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特開2019-209407ロボット、制御装置およびロボットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-209407(P2019-209407A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】ロボット、制御装置およびロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20191115BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   B25J13/08 Z
   B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-106088(P2018-106088)
(22)【出願日】2018年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】岡 秀明
(72)【発明者】
【氏名】神谷 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】山村 光宏
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS12
3C707CV07
3C707CW08
3C707DS01
3C707KS12
3C707KS33
3C707KS36
3C707KV06
3C707KW03
3C707KX02
3C707KX05
3C707KX09
3C707LU06
3C707MS07
3C707MS08
3C707MT04
(57)【要約】
【課題】力センサーの検出精度が高いロボット、ならびに、このロボットを制御可能な制御装置およびロボットの制御方法を提供すること。
【解決手段】基台と、前記基台に対して相対的に回動するロボットアームと、外力を検出する力センサーと、前記ロボットアームに沿って設定されている所定の領域に物体が存在することを検出するセンサー部と、を有し、前記ロボットアームの動作が停止中または等速動作中であり、かつ、前記センサー部の検出結果に基づいて前記所定の領域に物体が存在しないと判断するとき、前記力センサーの検出値を補正することを特徴とするロボット。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に対して相対的に回動するロボットアームと、
外力を検出する力センサーと、
前記ロボットアームに沿って設定されている所定の領域に物体が存在することを検出するセンサー部と、を有し、
前記ロボットアームの動作が停止中または等速動作中であり、かつ、前記センサー部の検出結果に基づいて前記所定の領域に物体が存在しないと判断するとき、前記力センサーの検出値を補正することを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記力センサーは、前記ロボットアームと前記基台との間に設けられている請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記力センサーは、前記ロボットアームとエンドエフェクターとの間に設けられている請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記所定の領域は、前記ロボットアームに沿って設定されている第1領域と、第2領域と、を含み、
前記第1領域は、前記第2領域よりも前記基台側に設定されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項5】
前記第2領域における前記センサー部の検出距離の平均値は、前記第1領域における前記センサー部の検出距離の平均値よりも大きい請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記力センサーは、水晶を含むセンサーである請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項7】
ロボットアームと、
外力を検出する力センサーと、
前記ロボットアームに沿って設定されている所定の領域に物体が存在することを検出するセンサー部と、
前記ロボットアームの動作が停止中または等速動作中であり、かつ、前記センサー部の検出結果に基づいて前記所定の領域に物体が存在しないと判断するとき、前記力センサーの検出値を補正する処理部と、
を有することを特徴とするロボット。
【請求項8】
所定の領域に物体が存在していないことを検出する信号を受けて、
ロボットアームの動作が停止中または等速動作中に、ロボットアームに加わる外力を検出する力センサーの検出値を補正する信号を出力することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
ロボットアームと、外力を検出する力センサーと、を有するロボットを制御する制御方法であって、
前記ロボットアームに沿って設定されている所定の領域に物体が存在することを検出するステップと、
前記ロボットアームの動作が停止中または等速動作中であり、かつ、前記所定の領域に物体が存在しないと判断するとき、前記力センサーの検出値を補正するステップと、
を含むことを特徴とするロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット、制御装置およびロボットの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のロボットでは、力センサーから出力された計測値を含む信号が制御装置に到達し、到達した計測値に基づいて力検出値算出部において力検出値を算出するとともに、所定の条件を満たすとき、補正値更新部において力検出値を補正値として更新する(力センサーをリセットする)。そして、力の計測から力センサーをリセットするまでのフローを頻繁に繰り返すことにより、力センサーの計測値の補正値と真の値との乖離量を常に最小に維持することができる。
【0003】
このようなロボットでは、力センサーが力を検出してから制御部がリセットを実行するまでの間に遅延(タイムラグ)が存在する。このため、例えばある時刻taにおいて、ロボットアームに人間が接触し、それによる外力を力センサーが検知したとき、ほぼ同時刻taにおいて、力センサーのリセットが実行されてしまう可能性がある。具体的には、ある時刻taにおいて力センサーが外力を検知してから、力センサーのリセットをその外力の計測値に基づいて行うか否かを判断するまでにタイムラグがあるため、その同時刻taにおいて、その時刻taより前の時刻に取得された外力の計測値に基づいて力センサーがリセットされてしまう可能性がある。そうすると、力センサーの計測値が過剰に補正されてしまうことになり、力センサーの計測値の補正値と真の値との乖離量が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−112627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のロボットでは、力センサーが外力を受けている状態であっても、力センサーがリセットされてしまい、力センサーの検出精度が低下するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適用例に係るロボットは、基台と、
前記基台に対して相対的に回動するロボットアームと、
外力を検出する力センサーと、
前記ロボットアームに沿って設定されている所定の領域に物体が存在することを検出するセンサー部と、を有し、
前記ロボットアームの動作が停止中または等速動作中であり、かつ、前記センサー部の検出結果に基づいて前記所定の領域に物体が存在しないと判断するとき、前記力センサーの検出値を補正する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図2図1に示すロボットのブロック図である。
図3図1および図2に示すロボットの制御方法を説明するためのフローチャートである。
図4図1に示すセンサー部によって設定される、物体が存在することを検出する範囲である監視領域Dの一例を示す図である。
図5図1に示すセンサー部によって設定される、物体が存在することを検出する範囲である監視領域Dの一例を示す図である。
図6図1に示すロボットアームの把持部の部品(対象物)に対する動きの例、近接センサーの挙動の例、および制御装置の挙動の例を、時間軸に沿って比較することにより、第1実施形態の作用を説明するための図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図8図7に示すロボットのブロック図である。
図9図7に示す近接センサーが、物体が存在することを検出する監視領域Dの一例を示す図である。
図10】本発明の第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図11】本発明の第4実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図12】本発明の第5実施形態に係るロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のロボット、制御装置およびロボットの制御方法の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボットを示す斜視図である。図2は、図1に示すロボットのブロック図である。なお、以下では、ロボット1の基台110側を「基端側」、その反対側(エンドエフェクター17側)を「先端側」と言う。
【0010】
図1に示すロボット1は、エンドエフェクター17が装着されたロボットアーム10を用いて、例えば、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うシステムである。このロボット1は、複数のアーム11〜16を有するロボットアーム10と、ロボットアーム10の先端側に取り付けられたエンドエフェクター17と、これらの動作を制御する制御装置50と、を備える。以下、まず、ロボット1の概略を説明する。
【0011】
ロボット1は、いわゆる6軸の垂直多関節ロボットである。図1に示すように、ロボット1は、基台110と、基台110に対して相対的に回動するロボットアーム10と、を備える。
【0012】
基台110は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上等に固定される。ロボットアーム10は、基台110に対して回動可能に連結されているアーム11(第1アーム)と、アーム11に対して回動可能に連結されているアーム12(第2アーム)と、アーム12に対して回動可能に連結されているアーム13(第3アーム)と、アーム13に対して回動可能に連結されているアーム14(第4アーム)と、アーム14に対して回動可能に連結されているアーム15(第5アーム)と、アーム15に対して回動可能に連結されているアーム16(第6アーム)と、を有する。なお、基台110およびアーム11〜16のうちの互いに連結された2つの部材同士を屈曲または回動させる部分が「関節部」を構成している。
【0013】
また、図2に示すように、ロボット1は、ロボットアーム10の各関節部を駆動する駆動部130と、ロボットアーム10の各関節部の駆動状態(例えば回転角度)を検出する角度センサー131と、を有する。駆動部130は、例えば、モーターおよび減速機を含んで構成されている。角度センサー131は、例えば、磁気式または光学式のロータリーエンコーダーを含んで構成されている。
【0014】
このようなロボット1のアーム16の先端面には、エンドエフェクター17が装着されている。なお、アーム16とエンドエフェクター17との間には、力覚センサーが配置されていてもよい。
【0015】
エンドエフェクター17は、対象物を把持する把持ハンドである。このエンドエフェクター17は、図1に示すように、本体171と、本体171に設置されている駆動部170と、駆動部170からの駆動力により開閉する1対の把持部172と、把持部172に設けられている把持力センサー173と、を有する。
【0016】
ここで、駆動部170は、例えば、モーターと、モーターからの駆動力を1対の把持部172に伝達する歯車等の伝達機構と、を含んで構成されている。そして、1対の把持部172は、駆動部170からの駆動力により開閉する。これにより、1対の把持部172間で対象物を掴んで保持したり、1対の把持部172間で保持した対象物を離脱させたりすることができる。把持力センサー173は、例えば、抵抗型、静電型等の感圧センサーであり、把持部172または把持部172と駆動部170との間に配置され、1対の把持部172間に加わる力を検出する。なお、エンドエフェクター17は、前述した把持ハンドに限定されず、例えば、吸着により対象物を保持する方式のエンドエフェクターであってもよい。本明細書において、「保持」とは、吸着および把持の双方を含む概念である。また、「吸着」とは、磁力による吸着、負圧による吸着等を含む概念である。また、エンドエフェクター17に用いる把持ハンドの指の数は、2本に限定されず、3本以上であってもよい。
【0017】
図1および図2に示す制御装置50は、角度センサー131の検出結果に基づいて、ロボットアーム10の駆動を制御する機能を有する。また、制御装置50は、把持力センサー173の検出結果およびロボット1の動作条件に基づいて、エンドエフェクター17の把持力を決定したりロボット1の動作条件を変更したりする機能を有していてもよい。
【0018】
この制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー51と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリー52と、I/F53(インターフェース回路)と、を有する。そして、制御装置50は、メモリー52に記憶されているプログラムをプロセッサー51が適宜読み込んで実行することで、ロボット1およびエンドエフェクター17の動作の制御、各種演算および判断等の処理を実現する。また、I/F53は、ロボット1およびエンドエフェクター17と通信可能に構成されている。
【0019】
なお、制御装置50は、図示ではロボット1の基台110内に配置されているが、これに限定されず、例えば、基台110の外部やロボットアーム10内に配置されていてもよい。また、制御装置50には、ディスプレイ等のモニターを備える表示装置、例えばマウスやキーボード等を備える入力装置等が接続されていてもよい。
【0020】
また、図1および図2に示すロボット1は、ロボットアーム10よりも基端側であって、ロボットアーム10と基台110との間に設けられている力センサー21を備える。
【0021】
力センサー21は、ロボットアーム10に付与される外力を検出するセンサーである。このような力センサー21を設けることにより、ロボットアーム10またはエンドエフェクター17に外力が付与されたとき、その外力がロボットアーム10を経て力センサー21に伝達され、力センサー21においてその力の大きさや向きを検出することができる。これにより、ロボット1は、ロボットアーム10またはエンドエフェクター17が人または物に接触していることを検出する機能を有する。
【0022】
このようなロボット1によれば、前述した通常動作においてエンドエフェクター17を用いた作業を行うとき、その作業をより正確に行うことができる。なお、本発明では、人または物を合わせて「物体」ともいう。
【0023】
また、図1および図2に示すロボット1は、ロボットアーム10に設けられている近接センサー231(センサー部)を備える。この近接センサー231は、ロボットアーム10に沿って設定されている所定の領域、すなわち後述する監視領域Dに人または物(物体)が存在することを検出可能なセンサーである。このような近接センサー231を設けることにより、ロボットアーム10に人または物が接近しているか否かを検出することができる。これにより、ロボットアーム10に人または物が接触する前の段階を検出することができるため、ロボットアーム10に人または物が接触する可能性があることを事前に把握することができる。そして、近接センサー231の検出結果は、後述する方法により、力センサー21のリセットを実行するか否かを判断するための条件の1つとなる。
【0024】
なお、力センサー21のリセットとは、例えば、力センサー21による力の検出値をゼロまたは任意の値にオフセットすることをいう。すなわち、力センサー21による力の検出値をゼロまたは任意の値とみなすことができるように、検出値を補正することをいう。
【0025】
図1および図2に示す制御装置50は、さらに、近接センサー231の検出結果に基づいて、力センサー21をリセットする機能を有する。
【0026】
I/F53(インターフェース)は、力センサー21および近接センサー231と通信可能に構成されている。
【0027】
以上、ロボット1の概略を説明したが、このロボット1は、外力が付与されたとき、その外力を力センサー21において高精度に検出し、それに応じて動作する。このような力センサー21は、適当なタイミングでリセットされることにより、高い検出精度が維持される。換言すれば、不適当なタイミングでのリセットは許容せず、適当なタイミングでリセットすることにより、検出精度の低下を防止する。その結果、ロボット1では、力センサー21における高い検出精度に基づき、目的とする作業、例えば物体を把持したり、搬送したりする作業をより正確に行うことができる。以下、この点について詳述する。
【0028】
図3は、図1および図2に示すロボットの制御方法(制御装置50による制御方法)を説明するためのフローチャートである。
【0029】
まず、ロボット1は、通常動作を開始する(ステップS11)。通常動作としては、例えば、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業が挙げられる。
【0030】
通常動作が開始された後、ロボット1が停止しているか否か判断する(ステップS12)。具体的には、ロボットアーム10のアーム11〜16に対応して設けられた角度センサー131からの信号に基づき、アーム11〜16の動作がいずれも停止している場合には、ロボット1が停止していると判断し、アーム11〜16のうちのいずれかが動作している場合には、ロボット1が停止していないと判断する。なお、ステップS12では、制御装置50においてアーム11〜16を動作させる信号が出力されたか否かに基づいて、ロボット1が停止しているか否かを判断するようにしてもよい。
【0031】
ロボット1が停止していると判断した場合(ステップS12のYes)、後述するステップS14に移行する。
【0032】
一方、ロボット1が停止していないと判断した場合(ステップS12のNo)、続いて、ロボット1が一定速度で動作中か否か判断する(ステップS13)。つまり、動作中のロボット1の速度が一定か否か判断する。具体的には、ロボットアーム10のアーム11〜16に対応して設けられた角度センサー131からの信号に基づき、アーム11〜16のうちの動作しているものの全てが一定の角速度で動作している場合には、ロボット1が一定速度で動作していると判断し、アーム11〜16のうちのいずれかが一定でない角速度、すなわち時間的に角速度が変化しつつ動作している(加速または減速している)場合には、ロボット1の動作速度が一定ではないと判断する。なお、ステップS13では、制御装置50においてアーム11〜16を動作させる信号に、アーム11〜16のうちのいずれかを一定でない角速度で動作させる命令が含まれているか否かに基づいて、ロボット1が一定速度で動作中か否かを判断するようにしてもよい。
【0033】
ロボット1が一定速度で動作していると判断した場合(ステップS13のYes)、後述するステップS14に移行する。
【0034】
一方、ロボット1の動作速度が一定ではないと判断した場合(ステップS13のNo)、その時点が、力センサー21のリセットを実行するタイミングとしては適さないことになるので、前述した通常動作(ステップS11)に戻る。
【0035】
ロボット1が停止していると判断した場合、または、ロボット1が一定速度で動作していると判断した場合には、続いて、近接センサー231により、監視領域Dに人または物が存在するか否かを判断する(ステップS14)。
【0036】
図4および図5は、それぞれ図1に示す近接センサー231(センサー部)によって設定される、人または物が存在することを検出する範囲である監視領域Dの一例を示す図である。このような監視領域Dは、近接センサー231がその性能上において人または物を検出可能な限界の空間であってもよく、近接センサー231が人または物を検出した上でその検出距離が閾値以下、あるいは、センサー出力値が閾値以上(もしくは閾値以下)になる空間であってもよい。したがって、ステップS14において、監視領域Dに人または物が存在するか否かを判断するプロセスは、例えば、近接センサー231が人または物を検出するか否かを判断するプロセスであってもよく、近接センサー231が人または物を検出した上でその検出距離が閾値以下、あるいは、センサー出力値が閾値以上(もしくは閾値以下)であるか否かを判断するプロセスであってもよい。
【0037】
また、図1に示すロボット1は、ロボットアーム10に設けられた複数の近接センサー231を備えている。複数の近接センサー231は、ロボットアーム10の表面に任意の間隔で配置される。これにより、1つの近接センサー231が受け持つ検出可能範囲を、近接センサー231の数に応じて広範囲に拡張することができる。その結果、図4および図5に示すように、ロボットアーム10の表面を覆うように設定されたバリアー状の監視領域Dを形成することができる。これにより、ロボットアーム10の周囲をムラなく監視することができるので、近接センサー231において人や物の接近をより確実に検出することができる。
【0038】
なお、近接センサー231の数は、特に限定されず、1個であってもよい。また、監視領域Dは、ロボットアーム10を覆っている必要はなく、表面上の一部のみに設定されていてもよい。また、近接センサー231同士の距離は、互いに等しくても異なっていてもよい。
【0039】
また、監視領域Dの外縁とロボットアーム10との離間距離は、ロボットアーム10の大きさや動作速度等に応じて設定されるため、特に限定されないが、一例として5mm以上1m以下程度とされる。
【0040】
以上のようなプロセスにより、監視領域Dに人または物が存在していると判断した場合(ステップS14のYes)、その時点が、力センサー21をリセットするタイミングとしては適さないことになるので、制御フローを前述した通常動作(ステップS11)に戻す。
【0041】
一方、監視領域Dに人または物が存在していないと判断した場合(ステップS14のNo)、続いて、力センサー21をリセットする(ステップS15)。
【0042】
このようなロボット1の制御方法は、制御装置50により行われる。具体的には、制御装置50は、前述したように、メモリー52(記憶部)と、プロセッサー51(処理部)と、を有している。そして、メモリー52は、プロセッサー51で読み取り可能な指示を記憶し、プロセッサー51は、メモリー52に記憶されている指示と、近接センサー231の検出結果と、に基づいて、力センサー21をリセットする。
【0043】
したがって、本実施形態では、制御装置50のプロセッサー51(処理部)が、まず、近接センサー231の検出結果を取得する。そして、近接センサー231の検出結果に基づいて監視領域Dに人または物が存在しないと判断するとき、かつ、ロボットアーム10の動作が停止中または等速動作中に、制御装置50のプロセッサー51は、力センサー21をリセットする信号を出力する。このようにすれば、制御装置50において効率よくリセットを実行することができるので、力センサー21のリセットを必要に応じて高頻度に行うことができる。
【0044】
なお、このような制御装置50は、前述したステップS11、S12、S13、S14、S15を行う。
【0045】
また、メモリー52に記憶されている指示とは、例えば、近接センサー231が検出した人または物の検出距離の閾値が挙げられる。
【0046】
なお、前述したように、近接センサー231がその性能上において人または物を検出可能な限界の範囲を「監視領域D」としてもよく、近接センサー231が人または物を検出した上でその検出距離が閾値以下、あるいは、センサー出力値が閾値以上(もしくは閾値以下)である範囲を「監視領域D」としてもよい。前者の場合、近接センサー231の検出結果のみに基づいて、監視領域Dに人または物が存在しないと判断することができる。したがって、この場合には、メモリー52に記憶されている指示に基づくことなく、力センサー21をリセットすることができるため、この機能の実現に際してはメモリー52が不要となる。一方、後者の場合には、近接センサー231の検出結果と、メモリー52に記憶されている指示と、を比較し、検出距離が閾値を超えている、あるいは、センサー出力値が閾値以下(もしくは閾値以上)である場合には、監視領域Dに人または物が存在しないと判断することができる。
【0047】
なお、メモリー52に記憶されている検出距離の閾値等の指示は、経時的に変化する各種情報に基づいて、随時更新されるようになっていてもよい。
【0048】
また、メモリー52に記憶されている指示は、検出距離の閾値の他に、各種の演算を経て検出距離の閾値を算出可能なデータ等であってもよい。
【0049】
なお、本実施形態に係る監視領域Dは、ロボットアーム10の表面を基準にして相対的に設定されている領域であることから、ロボットアーム10が動作するとき、ロボットアーム10に付随して移動する。ただ、監視領域Dは、このように相対的に設定されている領域に限定されず、ロボットアーム10の動作によらず、ロボットアーム10の動作可能な範囲に基づいて絶対的に設定されている領域であってもよい。
【0050】
ここで、前述したステップS14の実行を開始してから完了するまでの間には、ある程度の時間がかかるため、遅延(タイムラグ)が存在する。図6は、図1に示すロボットアーム10の把持部172の部品(対象物)に対する動きの例、近接センサー231の挙動の例、および制御装置50の挙動の例を、時間軸に沿って比較することにより、第1実施形態の作用を説明するための図である。なお、図6では、近接センサー231がワークを検出した上でその検出距離が閾値以下、あるいは、センサー出力値が閾値以上(もしくは閾値以下)である範囲を「監視領域D」とする場合を例に説明する。
【0051】
図6では、ある時刻t1において、ロボットアームが部品(対象物)に近接して、監視領域Dに部品(対象物)が入り始めるものとする。ロボットアーム10は部品(対象物)へ接近し続け、時刻t3においてロボットアーム10の把持部172が部品(対象物)に接触するように移動するものとする。
【0052】
一方、近接センサー231は、時刻t1において部品(対象物)の存在を検出し、その信号を近接センサー231から制御装置50に送信する。この信号を受けた制御装置50では、プロセッサー51により、監視領域Dに物体が存在するか否かを判断する。そして、力センサー21をリセットする信号が出力可能になる(物体が存在する場合は、リセット信号を出力しないと判断する)時刻をt2とする。したがって、時刻t1から時刻t2までのプロセスがステップS14に相当する。このとき、時刻t2と時刻t1との差分が、情報伝達や情報処理に伴うタイムラグとなる。
【0053】
このようなタイムラグは、従来、意図しないタイミングで力センサーがリセットされてしまう原因となっていた。例えば、従来例では、ロボットアームと物体が接触していることをロボットが受ける外力を計測する力センサーの出力値の変化量から判定しているが、その外力の計測値に基づいて力センサーをリセットするか否かを判断するまでに、タイムラグがある。そのため、ロボットアームが物体に接触し、それによる外力が力センサーに加わっているほぼ同時刻t3において、その時刻t3より前の時刻に取得された、ロボットアームと物体が接触していない状態の計測値に基づいて、力センサーが意図せずリセットされてしまう場合がある。
【0054】
そこで、本実施形態では、近接センサー231を用い、ロボットアーム10に人または物が接触することを検出するのではなく、ロボットアーム10に人または物が接近することを検出している。このため、接触に至る前の時点で、ロボットアーム10に人または物が接触する可能性があることを検出することができる。このようにして、近い将来、接触に至る可能性があるということを、事前に、すなわち時刻t1の段階で検出することができれば、近接センサー231が人を検出してから実際に接触に至るまでの時間的猶予、すなわち時刻t1から時刻t3までの時間的猶予を確保することができる。
【0055】
このような時間的猶予(t3−t1)は、一般に、上述したようなタイムラグ(t2−t1)を十分に吸収可能である。すなわち、情報伝達や情報処理に伴うタイムラグは相対的に短時間であるため、例えば時刻t1において監視領域Dに部品(対象物)が侵入を開始した後、タイムラグ分の時間が経過した時刻t2においても、未だ接触するまでには至っていない。このため、タイムラグが存在していたとしても、力センサー21をリセットする信号を出力しないという判断を、余裕を持って実行することができる。これにより、従来技術の課題、すなわち、力センサー21に外力が働いている状態であるにもかかわらず、力センサー21がリセットされてしまうという課題を解消することができる。その結果、本実施形態によれば、力センサー21をより適切なタイミングでリセットすることができ、力センサー21の検出精度を高く維持することができる。
【0056】
したがって、ロボット1が停止しているとき、または、ロボット1が一定速度で動作しているときであって、かつ、監視領域Dに人または物が侵入していないときは、力センサー21に慣性力のような外力が付与されておらず、かつ、近い将来に力センサーに外力が働く予想される状態でもない。このため、そのようなタイミングで力センサー21のリセットを実行することによって、より正確なオフセット補正が可能になる。その結果、その後の力センサー21による力の検出においては、補正後の検出値と真の値との乖離を最小限に抑えることができる。これにより、力センサー21の補正後の検出値は、真の値に近いものとなるため、ロボット1の動作をより安定させることができる。
【0057】
以上のように、ロボット1の制御方法は、ロボットアーム10と、外力を検出する力センサー21と、を有するロボット1の制御方法であって、監視領域D(所定の領域)に人または物(物体)が存在することを検出するステップS14と、ロボットアーム10の動作が停止中または等速動作中であり、かつ、監視領域Dに人または物が存在していないと判断するときに、力センサー21をリセットするステップS15と、を有する。
【0058】
このようにして力センサー21をリセットする条件の1つとして監視領域Dに人または物が存在しないとの判断を採用することにより、ロボットアーム10に人または物が接触する可能性があることを事前に検出することができる。これにより、力センサー21に外力が働いていない適切なタイミングで力センサー21をリセットすることができ、力センサー21の検出精度を高く維持することができる。このため、ロボット1の安全性および信頼性を高めることができる。
【0059】
また、ロボット1は、ロボットアーム10と、外力を検出する力センサー21と、監視領域D(所定の領域)に人または物(物体)が存在することを検出する近接センサー231(センサー部)と、ロボットアーム10の動作が停止中または等速動作中であり、かつ、近接センサー231の検出結果に基づいて監視領域Dに人または物が存在しないと判断するとき、力センサー21をリセットするプロセッサー51(処理部)と、を有する。
【0060】
このようなロボット1によれば、前述したように、例えばロボットアーム10の周囲に設定されている監視領域Dに人または物が存在しないことを検出可能になっているため、ロボットアーム10に人または物が接触する可能性があることを事前に検出することができる。これにより、力センサー21に外力が働いていない適切なタイミングで力センサー21をリセットすることができ、力センサー21の検出精度を高く維持することができる。その結果、ロボット1の安全性および信頼性を高めることができる。
【0061】
また、制御装置50は、ロボットアーム10と、外力を検出する力センサー21と、を有するロボット1を制御する装置である。そして、制御装置50は、監視領域D(所定の領域)に人または物(物体)が存在していないことを検出する信号を受けて、ロボットアーム10の動作が停止中または等速動作中に、ロボットアーム10に加わる外力を検出する力センサー21をリセットする信号を出力する。そして、この信号に基づき、力センサー21のリセットを行う。このように制御装置50によって、監視領域Dにおける人または物の検出とリセット信号の出力とを一元的に行うことにより、タイムラグを特に短く抑えることができ、力センサー21のリセットを必要に応じてより高頻度に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態に係るロボット1では、力センサー21が、ロボットアーム10よりも基端側に設けられている。すなわち、図1に示す力センサー21は、ロボットアーム10と基台110との間に設けられている。
【0063】
力センサー21がこのような位置に設けられていることで、力センサー21は、ロボットアーム10の姿勢によらず、エンドエフェクター17に付与される外力を効率よく検出することが可能になる。すなわち、力センサー21がロボットアーム10の基端側に設けられているため、エンドエフェクター17に付与される外力が力センサー21に集約され、効率よく検出することができる。
【0064】
なお、力センサー21が設けられる位置は、図1に示す位置に限定されず、いかなる位置であってもよい。また、ロボット1には、力センサー21に加え、別の力センサーが追加されていてもよい。この場合、別の力センサーについても、力センサー21と同様にしてリセットされるようになっていてもよい。
【0065】
また、力センサー21の測定原理としては、例えば、圧電方式、歪みゲージ方式、静電容量方式等が挙げられる。このうち、圧電方式が好ましく用いられ、水晶を用いた圧電方式がより好ましく用いられる。すなわち、力センサー21は、水晶を含むセンサーであるのが好ましい。このような水晶を用いた力センサー21は、幅広い大きさの外力に対して特に正確な電荷量を発生させるため、高感度とワイドレンジとを両立させやすい。このため、ロボット1に用いられる力センサー21として有用である。また、水晶を用いた圧電方式の力センサーでは、外力によって生じた電荷を、容量部に蓄積し電圧に変換する(Q−V変換)回路構成を採用する場合が多い。この場合、容量部の電荷が飽和(オーバーフロー)しない様に定期的に容量部の電荷をリセットする必要があることから、本発明は特に有効である。
【0066】
なお、力センサー21として、複数の異なる方式のものが併用されてもよい。
【0067】
一方、本実施形態に係るロボット1では、前述したように、複数の近接センサー231がロボットアーム10の表面に配置されている。各近接センサー231は、例えばロボットアーム10の表面とそれに接近する人または物との距離を検出可能になっている。したがって図4に示す監視領域Dは、例えば、各近接センサー231が受け持つ検出可能範囲を複数合成したものとされる。
【0068】
なお、近接センサー231は、ロボットアーム10の表面以外、例えばロボットアーム10の内部や表面から浮いた位置に配置されていてもよい。また、近接センサー23は、ロボットアーム10の表面等に配置されるものに限定されず、ロボットアーム10から離れた位置に配置されていてもよい。
【0069】
また、近接センサー231は、前述したように、ロボットアーム10の周囲に設定されている監視領域Dに人または物が存在することを検出可能なセンサーである。近接センサー231としては、例えば、超音波式測距センサー、光学式測距センサー、静電容量式測距センサー、誘導式(渦電流式)測距センサー、磁気式測距センサー、撮像式測距センサーのような各種測距センサーが挙げられる。なお、近接センサー231は、これらの測距センサーのうちの1種、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む複数のセンサーを組み合わせた複合型センサーであってもよい。
【0070】
また、近接センサー231は、上述したように力センサー21をリセットする条件を提供する機能の他、ロボットアーム10が人または物に接触する前にその動作を停止する条件を提供する機能を有していてもよい。すなわち、ロボット1は、近接センサー231の検出結果に基づいて、ロボットアーム10の動作を停止または減速するように制御されるようになっていてもよい。これにより、ロボットアーム10と人または物との接触を抑制し、ロボット1の安全性を高めることができる。
【0071】
また、図3に示すフローチャートに基づくロボット1の制御方法は、通常、力センサー21のリセットが完了した後、即座に通常動作が開始される。したがって、力センサー21のリセットは、比較的短い間隔で繰り返し実行されることになり、高い検出精度が維持されることとなる。
【0072】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係るロボットを示す斜視図である。図8は、図7に示すロボットのブロック図である。図9は、図7に示す近接センサー231が、物体が存在することを検出する監視領域Dの一例を示す図である。
【0073】
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図7ないし図9において、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0074】
図7および図8に示すロボット1’は、ロボットアーム10に設けられている近接センサー231に加え、エンドエフェクター17に設けられている近接センサー232(センサー部)を有する。この近接センサー232としては、前述した近接センサー231と同様のセンサーを用いることができる。すなわち、近接センサー232は、ロボットアーム10よりも先端側に設けられているエンドエフェクター17の表面に配置され、エンドエフェクター17の表面とそれに接近する人または物(物体)との距離(センサー出力値で代用する場合もある。)を検出可能になっている。なお、近接センサー232は、エンドエフェクター17の表面以外、例えばエンドエフェクター17の内部や表面から浮いた位置に配置されていてもよい。また、近接センサー232の数も、1つまたは複数であってもよい。
【0075】
図9では、近接センサー231の検出結果に基づいて設定される第1監視領域をD1とし、近接センサー232の検出結果に基づいて設定される第2監視領域をD2とする。そして、第1監視領域D1および第2監視領域D2を合成した領域が、前述した監視領域Dとなる。すなわち、図9に示す監視領域D(所定の領域)は、ロボットアーム10の周囲に設定されている第1監視領域D1(第1領域)と、第1監視領域D1よりも先端側であって本実施形態ではエンドエフェクター17の周囲に設定されている第2監視領域D2(第2領域)と、を含む。換言すれば、第1監視領域D1は、第2監視領域D2よりも基台110側に設定されている。
【0076】
このようなロボット1’によれば、エンドエフェクター17の周囲についても、監視領域Dの範囲に含めることができる。このため、エンドエフェクター17に人または物が接触する可能性があることを事前に検出することができる。これにより、力センサー21に外力が働いていない適切なタイミングで力センサー21をリセットすることができ、力センサー21の検出精度を高く維持することができる。その結果、ロボット1’の安全性および信頼性を高めることができる。
【0077】
また、第2監視領域D2(第2領域)における近接センサー232(センサー部)の検出距離L2の平均値は、第1監視領域D1(第1領域)における近接センサー231(センサー部)の検出距離L1の平均値よりも短くてもよく、同じであってもよいが、長い(大きい)ことが好ましい。これにより、作業時に部品等に接触する機会の多いエンドエフェクター17の周囲に設定される第2監視領域D2について、第1監視領域D1よりも、より早い段階で人または物(物体)の接近を検出することが可能になる。このため、例えば部品に向けてエンドエフェクター17を近づける操作が行われる等して、エンドエフェクター17が部品に接触するおそれがある場合であっても、前述した時間的猶予を十分に確保することによって、適切でないタイミングで力センサー21がリセットされてしまうことを防止する。その結果、より安全性および信頼性に優れたロボット1’を実現することができる。
【0078】
なお、上述した第2監視領域D2における近接センサー232の検出距離L2の平均値とは、第2監視領域D2の外縁と近接センサー232との離間距離の平均値のことをいう。
【0079】
同様に、第1監視領域D1における近接センサー231の検出距離L1の平均値とは、第1監視領域D1の外縁と近接センサー231との離間距離の平均値のことをいう。
【0080】
また、第1監視領域D1および第2監視領域D2は、互いに一部が重複していてもよく、互いに離間していてもよい。
【0081】
また、近接センサー232が複数設けられている場合、第2監視領域D2は、各近接センサー232が受け持つ検出可能範囲を複数合成したものとされる。
【0082】
また、本実施形態では、第1監視領域D1と第2監視領域D2とで、制御装置50によるロボット1’の制御内容を異ならせるようにしてもよい。
【0083】
具体的には、本実施形態に係る制御装置50は、近接センサー231により、第1監視領域D1に人または物が入ったことを検出し、その検出結果に基づいて力センサー21にリセット信号を送信しないことを判断するが、それに加え、近接センサー231の検出結果に基づいて、ロボットアーム10やエンドエフェクター17の動作を停止または減速させるようにしてもよい。
【0084】
同様に、本実施形態に係る制御装置50は、近接センサー232により、第2監視領域D2に人または物が入ったことを検出し、その検出結果に基づいて力センサー21にリセット信号を送信しないことを判断するが、それに加え、近接センサー232の検出結果に基づいて、ロボットアーム10やエンドエフェクター17の動作を減速させるようにしてもよい。エンドエフェクター17の周辺を監視する第2監視領域D2に、人または物が入ったことを検出し、ロボットアーム10やエンドエフェクター17の動作を減速させることで、高速に動作するエンドエフェクター17に人が接触して怪我をするリスクを低減できる。更に加えて、エンドエフェクター17が部品(対象物)に近接する度に、作業が停止してしまう状態を回避できる。以上の点から、上記実施例は力センサー21のリセット信号云々に関わらず近接センサー232単独でみても、特に優れている。
【0085】
なお、必要に応じて、近接センサー232の検出結果については、力センサー21をリセットするか否かを判断する条件としては用いる一方、ロボットアーム10やエンドエフェクター17の動作を停止または減速させる条件としては用いないようにしてもよい。すなわち、本実施形態に係る制御装置50は、近接センサー232の検出結果に基づいて、力センサー21をリセットするか否かを判断する条件としてのみ用いるようにしてもよい。これにより、エンドエフェクター17が部品等に近づくたびに、ロボットアーム10等の動作が停止または減速してしまう、といった無用な動作制限が発生するのを防止することができる。その結果、無用な動作制限を避けつつ、適切なタイミングで力センサー21をリセットすることができ、力センサー21の検出精度を高く維持することができる。また、第2監視領域D2に対しては、近接センサー232の検出結果に基づいて、力センサー21をリセットするか否かを判断する条件としてのみ用いる一方、第1監視領域D1に対しては、近接センサー232の検出結果に基づいて、力センサー21をリセットするか否かを判断する条件に加えて、ロボットアーム10やエンドエフェクター17の動作を停止または減速させる条件として用いてもよい。
【0086】
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮させることができる。
【0087】
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
【0088】
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図10において、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0089】
前述した図1に示すロボット1では、力センサー21がロボットアーム10よりも基端側に設けられているのに対し、図10に示すロボット1Aでは、力センサー21が、ロボットアーム10よりも先端側に設けられている。すなわち、図10に示す力センサー21は、ロボットアーム10とエンドエフェクター17との間に設けられている。
【0090】
力センサー21がこのような位置に設けられていることで、力センサー21は、人や物に特に接触しやすいエンドエフェクター17周辺に付与される外力を効率よく検出することが可能になる。
【0091】
以上のような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮させることができる。
【0092】
なお、力センサー21の設置位置は、第1実施形態や本実施形態の位置に限定されず、それ以外の位置、例えばロボットアーム10の内部であってもよい。
【0093】
<第4実施形態>
図11は、本発明の第4実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
【0094】
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図11において、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0095】
前述した図1に示すロボット1では、力センサー21がロボットアーム10よりも基端側に設けられているのに対し、図11に示すロボット1Bでは、力センサー21とは別の力センサー22が、ロボットアーム10よりも先端側に追加されている。すなわち、図11に示すロボット1Bは、力センサー21と力センサー22の2つを備えている。
【0096】
このように力センサー21、22を備えることにより、ロボット1Bでは、付与される外力をより高精度に検出することができ、ロボット1の動作をさらに安定させることができる。
【0097】
また、力センサー21、22は、その双方が第1実施形態のようにしてリセットされるようになっている。これにより、力センサー21、22の双方について検出精度を高く維持することができる。
【0098】
以上のような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮させることができる。
【0099】
なお、力センサーの数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0100】
また、力センサー21、22のうち、一方のみが前述した方法でリセットされるようになっており、他方は別の方法でリセットされるようになっていてもよい。
【0101】
<第5実施形態>
図12は、本発明の第5実施形態に係るロボットを示す図である。
【0102】
以下、第5実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図12において、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0103】
前述した図1に示すロボット1では、複数の近接センサー231がロボットアーム10の表面に任意の間隔で配置されるのに対し、図12に示すロボット1Cでは、近接センサー231が基台110およびアーム11〜14の各外表面側(外装部材の外表面)に配置されている。すなわち、図12に示すロボット1Cでは、近接センサー231がロボットアーム10および基台110の周囲を覆っている。
【0104】
また、力センサー21、22を備えることにより、ロボット1Cは、付与される外力をより高精度に検出することができ、ロボット1Cの動作をさらに安定させることができる。
【0105】
以上のような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮させることができる。
【0106】
以上、本発明のロボット、制御装置およびロボットの制御方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0107】
また、本発明は、前述した実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0108】
また、本発明のロボットは、ロボットアームを有していれば、単腕ロボットに限定されず、例えば、双腕ロボット、スカラーロボット等の他のロボットであってもよい。また、ロボットアームが有するアームの数(関節の数)は、前述した実施形態の数(6つ)に限定されず、1つ以上5つ以下または7つ以上であってもよい。
【0109】
また、本発明の制御装置は、ロボット以外の可動部を有する装置全般に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1…ロボット、1’…ロボット、1A…ロボット、1B…ロボット、1C…ロボット、10…ロボットアーム、11…アーム、12…アーム、13…アーム、14…アーム、15…アーム、16…アーム、17…エンドエフェクター、21…力センサー、22…力センサー、50…制御装置、51…プロセッサー、52…メモリー、53…I/F、110…基台、130…駆動部、131…角度センサー、170…駆動部、171…本体、172…把持部、173…把持力センサー、231…近接センサー、232…近接センサー、D…監視領域、D1…第1監視領域、D2…第2監視領域、S11…ステップS11、S12…ステップS12、S13…ステップS13、S14…ステップS14、S15…ステップS15
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12