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特開2019-210027嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-210027(P2019-210027A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20191115BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20191115BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20191115BHJP
   B65D 6/02 20060101ALI20191115BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191115BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20191115BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   B65D43/06
   H02G3/14
   H02G3/16
   B65D6/02
   B60R16/02 610B
   H05K7/00 K
   H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-109345(P2018-109345)
(22)【出願日】2018年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸寛
【テーマコード(参考)】
3E061
3E084
4E352
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB09
3E061AD02
3E061BB05
3E061DA02
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB18
3E084DC03
3E084FA09
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD30
4E352BB02
4E352BB15
4E352GG04
4E360AB02
4E360AB13
4E360AB34
4E360BA01
4E360BB22
4E360BC04
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA18
4E360GA29
4E360GA52
4E360GB93
5G361AA06
5G361AB09
5G361AC01
5G361AC03
5G361BA06
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めること。
【解決手段】第1嵌合部材120が有する内方の第1開口周縁部10及び外方の第2開口周縁部20と、第1嵌合部材120に嵌め合わされる第2嵌合部材130が有し、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20との間の隙間に嵌合される開口周縁部30と、嵌合状態での第2開口周縁部20の内壁面21側と開口周縁部30の外壁面31側との間に形成される緩衝部40と、を備え、緩衝部40は、第2開口周縁部20の内壁面21側と開口周縁部30の外壁面31側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、
前記第1嵌合部材に嵌め合わされる第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、
嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、
を備え、
前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴とした嵌合体の防液構造。
【請求項2】
前記第2開口周縁部の内壁面と前記開口周縁部の外壁面との間における前記緩衝部よりも前記第2開口周縁部の開口側に、前記緩衝部における前記第2開口周縁部の内壁面と前記開口周縁部の外壁面との間の隙間よりも狭い間隙部を設けることを特徴とした請求項1に記載の嵌合体の防液構造。
【請求項3】
前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側に設けた外側凹部と、前記開口周縁部の外壁面側に設けた内側凹部と、で囲われた空間部であることを特徴とした請求項1又は2に記載の嵌合体の防液構造。
【請求項4】
前記第2開口周縁部は、前記第1開口周縁部の外壁面における前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合方向における全部又は一部に対向配置される外側基部と、前記外側基部よりも自らの開口側で内壁面を前記外側基部の内壁面よりも凹ませて前記外側凹部を形成する外側薄肉部と、を有し、
前記開口周縁部は、内側基部と、前記内側基部よりも自らの開口側で外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませて前記内側凹部を形成する内側薄肉部と、を有することを特徴とした請求項3に記載の嵌合体の防液構造。
【請求項5】
前記外側薄肉部は、前記外側基部よりも前記第2開口周縁部の開口側で且つ前記第2開口周縁部の開口側端面までの間の内壁面を前記外側基部の内壁面よりも凹ませた部位であり、前記外側凹部としての第1外側凹部と、前記第1外側凹部よりも前記第2開口周縁部の開口側で且つ前記第2開口周縁部の前記開口側端面までの間の第2外側凹部と、を形成し、
前記内側薄肉部は、前記内側基部よりも前記開口周縁部の開口側で且つ前記開口周縁部の開口側端面までの間の外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませた部位であり、前記内側凹部としての第1内側凹部と、前記第1内側凹部よりも前記開口周縁部の開口側で且つ前記開口周縁部の前記開口側端面までの間の第2内側凹部と、を形成することを特徴とした請求項4に記載の嵌合体の防液構造。
【請求項6】
前記第1及び第2の嵌合部材が嵌合状態のときには、前記外側薄肉部の前記第2外側凹部における内壁面と前記内側基部の外壁面とを対向配置させ、
前記開口周縁部は、前記内側基部を間に挟んだ前記内側薄肉部側とは逆側に外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませた薄肉部を設けることによって、前記内側基部を前記内側薄肉部及び前記薄肉部のそれぞれの外壁面よりも突出させた凸状に形成することを特徴とした請求項5に記載の嵌合体の防液構造。
【請求項7】
電子部品を内方に収容する筐体を備え、
前記筐体は、互いに嵌合させる第1及び第2の嵌合部材を少なくとも有すると共に、前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合部位の防液性を保つための防液構造を有し、
前記防液構造は、前記第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、前記第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、を備え、
前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴とした電気接続箱。
【請求項8】
電子部品と、
前記電子部品に対して電気的に接続された電線と、
前記電子部品及び前記電線を内方に収容し、前記電線を内方から外方へと引き出す筐体と、
を備え、
前記筐体は、互いに嵌合させる第1及び第2の嵌合部材を少なくとも有すると共に、前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合部位の防液性を保つための防液構造を有し、
前記防液構造は、前記第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、前記第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、を備え、
前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴としたワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の嵌合部材を嵌め合わせた嵌合体が知られている。その嵌合体は、例えば、内方に収容室を有する筐体として形成することが可能であり、電子部品を収容する電気接続箱の筐体、電子部品及び電線を収容し、外方に引き出されたその電線と共にワイヤハーネスを構成する電気接続箱の筐体等として利用することができる。下記の特許文献1及び2には、この種の嵌合体について開示されている。その特許文献1及び2の嵌合体は、一方の嵌合部材としてのアッパカバーと、このアッパカバーに嵌め合わされる他方の嵌合部材としてのボックス本体と、を備える。アッパカバーには、内方に空間部を有する二重壁部が2箇所に設けられている。その二重壁部は、ボックス本体との間の嵌合方向で当該ボックス本体に対向配置される開口を有している。この二重壁部の内方の空間部は、アッパカバーとボックス本体とが嵌合状態のときに当該ボックス本体で開口が塞がれることによって、浸入してきた水の勢いを抑える緩衝部として形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−285184号公報
【特許文献2】特開2010−288371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の嵌合体の防液構造は、緩衝部毎に二重壁部を設けており、それぞれの二重壁部を嵌合方向に対する直交方向にずらしているので、その直交方向での嵌合体の体格の大型化を招いてしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めることが可能な嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネスを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明に係る嵌合体の防液構造は、第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、前記第1嵌合部材に嵌め合わされる第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、を備え、前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴としている。
【0007】
ここで、前記第2開口周縁部の内壁面と前記開口周縁部の外壁面との間における前記緩衝部よりも前記第2開口周縁部の開口側に、前記緩衝部における前記第2開口周縁部の内壁面と前記開口周縁部の外壁面との間の隙間よりも狭い間隙部を設けることが望ましい。
【0008】
また、前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側に設けた外側凹部と、前記開口周縁部の外壁面側に設けた内側凹部と、で囲われた空間部であることが望ましい。
【0009】
また、前記第2開口周縁部は、前記第1開口周縁部の外壁面における前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合方向における全部又は一部に対向配置される外側基部と、前記外側基部よりも自らの開口側で内壁面を前記外側基部の内壁面よりも凹ませて前記外側凹部を形成する外側薄肉部と、を有し、前記開口周縁部は、内側基部と、前記内側基部よりも自らの開口側で外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませて前記内側凹部を形成する内側薄肉部と、を有することが望ましい。
【0010】
また、前記外側薄肉部は、前記外側基部よりも前記第2開口周縁部の開口側で且つ前記第2開口周縁部の開口側端面までの間の内壁面を前記外側基部の内壁面よりも凹ませた部位であり、前記外側凹部としての第1外側凹部と、前記第1外側凹部よりも前記第2開口周縁部の開口側で且つ前記第2開口周縁部の前記開口側端面までの間の第2外側凹部と、を形成し、前記内側薄肉部は、前記内側基部よりも前記開口周縁部の開口側で且つ前記開口周縁部の開口側端面までの間の外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませた部位であり、前記内側凹部としての第1内側凹部と、前記第1内側凹部よりも前記開口周縁部の開口側で且つ前記開口周縁部の前記開口側端面までの間の第2内側凹部と、を形成することが望ましい。
【0011】
また、前記第1及び第2の嵌合部材が嵌合状態のときには、前記外側薄肉部の前記第2外側凹部における内壁面と前記内側基部の外壁面とを対向配置させ、前記開口周縁部は、前記内側基部を間に挟んだ前記内側薄肉部側とは逆側に外壁面を前記内側基部の外壁面よりも凹ませた薄肉部を設けることによって、前記内側基部を前記内側薄肉部及び前記薄肉部のそれぞれの外壁面よりも突出させた凸状に形成することが望ましい。
【0012】
また、上記目的を達成する為、本発明に係る電気接続箱は、電子部品を内方に収容する筐体を備え、前記筐体は、互いに嵌合させる第1及び第2の嵌合部材を少なくとも有すると共に、前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合部位の防液性を保つための防液構造を有し、前記防液構造は、前記第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、前記第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、を備え、前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴としている。
【0013】
また、上記目的を達成する為、本発明に係るワイヤハーネスは、電子部品と、前記電子部品に対して電気的に接続された電線と、前記電子部品及び前記電線を内方に収容し、前記電線を内方から外方へと引き出す筐体と、を備え、前記筐体は、互いに嵌合させる第1及び第2の嵌合部材を少なくとも有すると共に、前記第1及び第2の嵌合部材の嵌合部位の防液性を保つための防液構造を有し、前記防液構造は、前記第1嵌合部材が有する内方の第1開口周縁部及び外方の第2開口周縁部と、前記第2嵌合部材が有し、前記第1開口周縁部と前記第2開口周縁部との間の隙間に嵌合される開口周縁部と、嵌合状態での前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側との間に形成される緩衝部と、を備え、前記緩衝部は、前記第2開口周縁部の内壁面側と前記開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る嵌合体の防液構造は、嵌合体の外方から浸入してきた液体の勢いを緩衝部で抑えることができる。よって、この嵌合体の防液構造は、嵌合体の内方の空間への液体の浸入を抑えることができる。そして、この防液構造は、第2開口周縁部の内壁面側と開口周縁部の外壁面側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して緩衝部が形成されているので、第1開口周縁部と第2開口周縁部と開口周縁部のそれぞれの筒軸方向に対する直交方向の体格の大型化を抑えることができる。このように、本発明に係る嵌合体の防液構造は、嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めることができる。また、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスは、その防液構造を具備するものであり、この防液構造と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態の防液構造と電気接続箱の筐体の分解斜視図である。
図2図2は、実施形態の防液構造と電気接続箱の筐体を別角度から見た分解斜視図である。
図3図3は、実施形態の防液構造が適用された電気接続箱及びワイヤハーネスを示す斜視図である。
図4図4は、図3のX−X線断面図であって、防液構造の部分拡大図である。
図5図5は、図3のY−Y線断面図であって、防液構造の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
[実施形態]
本発明に係る嵌合体の防液構造、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図5に基づいて説明する。
【0018】
図1から図4の符号1は、本実施形態における嵌合体の防液構造を示す。嵌合体とは、少なくとも2つの嵌合部材が嵌め合わされた構造体のことである。防液構造1とは、その2つの嵌合部材の嵌合部位の防液性を保つための構造のことであり、その嵌合部位における嵌合体の外方から内方の空間への液体の浸入を抑えるために設ける。
【0019】
本実施形態の防液構造1は、電気接続箱100の筐体110として形成された嵌合体の防液性を図るものであり(図3)、その筐体110の内方の収容室への液体の浸入を抑えるべく構成する。防液構造1は、後述する第1嵌合部材120が有する内方の第1開口周縁部10(図2及び図4)及び外方の第2開口周縁部20(図1から図4)と、その第1嵌合部材120に嵌め合わされる第2嵌合部材130が有し、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20との間の隙間に嵌合される開口周縁部30(図1及び図4)と、嵌合状態での第2開口周縁部20の内壁面側と開口周縁部30の外壁面側との間に形成される緩衝部40(図4)と、を備える。
【0020】
その緩衝部40は、第2開口周縁部20の内壁面21側と開口周縁部30の外壁面31側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して形成された空間部であり、嵌合体の外方から液体が浸入してきた際に、その液体の勢いを抑えることができる。そして、この防液構造1は、第2開口周縁部20の内壁面21側と開口周縁部30の外壁面31側の内の少なくとも一方に設けた凹部を利用して緩衝部40が形成されているので、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20と開口周縁部30のそれぞれの筒軸方向に対する直交方向の体格の大型化を抑えることができる。つまり、この防液構造1は、嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めることができる。以下に、この防液構造1について電気接続箱100と共に説明する。
【0021】
電気接続箱100とは、電子部品を収容するもの、又は、電子部品及び電線を収容し、外方に引き出されたその電線と共にワイヤハーネスを構成するもののことをいう。ここでは、ワイヤハーネスWH(図3)の構成要素となる電気接続箱100を例として挙げている。電気接続箱100は、電子部品(図示略)を内方に収容する筐体110を備える。この例示の筐体110においては、その電子部品に対して内方で電気的に接続された電線Weについても収容しており、その電線Weが内方から外方に引き出されている(図3)。電気接続箱100は、電子部品に対して電線Weを介して接続対象物(図示略)を電気的に接続させる。この電気接続箱100においては、筐体110の内方から外方に引き出された電線Weを介して電子部品が接続対象物に対して電気的に接続される。
【0022】
電子部品とは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタ、端子金具などのことを指している。ここでは、回路基板、電子制御ユニット(所謂ECU)等の電子機器についても、電子部品の一形態として考える。また、接続対象物とは、二次電池などの電源、電気機器(アクチュエータ等)などの負荷、センサなどのことを指している。電気接続箱100においては、例えば、或る電線Weが電源に対して電気的に接続され、かつ、これとは別の電線Weが負荷に対して電気的に接続されており、その電源と負荷とを電子部品を介して電気的に繋いでいる。
【0023】
筐体110は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この筐体110は、互いに嵌合させる第1及び第2の嵌合部材120,130を少なくとも有すると共に、その第1及び第2の嵌合部材120,130の嵌合部位の防液性を保つための防液構造1を有する(図1から図4)。この例示の筐体110は、更に第3嵌合部材140を有している(図1から図3)。この筐体110においては、第1嵌合部材120と第2嵌合部材130と第3嵌合部材140とがその順番で並べて配置されている。この筐体110は、第1嵌合部材120と第2嵌合部材130とを嵌め合わせ、かつ、第2嵌合部材130と第3嵌合部材140とを嵌め合わせて形成される。
【0024】
この例示の筐体110においては、真ん中の第2嵌合部材130を筒状に成形し、この第2嵌合部材130の一方の開口を第1嵌合部材120で塞ぎ、かつ、第2嵌合部材130の他方の開口を第3嵌合部材140で塞ぐ。ここでは、第2嵌合部材130が筐体110の主体としてのフレームとなり、第1嵌合部材120と第3嵌合部材140とが第2嵌合部材130の開口を塞ぐカバー部材となる。この筐体110は、例えば、第2嵌合部材130の対向配置された2つの開口を車両上下方向に向けて車両に搭載する。第1嵌合部材120と第3嵌合部材140は、その内の何れがロアカバーであってもよくアッパカバーであってもよい。ここでは、便宜上、第1嵌合部材120をアッパカバーとし、第3嵌合部材140をロアカバーとする。
【0025】
第2嵌合部材130は、内壁を成す筒状の第1周壁体131と、外壁を成す筒状の第2周壁体132と、を有する(図1及び図2)。その第1周壁体131と第2周壁体132は、各々、同数の複数枚の平板状の壁体を周方向に並べて繋げたものである。この第2嵌合部材130は、互いの筒軸方向を同じ向きに合わせて第1周壁体131と第2周壁体132とを配置した二重壁構造体であり、第1周壁体131と第2周壁体132のそれぞれの壁体同士を互いに間隔を空けて対向配置させている。従って、この第2嵌合部材130においては、第1周壁体131と第2周壁体132との間に筒状の空間部(以下、「筒状空間部」という。)133が形成される(図1及び図2)。また、この第2嵌合部材130においては、その第1周壁体131の内方に1つ又は複数の収容室を形成し、その収容室に電子部品と電線Weとを収容する。
【0026】
第1周壁体131は、対向配置された2つの開口131a,131bを有する(図1及び図2)。また、第2周壁体132は、対向配置された2つの開口132a,132bを有する(図1及び図2)。第2嵌合部材130においては、第1周壁体131における一方の開口131aの周縁部(以下、「開口周縁部」という。)131cと、第2周壁体132における一方の開口132aの周縁部(以下、「開口周縁部」という。)132cと、を互いに間隔を空けて対向配置させる(図1)。従って、この第2嵌合部材130においては、第1周壁体131における一方の開口131aと、それぞれの一方の開口周縁部131c,132cの間の環状の開口134と、が第1嵌合部材120による閉塞対象の開口になる(図1)。この第2嵌合部材130においては、第2周壁体132の一方の開口周縁部132cを防液構造1の開口周縁部30として利用する。また、この第2嵌合部材130においては、第1周壁体131における他方の開口131bの周縁部(以下、「開口周縁部」という。)131dと、第2周壁体132における他方の開口132bの周縁部(以下、「開口周縁部」という。)132dと、を互いに間隔を空けて対向配置させる(図2)。従って、この第2嵌合部材130においては、第1周壁体131における他方の開口131bと、それぞれの他方の開口周縁部131d,132dの間の環状の開口135と、が第3嵌合部材140による閉塞対象の開口になる(図2)。
【0027】
第1嵌合部材120は、筒状の主周壁体121と、筒状の副周壁体122と、主周壁体121及び副周壁体122を連結させる連結壁体123と、主周壁体121の一方の開口を塞ぐ閉塞体124と、を有する(図1及び図3)。
【0028】
主周壁体121と副周壁体122においては、各々、周方向に並べて繋げられた複数枚の平板状の壁体が、第1周壁体131と第2周壁体132における複数枚の平板状の壁体に対応させて配置されている。これら主周壁体121と副周壁体122は、互いの筒軸方向を同じ向きに合わせて配置した二重壁構造体を成しており、互いに間隔を空けて対向配置させる。
【0029】
主周壁体121は、防液構造1における内方の第1開口周縁部10として利用される他方の開口の周縁部(以下、「開口周縁部」という。)121aを有する(図2及び図4)。副周壁体122は、その開口周縁部121a(第1開口周縁部10)の外壁面に対して間隔を空けて対向配置させる。この第1嵌合部材120においては、副周壁体122そのものを防液構造1における外方の第2開口周縁部20として利用する。よって、副周壁体122は、主周壁体121の開口周縁部121a(第1開口周縁部10)よりも閉塞体124側で、この主周壁体121の外壁面に連結壁体123を介して連結させる。連結壁体123は、主周壁体121の外壁面から突出させた環状の壁体である。この例示の連結壁体123は、主周壁体121の外壁面に垂設させている。副周壁体122は、その連結壁体123の突出方向側の端部に連結させる。
【0030】
主周壁体121の開口周縁部121a(第1開口周縁部10)は、第2嵌合部材130の開口134から筒状空間部133に挿入して、第2嵌合部材130における開口周縁部131cと開口周縁部132c(開口周縁部30)との間の隙間に嵌合させる。その際、開口周縁部132c(開口周縁部30)は、開口周縁部121a(第1開口周縁部10)と副周壁体122(第2開口周縁部20)の間の隙間に嵌合される。
【0031】
第3嵌合部材140は、筒状の周壁体141と、この周壁体141の一方の開口を塞ぐ閉塞体142と、を有する(図1及び図2)。周壁体141においては、周方向に並べて繋げられた複数枚の平板状の壁体が、第1周壁体131と第2周壁体132における複数枚の平板状の壁体に対応させて配置されている。この第3嵌合部材140においては、周壁体141における他方の開口の周縁部(以下、「開口周縁部」という。)141a(図1及び図2)を第2嵌合部材130の開口135から筒状空間部133に挿入させる。これにより、その開口周縁部141aは、第2嵌合部材130における開口周縁部131dと開口周縁部132dとの間の隙間に嵌合される。
【0032】
この例示の筐体110においては第1嵌合部材120と第2嵌合部材130との間にのみ防液構造1を設けるが、その防液構造1は、第2嵌合部材130と第3嵌合部材140との間にも設けてよい。
【0033】
先に示したように、この例示の防液構造1は、第1嵌合部材120の第1開口周縁部10(開口周縁部121a)と、第1嵌合部材120の第2開口周縁部20(副周壁体122)と、第2嵌合部材130の開口周縁部30(開口周縁部132c)と、第2開口周縁部20と開口周縁部30との間の緩衝部40と、を備える(図4)。
【0034】
更に、この例示の防液構造1には、第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間における緩衝部40よりも第2開口周縁部20の開口20a(図2)側に、その緩衝部40における第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間の隙間よりも狭い間隙部(以下、「第1間隙部」という。)51を設ける(図4)。その第1間隙部51は、嵌合体の外方からの液体の浸入量を減少させるための環状の隙間であり、これ故に、外方からの液体の浸入を抑制し得る微小な隙間となるように形成する。この例示の防液構造1は、第1間隙部51を緩衝部40に連通させており、この第1間隙部51で開口20a側からの液体の浸入を抑えることによって、緩衝部40への液体の浸入量を減少させる。よって、防液構造1は、嵌合体の内方の空間への液体の浸入を抑えるべく、このような第1間隙部51を設けることが望ましい。
【0035】
また更に、この例示の防液構造1には、第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間における緩衝部40よりも開口周縁部30の開口30a(図1)側に、その緩衝部40における第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間の隙間よりも狭い間隙部(以下、「第2間隙部」という。)52を設ける(図4)。その第2間隙部52は、緩衝部40と第2嵌合部材130の筒状空間部133とに連通させており、緩衝部40で勢いを抑えた液体の筒状空間部133側への浸入を抑制するための環状の隙間である。これ故に、この第2間隙部52は、そのような液体の浸入を抑制し得る微小な隙間となるように形成する。この例示の防液構造1は、この第2間隙部52で筒状空間部133側への液体の浸入を抑えることによって、その筒状空間部133に連なる嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を抑制する。よって、防液構造1は、嵌合体の内方の空間への液体の浸入を抑えるべく、このような第2間隙部52を設けることが望ましい。
【0036】
以下に、この例示の筐体110が備える緩衝部40の具体例について示す。
【0037】
この例示の緩衝部40は、第2開口周縁部20の内壁面21側に設けた凹部(以下、「外側凹部」という。)22(図2)と、開口周縁部30の外壁面31側に設けた凹部(以下、「内側凹部」という。)32(図1及び図2)と、で囲われた空間部である(図4)。外側凹部22は、第2開口周縁部20の内壁面21側で周方向に沿う環状の凹部である。内側凹部32は、開口周縁部30の外壁面31側で周方向に沿う環状の凹部である。その外側凹部22と内側凹部32は、第2開口周縁部20及び開口周縁部30の筒軸方向に対する直交方向で対向配置させる。緩衝部40は、外側凹部22の領域と内側凹部32の領域とに二分し得るものであってもよく、外側凹部22の一部の領域と内側凹部32の一部の領域とが重なり合うものであってもよい。この緩衝部40を形成するべく、第2開口周縁部20と開口周縁部30は、次のように形成する。
【0038】
第2開口周縁部20は、第1開口周縁部10の外壁面10aにおける第1及び第2の嵌合部材120,130の嵌合方向における全部又は一部に対向配置される基部(以下、「外側基部」という。)23と、その外側基部23よりも自らの開口20a側で内壁面21aを外側基部23の内壁面21bよりも凹ませて外側凹部22を形成する薄肉部(以下、「外側薄肉部」という。)24と、を有する(図2及び図4)。そして、開口周縁部30は、基部(以下、「内側基部」という。)33と、その内側基部33よりも自らの開口30a側で外壁面31aを内側基部33の外壁面31bよりも凹ませて内側凹部32を形成する薄肉部(以下、「内側薄肉部」という。)34と、を有する(図1図2及び図4)。
【0039】
この例示の第2開口周縁部20においては、外側基部23の内壁面21bを第1開口周縁部10の外壁面10aの全体に対向配置させている(図4)。よって、開口周縁部30は、その第1開口周縁部10の外壁面10aと外側基部23の内壁面21bとの間の隙間に嵌合される。
【0040】
例えば、第2開口周縁部20は、外側基部23と外側薄肉部24の他に、その外側薄肉部24よりも自らの開口20a側に設けた外側先端部(図示略)を有するものであってもよい。その外側先端部とは、第1及び第2の嵌合部材120,130の嵌合方向にて、外側基部23の内壁面21bと同一の壁面上に配置された内壁面を有するものである。よって、この場合の外側薄肉部24は、外側基部23と外側先端部とに対して内壁面側を凹ませた部位であり、その外側基部23と外側先端部との間にそれぞれの内壁面よりも凹ませた内壁面21aを有する外側凹部22を形成する。
【0041】
第2開口周縁部20に外側先端部を設ける場合、開口周縁部30は、例えば、内側基部33と内側薄肉部34の他に、その内側薄肉部34よりも自らの開口30a側に設けた内側先端部(図示略)を有するものであってもよい。その内側先端部とは、第1及び第2の嵌合部材120,130の嵌合方向にて、内側基部33の外壁面31bと同一の壁面上に配置された外壁面を有するものである。よって、この場合の内側薄肉部34は、内側基部33と内側先端部とに対して外壁面側を凹ませた部位であり、その内側基部33と内側先端部との間にそれぞれの外壁面よりも凹ませた外壁面31aを有する内側凹部32を形成する。
【0042】
この場合、第1及び第2の嵌合部材120,130が嵌合状態のときには、外側先端部の内壁面と内側基部33の外壁面31bとを対向配置させ、かつ、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとを対向配置させ、かつ、外側基部23の内壁面21bと内側先端部の外壁面とを対向配置させる。
【0043】
この場合の防液構造1においては、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間に緩衝部40が形成される。その緩衝部40は、外側凹部22の領域と内側凹部32の領域とに二分されたものである。よって、この緩衝部40の容積は、外側凹部22の容積と内側凹部32の容積との和になる。
【0044】
そして、外側先端部の内壁面と内側基部33の外壁面31bとの間の隙間は、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間の隙間(つまり、緩衝部40における第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間の隙間)よりも狭い第1間隙部51となる。一方、外側基部23の内壁面21bと内側先端部の外壁面との間の隙間は、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間の隙間よりも狭い第2間隙部52となる。
【0045】
この防液構造1は、第1間隙部51から浸入してきた液体の勢いを緩衝部40で抑えることができるので、嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を抑制することができる。そして、この防液構造1は、第2開口周縁部20の内壁面21側の外側凹部22と開口周縁部30の外壁面31側の内側凹部32とを利用して緩衝部40が形成されているので、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20と開口周縁部30のそれぞれの筒軸方向に対する直交方向の体格の大型化を抑えることができる。更に、この防液構造1は、緩衝部40で勢いを抑えた液体の筒状空間部133側への浸入を第2間隙部52で抑えることができるので、この点からも、嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を抑制することができる。防液構造1は、このように構成しても、嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めることができる。しかしながら、この防液構造1は、第2開口周縁部20と開口周縁部30とを次のように形成することによって、嵌合体の体格の大型化を更に抑制することができる。
【0046】
第2開口周縁部20は、外側基部23と外側薄肉部24とに二分されるものとする。よって、外側薄肉部24は、外側基部23よりも第2開口周縁部20の開口20a側で且つ第2開口周縁部20の開口側端面20b(図2)までの間の内壁面21aを外側基部23の内壁面21bよりも凹ませた部位となる(図4)。この外側薄肉部24は、外側凹部22としての第1外側凹部22と、その第1外側凹部22よりも第2開口周縁部20の開口20a側で且つ第2開口周縁部20の開口側端面20bまでの間の第2外側凹部25と、を形成する(図4)。この外側薄肉部24の内壁面21aは、第1外側凹部22が位置する内壁面21aと、第2外側凹部25が位置する内壁面21aと、に二分される(図4)。この例示では、それぞれの内壁面21a,21aを同一の壁面上に配置する。
【0047】
一方、開口周縁部30は、内側基部33と内側薄肉部34とに二分されるものとする。よって、内側薄肉部34は、内側基部33よりも開口周縁部30の開口30a側で且つ開口周縁部30の開口側端面30b(図1)までの間の外壁面31aを内側基部33の外壁面31bよりも凹ませた部位となる(図4)。この内側薄肉部34は、内側凹部32としての第1内側凹部32と、その第1内側凹部32よりも開口周縁部30の開口30a側で且つ開口周縁部30の開口側端面30bまでの間の第2内側凹部35と、を形成する(図4)。この内側薄肉部34の外壁面31aは、第1内側凹部32が位置する外壁面31aと、第2内側凹部35が位置する外壁面31aと、に二分される(図4)。この例示では、それぞれの外壁面31a,31aを同一の壁面上に配置する。
【0048】
第1及び第2の嵌合部材120,130が嵌合状態のときには、外側薄肉部24の第2外側凹部25の位置における内壁面21aと内側基部33の外壁面31bとを対向配置させ、かつ、外側薄肉部24の第1外側凹部22の位置における内壁面21aと内側薄肉部34の第1内側凹部32の位置における外壁面31aとを対向配置させ、かつ、外側基部23の内壁面21bと内側薄肉部34の第2内側凹部35の位置における外壁面31aとを対向配置させる。
【0049】
この防液構造1においては、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間に緩衝部40が形成される。その緩衝部40は、第1外側凹部22の一部の領域と第1内側凹部32の一部の領域とが重なり合うものである。つまり、この緩衝部40は、先の例示の緩衝部40(外側凹部22の領域と内側凹部32の領域とに二分されたもの)と比較して、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20と開口周縁部30のそれぞれの筒軸方向に対する直交方向の体格の大型化が抑制されている。この緩衝部40の容積は、第1外側凹部22の容積と第1内側凹部32の容積との和よりも少なくなっている。
【0050】
そして、外側薄肉部24の内壁面21aと内側基部33の外壁面31bとの間の隙間は、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間の隙間(つまり、緩衝部40における第2開口周縁部20の内壁面21と開口周縁部30の外壁面31との間の隙間)よりも狭い第1間隙部51となる。一方、外側基部23の内壁面21bと内側薄肉部34の外壁面31aとの間の隙間は、外側薄肉部24の内壁面21aと内側薄肉部34の外壁面31aとの間の隙間よりも狭い第2間隙部52となる。
【0051】
この防液構造1は、第1間隙部51から浸入してきた液体の勢いを緩衝部40で抑えることができるので、嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を抑制することができる。そして、この防液構造1は、先に示したように、第1外側凹部22の一部の領域と第1内側凹部32の一部の領域とを重なり合わせて緩衝部40を形成しているので、第1開口周縁部10と第2開口周縁部20と開口周縁部30のそれぞれの筒軸方向に対する直交方向の体格の大型化を更に抑えることができる。更に、この防液構造1は、緩衝部40で勢いを抑えた液体の筒状空間部133側への浸入を第2間隙部52で抑えることができるので、この点からも、嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を抑制することができる。よって、この防液構造1は、先の例示よりも嵌合体の体格の大型化の抑制効果を高めつつ、先の例示と同じように防液性を高めることができる。
【0052】
尚、先の例示の緩衝部40は、外側凹部22と内側凹部32の嵌合方向における長さが第1外側凹部22と第1内側凹部32の嵌合方向における長さと同じ場合、この例示の緩衝部40よりも容積が多くなる。よって、緩衝部40は、容積の増量と体格の大型化の抑制の内の優先事項に基づいて、容積の増量を求めるのであれば、先の例示を適用し、体格の大型化の抑制を求めるのであれば、本例示を適用すればよい。
【0053】
ここで、この防液構造1は、その第2間隙部52から排出された液体の勢いを抑えるための緩衝部60を備える(図4)。その緩衝部60は、第1開口周縁部10の外壁面10aと、第2開口周縁部20の外側基部23の内壁面21bと、連結壁体123の内壁面と、開口周縁部30の開口側端面30bと、で囲われた空間部である。この防液構造1は、液体が第2間隙部52にまで到達してしまい、この第2間隙部52から排出されてしまったとしても、2つ目の緩衝部60で液体の勢いを更に抑えることができる。よって、この防液構造1は、筒状空間部133を介した嵌合体の内方の空間(筐体110の収容室)への液体の浸入を更に抑制することができる。
【0054】
尚、この例示の緩衝部60には、開口周縁部30の開口側端面30bを当接させる突出部125が設けられている。その突出部125は、連結壁体123の内壁面から突出させている。
【0055】
ところで、この例示の筐体110は、第1及び第2の嵌合部材120,130の嵌合状態を保持する第1ロック構造150と、第2及び第3の嵌合部材130,140の嵌合状態を保持する第2ロック構造160と、を有する(図1から図3)。防液構造1は、第1ロック構造150の配置場所を除いた位置に設ける。
【0056】
第1ロック構造150は、第1嵌合部材120に設けた被係合体151と、第2嵌合部材130に設け、被係合体151を互いに逆向きの挿抜方向に沿って抜き差し可能で、かつ、挿入された被係合体151を挿入方向及び抜去方向で各々係止可能な係合体152と、を備える(図1から図3)。この第1ロック構造150は、第1嵌合部材120と第2嵌合部材130とが嵌合状態のときに、例えば、被係合体151と係合体152のそれぞれの爪部同士を引っ掛けて、その被係合体151と係合体152との間の抜去方向側への相対的な動きを係止させるように形成する。また、この第1ロック構造150は、第1嵌合部材120と第2嵌合部材130とが嵌合状態のときに、例えば、係合体152に対する被係合体151の挿入がそれ以上進行しないように被係合体151と係合体152とを当接させることによって、その被係合体151と係合体152との間の挿入方向側への相対的な動きを係止させるように形成する。
【0057】
第2ロック構造160は、第3嵌合部材140に設けた被係合体161と、第2嵌合部材130に設け、被係合体161を互いに逆向きの挿抜方向に沿って抜き差し可能で、かつ、挿入された被係合体161を挿入方向及び抜去方向で各々係止可能な係合体162と、を備える(図1から図3)。この第2ロック構造160は、第2嵌合部材130と第3嵌合部材140とが嵌合状態のときに、例えば、被係合体161と係合体162のそれぞれの爪部同士を引っ掛けて、その被係合体161と係合体162との間の抜去方向側への相対的な動きを係止させるように形成する。また、この第2ロック構造160は、第2嵌合部材130と第3嵌合部材140とが嵌合状態のときに、例えば、係合体162に対する被係合体161の挿入がそれ以上進行しないように被係合体161と係合体162とを当接させることによって、その被係合体161と係合体162との間の挿入方向側への相対的な動きを係止させるように形成する。
【0058】
以上示したように、本実施形態の防液構造1は、嵌合体の体格の大型化を抑えつつ防液性を高めることができる。また、本実施形態の電気接続箱100及びワイヤハーネスWHは、その防液構造1を具備するものであり、この防液構造1と同様の効果を得ることができる。
【0059】
ところで、開口周縁部30は、内側基部33を間に挟んだ内側薄肉部(第1内側薄肉部)34側とは逆側に外壁面31cを内側基部33の外壁面31bよりも凹ませた薄肉部(第2内側薄肉部)36を設けることによって、内側基部33を第1内側薄肉部34及び第2内側薄肉部36のそれぞれの外壁面31a,31cよりも突出させた凸状に形成してもよい(図5)。本実施形態の防液構造1、電気接続箱100及びワイヤハーネスWHは、このように開口周縁部30を形成したとしても、先に説明したものと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 防液構造
10 第1開口周縁部
10a 外壁面
20 第2開口周縁部
20a 開口
20b 開口側端面
21,21a,21a,21a,21b 内壁面
22 外側凹部(第1外側凹部)
23 外側基部
24 外側薄肉部
25 第2外側凹部
30 開口周縁部
30a 開口
30b 開口側端面
31,31a,31a,31a,31b,31c 外壁面
32 内側凹部(第1内側凹部)
33 内側基部
34 内側薄肉部(第1内側薄肉部)
35 第2内側凹部
36 薄肉部(第2内側薄肉部)
40 緩衝部
51 第1間隙部
100 電気接続箱
110 筐体
120 第1嵌合部材
130 第2嵌合部材
We 電線
WH ワイヤハーネス
図1
図2
図3
図4
図5