【解決手段】工具を保持してワークの加工を行う工作機械の主軸装置が、工具116を先端に装着し、先端側と後端側とで回転可能に支持される主軸104と、主軸の後端側で主軸を接触した状態で支持する転がり軸受106と、主軸の先端側で主軸を非接触の状態で支持する磁気軸受108、110と、主軸を回転駆動するモータ124と、磁気軸受の近傍で主軸に対向するように設けられた変位センサ118と、工具の刃部の変位を求める観測器122と、変位センサおよび観測器の出力に基づいて、磁気軸受の磁力を制御する制御装置10とを備える。
前記制御装置は、前記変位センサおよび前記観測器の出力に基づいて、前記主軸が保持する工具の先端の動的コンプライアンスを低減するように、前記磁気軸受の磁力を制御する請求項1に記載の主軸装置。
前記制御装置は、前記変位センサおよび前記観測器の出力に基づいて、前記主軸が保持する工具に対応する特性方程式の根の実部の値を予め定めた倍率で大きくし、極配置法で状態フィードバック係数Kを求めるようにした請求項1に記載の主軸装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
先ず、本発明を適用する工作機械の主軸装置の一例を示す側面図である
図2を参照すると、主軸装置100は、ハウジング102、軸受106、108、110によって回転軸線Oを中心として回転可能に支持された主軸104、主軸104を回転駆動するサーボモータ124を主要な構成要素として具備している。主軸装置100は、例えばマシニングセンタのような工作機械に用いられ、先端部に工具ホルダ114を介して工具116が装着される。工具116は、工具径が10mm以下の小径のボールエンドミルのような回転工具である。
【0012】
ハウジング102の開口部102bには、第1の変位センサ118が取り付けられている。第1の変位センサ118は、一例として、渦電流式非接触変位センサとすることができる。工具ホルダ114または工具116には、第1の変位センサ118に対面するようにドグ120が取り付けられている。また、本実施形態では、サーボモータ124は、ハウジング102の外部においてハウジング102の後端壁102aに取り付けられており、カップリング126を介して主軸104に結合されている。
【0013】
また、主軸装置100は、観測器として工具116の先端部分に近接させて配置された変位センサ、好ましくはレーザ光で対象物との間の距離を測定するレーザ式の第2の変位センサ122を具備している。第1の変位センサ118および第2の変位センサ122は、主軸104および工具116のX軸方向およびY軸方向の双方の変位を測定可能なように、X軸とY軸に1つずつ配設されている。
【0014】
主軸104の後端側を回転支持する軸受106は、ボールベアリングやローラベアリングのような機械式軸受(転がり軸受)である。これに対して主軸104の先端側を回転支持する軸受108、110は磁気軸受となっている。磁気軸受108、110は、ハウジング102の内周面に固定されたコイル110と、コイル110に対面するように主軸104に取り付けられた磁性部材108とを具備している。
【0015】
磁性部材108は、保磁力が小さく、かつ、主軸104よりも透磁率が大きい軟磁性材料から形成される。磁性部材108を形成する軟磁性材料は、鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、ソフトフェライト、アモルファス磁性材料、ナノ結晶軟磁性材料およびこれら材料の組合せを含む。磁性部材108は、特に環状のケイ素鋼板を積層して形成することが好ましい。
【0016】
図3を参照すると、本実施形態において、コイル110は、8つのコイル110−1〜110−8を含み、コイル110−1〜110−8の各々は軟磁性材料から成る鉄心と該鉄心の周囲に巻設された巻線とを含む。8つのコイル110−1〜110−8は、隣り合う2つのコイルの巻線を直列に接続して該2つのコイルを1つのコイル集成体とし、後述するX軸方向制御部150またはY軸方向制御部152に接続されている。各コイル集成体において、2つのコイルは、X軸またはY軸を挟んで対称に配置されている。
【0017】
より詳細には、コイル110−8、110−1がワイヤ112−1によって接続され第1のコイル集成体110Aを形成し、コイル110−2、110−3がワイヤ112−2によって接続され第2のコイル集成体110Bを形成し、コイル110−4、110−5がワイヤ112−3によって接続され第3のコイル集成体110Cを形成し、コイル110−6、110−7がワイヤ112−4によって接続され第4のコイル集成体110Dを形成している。
【0018】
更に、第1のコイル集成体110Aのコイル110−8、110−1がY軸を挟んで対称に配置され、第2のコイル集成体110Bのコイル110−2、110−3がX軸を挟んで対称に配置され、第3のコイル集成体110Cのコイル110−4、110−5がY軸を挟んで対称に配置され、第4のコイル集成体110Dのコイル110−6、110−7がX軸を挟んで対称に配置されている。
【0019】
第1と第3のコイル集成体110A、110CはX軸を挟んで対称に配置され、Y軸方向制御部152に接続され、第2と第4のコイル集成体110B、110DはY軸を挟んで対称に配置され、X軸方向制御部150に接続されている。これによって、第1と第3のコイル集成体110A、110Cは、Y軸方向制御部152によって互いに協調して制御され、第2と第4のコイル集成体110B、110Dは、X軸方向制御部150によって互いに協調して制御される。
【0020】
図1を参照すると、主軸装置100は磁気軸受108、110、特に磁気軸受のコイル110を制御する磁気軸受の制御装置10を更に具備している。制御装置10は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、これらを相互接続する双方向バスを含む演算装置、および、関連するソフトウェア、並びに前記コンピュータと協働するオペアンプおよび該オペアンプに関連したアナログ電子回路等から構成することができる。
【0021】
制御装置10は、第1の変位センサ118に接続されたローパスフィルタ18、ローパスフィルタ18を通過した第1の変位センサ118からの信号の電圧のレベルをシフトするシフト回路20、状態フィードバック制御器12、切換器22、切換器22からの出力を増幅するプラス側リニアアンプ28およびマイナス側リニアアンプ30を主要な構成要素として具備している。制御装置10は、また、主軸104に装着される工具116の質量、工具径、工具長さのようなパラメータを格納する記憶装置42を備えている。記憶装置42は、制御装置10のメモリ装置によって形成することもできるが、好ましくは、工作機械のNC装置や機械制御装置が備えているHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイスによって形成される。
【0022】
状態フィードバック制御器12は、オペアンプ回路から形成された主軸104のためのPD制御器14と、オペアンプ回路から形成された工具116のためのPD制御器16とを含む。主軸104のためPD制御器14はシフト回路20からの信号を受け取る。工具116のためのPD制御器16は、第2の変位センサ122からの信号を受け取る。シフト回路20からの出力電圧は、主軸104のためのPD制御器14に入力され,状態フィードバック制御を行うための信号が出力される。PD制御器14の比例ゲインと微分ゲインは、状態フィードバック係数KのK
3とK
4の値と、第1の変位センサ118、第2の変位センサ122、リニアアンプ28、30等のゲインを考慮して決定した。
【0023】
本実施形態では、状態フィードバック制御器12からの出力は、切換器22を介してリニアアンプ28、30に送られる。一例として、切換器22は、状態フィードバック制御器12からの出力が正の値のときに該出力をリニアアンプ28に出力し、状態フィードバック制御器12からの出力が負の値ときに該出力をリニアアンプ30に出力するスイッチ回路により形成することができる。リニアアンプ28、30は、切換器22から受け取った出力に基づき、電流が、第2と第4のコイル集成体110B、110Dに出力される。これにより、第2と第4のコイル集成体110B、110Dと磁性部材108との間に電磁力が生成される。
【0024】
既述したように、第2と第4のコイル集成体110B、110Dは、Y軸を挟んで対称に配置され、かつ、第2と第4のコイル集成体110B、110Dと磁性部材108との間に生成される電磁力は常に引力であるので、第2と第4のコイル集成体110B、110Dに同じ電流値で出力されると、第2と第4のコイル集成体110B、110Dと磁性部材108との間に生成される電磁力は逆向きで同一の電磁力となり、磁性部材108(主軸104)は変位することがない。
【0025】
そこで、切換器22は、状態フィードバック制御器12からの出力が、磁性部材108をX軸に沿って正の方向(
図1、3において右方)に移動させる値である場合に、該出力をプラス側リニアアンプ28に供給する。プラス側リニアアンプ28は、切換器22からの出力に基づき、X軸に沿って正の領域に配置されている第2のコイル集成体110Bに駆動電流を出力する。
【0026】
反対に、状態フィードバック制御器12からの出力が、磁性部材108をX軸に沿って負の方向(
図1、3において左方)に移動させる値である場合には、切換器22は、該出力をマイナス側リニアアンプ30に供給する。マイナス側リニアアンプ30は、切換器22からの出力に基づき、X軸に沿って負の領域に配置されている第4のコイル集成体110dに駆動電流を出力する。
【0027】
また、磁性部材108と第2のコイル集成体110Bの間に生成される電磁力または磁性部材108と第4のコイル集成体110Dとの間に生成される電磁力は、第2のコイル集成体110Bまたは第4のコイル集成体110Dに供給される電流の2乗に比例し、磁性部材108と第2のコイル集成体110Bまたは第4のコイル集成体110Dとの間の距離の2乗に反比例する。そのため、特に、磁性部材108と第2のコイル集成体110Bまたは第4のコイル集成体110Dとの間の距離が大きくなるとき、つまり磁性部材108の中心が主軸104の中心軸線Oの近傍にあるとき、磁性部材108と第2のコイル集成体110Bまたは第4のコイル集成体110Dとの間に生成される電磁力は非線形的に小さくなる。
【0028】
そのため、
図7において実線で示すように、主軸104の中心軸線Oの近傍では制御の応答が鈍くなることがある。そこで、切換器22と、状態フィードバック制御器12との間にバイアス電源24、26を設けることが好ましい。こうして、状態フィードバック制御器12からの出力にバイアス電圧を印加することによって、
図7において破線で示すように、磁性部材108の変位量は、第2のコイル集成体110Bまたは第4のコイル集成体110Dに供給される入力電流値に対して線形または概ね線形になる。
【0029】
以下、制御装置10による状態フィードバック制御について説明する。
図5は、主軸104および工具116を含む主軸装置100の主軸104、工具ホルダ114および工具116を含む工具系の力学モデルを示している。おり、xは振動変位、mは等価集中質量、f
2は工具116の下端での加振力、f
aは磁性部材108に作用する電磁力である。kは等価剛性、cは等価減衰係数である。また添字1は磁性部材108を示すパラメータであり、添字2は工具116の先端を示すパラメータである。
【0030】
ここで、
図8は、磁性部材108の周波数応答を示しており、磁性部材108の打撃試験によって求めた。
図8の上図はコンプライアンスで、3箇所でピークが見られる。表1は工具系のモーダルパラメータで、コンプライアンスのピーク近傍での周波数応答から求めた。また表2はモーダルパラメータから求めた工具系の自由振動のパラメータである。
【表1】
【表2】
【0031】
図5の力学モデルから以下の運動方程式(1)が得られる。
【数1】
【0032】
式(1)から状態方程式(2)が得られる。
【数2】
【数3】
【0033】
また出力方程式は式(3)とする。
【数4】
【数5】
【0034】
状態フィードバック制御の理論によれば、磁気軸受の電磁力により工具系を制御することにより、工具116の先端でのコンプライアンスを制御することができる。よって、式(2)で示した状態方程式においてu(t)=−Kz(t)と置けば、式(4)が得られる。
【数6】
【数7】
【0035】
ここで、Kはフィードバックゲインである。よって、式(3)の出力方程式と式(4)の状態方程式をフーリエ変換すれば、以下の式(5)で示される周波数伝達関数が得られる。
【数8】
【0036】
状態フィードバック制御を行っていない場合のシステムの特性方程式の根は、式(2)で示したシステム行列Aの固定値として得られる。
【数9】
【数10】
【0037】
よって、式(6)に表2に示した工具系の自由振動のパラメータを代入すれば特性方程式の根S
1〜S
4の値は以下のようになる。
【数11】
【0038】
状態フィードバック制御を掛けたときのシステムの状態方程式は式(5)であり、システム行列は式(6)となる。式(5)の特性方程式の根は、式(6)の固有値として与えられる。従って、固有値は
【数12】
の根である。
【数13】
【0039】
ここで、定数項をt
0、またS〜S
3の係数をそれぞれt
1〜t
3とおくと、特性方程式は以下のようになる。
【数14】
【数15】
【0040】
よって、状態フィードバック係数K
1〜K
4の値により、特性方程式の根の値は変わる。
一方、4つの固有値λ
1、λ
2、λ
3、λ
4を根とする4次の代数方程式は、次のように表される。
【数16】
【0041】
制御系の特性根を任意の固有値λ
1、λ
2、λ
3、λ
4とするためには、式(7)の各項の係数が対応する式(8)の係数に一致しなければならない。よって、次の連立方程式が得られる。
【数17】
【0042】
状態フィードバック制御を行っていない場合のシステムの特性方程式|SI−A|=0の特性根のうち、S
(1,2)との虚部の値は4019rad/sであり、約640Hzになる。よって、表1に示した工具116の固有振動数625Hzに近いので、S
(1,2)は工具116の固有振動数に対応する根になると考えられる。一方、S
(1,2)の実部の値は減衰に対応するので、特性根λ
1,2の値は、S
(1,2)の実部を3倍にした値とし、特性根λ
3,4の値は、S
(3,4)の値のままとした。このように、状態フィードバック制御を行う制御システムの特性方程式の任意の根の値は、極配置法により状態フィードバック係数を求めることで簡便に求めることができる。本実施形態では、特性根の値を実部の3倍としたが、予め定めた任意の倍率で大きくすればよい。
【0043】
よって、λ
1,2とλ
3,4の値を式(9)に代入し、得られたt
0〜t
3の値を式(7)に代入してK
1〜K
4について解けば、状態フィードバック係数Kが得られる。
【数18】
【0044】
図9は、得られた状態フィードバック係数Kの値と、表2に示した工具系の自由振動のパラメータを式(5)に示した周波数応答関数の計算式に代入して求めたコンプライアンス|Ga|である。また
図6には比較のため、状態フィードバック制御を行わない場合のコンプライアンス|Gb|が示されているが、工具116の固有振動数に対応する約640Hzの|Gb|のピーク値は、状態フィードバック制御を行うことにより、約1/3に低下した。これは、工具116に対応する特性方程式の根の実部の値を3倍とし、極配置法で状態フィードバック係数Kを求めたことと対応している。従って、工具116の任意のコンプライアンス特性は、極配置法で特性方程式の根を任意のコンプライアンス特性に対応して決め、状態フィードバック係数を求めれば得られることになる。
【0045】
図10は、得られた状態フィードバック係数Kの値と、表2示した工具系の自由振動のパラメータを式(5)に代入して得られた周波数応答関数の実部Re[Ga]で、図中に赤い曲線で示してある。また
図10には比較のため、状態フィードバック制御を行わない場合の周波数応答関数の実部Re[Gb]が示されているが、工具116の固有振動数に対応する約640HzのRe[Gb]の極小値は、状態フィードバック制御を行うことにより、約1/3になった。これは、再生びびり振動の理論によれば、再生びびり振動の発生限界が約3倍になることを意味している。また
図10では、工具116の固有振動数に対応するコンプライアンスのピーク値は約1/3に低下したが、ケイ素鋼板円筒部の固有振動数に対応する約580Hzでのピーク値は逆に増加し、エンドミルに対応する約640Hzでのピーク値よりも大きくなった。しかし、
図10に示したように約580Hzでの極小値は、約640Hzでの極小値より絶対値は小さいため、約580Hzで再生びびり振動は発生しない。
【0046】
本実施形態によれば、小径の回転工具のコンプライアンスの特性は、磁気軸受108、110の電磁力による状態フィードバック制御を行う制御システムの特性方程式の根を任意の値に設定することにより変更することができる。これにより、小径の回転工具の固有振動数に相当する振動数でのコンプライアンスのピーク値は、制御を行わない場合のコンプライアンスのピーク値の半分に低下することが可能となる。これにより、再生びびり振動の発生限界を大きくすることが可能となる。
【0047】
既述の実施形態では、主軸装置100は、主軸104を回転駆動するサーボモータ124は、ハウジング102の外部においてハウジング102の後端壁102aに取り付けられているが、本発明は、これに限定されず、
図11に示すように、ハウジング102の内部に配設されていてもよい。
【0048】
図11に示す例では、主軸装置200のサーボモータは、主軸104の外周面に固定されたロータ202と、該ロータ202に対面するようにハウジング102の内周面に固定されたステータ204とを具備し、所謂ビルトインモータを構成している。なお、
図11では、
図1、2と同様の構成要素には同じ参照番号が付されており、それらの構成要素に関連した説明は重複を避けるために省略する。この例でも、既述の実施形態と同様に、状態フィードバック制御によって、小径の回転工具の固有振動数に相当する振動数でのコンプライアンスのピーク値を小さくして、再生びびり振動の発生限界を大きくすることが可能となる。
【0049】
図2、11に示す例では、主軸104は、いわゆるダイレクトドライブ方式で回転駆動されるが、本発明はこれに限定されず、
図12に示すようにベルト駆動方式でもよい。
図12において、サーボモータ302は、回転軸線O
Mに沿って延設された出力軸302aを有しており、該出力軸302aにプーリー306が取り付けられている。サーボモータ302は、該出力軸302aがハウジング102内に突出するように、ハウジング102の後端壁102aに取り付けられている。主軸104は、その後端から回転軸線Oに沿って延びる延長部308を有し、該延長部308にプーリー310が取り付けられている。サーボモータ306のプーリー302aと主軸104のプーリー310の間にベルト304が架け渡されている。なお、
図12では、
図2、11と同様の構成要素には同じ参照番号が付されており、それらの構成要素に関連した説明は重複を避けるために省略する。また、ベルト駆動に代えて歯車装置を用いてもよい。この例でも、既述の実施形態と同様に、状態フィードバック制御によって、小径の回転工具の固有振動数に相当する振動数でのコンプライアンスのピーク値を小さくして、再生びびり振動の発生限界を大きくすることが可能となる。
【0050】
更に、
図1の例では、主軸装置100は、観測器として、工具116の先端部分の刃先位置を実測する第2の変位センサ122を備えていたが、本発明は、これに限定されず、観測器は、第1の変位センサ118からの出力に基づいて制御理論的に工具116の変位を導出するようにしてもよい。
【0051】
図13を参照すると、本実施形態による主軸装置100は制御装置50を備えている。
図13の主軸装置100は、また、
図1の実施形態の主軸装置100に設けられていた第2の変位センサ122を備えていない。制御装置50の状態フィードバック制御器52は、主軸104のためのPD制御器14と、工具116のためのPD制御器16に加えて、主軸104および工具116を含む工具系の動的モデル演算器54を具備している。動的モデル演算器54は、シフト回路20の出力に基づいて、
図1の実施形態における第2の変位センサ122の出力値に代えて、以下の式(10)に基づいて工具116の刃部の変位を算出する。その他の処理は
図1の実施形態と同様である。なお、
図13では、
図1と同様の構成要素には同じ参照番号が付されており、それらの構成要素に関連した説明は重複を避けるために省略する。
【数19】