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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-209534(P2019-209534A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】液体収容体および液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   B41J2/175 143
   B41J2/175 153
   B41J2/175 119
   B41J2/175 169
   B41J2/175 141
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-105797(P2018-105797)
(22)【出願日】2018年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長島 巧
(72)【発明者】
【氏名】川手 寛之
(72)【発明者】
【氏名】尾関 洋義
(72)【発明者】
【氏名】山口 学
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 浩一
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA21
2C056EA26
2C056FA10
2C056FA13
2C056KC02
2C056KC05
2C056KC09
2C056KC13
2C056KC14
(57)【要約】
【課題】液体収容体において、液体噴射装置に液体を安定して供給可能な技術を提供する。
【解決手段】液体収容体は、可撓性を有し、内部に液体を収容する液体収容部が設けられた袋と、袋の一端部に取り付けられた液体導出部材と、液体導出部材と袋の一端部の一部とを外側から覆うように、袋の一端部に取り付けられている接続部材と、を備える。袋は、液体収容部よりも外周側にシール部を有し、シール部は一端部側シール部を含み、一端部側シール部の少なくとも接続部材の周辺領域における幅である第1幅が、袋の他の端部におけるシール部の幅である第2幅よりも大きい。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液体噴射装置に供給するための液体収容体であって、
互いに直交する3つの方向を、D方向、T方向、及びW方向とし、
前記D方向のうち、正方向を+D方向とし、前記+D方向と逆の方向を−D方向とし、
前記液体収容体の外形のうち、最も寸法が小さい方向をT方向とし、
前記D方向及び前記T方向と直交する方向をW方向としたとき、
前記液体収容体が前記液体噴射装置に装着された状態で、前記D方向と前記W方向とは水平であり、
可撓性を有し、内部に前記液体を収容する液体収容部が設けられた袋と、
前記袋の前記−D方向側の一端部に取り付けられた液体導出部材と、
前記液体導出部材と前記一端部の一部とを外側から覆うように、前記一端部に取り付けられている接続部材と、
を備え、
前記袋は、前記液体収容部よりも外周側にシール部を有し、
前記シール部は、前記−D方向側の端部に、前記W方向に沿って形成された一端部側シール部を含み、
前記一端部側シール部の、少なくとも前記接続部材の周辺領域における幅である第1幅が、前記袋の他の端部における前記シール部の幅である第2幅よりも大きく、
前記一端部側シール部の前記第1幅を有する部分の前記+D方向側の端部は、前記接続部材の前記+D方向側の端部よりも前記+D方向側に位置する、
液体収容体。
【請求項2】
請求項1に記載の液体収容体であって、
前記一端部側シール部は、前記W方向の端部に第1角部を有し、
前記第1角部における前記一端部側シール部の幅である第3幅は、前記第1幅よりも大きい、液体収容体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体収容体であって、
更に、前記液体導出部材に接続され、前記液体収容部内において前記液体導出部材から前記+D方向に延びる内部剛性部材を有する、液体収容体。
【請求項4】
請求項3に記載の液体収容体であって、
前記内部剛性部材の前記+D方向の端部は、前記液体収容部の内部領域を前記D方向に3つの領域に三等分した場合において、前記3つの領域のうちの中央の領域に存在する、液体収容体。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の液体収容体であって、
前記接続部材は、前記+D方向の端部かつ前記W方向の端部に、第2角部を有し、
前記第2角部は、面取りされた形状を有する、液体収容体。
【請求項6】
液体導出部材を有する液体収容体が着脱可能に装着される液体噴射装置であって、
前記液体導出部材に挿入される中空の液体導入針を有し、
前記液体導入針の先端部は、
第1底面と、前記第1底面よりも径が小さい上面とを有する円錐台と、
前記円錐台の前記上面に設けられ、前記円錐台の前記上面よりも径が小さい第2底面を有する円錐と、の組み合わせによって構成され、
前記円錐の中心軸は、前記円錐台の中心軸と一致する、
液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容体および液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を液体噴射装置に供給するための液体収容体として、例えば、特許文献1には、インクパックと、インクパックを液体噴射装置に接続するための接続部材とを備えた液体収容体が開示されている。ユーザーは、接続部材に設けられたハンドルを操作して液体収容体を上面が開口したケース内に載置し、そのケースを液体噴射装置に挿入することで、液体噴射装置に対して液体収容体の装着を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−65374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような液体収容体において、接続部材の近傍にインクパックのインクが収容された部分が存在する場合、接続部材は、インクパック内のインクの波打ちや脈動の影響を受けやすい。インクに波打ちや脈動が生じると、接続部材が液体噴射装置に対して位置ずれしやすくなり、液体噴射装置にインクを安定して供給することが困難になる可能性がある。このような課題はインクが収容されたインクパックに限らず、可撓性を有する袋に液体が収容された液体収容体、および、液体収容体が装着される液体噴射装置について共通の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態によれば、液体を液体噴射装置に供給するための液体収容体が提供される。この液体収容体は、互いに直交する3つの方向を、D方向、T方向、及びW方向とし;前記D方向のうち、正方向を+D方向とし、前記+D方向と逆の方向を−D方向とし;前記液体収容体の外形のうち、最も寸法が小さい方向をT方向とし;前記D方向及び前記T方向と直交する方向をW方向としたとき;前記液体収容体が前記液体噴射装置に装着された状態で、前記D方向と前記W方向とは水平であり;可撓性を有し、内部に前記液体を収容する液体収容部が設けられた袋と;前記袋の前記−D方向側の一端部に取り付けられた液体導出部材と;前記液体導出部材と前記一端部の一部とを外側から覆うように、前記一端部に取り付けられている接続部材と;を備える。そして、前記袋は、前記液体収容部よりも外周側にシール部を有し;前記シール部は、前記−D方向側の端部に、前記W方向に沿って形成された一端部側シール部を含み;前記一端部側シール部の、少なくとも前記接続部材の周辺領域における幅である第1幅が、前記袋の他の端部における前記シール部の幅である第2幅よりも大きく;前記一端部側シール部の前記第1幅を有する部分の前記+D方向側の端部は、前記接続部材の前記+D方向側の端部よりも前記+D方向側に位置する。
【0006】
本発明の他の形態によれば、液体導出部材を有する液体収容体が着脱可能に装着される液体噴射装置が提供される。この液体噴射装置は、前記液体導出部材に挿入される中空の液体導入針を有し;前記液体導入針の先端部は、第1底面と、前記第1底面よりも径が小さい上面とを有する円錐台と;前記円錐台の前記上面に設けられ、前記円錐台の前記上面よりも径が小さい第2底面を有する円錐と;の組み合わせによって構成され;前記円錐の中心軸は、前記円錐台の中心軸と一致する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】液体噴射装置の斜視図である。
図2】接続機構の斜視図である。
図3】液体導入針の先端付近の断面図である。
図4】装着部に装着される装着体の斜視図である。
図5】装着体を構成する液体収容体と容器の斜視図である。
図6図5における液体収容体のVI−VI断面図である。
図7】スペーサー部材および液体導出管の側面図である。
図8】スペーサー部材および液体導出管の平面図である。
図9】スペーサー部材の正面図である。
図10】スペーサー部材の背面側の斜視図である。
図11】スペーサー部材および液体導出管の第1の斜視図である。
図12】スペーサー部材および液体導出管の第2の斜視図である。
図13】液体収容体の一部の第1の分解斜視図である。
図14】液体収容体の一部の第2の分解斜視図である。
図15】接続部材の分解斜視図である。
図16】袋の形状および内部剛性部材の位置を示す説明図である。
図17】接続部材の+T方向側の外観形状を+D方向側から示す斜視図である。
図18】接続部材の−T方向側の外観形状を+D方向側から示す斜視図である。
図19】第2実施形態における液体収容体の構成を示す説明図である。
図20】第3実施形態における液体収容体の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、液体噴射装置11の斜視図である。液体噴射装置11は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって印刷を行うインクジェットプリンターである。液体噴射装置11は、略直方体状の外装体12を備える。外装体12の前面部分には、底部側から上に向かって順に、容器13が着脱可能に装着される装着部14を覆う回動可能な前蓋15と、媒体を収容可能なカセット16が装着される装着口17とが配置されている。さらに、装着口17の上側には、媒体が排出される排出トレイ18と、液体噴射装置11の操作を行うための操作パネル19とが配置されている。なお、外装体12の前面とは、高さと幅を有し、液体噴射装置11に対する操作を主に行う側面のことをいう。
【0009】
装着部14には、液体噴射装置11の幅と略同じサイズの容器13が装着可能である。容器13には、容器13の幅と略同じサイズの液体収容体20が取り外し可能に載置される。つまり、液体収容体20は、液体噴射装置11に着脱可能に装着される容器13に載置される。容器13は、液体収容体20を保持しない単体の状態でも装着部14に着脱可能に装着可能である。容器13は、前蓋15を開けて装着部14内の収容空間に挿入され、奧に向かって延びる移動経路に沿って移動することにより、装着部14に装着される。収容空間の奥側には、容器13を液体噴射装置11に接続するための接続機構29が設けられている。
【0010】
外装体12内には、ノズルから液体を噴射する液体噴射部21と、液体噴射装置11の幅方向と一致する走査方向に沿って往復移動するキャリッジ22とが設けられている。液体噴射部21は、キャリッジ22と共に移動し、容器13に載置された液体収容体20から接続機構29を介して供給される液体を媒体に向かって噴射することにより、この媒体に印刷する。なお、他の実施形態では、液体噴射部21は往復移動することなく位置が固定されたラインヘッドでもよい。
【0011】
本実施形態では、容器13が装着部14に装着されるときの移動経路と直交する方向が幅方向となり、移動経路が延びる方向が奥行方向となる。また、幅方向と奥行方向は実質的に水平面に沿う。図面では、外装体12が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、容器13が装着部14に装着されるときの移動方向をY軸で示す。移動方向は、装着部14への装着方向または収容空間への挿入方向とも表記することがある。移動方向の反対方向を取出方向と表記することがある。また、幅方向は、Z軸及びY軸と直交するX軸で示す。すなわち、幅方向、重力方向及び装着方向は相互に直交し、それぞれ幅、高さ及び奥行の長さを表記する場合の方向となる。
【0012】
図2は、接続機構29の斜視図である。接続機構29は、幅方向において液体導入針32を挟む位置に、それぞれ第1接続機構29Fと第2接続機構29Sとを有する。第1接続機構29Fは、液体導入針32よりも鉛直下方に配置され、取出方向に突出するアーム38を備える。アーム38の先端には第1係止部39が設けられる。アーム38は基端側を中心に先端側が回動可能に構成されている。第1係止部39は、例えばアーム38から鉛直上方に突出するなどして、装着部14に装着されるときの容器13の移動経路上に配置される。第1係止部39は、容器13が装着部14に装着されたときに、容器13の裏面に設けられた図4,5に示す係合溝78に嵌まり、容器13が装着部14から容易に外れることを規制する。
【0013】
第1接続機構29Fは、液体導入針32よりも鉛直上方に配置されて取出方向に突出する端子部40を備える。端子部40は、フラットケーブル等の電気回線41を介して制御装置42と接続されている。端子部40は、上端が下端よりも取出方向に突出して、斜め下を向くように配置されている。また、幅方向において端子部40の両側には、幅方向に突出するとともに装着方向に沿って延びる一対の案内凸部40aが配置されている。
【0014】
第2接続機構29Sは、液体導入針32よりも鉛直上方に配置され、取出方向に突出する誤挿入防止用のブロック44を備える。ブロック44は下方に向いて配置される凹凸形状を有する。
【0015】
接続機構29は、第1位置決め突部45および第2位置決め突部46と、液体導入針32を囲むように配置される押出機構47と、液体導入針32の下方で取出方向に突出する液受部48と、を備える。第1位置決め突部45および第2位置決め突部46は、それぞれ第1接続機構29Fと第2接続機構29Sとに含まれるように液体導入針32を挟んで幅方向に並ぶ。第1位置決め突部45および第2位置決め突部46は、例えば、互いに平行をなして取出方向に突出する一対の棒状の突部とすることができる。第1位置決め突部45および第2位置決め突部46の取出方向への突出長さは液体導入針32の取出方向への突出長さよりも長い。
【0016】
押出機構47は、液体導入針32の基端部分を囲む枠部材47aと、枠部材47aから取出方向に突出する押圧部47bと、押圧部47bを介して容器13を取出方向に付勢する付勢部47cと、を備える。付勢部47cは、例えば枠部材47aと押圧部47bの間に介装されたコイルばねとすることができる。
【0017】
図3は、液体導入針32の先端付近の断面図である。液体導入針32は、後述するように、液体収容体20に備えられた液体導出部材66に挿入される中空の針である。液体導入針32は、円筒部321と先端部323とを有する。円筒部321には、液体収容体20から液体が導入される液体導入口322が形成されている。本実施例では、液体導入口322は、下方を向いている。
【0018】
液体導入針32の先端部323は、円錐台324と円錐325との組み合わせによって構成される。円錐台324は、第1底面324bと、第1底面324bよりも径が小さい上面324tとを有する。円錐325は、円錐台324の上面324tに設けられる。円錐325は、円錐台324の上面324tよりも径が小さい第2底面325bと、頂点325tとを有する。円錐325の中心軸AXは、円錐台324の中心軸AXと一致する。本実施形態では、円錐台324と円錐325とは、液体導入針32に一体的に形成されている。そのため、円錐台324の第1底面324bや上面324t、円錐325の第2底面325bは、図3に破線で示すように、液体導入針32に内包される仮想的な面を含む。このように、液体導入針32の先端部323は、円錐台324と円錐325との組み合わせによって構成されることにより、全体として円錐形状を呈し、その円錐面に段差を有する形態となっている。液体導入針32は、未使用の液体収容体20に挿入される際に、液体収容体20の液体導出部材66に備えられたフィルムFLを破り、液体導出部材66の内部に連通する。
【0019】
図4は、装着部14に装着される装着体50の斜視図である。本実施形態では、略直方体状の外形をなす容器13と、容器13に載置される液体収容体20により装着体50が構成される。容器13のことをトレイあるいはケースと呼ぶこともできる。
【0020】
図4には、互いに直交する3つの方向であるD方向、T方向、及びW方向が示されている。本実施形態では、D方向は、図1に示したY方向に沿った方向である。D方向のうち、正方向を+D方向とし、+D方向と逆の方向を−D方向とする。また、液体収容体20の外形のうち、最も寸法が小さい方向をT方向とする。T方向のうち、正方向を+T方向とし、+T方向と逆の方向を−T方向とする。D方向及びT方向と直交する方向をW方向とする。W方向のうち、正方向を+W方向とし、+W方向と逆の方向を−W方向とする。本実施形態では、T方向はZ方向に沿った方向であり、+T方向は−Z方向に対応する。また、W方向はX方向に沿った方向であり、+W方向は+X方向に対応する。液体収容体20が液体噴射装置11に装着された状態では、D方向とW方向とは水平である。なお、「水平」とは実質的に水平であればよく、例えば、水平に対して±10度の範囲で傾斜していてもよい。
【0021】
液体収容体20は、液体を液体噴射装置11に供給するためのものである。液体収容体20は、袋60と接続部材61とを備える。袋60は可撓性を有している。袋60の形状は、ピロータイプでもよいし、ガゼットタイプでもよい。本実施形態の袋60は、長方形状のフィルムを2枚重ねて、その周縁部を互いに接合することによって形成されたピロータイプの袋である。袋60を構成するフィルムは、可撓性とガスバリア性を有する素材で形成されている。例えば、フィルムの素材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。また、これらの素材で構成されたフィルムを複数積層した積層構造を用いてフィルムが形成されてもよい。このような積層構造では、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPET又はナイロンによって形成し、内層を耐インク性に優れたポリエチレンによって形成してもよい。さらに、アルミニウムなどを蒸着した層を有するフィルムを積層構造の1つの構成部材としてもよい。
【0022】
本実施形態における袋60は、液体が収容された状態において、略直方体の形状を有する。本実施形態では、袋60のW方向に沿った寸法は、D方向に沿った寸法およびT方向に沿った寸法よりも大きい。また、本実施形態では、袋60のD方向に沿った寸法は、T方向に沿った寸法よりも大きい。袋60は、一端部60aと、一端部60aに対向する他端部60bとを有している。一端部60aは、袋60の−D方向側の端部に位置し、他端部60bは、袋60の+D方向側の端部に位置している。袋60には、その内部に、液体を収容する液体収容部60cが設けられている。本実施形態では、液体として、沈降成分としての顔料が溶媒中に分散されたインクが液体収容部60cに収容されている。袋60は、液体収容部60cよりも外周側に、シール部600を有する。シール部600は、袋60の+T方向側の面を構成する部材と−T方向側の面を構成する部材とが、それらの裏面側において互いに貼り合わされた部分である。より具体的には、シール部600は、袋60の+T方向側の面を構成するフィルムと、−T方向側の面を構成するフィルムとが、溶着された部分である。シール部600は、平坦状である。なお、平坦状とは、全体として平坦であればよく、その一部に凹凸を含んでいてもよい。
【0023】
接続部材61は、袋60の一端部60aに取り付けられている。本実施形態では、接続部材61は、略直方体形状を有している。本実施形態では、接続部材61のW方向の寸法は、D方向の寸法およびT方向の寸法よりも大きい。また、接続部材61のD方向の寸法は、T方向の寸法よりも大きい。本実施形態では、接続部材61のW方向に沿った幅は、袋60のW方向に沿った幅よりも小さい。そのため、接続部材61は、袋60の一端部60aにおいて、袋60の幅方向の中央に取り付けられている。接続部材61は、液体収容部60c内の液体を液体噴射装置11へ導出するための液体導出部52を備える。液体導出部52のことを、「供給口」と呼ぶことも可能である。また、接続部材61のことを、「アダプター」と呼ぶこともできる。
【0024】
装着体50は、装着部14に装着されるときに先に進む方を先端とし、先端の反対側の端を基端とすると、先端部分に接続構造51を備える。接続構造51は、幅方向において液体導出部52を挟む両側にそれぞれ第1接続構造51Fと第2接続構造51Sとを有する。
【0025】
第1接続構造51Fは、液体導出部52よりも鉛直上方に配置される接続端子53を備える。接続端子53は、例えば回路基板の表面に設けられ、この回路基板は、液体収容体20に関する各種の情報(例えば、液体収容体20の種類や液体の収容量等)を記憶する記憶部を含む。
【0026】
接続端子53は、上方及び装着方向に開口する態様で設けられた凹部53a内に、斜め上を向くように配置されている。また、幅方向において接続端子53の両側には、装着方向に延びる案内凹部53gが設けられている。案内凹部53gには、図2に示した接続機構29の案内凸部40aが嵌まる。
【0027】
第2接続構造51Sは、液体導出部52よりも鉛直上方に配置された誤挿入防止用の識別部54を備える。識別部54は、図2に示した接続機構29のブロック44に嵌まり合う形状の凹凸を有する。
【0028】
接続構造51は、第1位置決め穴55および第2位置決め穴56と、図2に示した付勢部47cの付勢力を受ける付勢受部57と、液体導出部52の下方に延びる挿入部58と、を備える。第1位置決め穴55および第2位置決め穴56は、それぞれ第1接続構造51Fと第2接続構造51Sとに含まれるように液体導出部52を挟んで幅方向に並ぶ。第1接続構造51Fに含まれる第1位置決め穴55は、円形の穴である。これに対して、第2接続構造51Sに含まれる第2位置決め穴56は、幅方向に長い略楕円形状の長穴であることが好ましい。
【0029】
図5は、装着体50を構成する液体収容体20と容器13の斜視図である。容器13の先端には、液体収容体20の接続部材61に設けられた挿入部58と係合する切欠き65aが形成されている。さらに、切欠き65aの幅方向の両側には、第1穴55aと第2穴56aが形成されており、接続部材61の先端には、第1穴55bと第2穴56bが形成されている。そして、液体収容体20が容器13に載置されると、第1穴55a,55b同士と、第2穴56a,56b同士とがそれぞれ奥行方向に並び、第1穴55a,55bにより第1位置決め穴55が構成され、第2穴56a,56bにより第2位置決め穴56が構成される。
【0030】
接続部材61には、取っ手部62が取り付けられている。取っ手部62は、接続部材61とは別部材で構成され、接続部材61に対して移動可能である。具体的には、取っ手部62は、接続部材61に設けられた回動軸63を中心として回動することにより移動可能である。以下の説明では、「接続部材61」には、取っ手部62は含まれないものとする。
【0031】
取っ手部62は、ユーザーに把持される把持部62aを有している。把持部62aは、回動軸63に軸支される軸部62bよりも、奥行方向において接続部材61から離れた袋60側に位置している。取っ手部62は、把持部62aと回動軸63とが同じ高さもしくは把持部62aが回動軸63よりも低い位置に位置する第1姿勢と、把持部62aが回動軸63よりも高い位置に位置する第2姿勢との間で回動可能である。
【0032】
容器13は、先端部分に、液体収容体20の接続部材61が係合可能な係合受部65を有する。接続部材61は、接続端子53、凹部53a、案内凹部53g、識別部54、第1穴55b及び第2穴56bを含む。容器13の係合受部65は、付勢受部57、第1穴55a及び第2穴56aを含む。接続部材61は、係合受部65に係合したときに、容器13の先端中央部に位置する。
【0033】
容器13は、底面を構成する底板67と、底板67の幅方向の両端から鉛直上方に立設する側板68と、底板67の基端から鉛直上方に立設する前板69と、底板67の先端から鉛直上方に立設する先板70とを備えている。先板70は、前板69および側板68よりも厚く形成されており、係合受部65に対応する中央部分が窪んでいる。
【0034】
容器13において、底板67、側板68、前板69及び先板70は、液体収容体20を収納する収納空間を形成する本体部を構成する。容器13は、収納空間に対して液体収容体20を出し入れするための開口13aを有する。本実施形態において、容器13の開口13aは、容器13が装着部14に装着されるときに進む方向である装着方向と異なる向きである鉛直上方に向かう向きに開いている。
【0035】
液体収容体20の接続部材61には、案内方向に貫通して形成された略丸穴状の被案内部72が複数設けられている。本実施形態では、2つの被案内部72が幅方向に並ぶように形成されている。また、容器13の係合受部65には、底板67から案内方向に突出する略円柱形状の複数の案内部73が設けられている。本実施形態では、2つの案内部73が幅方向に並ぶように形成されている。なお、案内方向とは、底板67と直交する方向である。
【0036】
容器13に設けられた案内部73は、接続部材61に設けられた被案内部72を案内方向に案内する。一方、接続部材61に設けられた被案内部72は、容器13に設けられた案内部73により案内方向に案内される。
【0037】
本実施形態では、案内部73が略半円柱状をなす凸形状であり、案内方向に沿う案内部73の側面は、先端側に位置する平面状の第1規制部73aと、第1規制部73aよりも基端側の第1曲面部73bとを有している。
【0038】
そして、被案内部72は、案内部73の形状に沿うように第2規制部72aと第2曲面部72bとを有する形状に形成されている。平面状の第1規制部73aおよび第2規制部72aは、容器13に載置される液体収容体20の逃げや回転を規制する。
【0039】
図2図4を参照して、装着体50が備える接続構造51の接続機構29に対する接続について説明する。装着体50が収容空間に挿入されて先端が接続機構29に近づくと、まず、取出方向への突出長さが長い第1位置決め突部45および第2位置決め突部46の先端が装着体50の第1位置決め穴55および第2位置決め穴56に入る態様で係合し、装着体50の幅方向への移動を規制する。第2位置決め穴56は幅方向に延びる楕円形状の長穴なので、円形状の第1位置決め穴55に入る第1位置決め突部45が位置決めの基準になる。
【0040】
第1位置決め突部45および第2位置決め突部46が第1位置決め穴55および第2位置決め穴56に係合した後、さらに装着体50が奧に進むと、付勢受部57が押圧部47bと接触して付勢部47cの付勢力を受け、液体収容体20の液体導出部52が液体導入針32に接続される。このように、本実施形態では、第1位置決め突部45および第2位置決め突部46は、液体導入針32が液体導出部52に接続される前に、幅方向に対する装着体50の位置決めを行う。
【0041】
装着体50が正しい位置に挿入された場合、識別部54が接続機構29のブロック44と適切に嵌合する。これに対して、異なる装着体を装着しようとした場合、識別部54がブロック44と嵌合しないので、装着体50はそれ以上奧に進むことができず、誤装着が防止される。
【0042】
また、装着体50が装着方向に進むと、端子部40が装着体50の凹部53a内に入り、案内凹部53gが案内凸部40aに案内されることで位置が調整されて、端子部40が接続端子53に接触する。これにより、接続端子53が端子部40と電気的に接続され、回路基板と制御装置42の間で情報の授受が行われる。第1接続構造51Fと第2接続構造51Sのうち、接続端子53を含む第1接続構造51Fの方に位置決めの基準となる第1位置決め穴55を配置することにより、接続端子53と端子部40とを適切に接続することができる。
【0043】
液体収容体20の液体導出部52が液体導入針32に対して液体を供給可能な状態に接続され、接続端子53が端子部40と接触して電気的に接続されたときに、接続構造51の接続機構29に対する接続が完了する。
【0044】
図6は、図5における液体収容体20のVI−VI断面図である。図6には、円筒状の液体導出部52の中心軸CXが示されている。液体収容体20は、接続部材61の内部に、液体導出部52を一体的に備える液体導出部材66を有する。液体導出部材66は、袋60の一端部60aに取り付けられている。液体収容体20は、袋60に設けられた液体収容部60c内に、液体導出管80とスペーサー部材90とを備える。液体導出管80は、例えば、エラストマーによって形成された弾性を有するチューブである。液体導出管80は、液体収容部60c内において液体導出部材66に接続された基端部80aを有する。液体導出管80は、液体収容部60c内において、液体導出部材66から他端部60b側に向かって延びる。液体導出部材66の内部には、液体導出管80と液体導出部52とを連通させる流路が形成されている。液体導出部材66は、液体導出部52、袋60、液体導出管80、および、スペーサー部材90、を接続部材61に固定する。
【0045】
スペーサー部材90は、袋60の内部に一定の容積の領域を区画するための構造物である。スペーサー部材90は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂によって形成されている。スペーサー部材90は、液体導出管80よりも+D方向側に位置する部分を有している。また、スペーサー部材90は、液体導出部52の中心軸CXを通るTD面と交わる位置に設けられる。TD面とは、T方向とD方向とを含む面である。スペーサー部材90は、+D方向側から−D方向側に向かうにつれ、スペーサー部材90のT方向に沿った寸法が大きくなるように傾斜する傾斜面91を+D方向側に有する。本実施形態では、スペーサー部材90は、中心軸CXよりも+T方向側と−T方向側とにそれぞれ傾斜面91を有する。そのため、スペーサー部材90は、W方向から見た場合に、+D方向側に向けて尖った形状を有している。なお、本実施形態において、「面」とは、平面だけで構成された面だけではなく、その表面に溝や凹部などが形成された面や、その表面に突起や凸部が形成された面、枠に囲われた仮想的な面、も含む。つまり、全体として「面」として把握可能であれば、その面が占める一定領域に、凹凸や貫通穴があっても構わない。
【0046】
液体収容体20が液体噴射装置11に装着された姿勢において、スペーサー部材90の最下部と最上部のうち、少なくとも一方は、袋60の内面と接触する。本実施形態では、図6に示されているように、スペーサー部材90の最下部と最上部の両方が、袋60の内面と接触する。以下では、液体収容体20が液体噴射装置11に装着された姿勢のことを、「装着姿勢」と呼ぶ。本実施形態では、装着姿勢において、スペーサー部材90の最下部の高さとスペーサー部材90の最上部の高さとの中心と、液体導出部52の中心軸CXの高さとが同じである。
【0047】
図7は、スペーサー部材90および液体導出管80の側面図である。図8は、スペーサー部材90および液体導出管80の平面図である。液体導出管80は、装着姿勢において、液体導出部52から液体収容部60c内を水平方向に延びるように構成されている。また、本実施形態では、スペーサー部材90は、棒状の連結部材85によって液体導出部材66に固定されている。本実施形態では、連結部材85は、スペーサー部材90に一体的に接続されている。連結部材85およびスペーサー部材90のことを、以下ではまとめて、内部剛性部材87と呼ぶ。内部剛性部材87は、接続部材61に対する袋60の姿勢の安定化と、袋60内の液体の流路を確保する役割を果たす。内部剛性部材87は、液体導出部材66に接続され、液体収容部60c内において液体導出部材66から+D方向に延びる。内部剛性部材87を構成する連結部材85の−D方向側の端部には、液体導出部材66の+D方向側の面に設けられた図13に示す爪部59に係止されて固定される第2係止部86が設けられている。
【0048】
本実施形態では、液体収容体20は、液体導出管80として、第1流路部81と第2流路部82とを有している。つまり、液体収容体20は、液体導出管80を2本備えている。本実施形態では、第1流路部81と第2流路部82とは同じ長さである。第1流路部81は、液体導出部材66に接続される第1基端部81aと、液体収容部60c内の液体を第1流路部81内に導入する第1先端部81bと、を有する。第2流路部82は、液体導出部材66と接続される第2基端部82aと、液体収容部60c内の液体を第2流路部82内に導入する第2先端部82bと、を有する。そして、図7に示されているように、装着姿勢において、第1先端部81bは、第2先端部82bよりも上側に位置する。図8に示されているように、前述の第2係止部86は、水平方向において、第1流路部81の第1基端部81aと、第2流路部82の第2基端部82aとの間に挟まれるように配置されている。なお、他の実施形態では、液体収容体20は、液体導出管80を3本以上備えてもよい。
【0049】
図7,8に示されているように、本実施形態では、装着姿勢において、第1流路部81の第1基端部81aと第2流路部82の第2基端部82aは水平方向に並んでおり、第1流路部81の第1先端部81bと第2流路部82の第2先端部82bは鉛直方向に並んでいる。そのため、第1流路部81および第2流路部82から吸い込まれた液体は、鉛直方向に並んで流れる状態から水平方向に並んで流れる状態に転換された後で、液体導出部材66内で混ざり合い、液体導出部52から液体噴射装置11に導出される。なお、他の実施形態においては、第1基端部81aと第2基端部82aが垂直方向に並び、第1先端部81bと第2先端部82bとが水平方向に並ぶ形態や、第1基端部81aと第2基端部82aが垂直方向に並び、第1先端部81bと第2先端部82bも垂直方向に並ぶ形態、第1基端部81aと第2基端部82aが水平方向に並び、第1先端部81bと第2先端部82bも水平方向に並ぶ形態も採用可能である。
【0050】
図9は、スペーサー部材90の正面図である。図10は、スペーサー部材90の背面側の斜視図である。スペーサー部材90は、第1導入口92と第2導入口93と有する。第1導入口92は、液体収容部60c内の比較的上側の液体を第1流路部81内に導入する開口である。第2導入口93は、液体収容部60c内の比較的下側の液体を第2流路部82内に導入する開口である。スペーサー部材90は、T方向における寸法が最も大きくなる部位に、TW面に沿って平行な背面部材94を備えている。背面部材94は、上辺および底辺が水平な略六角形状である。第1導入口92および第2導入口93は、この背面部材94に設けられている。本実施形態では、第1導入口92の内径は、第2導入口93の内径よりも小さい。つまり、第2導入口93の内径は、第1導入口92の内径よりも大きい。そのため、第1導入口92よりも下方に位置する第2導入口93の方が、液体収容部60c内の液体を吸い込みやすい。なお、図9に示されているように、本実施形態では、スペーサー部材90は、+D方向側だけではなく、+W方向側および−W方向側にも、それぞれ、傾斜面を有している。
【0051】
第1導入口92および第2導入口93は、+D方向側を向いている。また、第1導入口92および第2導入口93は、図6に示した液体導出部52の中心軸CXを中心に、T方向について対照の位置に設けられている。第1導入口92は、中心軸CXよりも上側に設けられており、第2導入口93は、中心軸CXによりも下側に設けられている。
【0052】
図11は、スペーサー部材90および液体導出管80の第1の斜視図である。液体導出管80のうちの第1流路部81の第1先端部81bは、第1導入口92と接続される。より詳しくは、背面部材94の−D方向側の面に、第1導入口92に連通する図10に示した筒状の第1接続管92aが設けられており、この第1接続管92aが、第1流路部81の第1先端部81bに挿入されることにより、第1流路部81の第1先端部81bが第1導入口92に接続される。
【0053】
図12は、スペーサー部材90および液体導出管80の第2の斜視図である。液体導出管80のうちの第2流路部82の第2先端部82bは、第2導入口93と接続される。より詳しくは、背面部材94の−D方向側の面に、第2導入口93に連通する図10に示した筒状の第2接続管93aが設けられており、この第2接続管93aが、第2流路部82の第2先端部82bに挿入されることにより、第2流路部82の第2先端部82bが第2導入口93に接続される。本実施形態では、第2接続管93aおよび第1接続管92aのD方向に沿った長さは同じである。
【0054】
図11および図12に示したように、本実施形態では、第1流路部81の第1先端部81bと、第1流路部81の第2先端部82bとが、それぞれ、スペーサー部材90に固定されている。これに対して、他の実施形態では、第1流路部81の第1先端部81bおよび第2流路部82の第2先端部82bの少なとも一方が、スペーサー部材90と分離していてもよい。この場合、スペーサー部材90から分離した第1先端部81bまたは第2先端部82bは、スペーサー部材90を介することなく、直接的に液体を導入してもよい。
【0055】
図11および図12に示されているように、スペーサー部材90は、溝状の第1流路95と第2流路96とを備えている。第1流路95は、液体を、+D方向から、−D方向に位置する第1導入口92および第2導入口93に流すための流路である。第2流路96は、液体をD方向と交わる方向に流通させる流路である。本実施形態では、複数の第2流路96が形成されている。第2流路96は、スペーサー部材90の傾斜面91から鉛直方向にW方向に沿って延びる溝を形成することによって構成されている。なお、第2流路96は、W方向およびD方向の両方に交わる方向に液体を流通させるように形成されていてもよい。また、他の実施形態では、第1流路95および第2流路96の少なくとも一方を省略することも可能である。
【0056】
本実施形態では、スペーサー部材90は、水平面に沿った板状の仕切り部97を備えている。仕切り部97は、T方向において、第1先端部81bと第2先端部82bとの間の位置、すなわち、第1導入口92および第2導入口93の間の位置に設けられている。本実施形態では、仕切り部97は、液体導出部52の中心軸CXを通る。つまり、本実施形態では、仕切り部97は、液体収容部60cの中心に水平に設けられている。複数の第2流路96は、仕切り部97上に、複数のリブが設けられることにより形成されているともいえる。なお、他の実施形態では、仕切り部97は省略されてもよい。
【0057】
図13は、液体収容体20の一部の第1の分解斜視図である。図14は、液体収容体20の一部の第2の分解斜視図である。液体収容体20の製造にあたり、まず、スペーサー部材90が、連結部材85に設けられた第2係止部86と液体導出部材66に設けられた爪部59とが接続されることにより液体導出部材66に固定される。そして、第1流路部81および第2流路部82を含む液体導出管80が、スペーサー部材90および液体導出部材66に接続される。スペーサー部材90および液体導出管80が接続された液体導出部材66は、スペーサー部材90側から、一端部60a側に予め開口部60dが設けられた袋60の内部に、開口部60dを通じて挿入される。スペーサー部材90および液体導出管80が袋60内に挿入されると、袋60の開口部60dが、液体導出部材66の外周に設けられた溶着部66aに溶着されて接合される。溶着部66aは、液体導出部材66の中で最も外周が大きい部位である。開口部60dの内周の寸法は、液体導出部材66の溶着部66aの外周の寸法よりも等しいか大きい。また、液体導出部材66の溶着部66aの外周の寸法は、スペーサー部材90の最も大きな外周を有する背面部材94の外周の寸法よりも大きい。つまり、本実施形態では、液体導出部材66よりも袋60に先に挿入されるスペーサー部材90の方が、液体導出部材66よりも小さな外周を有するので、液体収容体20の製造時にスペーサー部材90を袋60内に容易に挿入できる。従って、製造時に袋60がスペーサー部材90に過度に接触することによって損傷することを抑制できる。以下では、スペーサー部材90および液体導出管80が内部に挿入され、開口部60dが液体導出部材66の溶着部66aに溶着された袋60のことを、「袋ユニット60u」と呼ぶ。
【0058】
図15は、接続部材61の分解斜視図である。接続部材61は、T方向に分割可能であり、蓋部材61aと底部材61bとを備えている。蓋部材61aと底部材61bとによって、袋ユニット60uの−D方向側の端部を+T方向側と−T方向側とから挟み込むことにより、袋ユニット60uが接続部材61に固定される。
【0059】
蓋部材61aには、主に識別部54が形成されている。底部材61bには、主に、挿入部58や凹部53aが形成されている。本実施形態では、底部材61bには、第1突起61cと第2突起61dとが、+T方向に向けて設けられている。第1突起61cと第2突起61dとは、W方向において挿入部58を挟む位置に設けられている。液体導出部材66のうち、袋60から−D方向に露出した部分に設けられた固定部66sには、液体導出部52を挟む位置に、第1貫通孔66cと第2貫通孔66dとが設けられている。第1貫通孔66cには第1突起61cが挿入され、第2貫通孔66dには第2突起61dが挿入される。蓋部材61aと底部材61bとの間には、液体導出部材66の固定部66sとともに、袋60の−D方向側の端部の一部が挟み込まれる。このような構造により、接続部材61は、液体導出部材66と袋60の一端部60aの一部とを外側から覆うように、袋60の一端部60aに取り付けられる。
【0060】
図16は、袋60の形状および内部剛性部材87の位置を示す説明図である。図16では、説明の便宜上、袋60に対して、内部剛性部材87を重ねて示している。袋60は、上述したように、シール部600を液体収容部60cの周囲に備えている。本実施形態では、シール部600は、液体収容部60cの+D方向側、−D方向側、+W方向側、−W方向側に形成されている。つまり、シール部600は、袋60の四辺に沿って形成されている。ただし、液体収容部60cの−D方向側については、袋60の液体導出部材66が挿入される部分には、シール部600は形成されていない。
【0061】
シール部600は、−D方向側の端部に、W方向に沿って形成された一端部側シール部601を含んでいる。本実施形態では、この一端部側シール部601の、少なくとも接続部材61の周辺領域PAにおける幅である第1幅W1が、袋60の他の端部におけるシール部600の幅である第2幅W2よりも大きい。袋60の他の端部とは、袋60の一端部60aを除く端部であり、他端部60bと、+W方向側の端部と、−W方向側の端部とを含む。
【0062】
周辺領域PAとは、一端部側シール部601のうち、W方向において接続部材61と隣り合った部分を有する領域である。周辺領域PAは、接続部材61とW方向において接していてもよく、接していなくてもよい。周辺領域PAは、接続部材61とD方向において接していてもよく、接していなくてもよい。周辺領域PAは、接続部材61とT方向において重なり合っていてもよく、重なり合っていなくてもよい。周辺領域PAは、接続部材61と周辺領域PAとの間に、他の部品や要素が介在する余地がない程度に、接続部材61と近い位置にある。接続部材61の−T方向の端部から一端部側シール部601までの距離を「シール部高さTA」と呼ぶ場合、周辺領域PAは、一端部側シール部601のうち、W方向において、接続部材61の−W方向の端部からシール部高さTAに相当する寸法、−W方向に広がる領域と、接続部材61の+W方向の端部からシール部高さTAに相当する寸法、+W方向に広がる領域と、を含むことが好ましい。また、図16に示すように、接続部材61のW方向に沿った幅を「接続部材幅WA」と呼ぶ場合、周辺領域PAは、一端部側シール部601のうち、W方向において、接続部材61の−W方向の端部から、接続部材幅WAの半分に相当する寸法、−W方向に広がる領域と、接続部材61の+W方向の端部から、接続部材幅WAの半分に相当する寸法、+W方向に広がる領域と、を含むことがより好ましい。ただし、本実施形態では、一端部側シール部601の幅は、周辺領域PAを含む全領域に亘って、袋60の他の端部の幅である第2幅W2よりも大きい。なお、周辺領域PAにおいて、一端部側シール部601の幅が変化している場合には、第1幅W1は、周辺領域PAにおける一端部側シール部601の幅の平均値であるものとする。また、袋60の+W方向側のシール部600の第2幅W2と、−W方向側のシール部600の第2幅W2と、+D方向側のシール部600の第2幅W2とがそれぞれ異なる場合には、第1幅W1は、それらの第2幅W2の最大値よりも大きい。
【0063】
一端部側シール部601の第1幅W1を有する部分の+D方向側の端部は、接続部材61の+D方向側の端部よりも、+D方向側に位置している。つまり、D方向において、接続部材61は、一端部側シール部601の+D方向側の端部よりも、−D方向側に設けられている。
【0064】
本実施形態では、一端部側シール部601は、W方向の端部に2つの第1角部C1を有している。2つの第1角部C1における一端部側シール部601のD方向に沿った幅である第3幅W3は、第1幅W1よりも大きい。本実施形態では、第3幅W3は、W方向の端部へ向かうほど大きくなっている。なお、他の実施形態では、2つの第1角部C1のうち、1つの第1角部C1の第3幅W3が第1幅W1よりも大きくてもよい。
【0065】
本実施形態では、連結部材85およびスペーサー部材90によって構成される内部剛性部材87の+D方向側の端部は、液体収容部60cの内部領域をD方向に3つの領域に三等分した場合において、それら3つの領域のうちの中央の領域CAに存在する。また、本実施形態では、内部剛性部材87は、液体収容部60cの内部領域をW方向に3つの領域に三等分した場合において、それら3つの領域のうちの中央の領域に存在する。なお、内部剛性部材87の+D方向側の端部は、液体収容部60cの内部領域をD方向に5つの領域に五等分した場合において、それら5つの領域のうちの中央の領域に存在していてもよい。また、内部剛性部材87の+D方向側の端部は、液体収容部60cの内部領域の中心に位置していてもよい。
【0066】
図17は、接続部材61の+T方向側の外観形状を+D方向側から示す斜視図である。図18は、接続部材61の−T方向側の外観形状を+D方向側から示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態の接続部材61は、+D方向側の端部かつW方向の端部に、4つの第2角部C2を有する。そして、4つの第2角部C2は、いずれも面取りされた形状を有している。面取りの形状は、丸み面取りでもよいし、45度面取りでもよい。なお、接続部材61は、4つの第2角部C2に限らず、+D方向側の端部に、面取りされた辺を有していてもよい。
【0067】
以上で説明した本実施形態の液体収容体20によれば、接続部材61の周辺領域PAにおける袋60のシール部600の第1幅W1が、他の部分の第2幅W2よりも大きいので、液体収容部60c内の液体の波打ちや脈動によって袋60の厚みが部分的に変動し、その厚みの変動の影響が接続部材61に伝わることを抑制できる。そのため、接続部材61が液体噴射装置11に対して位置ずれすることが抑制され、液体噴射装置11に液体を安定して供給できる。特に本実施形態では、袋60の幅が大きいため、接続部材61に対して、液体の波打ちや脈動の影響が及びやすくなる。しかし、本実施形態では、上記のとおり、接続部材61の周辺領域PAにおける袋60のシール部600の第1幅W1が、他の部分の第2幅W2よりも大きいので、接続部材61にそのような影響が及ぶことを効果的に抑制できる。
【0068】
また、本実施形態では、一端部側シール部601がW方向に第1角部C1を有し、その第1角部C1におけるシール部600の第3幅W3が、周辺領域PAにおける第1幅W1よりも大きい。そのため、一端部側シール部601の第1角部C1に、液体収容部60c内の液体の圧力が加わることによって応力が集中することを抑制できる。そのため、一端部側シール部601の第1角部C1から液体が漏洩することを抑制できる。
【0069】
また、本実施形態の液体収容体20は、液体導出部材66に接続され、液体収容部60c内において、液体導出部材66から+D方向に延びる内部剛性部材87を備えている。そのため、接続部材61に対する液体の波打ちや脈動の影響が抑えられることによって内部剛性部材87に応力が蓄積することも抑制できる。そのため内部剛性部材87の破損も抑制できる。
【0070】
また、本実施形態では、内部剛性部材87の+D方向の端部は、液体収容部60cの内部領域をD方向に沿って3つの領域CAに三等分した場合において、3つの領域のうちの中央の領域CAに存在している。そのため、液体収容部60cの中央から液体導出部材66に液体を供給しやすい。従って、液体収容部60cの内部領域から均等に液体を導出することができる。
【0071】
また、本実施形態では、接続部材61の+D方向側の第2角部C2は、面取りされた形状を有している。そのため、液体収容体20が、接続部材61を下方に向けて落下し、接続部材61上に袋60が覆い被さるように着地した場合等において、袋60の表面が、接続部材61の+D方向側の第2角部C2に接触して損傷することを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、液体噴射装置11に備えられた液体導入針32の先端部323が、円錐台324と円錐325との組み合わせによって構成されることにより、全体として円錐形状を呈し、その円錐面に段差を有する形態となっている。そのため、未使用の液体収容体20の液体導出部材66に設けられたフィルムFLを液体導入針32が突き破る際に、液体導入針32とフィルムFLとの間に隙間が生じ、これにより、フィルムFLに対する先端部323の突き刺し性を高めることができる。従って、フィルムFLを破る荷重を低減させることができ、液体導入針32を液体導出部材66に容易に挿入することができる。また、本実施形態によれば、液体導入針32を液体導出部材66に容易に挿入することができるので、液体導入針32を液体導出部材66内で安定した状態にすることができる。従って、袋60内の液体に波打ちや脈動が生じた場合でも、液体収容体20から液体噴射装置11に液体を安定して供給させることができる。
【0073】
また、本実施形態の液体収容体20によれば、袋60に設けられた液体収容部60c内に液体導出管80が設けられているので、液体導出管80の周囲に液体の流路が確保され、袋60内の流路が塞がれにくくなる。また、液体導出管80の+D方向側の端部が、実質的な供給口、つまり、直接的に液体を液体噴射装置11に供給する供給口となり、液体導出管80の+D方向側の端部よりも奥側に、スペーサー部材90があるので、液体導出管80の+D方向側の端部や、さらにその奥側の流路も塞がれにくくなる。更に、スペーサー部材90には、液体を吸い込む方向の奥側に、傾斜面91が設けられているため、袋60が、その形状に従って奥側から手前側に潰れやすくなり、スペーサー部材90の奥側の流路も塞がれにくくなる。従って、本実施形態によれば、袋60の収縮に伴って、液体を液体噴射装置11に十分に供給できなくなる可能性を低減することができる。また、本実施形態では、スペーサー部材90に第1流路95や第2流路96が形成されているため、袋60の収縮に伴って、液体収容部60c内の流路が閉塞することをより効果的に抑制できる。
【0074】
また、本実施形態では、液体導出管80が第1流路部81と第2流路部82とを備えており、第1流路部81で濃度の低い液体を、第2流路部82で濃度の高い液体を、それぞれ吸い込み、両者を液体導出部52で合流させてから液体噴射装置11に供給することができるので、液体噴射装置11に供給する液体の濃度をより安定させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、装着姿勢において、スペーサー部材90の最下部とスペーサー部材90の最上部のうち、少なくとも一方が、袋60の内面と接触しているので、袋60が、スペーサー部材90との接触部分からスペーサー部材90の傾斜面91の形状に沿って収縮しやすくなり、液体収容部60c内の流路の閉塞をより効果的に抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態では、第1流路部81の第1先端部81bと第2流路部82の第2先端部82bとが、それぞれスペーサー部材90に固定されている。そのため、実質的な供給口となる第1先端部81bと第2先端部82bの位置が、それぞれ変化しない。また、持ち運びの時に落下などで液体収容体20に衝撃が加わったときに液体導出管80がスペーサー部材90から外れにくい。そのため、液体噴射装置11に供給する液体の濃度をより安定させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、装着姿勢において、第1流路部81の第1基端部81aと第2流路部82の第2基端部82aとは水平方向に並んでおり、第1先端部81bと第2先端部82bとは鉛直方向に並んでいる。そのため、第1先端部81bと第2先端部82bとがW方向に移動しにくくなるので、安定した位置で液体を吸い込むことができる。また、第1流路部81および第2流路部82から吸い込まれた液体が、鉛直方向に並んで流れる状態から水平方向に並んで流れる状態に転換された後で混ざり合うため、液体噴射装置11に供給する液体の濃度をより安定させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、スペーサー部材90が、液体導出部材66に固定されているので、スペーサー部材90と液体導出部材66との位置関係を安定させることができる。従って、液体収容体20の個体に応じて液体噴射装置11に供給する液体の濃度が変動する可能性を低減することができる。
【0079】
また、本実施形態では、スペーサー部材90に、液体をD方向と交わる方向に流通させる第2流路96が形成されているので、D方向以外の方向からも液体を吸い込むことが容易になる。そのため、液体の濃度差がD方向以外の方向で発生している場合において、液体噴射装置11に供給する液体の濃度をより安定させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、スペーサー部材90に仕切り部97が設けられており、仕切り部97は、T方向において、第1流路部81の第1先端部81bと第2流路部82の第2先端部82bとの間の位置に設けられているので、液体収容部60c内の上側に存在する濃度の低い液体と下側に存在する濃度の高い液体とが第1先端部81bおよび第2先端部82bの近辺にて混ざりにくくなる。そのため、濃度の低い液体が、第1先端部81bと第2先端部82bの両方から吸い込まれてしまい、濃度の高い液体が吸い込まれにくくなることを抑制することができる。この結果、液体噴射装置11に供給する液体の濃度をより安定させることができる。
【0081】
B.第2実施形態:
図19は、第2実施形態における液体収容体20Aの構成を示す説明図である。図19においても、図16と同様に、説明の便宜上、袋60に対して、内部剛性部材87を重ねて示している。第2実施形態の液体収容体20Aは、袋60のD方向に沿った寸法が、第1実施形態の液体収容体20よりも長い。より詳しくは、本実施形態における袋60のD方向に沿った寸法は、W方向に沿った寸法およびT方向に沿った寸法よりも大きい。また、本実施形態では、袋60のW方向に沿った寸法は、T方向に沿った寸法よりも大きい。液体収容体20Aの袋60の大きさ以外の構成は、第1実施形態と同じである。本実施形態では、袋60のD方向に沿った寸法が第1実施形態から拡大されたのに対応して、連結部材85の長さも+D方向に延長されている。そして、本実施形態においても、連結部材85およびスペーサー部材90から構成される内部剛性部材87の+D方向側の端部は、第1実施形態と同様に、液体収容部60cの内部領域をD方向に沿って3つの領域に三等分した場合において、それら3つの領域のうちの中央の領域CAに存在する。従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、液体収容部60cの中央から、接続部材61によって覆われた液体導出部材66に液体を供給しやすい。従って、液体収容部60cの内部領域から均等に液体を導出することができる。
【0082】
C.第3実施形態:
図20は、第3実施形態における液体収容体20Bの構成を示す説明図である。図20においても、図16と同様に、説明の便宜上、袋60に対して、内部剛性部材87を重ねて示している。上記第1実施形態では、一端部側シール部601におけるシール部600の幅は、一端部側シール部601の全領域に亘って、袋60の他の端部の幅である第2幅W2よりも大きい。これに対して、第3実施形態では、一端部側シール部601のうち、周辺領域PAを除く領域の幅W4は、第1幅W1よりも小さい。このような場合であっても、周辺領域PAにおける一端部側シール部601の幅は、袋60の他の端部の幅である第2幅W2よりも大きいので、液体の波打ちや脈動の影響が接続部材61に及ぶことを抑制できる。なお、一端部側シール部601のうち、周辺領域PAを除く領域の幅W4は、他の端部の幅である第2幅W2と同じか第2幅W2よりも大きいことが好ましい。
【0083】
D.他の実施形態:
(D−1)上記第1実施形態では、一端部側シール部601の第1角部C1における幅である第3幅W3は、周辺領域PAにおける第1幅W1よりも大きい。これに対して、一端部側シール部601の角部における第3幅W3は、周辺領域PAにおける第1幅W1と同一か、または、第1幅W1よりも小さくてもよい。
【0084】
(D−2)上記実施形態では、液体収容部60c内において液体導出部材66から+D方向に延びる内部剛性部材87を備えている。これに対して、液体収容体20は、内部剛性部材87を備えていなくてもよい。また、上記実施形態では、内部剛性部材87は、連結部材85とスペーサー部材90とによって構成されているが、連結部材85のみによって構成されてもよい。
【0085】
(D−3)上記実施形態では、接続部材61の+D方向側の4つの第2角部C2は、いずれも面取りされた形状を有しているが、第2角部C2のうちの一部が面取りされていてもよいし、すべての第2角部C2が面取りされていなくてもよい。
【0086】
(D−4)本発明は、インクジェットプリンター、及び、インクジェットプリンターにインクを供給するための液体収容体に限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びそれらの液体噴射装置に用いられる液体収容体にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置およびその液体収容体に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置。
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置。
(6)潤滑油の噴射装置。
(7)樹脂液の噴射装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ等の光学レンズを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置。
【0087】
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が消費できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
【0088】
E.他の形態:
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0089】
(1)本発明の一形態によれば、液体を液体噴射装置に供給するための液体収容体が提供される。この液体収容体は、互いに直交する3つの方向を、D方向、T方向、及びW方向とし;前記D方向のうち、正方向を+D方向とし、前記+D方向と逆の方向を−D方向とし;前記液体収容体の外形のうち、最も寸法が小さい方向をT方向とし;前記D方向及び前記T方向と直交する方向をW方向としたとき;前記液体収容体が前記液体噴射装置に装着された状態で、前記D方向と前記W方向とは水平であり;可撓性を有し、内部に前記液体を収容する液体収容部が設けられた袋と;前記袋の前記−D方向側の一端部に取り付けられた液体導出部材と;前記液体導出部材と前記一端部の一部とを外側から覆うように、前記一端部に取り付けられている接続部材と;を備える。そして、前記袋は、前記液体収容部よりも外周側にシール部を有し;前記シール部は、前記−D方向側の端部に、前記W方向に沿って形成された一端部側シール部を含み;前記一端部側シール部の、少なくとも前記接続部材の周辺領域における幅である第1幅が、前記袋の他の端部における前記シール部の幅である第2幅よりも大きく;前記一端部側シール部の前記第1幅を有する部分の前記+D方向側の端部は、前記接続部材の前記+D方向側の端部よりも前記+D方向側に位置する。
このような形態の液体収容体によれば、袋の一端部に取り付けられた接続部材の周辺領域における袋のシール部の幅が、袋の他の端部におけるシール部の幅よりも大きいので、液体収容部内の液体の波打ちや脈動の影響が接続部材に伝わることを抑制できる。そのため、接続部材が液体噴射装置に対して位置ずれすることが抑制され、液体噴射装置にインクを安定して供給できる。
【0090】
(2)上記形態の液体収容体において、前記一端部側シール部は、前記W方向の端部に第1角部を有し、前記第1角部における前記一端部側シール部の幅である第3幅は、前記第1幅よりも大きくてもよい。
このような形態の液体収容体であれば、一端部側シール部の第1角部付近に応力が集中することを抑制できるので、袋から液体が漏洩することを抑制できる。
【0091】
(3)上記形態の液体収容体は、更に、前記液体導出部材に接続され、前記液体収容部内において前記液体導出部材から前記+D方向に延びる内部剛性部材を有してもよい。
このような形態の液体収容体であれば、接続部材に対する液体の波打ちや脈動の影響が抑えられることによって内部剛性部材に応力が蓄積することも抑制できる。そのため内部剛性部材の破損も抑制できる。
【0092】
(4)上記形態の液体収容体において、前記内部剛性部材の前記+D方向の端部は、前記液体収容部の内部領域を前記D方向に3つの領域に三等分した場合において、前記3つの領域のうちの中央の領域に存在してもよい。
このような形態の液体収容体であれば、液体収容部の中央から液体導出部材に液体を供給しやすい。
【0093】
(5)上記形態の液体収容体において、前記接続部材は、前記+D方向の端部かつ前記W方向の端部に、第2角部を有し、前記第2角部は、面取りされた形状を有してもよい。
このような形態の液体収容体であれば、液体収容体の落下時等において、袋の表面が接続部材の第2角部によって損傷することを抑制できる。
【0094】
(6)本発明の他の形態によれば、液体導出部材を有する液体収容体が着脱可能に装着される液体噴射装置が提供される。この液体噴射装置は、前記液体導出部材に挿入される中空の液体導入針を有し;前記液体導入針の先端部は、第1底面と、前記第1底面よりも径が小さい上面とを有する円錐台と;前記円錐台の前記上面に設けられ、前記円錐台の前記上面よりも径が小さい第2底面を有する円錐と;の組み合わせによって構成され;前記円錐の中心軸は、前記円錐台の中心軸と一致する。
このような形態の液体噴射装置によれば、液体導入針の先端部が、円錐台と円錐との組み合わせによって構成されているので、液体導入針を液体収容体の液体導出部材に容易に挿入できる。そのため、液体導出部材内で液体導入針を安定した状態にすることができ、液体収容体から液体噴射装置に液体を安定して供給できる。
【0095】
本発明は、上述した液体収容体や液体噴射装置としての形態以外にも、種々の形態で実現することが可能である。例えば、液体収容体と液体噴射装置とを備えるシステムや液体収容体の製造方法等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0096】
11…液体噴射装置、12…外装体、13…容器、13a…開口、14…装着部、15…前蓋、16…カセット、17…装着口、18…排出トレイ、19…操作パネル、20,20A,20B…液体収容体、21…液体噴射部、22…キャリッジ、29…接続機構、29F…第1接続機構、29S…第2接続機構、32…液体導入針、38…アーム、39…第1係止部、40…端子部、40a…案内凸部、41…電気回線、42…制御装置、44…ブロック、45…第1位置決め突部、46…第2位置決め突部、47…押出機構、47a…枠部材、47b…押圧部、47c…付勢部、48…液受部、50…装着体、51…接続構造、51F…第1接続構造、51S…第2接続構造、52…液体導出部、53…接続端子、53a…凹部、53g…案内凹部、54…識別部、55…第1位置決め穴、55a…第1穴、55b…第1穴、56…第2位置決め穴、56a…第2穴、56b…第2穴、57…付勢受部、58…挿入部、59…爪部、60…袋、60a…一端部、60b…他端部、60c…液体収容部、60d…開口部、60u…袋ユニット、61…接続部材、61a…蓋部材、61b…底部材、61c…第1突起、61d…第2突起、62…取っ手部、62a…把持部、62b…軸部、63…回動軸、65…係合受部、66…液体導出部材、66a…溶着部、66c…第1貫通孔、66d…第2貫通孔、66s…固定部、67…底板、68…側板、69…前板、70…先板、72…被案内部、72a…第2規制部、72b…第2曲面部、73…案内部、73a…第1規制部、73b…第1曲面部、78…係合溝、80…液体導出管、80a…基端部、81…第1流路部、81a…第1基端部、81b…第1先端部、82…第2流路部、82a…第2基端部、82b…第2先端部、85…連結部材、86…第2係止部、87…内部剛性部材、90…スペーサー部材、91…傾斜面、92…第1導入口、92a…第1接続管、93…第2導入口、93a…第2接続管、94…背面部材、95…第1流路、96…第2流路、97…仕切り部、321…円筒部、322…液体導入口、323…先端部、324…円錐台、324b…第1底面、324t…上面、325…円錐、325b…第2底面、325t…頂点、600…シール部、601…一端部側シール部、C1…第1角部、C2…第2角部、CA…領域、AX…中心軸、CX…中心軸、FL…フィルム、PA…周辺領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20