【解決手段】機械式駐車装置は、少なくとも乗降室の出入口扉の閉扉指示を人が入力するためのタッチパネル45を備えている。出入口扉の開扉前に入力された第1認証情報を記憶部に記憶し、出入口扉の開扉後に入力された第2認証情報と記憶部に格納されている第1認証情報とが所定の関係を有する場合に、タッチパネル45からの入力を許可する。また、入力許可状態にある場合に、所定の入力情報を受け付けたときには、入力が許可されている入力許可状態を解除する。また、入力許可状態を解除した場合には、記憶部に格納されている第1認証情報は消去されずに保持される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の各実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びに制御プログラムについて、図面を参照して説明する。以下の説明において、機械式駐車装置を利用する運転手や同乗者等を利用者、操作盤等を通じて機械式駐車装置に対して入力操作等を行う者を操作者という。
【0025】
以下、本発明の第1実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びに制御プログラムについて、
図1〜
図13を参照して説明する。本発明の第1実施形態では、本発明の機械式駐車装置としてエレベータ式のタワー型機械式駐車装置を例示して説明するが、この例に限定されず、本発明の機械式駐車装置は、垂直循環式、平面往復式、水平循環式等であってもよい。
また、本実施形態では、運転手である利用者が機械式駐車装置への入力操作を行う操作者を兼任する場合について説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係る機械式駐車装置1の縦断面図である。
図1に示すように、機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と出入口扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗降室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
【0027】
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープ19に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0028】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0029】
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者14,17の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0030】
図2は、乗降室7を示す斜視透視図である。外側から見て、出入口扉4の左側に非常用出入口23があり、出入口扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、例えば出入口扉4に向かって右側に操作盤22が設けられている。この操作盤22は、例えば、この機械式駐車装置1を利用する利用者や機械式駐車装置1を管理する管理人や保守員により操作される。
操作盤22の近傍には、後述するカメラ35A〜35Dによって撮像されたリアルタイム画像を表示するためのモニタ28が設置されている。
【0031】
乗降室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、出入口扉4の正面の壁には車両の位置をドライバー(利用者)が確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
【0032】
乗降室7には、内部状況を撮影する4台のカメラ35A〜35Dが設置されている。本実施形態において、カメラ35A〜35Dは、例えば、ビデオカメラであり、それぞれ乗降室7の異なる壁面(4面)に取り付けられている。例えば、カメラ35Aは乗降室7内に停車した車両2の正面を撮影するように配置され、カメラ35Bは車両2の後面、カメラ35Cは車両2の左側面、カメラ35Dは車両2の右側面をそれぞれ撮影する位置に配置されている。なお、カメラの設置数については上記に限定されず、少なくとも1台のカメラが設けられていればよい。
【0033】
乗降室7において、入出庫口3には、人の乗降室7への入退室を検知する入退室検知センサ30が設けられている。入退室検知センサ30は、入出庫口3の内側または外側に設けられた一対のセンサである。一対のセンサは、例えば、送信部から送信されたビームを受信部において受信するタイプのセンサであり、このビームが車両2や人等によって遮光されるとセンサがONになり、その検知信号が後述する入退室監視制御部57(
図4参照)を経て主制御部50に伝達されるようになっている。
【0034】
また、乗降室7の内部、あるいは乗降室7の外部に、機械式駐車装置1の全体の制御を行う駐車場制御装置40が設置されている。また、乗降室7内には利用者等に音声で情報を報知するためのスピーカや、車幅等を検出するための各種センサ等が設けられていてもよい。
【0035】
図3は、機械式駐車装置1が備える操作盤22の斜視図である。操作盤22は、例えば、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。利用者が操作盤22を操作する際には、施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。なお、例えば利用者が携帯している専用リモコンによって利用者の接近とともに自動的に蓋44の施錠を解錠するようにしてもよい。
【0036】
操作盤22には、タッチパネル45、ICカードリーダ46、利用者に操作方法を音声で案内するためのスピーカ47、機械式駐車装置1の動作を非常停止させる非常停止ボタン48等が配置される。さらに、操作盤22には、操作盤22の前に人がいるか否かを検知する人感センサ(人検知手段)49が設けられている。ここで、操作盤22の前とは、例えば、操作盤22を操作可能な位置範囲を意味する。この人感センサは、例えば、入庫処理または出庫処理を行っていた人物が処理の途中で操作盤22の前を離れて移動してしまったことを検知する目的で設けられている。
【0037】
本実施形態において、人感センサ49は操作盤22に設けられているが、人感センサ49は操作盤の付近、例えば、操作盤22が設けられている場所の近傍に設けられていてもよい。一例として、機械式駐車装置1の壁などが挙げられる。また、人を検知する手段は人感センサに限定されず、操作盤22の前に人がいるか否かを検知できる手段であればよい。例えば、上述した入退室検知センサ30のように、レーザが妨げられるか否かにより人物を検知したり、操作盤22の前方における画像に基づいて人を検知したりしてもよい。
【0038】
タッチパネル(入力手段)45は、表示機能と入力機能とを兼ね備えている。タッチパネル45には、例えば、入出庫の操作を行わせるための各種案内情報が表示されるとともに、入出庫の操作を利用者に行わせるための操作ボタン等が表示される。タッチパネル45の表示は後述する駐車場制御装置40によって制御され、また、タッチパネル45が利用者等によって操作されることにより入力された情報は、駐車場制御装置40に出力される。
【0039】
ICカードリーダ46は、利用者個人を特定可能な利用者認証情報(以下「利用者ID」という。)が記憶されているICカードから利用者IDを読み取る。なお、ICカードは、予め登録されている利用者、管理人、及び保守業者等が所持するものである。また、本実施形態では、1つの登録駐車車両または1つのパレット契約に対して複数の利用者が存在する場合でも、それぞれの利用者に対して個別の利用者IDが割り当てられる。
【0040】
図4は、本実施形態に係る機械式駐車装置1の制御系統の機能ブロック図を示した図である。駐車場制御装置40は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。また、駐車場制御装置40は、機械式駐車装置1を制御するために必要となる各種データが格納されている総合データベース52を備えている。総合データベース52には、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別、当該機械式駐車装置1の使用を許可されている複数の利用者の識別情報である利用者ID等が格納されている。
また、駐車場制御装置40は、第1のユーザ認証処理が成功した場合に、ユーザ認証が成功した利用者ID(第1認証情報)を記憶する記憶部41を備えている。
【0041】
駐車場制御装置40の補助記憶装置には、機械式駐車装置1の各機構を制御するための制御プログラムや認証プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されている各種プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各部の機能を実現させる。また、プログラムの実行にあたり、CPUは総合データベース52に格納されている各種データを参照して用いる。
【0042】
上記制御プログラムは、駐車場制御装置40の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、制御プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0043】
駐車場制御装置40は、主制御部50を備えている。主制御部50には、上述した総合データベース52に加えて、出入口扉制御部55、搬送機制御部56、入退室監視制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車両計測・制御部61、旋回駆動制御部62等が接続されている。また、主制御部50には、操作盤22が接続されており、双方向通信が可能な構成とされている。
【0044】
出入口扉制御部55は、主制御部50から動作指令を受けて出入口扉4を開閉操作し、出入口扉センサ67から出入口扉4の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0045】
搬送機制御部56は、主制御部50から動作指令を受けてリフト14(搬送機)の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を実行させ、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0046】
入退室監視制御部57は、入退室検知センサ30からのセンサ信号及び乗降室7内部に設置された多数のセンサ(図示略)からのセンサ信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。
【0047】
カメラ制御部58は、主制御部50から動作指令を受けて乗降室7の内部に設置されたカメラ35(35A〜35D)に画像を撮像させ、その画像情報を主制御部50に出力する。この画像情報は、画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりしても良い。
【0048】
車両計測・制御部61は、主制御部50から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ73を介してその情報を主制御部50にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
【0049】
旋回駆動制御部62は、主制御部50から動作指令を受けて、旋回駆動部11(ターンテーブル8)を動作させ、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0050】
主制御部50は、各制御部55,56,57,58,61,62からのフィードバック、操作盤22からの入力情報に基づいて機械式駐車装置1を運行させる。また、主制御部50は、後述する入庫制御プログラムや出庫制御プログラムを実行して、入庫処理および出庫処理を行い、操作盤22が備えるタッチパネル45の表示制御や出入口扉4の開閉制御等を行う。なお、人感センサ49、入退室検知センサ30等からのセンサ信号については、上述した各種制御部を介して主制御部50に入力されるのに代えて、直接的に主制御部50に入力されることとしてもよい。このようにすることで、センサ信号に応じたより迅速な制御を実施することが可能となる。
【0051】
〔入庫処理〕
次に、入庫時において、主制御部50によって実行される入庫処理について図を参照して説明する。
図5〜
図7は、主制御部50によって実行される入庫処理の手順を示したフローチャートである。
【0052】
まず入庫を行う場合、利用者は車両2を入出庫口3の前に移動させ、降車して、操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠し筐体43の蓋44を開ける。主制御部50は、蓋44が開いたことを検知すると(
図5のSA1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0053】
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される。主制御部50は、利用者IDが入力されると(SA3)、入庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証を行う(SA4)。具体的には、主制御部50は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、第1のユーザ認証が成功しなかった場合には(SA5:NO)、タッチパネル45にユーザ認証に失敗したメッセージを表示させることによりユーザに認証が失敗したことを通知した上で、第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0054】
一方、第1のユーザ認証が成功した場合(SA5:YES)、すなわち、利用者IDが総合データベース52に登録されている場合には、操作盤22のタッチパネル45からのユーザの入力操作を許可する入力許可状態とし(SA6)、第1のユーザ認証が成功した利用者ID(第1認証情報)を記憶部41に記憶し(SA7)、操作盤22のタッチパネル45に入庫起動確認画面を表示させる(SA8)。
【0055】
入庫起動確認画面において、所定期間内に起動ボタンが押されなかった場合には(SA9:NO)、ステップSA7において記憶した利用者IDを消去するとともに(SA10)、入力許可状態を解除し(SA11)、ステップSA2に戻り、第1のユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させる。
一方、入庫起動確認画面において、所定期間内に利用者によって起動ボタンが押されると、起動ボタンが押下されたことを示す入庫起動信号が主制御部50に入力される(SA9:YES)。主制御部50は、入庫起動信号を受信すると、車両格納棚17から空パレットを呼び出す指示を搬送機制御部56(
図4参照)に出力するとともに、タッチパネル45に入庫待ちの状態を示す入庫待ち確認画面を表示する(SA12)。
【0056】
次に、空パレットが乗降室7に到着すると、主制御部50はタッチパネル45に出入口扉4が開くことを示す扉開画面を表示し(SA13)、出入口扉4を開く指示を出入口扉制御部55(
図4参照)に出力する。これにより、出入口扉制御部55によって出入口扉が開かれる。そして、出入口扉4が完全に開くと(SA14)、主制御部50は利用者に対して入庫を促す入庫案内画面をタッチパネル45に表示させ(
図6のSA15)、入力許可状態を解除する(SA16)。これにより、利用者が操作盤22の前を離れている間における第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0057】
入庫案内画面を確認した利用者は車両2に乗り込み、車両2を乗降室内に移動させ、乗降室内に搬送された空パレットに車両2を載置させると降車し、乗降室7から退出して、操作盤22に戻る。
続いて、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SA17)。
【0058】
第2のユーザ認証画面を確認した利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SA18)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証を行う(SA19)。第2のユーザ認証では、受信した利用者ID(第2認証情報)が予め登録されている利用者IDであるか否かを判定するとともに、第1のユーザ認証で入力された利用者ID(第1認証情報)と第2のユーザ認証で入力された利用者ID(第2認証情報)とが所定の関連性を有するか、例えば、両者が同一か否かを判定する照合処理が行われる。このように、第2のユーザ認証では、操作盤22を操作した利用者が操作盤22を操作する権限を持つものであるか否か、及び、入庫起動の操作を指示した利用者と同一の利用者によって後続の入力操作が行われるかを判定する。
なお、第2のユーザ認証では、第1のユーザ認証で入力された利用者IDと第2のユーザ認証で入力された利用者IDとが所定の関連性を有するか否かのみを判定することとしてもよい。
【0059】
第2のユーザ認証が成功しなかった場合(SA20:NO)、ステップSA17に戻り、第2のユーザ認証画面を表示させる。なお、このとき、認証に失敗した旨を通知することとしてもよい。
また、第2のユーザ認証が成功した場合には(SA20:YES)、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45からのユーザの入力操作を許可する入力許可状態とし(SA21:入力許可手段)、主制御部50は、乗降室内の無人確認を利用者に行わせるための無人確認画面をタッチパネル45に表示させるとともに、利用者に無人確認を行わせるためのガイダンスを行う(SA22)。
図8に、無人確認画面の一画面例を示す。
図8に示すように、無人確認画面には、無人確認ボタンBT1、入室ボタン(解除指示手段)BT2、及びモニタ28に表示されたリアルタイム画像により乗降室内の無人を確認した上で無人確認ボタンBT1を操作するように利用者を促すガイダンス等が表示される。ここで、入室ボタンBT2は、利用者が操作盤22の前から一時的に離れる場合に、第三者の入力を防止する目的で設けられたボタンである。例えば、ユーザは、乗降室内や車両内に忘れ物等をしたことに気づき、乗降室内に忘れ物を取りにいく場合等に操作される。
【0060】
無人確認画面において、入室ボタンBT2が押されると、入室信号が主制御部50に入力される(SA23:YES)。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSA16に戻り、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SA17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0061】
一方、無人確認画面において、無人確認ボタンBT1が押されると(SA24:YES)、無人確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は無人確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に最終的な安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(
図7のSA25)。
安全確認画面では、例えば、
図9に示すように、安全確認ボタンBT3、入室ボタン(解除指示手段)BT4、及び目視により乗降室内の無人を確認した上で安全確認ボタンBT3を操作するように利用者を促すガイダンスとが表示される。この安全確認画面において、入室ボタンBT4が押されると(SA26:YES)、入室信号が主制御部50に送信される。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSA16に戻り、入力許可状態を解除し、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SA17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0062】
一方、安全確認画面において、安全確認ボタンBT3が押されると(SA27:YES)、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に出入口扉4を閉めるための扉閉画面を表示させる(SA28)。
図10に閉扉画面の一例を示す。閉扉画面では、例えば、
図10に示すように、閉扉ボタンBT5、入室ボタン(解除指示手段)BT6、及び乗降室内の無人を再度確認した上で閉扉ボタンBT5を操作するように利用者を促すガイダンスが表示される。
この閉扉画面において、入室ボタンBT6が押されると(SA29:YES)、入室信号が主制御部50に送信される。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSA16に戻り、入力許可状態を解除し、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SA17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0063】
一方、閉扉画面において閉扉ボタンBT5が押されると(SA30:YES)、閉扉信号が主制御部50に送信される。主制御部50は、閉扉信号を受信すると、出入口扉制御部55(
図4参照)に対して出入口扉4の閉信号を出力する(SA31)。これにより、出入口扉4が出入口扉制御部55によって閉じられる。主制御部50は、出入口扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、車両2を載置したパレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。また、主制御部50は、出入口扉4の閉動作が完了すると、入力許可状態を解除し(SA32)、記憶部に格納されていた第1の利用者IDを消去し(SA33)、入庫処理を終了する。
また、利用者は、出入口扉が完全に閉じられたことを確認すると、操作盤22の蓋44を閉じて鍵を閉め、操作盤22から離れる。
【0064】
また、主制御部50は、上述した一連の入庫処理において、第2のユーザ認証が成功して入力許可状態とされている間に(
図6のSA21以降)、人感センサ49によって人がいないことを示すセンサ信号が入力された場合には、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、第2ユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させることとしてもよい。このように、人感センサによって操作盤22の前に人がいないことが検知された場合に入力許可状態を解除するので、認証された利用者が入室ボタンを押さずに操作盤22の前を離れてしまった場合に、第三者の入力を回避することができる。
【0065】
また、主制御部50は、上述した一連の入庫処理において、第2のユーザ認証が成功して入力許可状態とされている間に(
図6のSA21以降)、入退室検知センサ30によって乗降室への入退室が検出された場合には、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、第2ユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させることとしてもよい。これにより、認証された利用者が入室ボタンを押さずに乗降室内に進入した場合でも、第三者の入力を回避することができる。
【0066】
〔出庫処理〕
次に、出庫時において、主制御部50によって実行される出庫処理について
図11〜13を参照して説明する。
図11〜
図13は、主制御部50によって実行される出庫処理の手順を示したフローチャートである。出庫処理は、例えば、CPUが補助記憶装置に記憶されている出庫処理プログラムを主記憶装置に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0067】
出庫を行う場合、利用者は操作盤22の前へ移動し、鍵を用いて操作盤の蓋44を開ける。主制御部50は、蓋44が開いたことを検知すると(
図11のSB1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SB2)。
【0068】
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される。主制御部50は、利用者IDが入力されると(SB3)、出庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証を行う(SB4)。具体的には、主制御部50は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、第1のユーザ認証が成功しなかった場合には(SB5:NO)、タッチパネル45にユーザ認証に失敗したメッセージを表示させることによりユーザに認証が失敗したことを通知した上で、第1のユーザ認証画面を表示させる(SB2)。
【0069】
一方、第1のユーザ認証が成功した場合(SB5:YES)、すなわち、利用者IDが総合データベース52に登録されている場合には、操作盤22のタッチパネル45からのユーザの入力操作を許可する入力許可状態とし(SB6)、第1のユーザ認証が成功した利用者IDを記憶部41に記憶し(SB7)、操作盤22のタッチパネル45に出庫起動確認画面を表示させる(SB8)。
【0070】
出庫起動確認画面において、所定期間内に起動ボタンが押されなかった場合には(SB9:NO)、ステップSB7において記憶した利用者IDを消去するとともに(SB10)、入力許可状態を解除し(SB11)、ステップSB2に戻り、第1のユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させる。
一方、出庫起動確認画面において、所定期間内に利用者によって起動ボタンが押されると、起動ボタンが押下されたことを示す出庫起動信号が主制御部50に入力される(SB9:YES)。主制御部50は、出庫起動信号を受信すると、車両格納棚17から利用者の車両2が載置された実パレットを呼び出す指示を搬送機制御部56(
図4参照)に出力するとともに、タッチパネル45に出庫待ちの状態を示す出庫待ち確認画面を表示する(SB12)。
【0071】
続いて、実パレットが乗降室7に到着すると、主制御部50はタッチパネル45に出入口扉4が開くことを示す扉開画面を表示し(SB13)、出入口扉4を開く指示を出入口扉制御部55(
図4参照)に出力する。これにより、出入口扉制御部55によって出入口扉が開かれる。そして、出入口扉4が完全に開くと(SB14)、主制御部50は利用者に対して出庫を促す出庫案内画面をタッチパネル45に表示させ(
図12のSB15)、一旦、入力許可状態を解除する(SB16)。これにより、利用者が操作盤22の前を離れている間における第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0072】
出庫案内画面を確認した利用者は乗降室内へ進入し、パレット18に載置されている車両2に乗車し、車両2を乗降室7から出庫させる。利用者は、出庫が完了すると、車両2から降りて操作盤22の前へ移動する。
続いて、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SB17)。
【0073】
第2のユーザ認証画面を確認した利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者IDが読み取られ、主制御部50に送信される(SB18)。主制御部50は利用者IDを受信すると第2のユーザ認証を行う(SB19)。第2のユーザ認証は、受信した利用者IDが予め登録されている利用者IDであるか否かを判定するとともに、第1のユーザ認証で入力された利用者IDと第2のユーザ認証で入力された利用者IDとが所定の関連性を有するか、例えば、両者が同一か否かを判定する照合処理が行われる。このように、第2のユーザ認証では、操作盤22を操作した利用者が操作盤22を操作する権限を持つものであるか否か、及び、出庫起動の操作を指示した利用者と同一の利用者によって後続の入力操作が行われるかを判定する。
【0074】
第2のユーザ認証が成功しなかった場合(SB20:NO)、ステップSB17に戻り、第2のユーザ認証画面を表示させる。一方、第2のユーザ認証が成功した場合には(SB20:YES)、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45からのユーザの入力操作を許可する入力許可状態とし(SB21:入力許可手段)、主制御部50は、乗降室内の無人確認を利用者に行わせるための無人確認画面(
図8参照)をタッチパネル45に表示させるとともに、利用者に無人確認を行わせるためのガイダンスを行う(SB22)。
【0075】
無人確認画面において、入室ボタンBT2が押されると、入室信号が主制御部50に入力される(SB23:YES)。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSB16に戻り、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SB17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0076】
一方、無人確認画面において、無人確認ボタンBT1が押されると(SB24:YES)、無人確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は無人確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に最終的な安全確認を行わせる安全確認画面を表示させる(
図13のSB25)。
安全確認画面において、入室ボタンBT4が押されると(SB26:YES)、入室信号が主制御部50に送信される。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSB16に戻り、入力許可状態を解除し、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SB17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0077】
一方、安全確認画面において、安全確認ボタンBT3が押されると(SB27:YES)、安全確認完了信号が主制御部50に送信される。主制御部50は安全確認完了信号を受信すると、タッチパネル45に出入口扉4を閉めるための扉閉画面(
図10参照)を表示させる(SB28)。
この閉扉画面において、入室ボタン(解除指示手段)BT6が押されると(SB29:YES)、入室信号が主制御部50に送信される。主制御部50は入室信号を受信すると、ステップSB16に戻り、入力許可状態を解除し、タッチパネル45に第2のユーザ認証画面を再度表示させる(SB17)。これにより、操作盤22の前から利用者が移動したとしても、第1ユーザ認証を受けた利用者と所定の関係を有する利用者以外の第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0078】
一方、閉扉画面において閉扉ボタンBT5が押されると(SB30:YES)、閉扉信号が主制御部50に送信される。主制御部50は、閉扉信号を受信すると、出入口扉制御部55(
図4参照)に対して出入口扉4の閉信号を出力する(SB31)。これにより、出入口扉4が出入口扉制御部55によって閉じられる。主制御部50は、出入口扉4の閉動作が完了すると、搬送機制御部56に対して搬送信号を出力する。これにより、空パレットがリフト14によって搬送され車両格納棚17へ格納される。また、主制御部50は、出入口扉4の閉動作が完了すると、入力許可状態を解除し(SB32)、記憶部41に格納されていた利用者ID(第1認証情報)を消去し(SB33)、出庫処理を終了する。
利用者は、出入口扉が完全に閉じられたことを確認すると、操作盤22の蓋44を閉じて鍵を閉め、操作盤22から離れる。
【0079】
また、主制御部50は、上述した一連の出庫処理において、第2のユーザ認証が成功して入力許可状態とされている間に、人感センサ49によって人がいないことを示すセンサ信号が入力された場合には、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、第2ユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させることとしてもよい。このように、人感センサ49によって操作盤22の前に人がいないことが検知された場合に入力許可状態を解除するので、認証された利用者が入室ボタンを押さずに操作盤22の前を離れてしまった場合に、第三者の入力を回避することができる。
【0080】
また、主制御部50は、上述した一連の出庫処理において、第2のユーザ認証が成功して入力許可状態とされている間に、入退室検知センサ30によって乗降室への入退室が検出された場合には、入力許可状態を解除し(入力許可解除手段)、第2ユーザ認証画面をタッチパネル45に表示させることとしてもよい。このように、入退室検知センサ30によって操作盤22の前に人がいないことが検知された場合に入力許可状態を解除するので、認証された利用者が入室ボタンを押さずに乗降室内に進入した場合でも、第三者の入力を回避することができる。
【0081】
以上説明してきたように、本実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びに制御プログラムによれば、第2のユーザ認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、入室ボタンが操作された場合に入力許可状態が解除される。これにより、第三者の入力操作を阻止することができる。また、この場合において、記憶部41に格納されている利用者IDは消去されずに維持されたままとされるので、第1ユーザ認証を受けた利用者が利用者IDを再度入力することにより、入庫処理や出庫処理を引き続き行うことが可能となる。これにより、利用者の利便性を高めることができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、第2のユーザ認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、入退室検知センサ30によって乗降室への人の入退室が検知された場合には、入力許可状態が解除される。これにより、例えば、入力許可状態が維持されたまま、認証を受けた利用者が乗降室へ入るなどして操作盤22から離れた場合でも、第三者による入力操作を阻止することができる。これにより、安全性を高めることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、第2のユーザ認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、人感センサ49によって操作盤22の前に人がいないことが検知された場合には、入力許可状態が解除される。これにより、例えば、入力許可状態が維持されたまま認証を受けた利用者が操作盤22の前から移動した場合でも、第三者による入力操作を阻止することができる。これにより、安全性を高めることができる。
【0084】
また、本実施形態においては、主制御部50によって操作盤22が制御される場合を例示したが、この例に限られず、例えば、後述する第2実施形態のように、操作盤22に操作盤制御装置を設け、操作盤制御装置と主制御部50との情報のやり取りによって、上述の処理が実現されるようにしてもよい。また、この場合には、操作盤制御装置に入力許可状態の解除を行わせてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、入退室検知センサ30を一対のセンサにより構成したが、入退室検知センサは、乗降室内における入退室を検出できる手段であればこれに限定されない。例えば、入退室検知センサ30は、入出庫口3の外側に設けられた一対のセンサと、入出庫口3の内側に設けられた一対のセンサとを有し、外側のセンサから内側のセンサの順でオン信号が入力された場合に乗降室7に人が進入したと判定し、内側のセンサから外側のセンサの順でオン信号が入力された場合に乗降室7から人が退出したと判定することとしてもよい。また、このようなセンサに代えて、例えば、乗降室内のカメラにより取得された画像の差分処理を行うことにより、画像に変化が現れた際に乗降室内の入退室を検知することとしてもよい。
【0086】
次に、本発明の第2実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びに制御プログラムについて、
図14〜
図24を参照して説明する。本実施形態に係る機械式駐車装置は、コンベアによって車両の受け渡しをする複列式機械駐車装置である。また、本発明の第2実施形態では、運転手である利用者が機械式駐車装置への入力操作を行うのではなく、機械式駐車装置の管理人が操作者として入庫処理や出庫処理の入力操作を行う場合について説明する。
【0087】
図14は本発明の第2実施形態に係る機械式駐車装置110の概略構造を示す斜視図ある。
図14に示すように、機械式駐車装置110は、複列式格納棚群112、113と、走行台車105とを備えている。複列式格納棚群112、113は、複数種の車両(大型車、小型車等)を格納する複数種の格納棚122、123が連続的に配置されて多数の格納庫を構成している。各格納棚122、123は、前棚122a、123aと奥棚122b、123bとを備える複列式の格納棚群とされ、横送りコンベア115a、115b及び116a、116bがそれぞれ前後に配設されている。
【0088】
複列式格納棚群112、113間の台車走行路104には、1台または複数台の走行台車105が移動自在に配置されている。走行台車105は、複列式格納棚群112側と複列式格納棚群113側とに設けられたレール121上を走行することにより、複列式格納棚群112、113に沿って走行することができる。なお、複列式格納棚群112、113は階層構造になっており、これに対応して、走行台車105も各格納階に設けられている。
【0089】
複列式格納棚群113側の駐車場入口101には、横送りコンベア114a、114bを備えた入庫バース102aが設けられている。この入庫バース102aは、入庫用停車スペースである。複列式格納棚群113側には、入庫バース102aに停車された入庫車両を走行台車105に搬送する車両搬送手段として入庫リフト(昇降装置)103が設けられている。入庫リフト103は、横送りコンベア117a、117bを備えている。このような構成により、例えば、入庫バース102aに停車された入庫車両は、横送りコンベア114a、114b及び117a、117bによって入庫リフト103に移され、この入庫リフト103によって、車両を格納する所定の格納階まで運ばれ、横送りコンベア117a、117b及び118a、118bによって走行台車105に搬入される。入庫車両を載置した走行台車105は台車走行路104(例えば、レール121)を走行して所定の格納棚122(または123)まで移動する。その後、横送りコンベア115a、115b(または116a、116b)と、横送りコンベア118a、118bとによって、走行台車105上の入庫車両が所定の格納棚へ格納される。
なお、
図14では、一つの入庫バース102aしか図示していないが、本実施形態に係る機械式駐車装置110は、
図15に示すように、入庫リフト103を挟んで入庫バース102aと反対側にも入庫バース102bが設けられている。
【0090】
複列式格納棚群113側の駐車場出口109には、横送りコンベア120a、120bを備えた出庫バース107aが設けられている。出庫バース107aは、出庫用停車スペースである。更に、複列式格納棚群113側には、格納棚122、123に格納されていた車両を走行台車105から受け取り、出庫バース107aまで搬送する車両搬出手段として出庫リフト(昇降装置)108が設けられている。出庫リフト108は、横送りコンベア119a、119bを備えている。このような構成により、例えば、出庫車両は、横送りコンベア118a、118b及び119a、119bによって走行台車105から出庫リフト108に搬出され、出庫リフト108によって出庫バース107aが設けられる出口階まで運ばれ、横送りコンベア119a、119b及び120a、120bによって駐車場出口109の出庫バース107aに移される。なお、
図14では、一つの出庫バース107aしか図示していないが、本実施形態に係る機械式駐車装置110は、
図15に示すように、出庫リフト108を挟んで出庫バース107aと反対側にも出庫バース107bが設けられている。
【0091】
なお、本実施形態では、乗入階の下方に格納庫を設ける構造を例示したが、本発明の機械式駐車装置は、
図14に示される構造に限定されず、例えば、乗入階の上方に格納庫を設ける地上式の機械式駐車装置とされてもよい。
【0092】
図15は、本実施形態に係る機械式駐車装置110の駐車場出入口106近傍の上面図である。なお、
図15において、入庫リフト103が備える横送りコンベア117a、117b及び出庫リフト108が備える横送りコンベア119a、119bは図示が省略されている。
【0093】
図15に示されるように、本実施形態に係る機械式駐車装置110は、
図14に示した駐車場入口101と駐車場出口109とが共通階に設けられており、共通の駐車場出入口106において入出庫を行うことができるようになっている。なお、駐車場入口101と駐車場出口109との配置関係はこの例に限定されず、例えば、それぞれ専用の領域として設けられていても良いし、また、互いに別の階に設けることとしてもよい。
【0094】
図15に示すように、機械式駐車装置110は、複数の入庫バース102a、102b及び複数の出庫バース107a、107bを備えている。各入庫バース102a、102bに対応して操作盤130a、130bがそれぞれ設けられている。同様に、各出庫バース107a、107bに対応して操作盤130c、130dがそれぞれ設けられている。操作盤130a、130bは、車両の入庫時において、主に管理人によって操作される。出庫操作盤130c、130dは、車両の出庫時において、主に管理人によって操作される。
【0095】
各入庫バース102a、102bの駐車場出入口106側には、自動扉134a、134bが設けられている。この自動扉134a、134bは、入庫バース102a、102bと駐車場出入口106との間を移動する際に用いられる出入口扉である。同様に、出庫バース107a、107bの駐車場出入口106側には、自動扉136a、136bが設けられている。この自動扉136a、136bは、駐車場出入口106と出庫バース107a、107bとの間を移動する際に用いられる出入口扉である。
【0096】
各自動扉134a、134b、136a、136bの近傍には、人が駐車場出入口106と各入庫バース102a、102b、各出庫バース107a、107bとの間を移動したことを検知するための入退室検知センサ(入退室検知手段)200(
図18参照)が設けられている。この入退室検知センサ200は、例えば、各自動扉134a、134b、136a、136bが開いたことを検知するための扉開閉センサ(例えば、上述した第1実施形態で述べたセンサ30)であってもよいし、各自動扉134a、134b、136a、136bの開閉操作のトリガとして利用されるセンサ(例えば、人感センサや自動扉の出入口付近の床に設けられた押圧センサ等)を用いることとしてもよい。各入退室検知センサ200の検出信号は主制御部150に送信される。
【0097】
入庫バース102a、102b及び出庫バース107a、107bの各所には複数のカメラ(図示略)が設置されている。複数のカメラは、後述する主制御部150(
図17参照)によって制御される。
更に、入庫バース102a、102b及び出庫バース107a、107bの各所には複数のセンサ210(
図18参照)が設置されている。各種センサ210の検出信号は主制御部150に送信され、バース内の人物等の検知や、車両の位置等の検知が可能とされている。
【0098】
図16は、操作盤130(130a〜130d)の概略図である。以下、特に各操作盤130a〜130dを区別しない場合には、操作盤130として説明する。
【0099】
操作盤130は、IC(integrated circuit:集積回路)カードリーダ301と、駐車券リーダ302と、シャッター303と、モニタ304と、タッチパネル(入力手段)305と、スイッチ306とを備えており、これらを介して管理人等の操作者による各種操作入力を受け付ける。また、操作盤130には、操作盤130の前に人がいるか否かを検知するための人感センサ(人検知手段)307が設けられている。
【0100】
機械式駐車装置110の操作が許可されている管理人(または利用者)は、管理人(または利用者)を識別するためのICカードを所持している。ICカードには、管理人の認証情報(以下「操作者ID」という)が記録されている。ICカードリーダ301は、ICカードリーダ301の読取可能範囲にICカードを検出すると、ICカードから発信された操作者IDを読み取る。読み取られた操作者IDは、後述する主制御部150(
図17)に送信され、操作者認証に用いられる。
【0101】
駐車券リーダ302は、駐車券の挿入を受け付ける。
モニタ304は、文字や画像等を表示する液晶ディスプレイ装置、LED等の表示ランプ等を備えている。また、音声合成装置による音声、警報音、ブザーを出すスピーカと組み合わせ、種々の情報を管理人や利用者に提供するように構成されていてもよい。また、モニタ304は、対応する入庫バース102a、102b、出庫バース107a、107bに設けられた各カメラ(図示略)によって撮影された映像を表示する。このような構成により、管理人は、入庫時及び出庫時において、入庫バース102a、102b、出庫バース107a、107bの安全をカメラ映像からも確認することができる。
【0102】
タッチパネル305は、タッチパネル式の操作画面である。タッチパネル305には、入出庫予約に関する案内やボタン表示等が順次行われ、案内に従って管理人(または利用者)がタッチパネル305を操作することにより、入庫に関する入力操作または出庫に関する入力操作を容易に行うことができるようになっている。
スイッチ306は、機械式駐車装置110の動作を非常停止させる非常停止ボタン等である。
人感センサ307は、操作盤130の前に人がいるか否かを検知する。ここで、操作盤130の前とは、例えば、操作盤130を操作可能な位置範囲を意味する。この人感センサ307は、例えば、入庫処理または出庫処理を行っていた管理人が処理の途中で操作盤130の前を離れて移動してしまったことを検知する目的で設けられている。
【0103】
本実施形態において、人感センサ307は操作盤130に設けられているが、人感センサ307は操作盤130の付近、例えば、操作盤130が設けられている場所の近傍に設けられていてもよい。一例として、機械式駐車装置110の壁などが挙げられる。また、人を検知する手段は人感センサに限定されず、操作盤130の前に人がいるか否かを検知できる手段であればよい。例えば、レーザーレーダによってレーザが妨げられるか否かにより人物を検知したり、操作盤130の前方における画像に基づいて人物を検知したりしてもよい。
【0104】
図17は、本実施形態に係る機械式駐車装置110の制御装置100の概略構成を示した図である。本実施形態に係る機械式駐車装置の制御装置100は、各操作盤130a〜130dにそれぞれ設けられた操作盤制御部140a〜140d(以下、各操作盤制御部140a〜140dを区別しない場合には、単に「操作盤制御部140」という。)及び主制御部150を備える。
各操作盤制御部140は、操作盤130が備えるICカードリーダ301、駐車券リーダ302、タッチパネル305、モニタ304等に対する制御を行う。主制御部150は、各操作盤130a〜130dが備える各操作盤制御部140a〜140dと接続され、各操作盤制御部140a〜140dとの間で双方向通信が可能な構成とされている。主制御部150は、各操作盤制御部140a〜140dと情報の授受を行うことにより、機械式駐車装置110全体の制御を行う。
【0105】
各操作盤制御部140a〜140d及び主制御部150は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。
そして、後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、制御プログラム)の形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがメインメモリに読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0106】
図18は、操作盤制御部140及び主制御部150の機能ブロック図を示した図である。なお、本実施形態において、操作盤制御部140a〜140dがそれぞれ有する機能は同じであるが、例えば、入庫に用いられる操作盤制御部140a、140bと出庫に用いられる操作盤制御部140c、140dとで搭載機能を異ならせるような構成とされていてもよい。
図18に示されるように、操作盤制御部140は、操作画面制御部142と、通信部144と、記憶部146とを主な構成として備えている。
操作画面制御部142は、機械式駐車装置110の動作状態に応じた画面や操作者認証の結果等をタッチパネル305に表示させる。
【0107】
通信部144は、ICカードリーダ301によって読み取られた操作者ID、管理人によってタッチパネル305が操作されることにより入力された各種操作入力情報等を主制御部150に送信する。また、通信部144は、主制御部150から、機械式駐車装置110の動作状態を示す動作状態情報や、操作者認証の結果を示す認証結果情報等を受信する。
記憶部146は、操作盤制御部140で実行される各種プログラムやデータを記憶する。
【0108】
主制御部150は、通信部151、認証部152、機械制御部153、入力許可部154、入力許可解除部155及び記憶部156を備える。
通信部151は、操作盤制御部140からの操作者ID、操作入力情報等を受信し、動作状態情報や認証結果情報を操作盤制御部140へ送信する。
【0109】
認証部152は、機械式駐車装置110への操作を行う権限を有する管理人の操作者IDが登録されている認証情報データベース(図示略)を備えており、通信部151が受信した操作者IDと認証情報データベースに予め登録されている操作者ID(以下「登録操作者ID」という。)とを照合する第1の操作者認証を行う。また、認証部152は、通信部151が受信した操作者IDと認証情報データベースに登録されている登録操作者IDとを照合するとともに、第1の操作者認証時において記憶部156に格納された操作者IDと通信部151が受信した操作者IDとを照合する第2の操作者認証を行う。認証部152による操作者認証の結果は、通信部151を介して操作盤制御部140に送信される。
【0110】
機械制御部153は、機械式駐車装置110が備える各機構、例えば、横送りコンベア114a、114b、115a、115b、116a、116b、117a、117b、118a、118b、119a、119b、120a、120b、走行台車105、入庫リフト103、出庫リフト108等を制御する。機械制御部153による各機構の動作状態を示す情報は動作状態情報等として通信部151を介して操作盤制御部140に送信される。
【0111】
入力許可部154は、入庫処理及び出庫処理において、操作盤130のタッチパネル305からの入力操作を許可する入力許可状態とする。
入力許可解除部155は、入力許可部154による入力許可状態を解除する。
記憶部156は、主制御部150で実行される各種プログラムやデータ等を記憶するとともに、第1の操作者認証が成功した場合に、その操作者IDを記憶する。また、例えば、記憶部156には、入庫車両の格納棚の情報と駐車券情報とが関連付けられた駐車管理情報等が格納されている。
【0112】
〔入庫処理〕
次に、入庫時において、制御装置100によって実行される入庫処理について図を参照して説明する。
図19〜
図21は、制御装置100によって実行される入庫処理の手順を示したフローチャートである。
【0113】
まず入庫を行う場合、利用者は管理人の誘導に従い、
図15の矢印Aの方向から入庫バース102aまたは102bに車両を入庫させる。以下の説明では、便宜上、入庫バース102aに車両を入庫させる場合について説明する。運転手は、車両を入庫バース102aの適切な位置に停車させると降車し、自動扉134aを通じて駐車場出入口6に移動する。
【0114】
利用者が入庫バース102aから退出したことが入庫バース102a内等に設置されている各種センサ210、入退室検知センサ200によって検知されると(SC1)、主制御部150からの信号に基づき操作盤130aのタッチパネル135に第1の認証画面が表示される(SC2)。
第1の認証画面に従い、管理人がICカードをICカードリーダ301に接触させると、ICカードに登録されている操作者IDが読み取られ(SC3)、主制御部50に送信される。主制御部50は、操作者IDが入力されると、入力された操作者IDが認証情報データベースに登録操作者IDとして登録されているか否かを判定することにより、操作盤130aを操作しようとしている者が正当な権限を持つものであるか否かを判定する第1の操作者認証を行う(SC4)。
【0115】
この結果、第1の操作者認証が成功しなかった場合には(SC5:NO)、タッチパネル305に操作者認証に失敗したメッセージを表示させることにより、操作者認証が失敗したことを通知した上で、第1の認証画面を表示させる(SC2)。
一方、第1の操作者認証が成功した場合には(SC5:YES)、主制御部150は、第1の操作者認証が成功した操作者ID(第1認証情報)を記憶し(SC6)、第1認証完了信号を操作盤130aに送信する。操作盤130aの操作画面制御部142は、第1認証完了信号を受信すると、タッチパネル305に駐車券挿入画面を表示する(SC7)。駐車券挿入画面では、例えば、「駐車券を入れてください」といったガイダンス表示が行われる。管理人により、駐車券が駐車券リーダ302に挿入されると(SC8)、操作画面制御部42は、タッチパネル305に入庫準備中を示す入庫準備中画面を表示する(SC9)。また、駐車券挿入完了信号が操作盤130aから主制御部150に送信される。主制御部150が駐車券挿入完了信号を受信すると、入庫リフト103を入庫バース102aがある入口階に移動させる(SC10:機械装置の第1の起動処理)。
【0116】
入庫リフト103が入口階に到着すると、操作盤130aの操作画面制御部142は、タッチパネル305に無人確認画面を表示する(
図20のSC11)。無人確認画面では、例えば、「車内に人がいないことを確認してください」といった車内無人確認を促すガイダンスとともに「無人確認ボタン」が表示される。このガイダンスに従って、運転手又は同乗者は、入庫バース2a内に人物等がいないことを確認し、タッチパネル305の「無人確認ボタン」を押す(SC12)。無人確認ボタンが押されると、操作画面制御部142は、タッチパネル305に第2の認証画面を表示させる(SC13)。
【0117】
管理人がICカードをICカードリーダ301に接触させると(SC14)、操作者IDが操作盤130aから主制御部150に送信される。主制御部150では、第2の操作者認証を行う(SC15)。第2の操作者認証では、受信した操作者IDが予め登録されている操作者IDであるか否かを判定するとともに、第1の操作者認証で入力された操作者ID(第1認証情報)と第2の操作者認証で入力された操作者ID(第2認証情報)とが所定の関連性を有するか、例えば、両者が同一か否かを判定する照合処理が行われる。このように、第2の操作者認証では、操作盤130aを操作した管理人が操作盤130aを操作する権限を持つものであるか否か、及び、機械装置の起動操作(SC10)を指示した管理人と同一の管理人によって後続の入力操作が行われるかを判定する。
【0118】
第2の操作者認証が成功しなかった場合、ステップSC13に戻り、第2の認証画面を表示させる。一方、第2の操作者認証が成功した場合には(SC16:YES)、主制御部150は、操作盤130aのタッチパネル305からの管理人の入力操作を許可する入力許可状態とし(SC17:入力許可手段)、第2認証完了信号を操作盤130aに送信する。
【0119】
操作盤130aが第2認証完了信号を受信すると、操作盤130aの操作画面制御部142は、タッチパネル305に安全確認画面を表示させる(SC18)。安全確認画面では、例えば、「モニタで場内の安全を確認してください」といった場内の安全確認を促すガイダンスとともに「安全確認ボタン」及び「入室ボタン」が表示される。ここで、入室ボタンは、利用者(例えば、運転手や同乗者)が忘れ物に気づき、操作盤130aの前から再度入庫バースに進入する場合や、管理人が操作盤130aから離れる場合などに、第三者による操作入力を防止する目的で設けられたボタンである。また、安全確認画面では、入庫バース102a内に設置されている複数のカメラによって撮影された場内の映像がモニタ304に表示される。
【0120】
安全確認画面において、「入室ボタン」が押されると(SC19:YES)、入室信号が操作画面制御部142から主制御部150に出力される。主制御部150は入室信号を受信すると、入力許可状態を解除し(SC27)、タッチパネル305に第2の認証画面を再度表示させる(SC13)。これにより、操作盤130aの前から利用者や管理人が移動したとしても、第1操作者認証を受けた操作者(この場合には管理人)と所定の関係を有する人物以外の第三者によるタッチパネル305からの入力を阻止することが可能となる。
【0121】
一方、安全確認画面において、安全確認ボタンが押されると(SC20:YES)、続いて、操作画面制御部142は、タッチパネル305に、起動画面を表示させる(SC21)。起動画面では、入庫バース102a内の安全確認を再度行わせるガイダンスとともに「起動ボタン」と、「入室ボタン」とが表示される。また、この際、モニタ304には、入庫バース102a内に設置されている複数のカメラによって撮影された場内の映像が表示される。
【0122】
起動画面において、「入室ボタン」が押されると(SC22:YES)、入室信号が操作画面制御部142から主制御部150に出力される。主制御部150は入室信号を受信すると、入力許可状態を解除し(SC27)、タッチパネル305に第2の認証画面を再度表示させる(SC13)。これにより、操作盤130aの前から利用者や管理人が移動したとしても、第1操作者認証を受けた操作者(この場合には管理人)と所定の関係を有する人物以外の第三者によるタッチパネル305からの入力を阻止することが可能となる。
【0123】
一方、起動画面において、起動ボタンが押されると(SC23:YES)、起動指示信号が操作盤130aから主制御部50に送信される。主制御部50は起動指示信号を受信すると、入庫車両の格納処理を行う(SC24:機械装置の第2の起動処理)。また、入庫車両の格納処理と並行して、操作盤130aの駐車券リーダ302からは駐車券が排出される(SC25)。運転者または同乗者は駐車券を受け取ると、出庫の時まで駐車券を保管する。
【0124】
入庫車両の格納処理において、機械制御部153は、入庫バース102aと格納棚を区切る区画扉(図示略)を開き、入庫バース102aの横送りコンベア114a、114b及び入庫リフト103の横送りコンベア117a、117bを作動させる。これにより、入庫バース102aに停車されていた入庫車両は横送りされて入庫リフト103上に移動する。その後、機械制御部153は、入庫バース102aと入庫リフト103とを区切る区画扉(図示略)を閉め、入庫リフト103を所望の格納階まで昇降させる。そして、走行台車105、各横送りコンベアを作動させることで、所定の格納棚に入庫車両を格納させる。
入庫車両の格納処理が完了すると、駐車券情報と入庫車両と格納棚とが互いに関連付けられ、駐車管理情報として記憶部156に格納される(SC26)。
【0125】
また、主制御部150は、上述した一連の入庫処理において、第2の操作者認証が成功して入力許可状態とされている間に、人感センサ307によって操作盤130aの前に人がいないことを示すセンサ信号が入力された場合には、入力許可状態を解除し、第2の認証画面をタッチパネル305に表示させることとしてもよい。このように、人感センサ307によって操作盤130aの前に人がいないことが検知された場合に入力許可状態を解除するので、タッチパネル305が入力許可状態とされた状態で操作者である管理人が操作盤130aの前を離れた場合でも第三者の入力を可能な限り回避することができる。
【0126】
また、主制御部50は、上述した一連の入庫処理において、第2の操作者認証が成功して入力許可状態とされている間に、入退室検知センサ200によって入庫バース102aへの入退室が検出された場合に入力許可状態を解除し、第2の認証画面をタッチパネル305に表示させることとしてもよい。これにより、タッチパネル305が入力許可状態とされた状態で利用者、管理人、又は第三者が入庫バース102a内へ進入した場合でも第三者による操作盤130aからの入力操作を可能な限り回避することができる。
【0127】
〔出庫処理〕
続いて、出庫時において、制御装置100によって実行される出庫処理について
図22〜
図24を参照して説明する。
図22〜
図24は、制御装置100によって実行される出庫処理の手順を示したフローチャートである。なお、以下の説明では、便宜上、出庫バース107aに対応する操作盤130cから出庫予約を行う場合について説明する。
【0128】
出庫時においては、まず、運転者または同乗者が精算機等で事前に料金精算を済ませ、管理人に駐車券を渡す。管理人は、操作盤130cのタッチパネル305に表示されている第1の認証画面に従い、ICカードリーダ301にICカードを接触させる(
図22のSD1、SD2)。
【0129】
ICカードから読み取られた操作者IDは主制御部150に送信され、入庫時と同様に、第1の操作者認証が行われる。この結果、第1の操作者認証が成功しなかった場合には(SD4:NO)、タッチパネル305に操作者認証に失敗したメッセージを表示させた上で、第1の認証画面が表示される(SD1)。
【0130】
一方、第1の操作者認証が成功した場合(SD4:YES)、主制御部150は、第1の操作者認証が成功した操作者ID(第1認証情報)を記憶部156に記憶し(SD5)、第1認証完了信号を操作盤130cに送信する。操作盤130cの操作画面制御部142は、第1認証完了信号を受信すると、タッチパネル305に駐車券挿入画面を表示する(SD6)。駐車券挿入画面では、例えば、「駐車券を入れてください」といったガイダンス表示が行われる。管理人により、駐車券が駐車券リーダ302に挿入されると(SD7)、駐車券情報が読み取られ(SD8)、主制御部150に送信される。
【0131】
主制御部150は、受信した駐車券情報から記憶部156の駐車管理情報を参照し、出庫車両が格納されている格納棚を特定する(SD9)。続いて、主制御部150は、特定された格納棚から出庫車両を出口階まで移動させる出庫車両の搬送処理を行う(SD10:機械装置の第1の起動処理)。そして、出庫車両を載置した出庫リフト108が出庫バース107aのある出口階まで到達すると(SD11)、主制御部50は操作盤130cに対して出庫準備完了信号を送信する。操作盤130cの操作画面制御部142は、主制御部150から出庫準備完了信号を受信すると(
図23のSD12)、タッチパネル305に第2の認証画面を表示させる(SD13)。
【0132】
管理人は、操作盤130cのタッチパネル305に表示された第2の認証画面を確認すると、操作盤130cのICカードリーダ301にICカードを接触させる(SD14)。これにより、入庫時と同様に第2の操作者認証が行われる(SD15)。この結果、第2の操作者認証が成功しなかった場合(SD16:NO)、ステップSD13に戻り、第2の認証画面を表示させる。一方、第2の操作者認証が成功した場合には(SD16:YES)、主制御部150は、操作盤130cのタッチパネル305からの管理人の入力操作を許可する入力許可状態とし(SD17:入力許可手段)、操作盤130cに対して第2認証完了信号を送信する。
【0133】
操作盤130cの操作画面制御部42は第2認証完了信号を受信すると、タッチパネル305に「出庫準備完了画面」を表示させる(SD18)。出庫準備完了画面には、例えば、「出庫準備が完了しました。出庫処理を進めますか?」といったガイダンスとともに、「確認ボタン」が表示される。
【0134】
確認ボタンが押されると(SD19)、操作盤130cの操作画面制御部142は、続いて、タッチパネル305に安全確認画面を表示させる(
図24のSD20)。安全確認画面には、例えば、「モニタで場内の安全を確認してください」といった安全確認を促すガイダンスとともに、「安全確認ボタン」と「退席ボタン」が表示される。ここで、退席ボタンは、操作者である管理人が操作盤130cの前から一時的に離れる場合に、第三者の入力を防止する目的で設けられたボタンである。また、安全確認画面では、モニタ304に、出庫バース107a内に設置されている複数のカメラによって撮影された場内の映像が表示される。
【0135】
安全確認画面において、「退席ボタン」(解除指示手段)が押されると(SD21:YES)、退席信号が操作画面制御部142から主制御部150に出力される。主制御部150は退席信号を受信すると、入力許可状態を解除し(SD27)、タッチパネル305に第2の認証画面を再度表示させる(SD13)。これにより、操作盤130cの前から操作者(管理人)が移動したとしても、第1操作者認証を受けた操作者と所定の関係を有する人物以外の第三者によるタッチパネル305からの入力を阻止することが可能となる。
【0136】
一方、安全確認画面において、安全確認ボタンが押されると(SD22:YES)、続いて、操作画面制御部142は、タッチパネル305に、起動画面を表示させる(SD23)。起動画面では、出庫バース107a内の安全確認を再度行わせるガイダンスとともに「起動ボタン」と「退席ボタン」(解除指示手段)とが表示される。また、この際、モニタ304には、出庫バース107a内に設置されている複数のカメラによって撮影された場内の映像が表示される。
【0137】
起動画面において、「退席ボタン」が押されると(SD24:YES)、退席信号が操作画面制御部142から主制御部150に出力される。主制御部150は退席信号を受信すると、入力許可状態を解除し(SD27)、タッチパネル305に第2の認証画面を再度表示させる(SD13)。これにより、操作盤130cの前から管理人が移動したとしても、第1操作者認証を受けた操作者と所定の関係を有する人物以外の第三者によるタッチパネル305からの入力を阻止することが可能となる。
【0138】
一方、起動画面において、起動ボタンが押されると(SD25:YES)、起動指示信号が操作盤130cから主制御部150に送信される。主制御部150は起動指示信号を受信すると、車両を出庫バース107aに移動させる搬出処理を行う(SD26:機械装置の第2の起動処理)。具体的には、主制御部150は、出庫バース107aと格納棚を区切る区画扉を開き、出庫リフト108の横送りコンベア119a、119b及び出庫バース107aの横送りコンベア120a、120bを作動させる。これにより、出庫リフト108上に載置されていた出庫車両が横送りされて出庫バース107aに移動する(SD26)。その後、主制御部150は、出庫バース107aと出庫リフト108とを区切る区画扉(図示略)を閉める。運転者及び同乗者は自動扉136bを通じて出庫バース107bに進入して車両に乗り込み、車両を
図15の矢印Bの方向に走行させることにより、出庫バース107aから退出する。
【0139】
また、主制御部150は、上述した一連の出庫処理において、第2の操作者認証が成功して入力許可状態とされている間に、人感センサ307によって操作盤130cの前に人がいないことを示すセンサ信号が入力された場合には、入力許可状態を解除し、第2の認証画面をタッチパネル305に表示させることとしてもよい。このように、人感センサ307によって操作盤130cの前に人がいないことが検知された場合に入力許可状態を解除するので、タッチパネル305が入力許可状態とされた状態で操作者(管理人)が操作盤130cの前を離れた場合でも第三者の入力を可能な限り回避することができる。
【0140】
また、主制御部150は、上述した一連の出庫処理において、第2の操作者認証が成功して入力許可状態とされている間に、入退室検知センサ200によって出庫バース107aへの入退室が検出された場合に入力許可状態を解除し、第2の認証画面をタッチパネル305に表示させることとしてもよい。これにより、タッチパネル305が入力許可状態とされた状態で運転手等の利用者、管理人、第三者が出庫バース107a内へ進入した場合でも、第1操作者認証を受けた管理人以外の人物による入力操作を可能な限り回避することができる。
【0141】
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車装置、その制御装置、制御方法、及び制御プログラムによれば、第2の操作者認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、入室ボタンや退席ボタンが操作された場合に入力許可状態が解除される。これにより、第三者の入力操作を阻止することができ、安全性を高めることができる。また、この場合において、記憶部に格納されている操作者ID(第1認証情報)は消去されずに維持されるので、第1操作者認証を受けた操作者(例えば、管理人)が操作者IDを再度入力することにより、入庫処理や出庫処理を引き続き行うことが可能となる。これにより、操作者の利便性を高めることができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、第2の操作者認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、入退室検知センサによってバースへの人の入退室が検知された場合には、入力許可状態が解除される。これにより、例えば、入力許可状態が維持されたまま、認証を受けた操作者、運転手等の利用者、或いは第三者がバースへ入るなどした場合でも、第三者による入力操作を阻止することができる。これにより、安全性を高めることができる。
【0143】
また、本実施形態によれば、第2の操作者認証が成功することによりタッチパネルからの入力が許可されている入力許可状態において、人感センサによって操作盤の前に人がいないことが検知された場合には、入力許可状態が解除される。これにより、例えば、入力許可状態が維持されたまま認証を受けた操作者が操作盤の前から移動した場合でも、第三者による入力操作を阻止することができる。これにより、安全性を高めることができる。
【0144】
また、上述した第2実施形態では、主制御部と各操作盤に設けられた操作盤制御部との協働によって入庫処理及び出庫処理を実現する場合を例示して説明したが、例えば、上述した第1実施形態のように、操作盤制御部を設けずに、主制御部が操作盤の制御を直接行うような構成としても良い。また、主制御部及び操作盤制御部が備える機能は上記例に限定されず、例えば、主制御部が備える機能の一部を操作盤制御部が備えるように構成したり、操作盤制御部が備える機能の一部を主制御部が備えるように構成することも可能である。
【0145】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態で説明した入庫処理及び出庫処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。
【0146】
例えば、上述した各実施形態では、入室ボタン及び退席ボタン(解除指示手段)をタッチパネルに表示させることにより、操作者自らによる入力許可状態の解除指示を入力できるようにしたが、この入室ボタンや退室ボタンの提示態様はこの例に限定されない。例えば、操作盤に物理的に設けられていてもよい。また、これら入室ボタン及び退席ボタンは、必ずしも操作盤に設けられていなくてもよく、操作盤を操作している操作者が操作可能な位置に設けられていればよい。
【0147】
また、利用者IDや操作者ID(認証情報)の入力手法として、利用者IDや操作者IDが記録されているICカードをICカードリーダに読み取らせる手法を採用したが、利用者ID、操作者IDの入力手法はこの例に限定されない。例えば、ICタグを用いた入力手法や、予め登録した暗証番号をテンキーやタッチパネルから入力する手法等、様々な手法を採用することが可能である。また、生体認証等を用いることとしてもよい。また、無人確認ボタン、安全確認ボタン、閉扉ボタン等の各種入力指示についてもタッチパネルを介した入力操作に限定されず、例えば、操作盤に設けられている物理的な閉扉ボタンを操作することとしてもよいし、あるいは、音声によって入力することとしてもよい。
【0148】
また、各実施形態に係る機械式駐車装置は、緊急停止ボタンを更に備えていてもよい。この緊急停止ボタンは、上述した入室ボタンや退席ボタンとは異なり、機械装置の動作を停止させるための入力インターフェースである。この緊急停止ボタンが操作された場合には、機械装置の駆動電源などがシャットダウンされ、機械装置の動作自体が停止する。また、緊急停止ボタンが操作された場合の復旧作業は機械式駐車装置を管理する管理会社の作業員等により行われる必要があり、復旧に時間を要する。
【0149】
また、各実施形態に係る機械式駐車装置は、入庫処理や出庫処理の全体をキャンセルするためのキャンセルボタンを更に備えていてもよい。キャンセルボタンが操作された場合には、入庫処理や出庫処理がキャンセルされるとともに、記憶部に格納されている認証情報、すなわち、第1のユーザ認証や第1の操作者認証に成功した場合に、記憶部に書き込まれる利用者ID、操作者IDも消去される。
【0150】
上記緊急停止ボタンやキャンセルボタンの提示手法については限定されない。例えば、操作盤に物理的なボタンとして設けられていてもよいし、操作盤以外の操作者が操作しやすい場所に設けられていてもよい。また、操作盤のタッチパネルに常に表示されることにより、操作者に提示されることとしてもよい。
起動後に入力された第2認証情報と前記記憶手段に格納されている第1認証情報とが所定の関係を有する場合に、前記入力手段からの入力を許可する入力許可手段と、所定の入力情報を受け付けた場合に、前記入力手段の入力が許可されている入力許可状態を解除する入力許可解除手段とを備え、前記入力許可解除手段によって前記入力許可状態が解除された場合に、前記記憶手段に格納されている前記第1認証情報は消去されずに保持される機械式駐車装置である。
起動後に入力された第2認証情報と前記記憶手段に格納されている第1認証情報とが所定の関係を有する場合に、前記入力手段からの入力を許可する入力許可工程と、所定の入力情報を受け付けた場合に、前記入力手段の入力が許可されている入力許可状態を解除する入力許可解除工程とを備え、前記入力許可解除工程において前記入力許可状態が解除された場合に、前記記憶手段に格納されている前記第1認証情報は消去されずに保持される機械式駐車装置の制御方法である。
起動後に入力された第2認証情報と前記記憶手段に格納されている第1認証情報とが所定の関係を有する場合に、前記入力手段からの入力を許可する入力許可処理と、所定の入力情報を受け付けた場合に、前記入力手段の入力が許可されている入力許可状態を解除する入力許可解除処理とを含み、前記入力許可解除処理において前記入力許可状態が解除された場合に、前記記憶手段に格納されている前記第1認証情報は消去されずに保持される機械式駐車装置の制御プログラムである。