度Tのグラフ枠とモード切替ボタン261のみが表示される。
【0035】
ユーザは、目標温度履歴作成画面210に表示された仕上げ出口温度入力欄211、鋼材速度下限値入力欄212、鋼材速度上限値入力欄213を介して、制御対象である鋼材151の仕上げ出口温度FDT、鋼材速度下限値V_slow、および、鋼材速度上限値V_fastを入力する。
【0036】
すなわち、演算処理装置202の仕上げ出口温度入力部20aは、仕上げ出口温度入力欄211を介してユーザによって入力される仕上げ出口温度FDTの値を取得する。また、鋼材速度上下限値入力部20bは、鋼材速度下限値入力欄212、鋼材速度上限値入力欄213を介してユーザによって入力される鋼材速度下限値V_slowおよび鋼材速度上限値V_fastの値を取得する。
【0037】
なお、図2では、仕上げ出口温度FDTの単位を摂氏温度(degC)とし、鋼材速度下限値V_slowおよび鋼材速度上限値V_fastの単位をm/sとしているが、これらの単位は、絶対温度(degK)、ft/sなどであってもよい。
【0038】
基準最大最小冷却設定入力部20cは、基準最小冷却設定開始ボタン220または基準最大冷却設定開始ボタン221がユーザによってクリックされたときに基準冷却設定入力画面222(図3参照)を表示する。さらに、基準最大最小冷却設定入力部20cは、基準冷却設定入力画面222を介してユーザが設定する情報に基づき、冷却装置160の基準最大冷却設定または基準最大冷却設定の定義情報を作成する。なお、基準冷却設定入力画面222の詳細については、別途、図3を参照して説明する。
【0039】
温度履歴許容領域表示部20dは、目標温度履歴作成画面210の中に目標温度履歴表示欄260を表示するとともに、さらにその中に、横軸を時間tとし、縦軸を温度Tとするグラフ枠を表示する。ここで、時間tは、鋼材151の熱間圧延機152での圧延終了後の経過時間を表し、温度Tは、鋼材151の温度を表す。
【0040】
さらに、温度履歴許容領域表示部20dは、前記のグラフ枠内に温度履歴上限線、温度履歴下限線などで囲まれた温度履歴許容領域265(図4参照)を表示する。なお、温度履歴上限線、温度履歴下限線、温度履歴許容領域265などの詳細については、別途、図4などを用いて説明する。
【0041】
目標温度履歴経由点入力部20eは、温度履歴許容領域265の中にユーザが設定する目標温度履歴経由点(図5などでいうノードN1など)の位置情報を取得する。ここで、目標温度履歴経由点の位置情報とは、鋼材151の熱間圧延機152での圧延終了後の経過時間tと、鋼材151の温度Tとによって表される情報である。
【0042】
また、目標温度履歴作成部20fは、目標温度履歴経由点入力部20eにより設定された目標温度履歴経由点まで、または、鋼材151が冷却装置160を通過し終える時点までの目標温度履歴を作成する。そして、その作成した目標温度履歴が表す温度履歴線を目標温度履歴表示欄260のグラフ枠内に表示する。なお、このとき、温度履歴許容領域265内に複数の目標温度履歴経由点が設定されていた場合には、目標温度履歴が表す温度履歴線は、その複数の目標温度履歴経由点を設定された順に全て経由するように作成される。
【0043】
目標温度履歴出力部20gは、目標温度履歴保存ボタン251、目標温度履歴読出ボタン252および目標温度履歴送信ボタン253のそれぞれがクリックされた場合に応じて以下の処理を行う。
【0044】
すなわち、目標温度履歴保存ボタン251がクリックされた場合には、目標温度履歴出力部20gは、取得済みの仕上げ出口温度FDT、鋼材速度下限値V_slow、鋼材速度上限値V_fast、目標温度履歴経由点など作業途中の全ての情報を記録装置201に保存する。また、目標温度履歴読出ボタン252がクリックされた場合には、目標温度履歴出力部20gは、記録装置201から、記録装置201に以前に保存された作業途中の情報を読み出す。また、目標温度履歴送信ボタン253がクリックされた場合には、目標温度履歴出力部20gは、最終的な目標温度履歴が作成されたものとして、その作成された目標温度履歴を温度制御装置100に送信し、さらに記録装置201にも保存する。
【0045】
ここで、「情報を記録装置201に保存する」とは、演算処理装置202内の作業用のメモリ(RAMなど)に記憶されている情報を不揮発性の記録装置201(ハードディスク装置など)に記憶させることをいう。また、「記録装置201から情報を読み出す」とは、記録装置201に記憶されている情報を読み出して、演算処理装置202内の作業用のメモリに戻すことをいう。
【0046】
なお、ここでは、目標温度履歴読出ボタン252がクリックされた場合には、以前に記録装置201に保存された作業途中の情報または最終的な目標温度履歴の中から1つを選択して読み出すことができるようにされている。すなわち、本実施形態では、ユーザが目標温度履歴作成の作業を途中で中断したとしても、そのときの作業途中の情報を記録装置201に保存することができる。したがって、ユーザは、その後にはいつでも保存した作業途中の情報を記録装置201から読み出すことができるので、過去に作成した目標温度履歴を、後日、同種の鋼材151の圧延時に再利用することができる。
【0047】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る目標温度履歴作成装置200の表示装置に表示される基準冷却設定入力画面222の例を示した図である。本実施形態における冷却装置160では、冷却装置160で可能な冷却能力の最大および最小を、基準最大冷却設定および基準最小冷却設定としてユーザが定義できるようにされている。図2の基準冷却設定入力画面222は、ユーザがその基準最大冷却設定および基準最小冷却設定の定義情報を作成するための画面である。
【0048】
この場合、最も簡単には、冷却装置160の全ての冷却ヘッダ163を“開”にした冷却設定を基準最大冷却設定とし、全ての冷却ヘッダ163を“閉”にした冷却設定を基準最小冷却設定とすることができる。これに対し、本実施形態では、例えば、鋼材151の平坦度を向上させるなどの目的のために、“開”と“閉”の両方を含む基準最大冷却設定や基準最小冷却設定を作成することができるようにされている。
【0049】
そのため、本実施形態では、図2の目標温度履歴作成画面210において、基準最小冷却設定開始ボタン220または基準最大冷却設定開始ボタン221がクリックされたときには、図3の基準冷却設定入力画面222が表示される。なお、この場合、基準最小冷却設定開始ボタン220がクリックされたときと、基準最大冷却設定開始ボタン221がクリックされたときとでは、基準冷却設定入力画面222における基準冷却設定モード表示欄223の欄内の表示が相違するだけである。
【0050】
すなわち、基準最小冷却設定開始ボタン220がクリックされたときには、基準冷却設定モード表示欄223の欄内には、例えば“Minimum Cooling”と表示される。そして、ユーザは、このとき表示された基準冷却設定入力画面222を介して、冷却装置160の基準最小冷却設定の定義情報を作成することができる。また、基準最大冷却設定開始ボタン221がクリックされたときには、基準冷却設定モード表示欄223の欄内には、例えば“Maximum Cooling”と表示される。そして、ユーザは、このとき表示された基準冷却設定入力画面222を介して、冷却装置160の基準最大冷却設定の定義情報を作成することができる。以下、図3では、基準最大冷却設定開始ボタン221がクリックされたときに表示される基準冷却設定入力画面222を例に説明する。
【0051】
図3に示すように、基準冷却設定入力画面222には、前記の基準冷却設定モード表示欄223に加え、強制使用/不使用入力欄224、上下開比入力欄225、開ヘッダ開始位置入力欄226、上部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄227、下部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄228、基準冷却設定完了ボタン229などが表示される。
【0052】
ここで、基準冷却設定モード表示欄223は、前記の通り、当該基準冷却設定入力画面222が基準最小冷却設定を定義するモードで用いられているのか、基準最大冷却設定を定義するモードで用いられているのか示す情報を表示する表示欄である。図3の例では、基準最大冷却設定を定義するモードであることを示す“Maximum Cooling”が表示されている。
【0053】
強制使用/不使用入力欄224は、基準冷却設定モード表示欄223に表示される基準最小冷却設定かまたは基準最大冷却設定かのモードに関係なく、各バンク164の冷却ヘッダ163を強制的に“開”または“閉”にする指令の入力受付欄である。なお、図3の例では、それぞれのバンク164は、8つの冷却ヘッダ163で構成されているものとしている。そして、“1”が入力された“Bank1”の冷却ヘッダ163は、全て“開”にされ、また、“0”が入力された“BankN”の冷却ヘッダ163は、全て“閉”にされるものとしている。また、“1”も“0”も入力されていない例えば“Bank2”については、基準最小冷却設定のときには、その冷却ヘッダ163は全て“閉”にされ、基準最大冷却設定のときには、その冷却ヘッダ163は全て“開”にされるものとしている。なお、ここで、冷却ヘッダ163の“開”は“1”で表され、冷却ヘッダ163の“閉”は“0”で表されている。
【0054】
上下開比入力欄225は、“開”にする上部ヘッダの数と“開”にする上部ヘッダの数との比を入力するための入力受付欄である。ここで、上部ヘッダは、上部冷却装置161の冷却ヘッダ163を意味し、下部ヘッダは、下部冷却装置162の冷却ヘッダ163を意味する。したがって、上下開比入力欄225が“1”の“Bank1”については、同数の上部冷却ヘッダと下部冷却ヘッダとが“開”にされる。また、上下開比入力欄225が“0.5”の“Bank2”については、2つの下部冷却ヘッダの“開”に対して1つの割合で上部冷却ヘッダが“開”にされる。また、上下開比入力欄225が“2”の“Bank3”については、1つの下部冷却ヘッダの“開”に対して2つの割合で上部冷却ヘッダが“開”にされる。
【0055】
開ヘッダ開始位置入力欄226は、上下開比入力欄225の入力値が“1”でないバンク164において、上部冷却ヘッダと下部冷却ヘッダのうち、“開”と“閉”をともに有する側で最初の“開”となる冷却ヘッダ163の位置を入力する入力受付欄である。図3の例では、“Bank2”の開ヘッダ開始位置入力欄226は“1”であるので、上部冷却装置161の“Bank2”の冷却ヘッダ163は、“開”“閉”“開”“閉”……の順に設定される。また、“Bank3”の開ヘッダ開始位置入力欄226は“2”であるので、下部冷却装置162の“Bank3”の冷却ヘッダ163は、“閉”“開”“閉”“開”……の順に設定される。
【0056】
以上の各入力欄を介してユーザ所望のデータが設定されると、その設定されたデータに基づき上部冷却ヘッダおよび下部冷却ヘッダの開閉パターンが作成される。そして、その作成された上部冷却ヘッダおよび下部冷却ヘッダの開閉パターンは、それぞれ上部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄227および下部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄228に表示される。なお、以上のようにして作成され、表示された上部冷却ヘッダおよび下部冷却ヘッダの開閉パターンは、そのときの基準冷却設定モード表示欄223の表示に応じて、基準最小冷却設定の定義情報または基準最大冷却設定の定義情報と呼ばれる。
【0057】
図4は、目標温度履歴作成画面210の目標温度履歴表示欄260に表示される温度履歴許容領域265の例を示した図である。図4に示すように、目標温度履歴表示欄260には、温度履歴許容領域265を定めるために必要な6つのガイドラインGL11,GL12,GL13,GL21,GL22,GL23が表示される。
【0058】
ガイドラインGL11は、鋼材151の移動速度が鋼材速度下限値V_slowであるとき、仕上げ出口温度計170の位置を通過した鋼材151が冷却ヘッダ163の中で仕上げ出口温度計170に最も近い冷却ヘッダ163(冷却装置160の入口)に到達する時間を表す。ここで、鋼材151が冷却装置160の中に入る時間は、鋼材151の移動速度が速いとき早くなり、鋼材151の移動速度が遅いとき遅くなる。したがって、鋼材151の速度が鋼材速度下限値V_slowと鋼材速度上限値V_fastとの間でどのように変化したとしても、鋼材151は、遅くともガイドラインGL11の時間より前には冷却装置160に到達することになる。
【0059】
また、ガイドラインGL21は、鋼材151の移動速度が鋼材速度上限値V_fastであるとき、鋼材151が冷却装置160の冷却ヘッダ163の中で巻取り温度計172に最も近い冷却ヘッダ163(冷却装置160の出口)を通過する時間を表す。したがって、鋼材151の速度が鋼材速度下限値V_slowと鋼材速度上限値V_fastの間でどのように変化したとしても、鋼材151は、ガイドラインGL11の時間よりも後に冷却装置160の外に出ることになる。
【0060】
すなわち、鋼材151の移動速度が鋼材速度下限値V_slowと鋼材速度上限値V_fastの間でどのように変化したとしても、ガイドラインGL11からガイドラインGL21までの時間内には、鋼材151は必ず冷却装置160の中にあることになる。したがって、鋼材151が冷却装置160の中にあるときには、冷却装置160における冷却ヘッダ163の設定によって、適宜、鋼材151の温度を制御することができる。
【0061】
また、ガイドラインGL12は、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動し、かつ、冷却装置160が基準最小冷却設定(図3など参照)で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線を表したものである。なお、この温度履歴線は、鋼材151の移動速度を鋼材速度下限値V_slowとし、冷却装置160の冷却能力を基準最小冷却設定とした場合に、前記の式(1)〜式(4)を用いて計算することができる。
【0062】
また、ガイドラインGL13は、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動し、かつ、冷却装置160が基準最大冷却設定(図3など参照)で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線を表したものである。なお、この温度履歴線は、鋼材151の移動速度を鋼材速度下限値V_slowとし、冷却装置160の冷却能力を基準最大冷却設定とした場合に、前記の式(1)〜式(4)を用いて計算することができる。
【0063】
また、ガイドラインGL22は、鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動し、かつ、冷却装置160が基準最小冷却設定(図3など参照)で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線を表したものである。なお、この温度履歴線は、鋼材151の移動速度を鋼材速度上限値V_fastとし、冷却装置160の冷却能力を基準最小冷却設定とした場合に、前記の式(1)〜式(4)を用いて計算することができる。
【0064】
また、ガイドラインGL23は、鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動し、かつ、冷却装置160が基準最大冷却設定(図3など参照)で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線を表したものである。なお、この温度履歴線は、鋼材151の移動速度を鋼材速度下限値V_slowとし、冷却装置160の冷却能力を基準最大冷却設定とした場合に、前記の式(1)〜式(4)を用いて計算することができる。
【0065】
以上、図4では、ガイドラインGL12およびGL13は、それぞれ鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動したときの上限となる温度履歴線および下限となる温度履歴線を表している。また、ガイドラインGL22およびGL23は、それぞれ鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動したときの上限となる温度履歴線および下限となる温度履歴線を表している。
【0066】
そこで、本実施形態では、前記の上限となる温度履歴線であるガイドラインGL12とGL22のうち低温側の線をつないで得られる線を「温度履歴上限線」という。また、前記の下限となる温度履歴線であるガイドラインGL13とGL23のうち低温側の線をつないで得られる線を「温度履歴下限線」という。そして、時間tがガイドラインGL11とGL21との間に含まれ、かつ、温度Tが温度履歴下限線以上、温度履歴上限線以下となる領域を「温度履歴許容領域265」と呼ぶ。すなわち、目標温度履歴がこの「温度履歴許容領域265」に含まれる限りにおいて、その目標温度履歴は、冷却装置160の冷却ヘッダ163の“開”または“閉”の制御により実現可能であることになる。
【0067】
以上のようにして目標温度履歴表示欄260の中には、2つのガイドラインGL11,GL12と温度履歴下限線と温度履歴上限線とにより定まる温度履歴許容領域265が表示されるとともに、モード切替ボタン261が表示される。なお、図4では、作図の都合上、温度履歴下限線および温度履歴上限線の図示は省略されているが、前記の定義により温度履歴下限線および温度履歴上限線の形状を特定するのは容易である。
【0068】
また、図4に示されたモード切替ボタン261は、目標温度履歴表示欄260が入力モードであるのか、または、表示モードであるのかの切り替えに用いられる。すなわち、モード切替ボタン261がクリックされるたびに、目標温度履歴表示欄260は、入力モードと表示モードとが交互に切り替えられる。そして、入力モードの場合には、温度履歴許容領域265の中に目標温度履歴経由点(図5などでいうノードN1など)の位置を設定することが可能となる。また、表示モードの場合には、ユーザによる目標温度履歴経由点の設定などの入力操作は禁止される。
【0069】
なお、図4の例では、モード切替ボタン261には、“Start Draw”というボタン名称が表示されているが、これは、目標温度履歴表示欄260が表示モードであることを表している。そして、このときにモード切替ボタン261がクリックされると、目標温度履歴表示欄260の表示モードは入力モードに切り替えられ、モード切替ボタン261には、“Stop Draw”というボタン名称が表示される(図5参照)。
【0070】
図5は、図4に示された目標温度履歴表示欄260において目標温度履歴経由点(ノードN1)が設定された後の目標温度履歴表示欄260の表示例を示した図である。図5に示すように、目標温度履歴経由点(ノードN1)は、ユーザによって目標温度履歴表示欄260内の時間tと温度Tを座標軸としたグラフ枠の中に設定される。そのため、まず、目標温度履歴表示欄260が入力モードにされる必要がある。そこで、ユーザが目標温度履歴表示欄260内の“Start Draw”と表示されたモード切替ボタン261をクリックすると、目標温度履歴表示欄260は入力モードとなり、モード切替ボタン261の表示が“Stop Draw”という表示に切り替えられる。
【0071】
目標温度履歴表示欄260が入力モードに切り替えられると、目標温度履歴経由点入力部20eは、目標温度履歴表示欄260内のグラフにおいて自動的に定まるノードAN1,ノードAN2の位置を表す時間t,温度Tを求め、これら求めたノードAN1,ノードAN2の位置を目標温度履歴表示欄260の中に表示する。
【0072】
ここで、ノードAN1の位置は、目標温度履歴の初期位置であり、時間t=0と温度T=仕上げ出口温度FDTにより定まる。また、ノードAN2の位置は、ガイドラインGL11で指定される時間と、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowおよび冷却制御なしの条件で移動し、ガイドラインGL11で指定される時間での鋼材151の温度とにより定まる。
【0073】
なお、本明細書では、目標温度履歴表示欄260において、鋼材151の温度履歴を表す点をノードといい、さらに、それが目標温度履歴を表すノードの場合には、目標温度履歴経由点という。ノードAN1,ノードAN2は、ユーザによって設定されるものではないが、自動的に定まる目標温度履歴経由点である。
【0074】
続いて、目標温度履歴経由点入力部20eは、目標温度履歴表示欄260を介してユーザ所望の目標温度履歴経由点であるノードN1の位置の入力を受け付ける。すなわち、ユーザが温度履歴許容領域265(図4参照)の内部の位置をマウスでクリックすると、クリックした位置にノードN1が追加される。ただし、この場合、ユーザが温度履歴許容領域265の外部の位置をクリックしたときには、ノードN1は追加されず、エラーメッセージなどが表示される。なお、以上のようにして、ユーザがマウスなどで位置を指定してノードの位置を入力することを、以下では「ノードを設定する」、「ノードを追加する」などとも表現する。
【0075】
以上のようにしてノードN1が追加されると、目標温度履歴経由点入力部20eは、ノードAN1からノードAN2を通りノードN1までの目標温度履歴を作成し、作成した目標温度履歴(図5では、太実線で描かれた折れ線)を目標温度履歴表示欄260の中に表示する。さらに、目標温度履歴経由点入力部20eは、それまでのガイドラインGL12,GL22,GL13,GL23を、ノードN1の位置を初期値とした新たなガイドラインGL12’,GL22’,GL13’,GL23’に更新し、表示する。
【0076】
この更新によって、温度履歴上限線は、GL12’とGL22’のうち低温側の線をつないで得られる線に更新され、また、温度履歴下限線も、GL13’とGL23’のうち高温側の線をつないで得られる線に更新される。その結果、それまでの温度履歴許容領域265(図4参照)は、ガイドラインGL11からGL21までの時間区間であって、かつ、更新後の温度履歴上限線以下で更新後の温度履歴下限線以上の領域である温度履歴許容領域265aに変更される。
【0077】
図6は、目標温度履歴作成画面210の目標温度履歴表示欄260において複数の目標温度履歴経由点が続けて入力される様子の例を示した図である。図6に示すように、ノードN1に続き、目標温度履歴経由点としてノードN2,N3が設定された場合には、目標温度履歴経由点入力部20eは、前記と同様にしてノードAN1からノードAN2,N1,N2を通りノードN3までの目標温度履歴を作成する。そして、その作成した目標温度履歴(図6で、太実線で描かれた折れ線)を目標温度履歴表示欄260に表示する。
【0078】
ここで、ノードN1に続いてノードN2が設定される場合には、ノードN2の位置は、ノードN1が設定されたときに更新された温度履歴許容領域265a(図5参照)の中に含まれる必要がある。したがって、ユーザがノードN2を設定する際に、温度履歴許容領域265aに含まれない位置をクリックした場合には、ノードN2は追加されず、エラーメッセージなどが表示される。
【0079】
ノードN2が設定されると、目標温度履歴経由点入力部20eは、ノードN2までの目標温度履歴を作成し、さらに、ノードN2を初期値として温度履歴上限線および温度履歴下限線を更新して、それまでの温度履歴許容領域265aを新たなものに更新する。なお、図6では作図の都合上、ノードN1を初期値として更新された温度履歴許容領域265a(図5参照)の図示も、ノードN2を初期値として更新された新たな温度度履歴許容領域の図示も省略されている。
【0080】
続いて、ノードN3も同様にして設定される。したがって、ノードN3の位置は、ノードN2設定後に更新された新たな温度履歴許容領域の中に含まれなければならない。ただし、図6の例では、ノードN3は、ガイドラインGL21上に設定されている。したがって、ノードN3が設定されたことで、ユーザによる目標温度履歴経由点の設定は終了したことになる。ガイドラインGL21で指定される時間t以降の領域には、目標温度履歴経由点としてのノードを設定することはできない。
【0081】
なお、本実施形態では、以上のようにしてガイドラインGL21までの目標温度履歴経由点(ノードN1,N2,N3など)が設定され、目標温度履歴が計算された後であっても、その目標温度履歴経由点の位置は、適宜変更可能であるとする。例えば、ノードN1の位置の変更は、ユーザがマウスでノードN1の位置を選択し、所望の別の位置へドラッグすることなどにより実現することができる。また、いったん設定された目標温度履歴経由点を削除することも、それまでの目標温度履歴の途中に新たな目標温度履歴経由点を追加することもできるものとする。
【0082】
さらに、本実施形態では、以上のようにして設定されたノードN1,N2,N3について、そのノードの座標値(時間t,温度T)や、ノード間をつなぐ直線の傾き(ノード間の冷却速度)などを表示することができるものとしている。図6の例では、ノードN3の座標値“(tx,Tx)”およびノードN2−ノードN3間の冷却速度“−70K/s”が表示されている。
【0083】
したがって、本実施形態では、鋼材151の特性を決定する上で必要となる急冷区間なども簡単な操作で設けることができ、また、その急冷区間の時間や冷却速度などについても簡単で高精度な調整が可能になる。
【0084】
図7は、ユーザによる目標温度履歴経由点設定終了後の目標温度履歴作成画面210の目標温度履歴表示欄260における表示の例を示した図である。すなわち、図6を用いて説明したようにして、目標温度履歴経由点(ノードN1,N2,N3)が設定され、ガイドラインGL21までの目標温度履歴が求められると、ユーザはモード切替ボタン261をクリックする。これにより、目標温度履歴表示欄260は表示モードとなり、モード切替ボタン261の表示は、“Stop Draw”に変わる。
【0085】
続いて、目標温度履歴経由点入力部20eは、設定された最後のノード(図7ではノードN3)以降の時間に対して、次の2つの場合について鋼材151が巻取り温度計172の位置に到達する時間と温度を計算する。すなわち、目標温度履歴経由点入力部20eは、まず、冷却装置160に基準最小冷却設定を適用し、鋼材速度上限値V_fastで移動したときに鋼材151が巻取り温度計172の位置に到達する時間と温度を求める。そして、その求めた時間と温度で定まる位置をノードAN3として、目標温度履歴表示欄260の中に表示する。
【0086】
また、目標温度履歴経由点入力部20eは、冷却装置160に基準最小冷却設定を適用し、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動した場合に巻取り温度計172の位置に到達する時間と温度を求める。そして、その求めた時間と温度で定まる位置をノードAN4として、目標温度履歴表示欄260の中に表示する。
【0087】
続いて、目標温度履歴経由点入力部20eは、目標温度履歴経由点として最後に設定されたノードN3と、前記のノードAN3、AN4とをそれぞれつなぎ、ガイドラインGL21以降の時間の温度履歴線(図7ではいずれも点線で描かれている)とする。さらに、目標温度履歴経由点入力部20eは、ノードAN3とノードAN4との温度差Tdを表示する。
【0088】
なお、この温度差Tdは、ノードN3までの目標温度履が実現され、ノードN3以降、鋼材151の移動速度が鋼材速度下限値V_slow以上、鋼材速度上限値V_fast以下の範囲で変化したとする場合に予測される最大の温度差である。したがって、巻取り温度計172で測定される温度は、適宜、鋼材151の移動速度に応じて変化することになるが、その変化の幅は、温度差Td以内に収まると予測される。
【0089】
図8は、目標温度履歴経由点の設定および目標温度履歴の作成が終了した時点での目標温度履歴作成画面210の表示の例を示した図である。なお、この目標温度履歴作成画面210では、目標温度履歴表示欄260の表示内容は、図7に示したものと同じになっている。そして、この時点でのモード切替ボタン261の表示は、“Start Draw”であり、目標温度履歴表示欄260は表示モードとなっている。
【0090】
そこで、このとき、ユーザがモード切替ボタン261をクリックすると、モード切替ボタン261の表示は、“Stop Draw”に切り替わり、目標温度履歴表示欄260は、入力モードとなる。これは、ノードN1,N2,N3の位置変更や削除、新たなノードの追加などが可能になることを意味する。すなわち、本実施形態では、いったん作成した目標温度履歴を修正することができる。
【0091】
また、図8の目標温度履歴作成画面210が表示装置に表示された時点、すなわち、ユーザが目標温度履歴の作成が終わったと判断した時点で、目標温度履歴送信ボタン253をクリックすると、作成された目標温度履歴は、温度制御装置100に送信される。この場合、目標温度履歴出力部20gは、目標温度履歴を図9に示すようなデータ形式に変換し、変換後の目標温度履歴を目標温度履歴情報として温度制御装置100に送信する。また、このとき、目標温度履歴出力部20gは、温度制御装置100に送信したものと同じ目標温度履歴情報を記録装置201にも保存するようにするのが好ましい。なお、本明細書では、図9に示すようなデータ形式に変換された目標温度履歴を、とくに区別して、目標温度履歴情報と呼ぶ。
【0092】
図9は、目標温度履歴作成装置200から温度制御装置100へ送信される目標温度履歴情報270のデータ形式の例を示した図である。図9に示すように、目標温度履歴情報270は、目標温度履歴セクション271と基準最小冷却設定セクション272とにより構成されている。
【0093】
ここで、目標温度履歴セクション271は、目標温度履歴経由点として求められたノードの目標温度履歴を表すデータであり、それぞれのノードの{識別子,時間,温度}のデータにより構成される。具体的には、自動的に計算されたノードAN1,AN2の{識別子,時間,温度}のデータ、および、ユーザにより設定されたノード(図9の例では、ノード、N1、N2、N3)の{識別子,時間,温度}のデータにより構成される。
【0094】
なお、最後の目標温度履歴セクション271のデータ、すなわち、最後のノード(ノードN3)のデータの次には、データ区切りのための終了標識(図9の例では、“fin”)が挿入される。また、図8などに示されているノードAN3,AN4は、目標温度履歴ではなく最後のユーザ設定ノード(ノードN3)の後を、全て基準最小冷却設定にして得られる結果であるため、目標温度履歴には含まれない。
【0095】
基準最小冷却設定セクション272は、基準冷却設定入力画面222(図3参照)を介して設定されたそれぞれのバンク164の{識別子、上部冷却ヘッダ開閉パターン、下部冷却ヘッダ開閉パターン}のデータにより構成される。
【0096】
以上のような目標温度履歴情報270は、温度制御装置100に送信されて、温度制御装置100の内部のプリセット制御部110によって冷却ヘッダ163の開閉パターンに変換されて制御信号として熱間圧延設備150に出力される。
【0097】
図10は、目標温度履歴作成装置200の演算処理装置202により実行される目標温度履歴作成プログラムのフローチャートの例を示した図である。
【0098】
演算処理装置202は、最初に初期処理として、図2の目標温度履歴作成画面210を介して仕上げ出口温度入力部20a、鋼材速度上下限値入力部20bの処理を実行する。続いて、演算処理装置202は、図3の基準冷却設定入力画面222を介して基準最大最小冷却設定入力部20cの処理を実行する。すなわち、演算処理装置202は、ステップS1では、ユーザによる仕上げ出口温度FDT、鋼材速度下限値V_slow、鋼材速度上限値V_fastの入力を受け付けるとともに、基準最大冷却設定および基準最小冷却設定の定義情報の入力を受け付ける。
【0099】
次に、演算処理装置202は、温度履歴許容領域表示部20dの処理を実行する。すなわち、演算処理装置202は、ステップS2では、図4に示した6本のガイドラインGL11,GL12,GL13,GL21,GL22,GL23を計算して求め、これらにより定まる温度履歴許容領域265を表示装置に表示する。
【0100】
続いて、演算処理装置202は、ステップS3〜ステップS8では、目標温度履歴経由点入力部20eおよび目標温度履歴作成部20fの処理を実行する。まず、演算処理装置202は、ステップS3では、目標温度履歴表示欄260を入力モードに切り替え、図5でいうノードAN1およびノードAN2の位置(時間t,温度T)を求め、求めたノードAN1およびノードAN2の位置を目標温度履歴表示欄260の中に表示する。
【0101】
次に、ステップS4において、演算処理装置202は、図5図6を用いて説明したように、ユーザが設定するi番目(i=1,2,…)の目標温度履歴経由点として、ノードNiの位置の入力を受け付ける。
【0102】
次に、ステップS5において、演算処理装置202は、前記の受け付けたノードNiの位置が温度履歴許容領域265の内部に含まれているか否かを判定する。ここで、ノードNiの位置が温度履歴許容領域265の内部の内部に含まれていない場合には(ステップS5でNo)、演算処理装置202は、“不正の入力位置である”などのエラーメッセージを表示した後、ステップS4を再実行する。一方、ノードNiの位置が温度履歴許容領域265の内部の内部に含まれていた場合には(ステップS5でYes)、演算処理装置202は、ステップS6の処理に移行する。
【0103】
ステップS6では、演算処理装置202は、目標温度履歴表示欄260の中にステップS5で入力されたノードNiを追加して表示するとともに、ノードNiまでの目標温度履歴を作成し、表示する。さらに、演算処理装置202は、ノードNiを初期値として、新たなガイドラインGL12’,GL22’,GL13’,GL23’を計算し、温度履歴許容領域265を更新する。
【0104】
次に、ステップS7では、演算処理装置202は、目標温度履歴の作成が終了したか否か、すなわち、モード切替ボタン261がクリックされたか否かを判定する。その判定の結果、目標温度履歴の作成が終了していない、すなわち、モード切替ボタン261がクリックされいない場合には(ステップS7でNo)、演算処理装置202は、ステップS4に戻り、ステップS4以下の処理を再実行する。
【0105】
一方、目標温度履歴の作成が終了した、すなわち、モード切替ボタン261がクリックされた場合には(ステップS7でYes)、演算処理装置202は、ステップS8の処理に移行する。なお、モード切替ボタン261がクリックされた時点で、ガイドラインGL21上に最後のノードNi(図6の例ではノードN3)が設定されていない場合には、目標温度履歴の作成が終了したとは言えない。したがって、このような場合には、エラーメッセージなどを表示した上で、ステップS8の処理へ移行するのではなく、ステップS4の処理に移行するのがよい。
【0106】
次に、ステップS8では、演算処理装置202は、まず、目標温度履歴表示欄260を表示モードに切り替える。続いて、演算処理装置202は、ステップS6で最後に追加されたノード(ガイドラインGL21上に設定されたノード:図6の例ではノードN3)の時間および温度を初期値とし、これ以降に続く鋼材151の温度履歴を、次の2つの場合について計算する。
【0107】
第1の場合:演算処理装置202は、最後に設定されたノードの位置の時間以降、冷却装置160に基準最小冷却設定を適用し、鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動したときに巻取り温度計172の位置に到達するまでの温度履歴を計算する。
第2の場合:演算処理装置202は、最後に設定されたノードの位置の時間以降、冷却装置160に基準最小冷却設定を適用し、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動したときに巻取り温度計172の位置に到達するまでの温度履歴を計算する。
【0108】
続いて、演算処理装置202は、前記第1の場合に、鋼材151が巻取り温度計172の位置に到達したときの時間および温度を計算し、得られた時間および温度で定まる位置にノードAN3を設定する。また、演算処理装置202は、前記第2の場合に鋼材151が巻取り温度計172の位置に到達したときの時間および温度を計算し、得られた時間および温度で定まる位置にノードAN4を設定する。
【0109】
さらに、演算処理装置202は、ノードN3およびノードAN4の位置を目標温度履歴表示欄260の中に表示するとともに、ノードAN3およびノードAN4それぞれにおける温度の温度差Tdを求め、求めた温度差Tdを同じ目標温度履歴表示欄260の中に表示する(図7参照)。
【0110】
最後に、ステップS9では、演算処理装置202は、ステップS7の処理で求められた最後に設定されたノードNiまでの目標温度履歴を温度制御装置100に送信する。なお、この場合、温度制御装置100に送信する目標温度履歴の情報には、目標温度履歴経由点の時間および温度だけでなく、基準冷却設定入力画面222を介して設定された基準最小冷却設定の開閉パターンも含まれる(図9参照)。
【0111】
以上、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200によれば、ユーザは、目標温度履歴表示欄260に表示される温度履歴許容領域265の中に目標温度履歴経由点を1つずつ設定していくだけで、目標温度履歴を容易に作成することができる。したがって、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200では、冷却装置160の冷却制御に急冷区間などが含まれている場合であっても、また、冷却装置160や冷却制御に関する知識や熟練を有しない作業者あっても、鋼材151についての目標温度履歴を容易に作成することが可能となる。
【0112】
(比較例)
図11は、特許文献1に開示された目標値決定手段の構成の例を示した図である。また、図12は、特許文献1に開示された目標値決定手段によって決定される冷却制御の制御目標情報の構成の例を示した図である。以下、特許文献1に開示された技術を比較例として、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200の効果について説明する。
【0113】
特許文献1の図1によれば、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200に対応する構成として目標値決定手段(17)が示されている。そして、目標値決定手段(17)は、データ入力部(19)、表作成部(20)、目標値決定部(21)により構成されるものとされている。ここで、構成要素を表す括弧付きの符号は、特許文献1内で用いられている符号である。
【0114】
データ入力部(19)では、ユーザにより、温度、冷却速度、空冷時間などを目標値とするデータが入力される。また、表作成部(20)では、図12に示すような各水冷セクションにおける水冷の冷却速度、空冷時間、出側温度それぞれについての目標値、優先順位および許容値を示す表が作成される。なお、図12の表において、S_iは、i番目の水冷セクションの冷水速度を表し、t_aiは、i番目の水冷セクション後の空冷時間を表し、T_Diは、i番目の水冷セクションの出側温度を表す。
【0115】
特許文献1の記載によれば、この表の目標値と優先順位と許容値に基づいて、目標値決定部(21)により冷却装置の構成や鋼材の速度などを考慮した修正計算が行われて、修正目標値が決定される。そして、冷却装置は、この修正目標値を用いて制御される。
【0116】
したがって、この比較例では、複数の目標値に加えて、その目標値毎に優先順位と許容値の範囲についてもユーザが設定する必要がある。しかしながら、ユーザが複数の目標値それぞれに対し、優先順位と許容値を決定することは、優先順位と許容値の組み合わせが多数存在することから、ユーザにとって極めて困難な作業となる。
【0117】
また、実際の冷却装置の制御に用いられる修正目標値は、目標値決定部(21)で決定されるので、ユーザが設定する修正目標値をさらに修正することとなり、冷却装置の構成や鋼材速度との整合性が保証されなくなるという問題も生じる。例えば、修正目標値をユーザが直接設定できないことから、修正目標値が所定材質の鋼材を製造する上で好ましくないとユーザが判断しても、修正目標値をさらに修正することはできない。比較例では、ユーザが目標値、優先順位、許容などを見直すたびに、修正目標値を求める必要があるが、修正目標値をユーザが所望する目標値に合わせる手順または方法については明らかにされていない。
【0118】
以上の比較例に対し、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200では、ユーザは、表示装置に表示される温度履歴許容領域265の中にノードNi(i=1,2,…)をその都度設定していくだけの簡単な作業で目標温度履歴を作成することができる。したがって、本実施形態に係る目標温度履歴作成装置200では、冷却装置160や冷却制御に関する知識や熟練がない作業者であっても、制御対象の鋼材151についての目標温度履歴を容易に作成することが可能となる。また、本実施形態では、目標温度履歴を決定するノードNiの位置を簡単な操作で直接に設定することができる。
【0119】
≪第2の実施形態≫
図13は、本発明の第2の実施形態に係る目標温度履歴作成装置200の表示装置に表示される目標温度履歴作成画面210bの例を示した図である。また、図14は、図13の目標温度履歴作成画面210bのより詳細な表示の例を示した図である。また、図15は、図14の目標温度履歴作成画面210bの一部を拡大して示した図である。
なお、第1の実施形態と第2の実施形態とでは、1つの仕上げ出口温度FDTが入力されるのか、または、仕上げ出口温度FDTの範囲の範囲、すなわち、仕上げ出口温度下限値FDT_lowおよび仕上げ出口温度上限値FDT_highが入力されるのかの点で相違している。
【0120】
本実施形態では、図13に示すように、目標温度履歴作成画面210bの中には、仕上げ出口温度下限値FDT_lowを入力する仕上げ出口温度下限値入力欄214と、仕上げ出口温度上限値FDT_highを入力する仕上げ出口温度上限値入力欄215と、が設けられている。そのため、本実施形態では、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_lowと仕上げ出口温度上限値との間で変化した場合でも、冷却装置160の冷却能力と鋼材151の移動速度の範囲内で実現可能な目標温度履歴を作成することができる。
【0121】
実際のところ、現実の熱間圧延では、圧延中の鋼材151の温度または移動速度は、鋼材151の仕上げ出口温度FDTが一定になるように制御されてはいるものの、仕上げ出口温度FDTは変化する場合が多い。本実施形態では、このような場合にも目標温度履歴を作成することが可能になるので、現実に即した精度よい目標温度履歴の作成が可能になる。
【0122】
また、本実施形態では、図14に示すように、仕上げ出口温度FDTとして仕上げ出口温度下限値FDT_lowおよび仕上げ出口温度上限値FDT_highの2つの温度が設定されるため、温度履歴許容領域265bを定めるガイドラインの数も第1の実施形態とは相違するものとなっている。すなわち、第1の実施形態では、ガイドラインは、6本であったが、第2の実施形態では、10本になっている。
【0123】
ここで、ガイドラインGL11,GL21は、仕上げ出口温度FDTに依存しないため、第1の実施形態と第2の実施形態とで同じである。すなわち、ガイドラインGL11は、鋼材151の移動速度が鋼材速度下限値V_slowであるとき、鋼材151が冷却装置160の冷却ヘッダ163の中で仕上げ出口温度計170に最も近い冷却ヘッダ163に到達する時間を表す。また、ガイドラインGL21は、鋼材151の移動速度が鋼材速度上限値V_fastであるとき、鋼材151が冷却装置160の冷却ヘッダ163の中で巻取り温度計172に最も近い冷却ヘッダ163を通過する時間を表す。
【0124】
これに対し、第1の実施形態でいう4本のガイドラインGL12,GL13,GL22,GL23は、仕上げ出口温度FDTに依存するため、本実施形態では、それぞれが2本ずつとなり、合計8本となる。図14の例では、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_lowであるときの4本のガイドラインの符号をGL12,GL13,GL22,GL23と表し、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_highであるときの4本のガイドラインの符号をGL14,GL15,GL24,GL25と表している。
【0125】
すなわち、ガイドラインGL12は、仕上げ出口温度下限値FDT_lowを初期値とし、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動し、かつ、冷却装置160が基準最小冷却設定で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線である。
また、ガイドラインGL13は、仕上げ出口温度下限値FDT_lowを初期値とし、鋼材151が鋼材速度下限値V_slowで移動し、かつ、冷却装置160が基準最大冷却設定で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線である。
また、ガイドラインGL22は、仕上げ出口温度下限値FDT_lowを初期値とし、鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動し、かつ、冷却装置160が基準最小冷却設定で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線である。
また、ガイドラインGL23は、仕上げ出口温度下限値FDT_lowを初期値とし、鋼材151が鋼材速度上限値V_fastで移動し、かつ、冷却装置160が基準最大冷却設定で動作した場合に得られる鋼材151の温度履歴線である。
【0126】
一方、ガイドラインGL14,GL15,GL24,GL25については、以上のガイドラインGL12,GL13,GL22,GL23の定義文において「仕上げ出口温度下限値FDT_low」を「仕上げ出口温度上限値FDT_high」と置き換えることにより同様に定義することができる。
【0127】
なお、本実施形態でも第1の実施形態の場合と同様にして、10本のガイドラインGL11,GL21,GL12,GL13,GL22,GL23,GL14,GL15,GL24,GL25を計算して求めることができる。
【0128】
本実施形態では、「温度履歴上限線」、「温度履歴下限線」および「温度履歴許容領域265b」については、次のように定義される。すなわち、4本のガイドラインGL12,GL22,GL14,GL24のうち最も低温側の線をつないで得られる線を「温度履歴上限線」という。また、4本のガイドラインGL13,GL23,GL15,GL25のうち最も高温側の線をつないで得られる線を「温度履歴下限線」という。また、時間tがガイドラインGL11とGL21との間に含まれ、かつ、温度Tが温度履歴下限線以上で、温度履歴上限線以下となる領域を「温度履歴許容領域265b」という。
【0129】
以上のようにして、温度履歴許容領域265bが求められると、以降は第1の実施形態の場合とほぼ同様にして、目標温度履歴許を求めることができる。ただし、本実施形態では、鋼材151の温度履歴の初期温度として2通りの温度、すなわち仕上げ出口温度下限値FDT_lowと仕上げ出口温度上限値FDT_highを考慮する必要がある。そこで、本実施形態では、第1の実施形態でいう自動的に定まるノードAN1,AN2(図5参照)に対応するものとして、ノードAN1,AN1’,AN2’(図15参照)を導入する。ここで、ノードAN1は、図15に示されたグラフにおいて、時間t=0、温度T=仕上げ出口温度FDT_lowにより定まる点であり、ノードAN1’は、時間t=0、温度T=仕上げ出口温度FDT_highにより定まる点である。
【0130】
また、本実施形態では、ノードAN2’は、温度履歴許容領域265bの左上の角、すなわち、温度履歴許容領域265bのうち時間が最小で温度が最高となる位置に設けられる。この角は、具体的にはガイドラインGL15と温度履歴上限線とが交わる点である。したがって、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_lowと仕上げ出口温度上限値FDT_highの間のいかなる温度であっても、ガイドラインGL11以降に冷却装置160で鋼材151を適宜冷却すれば、鋼材151の温度履歴はこのノードAN2’の位置に到達することとなる。
【0131】
例えば、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_lowであった場合には、冷却装置160の設定を基準最小冷却設定にすることで、鋼材151の温度履歴をノードAN2’に到達させることができる。また、例えば、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度上限値FDT_highであった場合には、冷却装置160の設定を基準最大冷却設定にすることで、鋼材151の温度履歴をノードAN2’に到達することができる。つまり、仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度FDTが仕上げ出口温度下限値FDT_lowと仕上げ出口温度上限値FDT_highの間のいかなる温度であっても、冷却装置160の冷却設定を基準最小冷却設定と基準最大冷却設定の間に設定することすれば、鋼材151の温度履歴はノードAN2’に到達可能になる。
【0132】
以上により、本実施形態でもノードAN2’までの目標温度履歴を作成することができる。したがって、ノードAN2’の時間より以後の時間においては、仕上げ出口温度FDTの変化に影響されることなく、目標温度履歴の作成が可能になる。すなわち、目標温度履歴の作成は、第1の実施形態の場合と同様にユーザが温度履歴許容領域265bの中にノードN1,N2,…を設定していくことによって行うことができる。
【0133】
なお、この第2の実施形態において目標温度履歴作成装置200の演算処理装置202が実行する目標温度履歴作成プログラムのフローチャートの例については、図10と同様のものとなるので、その図示を省略するが、相違部分について以下簡単に説明する。
【0134】
ステップS1では、演算処理装置202は、第1の実施形態の場合、1つの仕上げ出口温度FDTの入力を受け付けるが、本実施形態の場合、2つの仕上げ出口温度:仕上げ出口温度下限値FDT_lowおよび仕上げ出口温度上限値FDT_highの入力を受け付ける。また、ステップS2では、演算処理装置202は、第1の実施形態の場合、6本のガイドラインを計算するが、本実施形態では、10本のガイドラインを計算する。また、ステップS3では、演算処理装置202は、第1の実施形態の場合、2つの自動的に定まるノードAN1,AN2を表示するが、本実施形態では、3つの自動的に定まるノードAN1,AN1’,AN2’を表示する。ステップS4以降の処理は、第1の実施形態と第2の実施形態でほぼ同じである。
【0135】
したがって、以上の第2の実施形態においても、冷却装置160や冷却制御に関する知識や熟練がない作業者であっても、制御対象の鋼材151についての目標温度履歴を容易に作成することが可能となるという第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0136】
なお、本発明は、以上に説明した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態および変形例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態や変形例の構成の一部を、他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態や変形例の構成に他の実施形態や変形例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態や変形例の構成の一部について、他の実施形態や変形例に含まれる構成を追加・削除・置換することも可能である。
【符号の説明】
【0137】
20a 仕上げ出口温度入力部 (仕上げ出口温度入力手段)
20b 鋼材速度上下限値入力部 (鋼材速度上下限値入力手段)
20c 基準最大最小冷却設定入力部(基準最大最小冷却設定入力手段)
20d 温度履歴許容領域表示部 (温度履歴許容領域表示手段)
20e 目標温度履歴経由点入力部 (目標温度履歴経由点入力手段)
20f 目標温度履歴作成部 (目標温度履歴作成手段)
20g 目標温度履歴出力部
100 温度制御装置
110 プリセット制御部
150 熱間圧延設備
151 鋼材
152 熱間圧延機
153 ミル
154 巻取り機
160 冷却装置
161 上部冷却装置
162 下部冷却装置
163 冷却ヘッダ
164 バンク
170 仕上げ出口温度計
171 中間温度計
172 巻取り温度計
200 目標温度履歴作成装置
201 記録装置
202 演算処理装置
203 入出力装置
210,200b 目標温度履歴作成画面
211 仕上げ出口温度入力欄
212 鋼材速度下限値入力欄
213 鋼材速度上限値入力欄
214 仕上げ出口温度下限値入力欄
215 仕上げ出口温度上限値入力欄
220 基準最小冷却設定開始ボタン
221 基準最大冷却設定開始ボタン
222 基準冷却設定入力画面
223 基準冷却設定モード表示欄
224 強制使用/不使用入力欄
225 上下開比入力欄
226 開ヘッダ開始位置入力欄
227 上部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄
228 下部冷却ヘッダ開閉パターン表示欄
229 基準冷却設定完了ボタン
251 目標温度履歴保存ボタン
252 目標温度履歴読出ボタン
253 目標温度履歴送信ボタン
261 モード切替ボタン
270 目標温度履歴情報
271 目標温度履歴セクション
272 基準最小冷却設定セクション
260,260b 目標温度履歴表示欄
265,265a,265b 温度履歴許容領域
FDT 仕上げ出口温度
FDT_low 仕上げ出口温度下限値
FDT_high 仕上げ出口温度上限値
V_slow 鋼材速度下限値
V_fast 鋼材速度上限値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15